(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記底面パネルの水平面に沿う展開姿勢と非展開姿勢とを識別可能に検知する姿勢検知手段の検知結果に基づいて、前記底面パネルのセット状態の適否を判定する状態判定部をさらに備える請求項1又は2に記載のカゴ車供給装置。
前記状態判定部は、前記可動部材の前記基準状態から前記上昇状態への切り替えに伴って前記セット状態の判定結果が適正から不適正に変化した場合に、前記カゴ車の供給向きの異常をさらに判定する請求項3に記載のカゴ車供給装置。
前記カゴ車は、前記背面パネルの幅方向の両端部のそれぞれに対して観音開き式に開閉可能な一対の側面パネルと、開状態の前記一対の側面パネルの揺動端側の端辺に着脱自在に架け渡される架設部材と、をさらに有し、
前記検査位置に位置している前記カゴ車の前記一対の側面パネルのそれぞれに対応する前記供給方向の位置において前記カゴ車の開放側外部に設置され、上下方向に沿った回動軸心を中心として前記一対の側面パネルの内側で揺動可能な一対の板状の揺動部材をさらに備え、
前記一対の揺動部材のそれぞれは、対応する側面パネルに対向する面に所定の対象物の接触の有無を検知する接触検知手段を有する請求項1から4のいずれか一項に記載のカゴ車供給装置。
前記カゴ車は、前記背面パネルの幅方向の両端部のそれぞれに対して観音開き式に開閉可能な一対の側面パネルと、開状態の前記一対の側面パネルの揺動端側の端辺に着脱自在に架け渡される架設部材と、をさらに有し、
前記架設部材は、前記一対の側面パネルのうちの一方における前記揺動端側の端辺に設けられる可動支持部に対して、前記可動支持部よりも前記幅方向の内側となる位置に配置された状態で基準高さにて水平姿勢となって前記一対の側面パネルのうちの他方に係止されるロック状態と、前記ロック状態における位置と同じ位置に配置された状態で前記基準高さを最高点とする懸下姿勢となる待機状態と、前記可動支持部よりも前記幅方向の外側となる位置に配置された状態で前記基準高さを最高点とする懸下姿勢となる退避状態と、前記基準高さよりも高い上昇高さを最高点とする懸下姿勢で前記待機状態と前記ロック状態との間を遷移させる過渡状態と、に切替可能に連結された揺動式架設部材を含み、
前記可動支持部よりも前記幅方向の外側において前記可動支持部の近傍に設けられ、前記基準高さの前記揺動式架設部材に検知作用する第1の位置検知手段と、前記上昇高さの前記揺動式架設部材に検知作用する第2の位置検知手段と、を組み合わせて備える請求項1から5のいずれか一項に記載のカゴ車供給装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、物品を積み付ける積付部に対して不適正な状態でカゴ車が供給されることを抑制できる技術の実現が望まれる。より具体的には、物品を積み付ける積付部に対して不適正な向きでカゴ車が供給されることを抑制して、円滑な積付作業に寄与することができる技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るカゴ車供給装置の特徴構成は、
物品を積み付ける積付部に対して、前記物品の積み付けのために正面側が開放されたカゴ車を供給方向に沿って横向きに供給するカゴ車供給装置であって、
前記カゴ車は、背面側に配置される背面パネルと当該背面パネルよりも正面側に設けられる回動軸心周りに揺動可能な底面パネルとを有する折り畳み式であるとともに、前記底面パネルの奥行方向の中央部において前記供給方向に沿って延びるように前記底面パネルの下面に設けられたリブを有し、
予め定められた検査位置に位置している前記カゴ車の前記底面パネルの下方で上下動し、その上端部が前記リブの下端部よりも下方に位置する基準状態と、前記上端部が前記リブの前記下端部よりも上方でかつ前記底面パネルの下面よりも下方に位置する上昇状態とに切替可能な可動部材を備え、
前記可動部材は、前記上端部のうち前記カゴ車の奥行方向の中心位置よりも前記正面側の所定範囲に、前記上昇状態で前記リブを挿通させるリブ挿通部を有する点にある。
【0007】
この特徴構成によれば、底面パネルの下面に供給方向に沿って延びるようにリブが設けられているので、底面パネルの強度を高めることができる。この補強用のリブは、底面パネルの奥行方向の中央部に設けられているが、本発明のように折り畳み式カゴ車の揺動可能な底面パネルの回動軸心が背面パネルよりも正面側に設けられる構成では、カゴ車全体についてみれば奥行方向の中心位置から正面側にずれた位置にリブが位置することになる。それに対応するように、本特徴構成では、検査位置に位置しているカゴ車の底面パネルの下方で上下動する可動部材の上端部のうち、カゴ車の奥行方向の中心位置よりも正面側の所定範囲にリブ挿通部を設けている。供給されるカゴ車の向きが適正な場合には、可動部材の上昇状態でリブ挿通部を底面パネルの下面に設けられたリブが挿通するので、底面パネルの状態には変化がない。一方、供給されるカゴ車の向きが不適正(逆向き)な場合には、可動部材の上昇状態でその上端部と底面パネルの下面に設けられたリブとが干渉するため、底面パネルにおける回動軸心とは反対側の端部が浮き上がる。つまり、上下動する可動部材をカゴ車の供給方向に沿った所定位置に設けるとともに、可動部材の上端部における所定範囲にリブ挿通部を設けるという簡素な構成で、カゴ車供給部へのカゴ車の供給向きの異常検知を容易化することできる。よって、積付部に対して不適正な向きでカゴ車が供給されることを抑制して、円滑な積付作業に寄与することができる。
【0008】
以下、本発明の好適な態様について説明する。
【0009】
1つの態様として、前記検査位置において前記供給方向の下流側から前記カゴ車の移動を制止するストッパ部材をさらに備え、前記カゴ車は、水平面に沿う展開姿勢の前記底面パネルに沿って奥行方向に延びる延在部をさらに有し、前記可動部材は、前記延在部を前記ストッパ部材との間で挟持した状態で、前記カゴ車を前記検査位置に位置決めすると好適である。
【0010】
この構成によれば、カゴ車の延在部をストッパ部材と可動部材とで挟持することにより、検査位置にカゴ車を精度良く位置決めすることができる。また、そのような位置決めのための部材を、カゴ車の供給向きの適否判定のための可動部材と共用することで、装置全体の簡素化及び低コスト化を図ることができる。また、カゴ車を精度良く位置決めした状態で、任意に、カゴ車の供給向きの適否判定以外の他の検査を適切に行うことができる。
【0011】
1つの態様として、前記底面パネルの水平面に沿う展開姿勢と非展開姿勢とを識別可能に検知する姿勢検知手段の検知結果に基づいて、前記底面パネルのセット状態の適否を判定する状態判定部をさらに備えると好適である。
【0012】
この構成によれば、姿勢検知手段の検知結果に基づき、底面パネルが非展開姿勢となっていてそのセット状態が不適当であることの検知(底面パネルのセット状態の異常検知)を、容易に行うことができる。
【0013】
1つの態様として、前記状態判定部は、前記可動部材の前記基準状態から前記上昇状態への切り替えに伴って前記セット状態の判定結果が適正から不適正に変化した場合に、前記カゴ車の供給向きの異常をさらに判定すると好適である。
【0014】
上述したように、供給されるカゴ車の向きが不適正(逆向き)な場合には、回動軸心を軸として底面パネルの端部が浮き上がる。この浮き上がりにより、底面パネルは水平面に対して傾斜した非展開姿勢となるので、これを検知する姿勢検知手段の検知結果の変化(適正から不適正への変化)を利用して、カゴ車の供給向きの異常検知を容易に行うことができる。
【0015】
1つの態様として、前記カゴ車は、前記背面パネルの幅方向の両端部のそれぞれに対して観音開き式に開閉可能な一対の側面パネルと、開状態の前記一対の側面パネルの揺動端側の端辺に着脱自在に架け渡される架設部材と、をさらに有し、前記検査位置に位置している前記カゴ車の前記一対の側面パネルのそれぞれに対応する前記供給方向の位置において前記カゴ車の開放側外部に設置され、上下方向に沿った回動軸心を中心として前記一対の側面パネルの内側で揺動可能な一対の板状の揺動部材をさらに備え、前記一対の揺動部材のそれぞれは、対応する側面パネルに対向する面に所定の対象物の接触の有無を検知する接触検知手段を有すると好適である。
【0016】
この構成によれば、開状態の一対の側面パネルの揺動端側の端辺に架設部材を装着して架け渡すことで、物品が積み付けられた状態のカゴ車から、正面側へ物品が飛び出すのを抑制することができる。また、背面パネル及び一対の側面パネルのみを有し正面側が開放された状態のカゴ車の、移動時における全体としての強度を高めることができる。
一方、そのような架設部材が一対の側面パネルに架け渡されたままの状態では、たとえカゴ車の供給向きが適正であったとしても、積付部における物品の積み付けが架設部材によって阻害される。このため、積付部に対してカゴ車が供給される際には、架設部材は一対の側面パネルから離脱されていることが好ましい。この点、上記の構成では、カゴ車の開放側外部において一対の側面パネルの内側で揺動する一対の板状の揺動部材には接触検知手段が設けられているので、この接触検知手段による検知結果に基づいて架設部材の有無判定を容易に行うことができる。
【0017】
1つの態様として、前記カゴ車は、前記背面パネルの幅方向の両端部のそれぞれに対して観音開き式に開閉可能な一対の側面パネルと、開状態の前記一対の側面パネルの揺動端側の端辺に着脱自在に架け渡される架設部材と、をさらに有し、前記架設部材は、前記一対の側面パネルのうちの一方における前記揺動端側の端辺に設けられる可動支持部に対して、前記可動支持部よりも前記幅方向の内側となる位置に配置された状態で基準高さにて水平姿勢となって前記一対の側面パネルのうちの他方に係止されるロック状態と、前記ロック状態における位置と同じ位置に配置された状態で前記基準高さを最高点とする懸下姿勢となる待機状態と、前記可動支持部よりも前記幅方向の外側となる位置に配置された状態で前記基準高さを最高点とする懸下姿勢となる退避状態と、前記基準高さよりも高い上昇高さを最高点とする懸下姿勢で前記待機状態と前記ロック状態との間を遷移させる過渡状態と、に切替可能に連結された揺動式架設部材を含み、前記可動支持部よりも前記幅方向の外側において前記可動支持部の近傍に設けられ、前記基準高さの前記揺動式架設部材に検知作用する第1の位置検知手段と、前記上昇高さの前記揺動式架設部材に検知作用する第2の位置検知手段と、を組み合わせて備えると好適である。
【0018】
この構成によれば、開状態の一対の側面パネルの揺動端側の端辺に架設部材を架け渡す(揺動式架設部材に関しては、ロック状態とする)ことで、物品が積み付けられた状態のカゴ車からの正面側への物品の飛び出しを抑制することができる。また、背面パネル及び一対の側面パネルのみを有し正面側が開放された状態の、移動時におけるカゴ車の全体としての強度を高めることができる。
ところで、通常、積付部に対してカゴ車が供給される際には、揺動式架設部材はロック状態以外の状態(待機状態、過渡状態、又は退避状態)となっている。このとき、物品の積み付けをより確実ならしめるためには、カゴ車の間口を極力広く確保するべく、揺動式架設部材は退避状態となっていることが好ましい。この点、上記の構成では、2つ一組の位置検知手段による検知結果の組み合わせに基づいて、揺動式架設部材が退避状態となっているか否かを適切に判定することができる。よって、揺動式架設部材の状態異常判定を容易に行うことができ、物品の積付作業の確実性を担保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係るカゴ車供給装置の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、物品35を積み付ける物品積付設備100の一部を構成するカゴ車供給装置1を例として説明する。物品積付設備100は、例えば物流センター等に設置され、順次搬入されてくる物品35を空荷の状態で供給されるカゴ車10に移載し、実荷の状態となったカゴ車10を搬出するための装置である。カゴ車供給装置1は、物品35を積み付ける積付部5に対して、正面側が開放された空荷のカゴ車10を横向きに供給する装置である。本実施形態では、カゴ車供給部4へのカゴ車10の初期供給は、人手によってなされるとの想定で説明する。
【0021】
なお、以下の説明では、カゴ車供給装置1におけるカゴ車10の移動方向を“供給方向S”と定義する。また、カゴ車供給装置1の設置面(通常は水平面)に直交する方向を“上下方向H”と定義する。また、供給方向Sに沿って横向きに供給されるカゴ車10に対して正対した状態(カゴ車10における開放側に対面した状態)を基準として、“幅方向W”及び“奥行方向D”を定義する。すなわち、幅方向Wは供給方向Sに平行な方向であり、奥行方向Dは供給方向S及び上下方向Hの双方に直交する方向である。また、奥行方向Dにおける、カゴ車10から見て積付部5に臨む開放側を“正面側”と定義し、積付部5から見てカゴ車10の奥側を“背面側”と定義する。なお、カゴ車10を構成する各部材についての方向は、当該カゴ車10が適正な向きでカゴ車供給装置1に搭載された状態での方向を表す。また、各部材についての方向や位置等に関する用語は、製造上許容され得る誤差による差異を有する状態をも含む概念である。
【0022】
図1に示すように、物品積付設備100は、搬入部3と、カゴ車供給部4と、積付部5と、搬出部6とを備えている。本実施形態では、物品積付設備100は、複数の配送先への物品35の積み付けを同時並行的に行うことを可能とするため、1つの搬入部3と、複数かつ対応する個数のカゴ車供給部4、積付部5、及び搬出部6とを備えている。
【0023】
搬入部3は、積付部5に対して物品35を搬入する。ここで、物品35は、例えば商品等の内容物を収納したコンテナである。コンテナとしては、例えば上面が開放された箱型の定形式コンテナや、それを折り畳み可能に構成した折り畳み式コンテナを用いることができる。内容物を完全に覆うように形成された収納箱や収納袋等であっても良い。コンテナ等に収納される内容物は特に限定されず、日用品、衣類、食品、医薬品等に幅広く適用することができる。
【0024】
搬入部3は、本実施形態では主にローラコンベヤにより構成されている。搬入部3は、ループ状に設置された1つの環状コンベヤ31と、この環状コンベヤ31から分岐して直鎖状に設置された複数の分岐コンベヤ33とを備えている。なお、“直鎖状”とは、枝分かれすることなく延びる状態を意味する。つまり、分岐コンベヤ33は、平面視(上下方向Hに沿って見た状態)で必ずしも直線状である必要はなく、屈曲する部位を有していても良い。
【0025】
搬入部3は、環状コンベヤ31と各分岐コンベヤ33との接続地点に、複数(分岐コンベヤ33と同数)の選別部32を備えている。それぞれの選別部32は、環状コンベヤ31上を搬送される複数の物品35のうち、予め規定された条件(例えば配送先情報等)に適合する物品35のみを、対応する分岐コンベヤ33上に選択的に移動させる。これにより、環状コンベヤ31に対して一括的に供給される複数の物品35を、複数の分岐コンベヤ33から、予め規定された条件に応じて分別供給することができる。搬入部3の下流側には、積付部5が設けられている。具体的には、各分岐コンベヤ33の最下流側端部に、積付部5がそれぞれ設けられている。
【0026】
積付部5の上流側には、搬入部3に対して並列にカゴ車供給部4が設けられている。カゴ車供給部4は、積付部5に対してカゴ車10を供給する。
図2〜
図4に示すように、カゴ車供給部4は、支持板41と、この支持板41に対して奥行方向Dの両側に設けられた一対のガイドレール42とを備えている。また、カゴ車供給部4は、支持板41上に設けられた一対の車輪レール43を備えている。一対のガイドレール42及び一対の車輪レール43は、供給方向Sに沿って直線状に設置されている。なお、本実施形態では、これらはカゴ車供給部4と後述する搬出部6とで共用されている。ただし、そのような構成に限定される訳ではなく、別々に設けられても良い。
【0027】
一対のガイドレール42間の離間長さは、カゴ車10の奥行方向Dの長さよりも僅かに(例えば1〜5%程度)大きく設定されている。一対の車輪レール43間の離間長さは、カゴ車10において同じ幅方向Wの位置にある一対の車輪19間の奥行方向Dの離間長さに対応している。カゴ車10は、奥行方向Dの両側を一対のガイドレール42によって案内された状態で、車輪レール43上を供給方向Sに沿って移動する。
【0028】
一対のガイドレール42における上流側端部領域は、初期供給用ガイド42aとされている。この初期供給用ガイド42aは、上流側端部に向かうに従って奥行方向Dの離間長さが大きくなるように配置されている。このように、初期供給用ガイド42aを設けて一対のガイドレール42の最上流側の間口を広げることで、人手によるカゴ車供給部4へのカゴ車10の初期供給の容易化が図られている。
【0029】
図3に示すように、車輪レール43上には、仮保持部44が設けられている。仮保持部44は、供給方向Sに沿って予め規定された複数の位置に設けられている。本実施形態では、仮保持部44は矩形枠状のプレートによって構成されており、このプレートの中心孔に車輪19が位置する状態で、供給方向Sに沿ったカゴ車10の位置を仮保持することができる。なお、仮保持部44は、2つ一組のプレート又は小ロッドや、車輪レール43に直接的に形成された凹部又は孔部等により構成されても良い。
【0030】
図2に示すように、カゴ車供給部4は、一対のガイドレール42の一方に沿って供給方向Sの異なる位置に設けられた、第一スライダ46と第二スライダ48とを備えている。本実施形態では、第二スライダ48は、第一スライダ46に対して下流側に、かつ、その可動範囲が第一スライダ46の可動範囲と一部重複するように設けられている。第一スライダ46は、カゴ車10に対して係脱自在な係止部材47を有する。同様に、第二スライダ48は、カゴ車10に対して係脱自在な係止部材49を有する。
【0031】
第一スライダ46は、係止部材47がカゴ車10に係止した状態で供給方向Sの下流側に移動することで、カゴ車10を供給方向Sに沿って移動させる。また、第一スライダ46は、係止部材47がカゴ車10に係止していない状態で供給方向Sの上流側に移動することで、次のカゴ車10の移動に備える。第二スライダ48も同様に動作する。そして、第一スライダ46と第二スライダ48とは、そのような動作をそれぞれ繰り返すことで、協働的に、複数の空荷のカゴ車10を、供給方向Sに沿って断続的に順次移動させて、積付部5に対応する積付位置P1へと供給する。
【0032】
積付部5は、カゴ車供給部4により供給されたカゴ車10に対して、搬入部3により順次搬入されてくる物品35を積み付ける。このため、本実施形態では、積付部5は、分岐コンベヤ33の最下流側端部から、積付位置P1に位置しているカゴ車10へと物品35を移載して積み付ける自動積付機51を備えている(
図1を参照)。自動積付機51としては、例えば多軸ロボット(6軸ロボットや7軸ロボット等)等により構成される積付ロボットを用いることができる。その他、ホイストクレーン等であっても良い。1つの積付部5に設置される自動積付機51の個数は、1つであっても良いし、2つ以上であっても良い。物品35の搬入量と自動積付機51の移載能力との関係に応じて適宜設定することができる。複数の積付部5で1つの自動積付機51が共用されても良い。
【0033】
積付部5の下流側に設けられる搬出部6は、物品35が積み付けられて実荷の状態となったカゴ車10を搬出する。言い換えれば、搬出部6は、カゴ車10に積み付けられた状態の物品35を搬出する。
図2に示すように、搬出部6は、一対のガイドレール42の一方に沿って設けられた第三スライダ61を備えている。本実施形態では、第三スライダ61は、第二スライダ48に対して下流側に、かつ、その可動範囲が第二スライダ48の可動範囲と一部重複するように設けられている。第三スライダ61は、カゴ車10に対して係脱自在な係止部材62を有する。第三スライダ61は、第一スライダ46や第二スライダ48と同様に動作する。これにより、第三スライダ61は、複数の実荷のカゴ車10を、供給方向Sに沿って断続的に順次移動させて、搬出部6(一対のガイドレール42及び一対の車輪レール43)の最下流側に設定される搬出位置P2に供給する。
【0034】
搬出位置P2に供給された実荷のカゴ車10は、その後、例えば人手によってトラック等の運搬車両に積載され、その状態で、予め規定された配送先へと輸送されていく。
【0035】
図5及び
図6に示すように、カゴ車10は、背面パネル11と、底面パネル12と、一対の側面パネル16と、複数(本例では4つ)の車輪19とを備えている。本実施形態では、このようなカゴ車10として、折り畳み式のカゴ車が用いられる。なお、“折り畳み式”とは、背面パネル11、底面パネル12、及び側面パネル16が互いに直交する展開姿勢と、底面パネル12及び側面パネル16が背面パネル11に沿って配置される折り畳み姿勢とに姿勢切替可能であることを意味する。
【0036】
背面パネル11は、カゴ車10における背面側の境界を画定するパネル部材である。本実施形態では、背面パネル11は、例えば鉄やステンレス等の金属材料で構成された管状部材を主に用いて構成されている。また、背面パネル11は、全体として格子柵状に形成されている。背面パネル11の外枠を構成する4辺のうち、上下方向Hの下側に位置する下方側端辺11aは、側面視(幅方向Wに沿って見た状態)で、上方及び正面側に向かって突出する断面L字状に形成されている。断面L字状の下方側端辺11aの上面には、第一ヒンジ部21を介して、底面パネル12が接続されている(
図6を参照)。また、背面パネル11の外枠を構成する4辺のうち、幅方向Wの両側に位置する一対の側方側端辺11bにはそれぞれ、第二ヒンジ部22を介して、側面パネル16が接続されている。
【0037】
底面パネル12は、カゴ車10における底面側の境界を画定するとともに、物品35を載置するための載置部を提供するパネル部材である。底面パネル12は、例えば鉄やステンレス等の金属材料で構成された板状部材(底板13)を主に用いて構成されている。底面パネル12は矩形状に形成されている。第一ヒンジ部21を介して背面パネル11の下方側端辺11aに接続された底面パネル12は、背面パネル11における背面側の端部よりも正面側に設けられる第一回動軸心X1(
図6を参照)周りに揺動可能となっている。第一回動軸心X1は、上下方向Hで背面パネル11の最下部の位置において、幅方向W(供給方向S)に沿って配置されている。また、第一回動軸心X1は、奥行方向Dで背面パネル11の正面側の端部からさらに正面側にずれた位置に配置されている。背面パネル11の正面側の端部からのオフセット量は、底面パネル12の厚みに応じて、所定の余裕代を考慮して設定されている。
【0038】
図6に示すように、底面パネル12は、底板13の下面に設けられた複数(奇数であり、本例では3つ)の補強リブ14を有する。複数の補強リブ14は、幅方向W(供給方向S)に沿って互いに平行に延びるように形成されている。このような補強リブ14を底板13の下面に備えることで、例えば薄板からなる底板13を用いて軽量化を図りつつ、底面パネル12の全体としての強度を高めることができる。複数かつ奇数個の補強リブ14は、底板13を奥行方向Dに均等に区分する位置に設けられている。本実施形態では、底面パネル12の奥行方向Dの中央部に補強リブ14(これを他の補強リブ14と区別して「特定リブ14s」と称する)が設けられるとともに、特定リブ14sと底面パネル12の奥行方向Dの両端部とのそれぞれの中央部に補強リブ14が設けられている。本実施形態では、特定リブ14sが本発明の「リブ」に相当する。
【0039】
側面パネル16は、カゴ車10における幅方向Wの境界を画定するパネル部材である。本実施形態では、側面パネル16は、例えば鉄やステンレス等の金属材料で構成された管状部材を主に用いて構成されている。また、側面パネル16は、全体として格子柵状に形成されている。側面パネル16の外枠を構成する4辺から上下方向Hの両側に位置する下方側端辺16a及び上方側端辺を除いた2辺のうちの一方は、第二ヒンジ部22を介して、背面パネル11に接続されている。第二ヒンジ部22を介して一対の背面パネル11の側方側端辺11bにそれぞれ接続された一対の側面パネル16は、上下方向Hに沿って配置された第二回動軸心X2及び第三回動軸心X3周りにそれぞれ揺動可能となっている。そこで、それぞれの側面パネル16において背面パネル11に接続される端辺を、ここでは“基軸側端辺16b”と称し、この基軸側端辺16bに対向する端辺を、ここでは“揺動側端辺16c”と称する。
【0040】
一対の側面パネル16は、第二回動軸心X2及び第三回動軸心X3周りにそれぞれ揺動可能であり、
図6に示すように、背面パネル11の幅方向Wの両端部のそれぞれに対して、いわゆる観音開き式に開閉可能となっている。すなわち、一対の側面パネル16は、それぞれ背面パネル11に沿う平行姿勢(閉状態)と、背面パネル11に直交する直交姿勢(開状態)とに姿勢切替可能(状態切替可能)である。なお、本実施形態では、平行姿勢となる際には、一対の側面パネル16は、正面視(奥行方向Dに沿って見た状態)でそれぞれの揺動側端辺16cを含む部分どうしが互いに重複した状態となる(図示せず)。本実施形態では、“観音開き式”とは、このような重複姿勢をとる場合をも含む概念である。
【0041】
また、本実施形態では、カゴ車10の折り畳み姿勢では、背面パネル11、底面パネル12、及び一対の側面パネル16は、背面側から正面側に向かって記載の順に配置される。このため、第二回動軸心X2は第一回動軸心X1よりも正面側に配置され、第三回動軸心X3は第二回動軸心X2よりもさらに正面側に配置されている。第一回動軸心X1に対する第二回動軸心X2のオフセット量は、底面パネル12及び側面パネル16の厚みに応じて、所定の余裕代を考慮して設定されている。第二回動軸心X2に対する第三回動軸心X3のオフセット量は、側面パネル16の厚みに応じて、所定の余裕代を考慮して設定されている。
【0042】
上記のような位置関係により、底面パネル12が水平面に沿う姿勢となるためには、一対の側面パネル16は背面パネル11に直交する姿勢となっている必要がある。このため、底面パネル12が展開されて水平面に沿う姿勢となっている場合には、必ず、カゴ車10は展開姿勢となっている。この点を考慮すれば、本実施形態において、“カゴ車10の展開姿勢”は“底面パネル12の展開姿勢”と同義である。
【0043】
図5に示すように、側面パネル16の下方側端辺16aは、カゴ車10の展開姿勢において、展開姿勢の底面パネル12に沿って奥行方向Dに延びるように配置される。本実施形態では、側面パネル16の下方側端辺16aが本発明の「延在部」に相当する。
図6に示すように、下方側端辺16aの揺動側端部、及び背面パネル11の下方側端辺11aの両端部には、展開姿勢の底面パネル12を下方から支持する支持部17が設けられている。支持部17は、例えば鉄やステンレス等の金属材料で構成された板状部材を用いて構成されている。支持部17は、平面視で矩形状に形成されている。合計4つの支持部17のそれぞれの下面には、車輪19が固定されている。
【0044】
また、
図5に示すように、カゴ車10は、開状態の一対の側面パネル16の揺動側端辺16c(揺動端側の端辺)に着脱自在に架け渡される架設部材25をさらに備えている。本実施形態では、架設部材25は、例えば鉄やステンレス等の金属材料で構成された管状部材を用いて構成されている。架設部材25には、一対の側面パネル16の一方に対して相対変位可能に連結されるとともに他方に対しては着脱自在とされた1つの揺動式架設部材25aと、一対の側面パネル16の両方に対して着脱自在とされた1つ以上(本例では3つ)の着脱式架設部材25bとが含まれる。開状態の側面パネル16の揺動側端辺16cにおける正面側の、上下方向Hの複数個所には、受け部27が設けられている。この受け部27に、揺動式架設部材25aの揺動側端部及び/又は着脱式架設部材25bの両端部における屈曲端が嵌合することで、それらが開状態の一対の側面パネル16の揺動側端辺16cに架け渡される。
【0045】
揺動式架設部材25aの基軸側端部は、可動支持部26を介して、一方の側面パネル16の揺動側端辺16cに連結されている。
図7に示すように、可動支持部26は、管状の揺動側端辺16cに対して外挿された円筒状の本体部26aと、この本体部26aに固定された支持プレート26bとを有する。支持プレート26bは、薄板状のプレートをU字状に折り曲げて構成されており、対向するプレート間に、揺動式架設部材25aの基軸側端部を第四回動軸心X4周りに揺動可能に支持している。本体部26aの内径は、揺動側端辺16cの外径よりも僅かに大きく設定されている。
【0046】
図7に示すように、円筒状の本体部26aにおける周方向の複数位置(本例では2箇所)には、下端部側に向かって開口する切欠26cが形成されている。これら2つの切欠26cは、位相差がおよそ90°(例えば85°〜95°)の位置関係となるように形成されている。また、可動支持部26が設けられた揺動側端辺16cの外面には、上下方向Hに沿って延びる棒状の突起16zが形成されている。本体部26aの切欠形状(切欠26cによって形成される空間の外形)は、突起16zの全部又は上端部側の一部の外形に対応している。可動支持部26は、本体部26aと突起16zとが離間した状態(離間状態)、又は、本体部26aの下端部と突起16zの上端部とが当接して摺動する状態(当接状態)で、揺動側端辺16cに対して相対回転可能となる。一方、可動支持部26は、いずれか一方の切欠26cと突起16zとが嵌合した状態(嵌合状態)で、揺動側端辺16cに対する相対回転が規制される。
【0047】
このような可動支持部26を介することで、揺動式架設部材25aは、ロック状態、待機状態、過渡状態、及び退避状態の4つの状態に切替可能となっている。
図7では、左側から順に、退避状態、過渡状態、待機状態、及びロック状態が示されている。なお、切欠26cと突起16zとが嵌合した状態における揺動式架設部材25aの最高点の高さ(上下方向Hで最も高い位置)を、ここでは“基準高さH1”とする(
図17を参照)。本実施形態では、“揺動式架設部材25a”は、当該揺動式架設部材25aとそれを支持する支持プレート26bとを含む概念とする。ロック状態は、当該揺動式架設部材25aが可動支持部26よりも幅方向Wの内側となる位置に配置された状態で基準高さH1にて水平面に沿う水平姿勢となって、揺動側端部の屈曲端が受け部27に嵌合して係止される状態である。待機状態は、当該揺動式架設部材25aがロック状態における位置と同じ位置に配置された状態で、基準高さH1を最高点として吊り下げられて上下方向Hに沿う懸下姿勢となる状態である。退避状態は、当該揺動式架設部材25aが可動支持部26よりも幅方向Wの外側となる位置に配置された状態で、基準高さH1を最高点とする懸下姿勢となる状態である。過渡状態は、基準高さH1よりも高い高さ(上昇高さH2;
図17を参照)を最高点とする懸下姿勢で待機状態とロック状態とを遷移させる途中状態である。
【0048】
なお、上述した本体部26aにおける2つの切欠26cと揺動側端辺16cにおける突起16zとは、揺動式架設部材25aの状態切替に関するこれらの要求仕様を満足する周方向の位置関係で、それぞれ形成されている。着脱式架設部材25bを離脱するとともに揺動式架設部材25aを退避状態とすることで、カゴ車10の正面側の間口を極力広く確保することができ、物品35の積付作業の確実性を担保することができる。一方、揺動式架設部材25aをロック状態とし、及び/又は、着脱式架設部材25bを装着することで、移動時におけるカゴ車10の全体としての強度を高めることができる。また、実荷の状態のカゴ車10からの正面側への物品35の飛び出しを抑制することができる。
【0049】
図2等に示すように、カゴ車供給装置1は、上述したカゴ車供給部4と、検査部7とを備えている。すなわち、本実施形態に係るカゴ車供給装置1は、一般的な物品積付設備100に通常備えられるカゴ車供給部4に加え、このカゴ車供給部4へのカゴ車10の供給状態の適否を検証するための検査部7を備えている。なお、検査部7には、制御演算部としての状態判定部9(
図18を参照)も含まれる。検査部7は、カゴ車供給部4における供給方向Sの上流側領域(検査位置P3)に設けられている。より具体的には、一対のガイドレール42における、初期供給用ガイド42aを除く部分の中での最上流側領域(初期供給用ガイド42aの直下流側領域)に、検査位置P3が設定されている。これにより、検査部7は、カゴ車供給部4の最上流側領域において、カゴ車10の初期供給状態の適否を検証する。このような検査部7を設けているのは、例えばヒューマンエラーにより、初期供給されるカゴ車10の状態が不適正である場合が生じ得るため、それを早期に発見するためである。
【0050】
図3及び
図8等に示すように、検査部7は、検査位置P3において供給方向Sの下流側からカゴ車10の移動を制止するストッパ部材72を備えている。
図9及び
図10に示すように、ストッパ部材72は、奥行方向Dに沿って配置された第五回動軸心X5を軸心とする軸部材72aと、連結部72bを介して軸部材72aに固定された当接部材72cとを有する。軸部材72aは、上下方向Hで、検査位置P3に位置しているカゴ車10の補強リブ14の下端部よりも下方に配置されている。当接部材72cは、奥行方向Dに沿って延びる板状に形成されている。ストッパ部材72の奥行方向Dの長さは、一対の車輪レール43間の離間長さよりも短く設定されている。ストッパ部材72は、例えば流体圧シリンダやモータ等の駆動手段により駆動され、
図10に示すように、第五回動軸心X5周りに揺動可能とされている。
【0051】
ストッパ部材72は、退避状態と突出状態とに状態切替可能に構成されている。ストッパ部材72の退避状態は、その全体が底面パネル12の下端部よりも下方に配置される状態である。突出状態は、当接部材72cが側面パネル16の下端部よりも上方に突出する状態である。ストッパ部材72は、突出状態にて、側面パネル16の下方側端辺16aに対して供給方向Sの下流側から当接してカゴ車10の移動を制止する。これにより、カゴ車10をある程度の位置精度で検査位置P3に位置決めすることができる。一方、ストッパ部材72を退避状態とすることで、検査位置P3からその下流側へのカゴ車10の移動を許容する。
【0052】
図9及び
図10に示すように、検査部7は、検査位置P3に位置しているカゴ車10の底面パネル12の下方で上下動する(上下方向Hに沿って往復移動する)可動部材74を備えている。可動部材74は、屈曲形成された板状部材で構成された正面視で断面L字状の本体部74aと、この本体部74aにおける上下方向Hに沿って延びる部分に固定された板状の当接部材74cとを有する。可動部材74の奥行方向Dの長さは、特定リブ14sを除いた2つの補強リブ14間の奥行方向Dの離間長さよりも短く設定されており、本例ではストッパ部材72の奥行方向Dの長さと同程度に設定されている。可動部材74は、例えば流体圧シリンダやモータ等の駆動手段により駆動され、基準状態と上昇状態とに状態切替可能に構成されている。基準状態は、その上端部が補強リブ14の下端部よりも下方に位置する状態である。上昇状態は、その上端部が補強リブ14の下端部よりも上方でかつ底面パネル12の下面よりも下方に位置する状態である。本実施形態では、上昇状態では、可動部材74の上端部は側面パネル16の下方側端辺16aの下端部よりも上方に位置する。
【0053】
可動部材74は、ストッパ部材72よりも供給方向Sの上流側に、ストッパ部材72に対して所定間隔を隔てて配置されている。また、可動部材74の当接部材74cと、突出状態のストッパ部材72の当接部材72cとは、互いに対向するように配置されている。そして、これらの間の供給方向Sに沿った離間長さは、側面パネル16の下方側端辺16aの厚み(幅方向Wの厚み)に対応している。上述したストッパ部材72によるカゴ車10の仮の位置決めは、可動部材74の基準状態で実行される。その後、可動部材74を上昇状態とすると、可動部材74の当接部材74cと突出状態のストッパ部材72の当接部材72cとで側面パネル16の下方側端辺16aが挟持される。これにより、可動部材74は、被挟持部となる下方側端辺16aをストッパ部材72との間で挟持した状態で、カゴ車10を検査位置P3において供給方向Sに高精度に位置決めする。カゴ車10は、一対のガイドレール42により、奥行方向Dについても位置決めされる。なお、検査部7には、例えば流体圧シリンダやモータ等の駆動手段により奥行方向Dに沿って進退駆動され、側面パネル16の揺動側端辺16cに係合した状態でカゴ車10を固定するロック部材79も備えられている(
図4及び
図13を参照)。
【0054】
検査部7は、カゴ車10を検査位置P3に高精度に位置決めして固定した状態で、カゴ車10の供給状態に関する各種の検査を実行する。本実施形態では、“カゴ車10の供給状態”には、底面パネル12のセット状態、カゴ車10の供給向き、架設部材25の有無、及び揺動式架設部材25aの状態が含まれる。これらの検査に係る詳細については、後述する。
【0055】
図11及び
図12に示すように、板状に形成される可動部材74(本体部74a及び当接部材74c)は、その上端部のうち奥行方向Dの中心位置よりも正面側の所定範囲にリブ挿通部75を有する。ここで、“所定範囲”は、可動部材74の奥行方向Dの中心位置から、特定リブ14sよりも正面側に設定される所定位置までの範囲である。リブ挿通部75の奥行方向Dの長さは、可動部材74全体の奥行方向Dの長さを基準として、その10〜35%程度の長さとすることができる。本実施形態では、可動部材74の奥行方向Dの長さのおよそ1/5程度の長さに設定されている。また、リブ挿通部75は、可動部材74の上端部を凹状(本例では矩形凹状)に切り欠いて形成されている。この意味で、リブ挿通部75は、“リブ挿通凹部”と称することもできる。なお、リブ挿通部75は、可動部材74の上端部をスリット状に切り欠いて形成された“リブ挿通スリット部”であっても良い。
【0056】
ところで、本実施形態では、特定リブ14sは底面パネル12を基準とする奥行方向Dの中央部に設けられているが、この底面パネル12は、背面パネル11に対して正面側にオフセットされた位置で当該背面パネル11に接続されている。このため、カゴ車10全体を基準として考えた場合には、特定リブ14sは奥行方向Dの中央部よりも正面側に設けられることになる(
図8を参照)。この点を考慮して、可動部材74の奥行方向Dの中心位置(カゴ車10全体の奥行方向Dの中心位置に一致する)よりも正面側にリブ挿通部75が設けられている。このリブ挿通部75は、可動部材74の上昇状態で、特定リブ14sと干渉することなく特定リブ14sを挿通させる(
図11を参照)。これにより、カゴ車10が適正な展開姿勢である場合に、それを損なうことなく、上述したカゴ車10の高精度位置決めを適切に行うことができる。なお、可動部材74の上端部のうち、奥行方向Dの中心位置よりも背面側には、リブ挿通部75に対応するような切欠部は形成されていない。
【0057】
図13に示すように、検査部7は、第一回動軸心X1周りに揺動可能な底面パネル12に検知作用する第一センサ81を備えている。第一センサ81は、カゴ車10に対して外部側(奥行方向Dの外側、すなわちカゴ車10よりも正面側及び/又は背面側)に設けられている。第一センサ81としては、例えば投光部と受光部とを別々に有する遮光式の光センサ等を用いることができる。第一センサ81は、その光軸が奥行方向Dに沿うように設置されている。また、第一センサ81は、上下方向Hにおいて、展開姿勢の底面パネル12の上面よりも僅かに上方となる位置に設置されている。第一センサ81は、幅方向Wでは、背面パネル11の縦柵を構成する細パイプ部材を避けた位置に設置されている。複数の第一センサ81が、幅方向Wの異なる位置に分かれて設置されていても良い。
【0058】
底面パネル12が適正に展開姿勢となっている場合には、第一センサ81の投光部からの照射光は、底面パネル12によっては遮光されることなく、受光部にて検出される。この場合、言い換えれば、第一センサ81によって底面パネル12は検知されない。一方、
図13において一点鎖線で示すように、底面パネル12が適正に展開姿勢とはなっていない場合には、第一センサ81の投光部からの照射光は、底面パネル12によって遮光されて受光部にて検出されない。この場合、言い換えれば、第一センサ81によって底面パネル12が検知される。このため、第一センサ81による底面パネル12の検知の成否に基づいて、底面パネル12の展開姿勢(水平面に沿っている状態)と非展開姿勢(水平面に対して傾斜している状態)とを識別可能に検知することができる。本実施形態では、第一センサ81が本発明の「姿勢検知手段」に相当する。なお、第一センサ81としては、同様の機能を有している限り、超音波センサ、赤外線センサ、レーダセンサ、画像認識装置等を用いることもできる。
【0059】
第一センサ81による底面パネル12の姿勢検知は、任意のタイミングで実行することができる。例えば、ストッパ部材72の突出状態でカゴ車10が検査位置P3に仮位置決めされただけの状態(第1のタイミング)で、上記の姿勢検知を実行することができる。また、ストッパ部材72の突出状態かつ可動部材74の上昇状態でカゴ車10が検査位置P3に高精度に位置決めされた状態(第2のタイミング)で、上記の姿勢検知を実行することができる。そして、第1のタイミングで実行される姿勢検知による結果に基づいて、状態判定部9に備えられるセット状態判定部91(
図18を参照)は、底面パネル12のセット状態の適否を判定する。また、第2のタイミングで実行される姿勢検知による結果に基づいて、状態判定部9に備えられる向き判定部92(
図18を参照)は、カゴ車10の供給向きの適否を判定する。
【0060】
カゴ車10の供給向きの適否判定について補足する。上述したように、底面パネル12の下面に設けられる特定リブ14sは、カゴ車10全体を基準として考えた場合には、奥行方向Dの中央部よりも正面側に設けられている。そして、それに対応するように、可動部材74には、その奥行方向Dの中心位置よりも正面側の所定範囲にのみ、リブ挿通部75が設けられている。このため、仮にカゴ車10の供給向きが不適当(逆向き)であった場合には(
図12を参照)、奥行方向Dの中心位置よりも背面側に位置することになる特定リブ14sが、可動部材74の上昇状態で、リブ挿通部75以外の部分の上端部と干渉する。可動部材74の上昇状態での上端部の高さは補強リブ14の下端部よりも上方となる高さに設定されているので、特定リブ14sを有する底面パネル12は、可動部材74の上昇に伴って第一回動軸心X1を中心として揺動し、揺動側端部が浮き上がる。この浮き上がり動作に基づく底面パネル12の展開姿勢から非展開姿勢への姿勢変化を第一センサ81で検知することで、カゴ車10の供給向きの異常を判定することができる。なお、展開姿勢の底面パネル12の上面からの第一センサ81の上下方向Hのオフセット量は、可動部材74と特定リブ14sとの干渉による底面パネル12の上昇幅よりも小さい値に設定されている。これにより、上述したカゴ車10の供給向きの異常判定の適正性が担保されている。
【0061】
図14及び
図15に示すように、検査部7は、検査位置P3に位置しているカゴ車10の開放側外部に設置された、一対の揺動部材77を備えている。一対の揺動部材77は、カゴ車10に対して外部であって、カゴ車10の開放側(正面側)に対向する位置に設置されている。また、一対の揺動部材77のそれぞれは、検査位置P3に位置しているカゴ車10の一対の側面パネル16にそれぞれに対応する供給方向Sの位置に設置されている。一対の揺動部材77は、それぞれ板状に形成されている。本実施形態では、一対の揺動部材77は、幅方向Wの長さに比べて上下方向Hの長さが長い縦長の矩形状に形成されている。一対の揺動部材77は、上下方向Hに沿った第六回動軸心X6及び第七回動軸心X7周りにそれぞれ揺動可能とされている。本実施形態では、一対の揺動部材77は、互いに逆向きに揺動するように構成されている(
図16も参照)。つまり、供給方向Sにおける両者間の中央位置に上下方向Hに沿った仮想面を想定した場合に、当該仮想面に対して、一対の揺動部材77は互いに対称的に揺動するように構成されている。
【0062】
図16に示すように、第六回動軸心X6及び第七回動軸心X7は、それぞれ一対の側面パネル16よりも幅方向Wの内側に配置されている。第六回動軸心X6及び第七回動軸心X7の、側面パネル16の幅方向Wの内側端部からのオフセット量は、揺動部材77の厚みに応じて、所定の余裕代を考慮して設定されている。また、第六回動軸心X6及び第七回動軸心X7は、側面パネル16の揺動側端辺16cよりも正面側に配置されている。
【0063】
揺動部材77は、例えば流体圧シリンダやモータ等の駆動手段により駆動され、退避状態と進出状態とに状態切替可能に構成されている。退避状態は、一対の揺動部材77の全体がカゴ車10の外側に配置される状態である。本実施形態では、退避状態では、一対の揺動部材77は、それぞれの揺動端部どうしを幅方向Wに向かい合わせるように配置される。進出状態は、一対の揺動部材77のそれぞれの一部が、カゴ車10の内側空間に配置される状態である。進出状態では、一対の揺動部材77が、一対の側面パネル16に対して幅方向Wの内側で、平行に配置される。また、進出状態では、一対の揺動部材77のそれぞれは、対応する側面パネル16とも平行に、当該側面パネル16に対して幅方向Wに隣接して配置される。進出状態では、揺動部材77の揺動端部を含む部分と側面パネル16の揺動側端辺16cを含む部分とが、側面視で互いに重複した状態となる。
【0064】
図14及び
図15に示すように、検査部7は、カゴ車10の開放側の間口部分に存在する所定の対象物に検知作用する第二センサ82を備えている。第二センサ82は、一対の揺動部材77のそれぞれにおいて、対応する側面パネル16に対向する面に設けられている。すなわち、揺動部材77が退避状態から進出状態へと状態を切り替える際の揺動方向前方側の面に、第二センサ82が設けられている。このような第二センサ82としては、例えばテープスイッチやケーブルスイッチ等のオン・オフ式の感圧センサ等を用いることができる。なお、作用する押圧力の大きさをリニアに検知可能な可変式の感圧センサを用いても良い。本実施形態では、揺動部材77毎に、複数(本例では4つ)の第二センサ82が設けられている。より具体的には、細長いテープ状の複数の第二センサ82が、上下方向Hに間隔を隔てて互いに平行に設けられている。それぞれの第二センサ82は、揺動部材77の揺動端部側に設けられている。また、それぞれの第二センサ82が設けられる上下方向Hの位置は、架設部材25(1つの揺動式架設部材25aと3つの着脱式架設部材25b)の装着位置に対応している。なお、
図14及び
図15では、簡略化のために1つの着脱式架設部材25bのみを示している。第二センサ82は、揺動部材77毎に上下方向Hに沿って設けられても良い。
【0065】
カゴ車10が初期供給される際には、カゴ車10との干渉を避けるため、揺動部材77は退避状態となっている。その後、カゴ車10が検査位置P3に位置決めされた状態で、揺動部材77を退避状態から進出状態へと変化させる。このとき、仮に展開姿勢のカゴ車10の一対の側面パネル16の揺動側端辺16cに架設部材25が架け渡されたままとなっていた場合には、揺動部材77の揺動に伴って架設部材25と揺動部材77とが干渉する。揺動部材77における側面パネル16に対向する側の面の、架設部材25の装着位置に対応する上下方向Hの位置には複数の第二センサ82が設けられているので、この第二センサ82群の検知結果に基づいて、架設部材25の有無を判定することができる。すなわち、いずれかの第二センサ82が、何らかの対象物(ここでは、いずれかの架設部材25)に対する接触を検知した場合に、いずれかの架設部材25が残留していること(架設部材25の残留異常)を判定することができる。このような架設部材25の有無判定は、状態判定部9に備えられる架設状態判定部93(
図18を参照)により実行される。本実施形態では、第二センサ82が本発明の「姿勢検知手段」に相当する。
【0066】
図13及び
図17に示すように、検査部7は、揺動式架設部材25a及び支持プレート26bの上端部に検知作用する2つ一組のセンサ(第三センサ83,第四センサ84)を備えている。これらは、可動支持部26を介して揺動式架設部材25aが相対変位可能に連結された方の側面パネル16の揺動側端辺16cの近傍に設けられている。また、これらは、カゴ車10に対して外部側(本例ではカゴ車10よりも正面側)に設けられている。第三センサ83及び第四センサ84としては、いずれも例えば投光部と受光部とが一体化された反射式の光センサ等を用いることができる。これらは、
図16に示すように、揺動側端辺16c及び可動支持部26よりも幅方向Wの外側の位置において、その光軸が奥行方向Dに沿うように設置されている。
【0067】
第三センサ83及び第四センサ84の、揺動側端辺16cに対する幅方向Wの外側へのオフセット量は、互いに等しく、かつ、可動支持部26の本体部26aの外周面からの支持プレート26bの突出量よりも小さい値に設定されている。第四センサ84は、第三センサ83よりも上方に設置されている。
図17に示すように、第三センサ83は、可動支持部26の本体部26aと揺動側端辺16cの突起16zとの当接状態における支持プレート26bの下端部よりも上方に設置され、第四センサ84は、上記当接状態における支持プレート26bの上端部よりも下方に設置されている。また、第三センサ83は、可動支持部26の切欠26cと揺動側端辺16cの突起16zとの嵌合状態における支持プレート26bの上端部よりも下方に設置され、第四センサ84は、上記嵌合状態における支持プレート26bの上端部よりも上方に設置されている。
【0068】
このような位置関係で設置された2つ一組の第三センサ83及び第四センサ84は、それぞれ互いに異なる上下方向Hの位置にある揺動式架設部材25a(支持プレート26bを含む概念)に検知作用する。第三センサ83は、基準高さH1を最高点とする揺動式架設部材25aに検知作用し、第四センサ84は、上昇高さH2を最高点とする揺動式架設部材25aに検知作用する。本実施形態では、第三センサ83が本発明の「第1の位置検知手段」に相当し、第四センサ84が本発明の「第2の位置検知手段」に相当する。なお、第三センサ83及び第四センサ84としては、遮光式の光センサを用いても良い。また、同様の機能を有している限り、超音波センサ、赤外線センサ、レーダセンサ、画像認識装置等を用いることもできる。
【0069】
架設状態判定部93(
図18を参照)は、第三センサ83及び第四センサ84の検知結果の組み合わせに基づいて、揺動式架設部材25aの状態の適否を判定する。上述したように、揺動式架設部材25aの最高点の高さは、ロック状態、待機状態、及び退避状態で基準高さH1となり、過渡状態で上昇高さH2となる。また、揺動式架設部材25aを支持する支持プレート26bは、ロック状態及び待機状態で側面パネル16の揺動側端辺16cよりも幅方向Wの内側に配置され、退避状態で幅方向Wの外側に配置される。このため、
図17に示すように、第三センサ83及び第四センサ84の両方の検知結果がオフ(非検知)であれば、揺動式架設部材25aがロック状態又は待機状態であると判定できる。第三センサ83及び第四センサ84の両方の検知結果がオン(検知)であれば、揺動式架設部材25aが過渡状態であると判定できる。第三センサ83の検知結果がオンであり、かつ、第四センサ84の検知結果がオフであれば、揺動式架設部材25aが退避状態であると判定できる。
【0070】
なお、本実施形態では、上述したように、一対の揺動部材77に設けられた第二センサ82群の検知結果に基づいて揺動式架設部材25aの有無(ロック状態であるか否か)が判定される。よって、第二センサ82群の検知結果と、第三センサ83及び第四センサ84の検知結果との組み合わせに基づいて、揺動式架設部材25aの状態をさらに詳細に特定することも可能である。すなわち、第二センサ82群によって架設部材25が非検知であった場合には、揺動式架設部材25aのロック状態が排除されるので、第三センサ83及び第四センサ84の両方の検知結果がオフであれば、揺動式架設部材25aは待機状態であると判定できる。このように、本実施形態では、揺動式架設部材25aの状態を一意に特定することも可能である。
【0071】
本実施形態では、状態判定部9は、
図19に示す手順に従って、カゴ車10の初期の供給状態の適否を判定する。まず、人手によって一応の展開姿勢とされたカゴ車10が、カゴ車供給部4に初期供給される(ステップ#01)。カゴ車10は一対のガイドレール42に案内されて供給方向Sに沿って移動し、その後、検査位置P3にて突出状態となっているストッパ部材72により制止されて停止する(#02)。この状態で、セット状態判定部91は、第一センサ81の検知結果に基づいて、底面パネル12のセット状態が適正であるか否かを判定する(#03)。不適正であると判定された場合には(#03:No)、底面パネル12のセット状態が異常であると判定される(#04)。
【0072】
底面パネル12のセット状態が適正であった場合には(#03:Yes)、次に、可動部材74を上昇状態とする。これにより、可動部材74と突出状態のストッパ部材72とで側面パネル16の下方側端辺16aを挟持して、カゴ車10を検査位置P3に高精度に位置決めする(#05)。この状態で、向き判定部92は、第一センサ81の検知結果に基づいて、底面パネル12のセット状態が適正性を維持しているか否かを判定する(#06)。不適正であると判定された場合には(#06:No)、すなわち、可動部材74の基準状態から上昇状態への切り替えに伴って底面パネル12のセット状態の判定結果が適正から不適正に変化した場合には、カゴ車10の供給向きが異常であると判定される(#07)。
【0073】
底面パネル12のセット状態が適正であった場合には(#06:Yes)、すなわち、可動部材74が上昇状態とされても底面パネル12のセット状態の判定結果が変化しなかった場合には、次に、一対の揺動部材77を進出状態とする(#08)。この状態で、架設状態判定部93は、第二センサ82群の検知結果に基づいて、対象物への接触検知の有無を判定する(#09)。対象物の接触が検知された場合、すなわち、検知結果が“非接触”ではなかった場合には(#09:No)、揺動式架設部材25a及び着脱式架設部材25bのいずれかが残留していると判定される(#10)。
【0074】
対象物の接触が検知されなかった場合、すなわち、検知結果が“非接触”であった場合には(#09:Yes)、その状態で、架設状態判定部93は揺動式架設部材25aに対する第三センサ83及び第四センサ84の検知結果の情報を取得する。そして、架設状態判定部93は、それらの組み合わせが所定の組み合わせ(すなわち、第三センサ83の検知結果がオンであり、かつ、第四センサ84の検知結果がオフ)であるか否かを判定する(#11)。この条件を満足しない場合には(#11:No)、揺動式架設部材25aが状態異常(待機状態又は過渡状態)であると判定される(#12)。
【0075】
上記の条件を満足する場合には(#11:Yes)、カゴ車10の初期供給状態が適正であることが判定されて(#13)、検査処理が終了する。一方、底面パネル12のセット状態、カゴ車10の供給向き、架設部材25の離脱、及び揺動式架設部材25aの状態のいずれかが異常であると判定された場合には、警報器95(
図18を参照)により警報が発せられる(#14)。これにより、カゴ車10の初期供給状態が不適正であることが作業者に対して報知され、その後、検査処理が終了する。なお、警報器95としては、ブザーやサイレン等の音声出力手段や、ランプや回転灯等の光出力手段を用いることができる。これらが組み合わせたものであっても良い。
【0076】
以上の説明から明らかなように、本発明は、物品積付設備100の積付部5に対して不適正な状態でカゴ車10が供給されるのを抑制することを主題とする。そして、本発明は、概念的には、以下の(a)〜(d)のうちの1つ以上を、独立して又は組み合わせて備えることを特徴とする。
【0077】
(a)底面パネル12の展開姿勢と非展開姿勢とを識別可能に検知する第一センサ81を備える。これにより、底面パネル12が完全には展開姿勢となっていない状態で、カゴ車10が積付部5に供給されることを抑制できる。
【0078】
(b)検査位置P3に位置しているカゴ車10の底面パネル12の下方で上下動する可動部材74が、その上端部のうち奥行方向Dの中心位置よりも正面側の所定範囲にリブ挿通部75を有する。カゴ車10の向きが逆向きの場合には、上昇状態の可動部材74と特定リブ14sとが干渉して底面パネル12の揺動側端部が浮き上がるので、カゴ車10の向きの異常を容易に判定することができる。これにより、積付部5に対して、カゴ車10が逆向きの状態で供給されることを抑制できる。例えば積付位置P1においてその上流側及び下流側に他のカゴ車10が存在している状態では、逆向きであることが発見されたカゴ車10の向きを適正化することは容易ではない。カゴ車供給装置1の最上流側に設定される検査位置P3においてカゴ車10の向きの適否を判定することで、カゴ車10が逆向きの状態のまま積付部5まで到達することを未然に有効に抑制できる。よって、円滑な積付作業に寄与することができる。
【0079】
(c)一対の側面パネル16のそれぞれに対応する供給方向Sの位置に設置され、一対の側面パネル16の内側で揺動可能な一対の板状の揺動部材77を備え、それぞれの揺動部材77は、対応する側面パネル16に対向する面に第二センサ82を有する。開状態の側面パネル16に架設部材25が残留している場合には、揺動部材77が進出状態へと移行する際に、第二センサ82によって物理的な接触が検知されるので、架設部材25の残留を容易に判定することができる。これにより、一対の側面パネル16間に架設部材25が架け渡されたままの状態で、積付部5にカゴ車10が供給されることを抑制できる。よって、積付部5における物品35の積付時に架設部材25による阻害等が発生することを回避でき、円滑な積付作業に寄与することができる。
【0080】
(d)可動支持部26の近傍に設けられた、基準高さH1の揺動式架設部材25aに検知作用する第三センサ83と、上昇高さH2の揺動式架設部材25aに検知作用する第四センサ84との2つのセンサを組み合わせて備える。これにより、これらのセンサの検知結果の組み合わせに基づいて揺動式架設部材25aの状態異常(ロック状態、待機状態、又は過渡状態であること)を容易に判定することができる。これにより、揺動式架設部材25aが完全には退避状態となっていない状態で、積付部5にカゴ車10が供給されることを抑制できる。よって、カゴ車10における正面側の間口を極力広く確保することができ、物品35の積付作業の確実性を担保することができる。
【0081】
なお、上記の実施形態では、ストッパ部材72と協働してカゴ車10を検査位置P3に高精度に位置決めするための可動部材74を、カゴ車10の供給向きの適否判定のために共用する例について示したが、そのような構成に限定されない。カゴ車10の位置決めのための部材と、供給向きの適否判定のための可動部材74とを異なる部材として別々に設けても良い。また、複数の検査が実行される場合には、それらは任意の順序で実行されて良い。
【0082】
以上、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明したが、開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、上述した実施形態に基づき、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。