【文献】
Nokia Siemens Networks, Huawei, Qualcomm,Initial RN connection configuration[online], 3GPP TSG-RAN WG3 adhoc_2010_06_Beijing R3-101949,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_AHGs/2010_06_Beijing/Docs/R3-101949.zip>,2010年 7月 1日,Pages 1-3
【文献】
Qualcomm Incorporated, Ericsson, Nokia Siemens Networks, Vodafone, Deutsche Telekom, Huawei, CMCC, S,Detach procedure for relays[online], 3GPP TSG-RAN WG3 adhoc_2010_06_Beijing R3-101961,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_AHGs/2010_06_Beijing/Docs/R3-101961.zip>,2010年 7月 1日,Pages 1-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)のLTE-Advanced (Long Term Evolution Advanced)では、中継局(以下RN:Relay node)の導入が検討されている(非特許文献1を参照)。RNは、セル端にいる移動局(以下UE:User Equipment)の通信速度の高速化、及び基地局(以下eNB:Evolved Node B)のセル範囲拡大等を目的とした技術の1つである。3GPPで検討されているRNのアーキテクチャーの詳細が非特許文献2に記載されている。
【0003】
以下では、非特許文献2に記載されているRNのアーキテクチャーに基づくRNシステムの概要について説明する。
図1は、3GPPのRN使用時のネットワーク構成例を示す図である。基地局(eNB)1は、移動体通信事業者のコアネットワーク(以下CN)4に帰属している。CN4は、Mobility Management Entity (以下MME)及びServing Gateway(以下S-GW)を含む。eNB1は、eNBセル10を生成し、移動局(UE)3とCN4との間でトラフィックを中継する。中継局(RN)2は、バックホールリンク(図中のBL1)によってeNB 1に帰属する。また、UE 3は、アクセスリンク(図中のAL1又はAL2)によってeNB1またはRN 2に帰属する。RN 2は、eNB 1との間のバックホールリンク(BL1)を介してCN4に帰属する。RN 2は、RNセル20を生成し、UE 3とCN 4との間でトラフィックを中継する。OAM server 5は、eNB 1の設置位置、及びeNBセル10のセル情報(使用周波数、Physical Cell ID(PCI)など)を管理する。バックホールリンクおよびアクセスリンクに関しては後述する。
【0004】
図2は、RNがeNB及びCNに帰属し、RNセル運用を開始する際のシーケンスを示す図である。RNは、初期立ち上げ時は既存UEと同様の動作(以下UE mode)でネットワーク接続を行う(ステップS1)。具体的には、RNは、eNBとRadio Resource Control(以下RRC)コネクションを設定する。UE modeにおけるRNのeNB及びCNへの帰属が完了した場合、RNは、ネットワークノードとしての動作(以下RN mode)に変わり、RNセルを運用する。RNがRN modeに切り替わる場合、バックホールリンクの制御方法もUE modeからRN modeに切り替えられる(ステップS2)。
【0005】
RNを導入したネットワークでは、RN modeをサポートするeNBは「Donor eNB(以下DeNB)」と呼ばれる。本明細書では、RNとの接続に関わるDeNB固有の事象を述べる場合に限り、通常のeNBと区別するために「DeNB」の用語を用いる。さらに、本明細書では、DeNBに帰属するUE(例えば
図1のUE 3-1)を「eNB-UE」と呼ぶ。これに対して、RNに直接帰属するUE(例えば
図1のUE 3-2)を「RN-UE」と呼ぶ。さらにまた、eNB-UEとRN-UEの共通の事象を述べる場合は、単に「UE」と記述する。
【0006】
3GPPにおけるRNに関する議論では、将来的にマルチホップRNをサポートする要求が出ている。マルチホップRNとは、DeNBに帰属するRNに更にRNをカスケード接続できる技術のことである。本明細書では、マルチホップに関して述べる場合、DeNBの下位層に無線インターフェースで帰属するRNを「上位RN」と呼び、上位RNの下位層に無線インターフェースで帰属するRNを「下位RN」呼んで区別することとする。加えて、本明細書では、DeNBとRN間および上位RNと下位RN間の無線インターフェースを「バックホールリンク」と呼ぶ。一方、eNBとeNB-UE間、RNとRN-UE間の無線インターフェースを「アクセスリンク」と呼ぶ。
【0007】
さらに、3GPPにおけるRNに関する議論では、帰属可能なDeNBセルのセル情報を帰属設定情報としてRNが保持することが想定されている(非特許文献3を参照)。帰属設定情報は、帰属すべきドナー基地局、セル、又はセクタを指定するための情報を含む。具体的には、帰属設定情報は、DeNBセルの周波数、Physical Cell ID (PCI)などを含む。RNは、帰属設定情報に基づいて、帰属すべきDeNBを特定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
RNが保持すべき帰属設定情報の内容は、RNの設置場所や通信事業者のポリシーによってRNごとに異なることが考えられる。そのため、RN設置者が、RN毎にRNの設置場所や通信事業者のポリシーを考慮した帰属設定情報を設定する必要がある。このような作業は現実的に困難であり、Capital Expenditure(CAPEX)及びOperational Expenditure(OPEX)といったコストが増加する問題も発生する。
【0010】
本発明は、上述した問題点を考慮してなされたものであって、中継局(RN)が帰属設定情報に基づいてドナー基地局(DeNB)に帰属するシステムにおいて、帰属設定情報の設定の平易化に寄与する移動通信システム、中継局装置、基地局装置、中継局の制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様に係る中継局装置は、下位無線リンク通信部、上位無線リンク通信部、及び制御部を有する。前記下位無線リンク通信部は、少なくとも1つの下位無線局との間で無線通信を行えるよう構成されている。前記上位無線リンク通信部は、少なくとも1つの上位無線局との間で無線通信を行えるよう構成されている。前記制御部は、前記中継局装置が帰属する上位無線局を示す帰属設定情報に含まれる第1の上位無線局への帰属が失敗した場合に、前記第1の上位無線局とは異なる第2の上位無線局に帰属し、前記第1の上位無線局への帰属が失敗したことを示す通知情報をネットワークに通知するよう構成されている。
【0012】
本発明の第2の態様に係る移動通信システムは、少なくとも1つの上位無線局、及び下位無線局と上位無線局との間で無線中継を行う中継局を含む。ここで、前記中継局は、前記中継局が帰属する上位無線局を示す帰属設定情報に含まれる第1の上位無線局への帰属が失敗した場合に、前記第1の上位無線局とは異なる第2の上位無線局に帰属するよう構成されるとともに、前記第1の上位無線局への帰属が失敗したことを示す通知情報を前記第2の上位無線局を経由してネットワークに通知するよう構成されている。
【0013】
本発明の第3の態様に係る基地局装置は、無線通信部、及び制御部を有する。前記無線通信部は、移動局及び中継局との間で無線通信を行うことができるよう構成されている。前記制御部は、前記中継局との通信を制御する。前記制御部は、前記基地局装置が前記中継局の帰属先として予め定められた上位局に対応していない場合に、前記中継局が移動局として動作する第1の接続モードによって前記中継局と接続するように前記無線通信部を制御する。さらに、前記制御部は、前記基地局装置が前記上位局に対応する場合に、前記中継局が中継局として動作する第2の接続モードによって前記中継局と接続するように前記無線通信部を制御する。
【0014】
本発明の第4の態様に係る方法は、上位無線局と無線で接続可能な中継局の制御方法であって、以下のステップ(a)及び(b)を含む。
(a)前記中継局が帰属する上位無線局を示す帰属設定情報に含まれる第1の上位無線局への帰属が失敗した場合に、前記第1の上位無線局とは異なる第2の上位無線局に帰属すること、及び
(b)前記第1の上位無線局への帰属が失敗したことを示す通知情報を前記第2の上位無線局を経由してネットワークに通知すること。
【0015】
本発明の第5の態様に係るプログラムは、上述の本発明の第4の態様に係る方法をコンピュータに実行させる。
【0016】
本発明の第6の態様に係る中継局装置は、下位無線リンク通信部、上位無線リンク通信部、及び制御部を有する。前記下位無線リンク通信部は、少なくとも1つの下位無線局との間で無線通信を行えるよう構成されている。前記上位無線リンク通信部は、少なくとも1つの上位無線局との間で無線通信を行えるよう構成されている。前記制御部は、前記中継局装置が帰属する上位無線局を示す帰属設定情報を保持するか否かを判定し、前記判定の結果に応じてネットワークから取得した前記帰属設定情報に含まれる上位無線局と帰属を確立するよう構成されている。
【0017】
本発明の第7の態様に係る移動通信システムは、少なくとも1つの上位無線局、及び下位無線局と上位無線局との間で無線中継を行う中継局を含む。ここで、前記中継局は、前記中継局が帰属する上位無線局を示す帰属設定情報を保持するか否かを判定し、前記判定の結果に応じてネットワークから取得した前記帰属設定情報に含まれる上位無線局と帰属を確立するよう構成されている。
【0018】
本発明の第8の態様に係る方法は、上位無線局と無線で接続可能な中継局の制御方法であって、以下のステップ(a)及び(b)を含む。
(a)前記中継局が帰属する上位無線局を示す帰属設定情報を保持するか否かを判定すること、及び
(b)前記判定の結果に応じてネットワークから取得した前記帰属設定情報に含まれる上位無線局と帰属を確立すること。
【0019】
本発明の第9の態様に係るプログラムは、上述の本発明の第8の態様に係る方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、中継局(RN)が帰属設定情報に基づいてドナー基地局(DeNB)に帰属するシステムにおいて、帰属設定情報の設定の平易化に寄与する移動通信システム、中継局装置、基地局装置、中継局の制御方法、及びプログラムを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0023】
<実施の形態1>
実施の形態1では、RNはeNBに一時的に帰属し、OAM server等の上位ネットワーク装置に帰属設定情報の状態を通知する。状態の通知は、例えば、(i) 帰属設定情報によって指定されるドナー基地局と現在帰属している基地局との対応関係を示す情報、(ii) 有効な帰属設定情報を保持しているか否かを示す情報、又は(iii) 新たな帰属設定情報の要求、を含む。
【0024】
図3は、本実施の形態にかかる基地局1、中継局2、移動局3、コアネットワーク4を含む無線通信システムの構成例を示す図である。なお、本実施の形態では、本実施の形態にかかる無線通信システムがFDD(Frequency division Duplex)−OFDMA、より具体的にはLTE方式を基にしたLTE-Advanced方式の無線通信システムであるとして説明を行う。基地局1は、移動体通信事業者のコアネットワーク4に帰属しており、移動局3とコアネットワーク4との間でトラフィックを中継する。基地局1は、中継局2を収容可能な基地局であり、同時に移動局3の収容も可能である。
【0025】
図4は、基地局1の構成例を示すブロック図である。
図4において、無線通信部11は、送信データ処理部12から供給される物理チャネルの送信シンボル列に対して、リソースエレメントへのマッピング、OFDM信号生成(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)、周波数変換、信号増幅等の各処理を行ってダウンリンク信号を生成する。生成されたダウンリンク信号はアンテナから無線送信される。また、無線通信部11は、移動局3または中継局2から送信されるアップリンク信号を受信し、受信シンボル列を復元する。
【0026】
送信データ処理部12は、通信部14から取得した移動局3または中継局2向けデータを移動局ごとかつベアラごとに設定されたバッファに保存し、誤り訂正符号化、レートマッチング、インタリービング等を行なってトランスポートチャネルを生成する。さらに、送信データ処理部12は、トランスポートチャネルのデータ系列に制御情報を付加して無線フレームを生成する。さらにまた、送信データ処理部12は、無線フレームのデータ系列に対するスクランブル、変調シンボルマッピングを行って物理チャネル毎の送信シンボル列を生成する。
【0027】
受信データ処理部13は、無線通信部11から供給される受信シンボル列から論理チャネル毎の受信データを復元する。得られた受信データに含まれるユーザトラフィックデータと一部の制御データは、通信部14を経由してコアネットワーク4に転送される。
【0028】
リレーノード制御部15は、移動局3および中継局2に送信するデータに関する送信タイミングや無線リソース割当を制御する。さらに、リレーノード制御部15は、中継局2から通知されるRN動作サポートの有無(前記RN modeに該当)を、受信データ処理部13を介して受信する。リレーノード制御部15は、中継局2のRN動作サポートの有無に応じて、バックホールリンクのコンフィグレーションを行う。
【0029】
図5は、中継局2の構成例を示すブロック図である。中継局2は、特別な記述がない限り基地局1と同等の機能を持つ。
図5において、下位無線リンク通信部21は、移動局3から送信されたアップリンク信号をアンテナを介して受信する。受信データ処理部23は、基地局1の受信データ部13と同等の機能を持ち、得られた受信データは、上位無線リンク通信部24を経由して基地局1に送信される。送信データ処理部22は、基地局1の送信データ処理部12と同様の機能を持ち、上位無線リンク通信部24から取得した移動局3に向けて送信される送信データから送信シンボル列を生成する。無線通信部21は、シンボル列からダウンリンク信号を生成し、これを移動局3に送信する。
【0030】
帰属設定情報制御部25は、基地局1に関する帰属設定情報を制御する。この帰属設定情報は、基地局1またはコアネットワーク4から上位無線リンク通信部24および送信データ処理部22を介して帰属設定情報制御部25に通知される。具体的に述べると、帰属設定情報制御部25は、帰属設定情報の状態をOAM server 5に対して通知する。例えば、帰属設定情報制御部25は、中継局2が実際に帰属した基地局の情報(DeNBセルの周波数、Physical Cell ID (PCI)など)が、予め与えられた帰属設定情報によって指定される帰属すべきドナー基地局、セル、又はセクタに関する情報に適合するものであるか否かに基づいて、帰属設定情報の適否(適正状態)を判定する。そして、帰属設定情報制御部25は、この判定結果をOAM server 5に対して通知する。この場合の通知は、帰属設定情報が正常であるか否かを示す情報を含んでいればよい。また、この場合の通知は、帰属すべきドナー基地局と実際に帰属した基地局が対応しているか否かを判定可能な情報を含んでいてもよい。
【0031】
また、例えば、帰属設定情報制御部25は、中継局2が帰属設定情報を保持していないことをOAM server 5に対して通知してもよい。この場合の通知は、中継局2が帰属設定情報を保持していないとして判定可能な情報を含んでいればよい。また、この場合の通知は、新たな属設定情報の要求メッセージを含んでいてもよい。また、例えば、帰属設定情報制御部25は、中継局2が帰属設定情報を保持しているものの、有効期限切れ等の理由により無効なものである場合、有効な帰属設定情報を保持していないことをOAM server 5に対して通知してもよい。この場合の通知は、中継局2が有効な帰属設定情報を保持していないとして判定可能な情報を含んでいればよい。
【0032】
図6は、移動局3の構成例を示すブロック図である。無線通信部31は、アンテナを介してダウンリンク信号を受信する。受信データ処理部32は受信されたダウンリンク信号から復元した受信データをバッファ部35に送る。バッファ部35に格納された受信データは読み出され、その目的に応じて利用される。また、送信データ制御部33、送信データ処理部34及び無線通信部31は、バッファ部35に格納された送信データを用いてアップリンク信号を生成し、基地局1または中継局2に向けて送信する。
【0033】
図7は、OAM server 5の構成の一例を示すブロック図である。OAM server 5は、コアネットワーク4との通信を行うための通信部51、送信データ処理部52、受信データ制御部53、帰属設定情報管理部54を含んでいる。受信データ処理部53は、中継局2から送信されるデータを受信し、受信データが中継局2の帰属設定情報に関する状態の通知または帰属設定情報の取得要求を含む場合は、これを帰属設定情報管理部54に転送する。帰属設定情報管理部54は、中継局2に帰属設定情報を通知するか否かを判断し、その判断結果に基づいて帰属設定情報を送信データ制御部52から中継局2へ送信する。
【0034】
続いて以下では、実施の形態1における帰属設定情報の状態を通知する手順の具体例について
図8〜10を参照して説明する。
【0035】
図8は、実施の形態1における帰属設定情報の状態を通知する手順の一例を示すシーケンス図である。
図8は、OAM server 5、コアネットワーク4、基地局1及び中継局2の相互作用を示しており、図中の「OAM」はOAM server 5に対応し、「MME」はコアネットワーク4に対応し、「DeNB」は基地局1に対応し、「RN」は中継局2に対応する。
【0036】
ステップS101では、RNは帰属するeNBをサーチし、検出されたeNBに対してRRCコネクションを設定する処理を行う(ステップS102)。RRCコネクション設定後、RNは、MMEに対してコアネットワークへのネットワーク帰属設定処理を行い(ステップS103)、MMEからベアラを設定してもらう処理に移る(ステップS104)。ステップS104では、MMEとeNB間のベアラが設定され、ステップS105では、eNBとRN間のベアラが設定される。ステップS104とステップS105の処理を完了することで、RNはOAMと通信することが可能となる。OAMと通信可能となったRNは、帰属設定情報の状態をOAMに通知する(ステップS106)。
【0037】
図9は、実施の形態1において、RNがネットワークに帰属し、帰属設定情報の状態をOAMに通知する動作に関するフローチャートである。
図9に示す動作は、RNが帰属可能なeNBをサーチすることで開始される。
【0038】
ステップS201では、帰属可能なeNBが検出できた場合(ステップS201でYes)、RNは、検出したeNBに対してRRCコネクション設定要求を送信し(ステップS202)、ステップS203に移行する。帰属可能なeNBが検出できない場合(ステップS201でNo)、RNは、帰属設定情報の状態をOAMに通知する動作を終了する。ステップS203では、RNがネットワークへの帰属が完了したか否かを判断する。RNがネットワークへの帰属を完了した場合(ステップS203でYes)、RNは帰属設定情報の状態をOAMに通知し(ステップS204)、動作を終了する。ネットワークへの帰属を完了しない場合(ステップS203でNo)、RNは、再度、ネットワークへの帰属が完了したか否かを判断するステップS203に戻る。
【0039】
図10は、実施の形態1において、OAMが帰属設定情報の状態通知を受信する動作に関するフローチャートである。ステップS301では、OAMが帰属設定情報の状態通知を受信したか否かを判断する。帰属設定情報の状態通知を受信した場合(ステップS301でYes)、OAMは受信動作を終了する。帰属設定情報の状態通知を受信しない場合(ステップS301でNo)、OAMは、再度、帰属設定情報の状態通知を受信したか否かを判断するステップS301に戻る。
【0040】
基地局1および移動局3の動作は、一般的な動作と差異がないため、説明を省略する。
【0041】
上述したように、本実施の形態にかかる中継局2は、基地局1を介してネットワークへの帰属確立後、帰属設定情報の状態をOAM server 5に通知する。このため、通信事業者のオペレータは、中継局2の設置場所に行かずとも、帰属設定情報の内容が適切か否かを判断することができ、帰属設定情報の不一致の修正、正しい内容への変更等の帰属設定情報の設定を容易に行うことができる。さらに、通信事業者は、帰属設定情報の設定の容易化によって、設置運用コストを削減することが期待できる。
【0042】
<実施の形態2>
実施の形態2では、中継局2は、帰属設定情報によって指定されるDeNBに帰属できない場合、他のeNBに帰属して、帰属設定情報の適正状態をOAMに通知する。帰属設定情報が適正である(正常である)ことは、中継局2が保持している帰属設定情報によって指定されるドナー基地局に正常に帰属できる場合に対応する。一方、帰属設定情報が適正でない(異常である)ことは、中継局2が保持している帰属設定情報によって指定されるドナー基地局に正常に帰属できない場合に対応する。帰属設定情報によって指定されるDeNBに正常に帰属できない場合(言い換えると、帰属に失敗する場合)の具体例は、帰属設定情報によって指定されるDeNBが中継局2の近傍に存在しない場合、及び帰属設定情報によって指定されるDeNBへの帰属が拒否された場合、を含む。帰属設定情報の適正状態の通知は、帰属設定情報が正常であるか否かを示す情報、又は帰属設定情報で指定されるDeNBへの帰属が失敗したことを示す情報を含んでいればよい。また、当該通知は、帰属すべきドナー基地局と実際に帰属した基地局が対応しているか否かを判定可能な情報を含んでもよい。
【0043】
以下では、実施の形態2における帰属設定情報の適正状態の通知手順の具体例について
図11A、11B、12を参照して説明する。
【0044】
図11A及び11Bは、実施の形態2における帰属設定情報の適正状態を通知する手順の一例を示すシーケンス図である。
図11A及び11Bにおいて、「eNB 1」は帰属設定情報に記載された基地局に対応し、「eNB 2」は帰属設定情報に記載されていない基地局に対応し、「RN」は中継局2に対応し、「OAM」はOAM server 5に対応し、「MME」はコアネットワーク4に対応する。RNは、サーチすることでeNB 2を検出することができる。ステップS401では、RNは帰属設定情報に基づいてeNB1を検出できるか否かを判断する。eNB1を検出できる場合は、ステップS402、S102〜S105、S403〜S404(
図11A中のAlt1)の動作を行い、eNB1を検出できない場合は、ステップS405、S101〜S106(
図11B中のAlt2)の動作を行う。
【0045】
ステップS402でRNが帰属設定情報に基づいてeNB1を検出できる場合、RNは、検出したeNBに対してRRCコネクションの設定要求を送信し、ネットワークに帰属する。一連の動作を示すステップS102〜S105は、実施の形態1と同様なので詳細説明を省略する。RNは、ネットワークへの帰属を完了した場合、RNセルの運用を開始し(ステップS403)、RN UEからの帰属要求の受け入れを開始する(ステップS404)。
【0046】
ステップS405でRNが帰属設定情報に基づいてeNB1を検出できない場合、RNは帰属可能なeNBをサーチし、検出したeNB 2に対してRRCコネクションの設定要求を送信し、帰属設定情報の適正状態をOAMに通知する動作を行う。一連の動作を示すステップS101〜S106は、実施の形態1と同様なので詳細説明を省略する。
【0047】
図12は、実施の形態2において、中継局2がネットワークに帰属し、帰属設定情報の適正状態をOAMに通知する動作に関するフローチャートである。中継局2は、保持する帰属設定情報に基づいてDeNBを検出する動作に応答して
図12のフローチャートに記載の処理を開始する。ステップS501では、中継局2は、保持する帰属設定情報に基づいてDeNBを検出できたか否かを判断する。帰属設定情報に基づいてDeNBを検出できた場合(ステップS501でYes)、中継局2は、検出したDeNBに対してRRCコネクションを設定し、ネットワークに帰属する。RRCコネクション要求を送信した(ステップS202)後、RRCコネクション要求に対する応答が否定応答かどうかを判定する(ステップS503)。RRCコネクション要求に対する応答が否定応答である場合(ステップS503でYes)、後述するステップS502へ進む。RRCコネクション要求に対する応答が肯定応答でない場合(ステップS503でNo)、ネットワークへの帰属が完了したか判定する(ステップS203)。
【0048】
RNがネットワークへの帰属を完了しない場合(ステップS203でNo)、再度RRCコネクション要求に対する応答を判定するステップS503へ戻る。ネットワークに帰属後(ステップS203でYes)、中継局2はRNセル運用を開始する(ステップS504)。帰属設定情報に基づいてDeNBを検出できなかった場合(ステップS501でNo)、又は否定応答を受信した場合(ステップS503でYes)、中継局2は、帰属設定情報で指定されているeNBとは異なるeNBの検出を開始する(ステップS502)。その後、中継局2は、検出結果を判断し、検出できたeNBに対してRRCコネクションを設定し、ネットワークに帰属後OAM serverに帰属設定情報の適正情報を通知する。これら一連の動作を示すステップS201〜S204は、実施の形態1と同様なので詳細説明を省略する。
【0049】
本実施の形態においてOAM server 5が帰属設定情報の適正状態通知を受信する動作に関するフローチャートは、実施の形態1と同様なので詳細説明を省略する。さらに、基地局1および移動局3の動作は、実施の形態1と同様に、一般的な動作と差異がないため、説明を省略する。
【0050】
上述したように、本実施の形態にかかる中継局2は、予め設定された帰属設定情報に基づいて帰属可能な基地局を検出できない場合は、帰属設定情報によって指定されるのとは異なる基地局を介してネットワークに帰属し、帰属設定情報の適正状態をOAM server 5に通知する。このため、中継局2に対して予め設定された帰属設定情報におけるDeNB設定が誤っている場合であっても、直接中継局2の設置場所に行かずにOAM server 5が誤りを発見することができる。このため、通信事業者のオペレータは、帰属設定情報の内容が適切か否かを判断することができ、帰属設定情報の不一致の修正、正しい内容への変更等の帰属設定情報の設定を容易に行うことができる。
【0051】
<実施の形態3>
実施の形態3では、中継局2は、帰属設定情報を保持していない場合に、サーチによって検出した帰属可能な基地局に対して一時的に帰属する。そして中継局2は、帰属設定情報を保持していないこと、又は帰属設定情報の要求をOAM server 5に対して通知し、OAM server 5から帰属設定情報を取得する。さらに中継局2は、新しく得た帰属設定情報に基づいて改めてDeNBに帰属する。
【0052】
以下では、実施の形態3における帰属設定情報の状態(有効状態)の通知手順の具体例について
図13〜15を参照して説明する。
図13は、実施の形態3における帰属設定情報の有効状態を通知する手順の一例を示すシーケンス図である。
図13において、「eNB 1」はサーチによって検出された帰属可能な基地局に対応し、「eNB 2」は更新後の帰属設定情報に記載される基地局に対応し、「RN」は中継局2に対応し、「OAM」はOAM server 5に対応し、「MME」はコアネットワーク4に対応する。
【0053】
図13において、ステップS101〜S106は、実施の形態1と同様なので差分のみを説明する。OAMは、RNから帰属設定情報の有効状態の通知を受信した後、当該RNに設定すべき帰属設定情報を決定し(ステップS601)、RNに送信する(ステップS602)。RNは、帰属設定情報に基づいてネットワークに再帰属する。一連の動作は、実施の形態1のステップS102〜S105と同様なので省略する。
【0054】
図14は、実施の形態3において、有効な帰属設定情報を保持しない中継局2がネットワークに帰属し、帰属設定情報の有効状態をOAM server 5に通知し、帰属設定情報を取得する動作に関するフローチャートである。ステップS201〜S204は、実施の形態1と同様なので差分のみを説明する。ステップS204において、中継局2は、帰属設定情報の有効状態をOAM server 5に通知した後、帰属設定情報の受信を判定するステップS701に移行する。このときに送信される帰属設定情報の有効状態の通知は、有効な帰属設定情報を保持していないことを通知する内容でもよいし、一時的に接続した基地局の情報を通知する内容でもよいし、新たな帰属設定情報の要求する内容でもよい。
【0055】
ステップS701においてOAM server 5から帰属設定情報を受信した場合(ステップS701でYes)、中継局2は、新たに得た帰属設定情報に基づいて新たなDeNBに対してRRCコネクションを設定し、ネットワークに帰属する動作を行う。一連の動作ステップS202〜S203は、実施の形態1と同様なので詳細説明を省略する。中継局2は、ネットワークと帰属した後、RNセルの運用を開始し(ステップS702)、動作を終了する。OAM server 5から帰属設定情報を受信していない場合(ステップS701でNo)、中継局2は動作を終了する。
【0056】
図15は、実施の形態3において、OAM server 5が帰属設定情報の有効状態通知を受信し、帰属設定情報をRNに送信する動作に関するフローチャートである。ステップS301は、実施の形態1と同様なので差分のみを説明する。OAM Server 5は、帰属設定情報の有効状態の通知を中継局2から受信した場合(ステップS301でYes)、中継局2に設定すべき帰属設定情報を決定し、中継局2に送信し(ステップS801)、動作を終了する。
【0057】
基地局1および移動局3の動作は、実施の形態1と同様に、一般的な動作と差異がないため、説明を省略する。
【0058】
上述したように、本実施の形態にかかる中継局2は、基地局を介してネットワークへの帰属を確立した後、更新された帰属設定情報OAM serverから取得する。そして基地局2は、更新された帰属設定情報に基づいて改めて基地局に帰属する。このため、予め中継局2に帰属設定情報を設定する必要がなくなるため、中継局2への帰属設定情報の設定を容易に行うことができ、設置者の工数を軽減することが可能となる。これにより、通信事業者は、設置運用コストを削減することが期待できる。
【0059】
<実施の形態4>
実施の形態4では、中継局2は、帰属設定情報に基づいてDeNBに帰属できない場合、他のeNBに一時的に帰属して、OAM server 5から更新された帰属設定情報を取得する。そして中継局2は、更新された帰属設定情報に基づいてDeNBに再度帰属する。
【0060】
以下では、実施の形態4における帰属設定情報の適正状態を通知手順の具体例について
図16A、16B、17を参照して説明する。
図16A及び16Bは、実施の形態4における帰属設定情報の適正状態を通知する手順の一例を示すシーケンス図である。
図16 A及び16Bにおいて、「eNB1」は更新前の帰属設定情報に記載された基地局に対応し、「eNB2」は帰属設定情報に記載されておらず、サーチによって検出した帰属可能な基地局に対応し、「eNB3」は更新後の帰属設定情報に記載された基地局に対応し、「RN」は中継局2に対応し、「OAM」はOAM server 5に対応し、「MME」はコアネットワーク4に対応する。RNは、サーチすることでeNB 2を検出することができる。
【0061】
ステップS101〜S106、S401〜S405、およびS601〜S602は、実施の形態1、2、又は3と同様なので差分のみを説明する。RNは、
図16B中のステップS901で帰属設定情報を受信し、受信した帰属設定情報に基づいてeNB3に対してRRCコネクションを設定し、ネットワークに再帰属する。
【0062】
図17は、実施の形態4において、中継局2が帰属設定情報に基づいてDeNBに帰属できない場合、帰属設定情報に記載されたのとは異なるeNBに帰属して、OAM server 5に帰属設定情報を更新してもらう動作に関するフローチャートである。中継局2は、保持する帰属設定情報に基づいてDeNBを検出する動作に応答して
図17のフローチャートに記載の処理を開始する。ステップS201〜S204およびS501〜S504は、実施の形態1または実施の形態2と同様なので、差分のみを説明する。
【0063】
ステップS204において、中継局2は、帰属設定情報の適正状態をOAM server 5に通知し、更新された帰属設定情報を受信したか否かを判断するステップS1001に移行する。更新された帰属設定情報を受信した場合(ステップS1001でYes)、中継局2は帰属設定情報に基づいてDeNBに対してRRCコネクションを設定する(ステップS202)。中継局2は、ネットワークと帰属した後、RNセルの運用を開始し(ステップS1002)、動作を終了する。これに対して、更新された帰属設定情報を受信しない場合(ステップS1001でNo)、中継局2は、更新された帰属設定情報を受信したか否かを判断するステップS1001に戻る。
【0064】
OAM server 5が帰属設定情報の適正状態通知を受信する動作に関するフローチャートは、実施の形態3と同様なので詳細説明を省略する。さらに基地局1および移動局3の動作は、実施の形態1と同様に、一般的な動作と差異がないため、説明を省略する。
【0065】
上述したように、本実施の形態にかかる中継局2は、予め設定された帰属設定情報に基づいて帰属可能な基地局をサーチし、検出できない場合は、異なる基地局を介してネットワークに帰属し、更新された帰属設定情報をOAM serverから取得する。そして、本実施の形態にかかる中継局2は、更新された帰属設定情報に基づいて改めて帰属動作を行い、帰属設定情報に記載された基地局に帰属する。このため、予め設定された帰属設定情報の基地局設定が誤っている場合であっても、中継局2が保持する帰属設定情報の更新に要する設置者の工数を軽減することができ、更新を容易に行うことができる。これにより、通信事業者は、設置運用コストを削減することが期待できる。
【0066】
<実施の形態5>
実施の形態5では、RNは帰属設定情報に基づいてDeNBに帰属する場合、RN modeをサポートしていることを示す指標をDeNBに通知し、一時的にeNBに帰属する場合、RN modeをサポートしていることを示す指標をDeNBに通知しない。
【0067】
以下では、実施の形態5における帰属設定情報の適正状態を通知する手順の具体例について
図18A、18B、19を参照して説明する。
【0068】
図18A及び18Bは、実施の形態5における帰属設定情報の適正状態を通知する手順の一例を示すシーケンス図である。
図18A及び18Bにおいて、「eNB1」は帰属設定情報に記載された基地局に対応し、「eNB2」は帰属設定情報に記載されていない基地局に対応し、「RN」は中継局2に対応する。RNは、サーチすることでeNB2を検出することができる。
【0069】
ステップS101〜S106およびS401〜S405は、実施の形態1または実施の形態2と同様なので、差分のみを説明する。ステップS1101において、RNは、帰属設定情報に基づいて検出したeNB1に対してRRCコネクション設定の処理を行う。このとき、RRCコネクション設定のメッセージには、RN modeのサポートを意味する指標を含む。eNB1は、RNのネットワーク帰属完了後、バックホールリンクのコンフィグレーションを設定し(ステップS1102)、RNはUE modeからRN modeに切り替わり(ステップS1103)、RNセルの運用を開始する(ステップS104)。また、ステップS1105において、RNは、帰属設定情報で指定されたeNB1とは異なるeNB2に対してRRCコネクション設定の処理を行う。このとき、RNは、RN modeのサポートを意味する指標を含めない。
【0070】
図19は、実施の形態5に係る中継局2がネットワークに帰属する際のRN modeをサポートする指標の通知動作に関するフローチャートである。ステップS201〜S204およびS501〜S504は、実施の形態1または実施の形態2と同様なので、差分のみを説明する。
【0071】
ステップS1201において、中継局2は、帰属設定情報で指示されたDeNB以外のeNBに対して一時的に接続するために、RN modeをサポートする指標を含まないRRCコネクション設定のメッセージ送る。これに対して、ステップS1202において、中継局2は、帰属設定情報で指示されたDeNBに対して、RN modeをサポートする指標を含むRRCコネクション設定のメッセージ送り、ネットワークへの帰属完了後、バックホールリンクの設定情報を受信したか否かを判断するステップS1203に移行する。バックホールリンクの設定情報を受信した場合(ステップS1203でYes)、中継局2は、RNセルの運用を開始する(ステップS503)。 バックホールリンクの設定情報を受信しない場合(ステップS1203でNo)、中継局2は、バックホールリンクの設定情報を受信したか否かを判断するステップS1203に戻る。
【0072】
図20は、実施の形態5における基地局1の動作手順の一例を示すフローチャートである。
図20において、基地局1は、中継局2からRRCコネクションの設定要求を受信することに応答して当該フローチャートに記載の処理を開始する。
【0073】
ステップS1301において、基地局1はRRCコネクションの設定要求を受信したか否かを判断する。RRCコネクションの設定要求を受信した場合(ステップS1301でYes)、基地局1は、RRCコネクションの設定要求がRN modeをサポートする指標を含むか否かを判断するステップS1302に移行する。RRCコネクションの設定要求を受信しない場合(ステップS1301でNo)、基地局1は、RRCコネクションの設定要求を受信したか否かを判断するステップS1301に戻る。基地局1が受信したRRCコネクションの設定要求にRN modeのサポートを意味する指標が含まれている場合(ステップS1302でYes)、基地局1は、中継局2とRRCコネクションを設定するとともに(ステップS1303)、バックホールリンクの設定情報を中継局2に通知し(ステップS1304)、動作を終了する。ステップS1302において、RRCコネクションの設定要求にRN modeのサポートを意味する指標が含まれていない場合(ステップS1302でNo)、基地局1は、中継局2とRRCコネクションを設定し(ステップS1305)、動作を終了する。
【0074】
OAM server5が帰属設定情報の適正状態通知を受信する動作に関するフローチャートは、実施の形態1と同様なので説明を省略する。さらに、基地局1および移動局3の動作は、実施の形態1と同様に、一般的な動作と差異がないため、説明を省略する。
【0075】
本実施の形態では、中継局2がRN modeのサポートを意味する指標を含むか否かに応じて基地局1がRN modeへの切り替えの可否を判断する例を示した。しかしながら、中継局2は、RN modeをサポートする場合とサポートしない場合で異なる指標を送ってもよい。
【0076】
上述した本実施の形態の説明では、実施の形態2を基準としているが、他の実施の形態を基準としても同様の効果が得られる。
【0077】
上述したように、本実施の形態にかかる中継局2は、予め設定された帰属設定情報に基づいて基地局に帰属可能である場合、RN modeをサポートする指標を基地局に通知する。一方、中継局2は、帰属設定情報に基づいて基地局に帰属できず、異なる基地局に帰属する場合、RN modeをサポートする指標を基地局に通知しない。このため、基地局1は、RN セルを運用開始する中継局2にだけバックホールリンクの設定を行うことが可能となり、バックホールリンクの無線リソースの利用効率を向上させることができる。
【0078】
<その他の実施の形態>
E-UTRAN (LTE)の場合、中継局2(以下、リレーノード)は以下の2つのセル選択手順のうち一方を使用すればよい。
(1)一時的なセル選択
この手順は、リレーノードにおいて帰属設定情報(以下、ドナーセル情報)を必要としない。リレーノードは、各々のリレーノードが持つ、適切なセルを探すための機能によりE-UTRA(Evolved-UMTS Terrestrial Radio Access)帯域の全ての無線チャネルをスキャンする。リレーノードは、各周波数キャリアで最も強いセルだけをサーチする必要がある。一旦適切なセルが見つかると、そのセルが選択され、リレーノードはE-UTRAN(Evolved-UMTS Terrestrial Radio Access Network)に対してドナーセル情報を保持しないことを通知する。
(2)保持されたドナーセル情報によるセル選択
この手順は、以前に構成されたドナーセル情報から、または以前にダウンロードされたドナーセル情報から得られるドナーセル情報と、任意でセルパラメータに関する情報を必要とする。一旦リレーノードが適切なセルを見つけると、リレーノードはそのセルを選択する。適切なセルが見つからない場合または選択したセルに帰属できない場合は、一時的なセル選択の手順が開始される。
【0079】
上述した発明の実施の形態1〜5では、LTE方式のRNをサポートするネットワークに本発明を適用する場合について説明した。しかしながら、本発明の適用先は、LTE方式のRNをサポートする基地局に限定されるものではない。つまり、基地局に無線・固定回線を問わず接続する中継局を有し、かつ基地局で転送されたデータが中継局で終端する場合であれば、本発明は適用可能である。
【0080】
また、上述した発明の実施の形態1〜5で述べた中継局2による帰属設定情報の状態通知に関する処理は、マイクロプロセッサ等のコンピュータに1又は複数のプログラムを実行させることによって実現してもよい。このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0081】
また、発明の実施の形態1〜5は、適宜組み合わせることも可能である。さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0082】
この出願は、2010年8月3日に出願された日本出願 特願2010−174455を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。