特許第6015729号(P6015729)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015729
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】バックライト装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20161013BHJP
   F21Y 103/00 20160101ALN20161013BHJP
【FI】
   F21S2/00 484
   F21Y103:00
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-210945(P2014-210945)
(22)【出願日】2014年10月15日
(62)【分割の表示】特願2013-93169(P2013-93169)の分割
【原出願日】2008年8月20日
(65)【公開番号】特開2015-35430(P2015-35430A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2014年10月16日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川田 和輝
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−322645(JP,A)
【文献】 特開2002−278471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21Y 103/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
対向する2つの第1と対向する2つの第2を有した底面反射部と、前記各第1辺からそれぞれ延在し、前記各第1位置する上底と上底より長い下底を有する台形状の2つの第1周辺反射部と、前記各第2辺からそれぞれ延在し、前記各第2位置する上底と上底より長い下底を有する台形状の2つの第2周辺反射部と、前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の少なくともいずれかの下底から延在する張出し片部と、を有し前記光源から出射された光を反射させる光反射部材と、
底面部と、対向する2つの第1側壁部と、対向する2つの第2側壁部とを有し、前記第1側壁部及び第2側壁部は前記底面部の周から一面側へ延在し、前記第1側壁部及び前記第2側壁部によって当該フレームの内部が定められるフレームと、を備え、
前記光反射部材が前記フレームに取り付けられた状態で、前記底面反射部、前記第1周辺反射部、及び前記第2周辺反射部は前記フレームの内部に配され、前記張出し片部は前記第1側壁部及び前記第2側壁部の少なくともいずれかの上に配される、バックライト装置。
【請求項2】
前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部は、等脚台形状であることを特徴とする請求項1に記載のバックライト装置。
【請求項3】
前記光反射部材が前記フレームに取り付けられた状態で、前記張出し片部は前記底面反射部に対して平行に延在することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバックライト装置。
【請求項4】
前記張出し片部は、前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の下底に設けられることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のバックライト装置。
【請求項5】
前記光反射部材が前記フレームに取り付けられた状態で、隣接する前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の組の斜辺同士は重ねられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のバックライト装置。
【請求項6】
隣接する前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の組の斜辺同士が重なって形成されて対角位置に存在する各重なり線は、前記底面反射部の前記対角位置に対応する対角線上に位置しないことを特徴とする請求項5に記載のバックライト装置。
【請求項7】
前記光反射部材が前記フレームに取り付けられた状態で、隣接する前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の組において、前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の一方の斜辺が他方の斜辺より内側に当接されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のバックライト装置。
【請求項8】
前記張出し片部は、前記下底の全体にわたって設けられることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のバックライト装置。
【請求項9】
前記光反射部材が前記フレームに取り付けられた状態で、前記底面反射部と前記底面部との間に隙間が存在することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のバックライト装置。
【請求項10】
前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の4つの反射部のうち少なくともいずれかの下底は、前記第1側壁部及び前記第2側壁部の4つの側壁部のうち少なくともいずれかの頂部内側角に一致することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のバックライト装置。
【請求項11】
前記第1側壁部及び前記第2側壁部の4つの側壁部のうち少なくともいずれかは前記底面部から垂直に立設され、
当該垂直に立設された側壁部と、前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の4つの反射部のうち少なくともいずれかとで空間が構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のバックライト装置。
【請求項12】
少なくともいずれかの前記張出し片部の上に端部が載置される光学シートを更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のバックライト装置。
【請求項13】
前記張出し片部の幅の長さは、対応する前記第1側壁部又は前記第2側壁部の幅の長さ以下であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のバックライト装置。
【請求項14】
隣接する前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の組における隣接する各斜辺の傾斜角は同一であることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載のバックライト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は一般的な液晶モジュールの直下型バックライト装置を分解状態で示した概略構成図である。液晶モジュールは、液晶セル(不図示)や液晶セルの直下に配置されたバックライト装置を備えるモジュールのことである。
【0003】
同図において、1は直管型又はU字管型などの蛍光管でなる線状光源であり、この線状光源1は、その端部電極が給電用のソケット2に差し込まれている。線状光源1の背部には、表面が反射面とされている光反射部材3が配置されていて、この光反射部材3によって反射された線状光源1の光が、図示していない液晶セルをその背部から照射する。また、光反射部材3と液晶セルとの間には、光拡散板などの必要な種類及び枚数の光学シート類4が配置されている。そして、光反射部材3の反射面で反射した光が、この光学シート類4を通過して液晶セルを背部から照射することにより、液晶セルの画像表示面の輝度バランスが保たれるようになっている。図1において、5は枠フレームであり、この枠フレーム5は、上記した線状光源1のほか、光反射部材3や光学シート類4を保持する機能を有していて、樹脂成形体で製作されていたり、板金で製作されていたりする。
【0004】
図6は枠フレーム5に装備された線状光源1と光反射部材3とを説明的に示した平面図である。光反射部材3はその表面の全体又は略全体が反射面となっている。その反射面は、同図のように、線状光源1の背部に位置する広い1つの矩形の中央領域Z1と、この中央領域Z1の4つの辺部11,12,13,14のそれぞれから傾斜姿勢で立ち上げられた細長い台形状の周辺領域Z2,Z3,Z4,Z5とに分かれている。
【0005】
そして、従来のバックライト装置では、図1又は図6に示した光反射部材3を、図7に概略斜視図で示した折曲げ可能なシート体6と、図8に示した射出成形法で成形される樹脂成形体でなるフレーム材7と、を組み合わせることによって形成していた。
【0006】
図7に示したシート体6は、その外形輪郭形状が略矩形になっていて、その2つの長辺部のそれぞれの近傍箇所に定めたまっすぐな折曲げ線L1,L2に沿って図示のように折り曲げられている。そして、シート体6を折り曲げて図7の形状に保形することにより、このシート体6に、矩形の上記中央領域Z1と、その中央領域Z1の両側の台形状の2つの上記周辺領域Z2,Z4とを形成していた。なお、シート体6によって形成されている2つの周辺領域Z2,Z4において、片側の周辺領域Z2の長手方向の各端縁61,61、及び、他側の周辺領域Z4の長手方向の各端縁62,62は、それらの相互間隔が折曲げ線L1又は折曲げ線L2から遠ざかるほど開いた形状に形作られていて、各端縁61,62をそのように形作ることによって上記周辺領域Z2,Z4が台形状に形成されている。
【0007】
また、図8に示したフレーム材7は、上記のように射出成形法で成形される樹脂成形体でなり、傾斜した細長い台形状の反射面を有している。このフレーム材7は、図7に示したシート体6の長手方向両側に対称に配置される。そして、それらのフレーム材7のそれぞれの細長い台形状の反射面が、図6に示した他の2つの周辺領域Z3,Z5として用いられていた。なお、このフレーム材7の細長い台形状の反射面は、その端部が、シート体6によって形成されている細長い台形状の周辺領域Z2,Z4の端部に突き合わされているのであり、その突合せ構成により、4つの上記周辺領域Z2〜Z5が矩形環状につながった状態になっている。
【0008】
一方、光源の光を反射板で反射させるようにしたバックライト装置は従来より知られている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。そして、特許文献1では、反射板に山部を具備させることによって輝度むらを生じさせないようにした直下型ハックライト装置が提案されている。また、特許文献2では、反射板を多層構造にすることによって反射板の反りの発生を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−102119号公報
【特許文献2】特開2004−55182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、冒頭に記載した従来例の液晶モジュールの直下型バックライト装置のように、光反射部材3が、図7に示したシート体6と図8に示した樹脂成形体でなる2つのフレーム材7とを組み合わせて構成されていると、光反射部材3を構成するのに必要な部品点数がシート体6と2つのフレーム材7との3部品になり、そのことがコストアップの要因になるだけでなく、組立工程の複雑化を来して生産性を低下させることにもなる。
【0011】
本発明は以上の状況の下でなされたものであり、直下型バックライト装置の光反射部材を単一部品で形成し、しかもその単一部品のコストを安価に抑えることのできる対策を講じることによって、特に大幅なコストダウンを図りやすくし、しかも、組立工程の簡素化を促進して生産性を向上させることのできるバックライト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るバックライト装置は、光源と、
対向する2つの第1辺部と対向する2つの第2辺部を有した底面反射部と、前記各第1辺部に上底が接続されて上底よりも下底の長さが長い台形状の2つの第1周辺反射部と、前記各第2辺部に上底が接続されて上底よりも下底の長さが長い台形状の2つの第2周辺反射部と、前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の少なくともいずれかの下底から延在する張出し片部と、を有し、前記第1周辺反射部は前記第1辺部からそれぞれ延在し、前記第2周辺反射部は前記第2辺部からそれぞれ延在し、前記光源から出射された光を反射させる光反射部材と、
底面部と、対向する2つの第1側壁部と、対向する2つの第2側壁部とを有し、前記第1側壁部及び第2側壁部は前記底面部の周辺部から一面側へ延在し、前記第1側壁部及び前記第2側壁部によって当該フレームの内部が定められるフレームと、を備え、
前記光反射部材が前記フレームに取り付けられた状態で、前記底面反射部、前記第1周辺反射部、及び前記第2周辺反射部は前記フレームの内部に配され、前記張出し片部は前記第1側壁部及び前記第2側壁部の少なくともいずれかの上に配される構成としている。
【0013】
また、前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部は、等脚台形状であることとしてもよい。
【0014】
また、前記光反射部材が前記フレームに取り付けられた状態で、前記張出し片部は前記底面反射部に対して平行に延在することとしてもよい。
【0015】
また、前記張出し片部は、前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の下底に設けられることとしてもよい。
【0016】
また、前記光反射部材が前記フレームに取り付けられた状態で、隣接する前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の組の斜辺同士は重ねられていることとしてもよい。
【0017】
また、隣接する前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の組の斜辺同士が重なって形成されて対角位置に存在する各重なり線は、前記底面反射部の前記対角位置に対応する対角線上に位置しないこととしてもよい。
【0018】
また、前記光反射部材が前記フレームに取り付けられた状態で、隣接する前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の組において、前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の一方の斜辺が他方の斜辺より内側に当接されていることとしてもよい。
【0019】
また、前記張出し片部は、前記下底の全体にわたって設けられることとしてもよい。
【0020】
また、前記光反射部材が前記フレームに取り付けられた状態で、前記底面反射部と前記底面部との間に隙間が存在することとしてもよい。
【0021】
また、前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の4つの反射部のうち少なくともいずれかの下底は、前記第1側壁部及び前記第2側壁部の4つの側壁部のうち少なくともいずれかの頂部内側角に一致することとしてもよい。
【0022】
また、前記第1側壁部及び前記第2側壁部の4つの側壁部のうち少なくともいずれかは前記底面部から垂直に立設され、
当該垂直に立設された側壁部と、前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の4つの反射部のうち少なくともいずれかとで空間が構成されていることとしてもよい。
【0023】
また、少なくともいずれかの前記張出し片部の上に端部が載置される光学シートを更に備えることとしてもよい。
【0024】
また、前記張出し片部の幅の長さは、対応する前記第1側壁部又は前記第2側壁部の幅の長さ以下であることとしてもよい。
【0025】
また、隣接する前記第1周辺反射部及び前記第2周辺反射部の組における隣接する各斜辺の傾斜角は同一であることとしてもよい。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明に係るバックライト装置によれば、光反射部材を単一部品により形成して従来例で説明した高価なフレーム材を不要にしたので、コストダウンを大幅に図りやすくなるだけでなく、部品点数の削減を通じて組立工程の簡素化を促進し、生産性を向上させやすくなるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一般的な液晶モジュールの直下型バックライト装置を示した分解概略構成図である。
図2】光反射部材として用いられるシート体の概略斜視図である。
図3図2のシート体を展開して示した平面図である。
図4】シート体を展開して示した要部の拡大平面図である。
図5】1枚のシート体だけを光反射部材として用いた直下型バックライト装置の概略平面図である。
図6】線状光源と光反射部材とを説明的に示した平面図である。
図7】従来例で光反射部材として用いられていたシート体の概略斜視図である。
図8】従来例で光反射部材として用いられていたフレーム材の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
液晶モジュールは、図示していない液晶セルや、その液晶セルの直下に配置されたバックライト装置を備えるモジュールのことである。実施形態に係る液晶モジュールの直下型バックライト装置は、図1について既述したものと同様の一般的な構成を有している。すなわち、直管型又はU字管型などの蛍光管でなる線状光源1の端部電極が給電用のソケット2に差し込まれている。線状光源1の背部に、表面が反射面とされている光反射部材3が配置されていて、この光反射部材3によって反射された線状光源1の光が図示していない液晶セルをその背部から照射する。また、光反射部材3と液晶セルとの間には、光拡散板などの必要な種類及び枚数の光学シート類4が配置されている。そして、光反射部材3の反射面で反射した光が、この光学シート類4を通過して液晶セルを背部から照射することにより、液晶セルの表示面の輝度バランスが保たれるようになっている。線状光源1のほか、光反射部材3や光学シート類は、枠フレーム5に保持される。枠フレーム5は樹脂成形体や板金で製作されている。
【0029】
図2は光反射部材3として用いられるシート体8の概略斜視図である。この実施形態では、図1に示した光反射部材3の全体が、図2に示した1枚のシート体8だけによって形成されていて、従来例のように光反射部材3が図7に示したシート体6と図8に示したフレーム材7とを組み合わせて形成されているものではない。
【0030】
図2に示したように、シート体8には、図6を参照して説明した矩形の中央領域Z1と、その周囲の4つの台形状の周辺領域Z2,Z3,Z4,Z5とが備わっている。すなわち、シート体8の周囲4箇所をまっすぐな折曲げ線L11,L12,L13,L14に沿って図示のように折り曲げることにより、4つの台形状の周辺領域Z2,Z3,Z4,Z5を形成してあると共に、それらの折曲げ線L11,L12,L13,L14によって形成される4つの辺部11,12,13,14を有する矩形の中央領域Z1を形成してある。したがって、矩形の中央領域Z1は、4つの辺部11,12,13,14により取り囲まれた矩形の広い領域のことである。また、台形状の周辺領域Z2,Z3,Z4,Z5は、中央領域Z1の4つの辺部11,12,13,14のそれぞれから傾斜姿勢で立ち上げられた細長い台形状の領域のことである。
【0031】
図3は1枚の上記シート体8を展開して示した平面図である。同図のように、展開されたシート体8は、矩形のシート状素材の4つのコーナのそれぞれに同一形状のV字形の切込みCを形成した形状を有していて、それら4箇所の切込みCの谷部同士を連結したまっすぐな線が上記した折曲げ線L11,L12,L13,L14に相当している。そして、これらの折曲げ線L11,L12,L13,L14によって囲まれた矩形の領域が上記中央領域Z1に相当している。したがって、折曲げ線L11,L12,L13,L14の形成箇所が、矩形の中央領域Z1の4つの辺部11,12,13,14に相当している。
【0032】
また、上記した4箇所の折曲げ線L11,L12,L13,L14の外側領域はいずれも台形状を形作っていて、それらの台形状の領域が、上記した4つの周辺領域Z2,Z3,Z4,Z5に相当している。なお、図3に示したシート体8では、台形状の4つの周辺領域Z2,Z3,Z4,Z5のそれぞれの外縁部に幅狭の細長い張出し片部81,82,83,84を連設してある。
【0033】
図3に示したシート体8において、4本のまっすぐな折曲げ線L11,L12,L13,L14に沿って台形状の領域を傾斜姿勢になるように折り曲げて、シート体8を図2に示した形状に保形すると、矩形の中央領域Z1と、この中央領域Z1の4つの辺部11,12,13,14のそれぞれから傾斜姿勢で立ち上げられた台形状の周辺領域Z2,Z3,Z4,Z5とが形成される。そして、矩形の中央領域Z1の任意位置のコーナを挟んで相隣接する台形状の2つの周辺領域(Z2とZ3、Z3とZ4、Z4とZ5、Z5とZ2)の相互間では、それらの周辺領域の端部同士が隙間を生じないように突き合わされている。これらの突合せ箇所を図2に符号aで示してある。また、4つの周辺領域Z2,Z3,Z4,Z5のそれぞれの外縁部の張出し片部81,82,83,84を外側へ折り曲げてある。これらの張出し片部81,82,83,84は、図1に示した枠フレーム5によって支えられる部分に相当している。
【0034】
以上説明した構成を備える直下型バックライト装置によると、光反射部材3が1枚のシート体8だけによって形成され、しかも、そのシート体8は、図3に示した形状の略矩形のシート素材の周囲4箇所を斜めに折り曲げるだけで形成されているので、光反射部材3の製作コストが従来例に比べて格段に安価になる。また、光反射部材3の組立工程は、従来例のように図7に示したシート体6と図8に示したフレーム材7とを組み合わせるという熟練を必要とする工程に比べて格段に簡素化される。したがって、直下型バックライト装置の組立工程の簡素化が促進されて、その生産性を向上させやすくなる。それにもかかわらず、相隣接する台形状の2つの周辺領域の境界部分(突合せ箇所a)に隙間が生じず、その結果、従来例と同等の優れた光反射性が発揮されるようになって液晶セルに輝度むらが生じにくくなる。
【0035】
図4はシート体8を展開して示した要部の拡大平面図である。この事例では、シート体8において、矩形の中央領域Z1の1つのコーナを挟んで相隣接する台形状の2つの周辺領域(図4ではZ2,Z3が例示的に示されている)のうちの一方側領域、たとえば周辺領域Z2の端部に差込み片85が連設されている。これに対し、他方側領域である周辺領域Z3の端部に、上記差込み片85を差込み可能なスリット86が形成されている。図示していないけれども、矩形の中央領域Z1の他のコーナを挟んで相隣接する台形状の他の任意の2つの周辺領域(Z3とZ4、Z4とZ5、Z5とZ2など)のうちの一方側領域にも差込み片が形成されているのに対し、他方側領域にはその差込み片を差込み可能なスリットが形成されている。それぞれの差込み片85は、その側部に突起を備えている。
【0036】
そして、展開状態のシート体8が上記の形状ないし構造を有していると、シート体8を、折曲げ線L11,L12,L13,L14に沿って斜めに折り曲げて図2に示した形状に保形すると共に、上記した一方側領域の差込み片85を他方側領域のスリット86に反射面側から差し込んでおくことが可能になる。そのようにスリット86に反射面側から差込み片85を差し込んでおくと、一方側及び他方側の2つの周辺領域同士(Z2とZ3、Z3とZ4、Z4とZ5、Z5とZ2)がスリット86への差込み片85の差込み箇所で連結される。そのため、図2に示した形状でのシート体8の保形性が向上してシート体8による光反射の安定性が向上し、液晶セルの輝度むらも生じにくくなる。
【0037】
図5図2に示した形状のシート体8を光反射部材3として用いた直下型バックライト装置の概略平面図である。このバックライト装置では、光反射部材3に形成しておくことが要求されている反射面、具体的には、線状光源1の背部に位置する矩形の中央領域Z1と、この中央領域Z1の4つの辺部11〜14のそれぞれから傾斜姿勢で立ち上げられた台形状の周辺領域Z2,Z3,Z4,Z5とが、すべて1枚のシート体8だけによって形成されている。そのため、図7に示したシート体6と図8に示したフレーム材7とを組み合わせて矩形の中央領域Z1と4つの台形状の周辺領域Z2,Z3,Z4,Z5とを形成する必要がない。このことから、この実施形態によると、光反射部材3を1枚のシート体8だけによって形成することができるようになり、図8に示したフレーム材7などの余分な部品を用いる必要がなくなってそれだけ部品点数が削減されるために、組立工程の簡素化を促進しやすくなる。しかも、シート体8は、図8に示したフレーム材7のように技術的に高度で製作コストの高い射出成形で成形された樹脂成形体に比べると、入手が容易で格段に安価でもあるので、この実施形態の構成を採用することによって液晶モジュールの直下型バックライト装置を格段に安価に提供することが可能になる。さらに、同装置の軽量化にも役立つ。
【0038】
図5に示した線状光源1にはU字管型の蛍光管が用いられていて、その端部電極は、シート体8の1つの周辺領域Z5の背部の空所の中でソケットに接続されている。そのため、線状光源1は、当該周辺領域Z5に形成された孔部87を通してその背部に突き出されて図1に例示した形態でソケット2に接続されている。また、シート体8の裏面側において、枠フレーム5には固定具9が固着されていて、この固定具9のクランプ91が、シート体8の矩形の中央領域Z1の形成箇所に開設されている開口(不図示)からシート体8の表面側に突き出されている。そして、線状光源1の適所、たとえば図示した屈曲部分の2箇所がそのクランプ91に保持されている。
【0039】
図1図7においては、説明の便宜上、同一部分または相応する部分に同一符号を付してある。
【符号の説明】
【0040】
1 線状光源
3 光反射部材
8 シート体(光反射部材)
85 差込み片
86 スリット
L11,L12,L13,L14 折曲げ線
Z1 中央領域
Z2,Z3,Z4,Z5 周辺領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8