特許第6015763号(P6015763)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015763
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】車両開閉体の制御装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20161013BHJP
   E05F 15/73 20150101ALI20161013BHJP
   B60R 25/20 20130101ALI20161013BHJP
【FI】
   E05B49/00 J
   E05F15/73
   B60R25/20
【請求項の数】8
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-535464(P2014-535464)
(86)(22)【出願日】2013年8月14日
(86)【国際出願番号】JP2013071940
(87)【国際公開番号】WO2014041955
(87)【国際公開日】20140320
【審査請求日】2014年10月3日
(31)【優先権主張番号】特願2012-200201(P2012-200201)
(32)【優先日】2012年9月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
(74)【代理人】
【識別番号】100180068
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 怜史
(72)【発明者】
【氏名】小畑 隆之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】上田 真成
【審査官】 兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2002/0152010(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0242303(US,A1)
【文献】 特開2008−002095(JP,A)
【文献】 特開2009−215826(JP,A)
【文献】 特開2012−121386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 49/00−49/04
B60R 25/20−25/25
E05F 15/70−15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の身体表現に基づいて、車両に設けられた開閉体を操作する車両開閉体の制御装置において、
検出すべき身体表現を行う使用者を認証する使用者認証手段と、
前記使用者認証手段の作動状態を判定する第1作動判定手段と、
前記第1作動判定手段による前記使用者認証手段の作動状態の判定結果が出たとき、前記使用者の認証をしたことを告知する第1告知手段と、
前記第1告知手段による告知がなされたら、前記使用者の身体表現を検出する身体表現検出手段と、
前記身体表現検出手段の作動状態を判定する第2作動判定手段と、
前記第2作動判定手段による前記身体表現検出手段の作動状態の判定結果が出たとき、前記身体表現の検出が終了したこと、又は、前記身体表現の検出ができなかったことを告知する第2告知手段と、
を備えたことを特徴とする車両開閉体の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載された車両開閉体の制御装置において、
前記第2作動判定手段が、前記身体表現検出手段の作動の開始を判定したとき、
前記第2告知手段は、前記第2作動判定手段による作動開始判定を告知する
ことを特徴とする車両開閉体の制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された車両開閉体の制御装置において、
前記第2作動判定手段が、前記身体表現検出手段の作動の完了を判定したとき、
前記第2告知手段は、前記第2作動判定手段による作動完了判定を告知する
ことを特徴とする車両開閉体の制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載された車両開閉体の制御装置において、
前記第1作動判定手段が、前記使用者認証手段の作動の開始及び作動の完了を判定し、
前記第1告知手段は、前記第1作動判定手段による作動開始判定から作動完了判定までの間、告知し続ける
ことを特徴とする車両開閉体の制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載された車両開閉体の制御装置において、
前記第2作動判定手段が、前記身体表現検出手段の作動の開始及び作動の完了を判定し、
前記第2告知手段は、前記作動判定手段による作動開始判定から作動完了判定までの間、告知し続ける
ことを特徴とする車両開閉体の制御装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載された車両開閉体の制御装置において、
前記第2作動判定手段が、前記身体表現検出手段の作動の開始を判定した後、この作動の中断を判定したとき、
前記第2告知手段は、前記第2作動判定手段による作動中断判定を告知する
ことを特徴とする車両開閉体の制御装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載された車両開閉体の制御装置において、
前記使用者認証手段は、前記使用者が携帯した携帯機の認証を行う携帯機認証部と、前記携帯機の位置を検出する携帯機位置検出部と、を有し、
前記第1作動判定手段は、前記携帯機位置検出部によって検出された前記携帯機の位置が所定領域内にあると共に、前記携帯機認証部による前記携帯機の認証が完了したとき、前記使用者認証手段の作動の完了を判定する
ことを特徴とする車両開閉体の制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載された車両開閉体の制御装置において、
前記第1作動判定手段が前記使用者認証手段の作動状態を判定し、前記第1告知手段が前記第1作動判定手段による作動状態の判定結果を告知した後、
前記携帯機位置検出部によって検出された前記携帯機の位置が前記所定領域から外れたとき、
前記第1告知手段は、前記携帯機の位置が前記所定領域から外れたことを告知する
ことを特徴とする車両開閉体の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の身体表現に基づいて、車両に設けられた開閉体を操作する車両開閉体の制御装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の視線や身振り手振り等の身体表現から使用者の意図を判定し、選択された車両の開閉体を操作する車両開閉体の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この車両開閉体の制御装置では、使用者の身体表現を認定し、操作対象の開閉体を決定したら、開閉体が操作されることを使用者に事前に告知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-2095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の車両開閉体の制御装置では、操作対象の開閉体を決定するまでの間に、何らかの問題(例えば、身体表現が検出できていない、装置自体に不具合があって作動しない等)が生じたことで操作対象の開閉体が決定されないと、操作告知がなされないまま通常のスマートエントリーシステムに移行する。
このとき、使用者にとっては、身体表現を行ったにも拘らず開閉体の操作告知がなされず、開閉体操作が行われないということになってしまう。そのため、いたずらに身体表現を繰り返したり、車両に対する位置を変えたりしてしまうことがあった。つまり、使用者は開閉体の操作告知がなされないときの理由を把握することができず、困惑する可能性があった。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、開閉体の操作を行うまでの間の作動プロセスを使用者に把握させ、使用者の困惑を防止することができる車両開閉体の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の車両開閉体の制御装置は、使用者の身体表現に基づいて、車両に設けられた開閉体を操作するものであり、使用者認証手段と、身体表現検出手段と、作動判定手段と、告知手段と、を備えている。
前記使用者認証手段は、検出すべき身体表現を行う使用者を認証する。
前記身体表現検出手段は、前記使用者の身体表現を検出する。
前記作動判定手段は、前記使用者認証手段又は前記身体表現検出手段のうち少なくとも一方の作動状態を判定する。
前記告知手段は、前記作動判定手段による前記作動状態の判定結果を告知する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の車両開閉体の制御装置では、作動判定手段によって使用者認証手段又は身体表現検出手段のうち少なくとも一方の作動状態が判定され、告知手段によってこの作動状態の判定結果が告知される。
そのため、使用者は使用者認証手段又は身体表現検出手段のうち、少なくとも一方の作動状態を把握することができる。つまり、使用者は開閉体の操作を行うまでの間の作動プロセスの状態を把握することができる。そして、仮に開閉体の操作が行われない場合であっても、使用者は開閉体の操作を行うまでの間の作動プロセスの状態を把握しているので、何をすべきかを理解することができ、いたずらに身体表現を繰り返す等困惑することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1の車両開閉体の制御装置のブロック構成図である。
図2】実施例1の車両開閉体の制御装置を採用した自動車を示す外観斜視図である。
図3】実施例1の車両開閉体の制御装置におけるキー認証可能エリアと、身体表現認識エリアを示す説明図である。
図4】実施例1の車両開閉体の制御装置における告知例を示す説明図である。
図5】実施例1の車両開閉体の制御装置にて実行されるドア操作制御処理の流れを示すフローチャートである。
図6】実施例1の車両開閉体の制御装置にて実行される第1段階告知処理の流れを示すフローチャートである。
図7】実施例1の車両開閉体の制御装置にて実行される第2段階告知処理の流れを示すフローチャートである。
図8】比較例の車両開閉体の制御装置において、身体表現が認識できなかったときの使用者の行動・認識とドア操作制御のタイミングを示す説明図である。
図9】実施例1の車両開閉体の制御装置において、身体表現が認識できなかったときの使用者の行動・認識とドア操作制御のタイミングを示す説明図である。
図10】実施例2の車両開閉体の制御装置にて実行される第1段階告知処理の流れを示すフローチャートである。
図11】実施例3の車両開閉体の制御装置にて実行される第2段階告知処理の流れを示すフローチャートである。
図12】実施例4の車両開閉体の制御装置にて実行される第2段階告知処理の流れを示すフローチャートである。
図13】実施例5の車両開閉体の制御装置にて実行される第2段階告知処理の流れを示すフローチャートである。
図14】実施例6の車両開閉体の制御装置にて実行される第1段階告知処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の車両開閉体の制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1から実施例6に基づいて説明する。
【0010】
(実施例1)
実施例1の車両開閉体の制御装置の構成を、「開閉体制御装置の構成」、「ドア操作制御処理の構成」、「第1段階告知処置の構成」、「第2段階告知処理の構成」に分けて説明する。
【0011】
[開閉体制御装置の構成]
図1は、実施例1の車両開閉体の制御装置のブロック構成図である。図2は、実施例1の車両開閉体の制御装置を採用した自動車を示す外観斜視図である。図3は、実施例1の車両開閉体の制御装置におけるキー認証可能エリアと、身体表現認識エリアを示す説明図である。図4は、実施例1の車両開閉体の制御装置における告知例を示す説明図である。以下、図1図4に基づき、開閉体制御装置の構成を説明する。
【0012】
実施例1の車両開閉体の制御装置10は、電子キー(携帯機)11を携帯する使用者(操作者)Sの身体表現に基づいて、自動車(車両)Cに設けられたバックドア(開閉体)Bのアンロック操作及び開放操作を行う。前記車両開閉体の制御装置10は、図1に示すように、電子キー認証・位置検出装置12と、ジェスチャー検知デバイス13と、障害物感知センサ14と、コントローラ15と、バックドア駆動装置16と、告知デバイス17と、を備えている。
【0013】
前記電子キー認証・位置検出装置12は、自動車CのバックドアB内に設けられ、自動車Cの駐車状態においては、電源ONに設定される。そして、図3において斜線で示すキー認証可能エリアX内に存在する電子キー11と複数回の無線通信を行うことで、使用者Sが携帯した電子キー11を認証する。
さらに、この電子キー認証・位置検出装置12は、電子キー11を認証する際の複数回の無線通信で得られた電波強度及び指向性の情報に基づき、キー認証可能エリアX内における電子キー11の位置を検出する。
ここでは、使用者Sが携帯した電子キー11を認証すると共に、この電子キー11がキー認証可能エリアX内の身体表現認証エリアY内にあるとき、使用者Sが「検出すべき身体表現を行う使用者」であると認証する。これにより、この電子キー認証・位置検出装置12は、携帯機認証部及び携帯機位置検出部を有し、検出すべき身体表現を行う使用者Sを認証する使用者認証手段に相当することとなる。
そして、この電子キー認証・位置検出装置12によって得られたキー認証情報及びキー位置情報は、コントローラ15に入力される。
【0014】
前記ジェスチャー検知デバイス13は、自動車CのバックドアBの上部に設けられたCCDカメラからなり、使用者Sの身体表現を撮影して画像情報を得る。つまり、このジェスチャー検知デバイス13は、使用者Sの身体表現を検出する身体表現検出手段に相当する。このジェスチャー検知デバイス13によって得られた画像情報は、コントローラ15に入力される。なお、「身体表現」とは、使用者Sの身体を用いた意思表示であり、ここでは右手を大きく上下動させることとする。
【0015】
前記障害物感知センサ14は、自動車CのバックドアBに設けられ、バックドアBの作動領域内の障害物を感知する。この障害物感知センサ14によって得られた障害物情報は、コントローラ15に入力される。なお、この「障害物情報」は、障害物があったとする障害物あり情報と、障害物がなかったとする障害物なし情報と、を含む。
【0016】
前記コントローラ15は、電子キー認証・位置検出装置12からのキー認証情報及びキー位置情報と、ジェスチャー検知デバイス13からの画像情報と、障害物感知センサ14からの障害物情報と、に基づいて、使用者Sの意図を演算し、バックドア駆動装置16にドア操作信号を出力すると共に、告知デバイス17に告知信号を出力する。
前記コントローラ15は、自動車Cの駐車状態においては、電源OFFに設定されている。
そして、電子キー認証・位置検出装置12からキー認証情報が入力されると、電源ONに設定される。このコントローラ15は、ジェスチャー認定部15aと、操作制御部15bと、告知制御部15cと、を有している。
【0017】
前記ジェスチャー認定部15aは、入力されたキー認証情報及びキー位置情報から、認証済みの電子キー11が予め設定された身体表現認識エリアY内に存在するか否かを判断する。そして、認証済みの電子キー11が予め設定された身体表現認識エリアY内に存在すると判断されたら、使用者Sの撮影を指示する表現検出信号を、ジェスチャー検知デバイス13に出力する。なお、「電子キー11が身体表現認識エリアY内に存在する」ということは、使用者Sが、身体表現を検出可能なエリアに存在するということを意味する。
そして、前記ジェスチャー検知デバイス13は、表現検出信号が入力することで駆動する。前記ジェスチャー認定部15aは、ジェスチャー検知デバイス13から入力された画像情報と、予め記憶(登録)した判定身体表現とを比較する。そして、この比較結果に応じて、使用者Sの身体表現を認定するか否かを判断する。つまり、このジェスチャー認定部15aは、ジェスチャー検知デバイス13により検出された身体表現を認定する表現認定手段に相当する。
このジェスチャー認定部15aは、判定身体表現と画像情報との比較処理が終了したら(比較結果が出力されたら)比較終了信号を出力する。さらに、使用者Sの身体表現を認定すると判断したら認定信号を出力し、使用者Sの身体表現を認定しないと判断したら非認定信号を出力する。
このジェスチャー認定部15aからの表現検出信号、比較終了信号、非認定信号は、告知制御部15cに入力される。また、認定信号は、操作制御部15b及び告知制御部15cに入力される。
【0018】
前記操作制御部15bは、ジェスチャー認定部15aから認定信号が入力されたら、障害物感知センサ14に障害物の検出を指示する障害物検出信号を出力する。そして、障害物検出信号の入力によって駆動した障害物感知センサ14から、障害物がなかったとする障害物なし情報が入力されたら、ドア操作信号を出力する。この操作制御部15bからのドア操作信号は、告知制御部15c及びバックドア駆動装置16に入力される。
【0019】
前記告知制御部15cは、電子キー認証・位置検出装置12からキー認証情報及びキー位置情報が入力されたら、告知Aを出力させる告知信号を出力する。また、ジェスチャー認定部15aから表現検出信号が入力されたら、告知Bを出力させる告知信号を出力し、ジェスチャー認定部15aから比較終了信号認定信号が入力されたら、告知Bの出力を停止させる告知信号を出力する。つまり、この告知制御部15cは、電子キー認証・位置検出装置12又はジェスチャー検知デバイス13のうち、少なくとも一方の作動状態を判定する作動判定手段に相当する。
【0020】
さらに、この告知制御部15cは、ジェスチャー認定部15aから非認定信号が入力されたら、告知Cを出力させる告知信号を出力する。また、操作制御部15bからドア操作信号が入力されたら、告知Dを出力させる告知信号を出力する。さらに、障害物感知センサ14から障害物があったとする障害物あり情報が入力されたら、告知Eを出力される告知信号を出力する。なお、各種の告知信号は、全て告知デバイス17に入力される。
【0021】
前記バックドア駆動装置16は、操作制御部15bからドア操作信号が入力されたら、バックドアBに設けられた図示しないロック装置をアンロック操作すると共に、開放操作する。これにより、バックドアBがアンロック操作及び開放操作される。つまり、このバックドア駆動装置16は、ジェスチャー認定部15aにより認定された身体表現に応じて、バックドアBを操作する操作手段に相当する。
【0022】
前記告知デバイス17は、自動車Cに設けられ、告知制御部15cから入力された告知信号に応じて、各種の告知(告知A〜告知E)を出力する。つまり、この告知デバイス17は、告知制御部15cによる作動状態の判定結果を告知する告知手段に相当する。ここでは、告知デバイス17を、ハザードランプHと、リヤコンビネーションランプ近傍に設けた車外ブザーZとする(図2参照)。
【0023】
なお、この告知デバイス17において、告知Aを出力するには、ハザードランプを2回点滅させる(図4(a)参照)。また、告知Bを出力するには、ハザードランプを告知Aと異なる色で点滅させ続ける(図4(b)参照)。また、告知Cを出力するには、車外ブザーから低音の短音を2回発生させる(図4(c)参照)。また、告知Dを出力するには、ハザードランプを2回点滅させると共に、車外ブザーから高温の短音をランプの点滅に合わせて2回発生させる(図4(d)参照)。また、告知Eを出力するには、車外ブザーから低音の長音を2回発生させる(図4(e)参照)。
【0024】
[ドア操作制御処理の構成]
図5は、実施例1の車両開閉体の制御装置にて実行されるドア操作制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、ドア操作制御処理内容を示す図5のフローチャートの各ステップについて説明する。
【0025】
ステップS1では、駐車状態の自動車Cに電子キー11を携帯した使用者Sが接近することを検出し、ステップS2へ移行する。ここで、使用者Sの接近は、認定済みの電子キー11がキー認証可能エリアX内に入ったか否かにより検出する。電子キー11がキー認証可能エリアXに入れば、使用者Sが接近したとする。
【0026】
ステップS2では、ステップS1での使用者Sの接近に続き、使用者Sが身体表現を実行し、ステップS3へ移行する。
【0027】
ステップS3では、ステップS2での身体表現の実行に続き、バックドアBのアンロック操作及び開放操作が可能であるか否かを判断する。YES(操作可能)の場合はステップS4へ移行し、NO(操作不可能)の場合はステップS5へ移行する。
ここで、ドア操作の可否判断は、電子キー11が認定されたこと、使用者Sの身体表現が認定されたこと、バックドアBの作動領域内に障害物が存在しないこと、の全ての条件を満足するか否かにより行う。上記全ての条件を満足していれば操作可能と判断し、何れかの条件を満足していなければ操作不可能と判断する。
【0028】
ステップS4では、ステップS3でのバックドアBの操作可能との判断に続き、バックドア駆動装置16によってバックドアBのアンロック操作及び開放操作を実行し、エンドへ移行する。
【0029】
ステップS5では、ステップS3でのバックドアBの操作不可能との判断に続き、使用者Sの身体表現が認定できないためにドア操作不可の場合には、バックドアBの操作システムを従来型のスマートエントリーシステムに切り替える。また、バックドアBの作動領域内に障害物が存在するためにドア操作不可の場合には、バックドアBの操作システムを手動によるドア操作に切り替え、エンドへ移行する。
ここで、「従来型のスマートエントリーシステム」とは、認証済みの電子キー11を携帯した使用者Sが、バックドアBに設けたボタンを押すことでドア操作を行うシステムである。
【0030】
[第1段階告知処理の構成]
図6は、実施例1の車両開閉体の制御装置にて実行される第1段階告知処理の流れを示すフローチャートである。この第1段階告知処理は、図5に示すドア操作処理におけるステップS1の段階で実行される告知処理である。以下、第1段階告知処理を示す図6のフローチャートの各ステップについて説明する。
【0031】
ステップS11では、自動車Cが駐車状態であるか否かを判断する。YES(駐車状態)の場合にはステップS12へ移行する。NO(非駐車状態)の場合にはステップS11を繰り返す。
ここで、駐車状態であるとの判断は、電子キー認証・位置検出装置12が電源ONであり、且つ、コントローラ15が電源OFFに設定されていることで行う。
【0032】
ステップS12では、ステップS11での駐車状態との判断に続き、電子キー11がキー認証可能エリアX内に存在するか否かを判断する。YES(存在する)の場合にはステップS13へ移行する。NO(存在しない)の場合にはステップS12を繰り返す。
ここで、電子キー11がキー認証可能エリアX内に存在するとの判断は、電子キー認証・位置検出装置12と電子キー11の間で無線通信が可能であることで行う。
【0033】
ステップS13では、ステップS12でのキー認証可能エリアX内との判断に続き、電子キー11の認証が行われたか否かを判断する。YES(認証可)の場合にはステップS14へ移行する。NO(認証不可)の場合にはステップS12へ戻る。
ここで、電子キー11の認証との判断は、電子キー認証・位置検出装置12と電子キー11の間で複数回の無線通信が成立したことで行う。
【0034】
ステップS14では、ステップS13でのキー認証可との判断に続き、コントローラ15を電源ONに設定し、ステップS15へ移行する。
【0035】
ステップS15では、ステップS14でのコントローラ電源ONに続き、電子キー11が身体表現認識エリアY内に存在するか否かを判断する。YES(存在する)の場合にはステップS16へ移行する。NO(存在しない)の場合にはステップS12へ戻る。
ここで、電子キー11が身体表現認識エリアY内に存在するとの判断は、電子キー認証・位置検出装置12と電子キー11の間で行った無線通信で得られた電波強度及び指向性の情報に基づいて行う。
【0036】
ステップS16では、ステップS15での身体表現認識エリアY内との判断に続き、検出すべき身体表現を行う使用者Sの認証が完了したとして、告知デバイス17によって使用者Sに対して告知Aの告知を実行し、エンドへ移行する。
ここで、告知Aの実行は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知Aを出力させる告知信号が出力され、ハザードランプが2回点滅することで行われる。
【0037】
[第2段階告知処理の構成]
図7は、実施例1の車両開閉体の制御装置にて実行される第2段階告知処理の流れを示すフローチャートである。この第2段階告知処理は、図5に示すドア操作処理におけるステップS2からステップS4の間で実行される告知処理である。以下、第2段階告知処理を示す図7のフローチャートの各ステップについて説明する。
【0038】
ステップS21では、告知デバイス17による告知Aの実行が行われたか否かを判断する。YES(告知A実行)の場合はステップS22へ移行する。NO(告知A不実行)の場合はステップS21を繰り返す。
【0039】
ステップS22では、ステップS21での告知A実行との判断に続き、ジェスチャー認定部15aから、ジェスチャー検知デバイス13に使用者Sの撮影を指示、つまり使用者Sによる身体表現の検出を実行させる表現検出信号を出力し、ステップS23へ移行する。これにより、ジェスチャー検知デバイス13は使用者Sの撮影を行なって、画像情報を得る。
【0040】
ステップS23では、ステップS22での撮影指示の出力に続き、告知デバイス17によって使用者Sに対して告知Bの告知実行を開始し、ステップS24へ移行する。
ここで、告知Bの実行は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知Bを出力させる告知信号が出力され、ハザードランプが告知Aと異なる色で点滅し続けることで行われる。
【0041】
ステップS24では、ステップS23での告知Bの実行開始に続き、ジェスチャー検知デバイス13によって得られた画像情報をジェスチャー認定部15aに入力し、ステップS25へ移行する。
【0042】
ステップS25では、ステップS24での画像情報の入力に続き、ジェスチャー認定部15aに予め記憶(登録)された判定身体表現と、入力された画像情報とを比較し、ステップS26へ移行する。
【0043】
ステップS26では、ステップS25での身体表現の比較の実行に続き、この判定身体表現と画像情報との比較が終了したか否か、つまり比較結果が出力されたか否かを判断する。YES(比較終了)の場合にはステップS27へ移行する。NO(比較未終了)の場合にはステップS25へ戻る。
【0044】
ステップS27では、ステップS26での比較終了との判断に続き、使用者Sの身体表現の検出が完了したとして、告知デバイス17による告知Bの告知を停止し、ステップS28へ移行する。
ここで、告知Bの停止は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知Bを停止させる告知信号が出力され、ハザードランプの点滅が停止(消灯)することで行われる。
【0045】
ステップS28では、ステップS27での告知Bの停止に続き、使用者Sの身体表現が認定できるか否かを判断する。YES(身体表現認定可)の場合にはステップS29へ移行する。NO(身体表現認定不可)の場合にはステップS32へ移行する。
ここで、身体表現の認定の可否判断は、ステップS25で行われた判定身体表現と画像情報との比較結果において、画像情報が判定身体表現に一致すれば認定可能とし、不一致であれば認定不可と判断する。
【0046】
ステップS29では、ステップS28での身体表現認定との判断に続き、操作制御部15bから、障害物感知センサ14に障害物検出を指示する障害物検出信号を出力し、ステップS30へ移行する。これにより、障害物感知センサ14はバックドアBの作動領域内にある障害物の感知を行い、障害物情報を得る。
【0047】
ステップS30では、ステップS29での障害物検出指示の出力に続き、障害物感知センサ14によって得られた障害物情報に基づいて、バックドアBの作動領域に障害物が存在しないか否かを判断する。YES(存在しない)の場合にはステップS31へ移行する。NO(存在する)の場合にはステップS33へ移行する。
【0048】
ステップS31では、ステップS30での障害物なしとの判断に続き、バックドアBの操作が可能とし、告知デバイス17によって使用者Sに対して告知Dの告知を実行し、エンドへ移行する。
ここで、告知Dの実行は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知Dを出力させる告知信号が出力され、ハザードランプが2回点滅すると共に、車外ブザーから高温の短音がランプの点滅に合わせて2回発生することで行われる。
【0049】
ステップS32では、ステップS28での身体表現認定不可との判断に続き、使用者Sの身体表現が認定できないためにバックドアBの操作が不可能として、告知デバイス17によって使用者Sに対して告知Cの告知を実行し、エンドへ移行する。
ここで、告知Cの実行は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知Cを出力させる告知信号が出力され、車外ブザーから低音の短音が2回発生することで行われる。
【0050】
ステップS33では、ステップS30での障害物ありとの判断に続き、バックドアBを開放操作すれば障害物と干渉してしまうためにバックドアBの操作が不可能として、告知デバイス17によって使用者Sに対して告知Eの告知を実行し、エンドへ移行する。
ここで、告知Eの実行は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知Eを出力させる告知信号が出力され、車外ブザーから低音の長音が2回発生することで行われる。
【0051】
次に、作用を説明する。
まず、比較例の車両開閉体の制御装置における使用者の行動・認識とドア操作制御について説明し、続いて、実施例1の車両開閉体の制御装置における告知作用について説明する。
【0052】
[比較例の車両開閉体の制御装置における使用者の行動・認識とドア操作制御]
図8は、比較例の車両開閉体の制御装置において、身体表現が認識できなかったときの使用者の行動・認識とドア操作制御のタイミングを示す説明図である。
【0053】
比較例の車両開閉体制御装置では、電子キー11を携帯した使用者Sが行った身体表現を検出し、検出した身体表現が認定できたらドア操作の準備完了を告知し、ドア操作を実行する。また、この比較例の車両開閉体制御装置では、電子キー11を携帯した使用者Sが行った身体表現を検出し、検出した身体表現が認定できなかったら、ドア操作システムを、従来型のスマートエントリーシステムに切り替える。
以下、使用者Sが行った身体表現が認定できず、ドア操作システムを従来型のスマートエントリーシステムに切り替えた場合の使用者の行動・認識とドア操作制御のタイミングについて説明する。
【0054】
図8に示す時刻t1において、使用者Sは、電子キー11を携帯した状態で自動車Cに接近する。このとき、電子キー11がキー認証可能エリアXに入っているか認識できないため、位置を推測しながら接近する。
【0055】
時刻t2において、比較例の車両開閉体の制御装置は、電子キー11を検知・認証すると共に、電子キー11が身体表現認識エリアYに入っているか判断する。
【0056】
時刻t3において、使用者Sは、電子キー11が認証されると共に身体表現認識エリアYに入っていることを推測し、身体表現を実行する。
【0057】
時刻t4において、比較例の車両開閉体の制御装置は、使用者Sが行っている身体表現を検出する。
【0058】
時刻t5において、比較例の車両開閉体の制御装置は、予め記憶(登録)された判定身体表現と画像情報を比較し、その比較結果を出力する。
【0059】
時刻t6において、比較例の車両開閉体の制御装置は、身体表現が間違っていた・中断された等の理由で身体表現を認定することができず、ドア操作不可能と判断する。このとき、使用者Sは、自分の行った身体表現が比較されているか否か、認定されたか否か、等を認識することができない。このため、身体表現の実行をいたずらに継続するか、中断してしまうこともある。
【0060】
時刻t7では、比較例の車両開閉体の制御装置は、ドア操作不可能と判断されたことから、ドア操作システムを従来型のスマートエントリーシステムに切り替える。このとき、使用者Sは、ドア操作システムが従来型のスマートエントリーシステムに切り替えられたことを認識できず、ドア操作が実行されることをいたずらに待ってしまうことがある。さらに、使用者Sは、ドア操作の準備完了が告知されないために、使用者Sはドア操作準備が完了しない理由が分からず、身体表現を再度繰り返し実行したり、自動車Cに対する位置を移動したりして、困惑してしまうおそれがあった。
【0061】
なお、図8では、比較例の車両開閉体の制御装置における電子キー11の検知・認証は行われているが、そもそも電子キー11の検知・認証が行われない場合もある。このときにも、使用者Sは、電子キー11が検知・認証されていないことを認識できないため、無駄に身体表現を実行してしまうことがある。
【0062】
さらに、電子キー11が検知・認証されても、電子キー11が身体表現認識エリアYに入っていなければ、身体表現を検出することはできない。しかしこのときにも、使用者Sは、電子キー11が身体表現認識エリアYに入っていないことを認識できないため、無駄に身体表現を実行してしまうことがある。
【0063】
[告知作用]
図9は、実施例1の車両開閉体の制御装置において、身体表現が認識できなかったときの使用者の行動・認識とドア操作制御のタイミングを示す説明図である。
【0064】
実施例1の車両開閉体の制御装置10では、ドア操作制御処理を実行する間、第1段階告知処理及び第2段階告知処理を実行する。以下、その告知作用について説明する。
【0065】
図9に示す時刻t10において、使用者Sは、電子キー11を携帯した状態で自動車Cに接近する。
【0066】
時刻t11において、車両開閉体の制御装置10は、電子キー11を検知・認証すると共に、電子キー11が身体表現認識エリアYに入っているか判断する。
【0067】
時刻t12において、車両開閉体の制御装置10は、電子キー11の検知・認証・位置検出が行えたことから、第1段階告知処理における告知Aを実行する。これにより、使用者Sは、車両開閉体の制御装置10によって電子キー11が認証されたこと、及び、自身が携帯する電子キー11が所定エリア(身体表現認識エリアY)内に存在することを認識できる。
【0068】
時刻t13において、使用者Sは、電子キー11の認証と所定エリア(身体表現認識エリアY)内に存在していることを認識したことで、身体表現が認定可能であると認識した上で、身体表現を実行する。
【0069】
時刻t14において、車両開閉体の制御装置10は、使用者Sが行っている身体表現を検出する。
【0070】
時刻t15において、車両開閉体の制御装置10は、身体表現の検出を行ったことから、第2段階告知処理における告知Bの実行を開始する。これにより、使用者Sは、自分が行っている身体表現の検出が開始されたことを認識でき、不用意に身体表現を中断することがなくなる。
【0071】
時刻t16において、車両開閉体の制御装置10は、予め記憶(登録)された判定身体表現と画像情報を比較し、その比較結果を出力する。
【0072】
時刻t17において、車両開閉体の制御装置10は、比較結果が出力されたことから、告知Bを停止する。これにより、使用者Sは、身体表現の検出が終了したことを認識でき、身体表現をいたずらに継続して実行することがなくなる。
【0073】
時刻t18において、車両開閉体の制御装置10は、身体表現が間違っていた等の理由で身体表現を認定することができず、ドア操作不可能と判断する。
【0074】
時刻t19において、車両開閉体の制御装置10は、ドア操作不可能と判断したことから、告知Cを実行する。これにより、使用者Sは、自身が行った身体表現が認定されず、ドア操作が行われないことを認識することができる。そのため、身体表現を再度繰り返し実行したり、自動車Cに対する位置を移動したりすることがなく、ドア操作が行われないことに対して困惑することが防止できる。
【0075】
時刻t20において、車両開閉体の制御装置10は、ドア操作不可能と判断されたことから、ドア操作システムを従来型のスマートエントリーシステムに切り替える。このとき、使用者Sは、ドア操作が行われないことを認識したことで、ドア操作システムが切り替えられたことを認識でき、ドア操作が実行されることをいたずらに待ってしまうことがなくなる。
【0076】
このように、実施例1の車両開閉体の制御装置10では、身体表現の認定を行う前に、電子キー11の認証が行われたことや、身体表現の検出が行われたことを判断し、実行されていれば告知Aや告知Bの告知を実行する。そのため、使用者Sは、車両開閉体の制御装置10における開閉体の操作を行うまでの間の作動プロセスの状態を認識(把握)することができる。これにより、図9に示すように、バックドアBの操作が行われない場合であっても、使用者Sは何をすべきかを理解することができ、いたずらに身体表現を繰り返す等困惑することを防止できる。つまり、バックドアBの操作を無駄なことを行うことなく思い通りに実行することができる。
【0077】
特に、実施例1の車両開閉体の制御装置10では、使用者Sの認証が行われたこと、及び、身体表現の検出処理が行われたことに応じて異なる告知(告知A,告知B)を実行する。そのため、使用者Sに対し、適切なタイミングで内容(理由)を理解できる告知を行うことができ、使用者Sの困惑をさらに生じにくくすることができる。
【0078】
そして、告知Aは、電子キー11の認証が完了し、且つ、電子キー11が身体表現認識エリアYに存在するタイミングで告知される。このため、使用者Sは、電子キー11が確実に認証されたことを認識することができ、自動車Cに対して移動する必要ないことを認識した上で、安心して身体表現を行うことができる。
【0079】
また、告知Bは、身体表現の検出を開始してから身体表現の比較が終了するまでの間、つまり、身体表現の検出処理の開始から完了までの間、告知され続ける。このため、使用者Sは、自身が行っている身体表現が確実に検出されていることを認識でき、不用意に中断したり、いたずらに継続することなく、的確な身体表現を行うことができる。
【0080】
次に、効果を説明する。
実施例1の車両開閉体の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0081】
(1) 使用者Sの身体表現に基づいて、車両(自動車)Cに設けられた開閉体(バックドア)Bを操作する車両開閉体の制御装置10において、
検出すべき身体表現を行う使用者Sを認証する使用者認証手段(電子キー認証・位置検出装置)12と、
前記使用者Sの身体表現を検出する身体表現検出手段(ジェスチャー検知デバイス)13と、
前記使用者認証手段12又は前記身体表現検出手段13のうち、少なくとも一方の作動状態を判定する作動判定手段(告知制御部)15cと、
前記作動判定手段15cによる作動状態の判定結果を告知する告知手段(告知デバイス)17と、
を備えた構成とした。
これにより、使用者Sは、車両開閉体の制御装置10におけるバックドアBの操作を行うまでの間の作動プロセスを認識(把握)することができ、バックドアBの操作が行われない場合であっても、使用者Sが何をすべきかを理解することができて、困惑することを防止できる。
【0082】
(2) 前記作動判定手段(告知制御部)15cが、前記身体表現検出手段(ジェスチャー検知デバイス)13の作動の開始及び作動の完了を判定したとき、
前記告知手段(告知デバイス)17は、前記作動判定手段15cによる作動開始判定から作動完了判定までの間、告知し続ける構成とした。
これにより、使用者Sが、自身の行う身体表現が確実に検出されていることを認識でき、身体表現を不用意に中断したり、いたずらに継続することなく、的確に行うことができる。
【0083】
(3) 前記使用者認証手段は、前記使用者Sが携帯した携帯機(電子キー)11の認証を行う携帯機認証部(電子キー認証・位置検出装置)12と、前記携帯機11の位置を検出する携帯機位置検出部(電子キー認証・位置検出装置)12と、を有し、
前記作動判定手段(告知制御部)15cは、前記携帯機位置検出部12によって検出された前記携帯機11の位置が所定領域(身体表現認識エリアY)内にあると共に、前記携帯機認証手段12による前記携帯機11の認証作動が完了したとき、前記使用者認証手段の作動の完了を判定する構成とした。
これにより、使用者Sは、電子キー11が確実に認証されたことを認識することができ、自動車Cに対して移動する必要がないことを理解した上で、安心して身体表現を行うことができる。
【0084】
(実施例2)
実施例2は、告知Aの告知が行われた後で、電子キー11の位置が所定領域(身体表現認識エリアY)から外れたことを告知する例である。
【0085】
図10は、実施例2の車両開閉体の制御装置にて実行される第1段階告知処理の流れを示すフローチャートである。以下、実施例2の車両開閉体の制御装置における第1告知制御処理について説明する。なお、他の構成及び第2告知制御処理については、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0086】
ステップS111では、自動車Cが駐車状態であるか否かを判断する。YES(駐車状態)の場合にはステップS112へ移行する。NO(非駐車状態)の場合にはステップS111を繰り返す。
【0087】
ステップS112では、ステップS111での駐車状態との判断に続き、電子キー11がキー認証可能エリアX内に存在するか否かを判断する。YES(存在する)の場合にはステップS113へ移行する。NO(存在しない)の場合にはステップS112を繰り返す。
【0088】
ステップS113では、ステップS112でのキー認証可能エリアX内との判断に続き、電子キー11の認証が行われたか否かを判断する。YES(認証可)の場合にはステップS114へ移行する。NO(認証不可)の場合にはステップS112へ戻る。
【0089】
ステップS114では、ステップS113でのキー認証可との判断に続き、コントローラ15を電源ONに設定し、ステップS115へ移行する。
【0090】
ステップS115では、ステップS114でのコントローラ電源ONに続き、電子キー11が身体表現認識エリアY内に存在するか否かを判断する。YES(存在する)の場合にはステップS116へ移行する。NO(存在しない)の場合にはステップS112へ戻る。
【0091】
ステップS116では、ステップS115での身体表現認識エリアY内との判断に続き、使用者Sの認証が完了したとして、告知デバイス17によって使用者Sに対して告知Aの告知を実行し、ステップS117へ移行する。
ここで、告知Aの実行は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知Aを出力させる告知信号が出力され、ハザードランプが2回点滅することで行われる。
【0092】
ステップS117では、ステップS116での告知Aの実行に続き、電子キー11が身体表現認識エリアY内に存在するか否かを再び判断する。YES(存在する)の場合にはステップS118へ移行する。NO(存在しない)の場合にはステップS119へ移行する。
ここで、電子キー11が身体表現認識エリアY内に存在するとの判断は、電子キー認証・位置検出装置12と電子キー11の間で再度無線通信を行い、そこで得られた電波強度及び指向性の情報に基づいて行う。
【0093】
ステップS118では、ステップS117での身体表現認識エリアY内との判断に続き、図5に示すドア操作制御処理が終了したか否かを判断する。YES(ドア操作終了)の場合はエンドへ移行する。NO(ドア操作未終了)の場合はステップS117へ戻る。
【0094】
ステップS119では、ステップS117での身体表現認識エリアY外との判断に続き、電子キー11が身体表現認識エリアYから外れてしまい、ジェスチャー検知デバイス13によって身体表現を検出することができないとして、告知デバイス17によって使用者Sに対して告知Fの告知を実行し、ステップS115へ戻る。
ここで、「告知F」は、電子キー認証・位置検出装置12によって電子キー11の認証が実行された後、電子キー11が身体表現認識エリアYから外れたことを、使用者Sに知らせる告知である。この告知Fの実行は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知Fを出力させる告知信号が出力される。なお、告知Fを出力するには、例えば車外ブザーから低音の短音を3回発生させる。
【0095】
このように、ドア操作制御処理が終了するまでに告知Fが実行されれば、使用者Sは電子キー11の位置が所定領域(身体表現認識エリアY)から外れたことを認識することができる。これにより、使用者Sは何をすべきかを的確に把握することが可能となり、電子キー11の位置、つまり自身が所定領域(身体表現認識エリアY)内に入るように速やかに移動することができる。そして、身体表現認識エリアY外で身体表現を繰り返すような無駄な動作を行ってしまうことが防止できる。
【0096】
実施例2の車両開閉体の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0097】
(4) 前記作動判定手段(告知制御部)15cが前記使用者認証手段(電子キー認証・位置検出装置)12の作動状態を判定し、前記告知手段(告知デバイス)17が前記作動判定手段15cによる作動状態の判定結果を告知した後、
前記携帯機位置検出部(電子キー認証・位置検出手段)12によって検出された前記携帯機(電子キー)11の位置が前記所定領域(身体表現認識エリアY)から外れたとき、
前記告知手段17は、前記携帯機11の位置が前記所定領域(身体表現認識エリアY)から外れたことを告知する構成とした。
これにより、使用者Sは電子キー11の位置が所定領域(身体表現認識エリアY)から外れたことを認識することができ、適切な位置に速やかに移動して、身体表現認識エリアY外で無駄に身体表現を繰り返すようなことが防止できる。
【0098】
(実施例3)
実施例3は、身体表現の検出処理中に、この検出処理が中断されたことを告知する例である。
【0099】
図11は、実施例3の車両開閉体の制御装置にて実行される第2段階告知処理の流れを示すフローチャートである。以下、実施例3の車両開閉体の制御装置における第2告知制御処理について説明する。なお、他の構成及び第1告知制御処理については、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0100】
ステップS221では、告知デバイス17による告知Aの実行が行われたか否かを判断する。YES(告知A実行)の場合はステップS222へ移行する。NO(告知A不実行)の場合はステップS221を繰り返す。
【0101】
ステップS222では、ステップS221での告知A実行との判断に続き、ジェスチャー認定部15aから、ジェスチャー検知デバイス13に使用者Sの撮影を指示、つまり使用者Sによる身体表現の検出を実行させる表現検出信号を出力し、ステップS223へ移行する。
これにより、ジェスチャー検知デバイス13は使用者Sの撮影を行い、画像情報を得る。
【0102】
ステップS223では、ステップS222での撮影指示の出力に続き、告知デバイス17によって使用者Sに対して告知Bの告知実行を開始し、ステップS224へ移行する。
ここで、告知Bの実行は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知Bを出力させる告知信号が出力され、ハザードランプが告知Aと異なる色で点滅し続けることで行われる。
【0103】
ステップS224では、ステップS223での告知Bの実行開始に続き、ジェスチャー検知デバイス13によって得られた画像情報をジェスチャー認定部15aに入力し、ステップS225へ移行する。
【0104】
ステップS225では、ステップS224での画像情報の入力に続き、ジェスチャー認定部15aに予め記憶(登録)された判定身体表現と、入力された画像情報とを比較し、ステップS226へ移行する。
【0105】
ステップS226では、ステップS225での身体表現の比較の実行に続き、この判定身体表現と画像情報との比較が終了したか否か、つまり比較結果が出力されたか否かを判断する。YES(比較終了)の場合にはステップS227へ移行する。NO(比較未終了)の場合にはステップS234へ移行する。
【0106】
ステップS227からステップS233での各ステップは、図7に示すステップS27からステップS33の各ステップと同様の内容であるので、ここでは説明を省略する。
【0107】
ステップS234では、ステップS226での比較未終了との判断に続き、身体表現の比較が中断したか否かを判断する。YES(比較中断)の場合にはステップS235へ移行する。NO(比較継続)の場合にはステップS225へ戻る。
ここで、「身体表現の比較が中断する」とは、身体表現の検出中に電子キー11の位置が身体表現認識エリアY外に外れたときや、ジェスチャー検知デバイス13の不具合によって使用者Sの撮影が継続できなくなった場合等がある。
【0108】
ステップS235では、ステップS234での比較中断との判断に続き、身体表現の比較を行っていないため、使用者Sによる身体表現の継続実行は不要として、告知デバイス17による告知Bの実行を停止すると共に、使用者Sに対して告知Gの告知を実行し、エンドへ移行する。
ここで、「告知G」は、ジェスチャー検知デバイス13によって身体表現の検出を開始してから、身体表現の検出が完了するまでの間に、この検出処理が中断したことを使用者Sに知らせる告知である。この告知Gの実行は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知Gを出力させる告知信号が出力される。なお、告知Gを出力するには、例えば車外ブザーから高音と低音の短音を交互に2回発生させる。
【0109】
このように、告知Bが行われている間に告知Gが実行されれば、使用者Sは、身体表現の検出処理が中断したことを認識することができる。これにより、使用者Sは何をすべきかを的確に把握することが可能となり、自身が行っている身体表現を中断し、いたずらに身体表現を継続することがなくなる。また、身体表現によるバックドアBの操作が継続できないことを認識できるので、バックドアBの操作が行われなくても困惑することを防止できる。
【0110】
実施例3の車両開閉体の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0111】
(5) 前記作動判定手段(告知制御部)15cが、前記使用者認証手段(電子キー認証・位置検出装置)12又は前記身体表現検出手段(ジェスチャー検知デバイス)13のうち、少なくとも一方の作動の開始を判定した後、この作動の中断を判定したとき、
前記告知手段(告知デバイス)17は、前記作動判定手段(告知制御部)15cによる作動中断判定を告知する構成とした。
これにより、使用者Sは身体表現の検出処理が中断したことを認識することができ、身体表現をいたずらに継続することがなくなると共に、バックドアBの操作が行われなくても困惑することを防止できる。
【0112】
(実施例4)
実施例4は、身体表現の検出処理が完了したタイミングで使用者Sに告知を行う例である。
【0113】
図12は、実施例4の車両開閉体の制御装置にて実行される第2段階告知処理の流れを示すフローチャートである。以下、実施例4の車両開閉体の制御装置における第2告知制御処理について説明する。なお、他の構成及び第1告知制御処理については、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0114】
ステップS321では、告知デバイス17による告知Aの実行が行われたか否かを判断する。YES(告知A実行)の場合はステップS322へ移行する。NO(告知A不実行)の場合はステップS321を繰り返す。
【0115】
ステップS322では、ステップS321での告知A実行との判断に続き、ジェスチャー認定部15aから、ジェスチャー検知デバイス13に使用者Sの撮影を指示、つまり使用者Sによる身体表現の検出を実行させる表現検出信号を出力し、ステップS324へ移行する。
これにより、ジェスチャー検知デバイス13は使用者Sの撮影を行い、画像情報を得る。
【0116】
ステップS324では、ステップS322での撮影指示の出力に続き、ジェスチャー検知デバイス13によって得られた画像情報をジェスチャー認定部15aに入力し、ステップS325へ移行する。
【0117】
ステップS325では、ステップS324での画像情報の入力に続き、ジェスチャー認定部15aに予め記憶(登録)された判定身体表現と、入力された画像情報とを比較し、ステップS326へ移行する。
【0118】
ステップS326では、ステップS325での身体表現の比較の実行に続き、この判定身体表現と画像情報との比較が終了したか否か、つまり比較結果が出力されたか否かを判断する。YES(比較終了)の場合にはステップS327へ移行する。NO(比較未終了)の場合にはステップS325へ戻る。
【0119】
ステップS327では、ステップS326での比較終了との判断に続き、使用者Sの身体表現の検出が完了したとして、告知デバイス17によって使用者Sに対して告知B´の告知を実行し、ステップS328へ移行する。
ここで、告知B´の実行は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知B´を出力させる告知信号が出力され、ハザードランプが告知Aと異なる色で3回点滅することで行われる。
【0120】
ステップS328からステップS333での各ステップは、図7に示すステップS28からステップS33の各ステップと同様の内容であるので、ここでは説明を省略する。
【0121】
このように、使用者Sが行った身体表現と判定身体表現との比較が完了したタイミングで使用者Sに告知が行われることで、使用者Sは、身体表現の検出処理が完了したことを認識することができる。これにより、仮にバックドアBの操作が行われない場合であっても、使用者Sは身体表現の検出処理は完了していることを認識できているため、困惑することを防止できる。また、告知B´が単発的に行われるので、告知による煩わしさを軽減することができる。
【0122】
実施例4の車両開閉体の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0123】
(6) 前記作動判定手段(告知制御部)15cが、前記使用者認証手段(電子キー認証・位置検出装置)12又は前記身体表現検出手段(ジェスチャー検知デバイス)13のうち、少なくとも一方の作動の完了を判定したとき、
前記告知手段(告知デバイス)17は、前記作動判定手段15cによる作動完了を告知する構成とした。
これにより、使用者Sは、身体表現の検出処理が完了したことを認識することができ、仮にバックドアBの操作が行われない場合であっても、困惑することを防止できると共に、告知による煩わしさを軽減することができる。
【0124】
(実施例5)
実施例5は、身体表現の検出処理を開始したタイミングと、この検出処理が完了したタイミングのそれぞれで使用者Sに告知を行う例である。
【0125】
図13は、実施例5の車両開閉体の制御装置にて実行される第2段階告知処理の流れを示すフローチャートである。以下、実施例5の車両開閉体の制御装置における第2告知制御処理について説明する。なお、他の構成及び第1告知制御処理については、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0126】
ステップS421では、告知デバイス17による告知Aの実行が行われたか否かを判断する。YES(告知A実行)の場合はステップS422へ移行する。NO(告知A不実行)の場合はステップS421を繰り返す。
【0127】
ステップS422では、ステップS421での告知A実行との判断に続き、ジェスチャー認定部15aから、ジェスチャー検知デバイス13に使用者Sの撮影を指示、つまり使用者Sによる身体表現の検出を実行させる表現検出信号を出力し、ステップS423へ移行する。
これにより、ジェスチャー検知デバイス13は使用者Sの撮影を行い、画像情報を得る。
【0128】
ステップS423では、ステップS422での撮影指示の出力に続き、告知デバイス17によって使用者Sに対して告知αの告知を実行し、ステップS424へ移行する。
ここで、告知αの実行は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知αを出力させる告知信号が出力され、ハザードランプが告知Aと異なる色で2回点滅することで行われる。
【0129】
ステップS424では、ステップS423での告知αの実行に続き、ジェスチャー検知デバイス13によって得られた画像情報をジェスチャー認定部15aに入力し、ステップS425へ移行する。
【0130】
ステップS425では、ステップS424での画像情報の入力に続き、ジェスチャー認定部15aに予め記憶(登録)された判定身体表現と、入力された画像情報とを比較し、ステップS426へ移行する。
【0131】
ステップS426では、ステップS425での身体表現の比較の実行に続き、この判定身体表現と画像情報との比較が終了したか否か、つまり比較結果が出力されたか否かを判断する。YES(比較終了)の場合にはステップS427へ移行する。NO(比較未終了)の場合にはステップS425へ戻る。
【0132】
ステップS427では、ステップS426での比較終了との判断に続き、使用者Sの身体表現の検出が完了したとして、告知デバイス17によって使用者Sに対して告知βの告知を実行し、ステップS248へ移行する。
ここで、告知βの実行は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知βを出力させる告知信号が出力され、ハザードランプが告知Aと異なる色で3回点滅することで行われる。
【0133】
ステップS428からステップS433での各ステップは、図7に示すステップS28からステップS33の各ステップと同様の内容であるので、ここでは説明を省略する。
【0134】
このように、ジェスチャー検知デバイス13による身体表現の検出を開始したタイミングと、使用者Sが行った身体表現と判定身体表現との比較が完了することで身体表現の検出が完了したタイミングのそれぞれで、使用者Sに告知(告知α、告知β)が行われる。
これにより、使用者Sは、身体表現の検出処理の開始及び完了をそれぞれ認識することができる。これにより、仮にバックドアBの操作が行われない場合であっても、使用者Sは自身の行った身体表現が適切であることを把握できているので、困惑することを防止できる。また、告知α及び告知βは、それぞれ単発的に行われるので、告知による煩わしさを軽減することができる。
【0135】
実施例5の車両開閉体の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0136】
(7) 前記作動判定手段(告知制御部)15cが、前記使用者認証手段(電子キー認証・位置検出装置)12又は前記身体表現検出手段(ジェスチャー検知デバイス)13のうち、少なくとも一方の作動の開始を判定したとき、
前記告知手段(告知デバイス)17は、前記作動判定手段15cによる作動開始判定を告知する構成とした。
これにより、使用者Sは、使用者Sは自身の行った身体表現が適切であることを把握でき、仮にバックドアBの操作が行われない場合であっても、困惑することを防止できる。
【0137】
(実施例6)
実施例6は、電子キー11の認証を開始してから、電子キー11の位置が身体表現認識エリアY内にあることを判定するまでの間、告知し続ける例である。
【0138】
図14は、実施例6の車両開閉体の制御装置にて実行される第1段階告知処理の流れを示すフローチャートである。以下、実施例6の車両開閉体の制御装置における第1告知制御処理について説明する。なお、他の構成及び第2告知制御処理については、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0139】
ステップS511では、自動車Cが駐車状態であるか否かを判断する。YES(駐車状態)の場合にはステップS512へ移行する。NO(非駐車状態)の場合にはステップS511を繰り返す。
【0140】
ステップS512では、ステップS511での駐車状態との判断に続き、電子キー11がキー認証可能エリアX内に存在するか否かを判断する。YES(存在する)の場合にはステップS513へ移行する。NO(存在しない)の場合にはステップS512を繰り返す。
【0141】
ステップS513では、ステップS512でのキー認証可能エリアX内との判断に続き、告知デバイス17によって使用者Sに対して告知A´の告知実行を開始し、ステップS514へ移行する。
ここで、告知A´の実行は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知A´を出力させる告知信号が出力され、ハザードランプが実施例1の告知Aと同じ色で点滅し続けることで行われる。
【0142】
ステップS514では、ステップS513での告知A´の実行開始に続き、電子キー11の認証が行われたか否かを判断する。YES(認証可)の場合にはステップS515へ移行する。NO(認証不可)の場合にはステップS512へ戻る。
【0143】
ステップS515では、ステップS514でのキー認証可との判断に続き、コントローラ15を電源ONに設定し、ステップS516へ移行する。
【0144】
ステップS516では、ステップS515でのコントローラ電源ONに続き、電子キー11が身体表現認識エリアY内に存在するか否かを判断する。YES(存在する)の場合にはステップS517へ移行する。NO(存在しない)の場合にはステップS512へ戻る。
【0145】
ステップS517では、ステップS516での身体表現認識エリアY内との判断に続き、使用者Sの認証が完了したとして、告知デバイス17による告知A´の告知を停止し、エンドへ移行する。使用者Sに対して告知Aの告知を実行し、ステップS117へ移行する。
ここで、告知A´の停止は、告知制御部15cから告知デバイス17へ告知A´を停止させる告知信号が出力され、ハザードランプの点滅が停止(消灯)することで行われる。
【0146】
このように、告知A´は、電子キー認証・位置検出装置12による電子キー11の認証開始から、電子キー11が身体表現認識エリアY内にあることを認識するまでの間、つまり、使用者Sの認証処理の開始から完了までの間、告知され続ける。このため、使用者Sは、自身の位置が適切であるか否かを常に認識することができ、身体表現認識エリアY外へ不用意に移動することなく、適切な状態で身体表現を行うことができる。
【0147】
実施例6の車両開閉体の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0148】
(8) 前記作動判定手段(告知制御部)15cが、前記使用者認証手段(電子キー認証・位置検出装置)12の作動の開始及び作動の完了を判定し、
前記告知手段(告知デバイス)17は、前記作動判定手段15cによる作動開始判定から作動完了判定までの間、告知し続ける構成とした。
これにより、使用者Sは自身の位置が適切であるか否かを常に認識することができ、身体表現認識エリアY外へ不用意に移動することなく、適切な状態で身体表現を行うことができる。
【0149】
以上、本発明の車両開閉体の制御装置を実施例1〜実施例6に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0150】
上記各実施例では、使用者Sの認証を完了した後に告知Aを実行し、身体表現の検出を完了した後に告知Bを実行する例を示した。しかしながら、いずれ一方の告知を実行するものであってもよい。
その場合であって、車両開閉体の制御装置10におけるバックドアBの操作を行うまでの間の作動プロセスの状態を把握することができる。
【0151】
また、上記各実施例では、電子キー11の認証が行われた後、この認証済みの電子キー11が身体表現認識エリアY内にある場合に、告知Aが実行される例を示した。しかしながら、これに限らず、電子キー11が認識された段階で告知Aの告知を実行してもよい。
この場合であっても、使用者Sは、車両開閉体の制御装置10における開閉体の操作を行うまでの間の作動プロセスの一つの状態を認識(把握)することができ、バックドアBの操作が行われない場合であっても、困惑することを防止できる。
【0152】
また、上記各実施例では、電子キー11の認証が行われた後、この認証済みの電子キー11が身体表現認識エリアY内にある場合に、使用者Sの認証が行われたとして告知Aが実行される例を示した。しかしながら、これに限らず、身体表現の検出に必要な使用者Sの身体の一部を特徴点として認識(検出)したときに、電子キー認証・位置検出装置12による使用者Sの認証が実行されたと判断してもよい。
【0153】
さらに、電子キー11の認証が行われたときに告知Aを実行し、この認証済みの電子キー11が身体表現認識エリアY内にある場合に告知Aと異なる告知Aαを実行し、身体表現の検出に必要な使用者Sの身体の一部を特徴点として認識(検出)したときに告知A及び告知Aαと異なる告知Aβを実行してもよい。すなわち、告知デバイス17による告知は、電子キー認証・位置検出装置12における作動の進捗に合わせて異ならせてもよい。
【0154】
また、上記各実施例では、開閉体として、自動車Cの後部に設けられたバックドアBとする例を示した。しかし、これに限らず、開閉体は、運転席や助手席或いはリヤサイドのドアであってもよいし、フロントフード(ボンネットフード)や車室を覆う可動ルーフであってもよい。さらに、使用者Sの身体表現に応じて、操作対象とする開閉体を適宜変更してもよい。
【0155】
また、上記各実施例では、開閉体操作として、バックドアBのアンロック操作及び開放操作とする例を示したが、開閉体のロック操作であってもよいし、アンロック操作のみ、開放操作のみとしてもよい。
【0156】
さらに、上記各実施例では、告知デバイス17としてハザードランプ及び車外ブザーとし、各種の告知(告知A〜告知E)を、ハザードランプ又は車外ブザーをそれぞれ異なる方法で制御することで行う例を示した。しかし、例えば車体に告知専用のランプを設け、この告知専用ランプを各種の告知に応じて異なる発色や点滅パターンで発光させることで告知してもよい。また、車体に回転灯を設け、この回転灯を各種の告知に応じて異なる発色やパターンで駆動させることで告知してもよい。さらに、例えばバックウインドウやバンパー表面に液晶パネル等の文字や図を表示できる装置を設け、この表示装置に各種の告知に応じた内容の表示を行うことで告知してもよい。
【0157】
また、告知デバイス17は、車幅方向の両端部に配置したランプ(方向指示器)を同時に点灯したり、例えば身体表現認識エリアY等の所定の領域を照射するランプであってもよい。これにより、告知デバイス17によって身体表現認識エリアYを視覚的に認識させることができ、さらに使用者Sの困惑を低減することができる。
【0158】
そして、上記各実施例では、身体表現として、使用者Sの右手を大きく上下動させる動作とする例を示したが、これに限らない。身体表現は、使用者Sの身振り手振り、視線の動き、声、表情等を含み、使用者Sの身体を用いた意思表示であればよい。
【関連出願の相互参照】
【0159】
本出願は、2012年9月12日に日本国特許庁に出願された特願2012−200201に基づいて優先権を主張し、その全ての開示は完全に本明細書で参照により組み込まれる。
図1
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