特許第6015890号(P6015890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クレシータ セラピューティクス インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許6015890-神経障害性疼痛を処置する方法 図000009
  • 特許6015890-神経障害性疼痛を処置する方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015890
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】神経障害性疼痛を処置する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/70 20060101AFI20161013BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20161013BHJP
   A61K 31/245 20060101ALI20161013BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20161013BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20161013BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20161013BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20161013BHJP
   A61P 23/02 20060101ALI20161013BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   A61K9/70 405
   A61K31/167
   A61K31/245
   A61K47/02
   A61K47/06
   A61K47/14
   A61K47/32
   A61P23/02
   A61P25/02 101
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2011-544676(P2011-544676)
(86)(22)【出願日】2010年1月6日
(65)【公表番号】特表2012-514603(P2012-514603A)
(43)【公表日】2012年6月28日
(86)【国際出願番号】US2010020255
(87)【国際公開番号】WO2010080831
(87)【国際公開日】20100715
【審査請求日】2012年12月17日
【審判番号】不服2014-20113(P2014-20113/J1)
【審判請求日】2014年10月6日
(31)【優先権主張番号】61/142,662
(32)【優先日】2009年1月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516270913
【氏名又は名称】クレシータ セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジー
(72)【発明者】
【氏名】リッパート, ロバート
【合議体】
【審判長】 大熊 幸治
【審判官】 関 美祝
【審判官】 小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−510259(JP,A)
【文献】 特表2008−501805(JP,A)
【文献】 特表2009−524586(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/070679(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00 - 9/72
A61K 31/00 - 31/80
A61K 47/00 - 47/48
A61P 1/00 - 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所麻酔のためまたは神経障害性疼痛の処置のための固体を形成する製剤であって、
6wt%〜8wt%のリドカインおよび6wt%〜8wt%のテトラカイン、
12wt%〜14wt%のポリビニルアルコール、
29.54wt%〜39.94wt%の水、
18wt%〜32.40wt%のリン酸二カルシウム、
5wt%〜10wt%の白色ワセリン、および
2wt%〜4wt%のソルビタンモノパルミテートまたはソルビタンモノステアレート
を含み、リドカインおよびテトラカイン、ポリビニルアルコール、水、リン酸二カルシウム、白色ワセリンならびにソルビタンモノパルミテートまたはソルビタンモノステアレートの合計量が100wt%を超えず、
皮膚の表面への適用のために製剤化されていることを特徴とする
製剤。
【請求項2】
パラベンをさらに含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記リドカインおよびテトラカインが共融混合物の形態にある、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
前記製剤は、3サイクルの凍結/解凍後に粘度が初期粘度から8倍未満増加し、前記凍結/解凍サイクルは、2〜3日間−20℃の環境に前記製剤を置き、その後、2〜3日間25℃で前記製剤を解凍することにより決定される、請求項1に記載の製剤。
【請求項5】
前記リドカインおよびテトラカインの前記送達が、前記水の蒸発後に停止するか、あるいは速度が著しく遅くなる、請求項1に記載の製剤。
【請求項6】
神経障害性疼痛制御のための製剤である、請求項1に記載の製剤。
【請求項7】
局所麻酔のための製剤である、請求項1に記載の製剤。
【請求項8】
前記ポリビニルアルコールに対する前記水の比が2.5より大きい、請求項1に記載の製剤。
【請求項9】
ソルビタンモノパルミテートを含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項10】
ソルビタンモノステアレートを含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項11】
前記3サイクルの凍結/解凍後に粘度が初期粘度から2倍未満増加する、請求項4に記載の製剤。
【請求項12】
経皮送達される、請求項1に記載の製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年1月6日に出願された米国仮特許出願第61/142,662号、および2010年1月5日に出願された米国仮特許出願第12/652,502号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
神経障害性疼痛は、ウイルス感染症および糖尿病など様々な疾患により引き起こされることがある。たとえば、ヘルペス後神経痛は、ヘルペスウイルス感染により引き起こされ、その被験体の皮膚感染部位に中等度から重度の疼痛を生じさせる。神経障害性疼痛の処置には様々な薬剤および製剤が使用されているが、成功の程度は様々である。この種の疼痛を処置することは現在も求められており、従って、即効性があり、持続的な効果がある神経障害性疼痛の処置方法に関する研究も継続されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
こうした背景を踏まえて、被験体の神経障害性疼痛を処置する方法を提供する。本方法は、固体を形成する局所麻酔製剤の層を神経障害性疼痛のあるヒトの皮膚表面に適用し、製剤が局所麻酔薬を被験体に経皮送達し、製剤から十分な量の水の蒸発後、その半固体の初期状態から粘着性の軟らかい固体に変化するのに十分な期間、前記製剤を前記皮膚表面上に維持することを含む。皮膚表面に適用される前の初期状態の固体を形成する局所麻酔製剤は、局所麻酔薬剤、水およびポリマーを含んでいてもよく、さらに水より揮発性が高い任意の溶媒を実質的に含まなくてもよい。固体を形成する局所麻酔製剤は、皮膚表面に適用してから約45分以内に前記神経障害性疼痛を軽減することができる。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
被験体の神経障害性疼痛を処置する方法であって:
局所麻酔薬剤と、水と、ポリマーとを含み、かつ神経障害性疼痛のあるヒトの皮膚表面に適用される前は半固体の状態である、固体を形成する局所麻酔製剤の層を、前記皮膚表面に適用する工程;および
前記製剤の前記層が、前記局所麻酔薬を前記被験体に経皮送達し、前記製剤の前記層から十分な量の水の蒸発後、粘着性の軟らかい固体の層を形成するのを可能とするのに十分な期間、前記製剤の前記層を前記皮膚表面上に維持する工程、
を含み、ここで、
前記固体を形成する局所麻酔製剤は、前記皮膚表面に適用してから約45分以内に前記神経障害性疼痛を軽減する
方法。
(項目2)
前記固体を形成する局所麻酔製剤は、前記製剤に存在する前記水の実質的にすべてが蒸発するまで、前記局所麻酔薬剤を前記被験体に送達し続ける、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記固体を形成する局所麻酔製剤は約30分〜2時間の期間、前記被験体の前記皮膚表面上に維持される、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記皮膚表面は前記神経障害性疼痛のすぐ上にある、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記方法は、適用後20〜120分で前記皮膚から粘着性の軟らかい固体を剥がすことによる、前記固体を形成する局所麻酔製剤が、前記粘着性の軟らかい固体の層を形成した後に、前記固体を形成する局所麻酔製剤を除去する工程をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記固体を形成する局所麻酔製剤は厚さ0.1〜3.0ミリメートルの層として前記皮膚表面に適用される、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記固体を形成する局所麻酔製剤は厚さ0.2〜1.5ミリメートルの層として前記皮膚表面に適用される、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記局所麻酔薬はテトラカインを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記テトラカインは、前記固体を形成する局所麻酔製剤が前記皮膚表面に適用される前に前記製剤の6wt%〜8wt%を構成する、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記局所麻酔薬はリドカインを含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記リドカインは、前記固体を形成する局所麻酔製剤が前記皮膚表面に適用される前に前記製剤の6wt%〜8wt%を構成する、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記局所麻酔薬はリドカインおよびテトラカインの共融混合物である、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記局所麻酔薬はリドカイン、テトラカイン、プリロカイン、ロピバカイン、ブピバカインおよびこれらの混合物からなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記局所麻酔薬は塩基の形態である、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記固体を形成する局所麻酔製剤は、前記皮膚表面に適用後約30分以内に前記神経障害性疼痛の軽減を提供するように製剤化される、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記固体を形成する局所麻酔製剤は、少なくとも45分の適用時間後に少なくとも9時間の疼痛の軽減を提供するように製剤化される、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記固体を形成する局所麻酔製剤は、前記皮膚表面に適用される前に少なくとも約15wt%の水を含む、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記固体を形成する局所麻酔製剤は、前記皮膚表面に適用される前に少なくとも約22wt%の水を含む、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記固体を形成する局所麻酔製剤は、前記皮膚表面に適用される前に少なくとも約50wt%の水を含む、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記ポリマーはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロースまたはこれらの組み合わせの群から選択される1種または複数種のポリマーを含む、項目1に記載の方法。
(項目21)
前記ポリマーはポリビニルアルコールを含む、項目1に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、数値的疼痛評価スケール(NPRS:numeric pain rating scale)を用いた24時間の期間にわたる疼痛スコアに関するプロットを示す。
図2図2は、数値的疼痛評価スケール(NPRS)を用いた24時間の期間にわたるアロディニアの強度に関するプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
詳細な説明
本発明の特定の実施形態を開示および記載する前に、本発明は、本明細書に開示される特定のプロセスおよび材料に限定されるものではなく、したがってプロセスおよび材料はある程度異なっても構わないことを理解されたい。さらに、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲およびその等価物によってのみ規定されるものであり、本明細書に使用される用語は、個々の実施形態を説明するためにのみ使用されるもので、限定的であることを意図するものではないことも理解されたい。
【0006】
本発明について説明および主張する際は、以下の用語を使用する。
【0007】
単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、複数の意味を含む。このため、たとえば、「薬剤(a drug)」という場合、そのような組成物の1つまたは複数の意味を含む。
【0008】
「皮膚」は、ヒト皮膚(正常皮膚、病変皮膚、潰瘍性皮膚または損傷皮膚)と、唇、生殖器粘膜および肛門粘膜、ならびに鼻粘膜および口腔粘膜など通常少なくとも一部が外気にさらされる粘膜表面とを含むものと定義される。
【0009】
「実質的に」という用語は、本明細書で使用する場合、量または他の測定されるものをある程度完全であるものとして説明することを意図している。たとえば、水の蒸発について言及する場合、「実質的に」は、初めの製剤に含まれていた大部分の水ないし全量の水が蒸発したことを意味する。全期間に関する場合、「実質的に」とは、ほぼ全期間ないし全期間(あるいはさらに長い期間)の期間をいう。組成物が水より揮発性が低い溶媒を含まないという場合、「実質的に」という用語は、この種の溶媒がほぼ存在しないこと、たとえば、この種の溶媒含量がごく微量である、ないし非揮発性溶媒がまったく存在しないことを示す。
【0010】
「固体を形成する局所麻酔製剤」または「固体を形成する製剤」という用語は、皮膚表面に適用する前に半固体の状態にあり、かつ局所麻酔薬、水およびポリマーを含む製剤をいう。皮膚表面に薄層(たとえば、1mm厚)として適用後、固体を形成する局所麻酔製剤は、製剤層から十分な濃度の水が蒸発した後に粘着性固体の層を形成する。半固体の例として、クリーム、軟膏、ペースト、粘性ローション、ゲルなどが挙げられる。本発明の固体を形成する製剤は支持層および支持フィルムを含まず、適用前も適用後も別の支持体(たとえば支持層または支持ファーム(backing firm))を必要とせずに半固体状態で皮膚表面に直接適用されるように製剤化される点が注目される。製剤を支持層、支持フィルムまたは他の支持体を用いずに直接皮膚に適用できれば、従来の経皮パッチ(すなわち支持層または支持フィルムを含む経皮パッチ)にはすぐには有用ではない被験体の皮膚(subjects skin)領域に製剤がより良好に接着する能力がさらに改善される。こうした表面への接着が改善されることにより、固体を形成する製剤は、より効果的に治療有効量の局所麻酔薬を送達し、それより神経障害性疼痛の軽減作用を高める。
【0011】
「十分な量の水」または「十分な濃度の水」という語句は、製剤の適用層から蒸発される水の量または濃度をいい、こうした製剤は半固体から粘着性固体に変化する。
【0012】
「粘着性固体」または、さらに詳しくは「粘着性の軟らかい固体」は、十分な(凝固が起こるのに十分な)濃度の水が蒸発した後の固体を形成する局所麻酔製剤の凝固層をいう。粘着性の軟らかい固体は皮膚に接着したままの状態で、所望の適用期間の実質的に全期間にわたり被験体の皮膚と良好な接触を維持することができる。さらに、「粘着性固体」は、皮膚から剥がす際、固体がそのままの状態を維持するよう、十分な凝集力(cohesive strength)を持つことができる。言い換えれば、粘着な軟らかい固体は、液体として粘着な状態を維持するローションおよび他の液体を含むものではなく、むしろ固体状態において少なくとも一部が粘着な状態を維持する組成物を含むものである。一実施形態では、粘着性固体は皮膚から剥がすことができる。
【0013】
「初期状態」という用語は、固体を形成する局所麻酔製剤の説明に使用する場合、皮膚表面に適用される前の製剤の状態をいう。
【0014】
「神経障害性疼痛」という用語は、その原因にかかわらずあらゆる種類の神経障害性疼痛をいう。本発明の方法を使用してもよい神経障害性疼痛の源の具体的な例として、糖尿病性ニューロパチーおよびウイルスが原因のニューロパチーが挙げられる。本明細書に記載するような神経障害性疼痛の処置とは、ニューロパチーと関連する神経障害性疼痛の軽減または消失をいう。
【0015】
「近位の」という用語は、皮膚表面の部位について言及する場合、特に神経障害性疼痛の部位に関する場合、神経障害性疼痛が存在する組織のすぐ上の皮膚の領域(一部または全部を含む)またはそれと直接隣接する皮膚の領域を意味する。
【0016】
本明細書で使用する場合、便宜上、複数の薬剤、化合物および/または溶媒が共通のリストに存在することがある。しかしながら、そうしたリストについては、リストの各メンバーは個々に特有のメンバーとして1つずつ特定されているものと解釈すべきである。したがって、こうしたリストの個々のメンバーは、そうでないと指定することなしに、共通のグループとして表示されていることにのみ基づいて、同じリストにおける他の任意のメンバーの事実上の等価物として解釈してはならない。
【0017】
濃度、量および他の数値データは、範囲形式で本明細書に表示または提示することがある。こうした範囲形式は簡潔にするため便宜上使用されるものにすぎず、したがって範囲の上下限として明示的に記載された数値だけでなく、各数値および下位の範囲も明示的に記載されているかのように、範囲内に包含される個々の数値または下位の範囲もすべて含むように柔軟に解釈すべきであることを理解されたい。例として、「約0.01〜2.0mm」という数値範囲は、約0.01mm〜約2.0mmという明示的に記載した値だけでなく、表記の範囲内にある個々の値および下位の範囲も含むように解釈すべきである。このため、この数値範囲には、0.5、0.7および1.5などの個々の値、および0.5〜1.7、0.7〜1.5および1.0〜1.5などの下位の範囲も含まれる。さらに、こうした解釈は、範囲の大きさまたは記載される特性にかかわらず、適用されるものとする。加えて、他に記載がない限り、パーセンテージはすべて重量単位である点にも注意されたい。
【0018】
効果が達成されるという場合、「大部分のヒト被験者で」、「ヒト被験者で」、「大部分の患者で」および「大部分のヒト患者で」などの語句は、室温で試験した際に、臨床的に意味のあるレベルのその効果が少なくとも12例のヒト被験者群または患者群の少なくとも70%で達成されることを意味する。
【0019】
さらに、適切な製剤における「局所麻酔薬」は、皮膚を「麻酔」する、つまり医学的定義によれば、針の刺入による疼痛を予防するなど疼痛が起こる前に疼痛を予防する、のに使用してもよい点にも留意されたい。ただし、本開示は、「鎮痛効果」が得られる、つまり医学的定義によれば神経障害性疼痛などすでに存在する疼痛を緩和または除去する、局所麻酔製剤の使用方法に関するものである。
【0020】
こうした背景を踏まえて、被験体の神経障害性疼痛を処置する方法を提供する。本方法は、固体を形成する局所麻酔製剤の層を神経障害性疼痛のあるヒトの皮膚表面に適用し、製剤が局所麻酔薬を被験体に経皮送達し、製剤から十分な量の水の蒸発後、その半固体の初期状態から粘着性の軟らかい固体に変化するのに十分な期間、前記製剤を前記皮膚表面上に維持することを含む。皮膚表面に適用される前の初期状態の固体を形成する局所麻酔製剤は、局所麻酔薬剤、水およびポリマーを含んでいてもよく、さらに水より揮発性が高い任意の溶媒を実質的に含まなくてもよい。固体を形成する局所麻酔製剤は、皮膚表面に適用してから約45分以内に前記神経障害性疼痛を軽減することができる。
【0021】
本発明の方法により処置される神経障害性疼痛の源または原因は、変動し得る。神経障害性疼痛の一例として、本開示の実施形態に従い処置し得る疱疹または帯状疱疹に伴う疼痛がある。神経障害性疼痛の源の他の例として、糖尿病に関連する疼痛、ヘルペス後神経痛に関連する疼痛、および手術後/外傷後の状態に関連する疼痛が挙げられる。
【0022】
本開示の方法に使用される固体を形成する局所麻酔製剤は、皮膚表面に適用される前、半固体の初期状態にある。半固体製剤の状態の非限定的な例として、クリーム、軟膏、ペースト、ローションなどが挙げられる。適用後、本開示の固体を形成する局所麻酔製剤は、十分な量の水の蒸発後、軟らかい粘着性固体層を形成する。したがって、本製剤は最初半固体であり、比較的短期間(通常10〜30分)で粘着性の軟らかい固体を形成する。固体を形成する局所麻酔製剤は、皮膚表面への適用を始めてから、製剤から実質的にすべての水が蒸発するまで局所麻酔薬を皮膚に送達することができる。したがって、製剤が凝固しても通常製剤層には依然としてかなりの量の水が存在するため、局所麻酔薬剤の送達は、その形態が軟らかい固体層に変化した後も継続される。実質的にすべての水の蒸発後、局所麻酔薬の送達は、多くの場合、停止するか、あるいは速度が著しく遅くなるため治療効果は有さない。このため、本開示の一実施形態では、固体を形成する局所麻酔製剤は、水を少なくとも約15wt%含むことができる。別の実施形態では、固体を形成する局所麻酔製剤は、水を少なくとも約22wt%含むことができる。なおさらなる実施形態では、固体を形成する局所麻酔製剤は、水を少なくとも約50wt%含むことができる。
【0023】
製剤からの水の蒸発速度は、環境、および皮膚に適用される固体を形成する局所麻酔製剤の層の厚さによって異なる場合がある。一実施形態では、固体を形成する局所麻酔製剤は、厚さ約0.5mmで適用した場合、約15分以内に軟らかい粘着性固体層を形成することができる。適用した製剤の厚さが厚すぎる場合、製剤は凝固するのに長い時間を要し、その結果、利用者にとって幾分不都合となる。適用された固体を形成する局所麻酔製剤の厚さが薄すぎる場合、製剤中の水が早く蒸発しすぎる恐れがあるため、製剤は所望の鎮痛作用を提供することができない。このため、本発明の一実施形態では、固体を形成する局所麻酔製剤を厚さ0.1〜3.0ミリメートルの層として適用してもよい。別の実施形態では、固体を形成する局所麻酔製剤を厚さ0.2〜2.0ミリメートルの層として適用してもよい。なお別の実施形態では、固体を形成する局所麻酔製剤を厚さ0.3mm〜1.5mmの層として適用してもよい。
【0024】
本開示の固体を形成する局所麻酔製剤は、適用されたならば、半固体あるいは軟らかい粘着性固体として皮膚表面に残るが、その期間は様々になり得る。固体を形成する局所麻酔製剤が適度の疼痛軽減効果を提供するには、一般に、製剤が少なくとも約20分の期間、好ましくは少なくとも約60分の期間、被験体の皮膚表面にとどまることが望ましい。一実施形態では、固体を形成する局所麻酔製剤は、皮膚表面に適用してから約45分以内に神経障害性疼痛の軽減または消失効果を発揮するように製剤化される。「神経障害性疼痛の軽減」、「疼痛の軽減」、「臨床的意義がある神経障害性疼痛の低減」という語句(phases)は互換的に使われ、少なくとも12例の被験体を対象に試験を行ったときにプラセボと比較して、11段階の数値的疼痛評価スケールのベースラインから平均で3段階以上低下するものとして定義される。
【0025】
一般に、本発明の方法に使用される製剤は、被験体の皮膚表面に約45分間〜約2時間の期間維持されるように製剤化される。いくつかの実施形態では、製剤は、2時間を超える長期間皮膚に残っていてもよい。一実施形態では、固体を形成する局所麻酔製剤は、皮膚に約20分〜約120分の期間残り得、その後製剤は洗浄により除去してもよいが、通常粘着性の軟らかい固体を皮膚から剥がすことにより除去できる。鎮痛作用の期間は、製剤が皮膚に残っている時間によってある程度異なる。一実施形態では、固体を形成する局所麻酔製剤は、少なくとも45分の適用時間後、疼痛軽減作用を少なくとも6時間提供するように製剤化してもよい。
【0026】
本開示の方法に使用される固体を形成する局所麻酔製剤は、当該技術分野において公知の様々な局所麻酔薬を含むことができる。局所麻酔薬の非限定的な例として、テトラカイン、リドカイン、プリロカイン、ロピバカイン、ブピバカインおよびこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、局所麻酔薬の総濃度は、製剤の約4wt%〜約15wt%であってもよい。1つの特定の実施形態では、固体を形成する局所麻酔製剤は、テトラカインを製剤の約4wt%〜約10wt%の量で、あるいは一実施形態(on embodiment)では、製剤の約6wt%〜約8wt%の量で含む。別の実施形態では、固体を形成する局所麻酔製剤は、リドカインを局所麻酔製剤の約4wt%〜約10wt%の量で、あるいは一実施形態では、約6wt%〜約8wt%の量で含んでいてもよい。さらなる実施形態では、固体を形成する局所麻酔製剤中の局所麻酔薬剤は、複数の塩基形局所麻酔薬、たとえばリドカインおよびテトラカインの共融混合物であってもよい。(それぞれ約4wt%〜10wt%、または約6w%〜約8wt%)。本開示に言及される局所麻酔薬の濃度はすべて、製剤が皮膚表面に適用される前の重量濃度である点に注意されたい。製剤を皮膚表面に薄層として適用した後、水が蒸発し始め、局所麻酔薬の濃度が上昇し始める。局所麻酔薬(単数または複数)がすでに存在する神経障害性疼痛に対して鎮痛効果を促進するのであれば、単一で任意の局所麻酔薬を使用してもよいし、あるいは局所麻酔薬を任意に組み合わせて使用してもよい点にさらに注意されたい。さらに、こうした局所麻酔薬はその塩基形態で存在してもよく、多くの場合、その方がより効果的である点にも留意されたい。
【0027】
本開示の固体を形成する局所麻酔製剤に使用してもよいポリマーとして、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、これらの混合物などが挙げられるが、これに限定されるものではない。ポリマーまたはポリマーの混合物は、水および/または製剤に存在する場合がある他の溶媒の蒸発の際に、粘着性の軟らかい固体の形成を促進するのに役立つ。本発明の固体を形成する局所麻酔製剤の典型的なポリマー濃度は、約10wt%〜約40wt%の範囲である。一実施形態では、ポリマー濃度は約12wt%〜約30wt%としてもよい。
【実施例】
【0028】
以下の実施例は、現在最もよく知られた本発明の実施形態を説明する。しかしながら、以下は、本発明の原理の応用の例示または説明にすぎないことを理解されたい。当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲で多くの修正、ならびに代替の組成物、方法およびシステムを工夫し得る。添付の特許請求の範囲は、そうした修正および構成を含むことを意図している。したがって、本発明について詳細に上述してきたが、以下の実施例は、現時点で本発明の最も実用的で好ましいと考えられる実施形態についてさらに詳述するものである。
【0029】
(実施例1)
固体を形成する局所麻酔製剤
本発明の一実施形態により、表1の製剤の組成に従い固体を形成する局所麻酔製剤を調製した:
【0030】
【表1】
【0031】
製剤は、適用後粘着性の軟らかい固体を形成する。
【0032】
(実施例2)
固体を形成する局所麻酔製剤
本発明の一実施形態により、表2の製剤の組成に従い別の固体を形成する局所麻酔製剤を調製した:
【0033】
【表2】
【0034】
(実施例3)
ヘルペス後神経障害が原因の神経障害性疼痛の処置
実施例1の製剤について、ヘルペス後神経障害に罹患している23例のヒト被験者を対象に二重盲検によるクロスオーバー試験を実施した。約1ミリメートルの層の製剤を、ヒト被験者が疼痛に罹患している皮膚領域に適用した。製剤は軟らかい粘着性固体層に凝固し、60分後に剥がして除去した。各被験者の疼痛スコアを視覚的アナログ疼痛スケールで記録した。治療群(active arm)の疼痛スコアの平均値は、製剤の適用から早くも約30分後にプラセボ群と比較して著しい低下を示し始め、治療群の低下はプラセボ群に対して約2倍大きかった。製剤の疼痛スコアの低下は製剤の除去後も継続し、プラセボの2倍を超える水準を9時間を超えて維持した。疼痛スコアを図1に示す。治療群の患者ではさらに、プラセボ群よりアロディニアが大きく軽減された。結果を図2に示す。この実施例から、製剤適用のわずか1時間後に、疼痛およびアロディニアが顕著に軽減され、その効果が9時間を超えて持続し得ることが示される。
【0035】
(実施例4)
ヘルペス後神経障害が原因の神経障害性疼痛の処置
実施例3に記載されているように0.3mm厚の製剤層を皮膚に適用し、適用後約2時間そのまま状態しておくことにより、製剤中に存在する実質的にすべての水が蒸発し、局所麻酔薬の送達が実質的に停止するが、鎮痛作用は持続する。
【0036】
(実施例5)
製剤の粘度試験
以下は、本発明の製剤の粘度測定の試験手順の概要を示す。
【0037】
1.試験を行う必要があるサンプルを冷蔵庫から取り出し、処理前に少なくとも1時間室温で平衡にさせた。サンプルは、処理前に実験室温度で平衡にする必要がある。
【0038】
2.天秤を使用して、空の少量サンプルアダプター(13R)を天秤に載せ、風袋引きボタン(tare button)を押す。アダプターの風袋引きが行われたら、アダプターにサンプル材料を総重量の約1/3(約7グラム)まで充填する。アダプターの硬質な表面を数秒間軽くたたいて底面に存在し得る閉じ込められた空気を除去する。軽くたたいて閉じ込められた空気を除去しながら、サンプル重量が20〜21グラム(最大)になるまで、サンプルアダプターの1/3を1度にさらなるサンプル材料で充填し続ける。
【0039】
3.バランス遠心分離機を使用して、サンプル中の任意の気泡をさらに除去するためアダプターのサンプルを約30秒間高速(約4000rpm)で回転させる。
【0040】
4.遠心分離後、サンプル材料(約1グラム)をさらに加えて、21〜22グラムの最終的なサンプル重量を得る。サンプル重量(グラム単位)を記録する。
【0041】
5.粘度計の温度コントローラーを23±2℃に設定する。少量サンプルアダプター内のサンプルを平衡にさせる。温度計を使用して、プローブを、アダプターの壁から離れたサンプルの中央に1cm以下挿入する。
【0042】
6.ここでサンプルは粘度計による試験の準備が整う。サンプルアダプターをサンプルアダプターホルダーに挿入し、溝を合わせて適切な位置にロックする。スピンドル連結ナットモジュールの後ろにあるナットをねじって外し、サンプルアダプターを支持するバックホルダーを取り外す。スピンドル連結リンクを粘度計連結ナットにはめ込み、スピンドルを時計回りに回す。バックホルダーを元の位置に戻し、同時にスピンドルをサンプルホルダーの中央に浸す。できる限りサンプルの混乱(perturbation)を回避する。スピンドル連結ナットモジュールの後にあるバックアダプターを維持するナットをねじ込む。粘度測定の際は、スピンドルをシャフトの凹みの中央までサンプルに浸す必要がある。スピンドルをシャフトの凹みの中央までサンプルに浸さないと、不完全な粘度測定値が得られることがある。
【0043】
7.スピンドルを所定の位置に固定したら、「速度設定(SET SPEED)」キーを1回押し、矢印tまたはj.を使用してスピンドルの速度を4.0rpmに設定する。「速度設定」キーを再び押す。適切な速度(4.0rpm)およびスピンドル(7)がディスプレイに表示されたら、2分からカウントダウンするようにタイマーを設定する。
【0044】
8.タイマーを始動させると同時に、「モーターオン/オフ(MOTOR ON/OFF)」キーを押して粘度測定を開始する。粘度測定値およびトルク値(%)を記録する前に読みを2分間平衡にさせる。
【0045】
9.読みが粘度計の範囲外(トルク測定値(%)>100.0%)になった場合、cpおよびトルク測定値はEEEEを示す。ここでモーターをオフにし、速度をすぐ下の設定に変更し、2分間のタイマーを再始動させる。モーターおよびタイマーを同時にオンにし、読みを2分間平衡にさせてからトルク値および粘度値を記録する。トルクおよび粘度が依然として範囲外(EEEE)である場合、速度を段階的に下げ続け、T値(%)および粘度値が範囲内に収まるまでサンプルの測定を繰り返す。
【0046】
10.2分間の平衡時間が経過したら、トルク値(%)および粘度値を記録する。モーターキーを押してオフにする。ここで、ロックを解除し、サンプルアダプターをサンプルアダプターホルダーから慎重に取り外す。粘度計連結ナットを保持しながら、スピンドルカウンターを時計回りに回してスピンドルを粘度計から取り外す。
【0047】
11.過剰のサンプル材料をスピンドルから除去する。サンプルアダプターに残ったサンプルは、廃棄物容器に入れてもよい。
【0048】
(実施例6)
製剤の粘度は、主にチューブからの製品の絞り出しにくさ、および製品の皮膚における展延性に影響する。粘度が低くなると、容器から出しやすくなると同時に皮膚に適用しやすくなるが、粘度が低すぎると、製品が使用できなくなることがある。粘度が過度に低いと、製剤がチューブから過剰に滴るか、または皮膚に適用後流れたりする場合がある。
【0049】
様々な粘度で数種の製剤を製造して、様々な粘度範囲を実証した。以下の製剤を製造し、塗布性について評価した。粘度約28kセンチポアズの製剤1は適用が容易で広がりやすいものの、やや流れやすかった。製剤2および3は若干より高粘度であり、その分流れにくかった。製剤4および5はさらに高粘度であったが、それでもチューブから絞り出しやすく、平らな層に非常に広がりやすかった。こうした高粘度製剤はより流れにくい傾向を示した。粘度約828kの製剤6は極めて粘稠であり、投薬して広げるのにより手間がかかるものの、一部の用途にはなお好適であった。とはいえ、アロディニアにかかっている皮膚など非常に感受性の高い皮膚表面にはあまり望ましくないと考えられる。
【0050】
【表3】
【0051】
(実施例7)
製剤の全含水量は、主に化学的安定性および乾燥時間の観点から重要である。テトラカインは水溶液中で4−ブチルアミノ安息香酸(4−BABA:4−butylaminobenzoic acid)および2−ジメチルアミノエタノール(DMAE)に加水分解することが示されている。したがって、製剤の分解生成物は、製剤の最適な効力および純度を確保するため最小限にとどめるべきである。様々な製剤の試験(下記表を参照)から、製剤の4−BABAレベルは製剤の全含水量に相関することが示された。5℃で24カ月保存(保管期間)後、4−BABAのレベルを3%未満に維持することが望ましいという意味で、たとえば全含水量を確実に約50%未満に保つことが望ましいことになる。
【0052】
【表4】
【0053】
また、全含水量は製剤の乾燥時間にも直接影響を与える点に注目すべきである。水が蒸発すると製剤は凝固層を形成するため、全含水量は乾燥時間に直接影響することが予想される。数種の製剤を試験して含水量の乾燥時間に与える影響を評価したところ、下記に示す結果から、約30%の水を含む製剤は約10分で完全に指触乾燥したのに対し、40%および54%の水を含む製剤は指触乾燥にそれぞれ約30および60分を要した。指触乾燥とは、指で軽く触れても製剤が層から剥がれないほど十分に製剤層の表面が凝固していることを意味する。
【0054】
【表5】
【0055】
(実施例8)
本明細書の製剤は冷蔵状態で保存してもよいため、非常な低温、凍結温度または循環(凍結融解)温度が製剤に与える影響は、製剤の改良のために注目し得る。凍結融解サイクルにより製剤中のPVA分子は架橋を生じ得、結果として粘度が飛躍的に増大し、製剤が皮膚に広がりにくくなり得る。複数の「凍結融解」サイクルにさらした際の影響を評価するため、数種の製剤について一連のサイクリング(凍結融解)試験を行った。凍結融解1サイクルとは、2〜3日間凍結条件(すなわち−20℃)にさらした後、2〜3日間解凍条件(すなわち25℃)にさらすことと定義される。強固な(robust)製剤であるほど、複数の凍結融解サイクルにさらされた後の粘度の増大が小さくなる。
【0056】
数種の製剤を開発して、凍結融解サイクルにかけた。実施例5に概要を示した方法を使用してベースラインおよび各凍結融解サイクル後の粘度を測定した。
【0057】
下記製剤について収集したデータから、水とPVAとの比率が凍結/融解にさらされることに対する抵抗性に影響を与えることが示される。水:PVA比が2.5を超える製剤は、下記表に示すように、複数の凍結/融解サイクルにさらされた後の粘度の増大がさほど顕著でないことが実証された。
【0058】
【表6】
【0059】
(実施例9)
2種の固体を形成する局所麻酔製剤を作製した。その組成を以下の表に示す。その2種の製剤は、乳化剤として製剤20ではSpan40(ソビタンモノパルミテート(Sobitan Monopalmitate))を使用し、製剤21ではSpan60(ソルビタンモノステアレート)を使用したこと以外は同じである。約3カ月後、製剤20は、製剤21より(that)著しい相分離を示した。
【0060】
【表7】
【0061】
いくつかの好ましい実施形態を参照しながら本発明について記載してきたが、当業者であれば、本発明の精神を逸脱しない範囲で様々な修正、変更、省略および代用が実施可能であることを理解する。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲の範囲によってのみ限定されることを意図している。
図1
図2