特許第6015928号(P6015928)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015928
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】光電気複合コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/66 20060101AFI20161013BHJP
   H01R 13/648 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   H01R13/66
   H01R13/648
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-246782(P2012-246782)
(22)【出願日】2012年11月8日
(65)【公開番号】特開2014-96266(P2014-96266A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】第一精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083909
【弁理士】
【氏名又は名称】神原 貞昭
(72)【発明者】
【氏名】西山 浩平
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−244803(JP,A)
【文献】 特開2011−090898(JP,A)
【文献】 特開2008−090004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/64−13/66
G02B 6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のケーブルが夫々電気的に接続される複数のケーブル接続端子が設けられ、複数のケーブルが取り付けられるケーブル固定部と、光電変換モジュールが備える接続端子が接触接続される光電変換モジュール接続端子が設けられ、光電変換モジュールが配される光電変換モジュール収容部と、上記複数のケーブル接続端子及び上記光電変換モジュール接続端子の夫々の部分が配された相手方コネクタ装置との連結部とが形成された絶縁ハウジングと、
相互係合する第1及び第2の係合部を夫々有し、上記絶縁ハウジングを挟んで対向配置される第1及び第2の導電性シェルと、
を備え、
上記第1の導電性シェルに上記絶縁ハウジングに係合するハウジング係合部が形成されるとともに、上記第2の導電性シェルに光電変換モジュールが取り付けられる光電変換モジュール固定部が形成され、
上記第1の導電性シェルが、上記ケーブル固定部に複数のケーブルが取り付けられた上記絶縁ハウジングに、上記ハウジング係合部を該絶縁ハウジングに係合させて取り付けられたもとで、上記光電変換モジュール固定部に光電変換モジュールが取り付けられた上記第2の導電性シェルが、上記絶縁ハウジングを挟んで上記第1の導電性シェルに対向せしめられたとき、上記光電変換モジュール固定部に取り付けられた上記光電変換モジュールが上記絶縁ハウジングに形成された光電変換モジュール収容部に配されるとともに、上記第2の係合部が上記第1の係合部に係合せしめられることを特徴とする光電気複合コネクタ装置。
【請求項2】
上記絶縁ハウジングにおける上記ケーブル固定部及び光電変換モジュール収容部の夫々が、凹部を成すものとして形成されていることを特徴とする請求項1記載の光電気複合コネクタ装置。
【請求項3】
上記複数のケーブル接続端子が上記ケーブル固定部が成す凹部内に配列配置されており、上記光電変換モジュール接続端子が上記光電変換モジュール収容部が成す凹部内に配置されていることを特徴とする請求項2記載の光電気複合コネクタ装置。
【請求項4】
上記絶縁ハウジングが、上記ケーブル固定部及び光電変換モジュール収容部の夫々が成す凹部の底部を構成する平板状部を有しており、上記第1の導電性シェルが、上記平板状部の外面を覆うものとされ、上記第1の導電性シェルに対向せしめられた上記第2の導電性シェルが、上記ケーブル固定部及び光電変換モジュール収容部の夫々が成す凹部の開口部を部分的に覆うものとされることを特徴とする請求項2記載の光電気複合コネクタ装置。
【請求項5】
上記絶縁ハウジングにおける上記連結部が、上記複数のケーブル接続端子及び上記光電変換モジュール接続端子の夫々の一端が配列配置された突出部を成すものとして形成されていることを特徴とする請求項1記載の光電気複合コネクタ装置。
【請求項6】
上記第の導電性シェルにおける上記光電変換モジュール固定部が、光電変換モジュールについての位置決めを行う位置規制部と上記光電変換モジュールを係止する係止爪部とが設けられたものとされることを特徴とする請求項1記載の光電気複合コネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、導体ケーブルと光電変換モジュールとが装着されたもとで、例えば、ソリッド印刷配線基板等の主基板に配された相手方コネクタ装置との嵌合状態におかれ、導体ケーブル及び光電変換モジュールと相手方コネクタ装置が配された主基板との電気的接続を果す光電気複合コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波電気信号の伝送を行う場合、同軸ケーブルを用いることが広く普及しているが、同軸ケーブルに加えて光ファイバーケーブルを用いて高周波電気信号を伝送することも提案されている。光ファイバーケーブルを用いて高周波電気信号を伝送する際には、送り側において、光電変換モジュールによって伝送すべき高周波電気信号を光信号に変換し、変換された光信号を光ファイバーケーブルに供給して、光信号が光ファイバーケーブルを通じて伝送される状態となし、受け側において、光ファイバーケーブルを通じて伝送された光信号を光電変換モジュールによって高周波電気信号に変換することにより、伝送された高周波電気信号を得る。従って、高周波電気信号の伝送に用いられる光ファイバーケーブルの両端部の夫々には、光電変換モジュールが配されることになる。
【0003】
高周波電気信号の伝送に用いられる同軸ケーブルや同じく高周波電気信号の伝送に用いられる光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールが、ソリッド印刷配線基板等とされる主基板に高周波電気信号を供給すべく、あるいは、主基板から高周波電気信号の供給を受けるべく、当該主基板に電気的に接続されるにあたっては、一対のコネクタ装置が用いられることが多い。即ち、同軸ケーブルの装着、あるいは、光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールの装着がなされたケーブル側コネクタ装置と、主基板に配されて主基板との電気的接続がなされ、ケーブル側コネクタ装置との嵌合状態におかれる基板側コネクタ装置とが用いられるのである。
【0004】
その際、ケーブル側コネクタ装置からみると、基板側コネクタ装置はケーブル側コネクタ装置にとっての相手方コネクタ装置となり、基板側コネクタ装置からみると、ケーブル側コネクタ装置は基板側コネクタ装置にとっての相手方コネクタ装置となる。そして、同軸ケーブルの装着、あるいは、光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールの装着がなされたケーブル側コネクタ装置が、相手方コネクタ装置である主基板に配された基板側コネクタ装置に嵌合せしめられることにより、同軸ケーブル、あるいは、光ファイバーケーブルの端部に装着された光電変換モジュールが、主基板に電気的に接続された状態が得られる。
【0005】
このようなもとで、同軸ケーブルの主基板との電気的接続及び光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールの主基板との電気的接続を容易に行えるようにすべく、同軸ケーブルと光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールとの両者を一つのケーブル側コネクタ装置に装着し、そのケーブル側コネクタ装置を主基板に配された基板側コネクタ装置に嵌合させることが従来提案されている(例えば、特許文献1参照。)。斯かる従来の提案によれば、一つのケーブル側コネクタ装置を基板側コネクタ装置に嵌合させるだけで、同軸ケーブルと光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールとの両者を、主基板との電気的接続状態におくことができる。
【0006】
上述の特許文献1に記載されている、同軸ケーブルと光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールとの両者が装着されるケーブル側コネクタ装置 (コネクタ(31;32))にあっては、絶縁ハウジング(コネクタ本体(43)) が備えられている。そして、絶縁ハウジングには、配列配置された複数の同軸ケーブル(細径同軸ケーブル(24)) の夫々の端部が取り付けられるケーブル接続部(44)と光ファイバーケーブル(光ファイバ(25)) の端部に配された光電変換モジュール(光サブアセンブリ(52)) が取り付けられるファイバ接続部(45)が設けられている。また、絶縁ハウジングには、主基板(配線基板) に配された基板側コネクタ(レセプタクル(71)) に嵌合連結される連結部(接続部(42)) も設けられており、連結部には複数の接続端子(41)) が配列配置されている。
【0007】
絶縁ハウジングに設けられたケーブル接続部には、配列配置された複数の同軸ケーブルの夫々の端部が収容されるケーブル収容部(46)が形成されており、ケーブル収容部には、複数の接続端子から夫々伸びた複数の接点(47)が、同軸ケーブルの端部において露出せしめられた中心導体(24a) が半田付けされるものとして配置されている。また、ケーブル接続部には、配列配置された複数の同軸ケーブルの夫々の外部導体(24b) に接続されたグラウンディングバー(グランドバー(49)) が固定される外部導体固定部(48)が形成されている。そして、ケーブル収容部に配された複数の接点の夫々に、配列配置された複数の同軸ケーブルの夫々の端部において露出せしめられた中心導体(24a) が半田付けされるとともに、ケーブル接続部に形成された外部導体固定部に、配列配置された複数の同軸ケーブルの夫々の外部導体(24b) に接続されたグラウンディングバーが固定されることにより、複数の同軸ケーブルの夫々が絶縁ハウジングに直接的に取り付けられて、ケーブル側コネクタ装置に装着されたものとされる。
【0008】
また、絶縁ハウジングに設けられたファイバ接続部には、光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールを収容する収容部(51)が凹部を成すものとして形成されている。この凹部を成す収容部の底面には、連結部に配された接続端子から伸びた電気接続部(60)が配されており、収容部に収容された光電変換モジュールは電気接続部に接続される。そして、光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールが、絶縁ハウジングに設けられたファイバ接続部に形成された凹部を成す収容部に収容されて固定され、収容部の底面に配された電気接続部に接続された状態に置かれることにより、絶縁ハウジングに直接的に取り付けられて、ケーブル側コネクタ装置に装着されたものとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−90898号公報(段落0015〜0040、第6〜9頁、図1〜9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述の従来のケーブル側コネクタ装置にあっては、それが備える絶縁ハウジングに、複数の同軸ケーブルと光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールとの両者が直接的に取り付けられる。即ち、絶縁ハウジングに、ケーブル収容部が形成されたケーブル接続部と、光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールを収容する収容部が凹部を成すものとして形成されたファイバ接続部とが設けられており、ケーブル接続部におけるケーブル収容部に配された複数の接点の夫々に、配列配置された複数の同軸ケーブルの夫々の端部において露出せしめられた中心導体が半田付けされるとともに、ケーブル接続部に形成された外部導体固定部に、配列配置された複数の同軸ケーブルの夫々の外部導体に接続されたグラウンディングバーが固定されることにより、複数の同軸ケーブルが絶縁ハウジングに直接に取り付けられ、また、光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールが、ファイバ接続部における凹部を成す収容部に収容されて固定され、収容部の底面に配された電気接続部に接続された状態に置かれることにより、絶縁ハウジングに直接に取り付けられる
【0011】
このようなもとで、光電変換モジュールは、半導体集積回路(IC)チップ等を内蔵していて、静電気作用等に起因する内部破壊や損傷を受け易い電気部品である。それゆえ、光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールが、複数の同軸ケーブルとともに絶縁ハウジングに直接的に取り付けられるものとされる従来のケーブル側コネクタ装置にあっては、その組立工程において、光電変換モジュールに内部破壊や損傷が生じることがないように細心の注意を払うことが必要とされる。そのため、一連の組立作業の効率的進行に支障が来されるという不都合がまねかれる虞がある。
【0012】
また、光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールが絶縁ハウジングに取り付けられた後に、絶縁ハウジングあるいは絶縁ハウジングに取り付けられた同軸ケーブルに電気的不導通等の不都合が生じた場合には、光電変換モジュールを伴った絶縁ハウジングの全体が破棄されることになり、再利用可能な光電変換モジュールが無駄に消費されてしまうという不都合が生じる。光電変換モジュールは、通常、比較的高価であるので、再利用可能な光電変換モジュールが無駄に消費されてしまう場合には、経済的損失も少なくない。
【0013】
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、同軸ケーブルと光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールとの両者が装着されるケーブル側コネクタ装置として用いることができる光電気複合コネクタ装置であって、その組立工程における一連の作業を容易かつ効率的に進めることができ、しかも、光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールが装着された後に、装着された同軸ケーブルやその他の部分に電気的不導通等の不都合が生じた場合にも、光電変換モジュールを伴った装置全体を破棄することが必要とされず、光電変換モジュールを無駄に消費することなく再利用することができるものを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明(以下、本発明という。)に係る光電気複合コネクタ装置は、複数のケーブルが夫々電気的に接続される複数のケーブル接続端子が設けられ、複数のケーブルが取り付けられるケーブル固定部と、光電変換モジュールが備える接続端子が接触接続される光電変換モジュール接続端子が設けられ、光電変換モジュールが配される光電変換モジュール収容部と、複数のケーブル接続端子及び光電変換モジュール接続端子の夫々の部分が配された、相手方コネクタ装置との連結部とが形成された絶縁ハウジングを備え、さらに、相互係合する第1及び第2の係合部を夫々有し、絶縁ハウジングを挟んで対向配置される第1及び第2の導電性シェルを備えて構成される。そして、第1の導電性シェルに絶縁ハウジングに係合するハウジング係合部が形成されるとともに、第2の導電性シェルに光電変換モジュールが取り付けられる光電変換モジュール固定部が形成され、第1の導電性シェルが、ケーブル固定部に複数のケーブルが取り付けられた絶縁ハウジングに、ハウジング係合部を当該絶縁ハウジングに係合させて取り付けられたもとで、光電変換モジュール固定部に光電変換モジュールが取り付けられた第2の導電性シェルが、絶縁ハウジングを挟んで第1の導電性シェルに対向せしめられたとき、光電変換モジュール固定部に取り付けられた光電変換モジュールが絶縁ハウジングに形成された光電変換モジュール収容部に配されるとともに、第2の導電性シェルが備える第2の係合部が第1の導電性シェルが備える第1の係合部に係合せしめられる。
【0015】
絶縁ハウジングにおけるケーブル固定部及び光電変換モジュール収容部は、例えば、夫々が凹部を成すものとして形成される。
【0016】
また、絶縁ハウジングは、例えば、ケーブル固定部及び光電変換モジュール収容部の夫々が凹部を成すものとされたもとで、ケーブル固定部及び光電変換モジュール収容部の夫々が成す凹部の底部を構成する平板状部を有しており、斯かる絶縁ハウジングに対して、例えば、第1の導電性シェルが、絶縁ハウジングが有する平板状部の外面を覆うものとされるとともに、絶縁ハウジングを挟んで第1の導電性シェルに対向せしめられた第2の導電性シェルが、ケーブル固定部及び光電変換モジュール収容部の夫々が成す凹部の開口部を部分的に覆うものとされる。
【0017】
上述のように構成される本発明に係る光電気複合コネクタ装置にあっては、絶縁ハウジングに設けられた複数のケーブル接続端子に、例えば、複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブルが夫々、例えば、半田付けにより電気的に接続される状態をもって、複数のケーブルの絶縁ハウジングに形成されたケーブル固定部への取付けが行われるとともに、第1の導電性シェルが、絶縁ハウジングに、ハウジング係合部を当該絶縁ハウジングに係合させる状態をもって取り付けられる。また、それとは別に、第2の導電性シェルに形成された光電変換モジュール固定部に、例えば、光ファイバーケーブルの端部に配されたものとされる光電変換モジュールが取り付けられる。そして、光電変換モジュール固定部に光電変換モジュールが取り付けられた第2の導電性シェルが、絶縁ハウジングに取り付けられた第1の導電性シェルに、ケーブル固定部に複数のケーブルが取り付けられた絶縁ハウジングを挟んで対向せしめられ、それにより、第2の導電性シェルにおける光電変換モジュール固定部に取り付けられた光電変換モジュールが、絶縁ハウジングに形成された光電変換モジュール収容部に配されるとともに、第2の導電性シェルが備える第2の係合部が第1の導電性シェルが備える第1の係合部に係合せしめられて、光電気複合コネクタ装置が組み立てられる。斯かる本発明に係る光電気複合コネクタ装置は、同軸ケーブルと光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールとの両者が装着されるケーブル側コネクタ装置として用いることができるものとなる。
【0018】
このようなもとで、本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一実施例においては、絶縁ハウジングにおけるケーブル固定部及び光電変換モジュール収容部が、各々が凹部を成すものとして形成され、絶縁ハウジングが、ケーブル固定部及び光電変換モジュール収容部の夫々が成す凹部の底部を構成する平板状部を有したものとされる。そして、斯かる絶縁ハウジングに取り付けられた第1の導電性シェルが、絶縁ハウジングが有する平板状部の外面を覆うものとされるとともに、絶縁ハウジングを挟んで第1の導電性シェルに対向せしめられた第2の導電性シェルが、ケーブル固定部及び光電変換モジュール収容部の夫々が成す凹部の開口部を部分的に覆うものとされる。
【発明の効果】
【0019】
上述の本発明に係る光電気複合コネクタ装置にあっては、例えば、複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブルと、例えば、光ファイバーケーブルの端部に配されたものとされる光電変換モジュールと、の両者が装着されたものとされるにあたり、先ず、複数のケーブルが絶縁ハウジングに設けられたケーブル固定部に取り付けられ、それとは別に、光電変換モジュールが第2の導電性シェルに形成された光電変換モジュール固定部に取り付けられる。そして、光電変換モジュール固定部に光電変換モジュールが取り付けられた第2の導電性シェルが、絶縁ハウジングに取り付けられた第1の導電性シェルに、ケーブル固定部に複数のケーブルが取り付けられた絶縁ハウジングを挟んで対向せしめられ、それにより、第2の導電性シェルにおける光電変換モジュール固定部に取り付けられた光電変換モジュールが、絶縁ハウジングに形成された光電変換モジュール収容部に配されるとともに、第2の導電性シェルが備える第2の係合部が第1の導電性シェルが備える第1の係合部に係合せしめられて、複数のケーブルと光電変換モジュールとが装着された光電気複合コネクタ装置が組み立てられる。
【0020】
従って、本発明に係る光電気複合コネクタ装置は、その組立工程において、光電変換モジュールに対して内部破壊や損傷が生じることがないようにする格別な注意を払うことなく、複数のケーブル及び光電変換モジュールの適正な装着を行うことができ、それゆえ、一連の組立作業を容易かつ効率的に進めることができるものとなる。
【0021】
さらに、第2の導電性シェルが、絶縁ハウジングに取り付けられた第1の導電性シェルに、ケーブル固定部に複数のケーブルが取り付けられた絶縁ハウジングを挟んで対向せしめられ、それにより、第2の導電性シェルにおける光電変換モジュール固定部に取り付けられた光電変換モジュールが絶縁ハウジングに形成された光電変換モジュール収容部に配された後に、絶縁ハウジングにおけるケーブル固定部やそれに取り付けられた複数のケーブルに電気的不導通等の不都合が生じた場合にも、光電変換モジュールを伴った装置全体を破棄することは必要とされず、光電変換モジュール固定部に光電変換モジュールが取り付けられた第2の導電性シェルを、絶縁ハウジングを挟んで第1の導電性シェルに対向せしめられた状態から解放することにより、当該第2の導電性シェルにおける光電変換モジュール固定部に取り付けられた光電変換モジュールを、無駄に消費することなく再利用可能なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一例を、それに装着された複数のケーブル及び光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュ−ルと共に示す斜視図である。
図2】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一例が備える絶縁ハウジングを、それに取り付けられた第1の導電性シェルと共に示す斜視図である。
図3】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一例が備える絶縁ハウジングを、それに取り付けられた第1の導電性シェルと共に示す平面図である。
図4図3におけるIV−IV線に沿う断面を示す断面図である。
図5図3における V−V 線に沿う断面の部分を示す部分断面図である。
図6】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一例が備える絶縁ハウジングに複数のケーブルが取り付けられた状態を示す斜視図である。
図7】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一例が備える第2の導電性シェルを単体で示す、その外側から見た斜視図である。
図8】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一例が備える第2の導電性シェルを単体で示す、その内側から見た斜視図である。
図9】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一例が備える第2の導電性シェルに光電変換モジュールが取り付けられた状態を示す、第2の導電性シェルの内側から見た斜視図である。
図10】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一例が備える第2の導電性シェルに光電変換モジュールが取り付けられた状態を示す、第2の導電性シェルの外側から見た斜視図である。
図11】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一例が備える第2の導電性シェルに光電変換モジュールが取り付けられた状態を示す平面図である。
図12図11における XII−XII 線に沿う断面を示す断面図である。
図13図11におけるXIII−XIII線に沿う断面の部分を示す部分断面図である。
図14】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一例を、それに装着された複数のケーブル及び光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュ−ルと共に示す平面図である。
図15図14におけるXV−XV線に沿う断面の部分を示す部分断面図である。
図16図14 における XVI−XVI 線に沿う断面を示す断面図である。
図17】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一例を、それに装着された複数のケーブル及び光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュ−ル、及び、それが嵌合せしめられる相手方コネクタ装置と共に示す斜視図である。
図18】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一例が、複数のケーブル及び光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュ−ルが装着されたもとで、相手方コネクタ装置に嵌合せしめらた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための形態は、以下に述べられる本発明についての実施例をもって説明される。
【実施例】
【0024】
図1は、本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一例を、それに装着された複数のケーブル及び光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュ−ルと共に示す。
【0025】
図1において、本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一例を成す光電気複合コネクタ装置11は、例えば、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14とが装着されたもとで、例えば、ソリッド印刷配線基板とされる主基板にそれに設けられた電気回路構成部との電気的接続がなされて取り付けられた基板側コネクタ装置とされる相手方コネクタ装置に嵌合せしめられる、ケーブル側コネクタ装置として用いられるものとされている。そして、光電気複合コネクタ装置11は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された絶縁ハウジング15, 外部からの電磁波ノイズ対策のため絶縁ハウジング15の外面部を部分的に覆うものとされた、例えば、各々が弾性を有した金属板材料が屈曲されて成る第1の導電性シェル16A及び第2の導電性シェル16Bを備えている。
【0026】
絶縁ハウジング15をそれに取り付けられた第1の導電性シェル16Aと共に示す図2及び図3に示されるように、絶縁ハウジング15には、複数のケーブル12が夫々電気的に接続される複数のケーブル接続端子17が設けられ、複数のケーブル12が取り付けられるケーブル固定部18と、光電変換モジュール14が備える複数の接続端子が夫々接触接続される複数の光電変換モジュール接続端子19が設けられ、光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14が配される光電変換モジュール収容部20と、ケーブル固定部18の外部へと伸びた複数のケーブル接続端子17の夫々の部分17a及び光電変換モジュール収容部20の外部へと伸びた複数の光電変換モジュール接続端子19の夫々の部分19aが配された、相手方コネクタ装置との連結部21と、が形成されている。
【0027】
絶縁ハウジング15に形成されたケーブル固定部18は、平坦な底部を有する矩形状の凹部を成すものとされており、その内部における底部に複数のケーブル接続端子17が配列配置されている。また、絶縁ハウジング15に形成された光電変換モジュール収容部20も、平坦な底部を有する矩形状の凹部を成すものとされており、その内部における底部に複数の光電変換モジュール接続端子19が配列配置されている。これらのケーブル固定部18が成す矩形状の凹部及び光電変換モジュール収容部20が成す矩形状の凹部は、絶縁ハウジング15に長手方向に沿って並べられている。絶縁ハウジング15は、ケーブル固定部18及び光電変換モジュール収容部20の夫々が成す凹部の底部を構成する平板状部15aを有している。
【0028】
また、絶縁ハウジング15に形成された連結部21は、絶縁ハウジング15における平板状部15aからケーブル固定部18及び光電変換モジュール収容部20の外側へと突出する突出部を成し、絶縁ハウジング15の長手方向に沿って伸びるものとされている。そして、連結部21には、複数のケーブル接続端子17の部分17aと複数の光電変換モジュール接続端子19の部分19aとが、絶縁ハウジング15の長手方向に沿って配列配置されている。
【0029】
第1の導電性シェル16Aには、絶縁ハウジング15に係合するハウジング係合部22が形成されており、また、第1の導電性シェル16Aは、絶縁ハウジング15の長手方向における両端部の外方に突出するものとされる一対の係合部23と絶縁ハウジング15の長手方向における両端部に位置するものとされる一対の係合部24とを有している。一対の係合部23の夫々は、絶縁ハウジング15の長手方向に沿って伸びるU字溝状を成すものとされていて、その外面部に係合突起23aが設けられている。また、一対の係合部24の夫々の外面部には、係合突起24aが設けられている。
【0030】
このような第1の導電性シェル16Aは、それに形成されたハウジング係合部22が、絶縁ハウジング15におけるケーブル固定部18及び光電変換モジュール収容部20の夫々の底部を構成する平板状部15aの外面を全面的もしくは略全面的に覆う状態をもって絶縁ハウジング15に密着するものとされて、ハウジング係合部22に取り付けられる。そして、絶縁ハウジング15に形成されたケーブル固定部18及び光電変換モジュール収容部20の夫々が成す凹部の開口部、さらには、絶縁ハウジング15に形成された連結部21における複数のケーブル接続端子17の部分17aと複数の光電変換モジュール接続端子19の部分19aとが配列配置された部分は、第1の導電性シェル16Aによっては覆われない。
【0031】
絶縁ハウジング15に形成された光電変換モジュール収容部20の内部における底部に配列配置された複数の光電変換モジュール接続端子19は、各々が、その全体が、例えば、弾性を有した金属板材料が屈曲されて形成されたものとされている。そして、図3におけるIV−IV線に沿う断面を示す図4に示されるように、複数の光電変換モジュール接続端子19の夫々は、前述の部分19aに加えて、光電変換モジュール収容部20の底部からその外方に若干突出する弾性折返し部19bを有している。
【0032】
また、図3における V−V 線に沿う断面を示す図5にも示されるように、絶縁ハウジング15に形成された光電変換モジュール収容部20が成す凹部には、絶縁ハウジング15の長手方向における対向端縁部の夫々に、切欠き部25が形成されている。
【0033】
第1の導電性シェル16Aが取り付けられた絶縁ハウジング15には、図6に示されるように、それに形成されたケーブル固定部18に、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12が取り付けられる。配列配置された複数のケーブル12が絶縁ハウジング15に形成されたケーブル固定部18に取り付けられるにあたっては、複数のケーブル12の夫々である同軸ケーブルの一端部に、絶縁被覆及び内部絶縁層が除去されて外側導体26及び中心導体27が露出せしめられる処理が施され、複数のケーブル12の外側導体26がグラウンディング・バー28によって連結される。そして、各々の外側導体26がグラウンディング・バー28によって連結された複数のケーブル12の夫々の一端部が、絶縁ハウジング15に形成されたケーブル固定部18が成す凹部に収容されて、複数のケーブル12の中心導体27が、ケーブル固定部18が成す凹部の内部における底部に配列配置された複数のケーブル接続端子17に夫々、例えば、半田付けによって接続される。それにより、複数のケーブル12の夫々の一端部が絶縁ハウジング15に形成されたケーブル固定部18に固定され、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12が、絶縁ハウジング15に形成されたケーブル固定部18に取り付けられた状態が得られる。
【0034】
図7及び図8は、光電気複合コネクタ装置11が備える第2の導電性シェル16Bを単体で示す。
【0035】
図7及び図8に示されるように、第2の導電性シェル16Bには、光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14の取付けがなされる光電変換モジュール固定部30が形成されている。光電変換モジュール固定部30は、光電変換モジュール14の外面部に密接する平板状部31と、光電変換モジュール14の外面部に三方から当接して光電変換モジュール14の位置決めを行う位置規制部32と、位置決めされた光電変換モジュール14に係合して光電変換モジュール14を係止する一対の係止爪部33とを含んでいる。位置規制部32及び係止爪部33の夫々は、平板状部31の周囲に配された切起し部を成すものとされている。
【0036】
さらに、第2の導電性シェル16Bは、その長手方向における両端部に一対の係合部34と一対の係合部35とを有している。一対の係合部34の夫々は、第2の導電性シェル16Bの長手方向に沿って伸びるU字溝状を成すものとされていて、その側壁部に係合孔34aが設けられている。また、一対の係合部35の夫々には、係合孔35aが設けられている。
【0037】
上述の第1の導電性シェル16Aにおける一対の係合部23及び第2の導電性シェル16Bにおける一対の係合部34は、相互係合する第1及び第2の係合部を成すものとされており、また、上述の第1の導電性シェル16Aにおける一対の係合部24及び第2の導電性シェル16Bにおける一対の係合部35も、相互係合する第1及び第2の係合部を成すものとされている。
【0038】
第2の導電性シェル16Bに形成された光電変換モジュール固定部30には、図9図11に示されるように、光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14が取り付けられる。光電変換モジュール14が光電変換モジュール固定部30に取り付けられるにあたっては、図11における XII−XII 線に沿う断面を示す図12及び図11におけるXIII−XIII線に沿う断面の部分を示す図13に示されるように、光電変換モジュール固定部30の平板状部31が光電変換モジュール14の外面部に密接せしめられ、光電変換モジュール固定部30の位置規制部32が光電変換モジュール14の外面部に三方から当接して光電変換モジュール14を位置決めし、さらに、光電変換モジュール固定部30の一対の係止爪部33の夫々が、位置規制部32によって位置決めされた光電変換モジュール14に係合して、光電変換モジュール14を係止する。
【0039】
図9及び図12に示されるように、光電変換モジュール14における光電変換モジュール固定部30の平板状部31が密接せしめられる外面とは反対側の外面に、複数の接続端子40が配列配置されて設けられている。斯かる複数の接続端子40は、光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14が第2の導電性シェル16Bに形成された光電変換モジュール固定部30に取り付けられたとき、他の部材によって覆われることなく、外部に臨むものとされる。
【0040】
上述のようにして、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12が、第1の導電性シェル16Aが取り付けられた絶縁ハウジング15に形成されたケーブル固定部18に取り付けられるとともに、光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14が、第2の導電性シェル16Bに形成された光電変換モジュール固定部30に取り付けられたもとにおいて、光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14が光電変換モジュール固定部30に取り付けられた第2の導電性シェル16Bが、絶縁ハウジング15に取り付けられた第1の導電性シェル16Aに、光電変換モジュール14を絶縁ハウジング15に向けた状態をもって絶縁ハウジング15を挟んで対向するものとされ、それにより、図1及び図14に示される、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14とが装着された光電気複合コネクタ装置11が組み立てられる。
【0041】
斯かる際には、光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14が光電変換モジュール固定部30に取り付けられた第2の導電性シェル16Bが、絶縁ハウジング15に形成された、複数のケーブル12が取り付けられたケーブル固定部18及び光電変換モジュール収容部20の夫々が成す凹部の開口部を、部分的に覆うものとされる。そして、図1及び図14におけるXV−XV線に沿う断面の部分を示す図15に示されるように、第2の導電性シェル16Bにおける光電変換モジュール固定部30に取り付けられた光電変換モジュール14が、絶縁ハウジング15に形成された光電変換モジュール収容部20に配される。即ち、第2の導電性シェル16Bにおける光電変換モジュール固定部30に取り付けられた光電変換モジュール14が、絶縁ハウジング15に形成された光電変換モジュール収容部20が成す矩形状の凹部に収容されるのである。その際、光電変換モジュール収容部20を位置決めする、第2の導電性シェル16Bにおける光電変換モジュール固定部30に含まれる相互対向する一対の位置規制部32が、光電変換モジュール収容部20が成す凹部に形成された相互対向する一対の切欠き部25に夫々収容される。
【0042】
また、このとき、第2の導電性シェル16Bにおける一対の係合部34が、第1の導電性シェル16Aにおける一対の係合部23に夫々係合せしめられる。その際、一対の係合部23の夫々の外面部に設けられた係合突起23aが、一対の係合部34の夫々に設けられた係合孔34aに嵌合し、それにより、係合部34が係合部23に対して係止される。また、それとともに、第2の導電性シェル16Bにおける一対の係合部35が、第1の導電性シェル16Aにおける一対の係合部24に夫々係合せしめられる。その際、一対の係合部24の夫々の外面部に設けられた係合突起24aが、一対の係合部35の夫々に設けられた係合孔35aに嵌合し、それにより、係合部35が係合部24に対して係止される。このようにして、第2の導電性シェル16Bにおける一対の係合部34が第1の導電性シェル16Aにおける一対の係合部23に対して夫々係止されるとともに、第2の導電性シェル16Bにおける一対の係合部35が第1の導電性シェル16Aにおける一対の係合部24に対して夫々係止されることにより、光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14が光電変換モジュール固定部30に取り付けられた第2の導電性シェル16Bが、光電変換モジュール14を絶縁ハウジング15に向けた状態をもって絶縁ハウジング15を挟んで対向するものとされた、絶縁ハウジング15に取り付けられた第1の導電性シェル16Aに対して係止される。
【0043】
さらに、斯かる際、図14における XVI−XVI 線に沿う断面を示す図16に示されるように、絶縁ハウジング15に形成された光電変換モジュール収容部20に配された光電変換モジュール14の外面に設けられた複数の接続端子40の夫々が、光電変換モジュール収容部20の内部における底部に配列配置された複数の光電変換モジュール接続端子19のうちの対応するものが有する弾性折返し部19bに、押圧接触せしめられる。それにより、光電変換モジュール収容部20に配された光電変換モジュール14が、複数の接続端子40を通じて、絶縁ハウジング15における複数の光電変換モジュール接続端子19に電気的に接続される。
【0044】
上述のようにして組み立てられた光電気複合コネクタ装置11は、例えば、ソリッド印刷配線基板とされる主基板にそれに設けられた電気回路構成部との電気的接続がなされて取り付けられた基板側コネクタ装置とされる相手方コネクタ装置に嵌合せしめられて用いられるが、その際には、まず、図17に示されるように、絶縁ハウジング15に形成された連結部21を、相手方コネクタ装置の一例を成す相手方コネクタ装置41に向けた状態をもって、相手方コネクタ装置41に対して対向配置される。
【0045】
相手方コネクタ装置41は、主基板(図示が省略されている。)に配されたものとされる。そして、相手方コネクタ装置41には、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されて、光電気複合コネクタ装置11における連結部21が差し込まれる開口部42が設けられた絶縁ハウジング43と、絶縁ハウジング43の外面部を覆う導電性シェル44とが備えられる。
【0046】
相手方コネクタ装置41の絶縁ハウジング43にあっては、開口部42に連なる内部空間内に、光電気複合コネクタ装置11における連結部21に配列配置された、複数のケーブル接続端子17の部分17a及び複数の光電変換モジュール接続端子19の部分19aが夫々接触接続される、複数のコンタクト(図には現れていない。)が配列配置されている。これらの相手方コネクタ装置41における複数のコンタクトは、主基板に設けられた電気回路構成部に接続されている。
【0047】
また、相手方コネクタ装置41の導電性シェル44には、相手方コネクタ装置41の長手方向における両端部に、主基板に固着される基板連結部44aが設けられている。これらの基板連結部44aは、主基板に固着されることにより相手方コネクタ装置41を主基板に固定する役割と導電性シェル44に主基板からの接地電位を与える役割とを果たす。
【0048】
続いて、光電気複合コネクタ装置11が相手方コネクタ装置41に近接せしめられ、光電気複合コネクタ装置11の絶縁ハウジング15に形成された連結部21が、相手方コネクタ装置41の絶縁ハウジング43に設けられた開口部42に差し込まれて、図18に示されるように、光電気複合コネクタ装置11が相手方コネクタ装置41に嵌合せしめられた状態におかれる。このようにして、光電気複合コネクタ装置11が相手方コネクタ装置41に嵌合せしめられたときには、光電気複合コネクタ装置11の絶縁ハウジング15に形成された連結部21に配列配置された、複数のケーブル接続端子17の部分17a及び複数の光電変換モジュール接続端子19の部分19aが、相手方コネクタ装置41の絶縁ハウジング43内に配された複数のコンタクトに夫々接触接続され、それにより、光電気複合コネクタ装置11に装着された、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14とが、相手方コネクタ装置41を介して、相手方コネクタ装置41が配された主基板に設けられた電気回路構成部に電気的に接続される。
【0049】
上述の光電気複合コネクタ装置11にあっては、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14との両者が装着されたものとされるにあたり、先ず、複数のケーブル12が絶縁ハウジング15に設けられたケーブル固定部18に取り付けられ、それとは別に、光電変換モジュール14が第2の導電性シェル16Bに形成された光電変換モジュール固定部30に取り付けられる。そして、光電変換モジュール固定部30に光電変換モジュール14が取り付けられた第2の導電性シェル16Bが、絶縁ハウジング15 に取り付けられた第1の導電性シェル16Aに、ケーブル固定部18に複数のケーブル12が取り付けられた絶縁ハウジング15を挟んで対向せしめられ、それにより、第2の導電性シェル16Bにおける光電変換モジュール固定部30に取り付けられた光電変換モジュール14が、絶縁ハウジング15に形成された光電変換モジュール収容部20に配されるとともに、第2の導電性シェル16Bが備える係合部34及び35が第1の導電性シェル16Aが備える係合部23及び24に係合せしめられて、複数のケーブル12と光電変換モジュール14とが装着された光電気複合コネクタ装置11が組み立てられる。
【0050】
従って、光電気複合コネクタ装置11は、その組立工程において、光電変換モジュール14に対して内部破壊や損傷が生じることがないようにする格別な注意を払うことなく、複数のケーブル12及び光電変換モジュール14の適正な装着を行うことができ、それゆえ、一連の組立作業を容易かつ効率的に進めることができるものとなる。
【0051】
さらに、第2の導電性シェル16Bが、絶縁ハウジング15に取り付けられた第1の導電性シェル16Aに、ケーブル固定部18に複数のケーブル12が取り付けられた絶縁ハウジング15を挟んで対向せしめられ、それにより、第2の導電性シェル16Bにおける光電変換モジュール固定部30に取り付けられた光電変換モジュール14が絶縁ハウジング15に形成された光電変換モジュール収容部20に配された後に、絶縁ハウジング15におけるケーブル固定部18やそれに取り付けられた複数のケーブル12に電気的不導通等の不都合が生じた場合にも、光電変換モジュール14を伴った装置全体を破棄することは必要とされず、光電変換モジュール固定部30に光電変換モジュール14が取り付けられた第2の導電性シェル16Bを、絶縁ハウジング15を挟んで第1の導電性シェル16Aに対向せしめられた状態から解放することにより、当該第2の導電性シェル16Bにおける光電変換モジュール固定部30に取り付けられた光電変換モジュール14を、無駄に消費することなく再利用可能なものとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のような本発明に係る光電気複合コネクタ装置は、同軸ケーブルと光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールとの両者が装着されるケーブル側コネクタ装置として用いることができるものであって、その組立工程における一連の作業を容易かつ効率的に進めることができ、しかも、光ファイバーケーブルの端部に配された光電変換モジュールが装着さられた後に、装着された同軸ケーブルやその他の部分に電気的不導通等の不都合が生じた場合にも、光電変換モジュールを伴った装置全体を破棄することが必要とされず、光電変換モジュールを無駄に消費することなく再利用することができるものとして、様々な電子機器等に広く適用され得るものである。
【符号の説明】
【0053】
11・・・光電気複合コネクタ装置, 12・・・ケーブル, 13・・・光ファイバーケーブル,14・・・光電変換モジュール, 15,43・・・絶縁ハウジング, 16A・・・第1の導電性シェル, 16B・・・第2の導電性シェル, 17・・・ケーブル接続端子, 18・・・ケーブル固定部, 19・・・光電変換モジュール接続端子, 20・・・光電変換モジュール収容部, 21・・・連結部, 22・・・ハウジング係合部, 23,24,34,35・・・係合部, 25・・・切欠き部, 26・・・外側導体, 27・・・中心導体, 28・・・グラウンディング・バー, 30・・・光電変換モジュール固定部, 31・・・平板状部, 32・・・位置規制部, 33・・・係止爪部, 41・・・相手方コネクタ装置, 42・・・開口部, 44・・・導電性シェル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
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図18