(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示すスマートフォンは、片手で把持しながら親指だけでは、操作が困難な場合がある。例えば、特許文献1に示すように、ユーザがスマートフォンを左手で把持し、左手の親指でタッチパネルに対して操作を行う場合、タッチパネルの上部に届かないことがある。この場合、特に、タッチパネルの右側上部は、把持している部分から最も遠いため、親指が届きにくい。
【0007】
また、タッチパネルは、大きくなるにつれて、指が届かない範囲が広がる。さらには、手の小さなユーザは、他のユーザに比べて、指が届かない範囲が広い。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ユーザが片手だけでも簡単に操作可能な携帯端末用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の携帯端末用表示装置は、表示部と、筐体と、前記表示部に対するタッチ操作がなされた位置を検知する第1検知部と、前記表示部の表示内容を制御し、前記第1検知部で検知したタッチ操作がなされた位置に応じた処理を行う制御部と、を備える。
【0010】
さらに、本発明の携帯端末用表示装置は、前記筐体の外縁から所定の範囲内に配置される操作受付部と、前記操作受付部に対するタッチ操作がなされた位置を検知する第2検知部と、を備え、前記表示部は、前記筐体のうち前記所定の範囲外に表示領域を有し、前記制御部は、前記第2検知部で検知したタッチ操作がなされた位置に応じて、操作入力位置を指定する指定用画像を前記表示部に表示させ、前記制御部は、前記第2検知部を介して決定操作を受け付け、該決定操作を受け付けたときに前記指定用画像が指定する操作入力位置に応じた処理を行う。
【0011】
第1検知部は、ユーザが表示部に触ろうとする操作をタッチ操作として検知する。すなわち、タッチ操作は、表示部に対する実接触に限らず、非接触も含む。非接触のタッチ操作は、例えば静電容量方式のタッチパネル又は光センサを表示部に備え付けることにより検知される。
【0012】
表示部は、携帯端末用表示装置の筐体のうち所定の範囲外に表示領域を有する。所定の範囲は、ユーザが筐体を片手で把持した時、把持した手の親指が届く範囲に設定される。すなわち、表示部は、ユーザが筐体を片手で把持した時、把持した手の親指が届かない範囲に表示領域を有する。一方、操作受付部は、親指が届く範囲内に配置される。ユーザは、操作受付部が親指の届く範囲内に配置されるため、操作受付部に対して操作を行うことができる。
【0013】
例えば、指定用画像とは、ポインタであり、ポインタが指定する操作入力位置とは、ポインタの表示位置や指し示す位置である。ポインタは、操作受付部に対するタッチ操作の位置に応じて表示部に表示される。ユーザは、操作受付部に対してタッチ操作を行うことにより、ポインタの表示位置を変更して携帯端末用表示装置を操作することができる。なお、指定用画像は、ポインタに限らない。指定用画像は、操作入力がされることを示す画像であればよい。
【0014】
決定操作は、例えば操作受付部に対するタップ操作、ダブルタップ操作又は長押しタッチ操作(所定時間タッチし続ける操作)である。
【0015】
本発明の携帯端末用表示装置は、親指が届く範囲に配置される操作受付部で操作入力を受け付けて指定用画像を表示することにより、該指定用画像が指定する操作入力位置が親指の届かない範囲であっても、該操作入力位置で決定操作を受け付ける。したがって、ユーザは、親指が届かない表示領域内で決定操作を与えて携帯端末用表示装置に処理を実行させることができる。
【0016】
また、携帯端末用表示装置は、前記操作受付部に対する押圧操作を検知する押圧検知部、を備え、前記制御部は、前記押圧検知部を介して前記押圧操作を決定操作として受け付けてもよい。
【0017】
押圧操作は、タッチ操作とは異なる操作であるため、タップ操作等と区別して認識されやすい。そこで、携帯端末用表示装置は、押圧操作を決定操作として受け付けることにより、ユーザの意図しない操作を防止できる。
【0018】
また、前記押圧検知部は、前記押圧操作の押圧量を検知し、前記制御部は、前記押圧検知部で検知した前記押圧量に応じた処理を行ってもよい。
【0019】
例えば、制御部は、押圧量が第1閾値以上第2閾値(ただし、第1閾値よりも大きい値)未満の場合に、第1処理を行い、押圧量が第2閾値以上の場合に、第2処理を行う。このように、携帯端末用表示装置は、押圧量に基づいて、段階的に処理を行うことができる。無論、携帯端末用表示装置は、段階的ではなく、表示部の輝度を調整する等、連続的な処理を行ってもよい。
【0020】
また、前記第2検知部は、キラル高分子によって形成された圧電フィルムを有してもよい。
【0021】
キラル高分子は、主鎖が螺旋構造を有する。キラル高分子は、圧電フィルムが押圧されて、キラル高分子の結晶にずり応力が加わり、この応力によってずり変形が生じると、フィルム表面に電荷を発生する。キラル高分子の圧電特性は、分子の構造に起因するため、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の強誘電体のポリマーに比べて、焦電性がない。したがって、キラル高分子によって形成された圧電フィルムは、指の温度が伝わってしまう操作受付部の構成として好適である。
【0022】
前記キラル高分子は、ポリ乳酸であってもよいし、前記ポリ乳酸は、少なくとも一軸方向に延伸されたポリ乳酸が好ましい。
【0023】
ポリ乳酸(PLA)は、キラル高分子の中でも圧電出力定数が高い。特に一軸延伸されたL型ポリ乳酸(PLLA)は、ポリ乳酸の中でも圧電出力定数を高くすることができる。このような圧電出力定数が高い材料を用いることにより、操作受付部は、感度よく押圧操作を受け付けることができる。
【0024】
また、前記表示部と前記操作受付部とは、それぞれ別の領域に配置されてもよいし、それぞれ前記筐体の同一平面側に配置されてもよい。
【0025】
また、携帯端末用表示装置は、表示部と、筐体と、前記表示部に対するタッチ操作がなされた位置を検知する検知部と、前記表示部の表示内容を制御し、前記検知部で検知したタッチ操作がなされた位置に応じた処理を行う制御部と、を備える。
【0026】
そして、前記制御部は、前記筐体の外縁から所定の範囲内に操作受付用画像を表示させ、前記制御部は、前記検知部が検知したタッチ操作がなされた位置に表示されている操作受付用画像に応じて、操作入力位置を指定する指定用画像を表示させ、前記制御部は、前記検知部を介して決定操作を受け付け、該決定操作を受け付けたときに前記指定用画像が指定する操作入力位置に応じた処理を行う。
【0027】
すなわち、この構成によれば、携帯端末用表示装置は、指定用画像を表示させるために操作受付部と第2検知部とを備えなくても、操作受付用画像がタッチされることにより、指定用画像を表示する。例えば、右方向を示す操作受付用画像がタッチされると、指定用画像の表示位置は、右方向に移動する。したがって、ユーザは、指が届かない範囲にある操作入力位置でも操作入力を与えることができる。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、携帯端末用表示装置の大きさ及びユーザの手の大きさに関わらず、ユーザは片手で携帯端末用表示装置を把持したまま片手で操作することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
実施形態1に係る携帯端末1について、
図1乃至
図4を用いて説明する。
図1は、携帯端末1の外観斜視図である。
図2(A)は、携帯端末1のA−A断面図であり、
図2(B)は、静電センサ12の平面図である。
図3は、携帯端末1のB−B断面図である。
図4は、携帯端末1の構成の一部を示すブロック図である。
【0031】
図1に示すように、携帯端末1は、略直方体形状の筐体30を備える。筐体30の表面側は3カ所で開口している。なお、以下では、
図1に示すX方向を筐体30の幅方向とし、Y方向を高さ方向とし、Z方向を厚み方向として説明する。また、本実施形態では、筐体30の幅が、筐体30の高さよりも短い場合を示している。しかしながら、筐体30は、幅と高さが同じ長さであっても、幅が高さより長くてもよい。
【0032】
表示入力部10、操作パッド200L及び操作パッド200Rは、筐体30の3カ所の開口部分を介してそれぞれ外部に露出している。すなわち、表示入力部10、操作パッド200L及び操作パッド200Rは、それぞれ筐体30の表面(+Z側の面)側に配置される。
【0033】
表示入力部10は、筐体30の表面の上部(
図1中+Y側)に配置されている。操作パッド200L及び操作パッド200Rは、それぞれ筐体30の表面の下部(
図1中−Y側)に配置されている。操作パッド200L及び操作パッド200Rは、幅方向に順に並んで配置されている。
【0034】
表示入力部10は、操作パッド200L及び操作パッド200Rよりも、筐体30の隅EDGから遠くに配置される表示領域を有する。例えば、表示入力部10の中心位置CTRは、操作パッド200L及び操作パッド200Rのそれぞれの位置に比べて、隅EDGからの距離が長い。
【0035】
筐体30は、
図2(A)に示すように、内部に表示入力部10及び演算回路モジュール40を配置する。演算回路モジュール40と表示入力部10とは、厚み方向に順に配置される。
【0036】
演算回路モジュール40は、携帯端末1の各機能部を実現する。演算回路モジュール40は、例えば、
図4に示すように、位置検出部13、位置検出部13L、位置検出部13R、圧電センサ結果検出部21L、圧電センサ結果検出部21R、制御部14、及び表示制御部15を実現する。制御部14と表示制御部15との組は、本発明の制御部に相当する。
【0037】
表示入力部10は、表示部11、及び静電センサ12を備える。
【0038】
表示部11は、
図2(A)に示すように、液晶パネル111、表面偏光板112、背面偏光板113、及びバックライト114を備える。
【0039】
バックライト114、背面偏光板113、液晶パネル111、静電センサ12、及び表面偏光板112は、厚み方向に順に重なって配置されている。
【0040】
静電センサ12は、
図2(A)及び
図2(B)に示すように、ベースフィルム121、複数の静電容量検出電極122、及び複数の静電容量検出電極123を備える。
【0041】
ベースフィルム121は、透光性及び所定の誘電率を有する材質からなる。複数の静電容量検出電極122、及び複数の静電容量検出電極123は、それぞれ長尺状であり、透光性を有する導電性材料からなる。複数の静電容量検出電極122は、ベースフィルム121の第1主面(+Z側の面)に、所定の間隔で配列形成されている。複数の静電容量検出電極123は、ベースフィルム121の第2主面(−Z側の面)に、所定の間隔で配列形成されている。複数の静電容量検出電極122の配列方向と、複数の静電容量検出電極123の配列方向とは、ベースフィルム121の第1主面又は第2主面の法線方向から視ると、略直交するように設定される。
【0042】
静電センサ12に指が近づくと、指が近づけられた位置で静電容量は変化する。そこで、位置検出部13は、静電容量が変化した静電容量検出電極122と静電容量検出電極123との組を特定することにより、タッチ位置を検出する。すなわち、位置検出部13と静電センサ12との組は、本発明の第1検知部に相当する。ただし、静電容量の変化は、指が表面偏光板112に実際に接触していなくても、検出可能である。また、タッチ位置の検出は、静電センサ12の代わりに、指の表面偏光板112への接近を検知する光センサを用いても可能である。
【0043】
バックライト114から出力された光は、背面偏光板113、液晶パネル111、静電センサ12、及び表面偏光板112を順に通過する。液晶パネル111は、表示制御部15の制御により、届いた光をそのまま、又は、振動方向を変えて(偏光させて)透過させる。このように、表示部11の表示内容は、バックライト114及び液晶パネル111を制御することにより、変更される。
【0044】
制御部14は、表示入力部10の静電センサ12が受け付けたタッチ位置に応じて様々な処理を行う。表示に関する処理の情報は、制御部14から表示制御部15に出力される。表示制御部15は、制御部14が出力した表示に関する処理の情報に応じた表示内容となるように、表示入力部10の表示部11を制御する。すなわち、携帯端末1は、所謂、GUI(;Graphical User Interface)を実現する。
【0045】
操作パッド200Lと操作パッド200Rとは、配置が異なるだけであり、それぞれの構成は同じである。また、圧電センサ結果検出部21Lと、圧電センサ結果検出部21Rとは、接続される圧電センサ20が異なるのみで、それぞれ実現する機能は同じである。位置検出部13Lと、位置検出部13Rとは、接続される静電センサ12Aが異なるのみで、それぞれ実現する機能は同じである。したがって、操作パッド200Lと圧電センサ結果検出部21Lと位置検出部13Lとの組だけについて説明する。なお、操作パッド200Lの静電センサ12Aと位置検出部13Lとの組、又は操作パッド200Rの静電センサ12Aと位置検出部13Rとの組は、本発明の第2検知部に相当する。
【0046】
操作パッド200Lは、
図3に示すように、静電センサ12A、圧電センサ20、保護フィルム124、及び絶縁フィルム125を備える。
【0047】
圧電センサ20、絶縁フィルム125、静電センサ12A、及び保護フィルム124は、厚み方向に順に重なって配置されている。ただし、圧電センサ20と静電センサ12Aとの配置は逆であっても構わない。
【0048】
静電センサ12Aは、ベースフィルム121A、複数の静電容量検出電極122A、及び複数の静電容量検出電極123Aを備える。静電センサ12Aは、平面形状が異なる点において、静電センサ12と相違する。位置検出部13Lは、静電センサ12Aにおけるタッチ位置を検出する点において、位置検出部13と相違する。位置検出部13Lは、検出したタッチ位置の情報を制御部14に出力する。
【0049】
保護フィルム124は、絶縁性を有し、静電センサ12Aを覆っている。絶縁フィルム125は、静電センサ12Aと圧電センサ20とを絶縁するために配置される。
【0050】
圧電センサ20は、
図3に示すように、圧電フィルム201、圧電検出電極202、及び圧電検出電極203を備える。
【0051】
圧電フィルム201、圧電検出電極202、及び圧電検出電極203は、それぞれ平膜形状である。圧電フィルム201は、静電センサ12Aのベースフィルム121Aと略同じ平面形状である。
【0052】
圧電検出電極202は、圧電フィルム201の第1主面(+Z側の面)に、形成されている。圧電検出電極203は、圧電フィルム201の第2主面(−Z側の面)に、形成されている。
【0053】
圧電フィルム201は、例えば一軸延伸されたポリ乳酸からなり、透光性を有する。圧電フィルム201は、例えば−Z方向に押圧されると、第1主面及び第2主面に電荷を発生させる。圧電検出電極202と圧電検出電極203との間の電位差は、圧電フィルム201の第1主面及び第2主面に電荷が発生することにより、生じる。また、この電位差のレベル(例えばmV)は、圧電フィルム201の押圧量(又は押込量。例えば数十μm)に対応する。したがって、圧電検出電極202と圧電検出電極203との間の電位差のレベル(mV)を求めることにより、圧電センサ20Lに対する押圧操作の有無及び押圧量(μm)を求めることが可能となる。
【0054】
圧電センサ20は、圧電検出電極202と圧電検出電極203との間の電位差をセンサ信号として出力する。圧電センサ20から出力されたセンサ信号は、
図4に示すように、圧電センサ結果検出部21Lに入力される。圧電センサ結果検出部21Lは、入力されたセンサ信号のレベルLSS(mV)を求める。圧電センサ結果検出部21Lは、求めたレベルLSSに応じて操作パッド200Lに対する押圧操作の有無を判断する。例えば、圧電センサ結果検出部21Lは、レベルLSSが20mV未満であれば、操作パッド200Lに対して押圧操作がされていないと判断する。圧電センサ結果検出部21Lは、レベルLSSが20mV以上であれば、操作パッド200Lに対して押圧操作がされていると判断する。圧電センサ結果検出部21Lが閾値により押圧操作の有無を判断するため、操作パッド200Lに対するタッチ操作と押圧操作とを区別しやすくなる。圧電センサ結果検出部21Lは、押圧操作の有無の情報を制御部14に出力する。
【0055】
以上のように、制御部14は、操作パッド200Lに対するタッチ位置の情報、及び押圧操作の有無の情報が入力される。同様に制御部14は、操作パッド200Rに対するタッチ位置の情報及び押圧操作の有無の情報も入力される。
【0056】
制御部14は、位置検出部13、位置検出部13L、位置検出部13R、圧電センサ結果検出部21L、及び圧電センサ結果検出部21Rから入力された情報に基づいて様々な処理を行う。
【0057】
例えば、ユーザが、
図5(A)に示すように、筐体30の下部で携帯端末1を把持する。ユーザは、携帯端末1を把持しながら、例えば、親指LTHBで表示入力部10に表示されたアイコン903をタッチすることにより、操作を行う。すると、表示入力部10に対応する位置検出部13は、タッチ位置の情報を制御部14に出力する。すると、制御部14は、タッチ位置に応じた処理を行う。例えば、制御部14は、タッチ位置に表示されているアイコン903に対応付けられた処理(例えば、アプリケーションの実行やサブメニューの表示等)を行う。
【0058】
また、このような携帯端末1によって、以下のようなGUIが実現可能となる。
【0059】
図5(A)及び
図5(B)は、それぞれ操作パッド200L及びポインタ920(本発明の指定用画像に相当する)を説明するための図である。
図6(A)及び
図6(B)は、それぞれ操作パッド200Rの使用例を説明するための図である。
図7(A)、
図7(B)、及び
図8は、それぞれ制御部14の動作を示すフローチャートである。
【0060】
制御部14は、
図7(A)のフローチャートの処理と、
図7(B)のフローチャートの処理と、
図8のフローチャートの処理とを並列に実行する。
【0061】
図7(A)に示すフローチャートは、ポインタ920の表示処理に関する制御部14の動作を示す。まず、制御部14は、操作パッド200Lに対してタッチ操作がされているか否かを判断する(S11)。具体的には、制御部14は、位置検出部13Lからタッチ位置の情報を取得して、操作パッド200Lに対してタッチ操作がされているか否かを判断する。制御部14は、操作パッド200Lに対してタッチ操作がされている場合(S11:YES)、ステップS12に進む。制御部14は、操作パッド200Lに対するタッチ操作がされていない場合(S11:NO)、待機する。
【0062】
制御部14は、操作パッド200Lに対してタッチ操作がされている場合(S11:YES)、ポインタ920が既に表示されているか否かを判断する(S12)。ただし、ポインタ920の表示有無は、表示制御部15に問い合わせることにより求められる(S12)。制御部14は、ポインタ920が表示されている場合(S12:YES)、ステップS14に進む。制御部14は、ポインタ920が表示されていない場合(S12:NO)、ステップS13に進む。
【0063】
制御部14は、ポインタ920が表示されていない場合(S12:NO)、ポインタ920を初期表示させる処理の情報を表示制御部15に出力する(S13)。すると、表示制御部15は、例えば
図5(A)に示すように、所定位置(例えば中心位置CTR)にポインタ920を表示する。そして、制御部14は、ステップS14に進む。
【0064】
制御部14は、ポインタ920が表示されている場合(S12:YES)又はステップS13の処理の後、操作パッド200Lで受け付けられた操作がパン操作であるか否かを判断する(S14)。制御部14は、位置検出部13Lが変化するタッチ位置を例えば0.2秒間検出し続けていると、操作パッド200Lに対してパン操作が行われていると判断して(S14:YES)、ステップS15に進む。すなわち、パン操作とは、操作パッド200Lに指を触れ続けたまま移動させる操作である。制御部14は、位置検出部13Lがタッチ位置を例えば0.2秒間検出し続けていない場合、パン操作が行われていないと判断して(S14:NO)、処理を終了する(エンド)。ただし、パン操作が行われていない場合とは、タップ操作が行われた場合、又はパン操作後に指が操作パッド200Lから離れた場合である。
【0065】
制御部14は、操作パッド200Lに受け付けられた操作がパン操作であると判断した場合(S14:YES)、ポインタ920の表示位置を変更するために、移動ベクトルを求める(S15)。
【0066】
移動ベクトルは、タッチ位置の変化に対応する。例えば、制御部14は、例えば0.1秒待機後に位置検出部13Lからタッチ位置の情報を再度取得し、タッチ位置の変化を求める。そして、制御部14は、タッチ位置の変化(例えば+Y方向に1cmのベクトル)を移動ベクトルとして求める。
【0067】
そして、制御部14は、求めた移動ベクトルに基づいてポインタ920の表示位置を変更する処理の情報を出力する(S16)。例えば、制御部14は、移動ベクトル(+Y方向に1cm)でポインタ920の表示位置を移動させる処理の情報を表示制御部15に出力する。すると、表示制御部15は、表示位置を+Y方向に1cm変更してポインタ920を表示する。なお、制御部14は、移動ベクトルの大きさを所定の割合(例えば1倍未満又は1倍以上)で変更してから、ポインタ920の表示位置を変更する処理の情報を出力してもよい。
【0068】
制御部14は、ステップS16を終えると、ステップS14に戻る。すなわち、制御部14は、パン操作が行われている間、タッチ位置の変化に応じて、ポインタ920の表示位置を変更する。これにより、携帯端末1は、
図5(B)に示すように、例えば操作パッド200L上で親指LTHBが軌跡921でスライド(連続するパン操作)すると、ポインタ920(t)を軌跡922に沿ってポインタ920(t+1)の位置に移動させる表示を行う。
【0069】
なお、制御部14は、所定時間(例えば5秒間)以上、タッチ位置の情報が位置検出部13Lから入力されないと、ポインタ920の表示を消す処理の情報を表示制御部15に出力する。
【0070】
次に、
図7(B)に示すフローチャートは、操作パッド200Lに対する押圧操作を決定操作として受け付ける制御部14の動作を示す。
【0071】
まず、制御部14は、押圧操作があるか否かを判断する(S21)。具体的には、制御部14は、圧電センサ結果検出部21Lから押圧操作の有無の情報を取得して、操作パッド200Lに対して押圧操作がされているか否かを判断する。そして、制御部14は、操作パッド200Lに対して押圧操作がされていると判断した場合(S21:YES)、ステップS22に進む。制御部14は、操作パッド200Lに対して押圧操作がされていないと判断した場合(S21:NO)、待機する。
【0072】
制御部14は、操作パッド200Lに対して押圧操作がされていると判断した場合(S21:YES)、ポインタ920の表示位置を取得する(S22)。ポインタ920の表示位置は、表示制御部15に問い合わせることにより求められる。
【0073】
そして、制御部14は、ポインタ920が指し示す位置(本発明の指定用画像が指定する操作入力位置に相当する。)に応じた処理を行う(S23)。例えば、制御部14は、
図5(B)に示すように、ポインタ920(t+1)がアイコン902を指し示すように表示されている場合、アイコン902に対応付けられた処理(アプリケーションの実行等)を行う。
【0074】
このように、制御部14は、操作パッド200Lに対する押圧操作があると、ポインタ920の表示位置に応じた処理を行う。ユーザは、操作パッド200Lに対してパン操作で表示部11の表示領域内でポインタ920を移動させ、操作パッド200Lに対して押圧操作を決定操作として与え、ポインタ920の表示位置に応じた処理を携帯端末1に実行させることができる。したがって、ユーザは、操作パッド200Lに対して操作を行うことにより、親指LTHBが届かないアイコン901、アイコン902及びメニューアイコン911〜メニューアイコン914に対して親指LTHBだけで操作入力を与えることができる。
【0075】
また、携帯端末1は、ユーザがポインタ920を誤ってアイコン904を指し示す位置に移動させてしまっても、押圧操作が決定操作として与えられない限り、アイコン904に対応する処理を行わない。したがって、携帯端末1は、ユーザの誤操作による処理の実行を防ぐことができる。また、携帯端末1は、押圧操作がタップ操作等と明確に異なるため、タップ操作等を押圧操作とした場合に比べて、決定操作の誤認識を防ぎやすくなる。
【0076】
また、制御部14は、ステップS16において、タッチ位置の変化に応じてポインタ920の表示位置を変更する処理の情報を出力するのではなく、入力されたタッチ位置そのものに応じた表示位置にポインタ920を表示する処理の情報を出力してもよい。この場合、制御部14は、操作パッド200L上のタッチ位置を、表示入力部10上の表示位置に変換し、変換された表示位置にポインタ920を表示する処理の情報を出力する。タッチ位置から表示位置への変換は、例えば、制御部14がタッチ位置と表示位置とを対応付けた位置変換テーブルを参照することにより行われる。ただし、位置変換テーブルは、携帯端末1に予め記憶される。
【0077】
これにより、携帯端末1は、例えば操作パッド200Lの右側の位置(+X側の位置)がタッチされると、表示入力部10の右側の位置(+X側の位置)にポインタ920を表示する。
【0078】
上述の位置変換テーブルは、操作パッド200L上のタッチ位置と、表示入力部10の上側の表示位置(例えば中心位置CTRより上側の表示位置)のみとを対応付けてもよい。この場合、携帯端末1は、表示入力部10の全表示領域内にポインタ920を表示するのではなく、表示入力部10の上側の表示領域内だけに限ってポインタ920を表示する。すなわち、ポインタ920は、指が届きにくい範囲にのみに表示される。
【0079】
上述の例は、指定用画像としてポインタ920を表示しているが、指定用画像はポインタ920に限らない。指定用画像とは操作入力がされることを示す画像であればよい。
【0080】
また、制御部14は、ステップS23において、圧電センサ結果検出部21LからレベルLSSの情報を取得し、ポインタ920の表示位置と取得したレベルLSSとに応じた処理を行ってもよい。
【0081】
例えば、制御部14は、圧電センサ結果検出部21Lから取得したレベルLSSが20mV〜40mVの場合、ポインタ920が指し示すアイコンに対応付けられたアプリケーションを実行し、該レベルLSSが40mV〜60mVの場合、ポインタ920が指し示す位置を中心として表示画面の拡大又は縮小を行う処理の情報を表示制御部15に出力してもよい。また、制御部14は、60mV以上のレベルLSSを取得した場合、例えば、ポインタ920が指し示す位置を中心とした表示画面の拡大又は縮小の描画速度を変化させる処理の情報を出力してもよい。レベルLSSと実行すべき処理との対応付けは、予め携帯端末1に設定されてもよいし、ユーザがGUIを通じて設定してもよい。
【0082】
さらには、制御部14は、レベルLSSに応じて、段階的に処理を変更するのではなく、レベルLSSに応じた連続量を用いた処理を行ってもよい。例えば、制御部14は、バックライト114の輝度をレベルLSSに対応させた値とする処理の情報を出力してもよいし、不図示のスピーカの音量値をレベルLSSに対応させた値としてもよい。
【0083】
ただし、圧電センサ20を備え、決定操作として押圧操作を検知することは本発明において必須の構成ではない。例えば、制御部14は、操作パッド200Lに対してタップ操作、ダブルタップ操作、又は長押し操作(所定時間タッチし続ける操作)が行われたことを検知して、タップ操作、ダブルタップ操作、又は長押し操作が行われたときのポインタ920の表示位置に応じた処理を行ってもよい。
【0084】
次に、操作パッド200Rを利用したGUIについて説明する。携帯端末1は、操作パッド200Rに受け付けられた操作に応じて、メニューアイコン911〜メニューアイコン914に対する処理を行う。
【0085】
まず、制御部14は、操作パッド200Rに対してタッチ操作がされているか否かを判断する(S31)。具体的には、制御部14は、操作パッド200Rに対応する位置検出部13Rからタッチ位置の情報を取得して、操作パッド200Rに対してタッチ操作がされているか否かを判断する。制御部14は、操作パッド200Rに対してタッチ操作がされている場合(S31:YES)、ステップS32に進む。制御部14は、操作パッド200Rに対するタッチ操作がされていない場合(S31:NO)、待機する。
【0086】
制御部14は、操作パッド200Rに対してタッチ操作がされている場合(S31:YES)、タッチ位置に応じたメニューアイコンを強調表示する処理の情報を表示制御部15に出力する(S32)。強調表示すべきメニューアイコンは、操作パッド200R上のタッチ位置とメニューアイコン911〜メニューアイコン914とが対応付けられたメニューアイコン変換テーブルを制御部14が参照することにより求められる。ただし、メニューアイコン変換テーブルは、予め携帯端末1に記憶される。
【0087】
例えば、携帯端末1は、
図6(A)に示すように、操作パッド200R上の右上の位置923がタッチされると、位置923に対応するメニューアイコン913の形状を大きく表示する。携帯端末1は、
図6(B)に示すように、続いて操作パッド200R上の左下の位置924がタッチされると、メニューアイコン913の強調表示をせず、位置924に対応するメニューアイコン912を強調表示する。この強調表示も、本発明の指定用画像に相当する。強調表示されたメニューアイコンの表示位置も、本発明の指定用画像が指定する操作入力位置に相当する。
【0088】
次に、制御部14は、押圧操作があるか否かを判断する(S33)。具体的には、制御部14は、圧電センサ結果検出部21Rから押圧操作の有無の情報を取得して、操作パッド200Rに対して押圧操作がされているか否かを判断する。そして、制御部14は、操作パッド200Rに対して押圧操作がされていると判断した場合(S33:YES)、ステップS34に進む。制御部14は、操作パッド200Rに対して押圧操作がされていないと判断した場合(S33:NO)、処理を終了する(エンド)。
【0089】
そして、制御部14は、操作パッド200Rに対して押圧操作がされていると判断した場合(S33:YES)、強調表示されたメニューアイコンに応じた処理を行う(S34)。ただし、制御部14は、表示制御部15に問い合わせすることにより、強調表示されているメニューアイコンを求める。
【0090】
例えば、制御部14は、
図6(B)に示すように、メニューアイコン912が強調表示されている場合、メニューアイコン912に対応付けられたアプリケーションを実行する(S34)。
【0091】
なお、制御部14は、ステップS34において、圧電センサ結果検出部21RからレベルLSSの情報を取得し、取得したレベルLSSに応じた処理を行ってもよい。例えば、制御部14は、メニューアイコン912が強調表示され、かつ取得したレベルLSSが20mV〜40mVの場合、メニューアイコン912に対応付けられたアプリケーションの設定画面を表示する処理の情報を出力し、取得したレベルLSSが40mV〜60mVの場合、メニューアイコン912に対応付けられたサブメニューを表示する処理の情報を出力する。制御部14は、メニューアイコン912が強調表示され、かつ取得したレベルLSSが60mV以上の場合、メニューアイコン911〜メニューアイコン914を非表示にして、メニューアイコン911〜メニューアイコン914が表示されていた領域に他のアイコンを表示させる処理の情報を出力してもよい。
【0092】
以上のように、ユーザは、操作パッド200Rをタッチしたまま押圧することにより、メニューアイコン911〜メニューアイコン914に対して1回の動作で操作を与えることができる。
【0093】
ここで、圧電フィルム201について説明する。圧電フィルム201は、キラル高分子から形成されるフィルムである。キラル高分子として、本実施形態では、ポリ乳酸(PLA)、特にL型ポリ乳酸(PLLA)を用いている。PLLAは、一軸延伸されている。
【0094】
一軸延伸されたPLLAは、圧電フィルムの平板面が押圧されることにより、電荷を発生する。この際、発生する電荷量は、押圧量(押込量)により平板面が当該平板面に直交する方向へ変位する変位量に依存する。PLLAは、圧電定数が高分子の中で非常に高い部類に属するため、圧電センサ20に適している。
【0095】
PLLAは、延伸等による分子の配向処理で圧電性を生じるため、PVDF等の他のポリマーや圧電セラミックスのように、ポーリング処理を行う必要がない。すなわち、強誘電体に属さないPLLAの圧電性は、分子の特徴的な構造である螺旋構造に由来するものである。このため、PLLAには、他の強誘電性の圧電体で生じる焦電性が生じない。したがって、PLLAは、圧電センサ20(表示入力部10)のように、タッチ操作により指の温度が伝わってしまう構成に適している。
【0096】
ただし、本実施形態において圧電フィルム201としてPLLAを用いることは必須ではない。圧電センサ20は、例えばPVDFからなる圧電フィルム201を用いてもよい。
【0097】
次に、実施形態2に係る携帯端末2について説明する。
図9は、携帯端末2の外観斜視図である。
図10は、C−C断面図である。
図11は、携帯端末2の構成の一部を示すブロック図である。
【0098】
携帯端末2は、携帯端末1が表示入力部10、操作パッド200L及び操作パッド200Rでユーザからの操作を受け付けるのに対し、表示入力部10Aだけでユーザからの操作を受け付ける点において、携帯端末1と相違する。携帯端末1と重複する構成の説明は省略する。
【0099】
携帯端末2は、表示入力部10A、筐体30A、及び演算回路モジュール40Aを備える。
【0100】
携帯端末2は、
図9に示すように、表面に開口部を1つ備える。開口部の面積は、筐体30Aの表面より若干小さい。表示入力部10Aの面積は、筐体30Aの表面の開口部の面積と略同じである。これにより、携帯端末2は、筐体30Aの表面のほとんどが操作面となる。
【0101】
表示入力部10Aは、
図10に示すように、表示部11A、静電センサ12B、圧電センサ20A、及び絶縁フィルム125Aを備える。表示部11Aは、表示部11の面積より面積が大きい点において、表示部11と相違する。表示部11Aの面積は、筐体30Aの表面の開口部の面積と略同じである。すなわち、液晶パネル111A、表面偏光板112A、背面偏光板113A、及びバックライト114Aの面積は、筐体30Aの表面の開口部の面積とそれぞれ略同じである。
【0102】
圧電センサ20Aは、圧電センサ20より面積が大きい点、及び透光性を有する点において、圧電センサ20と相違する。圧電センサ20Aは、筐体30Aの表面の開口部と面積が略同じである。すなわち、圧電フィルム201A、圧電検出電極202A、及び圧電検出電極203Aの面積は、筐体30Aの表面の開口部の面積とそれぞれ略同じである。
【0103】
圧電フィルム201Aは、PLLAからなり、透光性を有する。圧電検出電極202A及び圧電検出電極203Aは、それぞれITO、ZnO、ポリチオフェンを主成分とする有機電極、ポリアニリンを主成分とする有機電極、銀ナノワイヤ電極、カーボンナノチューブ電極のいずれかで形成されているため、透光性を有する。
【0104】
バックライト114A、背面偏光板113A、液晶パネル111A、圧電センサ20A、絶縁フィルム125A、静電センサ12B及び表面偏光板112Aは、それぞれ厚み方向に順に重なって配置されている。ただし、圧電センサ20Aと静電センサ12Bとは、逆の配置であってもかまわない。
【0105】
圧電センサ20Aは、透光性を有するため、バックライト114Aの配置より+Z側に配置されても、光の透過を妨げない。特に、PLLAは、キラル高分子からなるため、PVDF等より高い透光性を有する。したがって、PLLAからなる圧電フィルム201Aは、バックライト114Aの配置より+Z側に配置される構成に適している。
【0106】
表示入力部10Aに対するタッチ位置は、静電センサ12Bと位置検出部13Aとの組により、検出される。表示入力部10Aに対する押圧操作及び押圧量は、圧電センサ20Aと圧電センサ結果検出部21Aとの組により、検出される。表示入力部10Aの表示領域内におけるタッチ位置、押圧操作の有無、及び押圧量(レベルLSS)の情報は、
図11に示すように、制御部14に入力される。制御部14は、入力された情報に基づいて様々な処理を行う。
【0107】
このような携帯端末2は、以下のようなGUIを実現できる。
【0108】
図12は、携帯端末2に表示される十字キー930L及び十字キー930Rを説明するための図である。
図13は、携帯端末2の制御部14の動作を示すフローチャートである。
【0109】
携帯端末2は、表示入力部10Aの表示領域のうち、ユーザの指が届く範囲に、十字キー930L及び十字キー930Rを表示する。例えば、携帯端末2は、
図12に示すように、十字キー930L及び十字キー930Rを表示入力部10Aの下部(−Y側)の領域に表示する。十字キー930L及び十字キー930Rは、それぞれキー931L、キー931R、キー931C、キー931U、及びキー931B(以下、これらをまとめて称す場合はキー931と称す。)からなる。
【0110】
図13に示すフローチャートは、制御部14が位置検出部13Aからタッチ位置の情報を取得している時点から始まっているものとする(スタート)。また、携帯端末2は、ポインタ920を常時表示しているものとする。
【0111】
制御部14は、タッチ位置がいずれの表示領域に属するかを判断する(S41)。なお、タッチ位置がいずれの表示領域に属するかは、制御部14が表示制御部15に問い合わせることにより、求められる。
【0112】
制御部14は、タッチ位置が十字キー930Lの表示領域に属する場合(S41:十字キー930Lの表示領域)、ステップS51に進む。制御部14は、タッチ位置が十字キー930Rの表示領域に属する場合(S41:十字キー930Rの表示領域)、ステップS61に進む。制御部14は、タッチ位置が十字キー930L及び十字キー930Rのそれぞれの表示領域以外に属する場合(S41:十字キー以外の表示領域)、ステップS42に進む。
【0113】
制御部14は、タッチ位置が十字キー930L及び十字キー930Rのそれぞれの表示領域以外に属する場合(S41:十字キー以外の表示領域)、例えばタッチ位置に表示されているアイコンに対応付けられた処理を行う(S42)。
【0114】
制御部14は、タッチ位置が十字キー930Lの表示領域に属する場合(S41:十字キー930Lの表示領域)、十字キー930Lのキー931Cがタッチされたか否かを判断する(S51)。制御部14は、十字キー930Lのキー931Cがタッチされたと判断した場合(S51:YES)、ステップS53に進む。制御部14は、十字キー930Lのキー931C以外のキー931がタッチされたと判断した場合(S51:NO)、ステップS52に進む。
【0115】
制御部14は、十字キー930Lのキー931C以外のキー931がタッチされたと判断した場合(S51:NO)、タッチされたキー931に応じてポインタ920の表示位置を変更する処理の情報を出力する(S52)。
【0116】
例えば、制御部14は、タッチされたキーが十字キー930Lのキー931Lである場合、ポインタ920の表示位置を1mm左の位置に変更して表示する処理の情報を出力する。ここで、制御部14は、位置検出部13Aから十字キー930Lのキー931Lの表示位置と重複するタッチ位置の情報が入力され続けると(例えば0.3秒間)、ポインタ920の表示位置をさらに1mm左の位置に変更して表示する処理の情報を出力してもよい。これにより、ユーザは、十字キー930Lのキー931Lをタッチし続けることにより、ポインタ920の表示位置を左に移動させ続けることができる。
【0117】
制御部14は、ステップS51及びステップS52において、十字キー930Lのキー931Uがタッチされると、ポインタ920の表示位置を上に変更し、十字キー930Lのキー931Rがタッチされると、ポインタ920の表示位置を右に変更し、十字キー930Lのキー931Bがタッチされると、ポインタ920の表示位置を下に変更して表示する処理の情報を出力する。
【0118】
制御部14は、十字キー930Lのキー931Cがタッチされたと判断した場合(S51:YES)、表示入力部10Aに対して押圧操作があるか否かを判断する(S53)。具体的には、制御部14は、圧電センサ結果検出部21Aから押圧操作の有無の情報を取得して、押圧操作があるか否かを判断する。制御部14は、表示入力部10Aに対して押圧操作がされていると判断した場合(S53:YES)、ステップS54に進む。制御部14は、表示入力部10Aに対して押圧操作がされていないと判断した場合(S53:NO)、処理を終了する(エンド)。
【0119】
制御部14は、表示入力部10Aに対して押圧操作がされていると判断した場合(S53:YES)、ポインタ920の表示位置に応じた処理を行う(S54)。
【0120】
例えば、制御部14は、ポインタ920がアイコン902を指し示すような位置に表示されている場合、アイコン902に対応付けられたアプリケーションを実行する。
【0121】
制御部14は、タッチ位置が十字キー930Rの表示領域に属する場合(S41:十字キー930Rの表示領域)、十字キー930Rのキー931Cがタッチされたか否かを判断する(S61)。制御部14は、十字キー930Rのキー931Cがタッチされたと判断した場合(S61:YES)、ステップS63に進む。制御部14は、十字キー930Rのキー931C以外のキー931がタッチされたと判断した場合(S61:NO)、ステップS62に進む。
【0122】
制御部14は、十字キー930Rのキー931C以外のキー931がタッチされたと判断した場合(S61:NO)、タッチされたキー931に応じてメニューアイコン911〜メニューアイコン914のいずれかのメニューアイコンを強調表示する処理の情報を出力する(S62)。
【0123】
例えば、制御部14は、十字キー930Rのキー931L、キー931R、キー931U又はキー931Bのいずれかがタッチされると、メニューアイコン911を強調表示する処理の情報を出力する。制御部14は、既にいずれかのメニューアイコンが強調表示されており、かつ十字キー930Rのキー931Lがタッチされた場合、該メニューアイコンから左の位置に表示されているメニューアイコンを強調表示する処理の情報を出力する。同様に、制御部14は、既にいずれかのメニューアイコンが強調表示されており、かつ十字キー930Rのキー931R、キー931U、又はキー931Bがタッチされた場合、該メニューアイコンから右、上、又は下の位置に表示されているメニューアイコンを強調表示する処理の情報を出力する。
【0124】
制御部14は、十字キー930Rのキー931Cがタッチされたと判断した場合(S61:YES)、表示入力部10Aに対する押圧操作があるか否かを判断する(S63)。具体的には、制御部14は、圧電センサ結果検出部21Aから押圧操作の有無の情報を取得して、押圧操作があるか否かを判断する。制御部14は、表示入力部10Aに対する押圧操作がされていると判断した場合(S63:YES)、ステップS64に進む。制御部14は、表示入力部10Aに対する押圧操作がされていないと判断した場合(S63:NO)、処理を終了する(エンド)。
【0125】
制御部14は、表示入力部10Aに対する押圧操作があると判断した場合(S63:YES)、強調表示されているメニューアイコンに応じた処理を行う(S64)。
【0126】
以上のように、ユーザは、携帯端末2が操作パッド200L及び操作パッド200Rを備えていなくても、携帯端末1と同様に、ポインタ920を移動させて、指が届かない範囲に表示されたアイコン901、アイコン902、及びメニューアイコン911〜メニューアイコン914に対して操作入力を行うことができる。また、ユーザは、携帯端末1と同様に、1回の動作でメニューアイコン911〜メニューアイコン914に対して操作入力を行うことができる。
【0127】
なお、制御部14は、ステップS54及びステップS64において、圧電センサ結果検出部21Aから取得したレベルLSSに応じた処理を行ってもよい。
【0128】
次に、
図14は、携帯端末2の変形例に係る携帯端末2Aを説明するための図である。
【0129】
携帯端末2Aは、十字キー930L、及び十字キー930Rを表示しない点、及びポインタ920が常時表示されない点において、携帯端末2と相違する。
【0130】
携帯端末2Aは、
図14に示すように、位置925が押圧され、かつ所定の大きさ以上のレベルLSSを検出すると、ポインタ920を表示する。ただし、位置925は、
図14に示す位置に限らず、表示入力部10A内のいずれの位置でもよい。
【0131】
携帯端末2Aは、ポインタ920が表示され、かつ押圧操作の継続及びタッチ位置の変化を検出すると、タッチ位置の変化に応じてポインタ920の表示位置を変更する。
【0132】
携帯端末2Aは、さらに大きなレベルLSSを検出すると、ポインタ920が指し示すアイコン901、アイコン902及びメニューアイコン911〜メニューアイコン914のそれぞれに対応付けられた処理を行う。