(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、食品製造工場では、生産した食品生産物に種々のラベルを貼付している。当該ラベルは食品生産物としての当該商品の名称及び消費期限等を表示するPOSラベルであったり、食品生産物の内容を端的に表示する包材ラベルであったり、販促のためのポイントを表示する販促ラベルであったりする。そして、食品生産物へのラベルの貼付作業は、当該食品生産物の製造開始から製造終了までに行われる。そして、食品製造業界では、一般的にラベルの貼付作業におけるラベルの適否を管理するために被検査ラベルを貼ったラベル台帳が使用されている。ラベルの貼付作業は当該ラベル台帳に貼られた被検査ラベルを基準に行われ、これによりラベル貼付作業の正確性と迅速性が図られる。
【0003】
図9は従来のラベル台帳のレイアウト構成を示す説明図である。同図(a)は例えば甲工場のラベル台帳70を示し、同図(b)は例えば乙工場のラベル台帳80を示し、同図(c)は例えば丙工場のラベル台帳90を示す。
【0004】
同図(a)に示す甲工場のラベル台帳70は、見本ラベル71に製品名「おにぎりいくら」とバーコードが表示され、その下に被検査ラベルを貼るための検査エリア72(1)、72(2)、72(3)、72(4)が設けてある。検査エリア72は左上から横方向に順に(1)、(2)、(3)、(4)が指定され、被検査ラベルを貼る際に時間的に差があるとき、即ち被検査ラベルを交換するときは、この順に貼っていく。そして、検査エリア72は破線77で区分けされ固定化されている。
【0005】
従って、まず検査エリア72(1)にPOSラベル73、包材ラベル74及び販促ラベル75の3種類の被検査ラベルを貼る。その後ラベルの交換、即ち販促ラベル75の巻のみがなくなり、再度新しい巻をセットし、再度販促ラベル75を検査する場合に(このことを、交換ラベルの検査という。以下交換ラベルとする)、次の検査エリア72(2)に販促ラベル76を貼る。甲工場のラベル台帳70はこのようなフォーマットである。
【0006】
同図(b)に示す乙工場のラベル台帳80は、見本ラベル81に製品名「おにぎりいくら」とバーコードが表示され、その下に被検査ラベルを貼るための検査エリア82(1)、82(2)、82(3)、82(4)が設けてある。検査エリア82は左上から縦方向に順に(1)、(2)、(3)、(4)が指定され、被検査ラベルを貼る際に時間的に差があるとき、即ち被検査ラベルに交換ラベルが発生したときは、この順に貼っていく。そして、検査エリア82は破線87で区分けされ固定化されている。
【0007】
従って、まず検査エリア82(1)にPOSラベル83、包材ラベル84及び販促ラベル85の3種類の被検査ラベルを貼る。その後ラベルの交換、即ち販促ラベル85を再度検査する場合は、次の検査エリア82(2)に販促ラベル86を貼る。乙工場のラベル台帳80はこのようなフォーマットである。
【0008】
同図(c)に示す丙工場のラベル台帳90は、見本ラベル91に製品名「おにぎりいくら」とバーコードが表示され、その下に被検査ラベルを貼るための検査エリア92、93、94が設けてある。検査エリア92、93、94は破線99で区分けされ固定化されている。検査エリア92はPOSラベル95を貼る位置であるPOSエリアであり、検査エリア93は包材ラベル96を貼る位置である包材エリアであり、更に検査エリア94は販促ラベル97を貼る位置である販促エリアであり、固定化されている。被検査ラベルを貼る際に時間的に差があるとき、即ち被検査ラベルに交換ラベルが発生したときは、同じエリア内で下方向に順に貼っていく。
【0009】
従って、まず検査エリア92にPOSラベル95を貼り、検査エリア93に包材ラベル96を貼り、そして検査エリア94に販促ラベル97を貼る。その後ラベルの交換、即ち販促ラベル97を再度検査する場合は、検査エリア94に販促ラベル98を貼る。丙工場のラベル台帳90はこのようなフォーマットである。以上のように、従来のラベル台帳70、80、90は食品製造工場によって、レイアウト構成が異なる。
【0010】
ここで、ラベル台帳に正しく被検査ラベルが貼られているかを検査するのは、作業員が目視によって行っていた。ラベル台帳はこれを作成した時点で間違いを発見できれば、ラベルの貼付作業を含めた食品生産物の生産をストップすることができるため無駄な生産を未然に防ぐことができる。また、被検査ラベルは、ラベル台帳に貼ることで、ラベルのゆがみが発生しない状態で、異材ラベルの検査が可能になる。そのため当該ラベル台帳の作成に当たり、目視ではなくコンピュータ化することが求められている。そこで、コンピュータ化は、被検査ラベルが貼られたラベル台帳をスキャナ又はカメラで画像を取得し、台帳画像を画像解析により本来正しい被検査ラベルが貼られているか台帳検査システムにより自動的に検査することが考えられる。
【0011】
なお、特開2008−128944号公報(特許文献1)には、容器に貼付されたラベルの良否がラベラ内で検査できるラベル検査装置が記載されている。特許文献1のラベル検査装置は、ラベラ1内に撮像手段を設置し、特徴点と基準値とを比較演算してラベルの良否を判定するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来技術に関するラベル台帳の台帳画像を台帳検査システムにより画像解析するためには、各工場のラベル台帳のレイアウト構成を、台帳検査システムにより検査が可能になるようなレイアウト構成に変更する必要があった。即ち、前記
図9で示したように工場毎にラベル台帳のレイアウト構成が異なることから、各工場にラベル台帳のレイアウト変更を強いることになり、各工場にとって負担が大きい。一方、各工場のラベル台帳のレイアウト構成は、自由には設計変更ができないという事情もあった。また仮にラベル台帳のレイアウトが変更になると、台帳検査システムにそのレイアウトをその都度登録させる必要があった。
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、各工場のラベル台帳のレイアウトを変更することのないラベル台帳検査装置を提供することを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために本発明に関するラベル台帳検査装置は、食品生産物に貼付するラベルの適否を管理するために被検査ラベルを貼ったラベル台帳を検査するラベル台帳検査装置において、包材ラベル及びPOSラベルを含む前記被検査ラベルをフリーフォーマットで貼った前記ラベル台帳から撮像装置により取得した台帳画像を記憶する台帳画像格納部と、前記撮像装置から今回受信した前記台帳画像と、その直前に受信した前記台帳画像から差分画像を求め、前記差分画像から被検査ラベル画像を含めた検査領域を設定する検査領域設定部と、前記検査領域の前記被検査ラベル画像と、予め登録した登録ラベル画像を格納するラベル画像格納部と、前記ラベル画像格納部に格納した前記被検査ラベル画像と、前記登録ラベル画像を比較検査する被検査ラベル検査部とを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
上記構成を有する本発明によれば、検査領域設定部によって、撮像装置から今回受信した台帳画像と、直前に受信した台帳画像から差分画像を求めたので、交換された包材ラベル及びPOSラベルを含む被検査ラベルを特定することができる。従って、作業員は各工場のラベル台帳のレイアウトを気にすることなく、フリーフォーマットで被検査ラベルをラベル台帳に貼ることができるので、各工場のラベル台帳のレイアウトを変更することのないラベル台帳検査装置を提供することが可能になる。
【0017】
また、台帳検査システムを使用するとき、ラベル台帳のレイアウトにそれぞれ検査領域を定義する必要があるところ、本発明によれば、フリーフォーマットで被検査ラベルをラベル台帳のどこへ貼ってもよいため、検査領域を定義する必要がなくなるという効果を有する。
【0018】
また、前記検査領域を基準にした被検査ラベル画像と、ラベル画像格納部に予め登録した登録ラベル画像とを比較検査する被検査ラベル検査部を有するので、正確なラベル台帳を作成することができ、無駄な食品生産物の生産を未然に防ぐことができるという効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は第1の実施の形態に関するラベル台帳検査装置の構成を示すブロック図である。弁当や惣菜等の食品製造工場において、ラベル台帳3は、食品生産物にラベルを貼付する作業において、ラベルの適否を管理するために後述する被検査ラベル31を貼って作成される。作成されたラベル台帳3は撮像装置としてのカメラ又はスキャナ2によって走査され読み取られる。スキャナ2によって取得された後述する台帳画像3−2は画像信号としてラベル台帳検査装置1へ送られる。
【0021】
ラベル台帳検査装置1はパソコンからなり、スキャナ2からの画像信号を受信する画像入力部11を有する。画像入力部11で受信された画像信号は、台帳画像3−2に変換されて画像メモリ12の台帳画像格納部28に記憶される。また、台帳画像格納部28には、過去に受信した台帳画像3−1が格納されている。更に画像メモリ12のパラメータ格納部29には、台帳画像3−2に対応して台帳画像3−2のパラメータであるライン番号、商品番号、便番号及び検査日も記憶されている。更に、前記台帳画像格納部28には、後述する白紙の台帳画像3−0が記憶されている。白紙の台帳画像3−0とは、ラベル台帳3のうち未だ被検査ラベル31が貼られていないラベル台帳3の画像である。
【0022】
ラベル台帳検査装置1の対象領域差分計算部13は、第1回目の検査のとき、スキャナ2から今回受信した台帳画像3−2と白紙の台帳画像3−0から差分画像42を計算する。対象領域差分計算部13は、第2回目以降の検査のとき、今回受信した台帳画像3−2と、直前に受信した台帳画像3−1から差分画像42を計算する。差分画像42が求められれば、そこに時間的に差のある後述する被検査ラベル37、即ち交換された販促ラベル37が含まれていることが判明する。
【0023】
第1回目の検査か第2回目以降の検査かの判断は、前記台帳画像のパラメータであるライン番号、商品番号、便番号及び検査日が同一の台帳画像3−1が、画像メモリ12のパラメータ格納部29にあれば第2回目以降の検査であり、なければ第1回目の検査である。直前に受信した台帳画像3−1とは、スキャナ2により走査された前記台帳画像のパラメータであるライン番号、商品番号、便番号及び検査日が同一の画像のうち、検査時間が直前の台帳画像3−1である。
【0024】
中心点計算部14は、差分画像42を求めた後、この差分画像42の中心点43を計算する。検査領域設定部15は、中心点43から所定の距離を有する検査領域44を設定する。この検査領域44は被検査ラベル画像31−1毎に作成される。従って、検査領域44は、これらのうちいずれかの被検査ラベル画像31−1が含まれているので、検査領域44は、交換された被検査ラベル画像31−1を特定することになる。
【0025】
この被検査ラベル画像31−1と後述する予め登録した登録ラベル画像45とは、画像メモリ12のラベル画像格納部30に格納される。更に、被検査ラベル検査部16は、この被検査ラベル画像31−1と、登録ラベル画像45とを比較検査する。被検査ラベル検査部16は、被検査ラベル画像31−1の個数と画像のチェックである。ここで被検査ラベル検査部16が行う画像のチェックは、被検査ラベル画像31−1の特徴点と、登録ラベル画像45の特徴点を比較検査する。特徴点比較を行えば迅速化が期待できる。比較検査の結果、被検査ラベル画像31−1が、予め登録した登録ラベル画像45と同じであるときは、ラベル台帳3に誤りがないことになる。
【0026】
更に、表示部17は被検査ラベル検査部16による検査結果を表示し、そして、記憶部18はラベル台帳検査動作に必要な情報を記憶する。パラメータ比較部19は、パラメータ格納部29に記憶された台帳画像のパラメータであるライン番号、商品番号、便番号及び検査日が一致する台帳画像を抽出する。ここで、ライン番号とは食品生産のラインに付された固有の番号であり、商品番号とは食品生産物としての商品の種類に付された固有の番号であり、便番号とは食品生産のロット番号であり、検査日とはラベル台帳3の検査日である。そして、制御部20は、上記各部を制御する。
【0027】
図2はラベルの種類を示す説明図である。食品製造工場では、生産した食品生産物(ここでは「おにぎり」)に次の3種類のラベルを貼付していることを示している。POSラベル4は方形の台紙に商品の名称(ここでは「シーチキン(登録商標)マヨネーズ」)、消費期限(12年2月4日午後7時)、原材料名、製造者等を表示する。包材ラベル5は円形の台紙に食品生産物の内容(ここでは「シーチキンマヨネーズ」)と図形を表示する。そして、販促ラベル6は楕円形の台紙に消費者への販促のためのポイント点数を表示する。また、販促ラベル6は、新発売用の新発売シールの場合もある。
【0028】
これらのラベルは食品生産物としての「おにぎり」の生産過程で当該おにぎりに貼付される。そして、それに先立ち、POSラベル4、包材ラベル5及び販促ラベル6と同一の被検査ラベル31(即ち、POSラベル34、包材ラベル35及び販促ラベル36)が次に説明するラベル台帳3に貼られる。作業員は、ラベル台帳3に貼られている被検査ラベル31(即ち、POSラベル34、包材ラベル35及び販促ラベル36)を確認しながら、食品生産物としてのおにぎりにPOSラベル4、包材ラベル5、販促ラベル6を貼付する作業を行う。
【0029】
図3は本実施の形態に関するラベル台帳3のレイアウト構成を示す説明図である。本実施の形態に関するラベル台帳3のレイアウト構成は前述の従来の説明における
図9(a)の甲工場のラベル台帳70のレイアウト構成と同じとする。本実施の形態に関するラベル台帳3のレイアウト構成は、フリーフォーマットであるので、これに限らず、乙工場のラベル台帳80又は丙工場のラベル台帳90のレイアウト構成と同じであってもよい。
【0030】
同図に示す本実施の形態に関する甲工場のラベル台帳3は、最上部に工場名21として「甲」、生産ライン番号22として「01」及びこれらの情報を記載したバーコード23が表示される。次の段には、見本ラベル24として製品名「シーチキンマヨネーズ」及びバーコード25が表示される。
【0031】
その下に後述する被検査ラベル31(例えば、POSラベル34、包材ラベル35及び販促ラベル36)を貼る検査エリア26が設けてある。検査エリア26には破線27が記載されているが、フリーフォーマットで被検査ラベル31を貼ることができるので、破線27は無視してよい。従って、まず検査エリア26のどこでもよい場所に、POSラベル34、包材ラベル35及び販促ラベル36の3種類の被検査ラベル31を貼る。その後ラベルの交換、即ち販促ラベル36を再度検査する場合は、同じく検査エリア26のどこでもよい場所に、次の交換された販促ラベル37を貼ればよい。
【0032】
次に本実施の形態に関するラベル台帳検査装置1の動作について説明する。
図4は本実施の形態に関するラベル台帳検査装置の動作の概要を示す説明図である。まず、被検査ラベル31が貼られたラベル台帳3が作成される。本実施の形態に関するラベル台帳検査装置1は、このラベル台帳3に正しく被検査ラベル31が貼られているか検査するためにある。ラベル台帳3はスキャナ2によって走査され、ラベル台帳検査装置1に送られる。
【0033】
ラベル台帳検査装置1では、今回受信した台帳画像3−2と白紙の台帳画像3−0又は直前に受信した台帳画像3−1との間で差分画像42が作成される。今回受信した台帳画像3−2が第1回目の検査のときは、白紙の台帳画像3−0と比較される。第二回目の検査のときは、直前に受信した台帳画像3−1と比較される。そして、差分画像42が作成されると、それから被検査ラベル画像31−1が特定されるので、予め登録されている登録画像45との比較検査が行われる。
【0034】
次に、ラベル台帳検査装置1の動作の詳細について説明する。
図5は本実施の形態に関するラベル台帳検査装置の動作を示すフローチャートである。
S101:ラベル台帳検査装置1の制御部20は、画像入力部11に対して、スキャナ2からの画像信号を受け入れるよう指示する。そして、制御部20は、画像メモリ12の台帳画像格納部28に対して、受信した画像信号を台帳画像3−2に変換して格納するよう指示する。
【0035】
S102:制御部20は、パラメータ比較部19に対して、パラメータ格納部29に記憶されている台帳画像(例えば3−1)からパラメータを抽出するよう指示する。
【0036】
S103:そして、制御部20は、パラメータ比較部19に対して、今回受信した台帳画像3−2のパラメータと格納されている台帳画像(格納画像3−1)のパラメータを比較し、同一パラメータの格納画像3−1があるかどうか判断するよう指示する。
【0037】
S104:同一パラメータの格納画像3−1がない場合、即ち、ラベル台帳作成後第1回目の検査であるので、制御部20は、画像メモリ12に対し後述する白紙の台帳画像3−0を抽出するよう指示する。
【0038】
S105:制御部20は、対象領域差分計算部13に対し、白紙の台帳画像3−0と今回受信した台帳画像3−2から差分画像42を計算するよう指示する。
【0039】
S106:制御部20は、中心点計算部14に対し、この差分画像42の中心点43を計算するよう指示する。ここで
図6を用いて説明する。
図6は差分画像42の中心点43の計算を示す説明図である。同図(a)は白紙の台帳画像3−0の一部を示す。白紙の台帳画像3−0には被検査ラベル31の画像は存在しない。同図(b)は今回受信した台帳画像3−2の一部を示す。今回受信した台帳画像3−2には包材ラベル35の被検査ラベル画像31−1が現れている。ステップ105で計算された差分画像42は、同図(b)に示す今回受信した台帳画像3−2の一部と同じとなる。差分画像42は、X軸方向ではX2−X1であり、Y軸方向ではY2−Y1である。そして、ステップ106で計算された差分画像42の中心点43はX0=(X2−X1)/2、Y0=(Y2−Y1)/2より求められる。
【0040】
S107:差分画像42の中心点43が求められると、制御部20は、検査領域設定部15に対し、中心点43から所定の距離を有する検査領域44を設定するよう指示する。この検査領域44は被検査ラベル画像31−1を含むことになる。
図7は被検査ラベル画像31−1を含む検査領域44を示す説明図である。被検査ラベル画像31−1の中心に中心点43がある。当該中心点43から所定の距離をおいて検査領域44が設定されている。被検査ラベル画像31−1と予め登録されている登録ラベル画像45とは、画像メモリ12のラベル画像格納部30に格納される。その際、検査領域44毎に格納される。即ち、被検査ラベル画像31−1を含む検査領域44及び登録ラベル画像45を含む検査領域44が画像メモリ12に格納される。
【0041】
S108:制御部20は、被検査ラベル検査部16に対し、この被検査ラベル画像31−1と、予め登録した登録ラベル画像45とを比較検査するよう指示する。ここで被検査ラベル検査部16は、被検査ラベル画像31−1の特徴点と、登録ラベル画像45の特徴点を比較検査する。検査の結果、被検査ラベル画像31−1が、予め登録した登録ラベル画像45と同じであるときは、ラベル台帳3に誤りがないことになる。ラベル台帳3に誤りがないときは次のステップへ進む。ラベル台帳3に誤りがあるときは、制御部20は、表示部17にこれを表示し動作を中断する。
【0042】
S109:制御部20は他の被検査ラベル画像31−1がないかどうか判断する。他の被検査ラベル画像31−1があれば、ステップ105から108を繰り返す。他の被検査ラベル画像31−1がなければステップ116へ移行する。
【0043】
S110:ステップ103において、同一パラメータの格納画像3−1がある場合、即ち、ラベル台帳作成後第2回目以降の検査であるので、制御部20は、画像メモリ12に対し作成時間が直近の台帳画像3−1を抽出するよう指示する。
【0044】
S111:制御部20は、対象領域差分計算部13に対し、作成時間が直近の台帳画像3−1と今回受信した台帳画像3−2から差分画像42を計算するよう指示する。これにより、時間的に差のある被検査ラベル37、即ち交換された販促ラベル37を特定することができる。
【0045】
S112:制御部20は、中心点計算部14に対し、この差分画像42の中心点43を計算するよう指示する。詳細はステップ106と同じである。
【0046】
S113:差分画像42の中心点43が求められると、制御部20は、検査領域設定部15に対し、中心点43から所定の距離を有する検査領域44を設定するよう指示する。詳細はステップ107と同じである。
【0047】
S114:制御部20は、被検査ラベル検査部16に対し、この被検査ラベル画像31−1と、予め登録した登録ラベル画像45とを比較検査するよう指示する。被検査ラベル検査部16は、被検査ラベル画像31−1の特徴点と、登録ラベル画像45の特徴点を比較検査する。検査の結果、被検査ラベル画像31−1が、予め登録した登録ラベル画像45と同じであるときは、ラベル台帳3に誤りがないことになる。ラベル台帳3に誤りがないときは次のステップへ進む。ラベル台帳3に誤りがあるときは、制御部20は、表示部17にこれを表示し動作を中断する。
【0048】
S115:制御部20は他の被検査ラベル画像31−1がないかどうか判断する。他の被検査ラベル画像31−1があれば、ステップ111から114を繰り返す。他の被検査ラベル画像31−1がなければステップ116へ移行する。
【0049】
S116:ステップ109又は115において、他の被検査ラベル画像31−1がなければ、制御部20は表示部17に対し、ラベル台帳3の検査が完了しラベル台帳3が完成したことを表示するよう指示する。こうして、作業員は完成したラベル台帳3を使用して食品生産物の生産を開始する。
【0050】
図8は本実施の形態に関するラベル台帳3のレイアウト構成を示す説明図である。同図に示す甲工場のラベル台帳3は、
図3に示したラベル台帳3の検査エリア26の任意の位置に被検査ラベル31としてのPOSラベル34、包材ラベル35及び販促ラベル36の3種類の被検査ラベル31が貼られることを示す。更にその後、交換された販促ラベル37が貼られることを示す。検査エリア26は破線27が記載されているが、本実施の形態に関するラベル台帳3は、フリーフォーマットで被検査ラベル31を貼ることができるので無視してよい。
【0051】
以上本実施の形態によれば、検査領域設定部15によって、スキャナ2から今回受信した台帳画像3−2と、直前に受信した台帳画像3−1から差分画像42を求めるようにしたので、時間的に差のある被検査ラベル37、即ち交換された販促ラベル37を特定することができる。また、スキャナ2から今回受信した台帳画像3−2と、白紙の台帳画像3−0から差分画像42を求めるようにしたので、最初に貼った被検査ラベル31を特定することができる。
【0052】
従って、作業員は各工場のラベル台帳3のレイアウトを気にすることなく、フリーフォーマットで被検査ラベル31(例えば、POSラベル34、包材ラベル35及び販促ラベル36)をラベル台帳3に貼ることができるので、各工場のラベル台帳70、80、90のレイアウトを変更することのないラベル台帳検査装置1を提供することが可能になる。
【0053】
また、台帳検査システムを使用するとき、ラベル台帳70、80、90のレイアウトにそれぞれ検査領域44を定義する必要があるところ、本発明によれば、フリーフォーマットで被検査ラベル31(例えば、POSラベル34、包材ラベル35及び販促ラベル36)をラベル台帳3のどこへ貼ってもよいため、検査領域44を定義する必要がなくなるという効果を有する。
【0054】
また、前記検査領域44を基準にした被検査ラベル画像31−1と、画像メモリ12のラベル画像格納部30に予め登録した登録ラベル画像45とを比較検査する被検査ラベル検査部16を有するので、正確なラベル台帳3を作成することができ、無駄な食品生産物の生産を未然に防ぐことができるという効果を有する。