(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の調圧機能付き止水栓装置、及び、調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置及び湯水混合水栓装置の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置(湯水混合水栓装置)を示す概略斜視図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置1を備えた水栓装置である湯水混合水栓装置2は、湯水混合水栓装置本体4を有し、湯水混合水栓装置本体4は、その背面側に突出する湯側流入部6及び水側流入部8、先端部に吐水口10aが形成されたスパウト10、シャワーホース12、温度調節装置14、スパウト10の吐水口10aによるスパウト吐水又はシャワーホース12によるシャワー吐水に切り替え可能な流量調整機能を備えたスパウト/シャワー切替装置16を備えている。このような温度調節装置14を備えた湯水混合水栓装置2は、いわゆる「サーモスタット混合栓」と呼ばれている。
【0020】
また、湯水混合水栓装置2は、湯水混合水栓装置本体4の湯側流入部6及び水側流入部8のそれぞれの背面側(上流側)に接続され且つ調圧機能付き止水栓装置1がそれぞれ取り付けられる湯側脚部材18及び水側脚部材20をそれぞれ備え、湯側脚部材18及び水側脚部材20のそれぞれの内部には、湯側通水路22及び水側通水路24がそれぞれ形成されている。
なお、本実施形態では、例として、調圧機能付き止水栓装置1を湯水混合水栓装置2の湯側脚部材18及び水側脚部材20の双方に適用させる形態について説明するが、このような形態に限定されず、湯側脚部材18については、調圧機能を備えずに止水機能のみを備えた脚部材となるように構成し、水側脚部材20のみに本実施形態の調圧機能付き止水栓装置1を適用させる形態であってもよい。また、このような形態とは逆に、湯側脚部材18のみに本実施形態の調圧機能付き止水栓装置1を適用させてもよい。
また、湯側脚部材18及び水側脚部材20の構成については同一であるため、以下、湯側脚部材18については説明を省略し、水側脚部材20のみについて具体的に説明する。
【0021】
つぎに、
図1〜
図5及び
図8を参照して、本実施形態の調圧機能付き止水栓装置1の詳細と、この調圧機能付き止水栓装置1が組み込まれた湯水混合水栓装置2の水側脚部材20の詳細について具体的に説明する。
図2は本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置の分解斜視図であり、
図3は本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材を示す側面図であり、
図4は本発明の第1実施形態による止水状態の調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材の平面断面図であり、
図5は本発明の第1実施形態による中圧時の通水状態の調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材の部分を拡大した部分拡大断面図である。また、
図8は本発明の第1実施形態による高圧時の通水状態の調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材の部分を拡大した部分拡大断面図である。
【0022】
図2〜
図5に示すように、水側脚部材20の水側通水路24は、水道等の給水源(図示せず)に接続される配管(図示せず)に接続される水側脚部材20の上流側接続部26に形成された入口24aから、湯水混合水栓装置本体4の水側流入部8に接続される水側脚部材20の下流側接続部28に形成された出口24bまで、水側脚部材20の内部にクランク状に形成されている。
また、この水側通水路24は、その入口24aから調圧機能付き止水栓装置1が取り付けられる取付室24cまで延びる1次側通水路30と、水側通水路24の取付室24cから下流側に向って水側脚部材20の正面20a及び背面20bとほぼ平行に所定距離に延びた後、前方の出口24bに向って延びる2次側通水路32とを備えている。
【0023】
つぎに、
図2に示すように、調圧機能付き止水栓装置1は、上流側から下流側にかけて止水栓装置本体34、調圧弁36及び止水栓ガイド部材38を備えている。
【0024】
図2、
図4及び
図5に示すように、止水栓装置本体34は、水側通水路24の取付室24cを形成する水側脚部材20の止水栓装置本体部39を備え、この止水栓装置本体部39に取り付けられるようになっている。また、止水栓装置本体34は、水側通水路24の取付室24cの流入口24d近傍から上流側の1次側通水路30の内周に沿って形成された止水栓装置本体部の雌ねじ部に螺合される雄ねじ部40を備えている。
さらに、止水栓装置本体34は、前後方向に延びる回転軸部42を備え、この回転軸部42の後端部42aは、雄ねじ部40の前面40aの一部から前方へ突出する柱部40bに一体的に形成されている。さらに、雄ねじ部40の内周面40cは、水側通水路24の取付室24cの流入口24dが開放された通水状態のときに、1次側通水路30と取付室24cとを連通させる通水路を形成している。
【0025】
一方、回転軸部42の前端部は、回転軸部42について調圧機能付き止水栓装置1の長手方向の中心軸線Cの軸線回りに回転操作可能な操作部42bとなっている。この操作部42bには、キー溝42cが形成され、このキー溝42cにマイナスドライバー等の工具(図示せず)を嵌め込んで回すことにより、止水栓装置本体34の雄ねじ部40及び回転軸部42について中心軸線Cの軸線回りの回転操作を行うことができるようになっている。
【0026】
さらに、止水栓装置本体34は、回転軸部42の後端部42aから半径方向外側に突出するように形成された止水弁体部44を備え、この止水弁体部44は、止水栓装置本体34の操作部42bによる回転操作が行われると、回転軸部42の軸回りの回転に応じて水側通水路24の取付室24cの流入口24dに対して軸方向に相対移動することにより、流入口24dを開閉することができるようになっている。
【0027】
また、止水栓装置本体34の止水弁体部44は、前後方向に所定間隔をおいて半径方向外側に突出するように形成された前側支持突起44a及び後側支持突起44bと、これらの前側支持突起44aと後側支持突起44bとの間に取り付けられて保持される円環状のシール部材であるパッキン46とを備えている。パッキン46は、ゴム材料又は樹脂材料、或いはこれらの複合材料によって形成され、
図4に示すように、止水栓装置本体34の止水弁体部44の後側支持突起44bの後端部(回転軸部42の後端部42a)及びパッキン46の後端面46aが水側通水路24の取付室24cの流入口24dに当接して密着しているときには、流入口24dが弁座となって水側通水路24の1次側通水路30と2次側通水路32とが止水された状態となるようになっている。
一方、
図5及び
図8に示すように、止水栓装置本体34の止水弁体部44の後側支持突起44b及びパッキン46が水側通水路24の取付室24cの流入口24dに当接していないときには、水側通水路24の1次側通水路30と2次側通水路32とが通水された状態となり、後述する調圧弁36の調圧弁体48がパッキン46の外周面46bに対して軸方向に摺動可能となり且つ水側通水路24の取付室24c内に流入した水が調圧弁体48の内部の後述する調圧ばね50のばね室52内に浸入しないように、パッキン46の外周面46bが調圧弁体48の内周面48aとの隙間を密封するようになっている。
【0028】
調圧弁36は、止水栓装置本体34の回転軸部42に対して軸方向に移動可能に取り付けられた調圧弁体48と、この調圧弁体48を軸方向外側(
図5の前側方向)に付勢する調圧ばね50とを備えている。なお、「軸方向外側」とは、止水栓装置本体34が流入口24dを開放する方向、すなわち、止水栓装置本体34の回転軸部42の軸方向において、止水栓装置本体部39から離間する方向を意味する。
調圧弁体48は、止水栓装置本体34の回転軸部42及び止水弁体部44のそれぞれの外周を取り囲むようにほぼ筒状に形成され、その内部に設けられた調圧ばね50が軸方向に伸縮して作動するためのばね室52を形成し、調圧弁体48の後端側口縁部48dにおいては周方向に張り出した(半径方向外側に突出する)フランジ48fが、円環の全周に渡って形成されている。このフランジ48fの後面が、調圧弁体が後方移動する際に移動する向きと逆の抵抗力を受けるようになっている。
調圧ばね50は、軸方向の圧縮力により軸方向に伸縮可能な圧縮コイルばねであり、調圧弁体48と接続され、具体的には、予め所定の圧縮荷重(予荷重)を与えられた状態で調圧ばね50の後端部50aが止水栓装置本体34の止水弁体部44の前側支持突起44aに当接し、調圧ばね50の前端部50bが調圧弁体48の肩部48bの内面に当接している。
【0029】
また、
図5及び
図8に示すように、調圧弁体48の肩部48bの前面は、止水栓装置本体34の止水弁体部44が水側通水路24の取付室24cの流入口24dを開放した通水状態のときに、調圧弁体48を止水栓装置本体34の回転軸部42に対して軸方向内側(
図5の後側方向)に移動させる水圧P1を外側から軸方向内側に受ける受圧部48cとなっている。
例えば、調圧弁体48の受圧部48cに作用する水側通水路24の取付室24c内の水圧P1が所定値未満の場合には、調圧ばね50は軸方向に撓まず、調圧弁体48も止水栓装置本体34の回転軸部42に対して軸方向内側(
図5の後側方向)に移動しないようになっている。
一方、調圧弁体48の受圧部48cが受圧する水圧P1が所定値以上の場合には、この水圧P1が調圧弁体48を軸方向内側(
図5の後側方向)に押圧する力が調圧ばね50の付勢力F1(
図5参照)を上回り、調圧弁体48が止水栓装置本体34の回転軸部42に対して軸方向内側(
図5の後側方向)に移動することにより、調圧弁体48の後端側口縁部48dと水側脚部材20の止水栓装置本体部との相対的な距離d1を調整し、水側通水路24の流路断面積を調整して、1次側通水路30から取付室24c内の流入口24dを経て水側通水路24の出口24bから湯水混合水栓装置本体4へ流出する水の圧力が調整されるようになっている。
【0030】
ここで、
図5及び
図8は、水圧P1の中圧時の通水状態の調圧弁36の調圧弁体48の軸方向の位置と、この水圧P1よりも高い水圧P2の高圧時の通水状態の調圧弁36の調圧弁体48の軸方向の位置をそれぞれ示しているが、
図8に示す水圧P2の高圧時の通水状態においては、調圧弁体48の後端側口縁部48dと水側脚部材20の止水栓装置本体部39との相対的な距離d2が、
図5に示す水圧P1の中圧時の調圧弁体48の後端側口縁部48dと水側脚部材20の止水栓装置本体部39との相対的な距離d1よりも小さくなり、調圧弁体48の後端側口縁部48dと水側脚部材20の止水栓装置本体部39との間の流路が狭くなり、水側通水路24の流路断面積が小さくなり、調圧弁36の調圧弁体48を通過する水の流量が絞られることにより調圧が行われるようになっている。
【0031】
つぎに、
図2、
図5及び
図6に示すように、止水栓装置本体34の回転軸部42は、調圧弁36の調圧ばね50の前端部50bが調圧弁体48の肩部48b(受圧部48c)の内面を軸方向外側(
図5の前側方向)に付勢しているときに、調圧弁体48が止水栓装置本体34の回転軸部42の前端部近傍位置よりも軸方向外側に移動しないように規制するための移動規制手段である止め環部材54を備えている。
【0032】
つぎに、
図2〜
図5及び
図8に示すように、止水栓ガイド部材38は、水側通水路24の取付室24c内に取り付けられた止水栓装置本体34及び調圧弁36に軸方向外側から着脱可能に取り付けられる止水栓ガイド部材本体56と、水側通水路24の取付室24c内における調圧弁36の調圧弁体48の外周側の2次側通水路32を取り囲むように止水栓ガイド部材本体56の後端部の内周面56aに着脱可能に取り付けられて水側通水路24の取付室24cに流入する通水中に含まれるごみをろ過するフィルター部材58と、止水栓ガイド部材本体56の内周面の後側に形成された凹部と、この凹部内に配置されて調圧弁36の調圧弁体48の側壁部48hを軸方向に摺動可能に保持するC型リング64とを備えている。
【0033】
止水栓ガイド部材本体56の外周面には、外周面に形成された雄ねじ56bを備え、この雄ねじ56bは、水側脚部材20の雌ねじ20dに螺合させるようになっている。
また、止水栓ガイド部材38は、止水栓ガイド部材本体56の外周面に取り付ける外側オーリング60を備え、この外側オーリング60により、止水栓ガイド部材本体56の外周面と水側脚部材20の内周面との隙間が密封されるようになっている。
【0034】
さらに、止水栓ガイド部材本体56の内周面は、前側ガイド部56cと、後側ガイド部56dとを備え、前側ガイド部56cは、止水栓ガイド部材本体56が水側脚部材20の取付部20cに取り付けられた状態で、止水栓装置本体34の回転軸部42の操作部42bと調圧弁36の調圧弁体48の首部48eの外周を取り囲み、止水栓装置本体34の回転軸部42の操作部42bと調圧弁36の調圧弁体48の軸方向の移動をガイドすることができるようになっている。止水栓ガイド部材本体56の前側ガイド部56cには、その内周面と調圧弁36の調圧弁体48の首部48eの外周面との隙間を密封するための内側オーリング62が設けられている。
また、止水栓ガイド部材本体56の内周面の後側ガイド部56dは、調圧弁36の調圧弁体48の肩部48bから後方の段部48gまで延びる調圧弁体48の側壁部48hの軸方向の移動をガイドすることができるようになっている。
【0035】
次に、
図5乃至
図7により、止水栓ガイド部材本体56の内周面の後側ガイド部56dについて詳細に説明する。
図6は、
図3の水側脚部材のVI−VI断面を示す断面図であり、
図7は、本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置の止水栓ガイドのC型リングを正面側斜め上方から見た斜視図である。
止水栓ガイド部材本体56の後側ガイド部56dには、その内周面が半径方向外側に向かって凹むように形成された凹部66が形成されている。この凹部66は、全周にわたる環形状の内側空間を形成し、凹部66の断面は、内側に向かって開口されたコの字形に形成されている。
止水栓ガイド部材本体56の後側ガイド部56dの凹部66には、凹部66により形成された環状空間とほぼ合致するような環形状に形成されたC型リング64が組合せられている。C型リング64には、円環の全周の一部分において切欠きが形成され、C字形状における開部64aが形成されている。
C型リング64は、その前側の前面64bと、その後側の後面64cと、その半径方向内側の内周面64dと、その半径方向外側の外周面64eとを備えている。
C型リング64は、C型リング64が2次側通水路32から水圧を受ける場合にその前面64bとこの凹部の前方内面66aとがほぼ密着するように支持され、その後面64cとこの凹部66の後方内面66bとの間にはわずかな外周隙間が形成されている。C型リング64の内周面64dは、調圧弁36の調圧弁体48の側壁部48hと接しながらガイドできるように配置されている。C型リング64の外周面64eと凹部内周面66cとの間には、外周隙間66dが形成されている。
【0036】
C型リング64に形成された開部64aは、前面64b側の環全体のうち一部に形成された開口から、後面64c側の環全体のうち一部に形成された開口まで、後方に向かって直線的に延びる開通路を形成している。
C型リング64を凹部66内に組合せて配置した場合には、C型リング64の前面64bが凹部66の前方内面66aに押し付けられて密着する場合、C型リングの後面64cが凹部66の後方内面66bに押し付けられて密着する場合、これらの接触領域では通水しにくい状態(通水がほぼシールされるような状態)となり、及び上記のように組合わせ配置されている場合には、C型リング64の内周面64dと側壁部48hとの間においては、通水しにくい状態(通水がほぼシールされるような状態)となっている。一方、C型リング64の開部64aは、通水可能な流路を形成し、この開部64a内の流路が、2次側通水路32と連通し、受圧部側通水路68と連通するようになっている。
【0037】
C型リング64の開部64aの大きさは、C型リング64の前面64bから見て、開部64aの開口幅の長さL1が約1mm程度であり、2次側通水路32内の水圧上昇時に、水が2次側通水路32から急激に流入するときに、C型リング64の開部64a内の流路を一気に通過しにくい抵抗を生じるような大きさ(急激な流量の変化をやわらげて調圧弁体48の動きにダンパー効果を生じるような大きさ)に形成されている。
従って、C型リング64の開部64aは、2次側通水路32から流入する際の流路の大きさに比べて非常に小さい流路を有し、急激な水の流入を防ぐように緩衝してダンパー効果を生じることができる。つまり、2次側通水路32内の水圧が上昇したときに、C型リング64の開部64aによって、通過する水の流量を、ある程度抑制した流量とすることができ、結果として調圧弁体48の急激な移動を抑制することが出来る。
C型リング64の開部64aの形状は、上述のような所定の流量を通過できる流路を形成できるさまざまな形状に変更でき、例えば、前面64b側の開口から後面64c側の開口に向かって斜め方向に直線的に延びる隙間(軸線方向から見て半径方向且つ後方に延びる隙間)が形成されていてもよい。
【0038】
上述した本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の動作(作用)について説明する。
まず、
図4に示すように、止水された状態では、使用者が、止水栓装置本体34の回転軸部42の操作部42bのキー溝42cを回転させて、止水栓装置本体34の回転軸部42及び雄ねじ部40が軸方向上流側(後方)に移動され、これにより、止水栓装置本体34の止水弁体部44の後側支持突起44bの後端部(回転軸部42の後端部42a)及びパッキン46の後端面46aが止水栓装置本体部39に当接して密着し、流入口24dを閉鎖し、1次側通水路30及び2次側通水路32が止水された状態となっている。
【0039】
次に、
図5に示すように、中圧時の通水状態について説明する。
止水栓装置本体34の止水弁体部44によって、流入口24dが開放された状態では、一次側通水路30内の水は、止水栓装置本体34の雄ねじ部40の内周面40cによって形成される流路を通過して流入口24dを経て取付室24c内に流れ込む。そして、この取付室24c内に流れ込んだ水は、調圧弁体48の外側からフィルター部材58を通過して、2次側通水路32へ流出する。2次側通水路32へ流出する水のうち一部は、2次側通水路32からC型リング64の開部64a内の流路を通過して受圧部側通水路68に出入りできる。
【0040】
このとき、
図5に示すように、取付室24c内において、調圧弁36の調圧弁体48の受圧部48cが受圧部側通水路の水から受圧する水圧P1が所定値以上に達すると、この水圧P1が調圧弁体48を軸方向内側(
図5の後側方向)に押圧する力が調圧ばね50の付勢力F1を上回り、調圧弁体48が止水栓装置本体34の回転軸部42に対して軸方向内側(
図5の後側方向)に移動し、調圧弁体48の後端側口縁部48dと水側脚部材20の止水栓装置本体部39との相対的な距離d1が調整され、水側通水路24の流路断面積を調整して、一次側通水路30から取付室24c内の流入口24dを経て水側通水路24の出口24bから湯水混合水栓装置本体4へ流出する水の圧力が調整される。
【0041】
一方、調圧弁36の調圧弁体48の受圧部48cで受圧した水圧P1が所定値未満である場合には、調圧弁体48から調圧ばね50の軸方向に作用する圧縮荷重も所定値未満となり、調圧ばね50は軸方向に圧縮されることなく調圧弁体48の後端側口縁部48dと水側脚部材20の止水栓装置本体部39との相対的な距離は、
図5に示す水圧P1の中圧時の調圧弁体48の後端側口縁部48dと水側通水路24の止水栓装置本体部39との相対的な距離d1よりも大きくなる。
【0042】
さらに、
図8に示すように、高圧時の通水状態について説明する。
2次側通水路32内の水圧が上昇する場合には、水が2次側通水路32からC型リング64の開部64a内の流路を通過して受圧部側通水路68に流入する。水が受圧部側通水路68に流入すると受圧部側通水路68が調圧弁36の調圧弁体48の受圧部48cに対して軸方向内側に及ぼす力が増大する。調圧弁36の調圧弁体48の受圧部48cが受圧する水圧P2が
図5に示す中圧時の通水状態の水圧P1よりも高い高圧時の通水状態となると、調圧弁体48の後端側口縁部48dと水側脚部材20の止水栓装置本体部39との相対的な距離d2が、
図5に示す水圧P1の中圧時の調圧弁体48の後端側口縁部48dと水側脚部材20の止水栓装置本体部39との相対的な距離d1よりも小さくなり、調圧弁体48の後端側口縁部48dと水側脚部材20の止水栓装置本体部39との間の流路が狭くなり、水側通水路24の流路断面積が減少して、調圧弁36の調圧弁体48を通過する水の流量が絞られることにより調圧が行われる。
【0043】
さらに、
図5の中圧時の通水状態から急激に水圧が上昇して、
図8の高圧時の通水状態に変化する場合について説明する。
2次側通水路32内の水圧が急激に上昇する場合には、水が2次側通水路32からC型リング64の開部64a内の流路を急激に通過しようとする。
水は、2次側通水路32から止水栓ガイド部材本体56の後側ガイド部56dと調圧弁36の調圧弁体48の側壁部48hとの間をC型リング64の環状の後面64cに向かって流入する。C型リング64の後面64cは、流入してきた水が衝突するので水の抵抗力を受け、更に、C型リング64の開部64aの周辺の後面64cは、開部64aに急激に流入する水による圧力を受け、C型リング64の開部64aは、流入してきた水を通水させるので水の抵抗力を受けないようになっており、C型リング64は、C型リング64の全周において不均一に圧力を受ける(歪な抵抗による力を受ける)。C型リング64が受けた力(歪な抵抗により生じる力)は、C型リング64の前面64bが押し付けられて支持される凹部66の前方内面66aへと伝達され、調圧弁体48に伝達されないようになっている。
【0044】
2次側通水路32内の水圧が急激に上昇する場合に、2次側通水路32から流入してくる水は、C型リング64の前面64bと凹部66の前方内面66aとの間及びC型リング64と調圧弁体48の側壁部48hとの間において流れが遮られ、C型リング64の開部64aに流入しようとするが、C型リング64の開部64aの大きさは限られているので、抵抗を受けて急激に流入することができず、緩やかな流量の変化に抑えられながらC型リング64の開部64aを通過する。
C型リング64の開部64aを通過した水は、受圧部側通水路68に流入する。水が、受圧部側通水路68内に急激に流入することなく、開部64aで水流抵抗を受けながら、穏やかな流れで流入するので、受圧部側通水路68の水圧を受けて受圧される受圧部48cは急激に加圧されず、急激な作動が抑制される。従って、調圧弁体48は穏やかな移動速度の範囲の変化で軸方向内側に移動されて止水栓装置本体部39との相対的な距離を調整することができ、調圧弁体48が急激に作動され、高い移動速度を有することによって、調圧弁体48の後端側口縁部48dが、過度に移動して止水栓装置本体部39と衝突して衝突音を生じるのが抑制されている。
さらに、調圧弁体48が軸線方向に摺動移動する場合に、C型リング64からC型リング64が全周に不均一に受けている水圧による力を止水栓ガイド部材本体56に伝え、調圧弁体48に伝達しないので、調圧弁体48がC型リング64からの力を受けて傾けられ、摺動移動の際に振動を引き起こされることなく、前後方向に直線的に摺動移動しながら調圧を行うようになっている。
【0045】
調圧が行われた後、通水状態の2次側通水路32内の水は、水側脚部材20の下流側接続部28(湯水混合水栓装置本体4の水側流入部8)から湯水混合水栓装置本体4内に流れ込み、この本体4内で湯側脚部材18から流れ込んだ湯と混合される。この湯水混合水栓装置本体4内で湯水が混合される際、温度調節装置14によって混合された湯水の温度が調整され、その後、スパウト10の吐水口10aまたはシャワーホース12へ送られて吐水される。
【0046】
つぎに、
図9及び
図10を参照して、本発明の第2実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置について説明する。
図9は本発明の第2実施形態による低圧状態の調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材の平面断面図であり、
図10は本発明の第2実施形態による調圧機能付き止水栓装置の止水栓ガイドの円環部材を正面側斜め上方から見た斜視図である。
ここで、
図9及び
図10において、本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
【0047】
図9に示すように、本発明の第2実施形態による調圧機能付き止水栓装置100においては、止水栓装置本体34及び調圧弁36が、上述した本発明の第1実施形態の調圧機能付き止水栓装置1の止水栓装置本体34及び調圧弁36と同一の構成を備え、第1実施形態の調圧機能付き止水栓装置1の止水栓ガイド部材本体156の後側ガイド部156dが第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置1と異なっている。
【0048】
本発明の第2実施形態による調圧機能付き止水栓装置100を備えた水栓装置である湯水混合水栓装置102によれば、止水栓ガイド部材138は、止水栓ガイド部材本体156の内周面の後側に形成された凹部166と、この凹部166内に配置されて調圧弁36の調圧弁体48の側壁部48hを軸方向に摺動可能に保持する円環部材164と、この凹部166の後方の面を形成し凹部166内に配置される円環部材164を閉止するストッパー部170と、を備えている。
【0049】
図9に示すように、止水栓ガイド部材本体156の後側ガイド部156dの凹部166には、凹部166により形成された環状空間とほぼ合致するような環形状に形成された円環部材164が組合せられている。
円環部材164には、円環の全周の一部分において、内周面上において外方向に突出するように形成された円環凹部(薄肉部)164aが形成され、円環凹部164aが通水可能な流路を形成している。
円環部材164は、その前側の前面164bと、その後側の後面164cと、その半径方向内側の内周面164dと、その半径方向外側の外周面164eとを備えている。円環部材164は、その前面164bとこの凹部166の前方内面166aとがほぼ合致して支持されている。
円環部材164の内周面164dは、調圧弁36の調圧弁体48の側壁部48hと接しながらガイドできるように配置されている。円環部材164の外周面164eと凹部内周面166cとの間には、外周隙間が形成されている。
【0050】
円環部材164に形成された円環凹部164aは、前面164b側の円環全体のうち一部から、後面164c側の円環全体のうち一部まで、後方に向かって直線的に延びる開通路を形成している。
一方、円環部材164の円環凹部164aは、通水可能な流路を形成し、この開部内の流路が、2次側通水路32と連通し、受圧部側通水路68と連通するようになっている。
円環部材164の円環凹部164aの大きさは、2次側通水路32内の水圧上昇により、水が2次側通水路32から急激に流入するときに、円環凹部164a内の流路を一気に通過しにくい抵抗を生じるような大きさに形成されている。従って、円環部材164の円環凹部164aは、2次側通水路32からの流路の大きさに比べて非常に小さい流路を有し、急激な水の流入を防ぐように緩衝するダンパー効果を生じることができる。つまり、2次側通水路32内の水圧が上昇したときに、円環部材164の円環凹部164aによって、通過する水の流量を、ある程度抑制した流量とすることができ、結果として調圧弁体48の急激な移動を抑制することができる。
【0051】
止水栓ガイド部材本体156のストッパー部170は、凹部166の後方側且つ円環部材164後方側において、調圧弁体48の径より大きい径から止水栓ガイド部材本体156の内周面の内径まで延びる環形状に形成されている。止水栓ガイド部材本体156のストッパー部170は、止水栓ガイド部材本体156の後側ガイド部156dの凹部166内に円環部材164が配置された後、円環部材164を凹部166と組み合わさった状態で固定するように取付けられ、円環部材164は、その後面164cとストッパー部170のストッパー部前面170aとがほぼ合致して支持されている。
【0052】
円環部材164が凹部166内に配置された後、止水栓ガイド部材本体156の内周面とは別部材となっているストッパー部170により円環部材164を固定できるので、円環部材164の取り付けが簡単となり、円環部材164を円環部材164の直径を変えずに凹部166内に取付けることができ、凹部166内への取付けが容易になる。
【0053】
上述した本発明の第2実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の動作(作用)について説明する。
図9の低圧時の通水状態から急激に水圧が上昇して、高圧時の通水状態に変化する場合について説明する。
2次側通水路32内の水圧が急激に上昇する場合には、水が2次側通水路32から円環部材164の円環凹部164a内の流路を急激に通過しようとする。
水は、2次側通水路32からストッパー部170と調圧弁36の調圧弁体48の側壁部48hとの間を円環部材164の環状の後面164cに向かって流入する。円環部材164の後面164cは、流入してきた水が衝突するので水の抵抗力を受け、更に、円環部材164の円環凹部164aの周辺の後面164cは、円環凹部164aに急激に流入する水による圧力を受け、円環部材164の円環凹部164aは、流入してきた水を通水させるので水の抵抗力を受けないようになっている。従って、円環部材164は、円環部材164の全周において不均一に圧力を受ける。円環部材164が受けた力は、円環部材164の前面164bが押し付けられて支持される凹部166の前方内面166aへと伝達され、調圧弁体48に伝達されにくくなっている。
【0054】
2次側通水路32内の水圧が急激に上昇する場合に、2次側通水路32から流入してくる水は、円環部材164の前面164bと凹部166の前方内面166aとの間及び円環部材164の内周面164dと調圧弁体48の側壁部48hとの間において流れが遮られ、円環部材164の円環凹部164aに流入しようとするが、円環部材164の円環凹部164aの大きさは限られているので、抵抗を受けて急激に流入することができず、緩やかな流量の変化に抑えられながら円環部材164の円環凹部164aを通過する。
円環部材164の円環凹部164aを通過した水は、受圧部側通水路68に流入する。水が、受圧部側通水路68内に急激に流入することなく、円環凹部164aで水流抵抗を受けながら、穏やかな流れで流入するので、受圧部側通水路68の水圧を受けて受圧される受圧部48cは急激に加圧されず、急激に作動されることがない。従って、調圧弁体48は穏やかな移動速度の範囲の変化で軸方向内側に移動されて水側脚部材20の止水栓装置本体部39との相対的な距離を調整することができ、調圧弁体48が急激に動作して、高い移動速度を有することによって、調圧弁体48の後端側口縁部48dが、過度に移動して止水栓装置本体部39と衝突して衝突音を生じるのが防がれている。
さらに、調圧弁体48が軸線方向に摺動移動する場合に、円環部材164から円環部材164が不均一に受けている力を調圧弁体48に伝達しにくくなっているので、調圧弁体48が傾けられたり、摺動移動の際に振動を引き起こされることなく、前後方向に直線的に摺動移動しながら調圧を行うようになっている。
【0055】
つぎに、
図11乃至
図13を参照して、本発明の第3実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置について説明する。
図11は、本発明の第3実施形態による低圧状態の調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材の平面断面図であり、
図12は、本発明の第3実施形態による調圧機能付き止水栓装置の止水栓ガイドの溝部を後方側斜め上方から見た斜視図であり、
図13は、本発明の第3実施形態による調圧機能付き止水栓装置の止水栓ガイドの環状部材を後方側から見た平面図である。
ここで、
図11乃至
図13において、本発明の第1及び第2実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
【0056】
図11乃至
図13に示すように、本発明の第3実施形態による調圧機能付き止水栓装置200においては、止水栓装置本体34及び調圧弁36が、上述した本発明の第2実施形態の調圧機能付き止水栓装置100の止水栓装置本体34及び調圧弁36と同一の構成を備え、第2実施形態の調圧機能付き止水栓装置100の止水栓ガイド部材本体156の後側ガイド部156dの凹部166及び円環部材164が第2実施形態による調圧機能付き止水栓装置100と異なっている。
【0057】
図11乃至
図13に示すように、本発明の第3実施形態による調圧機能付き止水栓装置200によれば、止水栓ガイド部材238の止水栓ガイド部材本体256の後側ガイド部256dは、止水栓ガイド部材本体256の内周面の後側に形成され且つ前方側に形成された溝部272を有する凹部266と、この凹部266内に配置されて調圧弁36の調圧弁体48の側壁部48hを軸方向に摺動可能に保持する円環部材264とを備えている。
【0058】
止水栓ガイド部材本体256の後側ガイド部256dの凹部266の前方内面266a上には、円環の全周の一部分において、後側ガイド部256dの内周面から凹部内周面266cまで半径方向外側に向かう溝部272が形成されている。
円環部材264は、全周にわたって同じ幅と厚みを有しているリング形状の円環部材264であり、その前側の前面264bと、その後側の後面264cと、その半径方向内側の内周面264dと、その半径方向外側の外周面264eとを備えている。円環部材264は、その全周の一部に通水可能な流路を有するように凹部や開部を形成していなくてもよい。
円環部材264が2次側通水路32から水圧を受ける場合にその前面264bとこの凹部266の前方内面266aとがほぼ密着するように支持され、そのときに溝部272と円環部材264の前面264bとの間に、通水可能な流路を形成する。
円環部材264は、その後面264cとストッパー部170との間にはわずかな隙間が形成されている。円環部材264の外周面264eと凹部内周面266cとの間には、外周隙間266dが形成されている。
この凹部266内に、円環部材264を配置した状態において、この溝部272内の流路が受圧部側通水路68と外周隙間266dと連通し、外周隙間266dが後面264cとストッパー部170との間のわずかな後方隙間266fを介して2次側通水路32と連通するようになっている。
凹部266の溝部272内の流路の大きさは、2次側通水路32内の水圧上昇時に、水が2次側通水路32から急激に流入するときに、溝部272内の流路を一気に通過しにくい抵抗を生じるような大きさに形成されている。
従って、凹部266の溝部272は、2次側通水路32からの流路の大きさに比べて小さい流路を有し、急激な流量増加を防ぐように緩衝するダンパー効果を生じることができ、2次側通水路32内の水圧上昇時に、凹部266の溝部272を通過する水の流量を、一定時間経過においてある程度安定した流量とすることができる。
凹部266の溝部272の形状や大きさは、上述のような所定の流量を通過できる流路を形成できるように変更できる。
【0059】
上述した本発明の第3実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の動作(作用)について説明する。
図11の低圧時の通水状態から急激に水圧が上昇して、高圧時の通水状態に変化する場合について説明する。
2次側通水路32内の水圧が急激に上昇する場合には、水が2次側通水路32から後側ガイド部256dの溝部272内の流路を急激に通過しようとする。
水は、2次側通水路32からストッパー部170と調圧弁36の調圧弁体48の側壁部48hとの間をリング形状の円環部材264の環状の後面264cに向かって流入する。円環部材264の後面264cに流入してきた水が衝突し、水は、後面264cとストッパー部170との間のわずかな後方隙間266fを通過して外周隙間266dに流れ、外周隙間266dから溝部272内の流路に流入し、溝部272内の流路から受圧部側通水路68に流出する。
円環部材264の後面264cは、流入してきた水が衝突するので水の抵抗力を受け、更に、凹部266の前方内面266aの全周の一部に形成された溝部272に急激に水が流入するので、円環部材264は、円環部材264の全周において不均一に圧力を受ける。円環部材264が受けた力は、円環部材264の前面264bが押し付けられて支持される凹部266の前方内面266aへと伝達され、調圧弁体48に伝達されないようになっている。
【0060】
2次側通水路32内の水圧が急激に上昇する場合に、2次側通水路32から流入してくる水は、円環部材264の前面264bと凹部266の前方内面266aとが密封されている部分及び円環部材264と調圧弁体48の側壁部48hとの間の部分において流れが遮られ、凹部266の前方内面266aの溝部272に流入しようとするが、溝部272の大きさは限られているので、一度に流入しようとしても抵抗を受けて急激に流入することができず、溝部272を通過する流量が、緩やかな流量の変化に抑えられながら凹部266の前方内面266aの溝部272を通過する。
凹部266の前方内面266aの溝部272を通過した水は、受圧部側通水路68に流入する。水が、受圧部側通水路68内に急激に流入することなく、溝部272で水流抵抗を受けながら、穏やかな流れで流入するので、受圧部側通水路68の水圧を受けて受圧される受圧部48cは急激に加圧されず、急激に作動されることがない。従って、調圧弁体48は穏やかな移動速度の範囲の変化で軸方向内側に移動されて水側脚部材20の止水栓装置本体部39との相対的な距離を調整することができ、調圧弁体48が急激に動作して、高い移動速度を有することによって、調圧弁体48の後端側口縁部48dが、過度に移動して止水栓装置本体部39と衝突して衝突音を生じるのが防がれている。
さらに、調圧弁体48が軸線方向に摺動移動する場合に、円環部材264から円環部材264が不均一に受けている力を調圧弁体48に伝達しにくくなっているので、調圧弁体48が傾けられたり、摺動移動の際に振動を引き起こされることなく、前後方向に直線的に摺動移動しながら調圧を行うようになっている。
【0061】
つぎに、
図14乃至
図20を参照して、本発明の第4実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置について説明する。
図14は本発明の第4実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材の一部の分解斜視図であり、
図15は本発明の第4実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材の一部の部分概略斜視図であり、
図16は本発明の第4実施形態による中圧時の通水状態の調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材の部分を拡大した部分拡大断面図であり、
図17は本発明の第4実施形態による調圧機能付き止水栓装置の止水栓弁座部材を正面側斜め下方から見た斜視図であり、
図18は本発明の第4実施形態による調圧機能付き止水栓装置の止水栓弁座部材の側面図であり、
図19は
図18の止水栓弁座部材のXIX−XIX断面を示す断面図であり、
図20は本発明の第4実施形態による高圧時の通水状態の調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材の部分を拡大した部分拡大断面図である。
ここで、
図14〜
図20において、本発明の第1及び第4実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
【0062】
図14〜
図16に示すように、本発明の第4実施形態による調圧機能付き止水栓装置300においては、上述した本発明の第1実施形態の調圧機能付き止水栓装置1と同一の構成を備え、調圧機能付き止水栓装置1の湯水混合水栓装置2の水側脚部材20及び/又は湯側脚部材18の構造が第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置1と異なっている。
【0063】
図14〜
図16に示すように、本発明の第4実施形態による調圧機能付き止水栓装置300においては、水側脚部材320の水側通水路324は、水道等の給水源(図示せず)に接続される配管(図示せず)に接続される水側脚部材320の上流側接続部326に形成された入口324aから、湯水混合水栓装置本体4の水側流入部8に接続される水側脚部材320の下流側接続部328に形成された出口324bまで、水側脚部材320の内部にL字形状に曲がって形成されている。
また、この水側通水路324は、その入口324aから調圧機能付き止水栓装置300が取り付けられる取付室324cまで延びる1次側通水路330と、水側通水路324の取付室324cから下流側に向って水側脚部材320の正面320a及び背面320bとほぼ平行に前方の出口324bに向って延びる2次側通水路332とを備えている。2次側通水路332には、2次側通水路332に流入する通水中に含まれるごみをろ過するフィルター部材358と、フィルター部材358の基部に配置されたフィルター基部パッキン359が設けられている。
【0064】
つぎに、
図14に示すように、調圧機能付き止水栓装置300は、水側通水路324の取付室324cを形成する水側脚部材320の所定の取付部320cに取り付けられ、上流側から下流側にかけて止水栓弁座部材334、調圧弁336及び止水栓ガイド部材338を備えている。
【0065】
図14〜
図16に示すように、止水栓弁座部材334は、水側通水路324の取付室324cの流入口324d前方から上流側の1次側通水路330の内周に沿って形成されている。
止水栓弁座部材334は、水側通水路324の取付室324cの流入口324d近傍から上流側の1次側通水路330の内周に沿って形成されて調圧弁体348が当接して流入口324dを閉止するようになっている弁座基部340を備えている。この弁座基部340は、水側通水路324の取付室324cの流入口324dが開放された通水状態のときに、一次側通水路330と取付室324cとを連通させる通水路を形成している。止水栓弁座部材334は劣化の可能性のある弾性部材(例えば、ゴムパッキンなど)を使用せずに、PPSなどの樹脂や、ステンレス、青銅などの金属などの非弾性部材からなる劣化しにくい材料により形成されている。止水弁座部材334の弁座基部340には、後述するばね室352内と外気を通気させるための通気孔341が形成され、この通気孔341が止水栓弁座部材334の外側の外部通気孔320dまで延びている。弁座基部340の外周には、水側脚部材320と弁座基部340との間をシールするパッキン345が備えられ、弁座基部340と上流側接続部326の間をシールするパッキン347が備えられている。
また、止水栓弁座部材334は、弁座基部340の中央後方から前方方向へ壁状に立ち上がって弁座基部340より前方まで軸線方向に沿って延びる軸壁部342と、軸壁部342と一体且つ軸壁部342の前端から半径方向外側に突出するような傘形状に形成されたガイド部344(方向転換部)とを備え、このガイド部344は、前後方向に所定間隔をおいて半径方向外側に突出するように形成されて調圧弁体348の摺動をガイドする前側ガイド344aと、前側ガイド344aの後方側で調圧弁体348の摺動をガイドする後側ガイド344bと、これらの前側ガイド344aと後側ガイド344bとの間に取り付けられて保持される円環状のシール部材であるパッキン346とを備えている。
一方、
図16及び
図20に示すように、調圧弁336が開いているときには、水側通水路324の1次側通水路330と2次側通水路332とが通水された状態となり、後述する調圧弁336の調圧弁体348がパッキン346の外周面346bに対して軸方向に摺動可能となるようになっている。
なお、止水栓弁座部材334のガイド部344は、軸壁部342と接続されていない状態の別部材として形成されていてもよい。
【0066】
調圧弁336は、止水栓弁座部材334の軸壁部342に対して軸方向平行に移動可能に取り付けられた調圧弁体348と、この調圧弁体348を軸方向外側(
図5の前側方向)に付勢する調圧ばね350とを備えている。なお、「軸方向外側」とは、調圧弁体348が流入口324dを開放する方向、すなわち、止水栓装置本体34の柱部の軸方向において、流入口324dから離間する方向を意味する。
調圧弁体348は、止水栓弁座部材334のガイド部344及び調圧ばね350のそれぞれの外周を取り囲むようにほぼ筒状に形成され、その内部に設けられた調圧ばね350が軸方向に伸縮して作動するためのばね室352を形成している。
調圧弁体348はほぼ筒状の金属板により形成されているので、強度を保ちながら、調圧弁体を薄くすることが可能となり、調圧弁体348の環状端部の後方側の後端側口縁部348dが、流水から圧力を受ける断面積を比較的小さな断面積とでき、水流から受ける抵抗力を小さくすることができる。
調圧ばね350は、予め所定の圧縮荷重(予荷重)を与えられた状態で調圧ばね350の後端部350aが止水栓弁座部材334のガイド部344の前面に当接し、調圧ばね350の前端部350bが調圧弁体348の前端部348fの内面に当接している。調圧ばね350は、調圧弁体が上記調圧ばねの付勢力と上記受圧部にかかる圧力とをバランスするように移動することができるように、ばね定数等の性能値が決定されている。従って、調圧弁体が、受圧部にかかる圧力に応じて、調圧ばねの付勢力と釣り合いながら、予め設定された位置に正確に移動するようになっている。
【0067】
また、
図16に示すように、調圧弁体348の前端部348fの前面は、調圧弁体348が水側通水路324の取付室324cの流入口324dを開放した通水状態のときに、調圧弁体348を止水栓弁座部材334の軸壁部342に沿って軸方向内側(
図16の後側方向)に移動させる水圧P3を外側から軸方向内側に受ける受圧部348cとなっている。
例えば、調圧弁体348の受圧部348cに作用する水側通水路324の取付室324c内の水圧P3が所定値未満の場合には、調圧ばね350は軸方向に撓まず、調圧弁体348も止水栓弁座部材334の弁座基部340に対して軸方向内側(
図16の後側方向)に移動しないようになっている。
一方、調圧弁体348の受圧部348cが受圧する水圧P3が所定値以上の場合には、この水圧P3が調圧弁体348を軸方向内側(
図16の後側方向)に押圧する力が調圧ばね50の付勢力F3(
図16参照)を上回り、調圧弁体348が止水栓弁座部材334の弁座基部に対して軸方向内側(
図16の後側方向)に移動することにより、調圧弁体348の後端側口縁部348dと止水栓弁座部材334の弁座基部340との相対的な距離d3を調整し、水側通水路324の流路断面積を調整して、一次側通水路330から取付室324c内の流入口324dを経て水側通水路324の出口324bから湯水混合水栓装置本体4へ流出する水の圧力が調整されるようになっている。
【0068】
ここで、
図16及び
図20は、水圧P3の低圧時の通水状態の調圧弁336の調圧弁体348の軸方向の位置と、この水圧P3よりも高い水圧P4の高圧時の通水状態の調圧弁336の調圧弁体348の軸方向の位置をそれぞれ示しているが、
図20に示す水圧P4の高圧時の通水状態においては、調圧弁体348の後端側口縁部348dと弁座基部との相対的な距離d4が、
図16に示す水圧P3の低圧時の調圧弁体348の後端側口縁部348dと弁座基部との相対的な距離d3よりも小さくなり、調圧弁体348の後端側口縁部348dと弁座基部340との間の流路が狭くなり、水側通水路324の流路断面積が減少され、調圧弁336の調圧弁体348を通過する水の流量が絞られることにより調圧が行われるようになっている。
【0069】
つぎに、
図14〜
図16及び
図20に示すように、止水栓ガイド部材338は、水側通水路324の取付室324c内の前面側に取り付けられ、水側脚部材320と螺合し、止水栓弁座部材334との間において調圧弁336を前後方向に摺動可能にガイドする止水栓ガイド部材本体356と、止水栓ガイド部材本体356の内周面に形成された凹部366と、この凹部内に配置されて調圧弁336の調圧弁体348の側壁部348hを軸方向に摺動可能に保持するC型リング64とを備えている。
【0070】
止水栓ガイド部材338は、止水栓ガイド部材本体356の外周面に取り付ける外側オーリング360を備え、この外側オーリング360により、止水栓ガイド部材本体356の外周面と水側脚部材320の内周面との隙間が密封されるようになっている。
【0071】
止水栓ガイド部材本体356は、その前端部が、調圧機能付き止水栓装置300の長手方向の中心軸線Cの軸線回りに回転操作可能な操作部356bを形成し、この操作部356bには、キー溝356cが形成され、このキー溝356cにマイナスドライバー等の工具(図示せず)を嵌め込んで回すことにより、中心軸線Cの軸線回りの回転に応じて弁座基部340の方向に軸方向に相対移動することにより、止水栓ガイド部材本体356の後方側に接している調圧弁体348を弁座基部340上まで移動させて流入口324dを開閉することができるようになっている。
【0072】
さらに、止水栓ガイド部材本体356は、調圧弁336の調圧弁体348の肩部348bの前方から凸部の前方を覆うように、中央が凹んでいる円筒形に形成され、止水栓ガイド部材本体356は、水側脚部材320の取付部320cに取り付けられた状態で、調圧弁336の調圧弁体348の凸部348eの前方側外周を取り囲み、調圧弁336の調圧弁体348の軸方向の移動をガイドすることができるようになっている。
【0073】
次に、
図14乃至
図16により、止水栓ガイド部材本体356について詳細に説明する。
止水栓ガイド部材本体356には、その内周面が半径方向外側に向かって凹むように形成された凹部366が形成され、この凹部366には、凹部366により形成された環状空間とほぼ合致するような環形状に形成されたC型リング64が組合せられている。
C型リング64の内周面は、調圧弁336の調圧弁体348の側壁部348hと接しながらガイドできるように配置されている。
一方、C型リング64の開部64aは、通水可能な流路を形成し、この開部内の流路が、2次側通水路332と連通し、受圧部側通水路368と連通するようになっている。
C型リング64の開部64aの大きさは、C型リング64の前面から見て、開部の開口幅の長さLが約1mm程度であり、2次側通水路内の水圧上昇時に、水が2次側通水路332から急激に受圧部側通水路368に流入するときに、C型リング64の開部64a内の流路を一気に通過しにくい抵抗を生じるような大きさ(急激な流量の変化をやわらげて調圧弁体48の動きにダンパー効果を生じるような大きさ)に形成されている。
従って、C型リング64の開部64aは、2次側通水路332から流入する際の流路の大きさに比べて非常に小さい流路を有し、急激な水の流入を防ぐように緩衝するダンパー効果を生じることができる。つまり、2次側通水路332内の水圧上昇時に、C型リング64の開部64aによって、通過する水の流量を、ある程度抑制した流量とすることができ、結果として調圧弁体348の急激な移動を抑制することができる。
【0074】
次に、
図16乃至
図19により、止水弁座部材について詳細に説明する。
止水栓弁座部材334の後側ガイド344bは、さらに、その後側において水流をガイドする水流ガイド面344cと、その半径方向の外周端において調圧弁体の摺動をガイドする弁体ガイド部344dとが形成されている。
止水栓弁座部材334の後側ガイド344bの水流ガイド面344cは、円周上に形成された弁体ガイド部344dよりも半径方向内側に形成されている。
止水栓弁座部材334には、弁座基部340内に止水栓弁座部材334の軸線方向に沿って軸線方向流路340aが形成され、後側ガイド344bの水流ガイド面344cは、この軸線方向流路340aからの流入方向正面を覆うように形成されている。軸線方向流路340aの流入口は、流入口324dを形成している。
軸線方向流路340aの流入口幅W1は、後側ガイド344bの水流ガイド面344cのガイド面幅W2よりも小さく設定されている。
従って、軸線方向流路340aの流入口324dの位置は、止水栓弁座部材334の後側ガイド344bの弁体ガイド部344dよりも半径方向内側に位置決めされ、弁体ガイド部344dの半径方向外側を摺動する調圧弁体348と対向しない位置に配置されている。よって、軸線方向流路340aの流入口324dから流入する水が、調圧弁体348の摺動する位置より上流側で、水流ガイド面344cによって全ての水流の向きが軸線方向(第1の方向)から半径方向外側向き(第2の方向)に異なる方向に方向転換され、水流が流入方向を維持したまま、調圧弁体348に直接対向して衝突しないように設定されている。第1の方向と第2の方向とは直角に交わるが、直角以外の異なる角度を成していてもよい。
【0075】
止水栓弁座部材334には、軸線方向に延びる軸壁部342と、半径方向に延びる水流ガイド面344cとにより、流路がL字形に屈曲する屈曲流路部340bが形成され、さらに、2つの半円形の水流ガイド面344cと、弁座基部340のほぼ環状の上面340cとの間において、半円形の円周に沿った形状の止水弁座流出路340dが形成されている。
調圧弁体348は、弁座基部340の上面340cよりやや外側に着座するように設けられているので、止水弁座流出路340dからの水の流出方向は、調圧弁体348の摺動する摺動方向に対してほぼ垂直な方向となっている。
【0076】
つぎに、上述した本発明の第4実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の動作(作用)について説明する。
まず、使用者が、止水栓ガイド部材338を操作して止水している状態について説明する。
使用者が、止水栓ガイド部材338の操作部356bのキー溝356cにマイナスドライバー等の工具(図示せず)を嵌め込んで回すことにより、中心軸線Cの軸線回りの回転に応じて止水栓ガイド部材338を弁座基部340の方向に軸方向に相対移動させ、止水栓ガイド部材本体356の後方側に接している調圧弁体348を弁座基部340上に当接して密着させ、流入口324dを閉鎖し、1次側通水路30及び2次側通水路32が止水された状態となる。このように、止水時には調圧弁体348が止水弁として作動する構造となっている。
【0077】
次に、通水路が止水されていない状態において、調圧弁体が通水路の圧力を調整している調圧状態について説明する。
図16に示すように、中圧時の通水状態について説明する。
調圧弁336の調圧弁体348が、弁座基部340を開放し、流入口324dが開放された状態では、一次側通水路330内の水は、1次側通水路330から弁座基部340内の軸線方向流路340aに流入し、軸壁部342に沿って軸線方向に流れ、流入口324dから屈曲流路部340bに流入する。屈曲流路部340b内に軸線方向に沿って流入してきた水は、流入口324dの正面に設けられている水流ガイド面344cに衝突し、水流の向きを軸壁部342に沿った軸線方向D1(第1の方向)から半径方向外側に流出する向きの方向D2(第2の方向)にほぼ直角に変える。この水流は止水弁座流出路340dから半径方向外側向きD2方向に流出する流れを形成する。この流れによって水が止水栓弁座部材334により形成された流路を通過して流入口324dを経て取付室324c内に流れ込むようになっている。そして、この取付室324c内に流れ込んだ水は、2次側通水路332へ流出する。2次側通水路332へ流出する水のうち一部は、2次側通水路332からC型リング64の開部64a内の流路を通過して受圧部側通水路368に出入りできる。
【0078】
このとき、
図16に示すように、取付室324c内において、受圧部側通水路368の水から受圧する水圧P3が所定値以上に達すると、この水圧P3が調圧弁体348を軸方向内側(
図16の後側方向)に押圧する力が調圧ばね350の付勢力F3を上回り、調圧弁336の調圧弁体348の受圧部348cが受圧されて、調圧弁体348が止水栓弁座部材334のガイド部344に対して軸方向内側(
図16の後側方向)に移動する。このとき、止水弁座流出路340dからの水の流出方向は、調圧弁体348の摺動する摺動方向D1に対してほぼ垂直な方向D2となっており、調圧弁体348は、水流の流れる向きに正面から対向して移動せず、水流を垂直に横断するように水流から大きな抵抗力を受けずに移動する。調圧弁体348が水の流れる向きに対し垂直に横断する方向に摺動するので、水の流れる向きに対し対向する方向に摺動する場合と比べて、水流から押されにくく、調圧弁体348が水流から受ける抵抗力が小さくされている。
調圧弁体348が軸方向内側に移動すると、調圧弁体348の後端側口縁部348dと止水栓弁座部材334の弁座基部340との相対的な距離d3が調整され、1次側通水路330から取付室324c内の流入口324dを経て水側通水路324の出口324bから湯水混合水栓装置本体4へ流出する水の圧力が調整される。
【0079】
一方、調圧弁体348の受圧部348cで受圧した水圧P3が所定値未満である場合(通水路が低圧である場合)には、調圧弁体348から調圧ばね350の軸方向に作用する圧縮荷重も所定値未満となり、調圧ばね350は軸方向に圧縮されることなく調圧弁体348の後端側口縁部348dと止水栓弁座部材334の弁座基部340との相対的な距離は、
図16に示す水圧P3の中圧時の調圧弁体348の後端側口縁部348dと止水栓弁座部材334の弁座基部340との相対的な距離d3よりも大きくなる。
【0080】
さらに、
図20に示すように、高圧時の通水状態について説明する。
2次側通水路332内の水圧が上昇する場合には、水が2次側通水路332からC型リング64の開部64a内の流路を通過して受圧部側通水路368に流入する。水が受圧部側通水路368に流入すると受圧部側通水路368が受圧部348cに対して軸方向内側に及ぼす力が増大する。受圧部348cが受圧する水圧P4が
図16に示す中圧時の通水状態の水圧P3よりも高い高圧時の通水状態となると、調圧弁体348の後端側口縁部348dと止水栓弁座部材334の弁座基部340との相対的な距離d4が、
図16に示す水圧P3の中圧時の調圧弁体348の後端側口縁部348dと止水栓弁座部材334の弁座基部340との相対的な距離d3よりも小さくなり、調圧弁体348の後端側口縁部348dと止水栓弁座部材334の弁座基部340との間の流路が狭くなり、水側通水路324の流路断面積が減少され、この流路を通過する水の流量が絞られることにより調圧が行われる。
【0081】
さらに、
図16の中圧時の通水状態から急激に水圧が上昇して、
図20の高圧時の通水状態に変化する場合について説明する。
2次側通水路332内の水圧が急激に上昇する場合には、水が2次側通水路332からC型リング64の開部64a内の流路を急激に通過しようとする。
水は、2次側通水路332から止水栓ガイド部材本体356と調圧弁336の調圧弁体348の側壁部348hとの間をC型リング64の環状の後面64cに向かって流入する。C型リング64の後面64cは、流入してきた水が衝突するので水の抵抗力を受け、更に、C型リング64の開部64aの周辺の後面64cは、開部64aに急激に流入する水による圧力を受け、C型リング64の開部64aは、流入してきた水を通水させるので水の抵抗力を受けないようになっているので、C型リング64は、C型リング64の全周において不均一に圧力を受ける。C型リング64が受けた力は、C型リング64の前面64bが押し付けられて支持される凹部366の前方内面66aへと伝達され、調圧弁体348に伝達されないようになっている。
【0082】
2次側通水路332内の水圧が急激に上昇する場合に、2次側通水路332から流入してくる水は、C型リング64の前面64bと凹部366の前方内面366aとの間及びC型リング64と調圧弁体348の側壁部348hとの間において流れが遮られ、C型リング64の開部64aに流入しようとするが、C型リング64の開部64aの大きさは限られているので、抵抗を受けて急激に流入することができず、緩やかな流量の変化に抑えられながらC型リング64の開部64aを通過する。
C型リング64の開部64aを通過した水は、受圧部側通水路368に流入する。水が、受圧部側通水路68内に急激に流入することなく、開部64aで水流抵抗を受けながら、穏やかな流れで流入するので、受圧部側通水路368の水圧を受けて受圧される受圧部348cは急激に加圧されず、急激に作動されるのが抑制される。従って、調圧弁体48は穏やかな移動速度の範囲の変化で軸方向内側に移動されて止水栓弁座部材334の弁座基部340との相対的な距離を調整することができ、調圧弁体348が高い移動速度を有することによって、調圧弁体348の後端側口縁部348dが、急激に動作して、過度に移動して弁座基部340と衝突して衝突音を生じるのが防がれている。
さらに、調圧弁体348が軸線方向に摺動移動する場合に、C型リング64からC型リング64が不均一に受けている力を調圧弁体348に伝達しないので、調圧弁体348がC型リング64からの力を受けて傾けられ、摺動移動の際に振動を引き起こされることなく、前後方向に直線的に摺動移動しながら調圧を行うようになっている。
【0083】
上述した本発明の第1実施形態の調圧機能付き止水栓装置300によれば、止水栓弁座部材334のガイド部344が、流入口324dから止水栓弁座部材334の軸線方向に沿った第1の方向から流入した水流を受けて止水栓弁座部材334の軸線方向と平行な第1の方向D1から第2の方向D2へ直角に向きを変えるように誘導して水流を流出させる。従って、高い抵抗力を発生しやすい水のような流体中において、調圧弁体348が、止水栓弁座部材334のガイド部344から第2の方向D2へ流出する水流中を、第1の方向D1に沿ってD2方向を横断するように移動し、第2の方向D2へ流れる水流に対して対向して移動しないので、調圧弁体348が水流から受ける抵抗力を小さくすることができ、調圧弁体348の後端側口縁部348dと止水栓弁座部材334の流入口324d近傍の弁座基部340との間の通水路324の流路断面積を調整して、1次側通水路330から2次側通水路332へ流出する水の圧力を調整して、所望の調圧性能を発揮することができる。
【0084】
また、本実施形態の調圧機能付き止水栓装置300によれば、調圧弁体348がほぼ筒状の薄い金属板により形成されているので、調圧弁体348が、止水栓弁座部材334のガイド部344から第2の方向D2へ流出する水流中を止水栓弁座部材334の第1の方向D1に沿って移動するときに、調圧弁体の断面積を小さくすることが出来るため、調圧弁体が水流から受ける抵抗力を小さくすることができる。
【0085】
また、本実施形態の調圧機能付き止水栓装置300によれば、止水栓弁座部材334の弁座基部340に、劣化の可能性のある部材(例えば、ゴムパッキンなど)を使用しないので、金属製の劣化しにくい弁座基部340を提供することができる。
【0086】
また、本実施形態の調圧機能付き止水栓装置300によれば、調圧弁体348が、第2の方向D2へ流出する水流中を、第2の方向D2に対してほぼ垂直な方向である第1の方向D1に沿って移動するので、水流から受ける抵抗力を最も受けにくくすることができる。
【0087】
また、本実施形態の調圧機能付き止水栓装置300によれば、調圧機能付き止水栓装置300を備えた水栓装置2において、ウォーターハンマー現象を低減できる水栓装置2を提供することができる。
【0088】
また、本実施形態の調圧機能付き止水栓装置300によれば、湯水混合水栓装置本体4に供給される湯と水のそれぞれの供給圧力が大きく異なる場合であっても、調圧機能付き止水栓装置300の調圧弁336を通過する水の圧力がほぼ一定に調整されるため、湯水混合水栓装置本体4に供給された湯水が所定の設定温度とほぼ等しい温度に調節され、湯水混合水栓装置本体4のスパウト10から適温な湯水を吐水することができ、温度調整機能の性能を向上させることができる湯水混合水栓装置本体4を提供することができる。
【0089】
なお、上述した本発明の第1〜第4実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置においては、例として、湯水混合水栓装置であるサーモスタット混合栓に適用した形態ついて説明したが、このような形態に限定されず、例えば、湯水混合水栓装置については、サーモスタット混合栓以外にも、吐水及び止水を切り替える開閉弁について湯側用と水側用を共用するシングルレバータイプの混合栓や、開閉弁を湯側用と水側用で別々に設けた2ハンドルタイプの混合栓等に適用してもよい。あるいは、単水栓等にも適用してもよい。