特許第6015589号(P6015589)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015589
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20161013BHJP
【FI】
   G03G21/00 398
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-165968(P2013-165968)
(22)【出願日】2013年8月9日
(65)【公開番号】特開2015-34901(P2015-34901A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2015年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平松 久二
(72)【発明者】
【氏名】黒石 健児
(72)【発明者】
【氏名】村田 裕治
(72)【発明者】
【氏名】笠原 俊介
【審査官】 三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−256234(JP,A)
【文献】 特開2002−244502(JP,A)
【文献】 特開平03−155580(JP,A)
【文献】 特開2014−108606(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0153013(US,A1)
【文献】 特開2013−033191(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0327458(US,A1)
【文献】 特開2002−225394(JP,A)
【文献】 特開2005−162155(JP,A)
【文献】 特開2003−189018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ電力の供給を受けて動作し、少なくとも原稿の画像を読み取る画像読取部を含む複数の処理部と、
電力の供給を受けている間に、第1の検知領域に進入する物体を検知する第1検知手段と、
電力の供給を受けている間に、前記第1の検知領域よりも狭い第2の検知領域に進入する物体を検知する第2検知手段と、
電力の供給を受けている間に、前記画像読取部の原稿読み取り台に置かれた原稿を上から押さえつける圧板の開閉を検知する第3検知手段と、
電力の供給を受けている間に、前記原稿読み取り台に原稿を送る原稿送り装置に原稿が置かれたか否かを検知する第4検知手段と、
前記複数の処理部、前記第1検知手段及び前記第2検知手段への電力供給を制御する制御手段と、を含み、
前記制御手段は、節電モードの開始時において、前記複数の処理部の少なくとも一部と前記第2検知手段と、前記第3検知手段と、前記第4検知手段とへの電力供給を停止するとともに、前記第1検知手段に電力を供給し、
前記制御手段は、前記節電モードの開始後において、前記第1検知手段により前記第1の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記第2検知手段への電力供給を開始し、
前記制御手段は、前記節電モードの間に、前記第2検知手段により前記第2の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記電力供給が停止されている前記複数の処理部の少なくとも一部と、前記第3検知手段と、前記第4検知手段とへの電力供給を再開して前記節電モードを解除する
処理装置。
【請求項2】
前記複数の処理部は、ユーザからの操作を受け付ける操作受付部と、媒体に画像を形成する画像形成部と、前記操作受付部、前記画像読取部及び前記画像形成部をそれぞれ制御する制御部と、を更に含み、
前記制御手段は、前記節電モードの開始時において、前記操作受付部、前記画像読取部、前記画像形成部、及び前記制御部の少なくとも一部への電力供給を停止し
前記制御手段は、前記節電モードの間に、前記第2検知手段により前記第2の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記操作受付部と前記制御部への電力供給を再開する
請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記節電モードの間に、前記第3検知手段により圧板の開閉が検知された場合に、前記画像読取部への電力供給を再開する
請求項1又は2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記節電モードの間に、前記第4検知手段により前記原稿送り装置に原稿が置かれたことが検知された場合に、前記画像読取部への電力供給を再開する
請求項1乃至3のいずれかに記載の処理装置。
【請求項5】
前記第3検知手段と前記第4検知手段に電力供給を開始した直後における、前記第3検知手段と前記第4検知手段からの検知信号の出力を制限する制限手段をさらに含む
請求項1乃至4のいずれかに記載の処理装置。
【請求項6】
前記第1検知手段と前記第2検知手段による検知を無効化している場合には、前記制御手段は、前記節電モードの開始時において、前記第3検知手段と前記第4検知手段への電力を供給し、
前記制御手段は、前記節電モードの間に、前記第3検知手段又は前記第4検知手段による検知が行われた場合に、前記複数の処理部への電力供給を再開して前記節電モードを解除する
請求項1乃至5のいずれかに記載の処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記節電モードの間に、前記第2検知手段により前記第2の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記画像形成部の制御回路に電力を供給して初期立ち上げ処理を実行させる
請求項に記載の処理装置。
【請求項8】
それぞれ電力の供給を受けて動作し、少なくとも原稿の画像を読み取る画像読取部を含む複数の処理部と、
電力の供給を受けている間に、第1の検知領域に進入する物体を検知する第1検知手段と、
電力の供給を受けている間に、前記第1の検知領域よりも狭い第2の検知領域に進入する物体を検知する第2検知手段と、
電力の供給を受けている間に、前記画像読取部の原稿読み取り台に置かれた原稿を上から押さえつける圧板の開閉を検知する第3検知手段と、
電力の供給を受けている間に、前記原稿読み取り台に原稿を送る原稿送り装置に原稿が置かれたか否かを検知する第4検知手段と、
前記複数の処理部、前記第1検知手段及び前記第2検知手段への電力供給を制御する制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記制御手段は、節電モードの開始時において、前記複数の処理部の少なくとも一部と前記第2検知手段と、前記第3検知手段と、前記第4検知手段とへの電力供給を停止するとともに、前記第1検知手段に電力を供給し、
前記制御手段は、前記節電モードの開始後において、前記第1検知手段により前記第1の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記第2検知手段への電力供給を開始し、
前記制御手段は、前記節電モードの間に、前記第2検知手段により前記第2の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記電力供給が停止されている前記複数の処理部の少なくとも一部と、前記第3検知手段と、前記第4検知手段とへの電力供給を再開して前記節電モードを解除する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の機能を備える装置において、利用していない機能については電力の供給を停止して消費電力を抑えることがある(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−189018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、節電モード時の電力消費を抑えることができる処理装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、それぞれ電力の供給を受けて動作する複数の処理部と、電力の供給を受けている間に、第1の検知領域に進入する物体を検知する第1検知手段と、電力の供給を受けている間に、前記第1の検知領域よりも狭い第2の検知領域に進入する物体を検知する第2検知手段と、前記複数の処理部、前記第1検知手段及び前記第2検知手段への電力供給を制御する制御手段と、を含み、前記制御手段は、節電モードの開始時において、前記複数の処理部の少なくとも一部と前記第2検知手段への電力供給を停止するとともに、前記第1検知手段に電力を供給し、前記制御手段は、前記節電モードの開始後において、前記第1検知手段により前記第1の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記第2検知手段への電力供給を開始し、前記制御手段は、前記節電モードの間に、前記第2検知手段により前記第2の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記電力供給が停止されている前記複数の処理部の少なくとも一部への電力供給を再開して前記節電モードを解除する処理装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、前記複数の処理部は、ユーザからの操作を受け付ける操作受付部と、原稿の画像を読み取る画像読取部と、媒体に画像を形成する画像形成部と、前記操作受付部、前記画像読取部及び前記画像形成部をそれぞれ制御する制御部と、を含み、前記制御手段は、前記節電モードの開始時において、前記操作受付部、前記画像読取部、前記画像形成部、及び前記制御部の少なくとも一部と前記第2検知手段への電力供給を停止するとともに、前記第1検知手段に電力を供給し、前記制御手段は、前記節電モードの間に、前記第2検知手段により前記第2の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記操作受付部と前記制御部への電力供給を再開する請求項1に記載の処理装置である。
【0007】
請求項3に係る発明は、電力の供給を受けている間に、前記画像読取部の原稿読み取り台に置かれた原稿を上から押さえつける圧板の開閉を検知する第3検知手段と、電力の供給を受けている間に、前記原稿読み取り台に原稿を送る原稿送り装置に原稿が置かれたか否かを検知する第4検知手段と、をさらに含み、前記制御手段は、前記節電モードの開始時において、前記操作受付部、前記画像読取部、前記画像形成部、及び前記制御部の少なくとも一部と、前記第2検知手段、前記第3検知手段、及び前記第4検知手段への電力供給を停止し、前記制御手段は、前記節電モードの開始後において、前記第1検知手段により前記第1の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記第2検知手段、前記第3検知手段、及び前記第4検知手段への電力供給を開始する請求項2に記載の処理装置である。
【0008】
請求項4に係る発明は、前記制御手段は、第1検知手段により前記第1の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記第2検知手段への電力供給を開始し、前記第2検知手段により前記第2の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記第3検知手段、及び前記第4検知手段への電力供給を開始する請求項2に記載の処理装置である。
【0009】
請求項5に係る発明は、前記制御手段は、前記節電モードの間に、前記第3検知手段により圧板の開閉が検知された場合に、前記画像読取部への電力供給を再開する請求項3又は4に記載の処理装置である。
【0010】
請求項6に係る発明は、前記制御手段は、前記節電モードの間に、前記第4検知手段により前記原稿送り装置に原稿が置かれたことが検知された場合に、前記画像読取部への電力供給を再開する請求項3又は4に記載の処理装置である。
【0011】
請求項7に係る発明は、前記第3検知手段と前記第4検知手段に電力供給を開始した直後における、前記第3検知手段と前記第4検知手段からの検知信号の出力を制限する制限手段をさらに含む請求項3乃至6のいずれかに記載の処理装置である。
【0012】
請求項8に係る発明は、前記第1検知手段と前記第2検知手段による検知を無効化している場合には、前記制御手段は、前記節電モードの開始時において、前記第3検知手段と前記第4検知手段への電力を供給し、前記制御手段は、前記節電モードの間に、前記第3検知手段又は前記第4検知手段による検知が行われた場合に、前記操作受付部、前記制御部、及び前記画像読取部への電力供給を再開して前記節電モードを解除する請求項3乃至7のいずれかに記載の処理装置である。
【0013】
請求項9に係る発明は、前記制御手段は、前記節電モードの間に、前記第2検知手段により前記第2の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記画像形成部の制御回路に電力を供給して初期立ち上げ処理を実行させる請求項3乃至8のいずれかに記載の処理装置である。
【0014】
請求項10に係る発明は、それぞれ電力の供給を受けて動作する複数の処理部と、電力の供給を受けている間に、第1の検知領域に進入する物体を検知する第1検知手段と、電力の供給を受けている間に、前記第1の検知領域よりも狭い第2の検知領域に進入する物体を検知する第2検知手段と、前記複数の処理部、前記第1検知手段及び前記第2検知手段への電力供給を制御する制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記制御手段は、節電モードの開始時において、前記複数の処理部の少なくとも一部と前記第2検知手段への電力供給を停止するとともに、前記第1検知手段に電力を供給し、前記制御手段は、前記節電モードの開始後において、前記第1検知手段により前記第1の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記第2検知手段への電力供給を開始し、前記制御手段は、前記節電モードの間に、前記第2検知手段により前記第2の検知領域への物体の進入が検知された場合に、前記電力供給が停止されている前記複数の処理部の少なくとも一部への電力供給を再開して前記節電モードを解除するプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1及び10に係る発明によれば、節電モード時の電力消費を抑えることができる。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、処理装置を操作する可能性が高い利用者が検知された場合には節電モードを解除できる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、処理装置に近づく利用者が検知できない場合には、画像読取機能の利用を検知する検知機能を動作させずに電力消費を抑えることができる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、処理装置を操作する可能性が高い利用者が検知されるまで画像読取部の利用を検知する機能を動作させずに電力消費を抑えることができる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、画像読取機能が利用される可能性が高いことを検知した場合に、画像読取部の節電状態を解除できる。
【0020】
請求項6に係る発明によれば、画像読取機能の利用を検知した場合に、画像読取部の節電状態を解除できる。
【0021】
請求項7に係る発明によれば、電力投入直後の誤検出を回避できる。
【0022】
請求項8に係る発明によれば、処理装置に近づく利用者の検知機能を無効化している場合には、画像読取機能の利用の検知結果に基づいて節電状態を解除できる。
【0023】
請求項9に係る発明によれば、本構成を有さない場合と比較して、画像形成部の節電状態からの復帰までの時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の電源システムの構成図である。
図2】コントローラの構成図である。
図3】電源制御回路に設けられるマスク回路を説明する図である。
図4】節電モードへの移行処理のフロー図である。
図5】節電モード時における処理のフロー図である。
図6】節電モード時における処理のフロー図である。
図7】第2の実施形態に係る画像形成装置の電源システムの構成図である。
図8】節電モードへの移行処理のフロー図である。
図9】節電モード時における処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための実施の形態(以下、実施形態という)を、図面を参照しながら説明する。
【0026】
[1.第1の実施形態]
まず、図1図6を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置1について説明する。
【0027】
[1−1.画像形成装置1の電源システム]
図1には、第1の実施形態に係る画像形成装置1の電源システムの構成を示した。図1に示される、画像形成装置1の電源システムは、画像形成装置1に備えられる複数の機能を実現するそれぞれのハードウェアに対する電力供給を制御するシステムである。
【0028】
図1に示されるように、画像形成装置1は、ハードウェアとして、電源E1、電源E2、コントローラ10、操作パネル20、画像読取部30(スキャナ装置)、画像形成部40(印刷装置)、第1人感センサーS1、第2人感センサーS2、原稿検知センサーS3、圧板センサーS4を備える。画像形成装置1は、コンセント口に差し込まれた電源プラグPを介して交流電源ACから電力供給を受ける。
【0029】
電源E1は、コントローラ10に駆動電力を供給する。電源E1は、メインスイッチSW−MがON(導通)となると、交流電源ACに接続された状態となる。そして、電源E1は、交流電源ACから供給される交流電力を直流電力に変換してコントローラ10側へ出力する。
【0030】
電源E2は、コントローラ10以外の操作パネル20、画像読取部30、画像形成部40に駆動電力を供給する。電源E2は、メインスイッチSW−MがON(導通)となり、さらにスイッチSW−1がON(導通)になると、交流電源ACに接続された状態となる。そして、電源E2は、交流電源ACに接続された状態において、スイッチSW−2がONになっている場合には、操作パネル20に電力を供給し、スイッチSW−3がONになっている場合には、画像読取部30に電力を供給し、スイッチSW−4がONになっている場合には、画像形成部40に電力を供給する。
【0031】
コントローラ10は、メインスイッチSW−MがON(導通)になると、電源E1から駆動電力の供給を受け、画像形成装置1の各部を制御するとともに、操作パネル20、画像読取部30、画像形成部40、第1人感センサーS1、第2人感センサーS2、原稿検知センサーS3、圧板センサーS4のそれぞれへの電力供給を制御する制御ユニットである。なお、コントローラ10の構成の詳細については後述する。
【0032】
操作パネル20は、例えば液晶ディスプレイ装置等の表示部と、ボタンやタッチパネル等の入力受付部とを備え、操作画面を表示部に表示するとともに、入力受付部によりユーザからの操作入力を受け付ける操作インターフェースである。操作パネル20は、メインスイッチSW−M、スイッチSW−1、スイッチSW−2の全てがONである場合に電力が供給される。
【0033】
画像読取部30は、原稿のイメージを読み取るイメージスキャナである。画像読取部30は、原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像に対して光を照射しながら走査する走査系と、走査系の走査によって原稿に照射された光を受光して信号に変換するCCD等の受光素子とを備える。また、画像読取部30は、自動原稿送り装置を備え、自動原稿送り装置に置かれた1以上の原稿を、1枚ずつ原稿台に送って、送られた原稿のイメージを順次読み取ることとしてよい。
【0034】
画像形成部40は、印刷用紙(媒体)に画像を形成するプリンタである。画像形成部40は、画像読取部30で読み取られたイメージを印刷用紙に形成する処理(コピー)と、外部デバイスから取得したイメージを印刷用紙に形成する処理(プリント)とを実行することとしてよい。
【0035】
第1人感センサーS1は、例えば焦電素子を用いた赤外線センサー等により実現され、検知領域内に人体(物体)が存在するか否かを検知するセンサーである。第1人感センサーS1は、後述する第2人感センサーS2よりも人体の検知領域が広く、画像形成装置1に人体が近づいている状態を検出するようになっている。例えば、第1人感センサーS1の検知領域は、例えば画像形成装置1から2〜3m程度としてよい。
【0036】
第2人感センサーS2は、例えば投光部から発射された光に対する反射光を受光する反射型センサー等により実現され、検知領域内に人体(物体)が存在するか否かを検知するセンサーである。第2人感センサーS2は、第1人感センサーS1よりも人体の検知領域が狭く、画像形成装置1を操作しようとする状態を検出するようになっている。例えば、第2人感センサーS2の検知領域は、例えば画像形成装置1から0.5m以内程度としてよい。
【0037】
原稿検知センサーS3は、自動紙送り装置に設けられ、自動紙送り装置に原稿が置かれているか否かを検知するセンサーである。
【0038】
圧板センサーS4は、原稿台に置かれた原稿を上から押さえつける圧板の開閉を検知するセンサーである。
【0039】
ここで、コントローラ10による電力供給制御について説明する。コントローラ10は、電源E2への電力供給を制御するスイッチSW−1、電源E2から操作パネル20への電力供給を制御するスイッチSW−2、電源E2から画像読取部30への電力供給を制御するスイッチSW−3、電源E2から画像形成部40への電力供給を制御するスイッチSW−4のそれぞれのON(導通)とOFF(切断)を制御する制御信号を各スイッチに出力することで、スイッチSW−1〜4のそれぞれのONとOFFとを制御する。
【0040】
また、コントローラ10は、第1人感センサーS1への電力供給を制御するスイッチSW−S1、第2人感センサーS2への電力供給を制御するスイッチSW−S2、原稿検知センサーS3への電力供給を制御するスイッチSW−S3、圧板センサーS4への電力供給を制御するスイッチSW−S4のそれぞれのON(導通)とOFF(切断)を制御する制御信号を各スイッチに出力することで、スイッチSW−S1〜S4のそれぞれのONとOFFとを制御する。
【0041】
[1−2.画像形成装置1のコントローラ10]
次に、図2を参照しながら、コントローラ10の構成の詳細について説明する。
【0042】
図2に示されるように、コントローラ10は、CPU100、DRAM101、ROM102、HDD103、ネットワークインターフェース104、電源制御回路105、I/O回路106を備える。
【0043】
CPU100は、コントローラ10の各部を制御する中央処理装置である。
【0044】
DRAM101は、コントローラ10のメインメモリとして用いられ、データやプログラムが記憶される揮発性メモリである。例えば、CPU100は、ROM102に格納されたプログラムをDRAM101にコピーすることとしてよい。
【0045】
ROM102は、例えばコントローラ10のプログラムを格納した不揮発性メモリである。
【0046】
HDD103は、コントローラ10の補助記憶装置として用いられる磁気記憶装置である。例えば、HDD103には、画像形成装置1が読み取ったイメージデータや、外部デバイスから受け付けたジョブのデータ等を記憶することとしてよい。
【0047】
ネットワークインターフェース104は、例えばネットワークインターフェース104カード(NIC)を含み、NICを介してネットワークに接続された他のデバイス(例えば情報端末1000)と通信する。
【0048】
電源制御回路105は、第1人感センサーS1、第2人感センサーS2、原稿検知センサーS3、圧板センサーS4のそれぞれへの電力供給を制御する(すなわち、第1人感センサーS1、第2人感センサーS2、原稿検知センサーS3、圧板センサーS4のそれぞれのON/OFFを制御する)とともに、第1人感センサーS1、第2人感センサーS2、原稿検知センサーS3、圧板センサーS4のそれぞれからの検知信号を受信する。また、電源制御回路105は、画像形成装置1に備えられた節電ボタン50と接続され、節電ボタン50のON/OFFの入力を受け付ける。なお、電源制御回路105と節電ボタン50とを接続する回路には、プルアップ抵抗110が設けられる。
【0049】
ここで電源制御回路105において、原稿検知センサーS3と圧板センサーS4のそれぞれと接続する回路には、原稿検知センサーS3(又は圧板センサーS4)をOFFからONに切り替えた直後に発生するノイズ信号が電源制御回路105に入力されることで誤検出が発生することを防止するためのマスク回路を設けることとしてよい。ここで、電源制御回路105に設けられるマスク回路について図3を参照しながら説明する。なお、図3には、原稿検知センサーS3に対してマスク回路200を設けた例を説明しているが、圧板センサーS4に対しても同様にマスク回路200を設けることとしてもよいのはもちろんである。
【0050】
図3に示されるように、電源制御回路105は、電源E1Aから電力が供給される原稿検知センサーS3からの検知信号が入力されるラインにプルアップ抵抗120が設けられ、プルアップ抵抗120が設けられたラインは、トランジスタ121のベースに入力される。そして、トランジスタ121のエミッタ側はアースに接続され、トランジスタ121のコレクタに接続されたラインには、プルアップ抵抗122とインバータ123が接続される。
【0051】
また、電源制御回路105には、トランジスタ121のコレクタと、プルアップ抵抗122との間と、電源E1Aとの間とを接続するマスク回路200が設けられる。具体的には、マスク回路200は、ダイオード201、抵抗202、コンデンサ203、抵抗204、シュミットトリガインバータ205、トランジスタ206を備える。そして、マスク回路200により、電源E1Aから原稿検知センサーS3への電力投入が開始された直後の、原稿検知センサーS3からの出力信号をインバータ123側に出力しないようにすることができる。なお、図3に示したマスク回路200の例は、コンデンサと抵抗とを利用した回路としたが、リセット発生デバイスを用いて、原稿検知センサーS3(圧板センサーS4)への電源投入直後の出力信号をマスクするようにしてもよい。
【0052】
I/O回路106は、操作パネル20、画像形成部40、画像読取部30と接続し、操作パネル20、画像形成部40、画像読取部30とデータ通信する。また、I/O回路106は、UIインターフェース106A、ビデオインターフェース106B、スキャンインターフェース106Cを備え、UIインターフェース106Aを介して操作パネル20と通信し、ビデオインターフェース106Bを介して画像形成部40と通信し、スキャンインターフェース106Cを介して画像読取部30と通信することとしてよい。
【0053】
[1−3.処理の詳細の説明]
本実施形態に係る画像形成装置1は、節電ボタン50が押下された場合、又は、予め設定された時間使用されなかった場合に、節電モードに切り替わることとしてよい。次に、節電モードに移行する際、及び節電モードの間における処理の詳細について、図4図6に示したフロー図を参照しながら説明する。
【0054】
[1−3−1.節電モードへの移行処理]
まず、図4に示したフロー図を参照しながら、節電モードへの移行処理の詳細について説明する。
【0055】
図4に示されるように、画像形成装置1は、例えば通常動作時において、節電モードに移行するか否かを判定し(S101)、節電モードに移行しない場合には(S101:N)、通常動作を継続する。また、画像形成装置1は、節電モードに移行する場合には(S101:Y)、S102に進む。なお、画像形成装置1は、節電ボタン50が押下された場合、又は、予め設定された時間使用されなかった場合に、節電モードに移行すると判定することとしてよい。
【0056】
画像形成装置1は、節電モードに移行する場合には(S101:Y)、操作パネル20、画像読取部30、画像形成部40の機能を停止させた後に(S102)、スイッチSW−1〜4をOFFに切り替えて(S103)、操作パネル20、画像読取部30、画像形成部40への通電を停止する。
【0057】
ここで、画像形成装置1は、人感センサーが有効に設定されている(すなわち無効化されていない)場合には(S104:Y)、スイッチSW−S1のみをON、スイッチSW−S2〜S4をOFFに設定して(S105)、第1人感センサーS1以外の他のセンサーへの通電を停止する。
【0058】
また、画像形成装置1は、人感センサーが有効に設定されていない(すなわち無効化されている)場合には(S104:N)、スイッチSW−S1,スイッチSW−S2をそれぞれOFF、スイッチSW−S3,S4をそれぞれONに設定して(S106)、原稿検知センサーS3と圧板センサーS4以外の他のセンサーへの通電を停止する。
【0059】
次に、画像形成装置1は、コントローラ10を節電モードに移行させる(S107)。具体的には、画像形成装置1は、コントローラ10の節電モードにおいては、コントローラ10の電源制御回路105、ネットワークインターフェース104、セルフリフレッシュ状態のDRAM101、CPU100の一部に通電し、それ以外の部分への通電を停止するようにしてよい。
【0060】
画像形成装置1は、節電モードに移行後に、人感センサーによる検知信号を受け付けたり、ネットワークインターフェース104により処理データを受け付けたりすることにより、節電モードを解除する場合には(S108:Y)、S101に戻り、それ以降の処理を実行する。
【0061】
また、画像形成装置1は、節電モードを解除しない場合であって(S108:N)、電源をOFFしないときには(S109:N)、S108に戻り、電源をOFFするときには(S109:Y)、電源をOFFして処理を終了する。
【0062】
[1−3−2.節電モード時の処理1]
次に、節電モードにある場合において画像形成装置1が実行する処理について図5及び図6に示したフロー図を参照しながら説明する。
【0063】
まず、図5に示したフロー図を参照しながら、節電モード時において画像形成装置1が実行する第1の処理について説明する。
【0064】
図5に示されるように、画像形成装置1は、節電モードにない場合には(S201:N)、処理を抜けて図4のS101に戻り、節電モードにある場合には(S201:Y)、S202に進む。
【0065】
画像形成装置1は、S202において、第1人感センサーS1がONである(すなわち、人感センサーが有効である)場合には(S202:Y)、S203に進む。
【0066】
画像形成装置1は、S203において、第1人感センサーS1が人を検知した(すなわち検知信号を出力した)場合には(S203:Y)、S204に進み、第1人感センサーS1が人を検知していない(すなわち検知信号を出力していない)場合には(S203:N)、S203の判定を継続する。
【0067】
画像形成装置1は、第1人感センサーS1が人を検知した(すなわち検知信号を出力した)場合には(S203:Y)、スイッチSW−S2〜S4をONに切り替えて(S204)、通電が停止されていた第2人感センサーS2、原稿検知センサーS3、圧板センサーS4のそれぞれへの通電を開始して動作状態に更新する。
【0068】
次に、画像形成装置1は、動作状態にある第2人感センサーS2が人を検知した(すなわち検知信号を出力した)場合には(S205:Y)、S206に進み、第2人感センサーS2が人を検知していない(すなわち検知信号を出力していない)場合には(S205:N)、S205の判定を継続する。
【0069】
画像形成装置1は、第2人感センサーS2が人を検知した(すなわち検知信号を出力した)場合には(S205:Y)、コントローラ10の節電モードを解除するとともに、スイッチSW−1とスイッチSW−2をONに切り替えて、操作パネル20をON(すなわち通電状態に)する(S206)。なお、コントローラ10の節電モードの解除は、コントローラ10のうち通電が停止されていたハードウェアについても通電を開始することで行うこととしてよい。
【0070】
次に、画像形成装置1は、動作状態にある原稿検知センサーS3又は圧板センサーS4が検知信号を出力した場合には(S207:Y)、S208に進み、原稿検知センサーS3又は圧板センサーS4が検知信号を出力していない場合には(S207:N)、S207の判定を継続する。
【0071】
画像形成装置1は、動作状態にある原稿検知センサーS3又は圧板センサーS4が検知信号を出力した場合には(S207:Y)、スイッチSW−3をONに切り替えて、画像読取部30をON(すなわち通電状態に)する(S208)。
【0072】
また、画像形成装置1は、S202において、第1人感センサーS1がONでない(すなわち、人感センサーが無効化されている)場合には(S202:N)、S209に進む。
【0073】
画像形成装置1は、S209において、原稿検知センサーS3又は圧板センサーS4が検知信号を出力した場合には(S209:Y)、S210に進み、原稿検知センサーS3又は圧板センサーS4が検知信号を出力していない場合には(S209:N)、S209の判定を継続する。
【0074】
画像形成装置1は、S209において、原稿検知センサーS3又は圧板センサーS4が検知信号を出力した場合には(S209:Y)、コントローラ10の節電モードを解除するとともに、スイッチSW−1〜3をONに切り替えて、操作パネル20、画像読取部30をON(すなわち通電状態に)する(S210)。
【0075】
画像形成装置1は、S208の後又はS210の後に、操作パネル20を介して操作を受け付け(S211)、受け付けた操作がコピー操作である場合には(S212:Y)、スイッチSW−4をONに切り替えて、画像形成部40をON(すなわち通電状態)にし(S213)、コピー処理を実行し(S214)、受け付けた操作がコピー操作でない場合には(S212:N)、画像形成部40をOFFにしたまま、受け付けた操作に基づく処理を実行する(S214)。そして、画像形成装置1は、処理実行後には、図4のS101に戻る。
【0076】
なお、図5のフロー図において、第2人感センサーS2による検知の前に、原稿検知センサーS3又は厚板センサーからの検知信号が出力された場合には、コントローラ10の節電モードを解除するとともに、スイッチSW−1〜3をONに切り替えて、操作パネル20、画像読取部30をON(すなわち通電状態に)することとしてよい。
【0077】
また、図5のフロー図において、第2人感センサーS2、原稿検知センサーS3、圧板センサーS4をONに切り替えた後、各センサーからの検知信号が無くなった状態が予め定められた時間継続した場合には、再びスイッチSW−S2〜S4をオフに切り替えることとしてもよい。
【0078】
[1−3−3.節電モード時の処理2]
次に、図6に示したフロー図を参照しながら、節電モードにある場合において画像形成装置1が実行する第1の処理について説明する。
【0079】
図6に示されるように、画像形成装置1は、画像形成装置1は、節電モードにない場合には(S301:N)、処理を抜けて図4のS101に戻り、節電モードにある場合には(S301:Y)、S302に進む。
【0080】
画像形成装置1は、S302において、ネットワークインターフェース104を介してプリント指示を受信した場合には(S302:Y)、S303に進み、ネットワークインターフェース104を介してプリント指示を受信していない場合には(S302:N)、S302の判定を継続する。
【0081】
画像形成装置1はネットワークインターフェース104を介してプリント指示を受信した場合には(S302:Y)、コントローラ10の節電モードを解除するとともに、スイッチSW−1とスイッチSW−4をONに切り替えて、画像形成部40をON(すなわち通電状態に)する(S303)。
【0082】
画像形成装置1は、動作状態にある画像形成部40により、受信したプリント指示に基づく印刷処理を実行する(S304)。そして、画像形成装置1は、処理実行後には、図4のS101に戻る。
【0083】
以上が、第1の実施形態に係る画像形成装置1により実行される処理の一例である。第1の実施形態に係る画像形成装置1によれば、節電モード時に通電されるセンサーの数が1つとなるため消費電力を抑えることができる。また、第1の実施形態に係る画像形成装置1によれば、節電モード時に起動しているセンサーの検知信号に応じて他のセンサーを起動し、起動したセンサーの検知信号により必要とされている機能のみを起動させることができる。
【0084】
[2.第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態に係る画像形成装置1に対し、画像形成部40の制御部への通電を制御するスイッチSW−5を追加した点で相違しているが、他の点では共通しているため、共通点の説明は省略し、以下相違点について説明する。
【0085】
[2−1.画像形成装置1の電源システム]
図7には、第2の実施形態に係る画像形成装置1の電源システムの一部を示した。図7においては、第1の実施形態からの相違点である画像形成部40に関する電源システム部分を表示している。
【0086】
図7に示されるように、第2の実施形態に係る画像形成装置1では、画像形成部40には、画像形成部40を制御する制御部400、画像形成機能を実現するプリントエンジン410に加えて、電源切替回路420が設けられる。なお、制御部400は、CPU401、DRAM402、ROM403を含む。
【0087】
また、画像形成装置1には、電源E1から画像形成部40の電源切替回路420への電力供給のON/OFFを制御するスイッチSW−5が設けられる。スイッチSW−5は、コントローラ10からの制御信号に基づいてON/OFFが切り替えられる。
【0088】
ここで、スイッチSW−5がONとなった場合には、電源切替回路420は、電源E1から供給される電力を制御部400に供給し、プリントエンジン410には供給しない。また、スイッチSW−4がONとなった場合には、電源E2から供給される電力をプリントエンジン410に供給するとともに、電源切替回路420は電源E2から供給される電力を制御部400に供給するようにする。
【0089】
[2−2.処理の詳細の説明]
次に、第2の実施形態に係る画像形成装置1において、節電モードに移行する際、及び節電モードの間における処理の詳細について、図8及び図9に示したフロー図を参照しながら説明する。
【0090】
[2−2−1.節電モードへの移行処理]
図8に示されるように、画像形成装置1は、例えば通常動作時において、節電モードに移行するか否かを判定し(S401)、節電モードに移行しない場合には(S401:N)、通常動作を継続する。また、画像形成装置1は、節電モードに移行する場合には(S401:Y)、S402に進む。なお、画像形成装置1は、節電ボタン50が押下された場合、又は、予め設定された時間使用されなかった場合に、節電モードに移行すると判定することとしてよい。
【0091】
画像形成装置1は、節電モードに移行する場合には(S401:Y)、操作パネル20、画像読取部30、画像形成部40の機能を停止させた後に(S402)、スイッチSW−1〜5をOFFに切り替えて(S403)、操作パネル20、画像読取部30、画像形成部40への通電を停止する。
【0092】
ここで、画像形成装置1は、人感センサーが有効に設定されている(すなわち無効化されていない)場合には(S404:Y)、スイッチSW−S1のみをON、スイッチSW−S2〜S4をOFFに設定して(S405)、第1人感センサーS1以外の他のセンサーへの通電を停止する。
【0093】
また、画像形成装置1は、人感センサーが有効に設定されていない(すなわち無効化されている)場合には(S404:N)、スイッチSW−S1,スイッチSW−S2をそれぞれOFF、スイッチSW−S3,S4をそれぞれONに設定して(S406)、原稿検知センサーS3と圧板センサーS4以外の他のセンサーへの通電を停止する。
【0094】
次に、画像形成装置1は、コントローラ10を節電モードに移行させる(S407)。具体的には、画像形成装置1は、コントローラ10の節電モードにおいては、コントローラ10の電源制御回路105、ネットワークインターフェース104、セルフリフレッシュ状態のDRAM101、CPU100の一部に通電し、それ以外の部分への通電を停止するようにしてよい。
【0095】
画像形成装置1は、節電モードに移行後に、人感センサーによる検知信号を受け付けたり、ネットワークインターフェース104により処理データを受け付けたりすることにより、節電モードを解除する場合には(S408:Y)、S401に戻り、それ以降の処理を実行する。
【0096】
また、画像形成装置1は、節電モードを解除しない場合であって(S408:N)、電源をOFFしないときには(S409:N)、S408に戻り、電源をOFFするときには(S409:Y)、電源をOFFして処理を終了する。
【0097】
[2−2−2.節電モード時の処理]
次に、節電モードにある場合において第2の実施形態に係る画像形成装置1が実行する処理について図9に示したフロー図を参照しながら説明する。
【0098】
図9に示されるように、画像形成装置1は、節電モードにない場合には(S501:N)、処理を抜けて図8のS401に戻り、節電モードにある場合には(S501:Y)、S502に進む。
【0099】
画像形成装置1は、S502において、第1人感センサーS1がONである(すなわち、人感センサーが有効である)場合には(S502:Y)、S503に進む。
【0100】
画像形成装置1は、S503において、第1人感センサーS1が人を検知した(すなわち検知信号を出力した)場合には(S503:Y)、S504に進み、第1人感センサーS1が人を検知していない(すなわち検知信号を出力していない)場合には(S503:N)、S503の判定を継続する。
【0101】
画像形成装置1は、第1人感センサーS1が人を検知した(すなわち検知信号を出力した)場合には(S503:Y)、スイッチSW−S2〜S4をONに切り替えて(S504)、通電が停止されていた第2人感センサーS2、原稿検知センサーS3、圧板センサーS4のそれぞれへの通電を開始して動作状態に更新する。
【0102】
次に、画像形成装置1は、動作状態にある第2人感センサーS2が人を検知した(すなわち検知信号を出力した)場合には(S505:Y)、S506に進み、第2人感センサーS2が人を検知していない(すなわち検知信号を出力していない)場合には(S505:N)、S505の判定を継続する。
【0103】
画像形成装置1は、第2人感センサーS2が人を検知した(すなわち検知信号を出力した)場合には(S505:Y)、コントローラ10の節電モードを解除するとともに、スイッチSW−1とスイッチSW−2をONに切り替えて、操作パネル20をON(すなわち通電状態に)する(S506)。
【0104】
次いで、画像形成装置1は、スイッチSW−5をONに切り替えて、画像形成部40の制御部を立ち上げる(S507)。具体的には、画像形成部40の制御部は、ROM403に記憶されるプログラムを、DRAM402にコピーする。画像形成装置1は、コントローラ10からの節電復帰要求がない場合には、画像形成部40のCPU401は、DRAM402をセルフリフレッシュモードに移行し、CPU401のクロック停止や一部領域の電源をオフして消費電力を下げる節電モードに移行する(S508)。
【0105】
次に、画像形成装置1は、動作状態にある原稿検知センサーS3又は圧板センサーS4が検知信号を出力した場合には(S509:Y)、S510に進み、原稿検知センサーS3又は圧板センサーS4が検知信号を出力していない場合には(S509:N)、S509の判定を継続する。
【0106】
画像形成装置1は、動作状態にある原稿検知センサーS3又は圧板センサーS4が検知信号を出力した場合には(S509:Y)、スイッチSW−3をONに切り替えて、画像読取部30をON(すなわち通電状態に)する(S510)。
【0107】
また、画像形成装置1は、S502において、第1人感センサーS1がONでない(すなわち、人感センサーが無効化されている)場合には(S502:N)、S511に進む。
【0108】
画像形成装置1は、S511において、原稿検知センサーS3又は圧板センサーS4が検知信号を出力した場合には(S511:Y)、S512に進み、原稿検知センサーS3又は圧板センサーS4が検知信号を出力していない場合には(S511:N)、S511の判定を継続する。
【0109】
画像形成装置1は、S511において、原稿検知センサーS3又は圧板センサーS4が検知信号を出力した場合には(S511:Y)、コントローラ10の節電モードを解除するとともに、スイッチSW−1〜3をONに切り替えて、操作パネル20、画像読取部30をON(すなわち通電状態に)する(S512)。
【0110】
次いで、画像形成装置1は、スイッチSW−5をONに切り替えて、画像形成部40の制御部を立ち上げる(S513)。その後、画像形成装置1は、コントローラ10からの節電復帰要求がない場合には、画像形成部40のCPU401は、DRAM402をセルフリフレッシュモードに移行し、CPU401のクロック停止や一部領域の電源をオフして消費電力を下げる節電モードに移行する(S514)。
【0111】
画像形成装置1は、S510の後又はS514の後に、操作パネル20を介して操作を受け付け(S515)、受け付けた操作がコピー操作である場合には(S516:Y)、スイッチSW−4をONに切り替えて、画像形成部40をON(すなわち通電状態)にして節電モードから復帰させた上で(S517)、コピー処理を実行し(S518)、受け付けた操作がコピー操作でない場合には(S516:N)、画像形成部40を節電モードにしたまま、受け付けた操作に基づく処理を実行する(S518)。そして、画像形成装置1は、処理実行後には、図8のS401に戻る。
【0112】
なお、図9のフロー図において、第2人感センサーS2による検知の前に、原稿検知センサーS3又は厚板センサーからの検知信号が出力された場合には、コントローラ10の節電モードを解除するとともに、スイッチSW−1〜3をONに切り替えて、操作パネル20、画像読取部30をON(すなわち通電状態に)することとしてよい。
【0113】
また、図9のフロー図において、第2人感センサーS2、原稿検知センサーS3、圧板センサーS4をONに切り替えた後、各センサーからの検知信号が無くなった状態が予め定められた時間継続した場合には、再びスイッチSW−S2〜S5をオフに切り替えることとしてもよい。
【0114】
以上が、第2の実施形態に係る画像形成装置1により実行される処理の一例である。第2の実施形態に係る画像形成装置1によれば、第1の実施形態に係る画像形成装置1に比べて、節電モードから画像形成部40を復帰させるまでの時間を短縮することができる。
【0115】
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態において説明した図6に示したフローは同様に適用することができるのはいうまでもない。
【0116】
また、上記の実施形態では、節電モードにおいて、第1人感センサーS1が人を検知した場合に、第2人感センサーS2、原稿検知センサーS3、圧板センサーS4への電力供給を開始するようにしたが、第1人感センサーS1が人を検知した場合に、まず第2人感センサーS2への電力供給を開始し、その後、第2人感センサーS2が人を検知した場合に、原稿検知センサーS3、圧板センサーS4への電力供給を開始するようにしてもよい。
【0117】
また、本発明は上記の実施形態に限定されない。例えば、画像形成装置1には、FAX機能等の他の機能を備えることとしてもよく、その場合にも本発明を同様に適用できることはもちろんである。
【符号の説明】
【0118】
1 画像形成装置、E1,E2 電源、10 コントローラ、20 操作パネル、30 画像読取部、40 画像形成部、S1 第1人感センサー、S2 第2人感センサー、S3 原稿検知センサー、S4 圧板センサー、P 電源プラグ、AC 交流電源、SW−M メインスイッチ、SW−1〜5,SW−S1〜4 スイッチ、100 CPU、101 DRAM、102 ROM、103 HDD、104 ネットワークインターフェース、105 電源制御回路、106 I/O回路、400 制御部、401 CPU、402 DRAM、403 ROM、410 プリントエンジン、420 電源切替回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9