特許第6015839号(P6015839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6015839
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】コーンロープ設置具一式
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/02 20060101AFI20161013BHJP
【FI】
   E01F13/02 A
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-215094(P2015-215094)
(22)【出願日】2015年10月14日
【審査請求日】2016年2月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513185663
【氏名又は名称】風間 三和子
(72)【発明者】
【氏名】風間 三和子
(72)【発明者】
【氏名】風間 英男
【審査官】 苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−125815(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3033433(JP,U)
【文献】 特開2004−169425(JP,A)
【文献】 特開平05−059708(JP,A)
【文献】 米国特許第8777512(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 13/00〜 15/14
E01F 9/00〜 11/00
E04G 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロープを巻取り留めおく器具であるボビン体、ボビン体に挿入装着し、持ち運ぶ際に垂直に持ち上げて保持する手段である保持取っ手、ボビン体の巻取り軸部に巻き留められるゼブラ模様のコーンロープ、及びロードコーンに上から通し嵌めて使用される複数の樹脂製リング、から構成されたコーンロープ設置具において、ボビン体を、その巻取り軸部を水平に設置し、巻取り軸部の左右両端において車輪様に垂直面を成すボビン体側壁面と、保持取っ手が垂直に引っ張り上げられた状態で、保持取っ手は、その一部分が軸芯孔を貫通し、一端を軸芯孔の一方の出口で軸受で止め固定されてボビン体装着軸部を成し、軸芯孔の他方の出口から外に出て、そのまま連続一体的に、ボビン体側壁面に沿って垂直上方に折れ伸び、ボビン体側壁面を通り過ぎて直ぐに巻取り軸部へ折れ伸び、巻取り軸部中央地点上方にて垂直方向に折れ昇り、程なくボビン体装着軸部と直交方向に水平伸長してグリップ部を形成し、ボビン体より外側へ少しはみ出た上方箇所で再び垂直方向へ折れ下がり、ボビン体装着軸部の略高さ位置で再び直交的に折れ、グリップ部の段差延長状に水平伸長し、程なく再度垂直上方に短く折れ曲がり、終端域の上方に開口する略コ字型のカギフック状域をリングハンガー部と成し、ボビン体側壁面の軸受側には、円周縁寄りに、コーンロープを巻き取るためのハンドルを設け、ハンドル端部には吊り紐を設け、ボビン体の巻取り軸部に巻き留められたコーンロープの取出し先端に、リングに巻き止め結合するための着部を設け、前記樹脂製リングは、内径略10cmでロードコーンの頂端から7〜8合目程の位置で停止するものであり、リングハンガー部に掛け並べられた複数の該リングはリングトンネルを形成し、前記コーンロープの取出し先端に設けられた前記巻着部を該リングトンネルのボビン体側から通しくぐらせて、一番外側の先頭リングの任意の部位に結合した、コーンロープ設置具であり、当該リングを適宜間隔で配置されたロードコーン頂端に通し嵌めることによりコーンロープがリングとの間に挟まり固定されて緊張状態をなし、ボビン体のハンドルを巻き戻すことにより、リングはロードコーンから外れてボビン体近傍にたぐり寄せられてリングハンガー部に収容されることを特徴とする、コーンロープ設置具一式。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事現場で作業安全帯を確保するためのロードコーンを連結するゼブラ模様のロープやテープ(以下コーンロープと総称する)の設置用器具一式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、小規模や移動の伴う工事現場では、両端に硬質リングを装着した黒と黄色のゼブラ模様のコーンバー(以下バーと呼ぶ)で、コーンとコーンを連結し、それを連続して作業帯を囲い安全帯としてきたが、バーの長さが制限になり、コーンの位置取りを直す手間や、バーの数が多くなると、移動の持ち運びに負担がかかる問題があった。
バーに代わりコーンに被せるリングを加工してロープを保持する取付具の先行技術も知られる。
(特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2014−125815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
参照文献1に示される先行技術は、ほぼ垂直のL字型に結合された2つのリングを一体成型とあるが、結合部やリングの開口部を含めてその製作工程は複雑になる。
またロープを保持するにはリング材の硬度が必要で、そのため取付具がL字型等のかさばる形になるので複数個を持ち運ぶには不便で、取付具を一つにとりまとめ、数多くのコーンを連続して連結する作業には問題がでてくる。
逆にリングを折り重ねられる位柔軟にした場合はロープの保持力が低下する。
次に取付具の設定時やロープのゆるみを直す時にロープ組が必要であるが、コーンバーを使った方が簡単で強固であるという矛盾を生じる。
本発明は以上の問題点を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ロープを巻き取り留め置く器具であるボビン体、ボビン体に挿入装着し、持ち運ぶ際に垂直に持ち上げて保持する手段である保持取っ手、ボビン体の巻取り軸部に巻きとめられるゼブラ模様のコーンロープ、及びロードコーンに上から通し嵌めて使用される複数の樹脂製リング、これらの諸要素によって構成される。以下、全体的な構成を説明するに際しては、ボビン体を、その巻取り軸部を水平にして平面に置き、巻取り軸部の左右両端において車輪様に垂直面を成す部位をボビン体側壁面と呼称し、保持取っ手が垂直に引っ張り上げられた状態を前提とする。
保持取っ手は、その一部分が軸芯孔を貫通し、一端を軸芯孔の一方の出口で軸受で止め固定されてボビン体装着軸部を成し、軸芯孔の他方の出口から外に出て、そのまま連続一体的に、まずボビン体側壁面に沿って、即ち垂直上方に折れ伸びて、ボビン体側壁面を通り過ぎてすぐに巻取り軸部側へ折れ伸び、巻取り軸部中央地点上空にて垂直方向に折れ昇り、程なくボビン体装着軸部と直交方向に水平伸長してグリップ部と成しながら、ボビン体より外側へ少しはみ出た上空時点で再び垂直方向へ折れ下がり、ボビン体装着軸部の高さ位置辺で再び直交的に折れ、グリップ部の段差延長的に水平伸長し、程なく再度垂直上方に短く折れ曲がり、この最後の終端域の、上方に開口する略コの字型のカギフック状域をリングハンガー部と成す。
ボビン体側壁面の軸受側には、円周縁寄りに、コーンロープを巻き取るためのハンドルをを設け、ハンドル端部には吊り紐を設ける。ボビン体の巻取り軸部に巻き留められたコーンロープの取り出し先端には、リングに巻き止め結合するための巻着部を設ける。
別に用意される樹脂製リングは、内径10cm程で、カラーコーンの頂端から通して7〜8合目程の位置で下げ止まればよく、太過ぎない方が良い。この様なリングの複数をリングハンガー部に掛け並べ、そこに出来た輪トンネルのボビン体側からコーンロープ先端を通しくぐらせ、一番外側先頭のリングの任意の部位に巻着部で結合する。
この様に準備されたリングを、作業現場の状況に見合った合理的な個数と最適な間隔で配置されたロードコーンに、次々と順番にロードコーンの頂端からポンポンと軽く通し嵌める。ボビン体そのものも作業場の邪魔にならない様に、最後尾のロードコーンに吊り紐をを掛け通して吊るし置ける。全てのロードコーンにおいて、コーンロープがリングとの間に挟まる形で固定され、ロードコーン相互間はピンと張ったコーンロープで連結され、かくして整然と列と間隔を保って安定配置されたロードコーンとコーンロープによって、キリッとした作業安全帯が確保される。
片づける時は、ボビン体のハンドルを回してコーンロープを巻き戻すと、リングは引っ張られて次々とロードコーンから外れて、あれよあれよという間にボビン体近傍にたぐり寄せられ、リングハンガー部に整然と掛け並べて簡単に収納される。こうした一式全体ははコンパクトなので、吊り紐で壁面フックに吊り下げて収納することもできる。
以上を特徴とするコーンロープ設置具一式である。
【発明の効果】
【0006】
本発明は作業安全帯を設置するに、コーンの位置がコーンバーの長さに制限され何回も据え直したり、コーンバーを何本も持ち運ぶ手間がなく、輪の状態だけで何の加工もされていないリングとコ−ンロープをコーンに挟み込むだけでコーンの位置を自由に設定でき、ロープがゆるめば、コーンに被せたリングを押し下げるだけでたるみを修正できる。
リングを被せるだけなので簡単にコーンとコーンを連結していける。
収納は先頭のリングにロープが直結されているので、張力により、巻き取り取っ手の付いたボビンを手回しすると簡単にリングがコーンからはずれる。
収納したら両手内に収まるほどかさばらずコンパクトで、持ち運びが簡単で保管場所もとらない画期的なものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】 本発明の斜視図。
図2】 本発明の側面図。
図3】 本発明の平面図。
図4】 本発明を設置している状態を示す平面図。
図5】 本発明を設置し使用している状態を示すイメージ側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
ロープを巻き取り留め置く器具であるボビン体(1)、ボビン体(1)に挿入装着し、持ち運ぶ際に垂直に持ち上げて保持する手段である保持取っ手(2)、ボビン体(1)の巻取り軸部に巻きとめられるゼブラ模様のコーンロープ(10)、及びロードコーン(11)に上から通し嵌めて使用される複数の樹脂製リング(9)、これらの諸要素によって構成される。以下、全体的な構成を説明するに際しては、ボビン体(1)をその巻取り軸部(4)を水平にして平面に置き、巻取り軸部の左右両端において車輪様に垂直面を成す部位をボビン体側壁面(14)と呼称し、保持取っ手(2)が垂直に引っ張り上げられた状態を前提とする。
保持取っ手(2)は、その一部分が軸芯孔を貫通し、一端を軸芯孔の一方の出口で軸受で止め固定されてボビン体装着軸部(7)を成し、軸芯孔の他方の出口から外に出て、そのまま連続一体的に、まずボビン体側壁面(7)に沿って、即ち垂直上方に折れ伸びて、ボビン体側壁面(7)を通り過ぎて直ぐに巻取り軸部側(4)へ折れ伸び、巻取り軸部(4)中央地点上空にて垂直方向に折れ昇り、程なくボビン体装着軸部(7)と直交方向に水平伸長してグリップ部(8)と成しながら、ボビン体(1)より外側へ少しはみ出た上空時点で再び垂直方向へ折れ下がり、ボビン体装着軸部(7)の高さ位置辺で再び直交的に折れ、グリップ部(8)の段差延長的に水平伸長し、程なく再度垂直上方に短く折れ曲がり、この最後の終端域の、上方に開口する略コの字型のカギフック状域をリングハンガー部(3)と成す。
ボビン体側壁面(14)の軸受側には、円周縁寄りに、コーンロープを巻き取るためのハンドル(5)を設け、ハンドル(5)端部には吊り紐(12)を設ける。ボビン体(1)の巻取り軸部に巻き止められたコーンロープ(10)の取り出し先端には、リング(9)に巻き止め結合するための巻着部(15)を設ける。
別に用意される樹脂製リング(9)は、内径約10cm程で、ロードコーン(11)の頂端から通して7〜8合目程の位置で下げ止まればよく、太過ぎない方が良い。この様なリング(9)の複数をリングハンガー部(3)に掛け並べ、そこに出来た輪トンネルのボビン体(1)側からコーンロープ(10)先端を通しくぐらせ、一番外側先頭のリング(9)の任意の部位に巻着部(15)で結合する。
この様に準備されたリング(9)を、作業現場の状況に見合った合理的な個数と最適な間隔で配置されたロードコーン(11)に、次々と順番にロードコーン(11)の頂端からポンポンと軽く通し嵌める。ボビン体(1)そのものも作業場の邪魔にならない様に、最後尾のロードコーン(11)に吊り紐(12)を掛か通して吊るし置ける。全てのロードコーン(11)において、コーンロープ(10)がリング(9)との間に挟まる形で固定され、ロードコーン(11)相互間はピンと張ったコーンロープ(10)で連結され、かくして整然と列と間隔を保って安定配置されたロードコーン(11)とコーンロープ(10)によってキリッとした作業安全帯(16)が確保される。
片づける時は、ボビン体(1)のハンドル(5)を回してコーンロープ(10)を巻き戻すと、リング(9)は引っ張られて次々とロードコーン(11)から外れて、あれよあれよという間にボビン体(1)近傍にたぐりよせられ、リングハンガー部(3)に整然と掛け並べて簡単に収納される。こうした一式全体はコンパクトなので、吊り紐(12)で壁面フックに吊り下げて収納することもできる。
以上のような構成であって、以下これを実際に使用する時の形態を説明する。
小規模や移動の伴う工事現場で作業安全帯(16)を確保する時、コーンロープ(10)をくぐらせたリング(9)を、ロードコーン(11)に挟み込むように被せていく。
それを連続することで作業安全帯(16)を構成する。
コーンバーの長さに合わせてロードコーン(11)の位置をずらす手間がかからず、簡単に作業安全帯(16)を設置でき、作業を撤去する時も多数のコーンバーを抱え込むこともなく、コーンロープ(10)を巻き取るだけでコンパクトに収納できる。
以上を特徴とするコーンロープ設置具一式である。
【符号の説明】
【0009】
1 ボビン体、2 保持取っ手、3 リングハンガー部、4 巻取り軸部、5 ハンドル、6 軸芯孔、7 ボビン体装着軸部、8 グリップ部、9 リング、10 コーンロープ、11 ロードコーン、12 吊り紐、13 軸受、14 ボビン体側壁面、15 巻着部、16 作業安全帯
【要約】
【課題】工事現場で作業安全帯を確保するためのロードコーンやゼブラ棒、ロープ等の面倒な設置や持ち運びを簡単便利にしたコーンロープ設置具一式を提供する。
【解決手段】一端をボビン体の軸芯孔に挿し通して保持するところの保持取っ手において、他端に複数のリングを掛けるリングハンガー部を設け、巻取り部から取り出すコーンロープの先端にリングに結合する巻着部を設け、掛け並べたリング列の輪トンネルをボビン体側からくぐり通し、一番外側先頭のリングにコーンロープの巻着部をワンタッチ結合し、あらかじめ作業現場に配置されたロードコーンに上から次々とリングを通し嵌めて使用し、片付ける時は、ボビン体のハンドルを回してコーンロープを巻き戻せば、リングは勝手に外れてたちまちボビン体傍に回収できることを特徴とするコーンロープ設置具一式。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5