特許第6015920号(P6015920)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015920
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】二極スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 23/02 20060101AFI20161013BHJP
   H01H 9/02 20060101ALI20161013BHJP
   H01H 23/24 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   H01H23/02 C
   H01H9/02 N
   H01H23/24 D
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-226436(P2012-226436)
(22)【出願日】2012年10月11日
(65)【公開番号】特開2014-78451(P2014-78451A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2015年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005038
【氏名又は名称】神保電器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101867
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 寿武
(72)【発明者】
【氏名】藤好 枝折
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−291454(JP,A)
【文献】 特開平11−045639(JP,A)
【文献】 特開2011−081961(JP,A)
【文献】 特開2001−006470(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0283376(US,A1)
【文献】 特開2004−200008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 23/02
H01H 9/02
H01H 23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンオフ操作を行う操作体と、各極の配線がそれぞれ接続される固定側端子部と可動側端子部と、を備えた二極スイッチであって、
前記固定側端子部は、第1A端子部と第1B端子部とを含み、
前記可動側端子部は、第2A端子部と第2B端子部とを含み、
前記第1A端子部は、分岐して2つの第1A固定接点と電気的に接続されており、
前記第1B端子部は、分岐して2つの第1B固定接点と電気的に接続されており、
前記第2A端子部は、分岐して2つの第2A開閉機構部と電気的に接続されており、
前記第2B端子部は、分岐して2つの第2B開閉機構部と電気的に接続されており、
前記各第2A開閉機構部および各第2B開閉機構部は、それぞれ揺動自在な可動接触子と、当該可動接触子に設けられた可動接点とを含み、
前記第1A固定接点の一方と前記第2A開閉機構部に含まれる前記可動接点の一方とが、接離自在に対向配置され、
前記第1A固定接点の他方と前記第2A開閉機構部に含まれる前記可動接点の他方とが、接離自在に対向配置され、
前記第1B固定接点の一方と前記第2B開閉機構部に含まれる前記可動接点の一方とが、接離自在に対向配置され、
前記第1B固定接点の他方と前記第2B開閉機構部に含まれる前記可動接点の他方とが、接離自在に対向配置され、
前記操作体は、前記4つの可動接触子を一括して揺動させる構成となっている、
ことを特徴とする二極スイッチ。
【請求項2】
前記各構成要素は器体に組み込まれており、
前記第1A端子部は、前記器体の一側面に露出する固定側外部端子と、前記器体の内部で当該固定側外部端子と電気的に接続され2箇所に固定側分岐部を有する固定側接続導体とを含み、前記各固定側分岐部にそれぞれ前記第1A固定接点が設けてあり、
前記第1B端子部も、前記器体の一側面に露出する固定側外部端子と、前記器体の内部で当該固定側外部端子と電気的に接続され2箇所に固定側分岐部を有する固定側接続導体とを含み、前記各固定側分岐部にそれぞれ前記第1B固定接点が設けてあり、
前記第2A端子部は、前記器体の他側面に露出する可動側外部端子と、前記器体の内部で当該可動側外部端子と電気的に接続され2箇所に可動側分岐部を有する可動側接続導体とを含み、前記各固定側分岐部にそれぞれ前記第2A開閉機構部が電気的に接続してあり、
前記第2B端子部も、前記器体の他側面に露出する可動側外部端子と、前記器体の内部で当該可動側外部端子と電気的に接続され2箇所に可動側分岐部を有する可動側接続導体とを含み、前記各固定側分岐部にそれぞれ前記第2B開閉機構部が電気的に接続してある、
ことを特徴とする請求項1の二極スイッチ。
【請求項3】
前記器体は、日本工業規格JIS−C−8304に規定された配線器具取付枠へ装着する寸法形状に構成してあり、且つ当該配線器具取付枠へ固定するための固定金具を備えることを特徴とする請求項2の二極スイッチ。
【請求項4】
前記操作体は、オンオフ操作を行う操作部を前記器体の表面から突き出して配置するともに、前記器体に揺動自在に組み込まれており、
前記可動接触子は、前記器体の内部で一列に並べて配置してあり、前記器体の底部に揺動支点が設けられ、当該揺動支点とは逆側の揺動端縁に前記操作体が係合して、当該操作体の揺動に伴い各可動接触子が同じ方向に揺動する構成となっている、
ことを特徴とする請求項3の二極スイッチ。
【請求項5】
前記器体の両側面に、前記固定側外部端子および可動側外部端子を被覆する端子カバーを開閉自在に設けたことを特徴とする請求項4の二極スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源側の配線(回路)と負荷側の配線(回路)との間をオン/オフ(接続又は遮断)する機能を有した二極スイッチに関する。
ここで、「極」とはそのスイッチが同時に制御可能な回路の数をいい、したがって二極スイッチとは2つの回路を制御可能なスイッチをいう。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の二極スイッチとしては、特許文献1に開示されたような構成のものが知られている。同文献1の二極スイッチは、器体の内部に、2個の固定端子と、2個の接続端子が組み込まれており、例えば、各固定端子に電源側の2本の配線が接続されるとともに、各接続端子に負荷側の2本の配線が接続される。各固定端子にはそれぞれ固定接点が電気的に接続してあり、また器体内部に組み込まれた2個の可動接触子にはそれぞれ可動接点が設けられ、各固定接点と可動接点が対向配置されている。可動接触子は、操作子の操作により揺動して、各可動接点を各固定接点に対して接離(すなわち、オンオフ)する構成となっている。
【0003】
かかる従来の二極スイッチにあっては、特許文献1の図10に示された回路のとおり、電源からの電流のすべてが各固定端子、固定接点、接続端子および可動接点に流れる。一般的な家庭向け交流電源は、100V、15A程度の比較的小さな定格電力であるため、上述したスイッチ構成で支障はなかった。
しかし、例えば、300V、30Aといった大きな定格電力となる電源を負荷につなぎ、その間をオンオフしたい場合には、従来の二極スイッチでは接点間に流れる電流が大きすぎて対応できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−291454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、大きな定格電力となる電源と負荷との間をオンオフできる耐久性に優れた二極スイッチの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、オンオフ操作を行う操作体と、各極の配線がそれぞれ接続される固定側端子部と可動側端子部と、を備えた二極スイッチであって、
固定側端子部は、第1A端子部と第1B端子部とを含み、
可動側端子部は、第2A端子部と第2B端子部とを含み、
第1A端子部は、分岐して2つの第1A固定接点と電気的に接続されており、
第1B端子部は、分岐して2つの第1B固定接点と電気的に接続されており、
第2A端子部は、分岐して2つの第2A開閉機構部と電気的に接続されており、
第2B端子部は、分岐して2つの第2B開閉機構部と電気的に接続されており、
各第2A開閉機構部および各第2B開閉機構部は、それぞれ揺動自在な可動接触子と、当該可動接触子に設けられた可動接点とを含み、
第1A固定接点の一方と第2A開閉機構部に含まれる可動接点の一方とが、接離自在に対向配置され、
第1A固定接点の他方と第2A開閉機構部に含まれる可動接点の他方とが、接離自在に対向配置され、
第1B固定接点の一方と第2B開閉機構部に含まれる可動接点の一方とが、接離自在に対向配置され、
第1B固定接点の他方と第2B開閉機構部に含まれる可動接点の他方とが、接離自在に対向配置され、
操作体は、4つの可動接触子を一括して揺動させる構成となっていることを特徴とする。
【0007】
上述した構成の本発明によれば、固定側端子部と可動側端子部のいずれか一方に電源側の配線を接続し、他方に負荷側の配線を接続し、その間を操作体の操作に伴いオンオフすることができる。そして、固定側端子部と可動側端子部との間に分岐回路を構成し、各固定接点および可動接点に流れる電流を分配したので、大きな定格電力となる電源を接続しても、各固定接点と可動接点との間に流れる電流は小さくなり、その結果、支障なくオンオフ動作を行うことができるとともに、高い耐久性を確保することが可能となる。
【0008】
さらに、本発明は次のように構成することもできる。
すなわち、各構成要素は器体に組み込まれており、
第1A端子部は、器体の一側面に露出する固定側外部端子と、器体の内部で当該固定側外部端子と電気的に接続され2箇所に固定側分岐部を有する固定側接続導体とを含み、各固定側分岐部にそれぞれ第1A固定接点を設け、
第1B端子部も、器体の一側面に露出する固定側外部端子と、器体の内部で当該固定側外部端子と電気的に接続され2箇所に固定側分岐部を有する固定側接続導体とを含み、各固定側分岐部にそれぞれ第1B固定接点を設け、
第2A端子部は、器体の他側面に露出する可動側外部端子と、器体の内部で当該可動側外部端子と電気的に接続され2箇所に可動側分岐部を有する可動側接続導体とを含み、各固定側分岐部にそれぞれ第2A開閉機構部が電気的に接続し、
第2B端子部も、器体の他側面に露出する可動側外部端子と、器体の内部で当該可動側外部端子と電気的に接続され2箇所に可動側分岐部を有する可動側接続導体とを含み、各固定側分岐部にそれぞれ第2B開閉機構部が電気的に接続される構成としてもよい。
【0009】
さらに、器体は、日本工業規格JIS−C−8304に規定された配線器具取付枠へ装着する寸法形状に構成し、且つ当該配線器具取付枠へ固定するための固定金具を備える構成とすることが好ましい。このように構成することで、上記規格化された配線器具取付枠を用いて、従来の二極スイッチと同様に施設することが可能となり、施設作業がやりやすく作業性の向上を図ることができる。
【0010】
さらに、操作体は、オンオフ操作を行う操作部を器体の表面から突き出して配置するともに、器体に揺動自在に組み込んだ構成とし、
可動接触子は、器体の内部で一列に並べて配置し、器体の底部に揺動支点が設けられ、当該揺動支点とは逆側の揺動端縁に操作体が係合して、当該操作体の揺動に伴い各可動接触子が同じ方向に揺動する構成としてもよい。
そして、器体の両側面に、固定側外部端子および可動側外部端子を被覆する端子カバーを開閉自在に設けることもできる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、固定側端子部と可動側端子部との間に分岐回路を構成し、各固定接点および可動接点に流れる電流を分配したので、大きな定格電力となる電源を接続しても、各固定接点と可動接点との間に流れる電流は小さくなり、その結果、支障なくオンオフ動作を行うことができるとともに、高い耐久性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る二極スイッチの外観斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る二極スイッチの端子カバーを開いた状態を示す外観斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る二極スイッチの内部構造を拡大して示す平面図である。
図4】本発明の実施形態に係る二極スイッチの内部構造を示す縦断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る二極スイッチの構成部品を展開して示す平面図である。
図6】本発明の実施形態に係る二極スイッチの構成部品を展開して示す縦断面図である。
図7】本発明の実施形態に係る二極スイッチの電気的な回路構造を示す図である。
図8】固定側接続導体を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は背面図である。
図9】可動側接続導体を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は背面図である。
図10】可動接触子とその支持ばねを示す図で、(a)は可動接触子の平面図、(b)は同じく正面図、(c)は同じく右側面図、(d)は支持ばねの平面図、(e)は同じく正面図、(f)は同じく右側面図である。
図11】操作体を示す図で、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は背面図、(d)は正面図、(e)は縦断面図である。
図12】本発明の実施形態に係る二極スイッチを配線器具取付枠に装着した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る二極スイッチは、図1および図2に示すような外観をしている。後述するように器体1の両側面には端子カバー50が開閉自在に設けてあり、図1はこの端子カバー50が閉じた状態を示し、図2はこの端子カバー50が開いた状態を示している。
二極スイッチを構成する各部品は、図3および図4に示すように器体1に組み込まれている。
【0014】
図5および図6は、本実施形態に係る二極スイッチの構成部品を展開して示すである。ここで、図5図3に示す平面図から各部品を取り出して展開した図であり、図6図4に示す縦断面図から各部品を取り出して展開した図である。
これらの図面に示すとおり、本実施形態に係る二極スイッチは、器体1と、この器体1の両側面から露出する4つの外部端子11,21と、器体1の内部に組み込まれる各4つの接続導体12,22、可動接触子24、支持ばね26および押圧コイルばね27と、操作体30と、中台座40と、2つの端子カバー50と、2つの固定金具60と備えている、
【0015】
器体1は、樹脂成形されたケース2とカバー3とからなり、ケース2の表面開口部からその内部に各部品を組み込んだ後、当該表面開口部にカバー3を装着する構成となっている。カバー3の中央部には開口部3aが形成してあり、この開口部3aから操作体30の操作部31が外部に突き出す。
【0016】
外部端子11,21は、2つの固定側外部端子11と、2つの可動側外部端子21とに分けられ、固定側外部端子11は、器体1の一方の側面(図3図5の左側面)から露出するように器体1に組み込まれる。また、可動側外部端子21は、器体1の他方の側面(図3図5の右側面)から露出するように器体1に組み込まれる。本実施形態では、各外部端子とも同じ寸法形状の端子ねじ14、ばね座金15および座金16によって構成されている。
なお、本実施形態に係る二極端子は、例えば、300V、30Aといった大きな定格電力となる電源を負荷につなぎ、その間をオンオフする用途を想定しており、かかる電源につながる配線が一般に撚り線であることに鑑み、撚り線を接続可能な端子ねじ14を用いた構造としたが、用途に応じては公知のねじ無し端子構造(例えば、特許文献1参照)を採用することもできる。ねじ無し端子構造を採用した場合には、端子カバー50を省略することができる。
【0017】
次に、接続導体12,22は、2つの固定側接続導体12と、2つの可動側接続導体22とに分けられ、固定側接続導体12は、器体1の一方の側部領域(図3図5の左側領域)に組み込まれ、可動側接続導体22は、器体1の他方の側部領域(図3図5の右側領域)に組み込まれる。
図8に示すように、固定側接続導体12は、金属板を折り曲げ加工して製作してあり、平板状の胴体部12aの中央部分に固定側外部端子11の端子ねじ14を螺合する雌ねじ部12bが形成してあり、さらに胴体部12aの上端縁両脇2箇所からU字状に延出して固定側分岐部12cが形成してある。そして、2つの固定側接続導体12のうち、一方の固定側接続導体12における各固定側分岐部12cに第1A固定接点13aが設けてあり、他方の固定側接続導体12における各固定側分岐部12cに第1B固定接点13bが設けてある。
【0018】
また、図9に示すように、可動側接続導体22は、金属板を折り曲げ加工して形成してあり、平板状の胴体部22aの中央部分に可動側外部端子21の端子ねじ14を螺合する雌ねじ部22bが形成してある。さらに、胴体部22aの両側部をL字状に折り曲げ、当該折り曲げ部の下縁をそれぞれ内側に折り曲げて当該2箇所に可動側分岐部22cが形成してある。2つの可動側接続導体22のそれぞれ2箇所に形成した可動側分岐部22cには、リベットによって支持ばね26が接続される。
【0019】
図10(a)〜(c)に示すように、可動接触子24は、金属板を切り抜いて製作してあり、下端縁24aが揺動支点を形成している。そして、可動接触子24の中央部に可動接点25が設けてある。なお、可動接点25の上方に位置する上端縁24bに、後述する操作体30が係合する。
また、図10(d)〜(f)に示すように、支持ばね26は、金属板を折り曲げ加工して形成してあり、基部26aが上述したとおり可動側接続導体22の可動側分岐部22cに接続される。また、下向きに凹状をした中間湾曲部が可動接触子24の支持部26bを形成しており、この支持部26bに可動接触子24の下端縁24a(揺動支点)が配置される。そして、この支持部26bは、器体1の底部に組み込まれた押圧コイルばね27によって上向きに付勢され、これ付勢力により可動接触子24は所定の揺動角度を境として、オンオフいずれかの方向に強制的に揺動する。すなわち、トグル機構を構成している(図4参照)。
【0020】
ここで、図3に示すように、一方の可動側接続導体22における2箇所の可動側分岐部22cと電気的にそれぞれ接続された可動接触子24、支持ばね26、押圧コイルばね27および可動接点25は、第2A開閉機構部23aを構成する。同様に、他方の可動側接続導体22における2箇所の可動側分岐部22cと電気的にそれぞれ接続された可動接触子24、支持ばね26、押圧コイルばね27および可動接点25は、第2B開閉機構部23bを構成する。
【0021】
そして、一方の固定側接続導体12に設けた2つの第1A固定接点13aと、第2A開閉機構部23aに含まれる2つの可動接点25とが、互いに器体1内で接離自在に対向配置される。同様に、他方の固定側接続導体12に設けた2つの第1B固定接点13bと、第2B開閉機構部23bに含まれる2つの可動接点25とが、互いに器体1内で接離自在に対向配置される。
このとき、4つの可動接触子24は、器体1の内部で一列に並べて配置される。
【0022】
かかる構成において、図7に示すように、第1A固定接点13aが設けられた固定側接続導体12と、これに電気的に接続された一方の固定側外部端子11とが、第1A端子部10aを構成する。同様に、第1B固定接点13bが設けられた固定側接続導体12と、これに電気的に接続された他方の固定側外部端子11とが、第1B端子部10bを構成する。
そして、これら第1A端子部10aと第1B端子部10bとで、一方の極(図7では電源側配線)が接続される固定側端子部10を構成している。
【0023】
また、第2A開閉機構部23aと、これに電気的に接続された一方の第2接続導体部および可動側外部端子21とが、第2A端子部20aを構成する。同様に、第2B開閉機構部23bと、これに電気的に接続された他方の第2接続導体部および可動側側外部端子21とが、第2B端子部20bを構成する。
そして、これら第2A端子部20aと第2B端子部20bとで、他方の極(図7では負荷側配線)が接続される可動側端子部20を構成している。
【0024】
固定側端子部10に設けられた第1A端子部10aと、可動側端子部20に設けられた第2A端子部20aとの間は、固定側接続導体12、第2A開閉機構部23aおよび可動側接続導体22によって2つに分岐しているため、各固定接点13a,13bおよび各可動接点25に流れる電流値は、固定側外部端子11に流れる電流値のほぼ半分の値となる。同様に、固定側端子部10に設けられた第1B端子部10bと、可動側端子部20に設けられた第2B端子部20bとの間も、固定側接続導体12、第2B開閉機構部23bおよび可動側接続導体22によって2つに分岐しているため、各固定接点13a,13bおよび各可動接点25に流れる電流値は、固定側外部端子11に流れる電流値のほぼ半分の値となる。
このように、固定側端子部10と可動側端子部20との間に分岐回路を構成し、各固定接点13a,13bおよび可動接点25に流れる電流を分配したので、大きな定格電力となる電源を接続しても、各固定接点13a,13bと可動接点25との間に流れる電流は小さくなり、その結果、支障なくオンオフ動作を行うことができるとともに、高い耐久性を確保することが可能となる。
【0025】
操作体30は、図11に示すように、基部30aの表面から突き出した操作部31と、基部30aの裏面に一列に並べて形成した係合部32とを備えており、さらに基部30aの両端面には揺動支点33が形成してある。操作体30は、この揺動支点33を器体1の揺動支持部(図示せず)に配置するとともに、操作部31を既述したカバー3の開口部3aから外部へ突き出して配置し、さらに各係合部32をそれぞれ4つの可動接触子24の上端縁24bと係合させた状態で、器体1に組み込まれる(図4参照)。
4つの可動接触子24は、操作体30の揺動操作に伴い、一括して揺動して各接点間を開閉する。
【0026】
中台座40は、ケース2の表面開口部に組み込まれて、内部の各構成部品を支える機能を有している。
端子カバー50は、器体1の両側面に開閉自在に装着され、図1に示す閉塞状態において、固定側外部端子11および可動側外部端子21を被覆して、各外部端子11,21への塵埃の付着を防止する。
【0027】
図12に示すように、本実施形態の二極スイッチは、器体1を、日本工業規格JIS−C−8304に規定された配線器具取付枠100へ装着する寸法形状に構成してある。さらに、器体1の表面(ボス面)両脇には、かかる配線器具取付枠100へ器体1を固定するための固定金具60が設けてある。この構成により、規格化された配線器具取付枠100を用いて、従来の二極スイッチと同様に施設することが可能となり、施設作業がやりやすく作業性の向上を図ることができる。
【0028】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形又は応用が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0029】
1:器体、2:ケース、3:カバー、
10:固定側端子部、10a:第1A端子部、10b:第1B端子部、11:固定側外部端子、12:固定側接続導体、12c:固定側分岐部、13a:第1A固定接点、13b:第1B固定接点、14:端子ねじ、15:ばね座金、16:座金、
20:可動側端子部、20a:第2A端子部、20b:第2B端子部、21:可動側外部端子、22:可動側接続導体、22c:可動側分岐部、23a:第2A開閉機構部、23b:第2B開閉機構部、24:可動接触子、25:可動接点、26:支持ばね、27:押圧コイルばね、
30:操作体、31:操作部、32:係合部、33:揺動支点
40:中台座
50:端子カバー
60:固定金具
100:配線器具取付枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12