特許第6015714号(P6015714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6015714受信機、受信システム、受信方法、および受信プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015714
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】受信機、受信システム、受信方法、および受信プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/16 20060101AFI20161013BHJP
【FI】
   H04B1/16 Z
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-110136(P2014-110136)
(22)【出願日】2014年5月28日
(65)【公開番号】特開2015-226205(P2015-226205A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2015年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】榎本 昭吾
【審査官】 佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−237901(JP,A)
【文献】 特開平06−310988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離隔した場所に設置された複数の送信アンテナからそれぞれ送信され、受信アンテナによってそれぞれ受信されたアナログ信号に基づくデジタル信号にフーリエ変換処理を施すフーリエ変換処理手段と、
前記フーリエ変換処理手段の処理結果に基づいて、前記デジタル信号を同期検波するための検波信号を生成する検波信号生成手段と、
前記検波信号生成手段が生成した前記検波信号を用いて、前記デジタル信号を同期検波する検波手段と、
前記検波手段による検波結果に基づいて、前記デジタル信号からデータを抽出するデータ抽出手段とを備え
前記検波手段による検波結果に基づいて、前記検波手段における前記検波信号と前記デジタル信号との位相差を検出し、検出結果に応じて、前記検波信号を前記デジタル信号に同期させるように前記検波信号生成手段に指示する位相差検出手段を含む
ことを特徴とする受信機。
【請求項2】
前記検波信号生成手段と、前記検波手段と、前記データ抽出手段とをそれぞれ複数含む
請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記フーリエ変換処理手段は、前記デジタル信号に前記フーリエ変換処理を施した結果、所定の強度以上の信号成分を複数検出した場合に、各信号成分の周波数を示す周波数情報をそれぞれ生成して前記検波信号生成手段にそれぞれ入力し、
複数の前記検波信号生成手段のそれぞれは、前記フーリエ変換処理手段が入力した前記周波数情報に基づいて、前記検波信号を生成し、
複数の前記検波手段のそれぞれは、対応する前記検波信号生成手段が生成した前記検波信号を用いて、前記デジタル信号を同期検波し、
複数の前記データ抽出手段のそれぞれは、対応する前記検波手段による検波結果に基づいて、前記デジタル信号からデータを抽出する
請求項2に記載の受信機。
【請求項4】
前記検波信号生成手段は、前記フーリエ変換処理手段による前記デジタル信号のフーリエ変換処理結果に基づいて、前記アナログ信号に含まれる信号成分のうち、所定の強度以上の信号成分の周波数の信号を検波信号として生成する
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載の受信機。
【請求項5】
互いに離隔した場所に設置された複数の送信アンテナからそれぞれ送信され、受信アンテナによってそれぞれ受信されたアナログ信号を増幅する増幅手段と、
前記増幅手段によって増幅されたアナログ信号の周波数を変換する周波数変換手段と、
前記周波数変換手段によって周波数が変換された信号が入力され、請求項1から請求項4のうちいずれかに記載の受信機とを備えた
ことを特徴とする受信システム。
【請求項6】
互いに離隔した場所に設置された複数の送信アンテナからそれぞれ送信され、受信アンテナによってそれぞれ受信されたアナログ信号に基づくデジタル信号にフーリエ変換処理を施すフーリエ変換処理工程と、
前記フーリエ変換処理工程の処理結果に基づいて、前記デジタル信号を同期検波するための検波信号を生成する検波信号生成工程と、
前記検波信号生成工程で生成した前記検波信号を用いて、前記デジタル信号を同期検波する検波工程と、
前記検波工程による検波結果に基づいて、前記デジタル信号からデータを抽出するデータ抽出工程と、
前記検波工程による検波結果に基づいて、前記検波工程における前記検波信号と前記デジタル信号との位相差を検出し、検出結果に応じて、前記検波信号を前記デジタル信号に同期させるように前記検波信号生成工程で処理させる位相差検出工程を含む
ことを特徴とする受信方法。
【請求項7】
コンピュータに、
互いに離隔した場所に設置された複数の送信アンテナからそれぞれ送信され、受信アンテナによってそれぞれ受信されたアナログ信号に基づくデジタル信号にフーリエ変換処理を施すフーリエ変換処理ステップと、
前記フーリエ変換処理ステップの処理結果に基づいて、前記デジタル信号を同期検波するための検波信号を生成する検波信号生成ステップと、
前記検波信号生成ステップで生成した前記検波信号を用いて、前記デジタル信号を同期検波する検波ステップと、
前記検波ステップによる検波結果に基づいて、前記デジタル信号からデータを抽出するデータ抽出ステップと、
前記検波ステップによる検波結果に基づいて、前記検波ステップにおける前記検波信号と前記デジタル信号との位相差を検出し、検出結果に応じて、前記検波信号を前記デジタル信号に同期させるように前記検波信号生成ステップを実行させる位相差検出ステップとを実行させる
ための受信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各送信アンテナから規定の周波数で送信されて到達した電波を適切に受信してデータを抽出する受信機、受信システム、受信方法、および受信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各地に点在する通報局の送信アンテナからそれぞれ送信された電波を静止通信衛星を介して同時に受信する受信機がある。各地に点在する通報局の送信アンテナから送信された電波は、伝搬中に各地の気候等の影響をそれぞれ受ける。さらに、当該電波の周波数は、静止通信衛星によって中継されることによりドップラーシフトして偏移する。したがって、各通報局の各送信アンテナから送信された電波の周波数は、静止通信衛星を介して受信機に到達したときには不安定になっている。
【0003】
そのような受信機は、各送信アンテナから送信された電波を、互いに周波数が異なるチャンネルの信号成分を複数含む電波として受信する。そして、当該受信機には、当該信号成分にそれぞれ含まれるデータをそれぞれ抽出するために、チャンネル数に応じた数の復調モジュールが設けられている。
【0004】
なお、特許文献1には、受信信号にFFT(Fast Fourier Transform)処理を施して復調するためのFFT演算部を含む地上デジタルテレビ放送用受信装置が記載されている。特許文献1に記載されている地上デジタルテレビ放送用受信装置では、FFT演算部が、受信した信号を既定の周波数に応じた複数チャンネルに分けて、デインターリーブ処理および復号処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−90080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各通報局の各送信アンテナから規定の周波数で送信されて静止通信衛星を介して受信機に到達した電波は、各地の気候の影響やドップラーシフトにより、規定の周波数の範囲外に偏移している場合がある。そのような場合に、規定の周波数範囲で当該電波を検波することができないので、受信機は当該電波からデータを抽出することができない。
【0007】
したがって、特許文献1に記載されている受信装置は、各通報局の各送信アンテナから規定の周波数で送信されて静止通信衛星を介して受信機に到達した電波からデータを抽出することができない場合がある。
【0008】
また、受信機に、受信すべき全てのチャンネルに応じて専用の復調モジュールをそれぞれ用意する必要があるので、コストが高くなるという問題や、容積(例えば、FPGA(Field−Programmable Gate Array)等で復調モジュールを構成する場合に必要とされる容量)が大きくなるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、各送信アンテナから規定の周波数で送信されて受信機に到達した電波を適切に受信してデータを抽出することができる受信機、受信システム、受信方法、および受信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による受信機は、互いに離隔した場所に設置された複数の送信アンテナからそれぞれ送信され、受信アンテナによってそれぞれ受信されたアナログ信号に基づくデジタル信号にフーリエ変換処理を施すフーリエ変換処理手段と、フーリエ変換処理手段の処理結果に基づいて、デジタル信号を同期検波するための検波信号を生成する検波信号生成手段と、検波信号生成手段が生成した検波信号を用いて、デジタル信号を同期検波する検波手段と、検波手段による検波結果に基づいて、デジタル信号からデータを抽出するデータ抽出手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明による受信システムは、互いに離隔した場所に設置された複数の送信アンテナからそれぞれ送信され、受信アンテナによってそれぞれ受信されたアナログ信号を増幅する増幅手段と、増幅手段によって増幅されたアナログ信号の周波数を変換する周波数変換手段と、周波数変換手段によって周波数が変換された信号が入力され、いずれかの態様の受信機とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明による受信方法は、互いに離隔した場所に設置された複数の送信アンテナからそれぞれ送信され、受信アンテナによってそれぞれ受信されたアナログ信号に基づくデジタル信号にフーリエ変換処理を施すフーリエ変換処理工程と、フーリエ変換処理工程の処理結果に基づいて、デジタル信号を同期検波するための検波信号を生成する検波信号生成工程と、検波信号生成工程で生成した検波信号を用いて、デジタル信号を同期検波する検波工程と、検波工程による検波結果に基づいて、デジタル信号からデータを抽出するデータ抽出工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明による受信プログラムは、コンピュータに、互いに離隔した場所に設置された複数の送信アンテナからそれぞれ送信され、受信アンテナによってそれぞれ受信されたアナログ信号に基づくデジタル信号にフーリエ変換処理を施すフーリエ変換処理ステップと、フーリエ変換処理ステップの処理結果に基づいて、デジタル信号を同期検波するための検波信号を生成する検波信号生成ステップと、検波信号生成ステップで生成した検波信号を用いて、デジタル信号を同期検波する検波ステップと、検波ステップによる検波結果に基づいて、デジタル信号からデータを抽出するデータ抽出ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、各送信アンテナから規定の周波数で送信されて到達した電波を適切に受信してデータを抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態の受信システムの構成例を示す説明図である。
図2】本発明の第1の実施形態における受信機の構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態における受信機の動作を示すフローチャートである。
図4】本発明の第2の実施形態の受信機の構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施形態1.
本発明の第1の実施形態の受信システム400について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の受信システム400の構成例を示す説明図である。図1に示すように、本発明の第1の実施形態の受信システム400は、低雑音増幅器410、ダウンコンバータ420、および受信機430を含む。
【0017】
低雑音増幅器410は、送信アンテナ100a〜100cによって送信されて人工衛星200を介して受信アンテナ300が受信した信号を増幅して、ダウンコンバータ420に入力する。ダウンコンバータ420は、低雑音増幅器420が増幅した信号の周波数を中間周波数に変換して、受信機430に入力する。なお、ダウンコンバータ420による変換後の中間周波数は、例えば、70MHz帯の周波数である。また、当該周波数の搬送波は、例えば、PCM−PSK(Pulse Code Modulation−Phase Shift Keying)方式やFM(Frequency Modulation)方式で変調されている。
【0018】
受信機430は、入力された信号に所定の処理を行って、処理結果を表示端末500に出力して表示させる。
【0019】
図2は、本発明の第1の実施形態における受信機430の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、受信機430は、A−D(Analog to Digital)変換部431、FFT処理部432、および復調ユニット433を含む。
【0020】
また、図2に示すように、復調ユニット433は、復調部434a〜434zを含む。さらに、復調部434a〜434zは、乗算部、低域通過フィルタ部、キャリアロック部、数値制御型発振部、およびデータ抽出部をそれぞれ含み、互いに同様に構成されている。なお、図2には、復調部を代表して復調部434aが、乗算部435a、低域通過フィルタ部436a、キャリアロック部437a、数値制御型発振部438a、およびデータ抽出部439aを含むことが示されている。以下、主に復調部434aが用いられる場合を例に説明する。
【0021】
A−D変換部431は、ダウンコンバータ420が入力したアナログ信号を量子化してデジタル信号に変換する。そして、A−D変換部431は、各復調部434a〜434zの各乗算部と、FFT処理部432とに、変換後のデジタル信号を入力する。
【0022】
FFT処理部432は、入力されたデジタル信号にFFT処理を施した結果に基づいて、受信機430に入力された信号において所定の閾値以上の強度の信号成分の周波数を示す周波数情報を生成して数値制御型発振部438aに入力する。なお、FFT処理部432は、例えば、所定の閾値以上の強度の信号成分がn個である場合に、1番目の復調部434aからn番目の復調部までの数値制御型発振部のそれぞれに各信号成分の周波数をそれぞれ示す周波数情報をそれぞれ入力する。そのような構成により、受信された信号に含まれる複数チャンネルの信号成分のそれぞれを検波して復調することが可能になる。
【0023】
数値制御型発振部438aは、FFT処理部432が入力した周波数情報に基づいて、当該周波数情報によって示される周波数の信号を乗算部435aに入力する。なお、数値制御型発振部438aが乗算部435aに入力する、周波数情報によって示される周波数の信号は、例えば、周波数情報によって示される周波数の正弦波である。
【0024】
乗算部435aは、数値制御型発振部438aが入力した信号と、A−D変換部431が入力したデジタル信号とを乗算処理し、処理結果の信号を低域通過フィルタ部436aに入力する。したがって、乗算部435aでは、A−D変換部431が入力したデジタル信号が同期検波されて、低域通過フィルタ部436aに入力される。
【0025】
低域通過フィルタ部436aに入力された信号は、高周波成分が除去されて、キャリアロック部437aに入力される。なお、低域通過フィルタ部436aは、受信システム400が受信して復調部434aが復調すべき信号の変調波の周波数帯域以下の周波数帯域の信号が通過するように構成されている。キャリアロック部437aは、入力された信号をデータ抽出部439aに入力するとともに、当該信号に基づいて、A−D変換部431が乗算部435aに入力したデジタル信号と、数値制御型発振部438aが乗算部435aに入力した信号との位相差を検出する。そして、キャリアロック部437aは、検出結果に基づいて、数値制御型発振部438aに、乗算部435aに入力する信号をA−D変換部431が乗算部435aに入力するデジタル信号に同期させるように指示する。数値制御型発振部438aは、キャリアロック部437aの指示に応じて乗算部435aに入力する信号をA−D変換部431が乗算部435aに入力するデジタル信号に同期させる。
【0026】
データ抽出部439aは、キャリアロック部437aが入力した信号に、例えば、シンボルロックやフレームロック等の処理を施し、所定のビット単位等で当該信号からデータを抽出する。そして、データ抽出部439aは、抽出したデータを表示端末500に送信する。
【0027】
表示端末500は、データ抽出部439aが抽出したデータに基づく情報を表示する。
【0028】
次に、受信機430の動作について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態における受信機430の動作を示すフローチャートである。受信機430において、アナログ信号が入力されると、A−D変換部431が入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する(ステップS101)。A−D変換部431は、変換後のデジタル信号を、乗算部435aとFFT処理部432とに入力する。
【0029】
FFT処理部432は、入力されたデジタル信号にFFT処理を施す(ステップS102)。そして、FFT処理部432は、FFT処理の結果に基づく周波数情報を生成して(ステップS103)、数値制御型発振部438aに入力する。
【0030】
数値制御型発振部438aは、ステップS103の処理で生成された周波数情報が示す周波数の正弦波を乗算部435aに入力する(ステップS104)。
【0031】
乗算部435aは、ステップS104の処理で入力された正弦波とA−D変換部431が入力したデジタル信号とを乗算処理する同期検波を行い(ステップS105)、処理結果の信号を低域通過フィルタ部436aに入力する。
【0032】
低域通過フィルタ部436aで高周波成分が除去された信号に基づいて、キャリアロック部437aは、A−D変換部431が乗算部435aに入力したデジタル信号と、数値制御型発振部438aが乗算部435aに入力した信号との位相差を検出する(ステップS106,S107)。
そして、数値制御型発振部438aは、キャリアロック部437aによる位相差の検出結果に基づいて、乗算部435aに入力する信号をA−D変換部431が乗算部435aに入力するデジタル信号に同期させる(ステップS108)。
【0033】
また、キャリアロック部437aは、低域通過フィルタ部436aを通過した信号をデータ抽出部439aに入力する。データ抽出部439aは、キャリアロック部437aが入力した信号からデータを抽出する(ステップS109)。データ抽出部439aが抽出したデータは、表示端末500によって表示される。
【0034】
本実施形態によれば、受信アンテナ300によって受信されたアナログ信号に基づいてFFT処理部432が周波数情報を生成する。また、当該アナログ信号はデジタル信号に変換されて、当該周波数情報に応じて数値制御型発振部438aが生成した信号で検波されて復調される。したがって、受信アンテナ300によって受信されたアナログ信号の周波数が偏移していた場合であっても、偏移に対応して当該アナログ信号に含まれるデータを抽出することが可能になる。
【0035】
また、本実施形態によれば、周波数が互いに異なる複数チャンネル(例えば、M個の送信アンテナからそれぞれ送信された電波に基づくM個のチャンネル)の信号成分にそれぞれ対応するために各チャンネルに応じた専用の復調モジュールを用意することなく、各チャンネルの信号成分に含まれるデータを抽出することができる。そして、信号に含まれる複数のチャンネル(例えば、N個のチャンネル。なお、M≧N。)の信号成分の同時受信に対応するためには、同時に受信するチャンネル数に応じた数の復調部(例えば、N個の復調部)を用意すればよい。したがって、受信機430に用意する復調部の数を減少させることができる。よって、受信機430のコストを低減することができる。また、受信機430の容積を小さくすることができる。
【0036】
実施形態2.
本発明の第2の実施形態の受信機40について、図面を参照して説明する。図4は、本発明の第2の実施形態の受信機40の構成例を示す説明図である。図4に示すように、本発明の第2の実施形態の受信機40は、フーリエ変換処理手段42(図1に示すFFT処理部432aに相当)、検波信号生成手段48(図1に示す数値制御型発振部438aに相当)、検波手段45(図1に示す乗算器435aに相当)、およびデータ抽出手段49(図1に示すデータ抽出部439aに相当)を含む。
【0037】
フーリエ変換処理手段42は、互いに離隔した場所に設置された複数の送信アンテナからそれぞれ送信され、受信アンテナによってそれぞれ受信されたアナログ信号に基づくデジタル信号にフーリエ変換処理を施す。検波信号生成手段48は、フーリエ変換処理手段42の処理結果に基づいて、デジタル信号を同期検波するための検波信号を生成する。
【0038】
検波手段45は、検波信号生成手段48が生成した検波信号を用いて、デジタル信号を同期検波する。データ抽出手段49は、検波手段45による検波結果に基づいて、デジタル信号からデータを抽出する。
【0039】
本実施形態によれば、各送信アンテナから規定の周波数で送信されて到達した電波を適切に受信してデータを抽出することができる。
【符号の説明】
【0040】
40 受信機
42 フーリエ変換処理手段
45 検波手段
48 検波信号生成手段
49 データ抽出手段
100a、100b、100c 送信アンテナ
200 人工衛星
300 受信アンテナ
400 受信システム
410 低雑音増幅器
420 ダウンコンバータ
430 受信機
431 A−D変換部
432 FFT処理部
433 復調ユニット
434a、434b、434z 復調部
435a 乗算器
436a 低域通過フィルタ部
437a キャリアロック部
438a 数値制御型発振部
439a データ抽出部
500 表示端末
図1
図2
図3
図4