特許第6015599号(P6015599)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015599
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】センサ支持構造
(51)【国際特許分類】
   F02D 35/00 20060101AFI20161013BHJP
   F01L 1/46 20060101ALI20161013BHJP
   F02F 7/00 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   F02D35/00 362A
   F02D35/00 362G
   F01L1/46 Z
   F02F7/00 L
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-180081(P2013-180081)
(22)【出願日】2013年8月30日
(65)【公開番号】特開2015-48752(P2015-48752A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100114959
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 徹也
(74)【代理人】
【識別番号】100148183
【弁理士】
【氏名又は名称】森 俊也
(72)【発明者】
【氏名】吉良 直樹
【審査官】 二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−107387(JP,A)
【文献】 特開2009−167809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 35/00
F01L 1/46
F02F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のシリンダヘッドカバーの外表面から前記内燃機関のシリンダヘッドに当接する位置まで前記シリンダヘッドカバーに挿通される連結部と、
前記連結部の外端側から前記連結部の径方向外側に向かって延出するアーム部と、
前記アーム部の延出端において前記シリンダヘッドの側から離間する方向に突出して形成され、前記内燃機関のカムシャフトの回転を検出するセンサを支持するセンサ支持部と、
前記シリンダヘッドカバーに対する前記連結部を軸心とする周方向への前記アーム部の移動を規制する規制部と、
を備え
前記連結部は、前記シリンダヘッドカバーに設けられる連結部挿入用貫通孔に挿入され、
前記センサは、前記シリンダヘッドカバーに設けられるセンサ挿入用貫通孔に一部が挿入され、
前記規制部は、前記アーム部の延出端及び前記シリンダヘッドカバーの一方に形成された凸部と、前記アーム部の延出端及び前記シリンダヘッドカバーの他方の前記凸部に対向する位置において、前記アーム部の延出方向に沿って長孔状に形成されている凹部とを有するセンサ支持構造。
【請求項2】
前記連結部の軸心方向と前記センサ支持部の延出方向とが非平行である請求項1記載のセンサ支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カムシャフトの回転を検出するセンサを支持するセンサ支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関が有するカムシャフトの回転を検出する技術が利用されている(例えば特許文献1)。特許文献1に記載の技術は、シリンダヘッドカバーの上部にブラケットを配置する状態でブラケットの嵌合部をシリンダヘッドカバーに挿通し、当該嵌合部を連結ボルトによりカムキャップに連結している。また、カムシャフトのロータの回転を検出するカム角センサをシリンダヘッドカバーに挿通する状態で配置し、このカム角センサのフランジ部をブラケットに連結している。
【0003】
特許文献1に記載の技術は、このようにカムシャフトの支持部分であるカムキャップに対してブラケットを介してカム角センサを支持することにより、シリンダヘッドを基準にしてカム角センサの位置を固定している。この結果、樹脂製のシリンダヘッドカバーが熱膨張等により変形することがあっても、カム角センサとロータとの相対的な位置関係を最適に維持することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−167809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、シリンダヘッドカバーの内部のカムシャフトの回転を検出するセンサを取り付ける場合、特許文献1に記載されるようにカムキャップを基準に位置決めすることは有効である。しかしながら、カムキャップはカムシャフトの軸方向の全域に亘って設けられるものではないので、配置上、制約が生じる。また、特許文献1のようにブラケットに対してセンサのフランジを固定ボルトで固定する構成では、固定ボルトの軸心に沿う方向視において、この固定部位におけるブラケットとフランジとの連結角度が変化してセンサの位置精度が低下する可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、カムシャフトの回転を検出するセンサを高精度で支持するセンサ支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係るセンサ支持構造の特徴構成は、内燃機関のシリンダヘッドカバーの外表面から前記内燃機関のシリンダヘッドに当接する位置まで前記シリンダヘッドカバーに挿通される連結部と、前記連結部の外端側から前記連結部の径方向外側に向かって延出するアーム部と、前記アーム部の延出端において前記シリンダヘッドの側から離間する方向に突出して形成され、前記内燃機関のカムシャフトの回転を検出するセンサを支持するセンサ支持部と、前記シリンダヘッドカバーに対する前記連結部を軸心とする周方向への前記アーム部の移動を規制する規制部と、を備えている点にある。
【0008】
このような特徴構成とすれば、連結部がシリンダヘッドに当接して配置されるので、シリンダヘッドに対する連結部の取付精度を高めることが可能となる。また、このような連結部から延出したアーム部の延出端に設けられたセンサ支持部でセンサを支持することができるので、シリンダヘッドに対するセンサの取付精度も高めることが可能となる。更には、規制部により連結部を軸心とした周方向のアーム部の姿勢を精度良く設定することも可能となる。したがって、シリンダヘッドカバーの内部のカムシャフトの回転を検出するセンサを高精度で支持することが可能となる。また、組み付け時においても連結部を回転中心としたアーム部の回転を規制することができるので、組み付けを容易に行うことが可能となる。
【0009】
また、前記規制部は、前記アーム部の延出端及び前記シリンダヘッドカバーの一方に形成された凸部と、前記アーム部の延出端及び前記シリンダヘッドカバーの他方の前記凸部に対向する位置において、前記アーム部の延出方向に沿って長孔状に形成されている凹部とを有すると好適である。
【0010】
このような構成とすれば、連結部を基準にしてアーム部の延出方向に沿った長さに寸法誤差がある場合であっても凸部を凹部に嵌入させることができるので、センサの組み付けを容易に行うことが可能となる。
【0011】
また、前記連結部の軸心方向と前記センサ支持部の延出方向とが非平行であると好適である。
【0012】
このような構成とすれば、センサを取り付け位置に制約がある場合であっても、連結部の軸心方向やセンサ支持部の延出方向を適宜変更することができるので、制約がある中でセンサを取り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】内燃機関の斜視図である。
図2】センサ支持構造の展開図である。
図3】シリンダヘッドカバーに組み付けた状態のセンサ支持構造を示す図である。
図4】その他の実施形態に係る規制部を示す図である。
図5】その他の実施形態に係る規制部を示す図である。
図6】その他の実施形態に係るセンサ支持体を示す図である。
図7】その他の実施形態に係るセンサ支持体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るセンサ支持構造は、シリンダヘッドカバーに内包されるカムシャフトの回転を検出するセンサを精度良く支持可能に構成される。以下、本実施形態のセンサ支持構造について、図1図3を用いて説明する。図1には内燃機関Eの斜視図が示され、図2にはセンサ支持構造の展開図が示される。また、図3にはシリンダヘッドカバー2に組み付けた状態のセンサ支持構造が示される。
【0015】
図1に示されるように、内燃機関Eは、ピストンが内包されるシリンダブロックの上側に設けられるシリンダヘッド1と、カムシャフト70(図2参照)を内包し、シリンダヘッド1の開口部を覆うシリンダヘッドカバー2とを有する。シリンダヘッド1は金属で構成され、シリンダヘッドカバー2は樹脂(例えば、ナイロン6,6(ガラス入り))で構成される。シリンダヘッドカバー2は、シリンダヘッド1に対して複数のネジ90により締結固定される。また、シリンダヘッドカバー2には、本センサ支持構造を用いてセンサ50が支持される。センサ50は、内燃機関Eのカムシャフト70の回転を検出する。センサ50は、樹脂製等のシリンダヘッドカバー2ではなく、以下に示すようにカム位置を特定するシリンダヘッド1やカムキャップを基準に位置決めされる。
【0016】
本センサ支持構造は、図2及び図3に示されるように、連結部11、アーム部21、センサ支持部31、規制部41を備えて実現される。連結部11は、シリンダヘッドカバー2の外表面からシリンダヘッド1に当接する位置までシリンダヘッドカバー2に挿通される。シリンダヘッドカバー2の外表面とは、シリンダヘッドカバー2の表面のうち、内燃機関Eを基準にして外部に露出している面である。連結部11がシリンダヘッド1に当接する位置とは、シリンダヘッドカバー2の下部に配置されるシリンダヘッド1を構成する部位のうち、連結部11が接触する位置である。シリンダヘッドカバー2に挿通されるとは、シリンダヘッドカバー2を貫通するように挿入されることをいう。このため、シリンダヘッドカバー2には連結部11が貫通して挿入される貫通孔3が設けられる。
【0017】
したがって、連結部11はシリンダヘッドカバー2が露出されている外表面からシリンダヘッド1を構成する部位に達するように、シリンダヘッドカバー2に設けられた貫通孔3に挿入される。このような連結部11は金属(例えば鉄又はアルミニウムなど)により構成され、連結部11の外径は貫通孔3の内径と同程度とすると好適である。係る場合、連結部11を貫通孔3に対して圧入により固定することが可能となる。
【0018】
ここで、本実施形態では、連結部11は筒状部材で構成され、当該連結部11が筒状部材の径方向内側に挿通されるネジ80を介してシリンダヘッド1に固定される。このため、シリンダヘッド1の所定の位置にネジ孔85が設けられている。これにより、連結部11をシリンダヘッド1に対して容易に、且つ、確実に位置決めすることが可能となる。なお、ネジ80は上述したシリンダヘッドカバー2をシリンダヘッド1に固定する際に用いるネジ90と併用することも可能である。
【0019】
アーム部21は、連結部11の外側端から連結部11の径方向外側に向かって延出して設けられる。連結部11の外側端とは、連結部11におけるシリンダヘッドカバー2の外表面側の端部12である。連結部11の径方向外側とは、連結部11の軸心(筒状部材の軸心)に対して径方向に沿って延出する方向である。本実施形態では、アーム部21は、図2及び図3におけるX方向に沿って形成される。したがって、アーム部21及び連結部11に互いに直交する方向(図2及び図3におけるY方向)からアーム部21及び連結部11を見た場合、「く」の字状になるように形成される。また、アーム部21は、外圧が作用した際に形状が変化しない程度に、Y方向の幅及びZ方向の厚みを有して構成される。このようなアーム部21は、連結部11と同様に金属(例えば鉄又はアルミニウムなど)により構成される。
【0020】
センサ支持部31は、アーム部21の延出端22においてシリンダヘッド1の側から離間する方向に突出して形成され、センサ50を支持する。アーム部21の延出端22とは、アーム部21の両端部のうち、連結部11に接続されている側とは反対側の端部である。シリンダヘッド1の側から離間する方向とは、少なくともアーム部21の一方の端部に接続されている連結部11が延出している方向とは反対の側の方向である。すなわち、本実施形態では、アーム部21の下方にはシリンダヘッドカバー2及びシリンダヘッド1が存在しているので、このような下方のシリンダヘッドカバー2及びシリンダヘッド1から離れる側の方向にあたる。センサ支持部31は、アーム部21の延出端22において、このような方向に突出して形成される。本実施形態では、センサ支持部31にはZ方向に沿ってネジ孔33が形成される。このようなセンサ支持部31は、連結部11と同様に金属(例えば鉄又はアルミニウムなど)により構成される。
【0021】
ここで、センサ支持部31とアーム部21とに亘って所定の厚さでリブ32が形成される。これにより、センサ支持部31とアーム部21との剛性を高めることができる。このため、センサ支持部31やアーム部21に互いに異なる方向の外圧が作用した場合であっても、センサ支持部31とアーム部21との位置関係がずれることを防止できる。
【0022】
このようなセンサ支持部31の突出方向(Z方向)とアーム部21の延出方向(X方向)は互いに直交するように形成される。したがって、センサ支持部31及びアーム部21に互いに直交する方向(Y方向)からセンサ支持部31及びアーム部21を見た場合、「く」の字状になるように形成される。
【0023】
センサ支持部31にはセンサ50が装着される。センサ50は、柱状の樹脂材料で覆われ、その軸方向中央部に径方向に延出する座部51が形成される。座部51には貫通孔52が形成されている。センサ50は、貫通孔52とセンサ支持部31のネジ孔33との位置を合わせた状態で、ネジ81によりセンサ支持部31に締結固定される。センサ50は、検出対象であるカムシャフト70に設けられたロータ71に対向するように検出部53が配置される。このため、センサ50は、シリンダヘッドカバー2において、センサ50が対向する位置に形成された貫通孔9に一部が挿通されて配置される。
【0024】
本実施形態では、センサ50は、センサ支持部31の軸心から見てロータ71が存在する方向に向けてセンサ支持部31にセンサ50を固定することが可能である。したがって、座部51の延出方向は、必ずしもアーム部21の延出方向(X方向)に平行でなくても良いし、当該延出方向(X方向)に対して直交しなくても良い。
【0025】
規制部41は、シリンダヘッドカバー2に対する連結部11を軸心とする周方向へのアーム部21の移動を規制する。上述のように本実施形態では連結部11は筒状部材から構成される。このため、連結部11を軸心とする周方向とは、連結部11を軸心として回転する方向をいう。したがって、アーム部21の移動とは、アーム部21が連結部11を軸心として回転を意味する。
【0026】
本実施形態では、規制部41は、凸部42と凹部43とを有して構成される。凸部42は、アーム部21の延出端22に形成される。ここで、上述のようにアーム部21の延出端22には、シリンダヘッド1の側から離間する方向に突出してセンサ支持部31が形成される。アーム部21は、センサ支持部31とは異なる方向の側、すなわちシリンダヘッドカバー2の側に向けて突出して形成される。このような凸部42は円柱状の金属(例えば鉄又はアルミニウムなど)により構成される。
【0027】
凹部43は、シリンダヘッドカバー2の凸部42に対向する位置において、アーム部21の延出方向に沿って長孔状に形成されている。シリンダヘッドカバー2の凸部42に対向する位置とは、センサ支持部31の側に設けられた凸部42から図2及び図3におけるZ方向に沿ったシリンダヘッドカバー2の位置にあたる。アーム部21の延出方向とは、図2及び図3におけるX方向である。凹部43は、このような位置において、X方向に沿って有底の長孔で形成される。凹部43の幅(すなわちY方向の長さ)は、凸部42の外径よりもやや大きく形成される。したがって、凹部43に凸部42が嵌入した場合には、Y方向への移動(すなわち、連結部11を軸心とした周方向への移動)が規制される。係る場合、アーム部21は下方に位置するシリンダヘッドカバー2に対して移動が規制されることになる。一方、連結部11を基準にしてアーム部21の延出方向に沿った長さに寸法誤差がある場合であっても凸部42を凹部43に嵌入させることができるので、センサ50の組み付けを容易に行うことが可能となる。
【0028】
本実施形態では、上述した連結部11、アーム部21、センサ支持部31、リブ32、凸部42が金属(例えば鉄又はアルミニウムなど)により一体成形される。このような一体成形品は、センサ支持体100を構成する。このようなセンサ支持体100を一体成形することにより、連結部11が当接するシリンダヘッド1からセンサ支持部31により支持されるセンサ50までの位置を精度良く設定することが可能となる。
【0029】
また、連結部11がシリンダヘッド1に当接するように配置されるので、例えばカムシャフト70を支持するカムキャップの鉛直上方でなくても良いし、更にはカムキャップから外れた位置に設けることも可能である。したがって、配置の自由度を高めることができる。
【0030】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、シリンダヘッドカバー2が樹脂で構成されているとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。シリンダヘッドカバー2は、シリンダヘッド1と同様に金属で構成することも可能である。
【0031】
上記実施形態では、連結部11が筒状部材で構成されるとして説明した。しかしながら、連結部11は筒状でない棒状部材で構成することも可能である。係る場合、連結部11を貫通孔3に対して圧入することにより固定することが可能である。
【0032】
上記実施形態では、規制部41が凸部42と凹部43とを有して構成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば、図4に示されるように規制部41をシリンダヘッドカバー2からZ方向に沿って立設する柱状体49で構成することも可能である。係る場合、アーム部21をY方向に沿って一対の柱状体49で挟持するように設けると好適である。係る場合でも、柱状体49(規制部41)により、シリンダヘッドカバー2に対する連結部11を軸心とする周方向へのアーム部21の移動を規制することが可能である。
【0033】
或いは、図5に示されるように、シリンダヘッドカバー2の貫通孔3に連結部11を挿入した際に、アーム部21の厚さ方向(Z方向)の少なくとも一部がシリンダヘッドカバー2に埋設するように、規制部41としてシリンダヘッドカバー2に孔部48を構成することも可能である。係る場合でも、孔部48(規制部41)により、シリンダヘッドカバー2に対する連結部11を軸心とする周方向へのアーム部21の移動を規制することが可能である。
【0034】
上記実施形態では、凸部42がアーム部21の延出端22に形成され、凹部43がシリンダヘッドカバー2に形成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。凸部42がシリンダヘッドカバー2に形成され、凹部43がアーム部21の延出端22に形成されるように構成しても良い。すなわち、アーム部21の延出端22にシリンダヘッドカバー2の側に向けて開口する凹部43を設け、シリンダヘッドカバー2における凹部43に対向する位置にシリンダヘッドカバー2から立設する凸部42を設けると好適である。このような構成であっても、凸部42を凹部43に嵌入させることにより、アーム部21の移動を規制することが可能である。
【0035】
上記実施形態では、連結部11の軸心方向とセンサ支持部31の延出方向とがZ方向に沿って形成されているように図示した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。連結部11の軸心方向とセンサ支持部31の延出方向とが互いに異なる方向、すなわち非平行となるように構成することも可能である。このような構成の一例が、図6に示される。図6の例では、一点鎖線Aで示される連結部11の軸心方向がZ軸と平行に設けられる。一方、二点鎖線Bで示されるセンサ支持部31の延出方向はロータ71の周方向に沿って所定角度だけ回転した状態で設けられる。このように、一点鎖線Aで示される連結部11の軸心方向と、二点鎖線Bで示されるセンサ支持部31の延出方向とが、互いに平行とならないように構成することにより、センサ50の取り付け位置の近傍に他の部品等が配置されている場合であっても、センサ50の取り付け位置の自由度を高めることが可能となる。もちろん、連結部11の軸心方向がZ軸に対して非平行で設けられ、センサ支持部31の延出方向がZ軸に対して平行に設けることも可能である。更には、連結部11の軸心方向及びセンサ支持部31の延出方向の双方が、Z軸に対して非平行に設けることも可能である
【0036】
上記実施形態では、連結部11、アーム部21、センサ支持部31、リブ32、凸部42からなるセンサ支持体100が、シリンダヘッドカバー2に連結部11を貫通孔3に挿入し、ネジ80により固定されるとして説明した。すなわち、センサ支持体100をシリンダヘッドカバー2に後付けするものとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。シリンダヘッドカバー2を樹脂で形成する場合には、予め形成しておいたセンサ支持体を用いてシリンダヘッドカバー2の樹脂成形時に、一体成形することも可能である。係る場合、一体成形後のシリンダヘッドカバー2をシリンダヘッド1に装着する際に、連結部11がシリンダヘッド1に当接するように一体成形すると好適である。なお、係る場合でもネジ80により連結部11とシリンダヘッドカバー2とを固定することが可能である。
【0037】
上記実施形態では、連結部11が、シリンダヘッドカバー2の外表面からシリンダヘッド1を構成する部位に当接するように設けられるとして説明したが、連結部11が当接するシリンダヘッド1を構成する部位が設置される状態については何ら説明しなかった。これは、本発明がシリンダヘッド1を構成する部位が設置される状態に関わらず適用することが可能であることを意味する。すなわち、連結部11が当接するシリンダヘッド1を構成する部位が水平面Rと平行なものであっても良いし、図7に示されるように、連結部11が当接するシリンダヘッド1を構成する部位が水平面Rに対して所定の角度θを有するものであっても良い。係る場合でも、カムシャフト70の回転を検出するセンサ50を高精度で支持することが可能である。
【0038】
本発明は、カムシャフトの回転を検出するセンサを支持するセンサ支持構造に用いることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1:シリンダヘッド
2:シリンダヘッドカバー
11:連結部
21:アーム部
22:延出端
31:センサ支持部
41:規制部
42:凸部
43:凹部
50:センサ
70:カムシャフト
E:内燃機関
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7