(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、25℃における粘度が50,000mPa・s以下である低粘度オルガノポリシロキサン(E)を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう)は、シラノール基およびアリール基を有するケイ素含有化合物(A)と、1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子および少なくとも1個のアリール基を有するケイ素含有化合物(B)と、アルケニル基およびアリール基を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)と、ヒドロシリル化反応用触媒(D)と、を含有する硬化性樹脂組成物である。
以下、本発明の組成物が含有する各成分について詳細に説明する。
【0012】
<ケイ素含有化合物(A)>
ケイ素含有化合物(A)は、シラノール基(Si−OH)およびアリール基を有するケイ素含有化合物である。本発明の組成物は、シラノール基を有するケイ素含有化合物(A)を含有することにより、ヒュームドシリカ等を使用した場合と異なり、良好な透明性を維持しつつ、蛍光体に由来する斑の発生を抑制できる。この理由は明らかではないが、シラノール基がケイ素含有化合物(A)と蛍光体との親和性を良好にし、斑の原因となる蛍光体の分散性が向上するためと考えられる。もっとも、これ以外のメカニズムにより上記効果が得られるものであっても、本発明の範囲に含まれるものとする。
【0013】
なお、ケイ素含有化合物(A)は、得られる硬化物の光の屈折、反射、散乱等による減衰が小さいことから、少なくとも1個のアリール基を有している。このアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、フェニル基が好ましい。
【0014】
ケイ素含有化合物(A)は、シラノール基およびアリール基を有する化合物であれば特に限定されない。したがって、ケイ素含有化合物(A)は、その他に、置換または非置換の一価炭化水素基を有していてもよいが、ケイ素原子に直接結合したアルケニル基を有しないのが好ましい。
【0015】
このようなケイ素含有化合物(A)としては、例えば、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオールなどのシランが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
また、ケイ素含有化合物(A)は、シラノール基およびアリール基を有するオルガノポリシロキサンであってもよい。このようなオルガノポリシロキサンであるケイ素含有化合物(A)としては、例えば、下記式(A1)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンが好適に挙げられる。
HOR
112SiO(R
112SiO)
n1SiR
112OH ・・・(A1)
式(A1)中、各R
11は独立に、脂肪族不飽和結合を有さない置換または非置換の一価炭化水素基である。R
11の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基などの炭素数7〜18のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基などの炭素数1〜18のハロゲン化アルキル基;等が挙げられ、なかでも、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、メチル基(以下、「Me」で示すことがある)がより好ましい。
なお、R
11の少なくとも1個はアリール基であり、フェニル基(以下、「Ph」で示すことがある)が好ましい。
式(A1)中、n1は平均値で1以上の正数であり、1〜1,000の正数が好ましく、2〜100の正数がより好ましい。
【0017】
また、シラノール基およびアリール基を有するオルガノポリシロキサンであるケイ素含有化合物(A)としては、上述した直鎖状オルガノポリシロキサンのほか、分岐鎖状オルガノポリシロキサンであってもよい。この分岐鎖状オルガノポリシロキサンにおいて、シラノール基の含有量は、0.0001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。また、ケイ素原子結合全有機基の少なくとも10モル%はアリール基であるのが好ましく、少なくとも30モル%はアリール基であるのがより好ましい。さらに、重量平均分子量(Mw)は、500〜5,000が好ましく、1,000〜3,000がより好ましい。分岐鎖状オルガノポリシロキサンであるケイ素含有化合物(A)としては、例えば、下記平均単位式(A2)で表される分岐鎖状オルガノポリシロキサンが挙げられる。
(R
12SiO
3/2)
a(R
122SiO
2/2)
b(R
123SiO
1/2)
c(SiO
4/2)
d(X
12O
1/2)
e …(A2)
式(A2)中、各R
12は独立に、置換もしくは非置換の一価炭化水素基またはヒドロキシ基(−OH)である。R
12の一価炭化水素基は、上述したR
11の一価炭化水素基と同義である。なお、1分子中、R
12の少なくとも1個はアリール基である。また、eが0の場合またはeが正数であってX
12が水素原子ではない場合、1分子中、R
12の少なくとも1個はヒドロキシ基である。
式(A2)中、X
12は水素原子またはアルキル基である。このアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基が挙げられ、メチル基が好ましい。
式(A2)中、aは正数であり、bは0または正数であり、cは0または正数であり、dは0または正数であり、eは0または正数であり、かつ、b/aは0〜10の範囲内の数であり、c/aは0〜5の範囲内の数であり、d/(a+b+c+d)は0〜0.3の範囲内の数であり、e/(a+b+c+d)は0〜0.4の範囲内の数である。
このようなシラノール基およびアリール基を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサンとしては市販品を用いることができ、具体的には、例えば、217Flake(東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられる。
【0018】
このように、ケイ素含有化合物(A)としては、上記シラン、上記直鎖状オルガノポリシロキサン、および、上記分岐鎖状オルガノポリシロキサンが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このとき、本発明の組成物の硬化物の透明性がより優れるという理由からは、上記直鎖状オルガノポリシロキサン、および、上記分岐鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。
また、斑の発生を抑制する効果がより優れるという理由からは、上記直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。
そして、透明性と斑の発生を抑制する効果とがいずれもより優れるという理由からは、上記直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0019】
ケイ素含有化合物(A)の含有量は、蛍光体の分散性をより良好にするという理由から、後述するケイ素含有化合物(B)および分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)の合計100質量部に対して、5〜90質量部が好ましく、10〜60質量部がより好ましい。
【0020】
<ケイ素含有化合物(B)>
ケイ素含有化合物(B)は、1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子(Si−H)および少なくとも1個のアリール基を有するケイ素含有化合物である。
ケイ素含有化合物(B)は、後述する分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)のアルケニル基に対して付加反応(ヒドロシリル化反応)する。このとき、ケイ素含有化合物(B)は、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有しているため、分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)どうしの架橋剤として機能し得る。
なお、ケイ素含有化合物(B)は、得られる硬化物の光の屈折、反射、散乱等による減衰が小さいことから、少なくとも1個のアリール基を有している。このアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、フェニル基が好ましい。
【0021】
このようなケイ素含有化合物(B)としては、例えば、テトラフェニルジシラン(1,1,2,2−テトラフェニルジシラン)、ジフェニルシラン、フェニルシランなどのシランが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
また、ケイ素含有化合物(B)としては、1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子(Si−H)および少なくとも1個のアリール基を有する直鎖状オルガノポリシロキサン(以下、便宜的に「直鎖状オルガノポリシロキサン(B)」ともいう)であってもよい。
直鎖状オルガノポリシロキサン(B)の重合度は、本発明の組成物の硬化物の密着性が優れ、かつ、作業性も良好になるという理由から、10超が好ましく、30超がより好ましく、30超1,000以下がさらに好ましく、30超500以下が特に好ましい。
なお、本明細書において、直鎖状オルガノポリシロキサンの重合度は、その直鎖状オルガノポリシロキサンにおけるケイ素原子数から両末端にある2個のケイ素原子数を引いた数に等しい。
例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン(B)が後述する式(B1)で表されるオルガノポリシロキサンである場合、その重合度は、式(B1)中のn2が示す値である。
【0023】
このような直鎖状オルガノポリシロキサン(B)としては、分子鎖両末端がジオルガノハイドロジェンシロキシ基で封鎖された直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましく、例えば、下記式(B1)で表されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。
HR
212SiO(R
212SiO)
n2SiR
212H ・・・(B1)
式(B1)中、各R
21は独立に、脂肪族不飽和結合を有さない置換または非置換の一価炭化水素基である。R
21の一価炭化水素基は、上述したR
11の一価炭化水素基と同義である。
なお、R
21の少なくとも1個はアリール基であり、少なくとも30モル%はアリール基であるのが好ましく、少なくとも40モル%がアリール基であるのがより好ましい。アリール基は、炭素数6〜18のアリール基であり、フェニル基が好ましい。
式(B1)中、n2は平均値で1以上の正数であり、10超の正数が好ましく、30超の正数がより好ましく、30超1,000以下の正数がさらに好ましく、30超500以下の正数が特に好ましい。nが上記範囲であれば、硬化物の密着性が優れる。
【0024】
直鎖状オルガノポリシロキサン(B)の重量平均分子量(Mw)は、硬化物にじん性が生じるという理由から、500〜1,000,000が好ましく、1,000〜150,000がより好ましい。
なお、本発明において、重量平均分子量とは、クロロホルムを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量であるものとする。
また、直鎖状オルガノポリシロキサン(B)の25℃における粘度は、20〜1,000,000mPa・sが好ましく、200〜100,000mPa・sがより好ましい。
なお、本発明において、粘度とは、JIS K7117−1の4.1(ブルックフィールド形回転粘度計)に準拠し、25℃において測定されたものとする。
【0025】
また、ケイ素含有化合物(B)は、上述した直鎖状オルガノポリシロキサン(B)のほか、1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子および少なくとも1個のアリール基を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサンであってもよい。
この分岐鎖状オルガノポリシロキサンにおいて、ケイ素原子結合水素原子の含有量は、0.00001〜2質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。また、ケイ素原子結合全有機基の少なくとも10モル%はアリール基であるのが好ましく、少なくとも30モル%はアリール基であるのがより好ましい。さらに、重量平均分子量(Mw)は、500〜5,000が好ましく、1,000〜3,000がより好ましい。
分岐鎖状オルガノポリシロキサンであるケイ素含有化合物(B)としては、例えば、下記平均単位式(B2)で表される分岐鎖状オルガノポリシロキサンが挙げられる。
(R
22SiO
3/2)
a(R
222SiO
2/2)
b(R
223SiO
1/2)
c(SiO
4/2)
d(X
22O
1/2)
e …(B2)
式(B2)中、各R
22は独立に、置換もしくは非置換の一価炭化水素基または水素原子である。R
22の一価炭化水素基は、上述したR
11の一価炭化水素基と同義である。なお、1分子中、R
22の少なくとも1個はアリール基である。1分子中、R
22の少なくとも2個は水素原子である。
式(B2)中、X
22は水素原子またはアルキル基である。このアルキル基としては、上述したX
12のアルキル基と同義である。
式(B2)中、aは正数であり、bは0または正数であり、cは0または正数であり、dは0または正数であり、eは0または正数であり、かつ、b/aは0〜10の範囲内の数であり、c/aは0〜5の範囲内の数であり、d/(a+b+c+d)は0〜0.3の範囲内の数であり、e/(a+b+c+d)は0〜0.4の範囲内の数である。
【0026】
このように、ケイ素含有化合物(B)としては、上記シラン、上記直鎖状オルガノポリシロキサン(直鎖状オルガノポリシロキサン(B))、上記分岐鎖状オルガノポリシロキサンが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
<分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)>
分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)は、1分子中に、アルケニル基およびアリール基を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサンである。
このアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などの炭素数2〜18のアルケニル基が挙げられ、ビニル基(以下、「Vi」で示すことがある)が好ましい。
1分子中のアルケニル基は、2〜12質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
【0028】
また、分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)は、少なくとも1個のアリール基を有しており、ケイ素原子結合全有機基の少なくとも30モル%はアリール基であるのが好ましく、少なくとも40モル%はアリール基であるのがより好ましい。
このアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、フェニル基が好ましい。
これにより、得られる硬化物の光の屈折、反射、散乱等による減衰が小さくなるうえ、同じくアリール基を有するケイ素含有化合物(A)やケイ素含有化合物(B)との相溶性に優れ、濁り等が抑えられ、硬化物の透明性に優れる。
【0029】
分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)中のその他のケイ素原子に結合する基としては、例えば、アルケニル基およびアリール基を除く置換または非置換の一価炭化水素基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基;ベンジル基、フェネチル基などの炭素数7〜18のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基などの炭素数1〜18のハロゲン化アルキル基;等が挙げられ、その他少量の基として、ケイ素原子結合水酸基やケイ素原子結合アルコキシ基を有してもよい。このアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
【0030】
このような分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)としては、下記平均単位式(C1)で表されるオルガノポリシロキサンが好ましい。
(R
31SiO
3/2)
a(R
312SiO
2/2)
b(R
313SiO
1/2)
c(SiO
4/2)
d(X
31O
1/2)
e …(C1)
式(C1)中、各R
31は独立に、置換または非置換の一価炭化水素基である。この一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などの炭素数2〜18のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基などの炭素数7〜18のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基などの炭素数1〜18のハロゲン化アルキル基;等が挙げられる。
ただし、1分子中、R
31の少なくとも1個はアルケニル基であり、アルケニル基であるR
31が2〜12質量%となる量が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
また、1分子中、R
31の少なくとも1個はアリール基であり、全R
31の少なくとも30モル%はアリール基であるのが好ましく、少なくとも40モル%はアリール基であるのがより好ましい。
式(C1)中、X
31は水素原子またはアルキル基である。このアルキル基としては、上述したX
12のアルキル基と同義である。
式(C1)中、aは正数であり、bは0または正数であり、cは0または正数であり、dは0または正数であり、eは0または正数であり、かつ、b/aは0〜10の範囲内の数であり、c/aは0〜5の範囲内の数であり、d/(a+b+c+d)は0〜0.3の範囲内の数であり、e/(a+b+c+d)は0〜0.4の範囲内の数である。
【0031】
分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜300,000が好ましく、1,000〜100,000がより好ましい。
なお、分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)は、非常に粘稠な半固体状物または個体状物であり、粘度の測定は困難である。
【0032】
分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)の含有量は、ケイ素原子結合水素原子を有するケイ素含有化合物(B)(本発明の組成物が、他に、ケイ素原子結合水素原子を有するケイ素含有化合物を含有する場合は、そのケイ素含有化合物も含む。以下同様)のケイ素原子結合水素原子と、分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)のアルケニル基とのモル比(以下、便宜的に「Si−H/Si−Viモル比」ともいう)が、0.5〜5.0を満たす量であるのが好ましく、0.5〜1.5を満たす量であるのがより好ましい。
Si−H/Si−Viモル比がこの範囲であれば、本発明の組成物の硬化性が優れ、また、硬化物の密着性も優れる。
【0033】
<ヒドロシリル化反応用触媒(D)>
本発明の組成物に含有されるヒドロシリル化反応用触媒(D)は、ケイ素原子結合水素原子(Si−H)を有するケイ素含有化合物(B)と併用されて、分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)のアルケニル基に対する付加反応(ヒドロシリル化反応)を促進する触媒として機能する。
ヒドロシリル化反応用触媒(D)としては、従来公知のものを使用でき、例えば、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等が挙げられ、白金系触媒が好ましい。白金系触媒の具体例としては、塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィン錯体、塩化白金酸−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、塩化白金酸−アルコール配位化合物、白金のジケトン錯体、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒドロシリル化反応用触媒(D)の含有量は、触媒量であるが、本発明の組成物の硬化性が優れるという理由から、上述したケイ素含有化合物(B)および分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)の合計100質量部に対して、0.00001〜0.1質量部が好ましく、0.0001〜0.01質量部がより好ましい。
【0034】
<低粘度オルガノポリシロキサン(E)>
本発明の組成物は、25℃における粘度が50,000mPa・s以下である低粘度オルガノポリシロキサン(E)を含有するのが好ましい。低粘度オルガノポリシロキサン(E)を含有することにより、硬化物の密着性が優れる。これは、低粘度化することによって可とう性が付与され、クラック等が生じにくくなるためと考えられる。
硬化物の密着性がより優れるという理由から、低粘度オルガノポリシロキサン(E)の25℃における粘度は、1,000〜30,000mPa・sが好ましい。
【0035】
このような低粘度オルガノポリシロキサン(E)の具体例としては、下記平均単位式(E1)で表されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。
(R
41SiO
3/2)
f(R
412SiO
2/2)
g(R
413SiO
1/2)
h(SiO
4/2)
i(X
41O
1/2)
j …(E1)
【0036】
式(E1)中、各R
41は独立に、置換または非置換の一価炭化水素基である。この一価炭化水素基は、上述したR
31の一価炭化水素基と同義である。
ただし、1分子中、R
41の少なくとも1個はアルケニル基であり、アルケニル基であるR
41が2〜12質量%となる量が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
また、1分子中、全R
41の少なくとも10モル%はアリール基であるのが好ましい。
【0037】
式(E1)中、X
2は水素原子またはアルキル基である。このアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基が挙げられ、メチル基が好ましい。
【0038】
式(E1)中、fは正数であり、gは0または正数であり、hは0または正数であり、iは0または正数であり、jは0または正数であり、かつ、g/fは0〜10の範囲内の数であり、h/fは0〜0.5の範囲内の数であり、i/(f+g+h+i)は0〜0.3の範囲内の数であり、j/(f+g+h+i)は0〜0.4の範囲内の数である。
【0039】
低粘度オルガノポリシロキサン(E)の重量平均分子量(Mw)は、500〜50,000が好ましく、1,000〜30,000がより好ましい。
また、低粘度オルガノポリシロキサン(E)の含有量は、特に限定されないが、例えば、上述したケイ素含有化合物(B)および分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)の合計100質量部に対し、5〜50質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
【0040】
<硬化遅延剤(F)>
本発明の組成物は、さらに、硬化遅延剤(F)を含有していてもよい。硬化遅延剤(F)は、本発明の組成物の硬化速度や作業可使時間を調整するための成分であり、例えば、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール、1−エチニル−1−シクロヘキサノールなどの炭素−炭素三重結合を有するアルコール誘導体;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−インなどのエンイン化合物;テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラヘキセニルシクロテトラシロキサンなどのアルケニル基含有低分子量シロキサン;メチル−トリス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シラン、ビニル−トリス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シランなどのアルキン含有シラン;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化遅延剤(F)の含有量は、本発明の組成物の使用方法等に応じて適宜選択されるが、例えば、上述したケイ素含有化合物(B)および分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)の合計100質量部に対して、0.00001〜0.1質量部が好ましく、0.0001〜0.01質量部がより好ましい。
【0041】
<密着付与剤(G)>
本発明の組成物は、さらに、密着付与剤(G)を含有していてもよい。
密着付与剤(G)としては、例えば、シランカップリング剤が挙げられ、シランカップリング剤の具体例としては、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、イソシアネートシラン、イミノシラン、これらの反応物、これらとポリイソシアネートとの反応により得られる化合物等が挙げられ、エポキシシランが好ましい。
エポキシシランとしては、エポキシ基とアルコキシシリル基とを有する化合物であれば特に限定されず、例えば、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシランなどのジアルコキシエポキシシラン;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのトリアルコキシエポキシシラン;等が挙げられる。
また、密着付与剤(G)は、例えば、上記エポキシシランの脱水縮合物であってもよく、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランと1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとを脱水縮合させたエポキシシラン脱水縮合物が挙げられる。
密着付与剤(G)の含有量は、特に限定されないが、上述したケイ素含有化合物(B)および分岐鎖状オルガノポリシロキサン(C)の合計100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。
【0042】
<その他の成分>
本発明の組成物は、上記の成分以外に、本発明の目的や効果を損なわない範囲で必要に応じてさらに添加剤を含有してもよい。
例えば、本発明の組成物を光半導体封止用組成物として用いる場合、蛍光体を含有できる。蛍光体としては、例えば、無機蛍光体が挙げられ、その具体例としては、YAG系蛍光体、ZnS系蛍光体、Y
2O
2S系蛍光体、赤色発光蛍光体、青色発光蛍光体、緑色発光蛍光体などが挙げられる。
【0043】
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述した必須成分および任意成分を混合することによって製造する方法が挙げられる。
また、本発明の組成物を硬化して硬化物を得る方法も特に限定されず、例えば、本発明の組成物を、80〜200℃、10〜720分加熱する方法が挙げられる。
【0044】
本発明の組成物は、例えば、ディスプレイ材料、光記録媒体材料、光学機器材料、光部品材料、光ファイバー材料、光・電子機能有機材料、半導体集積回路周辺材料等の分野において、例えば、接着剤、プライマー、封止材等として使用できる。
【0045】
とりわけ、本発明の組成物は、密着性に優れ、その硬化物が良好な透明性および高い屈折率を示すことから、光半導体封止用組成物として好適に使用できる。
本発明の組成物を適用できる光半導体は特に制限されず、例えば、LED、有機電界発光素子(有機EL(Electro−Luminescence))、レーザーダイオード、LEDアレイ等が挙げられる。
光半導体封止用組成物としての本発明の組成物の使用方法としては、例えば、光半導体に本発明の組成物を付与し、本発明の組成物が付与された光半導体を加熱して本発明の組成物を硬化させる方法が挙げられる。
このとき、本発明の組成物を付与し硬化させる方法は特に限定されず、例えば、ディスペンサーを使用する方法、ポッティング法、スクリーン印刷、トランスファー成形、インジェクション成形などが挙げられる。
そして、本発明の組成物の硬化物は、透明性がを維持しつつ斑の発生を抑制する効果に優れることから、大型で斑が発生しやすいCOB用のLEDを封止するための封止材として好適に用いることができる。
【実施例】
【0046】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】
<Si−H系 直鎖状オルガノポリシロキサンB−1の製造>
撹拌機および還流冷却管付きのフラスコに、下記式(B−0)で表されるシラノール基を有する直鎖状オルガノポリシロキサン100g、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン1gおよびトリフルオロメタンスルホン酸0.1gを投入、撹拌し50℃で2時間加熱した。その後トルエンを150g加え、生成した水を系外へ排出した。トルエン層を3回水洗した後、減圧濃縮して、下記式(B−1)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンB−1を得た。
HO(Ph
2SiO)
3(Me
2SiO)
3H ・・・(B−0)
HMe
2SiO(Ph
2SiO)
50(Me
2SiO)
50SiMe
2H ・・・(B−1)
【0048】
<Si−H系 分岐鎖状オルガノポリシロキサンB−2の製造>
攪拌機、還流冷却管、投入口および温度計付きの四口フラスコに、フェニルトリメトキシシラン194.6gおよびトリフルオロメタンスルホン酸0.22gを投入して混合し、攪拌しつつ水13.3gを15分間かけて滴下し、滴下終了後、1時間加熱還流した。室温まで冷却した後、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン118.6gを加え、攪拌しながら、酢酸88.4gを30分間かけて滴下した。滴下終了後、攪拌しながら50℃に昇温し、3時間反応させた。室温まで冷却した後、トルエンおよび水を加え、よく混合して静置し、水層を分離した。トルエン溶液層を3回水洗した後、減圧濃縮して、下記平均単位式(B−2)で表される25℃で液状のメチルフェニルハイドロジェンオリゴシロキサンである分岐鎖状オルガノポリシロキサンB−2を得た。
(HMe
2SiO
1/2)
0.6(PhSiO
3/2)
0.4 ・・・(B−2)
【0049】
<Si−Vi系 分岐鎖状オルガノポリシロキサンC−1の製造>
攪拌機、還流冷却管、投入口および温度計付きの四口フラスコに、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン21.4g、水60g、トリフルオロメタンスルホン酸0.14gおよびトルエン200gを投入して混合し、攪拌しつつフェニルトリメトキシシラン151.5gを1時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間加熱還流した。冷却後、下層を分離し、トルエン溶液層を3回水洗した。水洗したトルエン溶液層に5%炭酸水素ナトリウム水溶液100gを加え、攪拌しつつ75℃に昇温して1時間還流した。冷却後、下層を分離し、上層のトルエン溶液層を3回水洗した。残ったトルエン溶液層を減圧濃縮し、25℃で半固体状である下記平均単位式(C−1)で表されるメチルフェニルビニルポリシロキサン樹脂である分岐鎖状オルガノポリシロキサンC−1を得た。
(ViMe
2SiO
1/2)
0.25(PhSiO
3/2)
0.75 ・・・(C−1)
【0050】
〔実施例1〜9、比較例1〜2〕
<硬化性樹脂組成物の製造>
下記第1表に示す成分を同表に示す量(単位:質量部)で用い、これらを真空攪拌機で均一に混合して硬化性樹脂組成物を製造した。なお、各実施例および比較例において、上述した「Si−H/Si−Viモル比」は、「1.0」となるようにした。
【0051】
<評価>
製造した硬化性樹脂組成物100質量部に、蛍光体(ネモト・ルミマテリアル社製YAG450C)5質量部を添加して均一に混合し、評価用組成物を得た。得られた評価用組成物を、以下の評価に供した。評価結果を下記第1表に示す。
【0052】
(直線透過率)
得られた評価用組成物を、150℃で2時間加熱して硬化させて、硬化物(厚さ=2.0mm)を得た。得られた硬化物について、JIS K 0115:2004に準じ、紫外・可視(UV−Vis)吸収スペクトル測定装置(島津製作所社製)を用いて波長400nmにおける直線透過率(単位:%)を測定した。直線透過率の値が80%以上であれば「透明性」に優れるものとして評価できる。
【0053】
(斑抑制)
まず、50mm×50mmのアルミ板に、シリコーン系土手剤(KER−2000DAM、信越化学工業社製)を7mm×7mmの枠状に塗布し(厚さ:1mm)、150℃で1時間加熱して硬化させて、土手を形成した。その後、得られた評価用組成物を、形成した土手内に、厚さ1mm程度になるように塗布し、150℃で2時間加熱することにより硬化させ、硬化物の外観を目視により観察した。観察の結果を下記基準で評価した。評価結果が「◎」または「○」であれば、斑の発生を抑制する効果に優れるものとして評価できる。
「◎」:硬化物中に斑が全く確認されなかった。
「○」:硬化物中に1〜5個の斑が確認された。
「×」:硬化物中に6個以上の斑が確認された。
【0054】
【表1】
【0055】
第1表中の各成分は、以下のものを使用した。
<Si−OH系>
・A−1:下記式(A−1)で表されるシラノール基およびフェニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサン
HO(Ph
2SiO)
3(Me
2SiO)
3H ・・・(A−1)
・A−2:シラノール基およびフェニル基を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサン(商品名:217Flake、東レ・ダウコーニング社製、シラノール基の含有量:3.5質量%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率:50モル%、Mw:1,000)
・A−3:下記式(A−3)で表されるジフェニルシランジオール
Ph
2Si(OH)
2 ・・・(A−3)
【0056】
<Si−H系>
・B−1:上述した直鎖状オルガノポリシロキサンB−1(ケイ素原子結合水素原子の含有量:0.01質量%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率:50モル%、Mw:15,000、粘度:10,000mPa・s)
・B−2:上述した分岐鎖状オルガノポリシロキサンB−2(ケイ素原子結合水素原子の含有量:0.38質量%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率:60モル%、Mw:4,000、粘度:1,200mPa・s)
・B−3:下記式(B−3)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンB−3
HMe
2SiO(Ph
2SiO)
2SiMe
2H ・・・(B−3)
・B−4:下記式(B−4)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンB−4
HMe
2SiO(Ph
2SiO)SiMe
2H ・・・(B−4)
【0057】
<Si−Vi系>
・C−1:上述した分岐鎖状オルガノポリシロキサンC−1(ビニル基の含有量:4.0質量%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率:50モル%、Mw:1,500、粘度:非常に粘稠な半固体状物で粘度測定ができなかった)
【0058】
・ヒドロシリル化反応用触媒D:白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(エヌ・イーケムキャット社製)
・低粘度オルガノポリシロキサンE:下記平均単位式(E−1)で表されるオルガノポリシロキサン(ビニル基の含有量:10質量%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率:31モル%、Mw:1,100、粘度:3,000mPa・s)
(PhSiO
3/2)
0.37(ViMe
2SiO
1/2)
0.63 ・・・(E−1)
・硬化遅延剤E:3−メチル−1−ブチン−3−オール(東京化成工業社製)
・密着付与剤G:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM−403)と、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM−103)と、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとを脱水縮合させたエポキシシラン脱水縮合物
・シリカ:ヒュームドシリカ(日本アエロジル社製R976S)
【0059】
第1表に示す結果から明らかなように、Si−OH系のA−1〜A−4を含有せず、かつ、シリカも含有しない比較例2は、透明性は比較的良好であるものの、斑の発生を抑制する効果が劣っていた。
また、A−1〜A−4を含有しないがシリカを含有する比較例1は、斑発生の抑制効果については改善が見られるものの、透明性が著しく低下した。
【0060】
これに対して、シリカを含有せずに、Si−OH系のA−1〜A−4を含有する実施例1〜10は、良好な透明性を有しつつ、斑の発生を抑制する効果も優れていた。
なかでも、A−1(直鎖状オルガノポリシロキサン)またはA−2(分岐鎖状オルガノポリシロキサン)を用いた実施例1〜6は、A−3(ジフェニルシランジオール)を用いた実施例7〜9と比較して、透明性がより優れていた。
また、A−1を用いた実施例1〜3は、A−2またはA−3を用いた実施例4〜9と比較して、斑の発生を抑制する効果がより優れていた。