特許第6015901号(P6015901)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015901
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】荷物安定具および荷造り方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20161013BHJP
   B65D 85/34 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   B65D81/05 300
   B65D85/34 A
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-97772(P2012-97772)
(22)【出願日】2012年4月23日
(65)【公開番号】特開2013-224170(P2013-224170A)
(43)【公開日】2013年10月31日
【審査請求日】2015年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】平田 賢輔
【審査官】 種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−190775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/05
B65D 85/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送用の箱に荷物を収める時に、箱の内部において箱の内面と荷物との間に設けられる荷物安定具であって、
気体を通さない材料で形成され、変形自在な袋体と、
袋体の内部に充填された粉体、粒体、または、両者の混合物である粉粒体と、を備え、
袋体は吸引口を有し、前記吸引口を通して、袋体の内部における気体を吸引可能であり、かつ、前記吸引口は閉鎖可能になっており、
前記吸引口に対して設けられた逆止弁を備え、逆止弁は、前記吸引口を通して、袋体の内部から袋体の外部へ気体が流出することを許容し、袋体の外部から袋体の内部へ気体が流入することを阻止し
袋体はさらに流入口を有し、前記流入口を通して、袋体の外部から袋体の内部へ気体が流入可能であり、かつ、前記流入口は閉鎖可能になっており、
袋体の内部が吸引されていない状態で、前記粉粒体は、袋体の内部において互いに拘束されることなく移動自在である、ことを特徴とする荷物安定具。
【請求項2】
前記吸引口には、吸引装置から延びているチューブの先端部に着脱可能な接続部が設けられており、
接続部にチューブの先端部が取り付けられた状態で、吸引装置が、チューブと前記吸引口を通して、袋体の内部における気体を吸引できるようになっている、ことを特徴とする請求項1に記載の荷物安定具。
【請求項3】
前記吸引口に対してフィルタが設けられ、
フィルタは、袋体の内部における粉粒体と気体のうち、気体のみを、前記吸引口から袋体の外部へ流出可能にする、ことを特徴とする請求項1または2に記載の荷物安定具。
【請求項4】
前記流入口に対してフィルタが設けられ、該フィルタは、袋体の内部における粉粒体と気体のうち気体のみを通す、ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の荷物安定具。
【請求項5】
袋体を膨らました状態で、袋体の内部において、連続して粉粒体が存在しない部分の体積を空間体積とし、連続して粉粒体が存在する部分の体積を充填体積として、
空間体積と充填体積を合わせた総体積に対する空間体積の比率が、10%以上であって50%以下である、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の荷物安定具。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか一項に記載の荷物安定具を用いた荷造り方法であって、
(A)箱の内部において、箱の内面と荷物との間に前記袋体を配置し、
(B)前記袋体に設けられた前記吸引口から前記袋体の内部における気体を吸引することにより、袋体の内面が、袋体をしぼませる方向に粉粒体を押す力と、粉粒体同士の摩擦力とで、袋体の形状を保つようにする、ことを特徴とする荷造り方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送用の箱に荷物を収める時に、箱の内面と荷物との間に設ける荷物安定具に関する。また、本発明は、このような荷物安定具を用いた荷造り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷造りにおいて、輸送用の箱(例えば段ボール箱)に、荷物とともに荷物安定具として詰め物を入れている。詰め物は、箱の内面と荷物の間に入れられる。これにより、箱の内部において、荷物を安定させている。なお、詰め物は、例えば、発泡スチロールや丸めた新聞紙などである。
【0003】
下記の特許文献1には、他の荷物安定具を用いた次の荷造り方法(1)(2)が記載されている。
(1)箱の内部において、箱の内面と荷物との間に、荷物安定具としてエアバッグを配置する。この状態で、エアバッグに空気を導入してエアバッグを膨らます。これにより、箱の内面と荷物との間の隙間を埋める。
(2)箱の内部において、箱の内面と荷物との間に、荷物安定具としてバッグを配置する。この状態で、バッグに多数のバラ緩衝材を充填してバッグを膨らます。これにより、箱の内面と荷物との間の隙間を埋める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−99979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記(1)の場合には、荷物の形状が複雑であるときには、荷物の形状に沿ってエアバックを変形させることが困難である。すなわち、荷物とエアバック(荷物安定具)との接触面積を大きくすることが困難である。
上記(2)の場合には、バック(荷物安定具)の形状が荷物の形状に沿うように、バックに多数のバラ緩衝材を充填した場合に、荷物の輸送中に、バックが変形する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の目的は、箱の内部に荷物を収める場合に、荷物の形状が複雑であっても、荷物と荷物安定具との接触面積を大きくすることができ、かつ、荷物の輸送中に、荷物安定具の形状を一定に保つことができるようにすることにある。
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明によると、輸送用の箱に荷物を収める時に、箱の内部において箱の内面と荷物との間に設けられる荷物安定具であって、
変形自在な袋体と、
袋体の内部に充填された粉体、粒体、または、両者の混合物である粉粒体と、を備え、
袋体は吸引口を有し、
吸引口を通して、袋体の内部における気体を吸引可能であり、かつ、吸引口は閉鎖可能になっている、ことを特徴とする荷物安定具が提供される。
【0008】
本発明の好ましい実施形態によると、吸引口には、吸引装置から延びているチューブの先端部に着脱可能な接続部が設けられており、
接続部にチューブの先端部が取り付けられた状態で、吸引装置が、チューブと吸引口を通して、袋体の内部における気体を吸引できるようになっている。
【0009】
本発明の好ましい実施形態によると、吸引口に対してフィルタが設けられ、
フィルタは、袋体の内部における粉粒体と気体のうち、気体のみを、吸引口から袋体の外部へ流出可能にする。
【0010】
また、本発明の好ましい実施形態によると、吸引口に対して設けられた逆止弁を備え、
逆止弁は、吸引口を通して、袋体の内部から袋体の外部へ気体が流出することを許容し、袋体の外部から袋体の内部へ気体が流入することを阻止する。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によると、袋体は流入口を有し、
流入口を通して、袋体の外部から袋体の内部へ気体が流入可能であり、かつ、流入口は閉鎖可能になっている。
【0012】
好ましくは、袋体の内面全体に張力が生じるように(できるだけ小さい内圧で)袋体を膨らました状態で、袋体の内部において、連続して粉粒体が存在しない部分の体積を空間体積とし、連続して粉粒体が存在する部分の体積を充填体積として、
空間体積と充填体積を合わせた総体積に対する空間体積の比率が、10%以上であって50%以下である。
【0013】
また、上述の目的を達成するため、本発明によると、上述の荷物安定具を用いた荷造り方法であって、
(A)箱の内部において、箱の内面と荷物との間に前記袋体を配置し、
(B)前記袋体に設けられた吸引口から前記袋体の内部における気体を吸引することにより、袋体の内面が、袋体をしぼませる方向に粉粒体を押す力と、粉粒体同士の摩擦力とで、袋体の形状を保つようにする、ことを特徴とする荷造り方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、以下のように、荷物と荷物安定具との接触面積を大きくすることができ、かつ、荷物の輸送中に、荷物安定具の形状を一定に保つことができる。
粉粒体が内部に充填された袋体を、荷物の形状に合わせて変形させて、箱の内面と荷物との間に袋体を配置することができる。したがって、荷物と荷物安定具との接触面積を大きくすることができる。
袋体を、荷物の形状に合わせて変形させた後、袋体に設けられた吸引口から袋体の内部における気体を吸引することにより、袋体の内面が、袋体をしぼませる方向に袋体の内部の粉粒体を押す。このように袋体の内面が粉粒体を押す力と、この力で増えた粉粒体同士の摩擦力とにより、荷物の輸送中においても、袋体の形状を一定に保つことができる。
【0015】
また、箱内に配置された袋体の内部を吸引しても、次のように荷物と袋体との接触状態はあまり変わらない。箱内に配置された袋体は、内部が吸引されることにより局所的にしぼむ。このようにしぼむ部分は、複数の箇所に分散する傾向がある。また、例えば、袋体を、できるだけしぼませて箱内に配置することにより、しぼむ部分を小さくすることができる。したがって、箱内に配置された袋体の内部を吸引しても、荷物と袋体との接触状態(例えば接触面積や接触位置)は、あまり変わらない。
【0016】
以上のように、本発明によると、荷物と荷物安定具との接触面積を大きくすることができ、かつ、荷物の輸送中に、荷物安定具の形状を一定に保つことができるので、荷物の安定性が大幅に向上し、荷物の損傷を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態による荷物安定具を示す。
図2図1の荷物安定具に吸引装置を接続した状態を示す。
図3】本発明の実施形態による荷造り方法を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態による荷造り方法の説明図である。
図5】本発明の荷物安定具の変更例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態による荷物安定具10を示す。図1(B)は、図1(A)のB−B線矢視図である。荷物安定具10は、輸送用の箱3(後述の図4を参照)に荷物1を収める時に、荷物1を安定させるために、箱3の内部において箱3の内面と荷物1との間に設けられる。荷物安定具10は、袋体5と粉粒体7を備える。
【0020】
袋体5は、変形自在に形成されている。袋体5は、気体を通さない材料(好ましくは弾性材料)で形成されている。
【0021】
粉粒体7は、粉体、粒体、または、粉体と粒体の混合物である。袋体5には、粉粒体7が充填されている。なお、図1では、袋体5の内部を透視して示している(後述する図2、4も同様)。粉粒体7は、コーヒー豆のように、表面に凹凸を有する形状を有しているものがよい。粉粒体7表面の凹凸により、後述のステップS2において、吸引力が比較的小さくても、粉粒体7が当該凹凸によりかみ合うので、粉粒体7同士の摩擦力を大きくすることができる。
【0022】
粉粒体7の充填割合は、次のようになっていることが好ましい。袋体5を膨らました状態で、袋体5の内部において、連続して粉粒体7が存在しない上方部分の体積を空間体積とし、連続して粉粒体7が存在する下方部分の体積を充填体積として、空間体積と充填体積を合わせた総体積に対する空間体積の割合が、0.1以上であって0.5以下(すなわち、10%以上であって50%以下)である。このような割合により、後述のステップS1において袋体5の変形が容易になる。
【0023】
袋体5は吸引口9を有する。吸引口9を通して、袋体5の内部における気体を吸引可能であり、かつ、吸引口9は閉鎖可能になっている。
【0024】
吸引口9には、接続部15が設けられている。接続部15には、図2のように、吸引装置11から延びているチューブ13の先端部が着脱可能である。接続部15にチューブ13の先端部が取り付けられた状態で、吸引装置11がチューブ13と吸引口9を通して、袋体5の内部における気体を吸引できるようになっている。吸引装置11は、例えば、真空ポンプである。この場合、真空ポンプは、手動または電動のものであってよい。
図2において、接続部15は、袋体5に設けられた円筒形部材である。円筒形部材15の内部は、吸引口9に連通している。この円筒形部材15の外周面または内周面に、チューブ13の先端部の内周面または外周面が取り付けられてよい。この状態で、吸引装置11がチューブ13と吸引口9を通して、袋体5の内部における気体を吸引する。
【0025】
吸引口9に対してフィルタ17が設けられる。フィルタ17は、袋体5の内部における粉粒体7と気体のうち気体のみを通す。これにより、袋体5の内部における粉粒体7と気体のうち、気体のみが、吸引口9から袋体5の外部へ流出可能となる。フィルタ17は、図1の例では、吸引口9を覆うように、袋体5の内面に取り付けられている。
【0026】
本実施形態では、荷物安定具10は、吸引口9に対して設けられた逆止弁19を有する。逆止弁19は、吸引口9を通して、袋体5の内部から袋体5の外部へ気体が流出することを許容し、袋体5の外部から袋体5の内部へ気体が流入することを阻止する。
【0027】
袋体5は流入口21を有する。流入口21を通して、袋体5の外部から袋体5の内部へ気体が流入可能であり、かつ、流入口21は閉鎖可能になっている。流入口21を閉鎖可能にするために、荷物安定具10は、流入口21を閉じる栓部材23を有していてよい。例えば、栓部材23は、袋体5に取り付けられた円筒形部材25に着脱可能に取り付けられてよい。円筒形部材25は、流入口21に内部が連通している。栓部材23を、例えば螺合により、円筒形部材25に取り付けると、流入口21は、袋体5の外部から閉鎖され、栓部材23を、円筒形部材25から取り外すと、袋体5の内部と袋体5の外部が連通する。
【0028】
好ましくは、流入口21に対してフィルタ27が設けられる。フィルタ27は、袋体5の内部における粉粒体7と気体のうち気体のみを通す。これにより、袋体5の内部における粉粒体7が、流入口21を通して袋体5の外部へ出ることを防止する。
【0029】
図3は、本発明の実施形態による荷造り方法を示すフローチャートである。図4は、この方法の説明図である。本実施形態による荷造り方法は、上述の荷物安定具10を用いて行われる。この方法では、以下のステップS1〜S5をこの順で行う。
【0030】
ステップS1において、図4(A)のように、箱3の内部において、箱3の内面と荷物1との間に袋体5を配置する。すなわち、箱(例えば段ボール箱)3の内部において、箱3の内面と荷物1との間における空間を埋めるように、袋体5を配置する。図4(A)の例では、荷物1は、複数の果物(りんご)である。図4(A)のように箱3の内部空間が直方体である場合には、箱3の内面とは、箱3の内部に位置する底面と内側面の一方または両方である。
ステップS1において、図4(A)のように、複数の袋体5を用いてもよい。この場合、異なる大きさの袋体5を用いてもよい。
好ましくは、ステップS1において、箱3の内面と荷物1との間における空間の(ほとんど)すべてを埋めるように、袋体5を配置する。
【0031】
また、ステップS1では、連続して粉粒体7が存在しない上述の空間体積は、袋体5の変形により押しつぶして無くしておく。
【0032】
なお、ステップS1では、接続部15と、栓部材23または円筒形部材25が、箱3の開口部3aから箱3の外部に露出するように、荷物1と荷物安定具10を箱3の内部に配置する。
【0033】
また、ステップS1では、袋体5を変形しやすいように、栓部材23を袋体5から取り外して、袋体5の内外を流入口21を通して連通させておくのがよい。この場合、ステップS1が終わったら、栓部材23により、流入口21を閉じる。
【0034】
ステップS2において、図4(B)のように、袋体5に設けられた吸引口9(図1を参照)から袋体5の内部における気体を吸引することにより、袋体5の形状が保たれるようにする。詳しくは、次のようにステップS21〜S23を行う。最初に、ステップS21において、吸引口9に設けた接続部15にチューブ13の先端部を接続する。次に、ステップS22において、上述の吸引装置11(図2を参照)により、吸引口9とチューブ13を通して、袋体5の内部における気体を吸引する。これにより、袋体5の内部の圧力が下がって、袋体5の内面が、袋体5をしぼませる方向に粉粒体7を押す力が生じ、当該押す力で粉粒体7同士の摩擦力が増える。その結果、これらの押す力と摩擦力とにより、袋体5の形状が一定に保たれるようになる。その後、ステップS23において、チューブ13を接続部15から取り外す。チューブ13を取り外しても、逆止弁19により、袋体5の内部の圧力は変化しない。
【0035】
ステップS2において、吸引装置11の吸引によって袋体5が局所的(例えば、図4(B)において符号Xが示す部分において)にしぼみ、かつ、このようにしぼむ量は小さい。したがって、この吸引によって、箱3の内面または荷物1と、袋体5との接触面積の減少を小さく抑えることができるので、この接触面積を大きいままに維持することができる。
【0036】
ステップS3において、箱3の開口部3aを閉じて、箱3を目的地まで輸送する。
【0037】
ステップS4において、目的地において、箱3の開口部3aを開けて、栓部材23を袋体5(例えば上述の円筒形部材25)から取り外して、袋体5の外部に対して流入口21を開ける。その結果、流入口21から袋体5の内部に気体が入る。これにより、一定の形状に保たれていた袋体5が変形可能になる。
【0038】
ステップS5において、箱3の内部から外部へ、袋体5を変形させて取り出すとともに、荷物1も箱3の内部から外部へ取り出す。取り出した袋体5は、次の荷造り時に再び用いられる。
【0039】
上述した本発明の実施形態によると、粉粒体7が内部に充填された袋体5を、荷物1の形状に合わせて変形させて、箱3の内面と荷物1との間に袋体5を配置する。したがって、荷物1と荷物安定具10(袋体5)との接触面積を大きくすることができる。
また、袋体5を、荷物1の形状に合わせて変形させた後、袋体5に設けられた吸引口9から袋体5の内部における気体を吸引することにより、袋体5の内面が、袋体5をしぼませる方向に袋体5の内部の粉粒体7を押す。このように袋体5の内面が粉粒体7を押す力と、この力で増えた粉粒体7同士の摩擦力とにより、荷物1の輸送中においても、袋体5の形状を一定に保つことができる。
【0040】
さらに、また、箱3内に配置された袋体5の内部を吸引しても、次のように荷物1と袋体5との接触状態はあまり変わらない。箱3内に配置された袋体5は、内部が吸引されることにより局所的にしぼむ。このようにしぼむ部分は、複数の箇所に分散する傾向がある。また、例えば、袋体5を、できるだけしぼませて箱3内に配置することにより、しぼむ部分を小さくすることができる。したがって、箱3内に配置された袋体5の内部を吸引しても、荷物1または箱3の内面と、袋体5との接触状態(例えば接触面積や接触位置)は、あまり変わらない。
【0041】
また、複数の袋体5を用いる場合には、荷物1の全体を複数の袋体5で容易に包むことができ、これにより、荷物1が安定する。
【0042】
以上のように、荷物1と荷物安定具10との接触面積を大きくすることができ、かつ、荷物1の輸送中に、荷物安定具10の形状を一定に保つことができるので、荷物1の安定性が大幅に向上し、荷物1の損傷を抑えることができる。
【0043】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下の変更例1、2の一方または両方を採用してよい。この場合、以下で説明しない点は、上述と同じである。
【0044】
(変更例1)
吸引口9の大きさが、粉粒体7の大きさより小さい場合には、フィルタ17を設けなくてよい。同様に、流入口21の大きさが、粉粒体7の大きさより小さい場合には、フィルタ27を設けなくてよい。
【0045】
(変更例2)
図5に示すように、荷物安定具10は、互いにチューブ6で内部が接続された複数の袋体5を有していてよい。この場合、図5に示すように、複数の袋体5のうち、1つの袋体5は、上述の図1(A)の袋体5にチューブ6が接続されたものであり、他の袋体5は、上述の図1(A)の袋体5から吸引口9と接続部15とフィルタ17と逆止弁19が省略されたものとなる。当該他の袋体5において、さらに、流入口21と栓部材23と円筒形部材25とフィルタ27を省略してもよい。他の点について、前記他の袋体5の構成は、上述した図1(A)の袋体5の構成と同様であり、前記他の袋体5には、図1(A)の袋体5と同様に、粉粒体7が充填されている。
【0046】
各袋体5において、チューブ6との接続位置の近傍に、粉粒体7と気体のうち気体のみを通すフィルタ8が設けれているのがよい。これにより、各袋体5の内部の粉粒体7がチューブ6の内部に流入しない。
【0047】
このようにチューブ6で接続された複数の袋体5を用いて、上述の荷造り方法を行う場合には、以下のようになる。
まず、上述の図4において、2つの袋体5が、それぞれ、図5の2つの袋体5に置き換わる。
ステップS2においては、吸引装置11により、チューブ13を通して、1つの袋体5に設けられた吸引口9から当該袋体5の内部における気体を吸引することにより、チューブ6を通して、前記他の袋体5の内部における気体も吸引される。これにより、各袋体5の形状が一定に保たれるようになる。したがって、1つの吸引口9から、すべての袋体5を吸引することができるので、吸引作業を効率よく行える。
【0048】
なお、図5では、前記他の袋体5は1つの袋体5であるが、前記他の袋体5は、複数の袋体5であってもよい。この場合、チューブ6は、例えば、中間部分で分岐することにより、この中間部分から各袋体5まで延びて各袋体5に接続されていてもよいし、2つの袋体5毎に両者を接続するチューブ6を設けてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 荷物、3 箱、3a 開口部、5 袋体、6 チューブ、7 粉粒体、8 フィルタ、9 吸引口、10 荷物安定具、11 吸引装置、13 チューブ、15 接続部(円筒形部材)、17 フィルタ、19 逆止弁、21 流入口、23 栓部材、25 円筒形部材、27 フィルタ

図1
図2
図3
図4
図5