(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高炉本体の内部に補助燃料として吹き込むPCI炭は、未燃炭素を生じてしまうと、当該未燃炭素が燃焼ガスの流通を阻害してしまう可能性があることから、高い燃焼性能が要求されるため、高品質で高価な無煙炭や瀝青炭等が使用されており、銑鉄の製造コストの上昇を招いてしまっていた。
【0005】
このようなことから、本発明は、銑鉄の製造コストの低減を図ることができる高炉設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決するための、第一番目の発明に係る高炉設備は、高炉本体と、前記高炉本体の内部に頂部から原料を装入する原料装入手段と、前記高炉本体の内部に羽口から熱風を吹き込む熱風吹込み手段と、前記高炉本体の内部に前記羽口から微粉炭を供給する微粉炭供給手段とを備えている高炉設備において、前記微粉炭が、低品位石炭を乾留したものであり、
前記低品位石炭が、亜瀝青炭又は褐炭であり、前記微粉炭供給手段が、空気と不活性ガスとを混合した搬送ガスによって前記微粉炭を前記羽口へ気流搬送する気流搬送手段と、前記羽口の近傍の前記搬送ガスの状態を検知する搬送ガス状態検知手段と、前記搬送ガス状態検知手段からの情報に基づいて、前記気流搬送手段の前記搬送ガスの前記空気と前記不活性ガスとの混合割合を調整する制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
第二番目の発明に係る高炉設備は、第一番目の発明において、前記微粉炭供給手段の前記搬送ガス状態検知手段が、前記搬送ガスの温度、酸素濃度、一酸化炭素濃度、二酸化炭素濃度、のうちの少なくとも一つの状態を検知するものであることを特徴とする。
【0008】
第三番目の発明に係る高炉設備は、第一番目又は第二番目の発明において、前記微粉炭供給手段の前記制御手段が、前記搬送ガスの温度を200〜T℃(ただし、Tは前記低品位石炭の乾留温度)とするように、前記気流搬送手段の前記搬送ガスの前記空気と前記不活性ガスとの混合割合を調整するものであることを特徴とする。
【0009】
第四番目の発明に係る高炉設備は、第一番目から第三番目の発明のいずれかにおいて、前記微粉炭が、400〜600℃で乾留されたものであることを特徴とする。
【0010】
第五番目の発明に係る高炉設備は、第一番目から第四番目の発明のいずれかにおいて、前記微粉炭が、直径100μm以下であることを特徴とする。
【0012】
第
六番目の発明に係る高炉設備は、第一番目から第
五番目の発明のいずれかにおいて、前記不活性ガスが、窒素ガス、前記高炉本体から排出されたオフガス、前記オフガスを空気と共に燃焼させた後の燃焼排ガス、のうちの少なくとも一つであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る高炉設備によれば、低品位石炭を乾留した微粉炭を、空気と不活性ガスとを混合した搬送ガスによって羽口へ気流搬送することから、廉価な低品位石炭を吹込み炭(PCI炭)として使用することができると共に、搬送ガスや微粉炭を加熱するためのヒータや熱交換器等を設けることなく吹込み炭(PCI炭)の着火性(燃え切り性)を向上させることができるので、銑鉄の製造コストを低減することができる。また、吹込み炭(PCI炭)の着火性(燃え切り性)の向上に伴って、吹込み炭(PCI炭)の供給量を削減することができ、銑鉄の製造コストのさらなる低減を図ることができる。逆に、吹込み炭(PCI炭)の着火性(燃え切り性)の向上に伴って、吹込み炭(PCI炭)の供給量を増加させることもできるので、高炉本体の頂部に原料として供給する石炭(コークス)の量を削減することもでき、銑鉄の製造コストのさらなる低減を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る高炉設備の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は、図面に基づいて説明する以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0016】
〈第一番目の実施形態〉
本発明に係る高炉設備の第一番目の実施形態を
図1,2に基づいて説明する。
【0017】
図1に示すように、鉄鉱石や石灰石や石炭等の原料1を定量供給する原料定量供給装置111は、当該原料1を搬送する装入コンベア112の搬送方向上流側に連絡している。この装入コンベア112の搬送方向下流側は、高炉本体110の頂部の炉頂ホッパ113の上方に連絡している。熱風101(1000〜1300℃)を送給する熱風送給装置114は、前記高炉本体110の羽口に設けられたブローパイプ115に連結されている。
【0018】
前記ブローパイプ115の途中には、インジェクションランス116の先端側が挿入されて接続されている。前記インジェクションランス116の基端側には、空気106を送給するエアブロア117の送風口が連結されている。前記エアブロア117の送風口と前記インジェクションランス116の基端側との間には、窒素ガス等の不活性ガス102を送給する不活性ガス供給源119が流量調整バルブ118を介して連結されている。
【0019】
前記エアブロア117及び前記流量調整バルブ118と前記インジェクションランス116との間には、褐炭や亜瀝青炭等の低品位石炭(低質炭)を温度T(400〜600℃の範囲内)で乾留して粉砕(直径100μm以下)した微粉炭2を内部に入れられる供給タンク120の下部が連結されており、当該供給タンク120は、内部を不活性ガス雰囲気で保持することができると共に、前記微粉炭2を内部から落下供給することができるようになっている。
【0020】
前記インジェクションランス116の基端側の近傍、すなわち、前記羽口の近傍には、当該インジェクションランス116内の温度を検知する搬送ガス状態検知手段である温度センサ121が設けられている。
図2に示すように、前記温度センサ121は、制御手段である制御装置122の入力部に電気的に接続されている。前記制御装置122の出力部は、前記エアブロア117及び前記流量調整バルブ118に電気的に接続されており、当該制御装置122は、前記温度センサ121からの情報に基づいて、前記エアブロア117の送風量及び前記流量調整バルブ118の開度を制御することができるようになっている(詳細は後述する)。
【0021】
なお、本実施形態においては、前記原料定量供給装置111、前記装入コンベア112、前記炉頂ホッパ113等により原料装入手段を構成し、前記熱風送給装置114、前記ブローパイプ115等により熱風吹込み手段を構成し、前記ブローパイプ115、前記インジェクションランス116、前記エアブロア117、前記流量調整バルブ118、前記不活性ガス供給源119、前記供給タンク120等により気流搬送手段を構成し、当該気流搬送手段、前記搬送ガス状態検知手段、前記制御手段等により微粉炭供給手段を構成している。また、
図1中、110aは、溶融した銑鉄(溶銑)9を取り出す出銑口である。
【0022】
このような本実施形態に係る高炉設備100においては、前記原料定量供給装置111から前記原料1を定量供給して、前記装入コンベア112を介して前記炉頂ホッパ113内に供給することにより、当該原料1を前記高炉本体110内に装入する一方、前記熱風送給装置114から前記ブローパイプ115へ熱風101を送給すると共に、前記供給タンク120から前記微粉炭2を落下供給する。
【0023】
そして、前記制御装置122を作動させると、当該制御装置122は、前記エアブロア117から空気106を送給するように当該エアブロア117を作動させると共に、前記不活性ガス供給源119から不活性ガス102を送給するように前記流量調整バルブ118を開放制御する。
【0024】
これにより、前記微粉炭2は、前記空気106と前記不活性ガス102とを混合した搬送ガス107によって、前記インジェクションランス116へ気流搬送される。このとき、前記微粉炭2は、乾留されることにより反応活性が高くなっていると共に、前記搬送ガス107が酸素を含有していることから、その一部が、気流搬送中に酸素と反応して燃焼する。このため、上記搬送ガス107及び上記微粉炭2は、自己加熱によって予熱(200〜T℃)される。
【0025】
前記インジェクションランス116へ気流搬送された前記微粉炭2は、前記搬送ガス107と共に前記ブローパイプ115の内部に供給され、前記熱風送給装置114からの前記熱風101中に供給されることにより燃焼する。このとき、前記インジェクションランス116から前記熱風101中に吹き込まれる前記搬送ガス107及び前記微粉炭2が予熱(200〜T℃)されていることから、当該微粉炭2は、着火性が速くなり、燃え切り性がよくなる。
【0026】
ここで、前記インジェクションランス116から前記熱風101中に吹き込まれる前記搬送ガス107の温度、すなわち、前記羽口の近傍の前記搬送ガス107の温度が200℃未満であると、前記制御装置122は、前記温度センサ121からの情報に基づいて、前記インジェクションランス116への気流搬送中の前記微粉炭2の燃焼量を増加させるように前記エアブロア117及び前記流量調整バルブ118を制御して、前記搬送ガス107の流量を一定に保持しつつ当該搬送ガス107中の酸素濃度を高くするように前記エアブロア117の送風量を多くすると共に前記流量調整バルブ118の開度を小さくする。
【0027】
他方、前記インジェクションランス116から前記熱風101中に吹き込まれる前記搬送ガス107の温度、すなわち、前記羽口の近傍の前記搬送ガス107の温度が前記T℃を超えると、前記制御装置122は、前記温度センサ121からの情報に基づいて、前記インジェクションランス116への気流搬送中の前記微粉炭2の燃焼量を低下させるように前記エアブロア117及び前記流量調整バルブ118を制御して、前記搬送ガス107の流量を一定に保持しつつ当該搬送ガス107中の酸素濃度を低くするように前記エアブロア117の送風量を少なくすると共に前記流量調整バルブ118の開度を大きくする。
【0028】
このようにして、前記インジェクションランス116から前記熱風101中に吹き込まれて前記ブローパイプ115の内部で燃焼した前記微粉炭2は、火炎となって前記羽口から前記高炉本体110の内部にレースウェイを形成し、前記高炉本体110内の前記原料1中の石炭等を燃焼させる。これにより、前記原料1中の鉄鉱石が還元されて銑鉄(溶銑)9となって前記出銑口110aから取り出される。
【0029】
つまり、本実施形態に係る高炉設備100では、褐炭や亜瀝青炭等の低品位石炭(低質炭)を温度T(400〜600℃の範囲内)で乾留して粉砕(直径100μm以下)した微粉炭2を吹込み炭(Pulverized Coal Injection:PCI炭)として使用すると共に、前記微粉炭2を前記インジェクションランス116へ気流搬送する搬送ガス107を空気106と不活性ガス102との混合ガスとしたのである。
【0030】
このため、本実施形態に係る高炉設備100においては、廉価な低品位石炭を吹込み炭(PCI炭)として使用することができると共に、搬送ガス107及び微粉炭2を加熱するためのヒータや熱交換器等を設けることなく吹込み炭(PCI炭)の着火性(燃え切り性)を向上させることができる。
【0031】
したがって、本実施形態に係る高炉設備100によれば、銑鉄9の製造コストを低減することができる。
【0032】
また、吹込み炭(PCI炭)の着火性(燃え切り性)の向上に伴って、吹込み炭(PCI炭)の供給量を削減することができ、銑鉄9の製造コストのさらなる低減を図ることができる。逆に、吹込み炭(PCI炭)の着火性(燃え切り性)の向上に伴って、吹込み炭(PCI炭)の供給量を増加させることもできるので、高炉本体110の頂部に原料1として供給する石炭(コークス)の量を削減することもでき、銑鉄9の製造コストのさらなる低減を図ることができる。
【0033】
なお、前記搬送ガス107及び前記微粉炭2の予熱温度としては、200〜T(微粉炭2の乾留温度)℃の範囲であると好ましい。なぜなら、200℃未満であると、微粉炭2の着火性(燃え切り性)の向上を十分に図ることが難しくなるおそれがあり、T(微粉炭2の乾留温度)℃を超えると、微粉炭2からタール等の熱分解物を生じてしまい、当該熱分解物が前記インジェクションランス116の内壁面等に付着して、当該インジェクションランス116等を閉塞させてしまうおそれがあるからである。
【0034】
〈第二番目の実施形態〉
本発明に係る高炉設備の第二番目の実施形態を
図3,4に基づいて説明する。なお、前述した実施形態と同様な部分については、前述した実施形態での説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態での説明と同様な説明を省略する。
【0035】
図3に示すように、前記インジェクションランス116と前記供給タンク120との間の当該インジェクションランス116の基端近傍には、分取ライン223の基端側が連結されている。前記分取ライン223の先端側は、三方バルブ224の一つの口に接続されている。前記三方バルブ224の残りの二つの口は、フィルタ装置225A,225Bの受入口にそれぞれ接続している。
【0036】
前記フィルタ装置225A,225Bの送出口は、吸引ポンプ226の吸引口に接続されている。前記吸引ポンプ226の送出口は、前記分取ライン223の基端側と前記インジェクションランス116の基端側との間に戻しライン227を介して接続されている。前記フィルタ装置225A,225Bの送出口と前記吸引ポンプ226の吸引口との間には、前記分取ライン223から分取した前記搬送ガス107中の一酸化炭素濃度を検知するCOセンサ221が設けられている。
【0037】
図4に示すように、前記COセンサ221は、制御手段である制御装置222の入力部に電気的に接続されている。前記制御装置222の出力部は、前記エアブロア117及び前記流量調整バルブ118に電気的に接続されており、当該制御装置222は、前記COセンサ221からの情報に基づいて、前記エアブロア117の送風量及び前記流量調整バルブ118の開度を制御することができるようになっている(詳細は後述する)。
【0038】
なお、本実施形態においては、前記COセンサ221、前記分取ライン223、前記三方バルブ224、前記フィルタ装置225A,225B、前記吸引ポンプ226、前記戻しライン227等により、搬送ガス状態検知手段を構成し、当該搬送ガス状態検知手段、前記制御手段、前記気流搬送手段等により微粉炭供給手段を構成している。
【0039】
このような本実施形態に係る高炉設備200においては、前述した実施形態の場合と同様にして、前記高炉本体110内に前記原料1を装入する一方、前記熱風送給装置114から前記ブローパイプ115へ熱風101を送給すると共に、前記供給タンク120から前記微粉炭2を落下供給する。
【0040】
そして、前記フィルタ装置225A,225Bの一方(例えばフィルタ装置225A)のみを前記分取ライン223と前記戻しライン227とに接続するように前記三方バルブ224を開閉操作すると共に、前記吸引ポンプ226を作動させ、前記制御装置222を作動させると、当該制御装置222は、前述した実施形態の場合と同様に、前記エアブロア117から空気106を送給するように当該エアブロア117を作動させると共に、前記不活性ガス供給源119から不活性ガス102を送給するように前記流量調整バルブ118を開放制御する。
【0041】
これにより、前記微粉炭2は、前述した実施形態の場合と同様に、前記空気106と前記不活性ガス102とを混合した搬送ガス107によって、前記インジェクションランス116へ気流搬送され、前記搬送ガス107と共に前記ブローパイプ115の内部に供給されて、前記熱風送給装置114からの前記熱風101中に供給されることにより燃焼する。
【0042】
ここで、前記インジェクションランス116の基端側の近傍へ気流搬送された前記搬送ガス107は、前記吸引ポンプ226によって、そのごく一部が分取ライン223に分取され、前記三方バルブ224を経由して前記フィルタ装置225Aで前記微粉炭2等を除去された後、前記COセンサ221で一酸化炭素濃度を検知され、前記吸引ポンプ226を経由して前記戻しライン227から前記インジェクションランス116の基端側の近傍へ戻される。
【0043】
そして、前記制御装置222は、前記COセンサ221からの情報に基づいて、前記エアブロア117の送風量及び前記流量調整バルブ118の開度を制御する。すなわち、前記搬送ガス107中の一酸化炭素濃度は、前記微粉炭2の種類(炭種)、前記微粉炭2の供給量、当該搬送ガス107中の酸素濃度、当該搬送ガス107の温度によって、ほぼ決まる値である。
【0044】
このため、前記微粉炭2の種類(炭種)及び供給量が予め決まっていると共に、上記搬送ガス107中の酸素濃度を算出できることから、上記搬送ガス107中の一酸化炭素濃度を検知することにより、当該搬送ガス107の温度を求めることができるのである。
【0045】
より具体的には、前記制御装置222は、前記COセンサ221からの情報、すなわち、サンプリングした前記搬送ガス107の一酸化炭素濃度、言い換えれば、前記羽口の近傍の前記搬送ガス107の一酸化炭素濃度等に基づいて、当該搬送ガス107の温度を算出し、当該温度が200℃未満であると、前記インジェクションランス116への気流搬送中の前記微粉炭2の燃焼量を増加させるように前記エアブロア117及び前記流量調整バルブ118を制御して、前記搬送ガス107の流量を一定に保持しつつ当該搬送ガス107中の酸素濃度を高くするように前記エアブロア117の送風量を多くすると共に前記流量調整バルブ118の開度を小さくする。
【0046】
他方、前記制御装置222は、算出した前記温度が前記T℃を超えていると、前記インジェクションランス116への気流搬送中の前記微粉炭2の燃焼量を低下させるように前記エアブロア117及び前記流量調整バルブ118を制御して、前記搬送ガス107の流量を一定に保持しつつ当該搬送ガス107中の酸素濃度を低くするように前記エアブロア117の送風量を少なくすると共に前記流量調整バルブ118の開度を大きくする。
【0047】
これにより、前述した実施形態の場合と同様に、前記インジェクションランス116から前記熱風101中に吹き込まれて前記ブローパイプ115の内部で燃焼した前記微粉炭2は、火炎となって前記羽口から前記高炉本体110の内部にレースウェイを形成し、前記高炉本体110内の前記原料1中の石炭等を燃焼させ、前記原料1中の鉄鉱石を還元して、銑鉄(溶銑)9を前記出銑口110aから取り出すことができる。
【0048】
なお、前記搬送ガス107をサンプリングするに伴って、前記フィルタ装置225Aが次第に目詰まりしてくるため、サンプリングが所定時間経過したら、前記フィルタ装置225Bのみを前記分取ライン223と前記戻しライン227とに接続するように前記三方バルブ224を開閉操作した後、前記フィルタ装置225Aを新しく交換することにより、前記搬送ガス107のサンプリングを連続して行うことができる。
【0049】
つまり、前述した実施形態に係る高炉設備100においては、前記インジェクションランス116の基端側の近傍に設けた前記温度センサ121によって前記搬送ガス107の温度を直接的に検知するようにしたが、本実施形態に係る高炉設備200においては、前記インジェクションランス116の基端側の近傍の前記搬送ガス107をサンプリングラインにサンプリングして前記COセンサ221によって一酸化炭素濃度を検知することにより、前記搬送ガス107の温度を前記制御装置222で算出して求めるようにしたのである。
【0050】
このため、本実施形態に係る高炉設備200においては、大部分の前記搬送ガス107が流通するライン中にセンサの検出部等を突出させることなく当該搬送ガス107の温度を検知することができる。
【0051】
したがって、本実施形態に係る高炉設備200によれば、前述した実施形態の場合と同様な効果を得ることができるのはもちろんのこと、センサの検出部への前記微粉炭2の付着等を防止することができるので、より正確な制御を行うことができると共に、前記インジェクションランス116の基端側の近傍での閉塞等を未然に抑えることができる。
【0052】
〈他の実施形態〉
なお、前述した第二番目の実施形態においては、前記COセンサ221によって前記搬送ガス107中の一酸化炭素を検知することにより、当該搬送ガス107の温度を求めるようにしたが、他の実施形態として、前記COセンサ221に代えて、例えば、前記搬送ガス107中の二酸化炭素濃度を検知するCO
2センサや酸素濃度を検知するO
2センサ等を適用することにより、前記搬送ガス107の温度を求めるようにすることも可能である。
【0053】
また、前述した第一,二番目の実施形態においては、前記不活性ガス供給源119から窒素ガス等の不活性ガス102を送給する場合について説明したが、他の実施形態として、例えば、前記高炉本体110から排出された高炉オフガス(約200℃)や、当該高炉オフガスを空気と共に燃焼させて前記熱風101の熱源として利用した後の高炉オフガスの燃焼排ガス(約100℃程度)を不活性ガス102として利用する、すなわち、前記高炉本体110や、前記熱風送給装置114等を不活性ガス供給源として利用することも可能である。