【0008】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
ロープを巻き取り留め置く器具であるボビン体(1)、ボビン体(1)に挿入装着
し、持ち運ぶ際に垂直に持ち上げて保持する手段である保持取っ手(2)、ボビン体(1)の巻取り軸部に巻きとめられるゼブラ模様のコーンロープ(10)、及び
ロードコーン(11)に上から通し嵌めて使用される複数の樹脂製リング(9)、これらの諸要素によって構成される。以下、全体的な構成を説明するに際しては、ボビン体(1)をその巻取り軸部(4)を水平にして平面に置き、巻取り軸部の左右両端において車輪様に垂直面を成す部位をボビン体側壁面(14)と呼称し、保持取っ手(2)が垂直に引っ張り上げられた状態を前提とする。
保持取っ手(2)は、その一部分が軸芯孔を貫通し、一端を軸芯孔の一方の出口で軸受で止め固定されてボビン体装着軸部(7)を成し、軸芯孔の他方の出口から外に出て、そのまま連続一体的に、まずボビン体側壁面(7)に沿っ
て、即ち垂直上方に折れ伸びて、ボビン体側壁面(7)を通り過ぎて直ぐに巻取り軸部側(4)へ折れ伸び、巻取り軸部(4)中央地点上空にて垂直方向に折れ昇り、程なくボビン体装着軸部(7)と直交方向に水平伸長してグリップ部(8)と成しながら、ボビン体(1)より外側へ少しはみ出た上空時点で再び垂直方向へ折れ下がり、ボビン体装着軸部(7)の高さ位置辺で再び直交的に折
れ、グリップ部(8)の段差延長的に水平伸長し、程なく再度垂直上方に短く折れ曲がり、この最後の終端域
の、上方に開口する略コの字型のカギフック状域をリングハンガー部(3)と成す。
ボビン体側壁面(14)の軸受側には、円周縁寄りに、コーンロープを巻き取るためのハンドル(5)を設け、ハンドル(5)端部には吊り紐(12)を設ける。ボビン体(1)の巻取り軸部に巻き止められたコーンロープ(10)の取り出し先端には、リング(9)に巻き止め結合するための巻着部(15)を設ける。
別に用意される樹脂製リング(9)は、内径約10cm程で、
ロードコーン(11)の頂端から通して7〜8合目程の位置で下げ止まればよく、太過ぎない方が良い。この様なリング(9)の複数をリングハンガー部(3)に掛け並べ、そこに出来た輪トンネルのボビン体(1)側からコーンロープ(10)先端を通しくぐらせ、一番外側先頭のリング(9)の任意の部位に巻着部(15)で結合する。
この様に準備されたリング(9)を、作業現場の状況に見合った合理的な個数と最適な間隔で配置された
ロードコーン(11)に、次々と順番に
ロードコーン(11)の頂端からポンポンと軽く通し嵌める。ボビン体(1)そのものも作業場の邪魔にならない様に、最後尾の
ロードコーン(11)に吊り紐(12)を掛か通して吊るし置ける。全ての
ロードコーン(11)において、コーンロープ(10)がリング(9)との間に挟まる形で固定され、
ロードコーン(11)相互間はピンと張ったコーンロープ(10)で連結され、かくして整然と列と間隔を保って安定配置された
ロードコーン(11)とコーンロープ(10)によってキリッとした作業安全帯(16)が確保される。
片づける時は、ボビン体(1)のハンドル(5)を回してコーンロープ(10)を巻き戻すと、リング(9)は引っ張られて次々と
ロードコーン(11)から外れて、あれよあれよという間にボビン体(1)近傍にたぐりよせられ、リングハンガー部(3)に整然と掛け並べて簡単に収納される。こうした一式全体はコンパクトなので、吊り紐(12)で壁面フックに吊り下げて収納することもできる。
以上のような構成であって、以下これを実際に使用する時の形態を説明する。
小規模や移動の伴う工事現場で作業安全帯(16)を確保する時、コーンロープ(10)をくぐらせたリング(9)を、
ロードコーン(11)に挟み込むように被せていく。
それを連続することで作業安全帯(16)を構成する。
コーンバーの長さに合わせて
ロードコーン(11)の位置をずらす手間がかからず、簡単に作業安全帯(16)を設置でき、作業を撤去する時も多数のコーンバーを抱え込むこともなく、コーンロープ(10)を巻き取るだけでコンパクトに収納できる。
以上を特徴とするコーンロープ設置具一式である。