特許第6015934号(P6015934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015934
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20161013BHJP
   G02F 1/1337 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   G02F1/1335
   G02F1/1337 520
【請求項の数】8
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2012-275767(P2012-275767)
(22)【出願日】2012年12月18日
(65)【公開番号】特開2014-119651(P2014-119651A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【弁理士】
【氏名又は名称】覚田 功二
(72)【発明者】
【氏名】勝田 昇平
(72)【発明者】
【氏名】前田 強
(72)【発明者】
【氏名】由井 英臣
(72)【発明者】
【氏名】津田 裕介
【審査官】 廣田 かおり
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第102778711(CN,A)
【文献】 国際公開第2012/157512(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1335
G02F 1/1337
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の垂直配向膜を有する第1の基板と、第2の垂直配向膜を有する第2の基板と、前記第1の垂直配向膜と前記第2の垂直配向膜との間に挟持された負の誘電異方性を有する液晶層と、前記液晶層の光入射側に配置された第1の偏光板と、前記液晶層の光射出側に配置された第2の偏光板と、を含む液晶パネルと、
前記液晶パネルの光入射側に配置され、前記液晶パネルに向けて光を射出する照明装置と、
前記液晶パネルの光射出側に配置され、前記液晶パネルから射出された光を前記液晶パネルの法線方向から見た方位角方向および極角方向に拡散させて前記光の射出方向を制御する光制御部材と、を備え、
前記液晶パネルが、表示の基本単位となる画素を複数備え、
前記画素が、電圧印加時の前記液晶層の厚さ方向中央部の液晶分子のダイレクタの方向もしくは向きが異なる複数の領域を有し、
前記光制御部材が、光透過性を有する基材と、前記基材の第1の面に形成された光拡散部と、前記基材の第1の面のうち前記光拡散部の形成領域以外の領域に形成された遮光部と、を備え、
前記光拡散部が、前記基材側に位置する光射出端面と、前記基材側と反対側に位置し前記光射出端面の面積よりも大きい面積の光入射端面と、前記光射出端面と前記光入射端面との間に位置する傾斜面と、を有し、
前記光拡散部の前記光入射端面から前記光射出端面までの高さが前記遮光部の高さよりも高く、
前記光拡散部が形成されていない領域の光拡散部間の間隙に、前記光拡散部の屈折率よりも小さい屈折率を有する物質が存在し、
前記光制御部材の光散乱特性が、前記液晶パネルの法線方向から見て2軸以上の線対称性を有し、
前記基材の法線方向から見た前記遮光部の平面形状が、長軸と短軸とを有する異方性形状であり、
前記遮光部が複数の遮光部を含み、
前記複数の遮光部は、前記長軸の延在方向および前記短軸の延在方向がそれぞれ異なり、
前記複数の遮光部の前記長軸の延在方向および前記短軸の延在方向が、前記複数の領域における前記液晶分子のダイレクタの方向と概ね一致していることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記基材の法線方向から見た前記遮光部の平面形状が、円形であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記平面形状が、楕円形であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記平面形状が、楕円に内接する多角形であることを特徴とする請求項1または3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記光拡散部の前記光入射端面と前記傾斜面とのなす角度が、80°±5°であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記基材の前記第1の面の全面積に対する前記遮光部の占有面積の割合が、30%±10%であることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第1の垂直配向膜および前記第2の垂直配向膜が、光配向膜であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記液晶パネルが、モノラルカラー表示を行うことを特徴とする請求項1から7までのいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等をはじめとする携帯型電子機器、もしくはテレビジョン、パーソナルコンピューター等のディスプレイとして、液晶表示装置が広く用いられている。一般に、液晶表示装置は、表示画面を正面から見たときに優れた表示特性を発揮する。一方、表示画面を斜め方向から見たときにはコントラストが低下し視認性が悪くなりやすい。あるいは、階調表示において明るさが逆転する階調反転等が起こることがある。このため、良好な視認性で画面を観察可能な視野角範囲を広げる様々な手法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、視野角特性が良好なVA(Vertically Alignment)モードの液晶表示装置及びMVA(Multi−domain Vertical Alignment)モードの液晶表示装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−113208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一画素のドメイン数を4つとしたVAモードの液晶表示装置の場合、それぞれのドメインに含まれる液晶分子の長軸の平均方向(ダイレクタ)は、電圧印加時において、方位角が90°ずつ異なる。複数のドメインに分割されていないVAモードの液晶表示装置と比較して、4つのドメインを有するVAモードの液晶表示装置は、視野角特性が向上している。具体的には、4つのドメインを有するVAモードの液晶表示装置では、上下左右方向から斜めに液晶表示装置を見た場合、ガンマ特性(階調−輝度特性)の変化が小さい。しかしながら、4つのドメインを有するVAモードの液晶表示装置においても、上下左右方向から斜めに液晶表示装置を見た場合と、正面から液晶表示装置を見た場合とでは、表示画像の色変化が生じる。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、視野角依存性の小さい液晶表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様における液晶表示装置は、第1の垂直配向膜を有する第1の基板と、第2の垂直配向膜を有する第2の基板と、前記第1の垂直配向膜と前記第2の垂直配向膜との間に挟持された負の誘電異方性を有する液晶層と、前記液晶層の光入射側に配置された第1の偏光板と、前記液晶層の光射出側に配置された第2の偏光板と、を含む液晶パネルと、前記液晶パネルの光入射側に配置され、前記液晶パネルに向けて光を射出する照明装置と、前記液晶パネルの光射出側に配置され、前記液晶パネルから射出された光を前記液晶パネルの法線方向から見た方位角方向および極角方向に拡散させて前記光の射出方向を制御する光制御部材と、を備え、前記液晶パネルが、表示の基本単位となる画素を複数備え、前記画素が、電圧印加時の前記液晶層の厚さ方向中央部の液晶分子のダイレクタの方向もしくは向きが異なる複数の領域を有する。
【0008】
本発明の一態様における液晶表示装置において、前記光制御部材が、光透過性を有する基材と、前記基材の第1の面に形成された光拡散部と、前記基材の第1の面のうち前記光拡散部の形成領域以外の領域に形成された遮光部と、を備え、前記光拡散部が、前記基材側に位置する光射出端面と、前記基材側と反対側に位置し前記光射出端面の面積よりも大きい面積の光入射端面と、前記光射出端面と前記光入射端面との間に位置する傾斜面と、を有し、前記光拡散部の前記光入射端面から前記光射出端面までの高さが前記遮光部の高さよりも高く、前記光拡散部が形成されていない領域の光拡散部間の間隙に、前記光拡散部の屈折率よりも小さい屈折率を有する物質が存在していてもよい。
【0009】
本発明の一態様における液晶表示装置において、前記光制御部材の光散乱特性が、前記液晶パネルの法線方向から見て2軸以上の線対称性を有してもよい。
【0010】
本発明の一態様における液晶表示装置において、前記基材の法線方向から見た前記遮光部の平面形状が、円形であってもよい。
【0011】
本発明の一態様における液晶表示装置において、前記基材の法線方向から見た前記遮光部の平面形状が、長軸と短軸とを有する異方性形状であり、前記遮光部が、前記長軸の延在方向および前記短軸の延在方向がそれぞれ異なるように配置された複数の遮光部を含んでもよい。
【0012】
本発明の一態様における液晶表示装置において、前記遮光部の前記長軸の延在方向および前記短軸の延在方向が、前記複数の領域における前記液晶分子のダイレクタの方向と概ね一致していてもよい。
【0013】
本発明の一態様における液晶表示装置において、前記平面形状が、楕円形であってもよい。
【0014】
本発明の一態様における液晶表示装置において、前記平面形状が、楕円に内接する多角形であってもよい。
【0015】
本発明の一態様における液晶表示装置において、前記光拡散部の前記光入射端面と前記傾斜面とのなす角度が、80°±5°であってもよい。
【0016】
本発明の一態様における液晶表示装置において、前記基材の前記第1の面の全面積に対する前記遮光部の占有面積の割合が、30%±10%であってもよい。
【0017】
本発明の一態様における液晶表示装置において、前記第1の垂直配向膜および前記第2の垂直配向膜が、光配向膜であってもよい。
【0018】
本発明の一態様における液晶表示装置において、前記液晶パネルが、モノラルカラー表示を行ってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の態様によれば、複雑な回路構造を適用することなく、視野角依存性の小さい液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態の光源装置を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態の液晶パネルの縦断面図である。
図3】光制御部材を視認側から見た斜視図である。
図4】光制御部材の模式図である。
図5】極角と方位角の定義を説明するための図である。
図6】液晶表示装置1の正面図である。
図7】本発明の第1実施形態の液晶表示装置の電気的な構成を示す模式図である。
図8】VAモードの液晶を含む画素と、光制御部材との配置関係を示す模式図である。
図9】本発明の第1実施形態の光制御部材の製造工程を、順を追って示す斜視図である。
図10】本発明の第2実施形態の光制御部材の平面図である。
図11】本発明の第3実施形態の遮光層の平面図である。
図12】本発明の第4実施形態の光制御部材の断面図である。
図13】光拡散部の反射面の傾斜角度と面積率との関係を説明するための図である。
図14】本発明の第5実施形態の光制御部材の断面図である。
図15】本発明の第6実施形態の液晶表示装置の電気的な構成を示す模式図である。
図16】本発明の第6実施形態の液晶表示装置の1画素分の等価回路図である。
図17】本発明の第6実施形態の液晶表示装置200を駆動する際の各電圧のタイミングチャートを示す。
図18】光制御部材を有していないマルチピクセル駆動液晶表示装置の方位角φ:0°における極角θを変化させた場合のガンマ特性を示す図である。
図19】本発明の第6実施形態の液晶表示装置の方位角φ:0°における極角θを変化させた場合のガンマ特性を示す図である。
図20】VAモードの液晶を含む画素と、光制御部材との配置関係を示す模式図である。
図21】比較例の液晶表示装置の方位角φ:0°における極角θを変化させた場合のガンマ特性を示す図である。
図22】比較例の液晶表示装置の方位角φ:315°における極角θを変化させた場合のガンマ特性を示す図である。
図23】本発明の第1実施形態の液晶表示装置の方位角φ:0°における極角θを変化させた場合のガンマ特性を示す図である。
図24】本発明の第1実施形態の液晶表示装置の方位角φ:315°における極角θを変化させた場合のガンマ特性を示す図である。
図25】本発明の第7実施形態の液晶表示装置の方位角φ:0°における極角θを変化させた場合のガンマ特性を示す図である。
図26】本発明の第7実施形態の液晶表示装置の方位角φ:315°における極角θを変化させた場合のガンマ特性を示す図である。
図27】本発明の第8実施形態の遮光層の平面図である。
図28】本発明の第9実施形態の光制御部材の平面図である。
図29】本発明の第10実施形態の光制御部材の平面図である。
図30】本発明の第10実施形態の光制御部材の作用について説明する図である。
図31】極角60°における各方位角でのΔu’v’値をプロットしたグラフである。
図32】第1〜第10実施形態の液晶表示装置の一適用例である携帯電話を示す外観図である。
図33】第1〜第10実施形態の液晶表示装置の一適用例である薄型テレビを示す外観図である。
図34】第1〜第10施形態の液晶表示装置の一適用例であるノートパソコンを示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について、図1図9を用いて説明する。
本実施形態では、透過型の液晶パネルを備えた液晶表示装置の例を挙げて説明する。
なお、以下の全ての図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0022】
図1は、本実施形態の液晶表示装置1の断面図である。
本実施形態の液晶表示装置1は、図1に示すように、液晶パネル2と、バックライト8(照明装置)と、光制御部材9(光制御部材)と、を備えている。液晶パネル2は、第1偏光板3と、第1位相差フィルム4(位相差板)と、液晶セル5と、第2位相差フィルム6(位相差板)と、第2偏光板7と、を備えている。図1では、液晶セル5を模式的に図示しているが、その詳細な構造については後述する。
【0023】
観察者は、液晶表示装置1の表示画像を光制御部材9を介して見ることになる。以下の説明では、光制御部材9が配置された側を視認側と称する。バックライト8が配置された側を背面側と称する。また、以下の説明において、x軸は、液晶表示装置の画面の水平方向と定義する。y軸は、液晶表示装置の画面の垂直方向と定義する。z軸は、液晶表示装置の厚さ方向と定義する。
【0024】
本実施形態の液晶表示装置1においては、バックライト8から射出された光を液晶パネル2で変調し、変調した光によって所定の画像や文字等を表示する。また、液晶パネル2から射出された光が光制御部材9を透過すると、射出光の配光分布が光制御部材9に入射する前より広がった状態となって光が光制御部材9から射出される。これにより、観察者は広い視野角を持って表示を視認できる。
【0025】
以下、液晶パネル2の具体的な構成について説明する。
ここでは、アクティブマトリクス方式の透過型液晶パネルを一例に挙げて説明する。ただし、本実施形態に適用可能な液晶パネルはアクティブマトリクス方式の透過型液晶パネルに限るものではない。本実施形態に適用可能な液晶パネルは、例えば半透過型(透過・反射兼用型)液晶パネルであっても良い。さらには、各画素がスイッチング用薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)を備えていない単純マトリクス方式の液晶パネルであっても良い。
【0026】
図2は、液晶パネル2の縦断面図である。
図2に示すように、液晶セル5は、TFT基板10と、カラーフィルター基板12と、液晶層11と、を有している。TFT基板10は、スイッチング素子基板として機能する。カラーフィルター基板12は、TFT基板10に対向して配置されている。液晶層11は、TFT基板10とカラーフィルター基板12との間に挟持されている。
【0027】
液晶層11は、TFT基板10と、カラーフィルター基板12と、枠状のシール部材(図示せず)と、によって囲まれた空間内に封入されている。シール部材は、TFT基板10とカラーフィルター基板12とを所定の間隔をおいて貼り合わせる。
【0028】
本実施形態の液晶パネル2は、例えばVA(Vertical Alignment,垂直配向)モードで表示を行う。
液晶層11には誘電率異方性が負の液晶が用いられる。TFT基板10とカラーフィルター基板12との間には、スペーサー13が配置されている。スペーサー13は球状或いは柱状である。スペーサー13は、TFT基板10とカラーフィルター基板12との間の間隔を一定に保持する。
【0029】
図示はしないが、TFT基板10には、複数の画素がマトリクス状に配置されている。
画素は、表示の基本単位である。TFT基板10には、複数のソースバスラインが、互いに平行に延在するように形成されている。TFT基板10には、複数のゲートバスラインが、互いに平行に延在するように形成されている。複数のゲートバスラインは、複数のソースバスラインと直交している。TFT基板10上には、複数のソースバスラインと複数のゲートバスラインとが格子状に形成されている。隣接するソースバスラインと隣接するゲートバスラインとによって区画された矩形状の領域が一つの画素となる。ソースバスラインは、TFT19のソース電極17に接続されている。ゲートバスラインは、TFT19のゲート電極16に接続されている。
【0030】
TFT基板10を構成する透明基板14の液晶層11側の面には、半導体層15、ゲート電極16、ソース電極17、ドレイン電極18等を有するTFT19が形成されている。透明基板14としては、例えばガラス基板を用いることができる。
【0031】
透明基板14上には、半導体層15が形成されている。半導体層15の材料としては、例えばCGS(Continuous Grain Silicon:連続粒界シリコン)、LPS(Low−temperature Poly−Silicon:低温多結晶シリコン)、α−Si(Amorphous Silicon:非結晶シリコン)等の半導体材料が用いられる。
【0032】
透明基板14上には、半導体層15を覆うようにゲート絶縁膜20が形成されている。
ゲート絶縁膜20の材料としては、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、もしくはこれらの積層膜等が用いられる。
【0033】
ゲート絶縁膜20上には、半導体層15と対向するようにゲート電極16が形成されている。ゲート電極16の材料としては、例えばW(タングステン)/TaN(窒化タンタル)の積層膜、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)等が用いられる。
【0034】
ゲート絶縁膜20上には、ゲート電極16を覆うように第1層間絶縁膜21が形成されている。第1層間絶縁膜21の材料としては、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、もしくはこれらの積層膜等が用いられる。
【0035】
第1層間絶縁膜21上には、ソース電極17およびドレイン電極18が形成されている。第1層間絶縁膜21とゲート絶縁膜20とには、コンタクトホール22およびコンタクトホール23が、第1層間絶縁膜21とゲート絶縁膜20とを貫通して形成されている。
ソース電極17は、コンタクトホール22を介して半導体層15のソース領域に接続されている。ドレイン電極18は、コンタクトホール23を介して半導体層15のドレイン領域に接続されている。ソース電極17およびドレイン電極18の材料としては、上述のゲート電極16と同様の導電性材料が用いられる。
【0036】
第1層間絶縁膜21上には、ソース電極17およびドレイン電極18を覆うように第2層間絶縁膜24が形成されている。第2層間絶縁膜24の材料としては、上述の第1層間絶縁膜21と同様の材料、もしくは有機絶縁性材料が用いられる。
【0037】
第2層間絶縁膜24上には、画素電極25が形成されている。第2層間絶縁膜24には、コンタクトホール26が第2層間絶縁膜24を貫通して形成されている。画素電極25は、コンタクトホール26を介してドレイン電極18に接続されている。画素電極25は、ドレイン電極18を中継用電極として半導体層15のドレイン領域に接続されている。
画素電極25の材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide、インジウム亜鉛酸化物)等の透明導電性材料が用いられる。
【0038】
この構成により、ゲートバスラインを通じて走査信号が供給され、TFT19がオン状態となったときに、ソースバスラインを通じてソース電極17に供給された画像信号が、半導体層15、ドレイン電極18を経て画素電極25に供給される。また、なお、TFT19の形態としては、図2に示したトップゲート型TFTであっても良いし、ボトムゲート型TFTであっても良い。
【0039】
画素電極25を覆うように第2層間絶縁膜24上の全面に第1の垂直配向膜27が形成されている。第1の垂直配向膜27は、液晶層11を構成する液晶分子を垂直配向させる配向規制力を有している。第1の垂直配向膜27は、いわゆる垂直配向膜である。本実施形態では、光配向技術を用いて第1の垂直配向膜27に配向処理を施している。つまり、本実施形態では第1の垂直配向膜27として光配向膜を用いている。
【0040】
一方、カラーフィルター基板12を構成する透明基板29の液晶層11側の面には、ブラックマトリクス30、カラーフィルター31、平坦化層32、対向電極33、第2の垂直配向膜34が順次形成されている。
【0041】
ブラックマトリクス30は、画素間領域において光の透過を遮断する機能を有する。ブラックマトリクス30は、例えば、Cr(クロム)やCr/酸化Crの多層膜等の金属、もしくはカーボン粒子を感光性樹脂に分散させたフォトレジストで形成されている。
【0042】
カラーフィルター31には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の色素が含まれている。TFT基板10上の一つの画素電極25に、R,G,Bのいずれか一つのカラーフィルター31が対向して配置されている。なお、カラーフィルター31は、R、G、Bの3色以上の多色構成としても良い。
【0043】
平坦化層32は、ブラックマトリクス30およびカラーフィルター31を覆う絶縁膜で構成されている。平坦化層32は、ブラックマトリクス30およびカラーフィルター31によってできる段差を緩和して平坦化する機能を有している。
【0044】
平坦化層32上には対向電極33が形成されている。対向電極33の材料としては、画素電極25と同様の透明導電性材料が用いられる。
【0045】
対向電極33上の全面に第2の垂直配向膜34が形成されている。第2の垂直配向膜34は、液晶層11を構成する液晶分子を垂直配向させる配向規制力を有している。第2の垂直配向膜34は、いわゆる垂直配向膜である。本実施形態では、光配向技術を用いて第2の垂直配向膜34に配向処理を施している。つまり、本実施形態では第2の垂直配向膜34として光配向膜を用いている。
【0046】
図1に戻り、照明装置であるバックライト8は、光源36と、導光体37と、を備えている。光源36は、導光体37の端面に配置されている。光源36としては、例えば、発光ダイオード、冷陰極管等が用いられる。
本実施形態のバックライト8は、エッジライト型のバックライトである。
【0047】
導光体37は、光源36から射出された光を液晶パネル2に導く機能を有する。導光体37の材料としては、例えば、アクリル樹脂等の樹脂材料が用いられる。
【0048】
光源36から導光体37の端面に入射した光は、導光体37の内部を全反射して伝播し、導光体37の上面(光射出面)から概ね均一な強度で射出される。図示はしないが、導光体37の上面には、散乱シート及びプリズムシートが配置されており、導光体37の下面には、散乱シートが配置されている。導光体37の上面から射出された光は、散乱シートにより散乱した後、プリズムシートによって集光され、概ね平行化されて射出される。散乱シートとしては、白色PETを用いてもよい。プリズムシートとしては、例えば、住友3M社製のBEF(商品名)を用いてもよい。
【0049】
本実施形態において、バックライト8は指向性を有する必要はない。本実施形態のバックライト8としては、光の射出方向を制御して、指向性がある程度緩やかに設定されたバックライト(以下、通常バックライトと称することがある)を用いる。なお本実施形態において、バックライト8が指向性を有していても構わない。
【0050】
バックライト8と液晶セル5との間には、第1偏光板3が設けられている。第1偏光板3は、偏光子として機能する。液晶セル5と光制御部材9との間には、第2偏光板7が設けられている。第2偏光板7は、偏光子として機能する。第1偏光板3の透過軸と第2偏光板7の透過軸とは、クロスニコルの配置となっている。
【0051】
第1偏光板3と液晶セル5との間には、光の位相差を補償するための第1位相差フィルム4が設けられている。第2偏光板7と液晶セル5との間には、光の位相差を補償するための第2位相差フィルム6が設けられている。
【0052】
本実施形態の位相差フィルム(第1位相差フィルム4、第2位相差フィルム6)としては、富士フィルム社製のWVフィルムが用いられる。
【0053】
次に、光制御部材9について詳細に説明する。
図3は、光制御部材9を視認側から見た斜視図である。図4は、光制御部材9の模式図である。図4において、左側上段は光制御部材9の平面図である。左側下段は、左側上段の平面図のA−A線に沿った断面図である。右側上段は、左側上段の平面図のB−B線に沿った断面図である。
【0054】
光制御部材9は、図3に示すように、基材39と、複数の遮光層40と、光拡散部41と、を備えている。複数の遮光層40は、基材39の一面(視認側と反対側の面)に形成されている。光拡散部41は、基材39の一面のうち遮光層40の形成領域以外の領域に形成されている。
【0055】
光制御部材9は、図1に示すように、光拡散部41を第2偏光板7に向け、基材39を視認側に向けて第2偏光板7上に配置される。光制御部材9は、接着剤層43を介して第2偏光板7に固定される。
【0056】
基材39には、例えばトリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)フィルム等の透明樹脂製の基材が好ましく用いられる。基材39は、製造プロセスにおいて、後で遮光層40や光拡散部41の材料を塗布する際の下地となる。基材39は、製造プロセス中の熱処理工程における耐熱性と機械的強度とを備える必要がある。したがって、基材39には、樹脂製の基材の他、ガラス製の基材等を用いても良い。ただし、基材39の厚さは耐熱性や機械的強度を損なわない程度に薄い方が好ましい。その理由は、基材39の厚さが厚くなる程、表示のボヤケが生じる虞があるからである。また、基材39の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られる。
本実施形態では、一例として厚さが100μmの透明樹脂製基材を用いる。
【0057】
遮光層40は、基材39の主面の法線方向から見てランダムに配置されている。遮光層40は、一例として、ブラックレジスト、黒色インク等の光吸収性および感光性を有する有機材料で構成されている。その他、Cr(クロム)やCr/酸化Crの多層膜等の金属膜を用いても良い。
【0058】
光拡散部41は、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の光透過性および感光性を有する有機材料で構成されている。また、光拡散部41の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られる。
【0059】
図4に示すように、光拡散部41は、光射出端面41aと、光入射端面41bと、反射面41cと、を有する。光射出端面41aは、基材39に接する面である。光入射端面41bは、光射出端面41aと対向する面である。反射面41cは、光拡散部41のテーパ状の側面である。反射面41cは、光入射端面41bから入射した光を反射する面である。光入射端面41bの面積は、光射出端面41aの面積よりも大きい。
【0060】
光拡散部41は、光制御部材9において光の透過に寄与する部分である。光拡散部41に入射した光のうち、光L1は、反射面41cで反射されることなく光射出端面41aから射出される。光拡散部41に入射した光のうち、光L2は、光拡散部41の反射面41cで全反射しつつ、光拡散部41の内部に略閉じこめられた状態で導光し、光射出端面41aから射出される。
【0061】
光制御部材9は、基材39が視認側に向くように配置される。そのため、光拡散部41の2つの対向面のうち、面積の小さい方の面が光射出端面41aとなる。一方、面積の大きい方の面が光入射端面41bとなる。
【0062】
光拡散部41の反射面41cの傾斜角度(光入射端面41bと反射面41cとのなす角度)は、80°±5°であってもよく、一例として80°程度である。ただし、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度は、光制御部材9から射出する際に、入射光を十分に拡散することが可能な角度であれば、特に限定されない。本実施形態において、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度は一定になっている。
【0063】
光拡散部41の光入射端面41bから光射出端面41aまでの高さは、遮光層40の層厚よりも大きく設定されている。本実施形態の場合、遮光層40の層厚は一例として150nm程度である。光拡散部41の光入射端面41bから光射出端面41aまでの高さは一例として20μm程度である。光拡散部41の反射面41cと遮光層40とにより囲まれた部分は、中空部42となっている。中空部42には空気が存在している。
【0064】
なお、基材39の屈折率と光拡散部41の屈折率とは略同等であることが望ましい。その理由は、以下による。例えば、基材39の屈折率と光拡散部41の屈折率とが大きく異なる場合を考える。この場合、光入射端面41bから入射した光が光拡散部41から射出する際に、光拡散部41と基材39との界面で不要な光の屈折や反射が生じることがある。この場合、所望の視野角が得られない、射出光の光量が減少する、等の不具合が生じる虞があるからである。
【0065】
本実施形態の場合、中空部42(光拡散部41の外部)には空気が介在している。そのため、光拡散部41を例えば透明アクリル樹脂で形成したとすると、光拡散部41の反射面41cは透明アクリル樹脂と空気との界面となる。ここで、中空部42を他の低屈折率材料で充填しても良い。しかしながら、光拡散部41の内部と外部との界面の屈折率差は、外部にいかなる低屈折率材料が存在する場合よりも空気が存在する場合が最大となる。
したがって、Snellの法則より、本実施形態の構成においては臨界角が最も小さくなり、光拡散部41の反射面41cで光が全反射する入射角範囲が最も広くなる。その結果、光の損失がより抑えられ、高い輝度を得ることができる。
【0066】
本実施形態の光制御部材9は、図4の左側上段に示すように、複数の遮光層40が、基材39の一面に点在して設けられている。基材39の法線方向から見た遮光層40の平面形状は円形である。遮光層40の直径は、例えば15μm程度である。
【0067】
基材39の全面積に対する遮光層40の占有面積の割合は、例えば30%±10%である。
【0068】
図4の左側下段、右側上段に示すように、遮光層40の下方に相当する部分が円錐台状の中空部42となる。光制御部材9は複数の中空部42を有している。複数の中空部42以外の部分には、光拡散部41が連なって設けられている。
【0069】
なお、遮光層40の平面形状は、楕円形、多角形、半円等の形状が含まれていても良い。遮光層40の平面形状は、2軸以上の線対称性を有する形状であることが好ましい。2軸以上の線対称性を有する形状とは、少なくとも2つ以上の線分に対して線対称な形状を指す。例えば、2つの線分に対して線対称な形状として、長方形が挙げられる。なお、円形である場合、線対称の軸は無限にあると捉えられるので、2軸以上の線対称性を有する形状に含まれるものとする。このように遮光層40の平面形状が2軸以上の線対称性を有する形状を有する場合、光制御部材9の光散乱特性は、液晶パネル2の法線方向から見て、2軸以上の線対称性を有する。
また、遮光層40の一部が重なって形成されていても良い。
【0070】
以下に、光制御部材9とVAモードの液晶を組み合わせた場合について説明する。
図5は、極角と方位角の定義を説明するための図である。
ここで、図5に示すように、液晶表示装置1の画面の法線方向Eを基準とした観察者の視線方向Fのなす角度を極角θとする。x軸の正方向(0°方向)を基準とした観察者の視線方向Fを画面上に射影したときの線分Gの方向のなす角度を方位角φとする。
【0071】
図6は、液晶表示装置1の正面図である。
図6に示すように、液晶表示装置1の画面において、水平方向(x軸方向)を方位角φ:0°−180°方向とする。垂直方向(y軸方向)を方位角φ:90°−270°方向とする。なお、本実施形態において、第1偏光板3の透過軸は、方位角φ:90°−270°方向であり、第2偏光板7の透過軸は、方位角φ:0°−180°方向である。
【0072】
図7に、本実施形態の液晶表示装置1の一画素の電気的な構成を模式的に示す。
【0073】
画素50は、TFT66および補助容量(CS)72に接続されている。TFT66のゲ−ト電極は、走査線62に接続されている。ソース電極は、信号線64に接続されている。補助容量72は、補助容量配線(CSバス・ライン)74に接続されている。補助容量72は、画素電極68に電気的に接続された補助容量電極と、補助容量配線74に電気的に接続された補助容量対向電極と、これらの間に設けられた絶縁層(不図示)によって形成されている。
【0074】
図7では、液晶パネル2の法線方向から見た液晶分子51を円錐状に記載している。円錐の頂点は、液晶分子51の背面側(TFT基板側)の端部を意味する。円錐の底面は、液晶分子の視認側(カラーフィルター基板側)の端部を示している。本実施形態において、液晶分子51のダイレクタとは、液晶分子の背面側の端部から、視認側の端部へ向かう方向と定義する。
【0075】
画素50は、四つのドメイン50a、50b、50c、50dを有する4ドメインVAを採用している。電圧印加時において、第1ドメイン50aに含まれる液晶分子51と、第2ドメイン50bに含まれる液晶分子51と、第3ドメイン50cに含まれる液晶分子51と、第4ドメイン50dに含まれる液晶分子51とは、互いに方位角が90°異なる方向に倒れる。四つのドメイン50a、50b、50c、50dに含まれる液晶分子51については、以下でより詳細に説明する。
【0076】
図8は、液晶表示装置1に含まれるVAモードの液晶を含む画素50と、光制御部材9との配置関係を示す模式図である。実際には図1に示すように、画素50上に光制御部材9が配置されるが、説明の便宜上、図8では画素50と光制御部材9とを並列して記載している。
【0077】
画素50に含まれる液晶分子51は、電圧を印加しない状態においてほぼ垂直に配向している。
【0078】
図8に示すように、第1ドメイン50aに含まれる液晶分子51のダイレクタは、方位角φ:45°の方向を向いており、極角θが0°より大きくなるよう傾いている。このように液晶分子51を配向することにより、第1ドメイン50aにおいて、電圧印加時の液晶層11の厚さ方向において中央部では、液晶分子51が方位角φ:45°でかつ極角が90°に近づくように倒れる。
【0079】
第2ドメイン50bに含まれる液晶分子51のダイレクタは、方位角φ:135°の方向を向いており、極角θが0°より大きくなるよう傾いている。このように液晶分子51を配向することにより、第2ドメイン50bにおいて、電圧印加時の液晶層11の厚さ方向において中央部では、液晶分子51が方位角φ:135°でかつ極角が90°に近づくように倒れる。
【0080】
第3ドメイン50cに含まれる液晶分子51のダイレクタは、方位角φ:225°の方向を向いており、極角θが0°より大きくなるよう傾いている。このように液晶分子51を配向することにより、第3ドメイン50cにおいて、電圧印加時の液晶層11の厚さ方向において中央部では、液晶分子51が方位角φ:225°でかつ極角が90°に近づくように倒れる。
【0081】
第4ドメイン50dに含まれる液晶分子51のダイレクタは、方位角φ:315°の方向を向いており、極角θが0°より大きくなるよう傾いている。このように液晶分子51を配向することにより、第4ドメイン50dにおいて、電圧印加時の液晶層11の厚さ方向において中央部では、液晶分子51が方位角φ:315°でかつ極角が90°に近づくように倒れる。
【0082】
以上のように、第1〜第4ドメイン50a〜50dに含まれる液晶分子51は、は、互いに方位角が90°異なる方向に傾いて配向している。よって、第1〜第4ドメイン50a〜50dに含まれる液晶分子51は、電圧印加時に、互いに方位角が90°異なる方向に倒れる。つまり、方位角φ:0°−180°方向の軸に対して、第1ドメイン50aに含まれる液晶分子51は、第4ドメイン50dに含まれる液晶分子51と線対称となるよう倒れ、第2ドメイン50bに含まれる液晶分子51は、第3ドメイン50cに含まれる液晶分子51と線対称となるよう倒れる。また、方位角φ:90°−270°方向の軸に対して、第1ドメイン50aに含まれる液晶分子51は、第1ドメイン50bに含まれる液晶分子51と線対称となるよう倒れ、第3ドメイン50cに含まれる液晶分子51は、第4ドメイン50dに含まれる液晶分子51と線対称となるよう倒れる。すなわち、液晶表示装置1の法線方向から見て2軸の線対称性を有するように倒れる。なお、第1配光膜27および第2配光膜34近傍の液晶分子51は、第1配光膜27および第2配光膜34に配光が規制されているため、電圧印加時においてもほぼ垂直のままである。
【0083】
本実施形態では、図8に示すように、液晶パネル2の光射出側に光制御部材9が配置される。その結果、異なる極角θで光制御部材9に入射した光は、光制御部材9により混合される。その結果、極角θに依存した輝度変化のばらつきが平均化され、結果として極角θに依存したガンマ特性変化が緩和される。
【0084】
このように、4ドメインVA方式を採用した液晶表示装置1に、本実施形態の光制御部材9を組み合わせることにより、視野角特性が改善される。
【0085】
(液晶表示装置の製造方法)
図9(A)〜図9(D)は、光制御部材9の製造工程を、順を追って示す斜視図である。
【0086】
上記構成の液晶表示装置1を構成する光制御部材9の製造工程を中心に、その製造方法について説明する。
液晶パネル2の製造工程の概略を先に説明する。最初に、TFT基板10とカラーフィルター基板12をそれぞれ作製する。その後、TFT基板10のTFT19が形成された側の面とカラーフィルター基板12のカラーフィルター31が形成された側の面とを対向させて配置する。そして、TFT基板10とカラーフィルター基板12とをシール部材を介して貼り合わせる。その後、TFT基板10とカラーフィルター基板12とシール部材とによって囲まれた空間内に液晶を注入する。このようにしてできた液晶セル5の両面に、光学接着剤等を用いて第1位相差フィルム4、第1偏光板3、第2位相差フィルム6、第2偏光板7をそれぞれ貼り合わせる。以上の工程を経て、液晶パネル2が完成する。
なお、TFT基板10やカラーフィルター基板12の製造方法は常法によれば良く、その説明を省略する。
【0087】
光制御部材9の製造工程について説明する。図9(A)に示すように、厚さが100μmのトリアセチルセルロースの基材39を準備する。次いで、スピンコート法を用いて、この基材39の一面に遮光部材料としてカーボンが含有されたブラックネガレジストを塗布する。これにより、膜厚150nmの塗膜45を形成する。
上記の塗膜45を形成した基材39をホットプレート上に載置し、温度90℃で塗膜45のプリベークを行う。これにより、ブラックネガレジスト中の溶媒が揮発する。
【0088】
露光装置を用い、平面形状が例えば円形の複数の開口パターン46が形成されたフォトマスク47を介して塗膜45に光Lを照射し、露光を行う。このとき、波長365nmのi線、波長404nmのh線、波長436nmのg線の混合線を用いた露光装置を使用する。露光量は100mJ/cmとする。
【0089】
上記のフォトマスク47を用いて露光を行った後、専用の現像液を用いてブラックネガレジストからなる塗膜45の現像を行い、100℃で乾燥し、図9(B)に示すように、平面形状が例えば円形の複数の遮光層40を基材39の一面に形成する。本実施形態の場合、次工程でブラックネガレジストからなる遮光層40をマスクとして透明ネガレジストの露光を行い、中空部42を形成する。そのため、フォトマスク47の開口パターン46の位置が中空部42の形成位置に対応する。
【0090】
円形の遮光層40は次工程の光拡散部41の非形成領域(中空部42)に対応する。
複数の開口パターン46は全て円形のパターンである。開口パターン46の直径は様々の大きさから構成されている。隣接する開口パターン46間の間隔(ピッチ)の配置は、規則的でもなく、周期的でもない。開口パターン46の間隔(ピッチ)は液晶パネル2の画素の間隔(ピッチ、例えば150μm)よりも小さいことが望ましい。これにより、画素内に少なくとも1つの遮光層40が形成される。そのため、例えばモバイル機器等に用いる画素ピッチが小さい液晶パネルと組み合わせたときに広視野角化を図ることができる。
【0091】
本実施形態では、ブラックネガレジストを用いたフォトリソグラフィー法によって遮光層40を形成したが、これに限らない。この他に、本実施形態の開口パターン46と遮光パターンとが反転したフォトマスクを用いれば、光吸収性を有するポジレジストを用いることもできる。もしくは、蒸着法や印刷法等を用いて遮光層40を直接形成しても良い。
【0092】
次いで、図9(C)に示すように、スピンコート法を用いて、遮光層40の上面に光拡散部材料としてアクリル樹脂からなる透明ネガレジストを塗布する。これにより、膜厚20μmの塗膜48を形成する。
次いで、上記の塗膜48を形成した基材39をホットプレート上に載置し、温度95℃で塗膜48のプリベークを行う。これにより、透明ネガレジスト中の溶媒が揮発する。
【0093】
次いで、基材39側から遮光層40をマスクとして塗膜48に光Fを照射し、露光を行う。このとき、波長365nmのi線、波長404nmのh線、波長436nmのg線の混合線を用いた露光装置を使用する。露光量は500mJ/cmとする。
その後、上記の塗膜48を形成した基材39をホットプレート上に載置し、温度95℃で塗膜48のポストエクスポージャーベイク(PEB)を行う。
【0094】
次いで、専用の現像液を用いて透明ネガレジストからなる塗膜48の現像を行い、100℃でポストベークし、図9(D)に示すように、複数の中空部42を有する透明樹脂層41を基材39の一面に形成する。本実施形態では、図9(C)に示したように、拡散光を用いて露光を行っているので、塗膜48を構成する透明ネガレジストが遮光層40の非形成領域から外側に広がるように放射状に露光される。これにより、順テーパ状の中空部42が形成される。光拡散部41は逆テーパ状の形状となる。光拡散部41の反射面41cの傾斜角度は拡散光の拡散の度合いで制御できる。
【0095】
ここで用いる光Fとして、平行光、もしくは拡散光、もしくは特定の出射角度における強度が他の出射角度における強度と異なる光、すなわち特定の出射角度に強弱を有する光を用いることができる。平行光を用いた場合、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度が例えば60°〜90°程度の単一の傾斜角度となる。拡散光を用いた場合には、傾斜角度が連続的に変化する、断面形状が曲線状の傾斜面となる。特定の出射角度に強弱を有する光を用いた場合には、その強弱に対応した斜面角度を有する傾斜面となる。このように、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度を調整することができる。これにより、光制御部材9の光拡散性を、目的とする視認性が得られるように調整することが可能となる。
なお、露光装置から出射された平行光を光Fとして基材39に照射する手段の一つとして、例えば露光装置から出射された光の光路上にヘイズ50程度の拡散板を配置し、拡散板を介して光を照射する。
【0096】
以上、図9(A)〜図9(D)の工程を経て、本実施形態の光制御部材9が完成する。光制御部材9の全光線透過率は、90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られ、光制御部材9に求められる光学性能を十分に発揮できる。全光線透過率は、JIS K7361−1の規定によるものである。なお、本実施形態では、液体状のレジストを用いる例を挙げたが、この構成に代えて、フィルム状のレジストを用いても良い。
【0097】
最後に、完成した光制御部材9を、図2に示すように、基材39を視認側に向け、光拡散部41を第2偏光板7に対向させた状態で、接着剤層43を介して液晶パネル2に貼付する。
以上の工程により、本実施形態の液晶表示装置1が完成する。
【0098】
本実施形態に係る液晶表示装置1においては、液晶パネル2の光射出側に光制御部材9が配置されているため、光制御部材9に入射した光は、光制御部材9に入射する前よりも角度分布が広がった状態で光制御部材9から射出される。したがって、観察者が液晶表示装置1の正面方向(法線方向)から視線を傾けていっても良好な表示を視認することができる。
【0099】
一般に、ストライプや格子等のような規則性のあるパターン同士を重ね合わせた場合、各パターンの周期が僅かにずれると、干渉縞模様(モアレ)が視認されることが知られている。例えば複数の光拡散部がマトリクス状に配列された光制御部材と複数の画素がマトリクス状に配列された液晶パネルとを重ね合わせたとすると、光制御部材の光拡散部による周期パターンと液晶パネルの画素による周期パターンとの間でモアレが発生し、表示品位を低下させる虞がある。
【0100】
これに対し、本実施形態の液晶表示装置1においては、複数の遮光層40が平面的にランダムに配置されている。光拡散部41が遮光層40の形成領域以外の領域に形成されている。そのため、液晶パネル2の画素の規則的配列との間で干渉によるモアレが生じることがなく、表示品位を維持することができる。
【0101】
本実施形態では、複数の遮光層40の配置をランダムとしたが、必ずしも複数の遮光層40の配置がランダムである必要はない。複数の遮光層40の配置が非周期的であれば、モアレの発生を抑えることができる。さらに、状況や用途に応じて多少のモアレの発生が許容される場合には、複数の遮光層40が周期的に配置されていても良い。
【0102】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図10を用いて説明する。
本実施形態の液晶表示装置の基本構成は第1実施形態と同一であり、光制御部材309に複数の光拡散部341が配置されている点が第1実施形態と異なる。そのため、本実施形態では、光制御部材309について説明する。
【0103】
図10は、光制御部材309の上面図である。本実施形態の光制御部材309は、図10に示すように、複数の光拡散部341が、基材の一面に点在して設けられている。基材の法線方向から見た光拡散部341の平面形状は円形である。
【0104】
遮光層340の下方に相当する部分が中空部342となる。この中空部342に空気が存在している。光制御部材309は空気が存在する連続した中空部342を有している。中空部342以外の部分には、光拡散部341が点在して設けられている。
【0105】
本実施形態においては、液晶パネル2の光射出側に光制御部材309を配置する。係る光制御部材309を使用した場合であっても、表示画面を斜めから見たときのガンマ特性変化を抑制し、視野角特性に優れた表示画像を実現することができる。
【0106】
なお、光拡散部341の平面形状は、円形、多角形、半円等の形状が含まれていても良い。また、光拡散部341の開口部同士が重なって形成されていても良い。
【0107】
[第3実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図11(A)〜図11(E)を用いて説明する。
本実施形態の液晶表示装置の基本構成は第1実施形態と同一であり、光制御部材における遮光層の形状が第1実施形態と異なる。
したがって、本実施形態では、液晶表示装置の基本構成の説明は省略し、遮光層について説明する。
【0108】
図11(A)〜図11(E)は、本実施形態の遮光層の平面図である。
図11(A)〜図11(E)に示すように、本実施形態の遮光層の形状は2軸以上の線対称性を有する形状である。
【0109】
第1実施形態では、図11(A)に示すように、平面形状が円形である遮光層40の例を示したが、例えば図11(B)に示すように、平面形状が正方形である光拡散部40Gを用いても良い。あるいは、図11(C)に示すように、平面形状が正八角形である光拡散部40Hを用いても良い。あるいは、図11(D)に示すように、正方形の対向する2辺を外側に湾曲させた形状の光拡散部40Iを用いても良い。あるいは、図11(E)に示すように、2つの長方形を直交する2方向に交差させた形状の光拡散部40Jを用いても良い。さらに、図11(B)〜図11(E)の形状が複数の方向に回転していてもよい。例えば、図11(B)に示す正方形状の光拡散部40Gであれば、正方形の各辺に垂直な方向に向けて光が拡散する。
【0110】
本実施形態に示す遮光層を用いる場合でも、第1実施形態と同様に、異なる極角θで光制御部材9に入射した光は、光制御部材9により混合される。その結果、極角θに依存した輝度変化のばらつきが平均化され、結果として極角θに依存したガンマ特性変化が緩和される。
【0111】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図12(A)、図12(B)、図13(A)、図13(B)を用いて説明する。
本実施形態の液晶表示装置の基本構成は第1実施形態と同一であり、光制御部材における光拡散部の反射面の構成が第1実施形態と異なる。
したがって、本実施形態では、液晶表示装置の基本構成の説明は省略し、光制御部材について説明する。
【0112】
図12(A)、図12(B)は、本実施形態の光制御部材609A,609Bの断面図である。
図12(A)、図12(B)に示すように、本実施形態の光制御部材609A,609Bは、第1実施形態の光制御部材9に対し、光拡散部641A,641Bの反射面の構成が異なる。
【0113】
具体的には、第1実施形態の光制御部材9では、光拡散部40の反射面41cの傾斜角度が一定であった。これに対し、図12(A)、図12(B)に示す光制御部材609A,609Bでは、光拡散部641A,641Bの反射面の傾斜角度が連続的に変化している。光拡散部641A,641Bの反射面の断面形状が曲線状の傾斜面である。
【0114】
図12(A)に示す光制御部材609Aでは、光拡散部641Aの反射面641Acが中空部642A側に湾曲し、中空部642Aの反射面641Ac側の部分が凹となっている。
【0115】
図12(B)に示す光制御部材609Bでは、光拡散部641Bの反射面641Bcが中空部642B側に湾曲し、中空部642Bの反射面641Bc側の部分が凸となっている。
【0116】
図13(A)、図13(B)は、光拡散部の反射面の傾斜角度と面積率との関係を説明するための図である。
図13(A)は、光拡散部の反射面の傾斜角度の分布が第1の反射面と第2の反射面とで同じ場合の図である。図13(B)は、光拡散部の反射面の傾斜角度の分布が第1の反射面と第2の反射面とで異なる場合の図である。図13(A)、図13(B)において、横軸は光拡散部の反射面の傾斜角度である。縦軸は光拡散部の反射面の面積率である。面積率とは、光拡散部の反射面を側方から見たときに、反射面全体の面積に対する、ある傾斜角度を有する部分の面積の比率である。本実施形態では、反射面が湾曲しているため、傾斜角度は、反射面の湾曲部分の所定位置における接線と光拡散部の光入射端面とのなす角度となる。ここでは、一例として、第1の反射面の傾斜角度ψ1が第2の反射面の傾斜角度ψ2よりも大きい場合を挙げて説明する。
【0117】
本実施形態において、光拡散部の反射面の傾斜角度は、メインとなる傾斜角度を中心に角度分布に幅を有する。光拡散部の反射面の傾斜角度の分布は、図13(A)に示すように、第1の反射面の傾斜角度ψ1と第2の反射面の傾斜角度ψ2とで、それぞれ同じ傾斜分布でもよい。また、図13(B)に示すように、第1の反射面の傾斜角度ψ1と第2の反射面の傾斜角度ψ2とで、それぞれ異なる傾斜分布でもよい。
ただし、第1の反射面の傾斜角度ψ1の方が第2の反射面の傾斜角度ψ2よりも輝度分布の対称性に対する寄与度が大きい。そのため、輝度分布の対称性をよくするためには第1の反射面の傾斜角度ψ1の分布は狭いほうがよい。
【0118】
本実施形態においては、液晶パネル2の光射出側に光制御部材609Aまたは609Bを配置する。係る光制御部材609Aまたは609Bを使用した場合であっても、表示画面を斜めから見たときのガンマ特性変化を抑制し、視野角特性に優れた表示画像を実現することができる。
【0119】
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態について、図14(A)、図14(B)を用いて説明する。
本実施形態の液晶表示装置の基本構成は第4実施形態と同一であり、光制御部材における光拡散部の反射面の構成が第4実施形態と異なる。
したがって、本実施形態では、液晶表示装置の基本構成の説明は省略し、光制御部材について説明する。
【0120】
図14(A)、図14(B)は、本実施形態の光制御部材709A,709Bの断面図である。
図14(A)、図14(B)に示すように、本実施形態の光制御部材709A,709Bは、第4実施形態の光制御部材609A,609Bに対し、光拡散部の反射面の構成が異なる。
【0121】
具体的には、第4実施形態の光制御部材609A,609Bでは、光拡散部641A,641Bの反射面の傾斜角度が連続的に変化しており、光拡散部641A,641Bの反射面の断面形状が曲線状の傾斜面であった。これに対し、図14(A)、図14(B)に示す光制御部材709A,709Bでは、光拡散部741A,741Bの反射面が複数の異なる傾斜角度を有している。光拡散部741A,741Bの反射面の断面形状が折れ線状の傾斜面である。
【0122】
図14(A)に示す光制御部材709Aでは、光拡散部741Aの反射面741Acが傾斜角度の異なる3つの傾斜面を有し、中空部742Aの反射面741Ac側の部分が凹となっている。
【0123】
図14(B)に示す光制御部材709Bでは、光拡散部741Bの反射面741Bcが傾斜角度の異なる3つの傾斜面を有し、中空部742Bの反射面741Bc側の部分が凸となっている。
【0124】
本実施形態の光制御部材709A、709Bを使用した場合であっても、表示画面を斜めから見たときのガンマ特性変化を抑制し、視野角特性に優れた表示画像を実現することができる。
【0125】
[第6実施形態]
以下、本発明の第6実施形態について、図15図19を用いて説明する。
本実施形態の液晶表示装置の基本構成は第1実施形態と同一であり、液晶パネル2の画素の構成が第1実施形態と異なる。本実施形態の液晶パネル2は、いわゆるマルチピクセル駆動を採用した画素構成を有する。
したがって、本実施形態では、液晶表示装置の基本構成の説明は省略し、液晶パネル2の画素について説明する。
【0126】
図15に、本実施形態の液晶表示装置200の一画素の電気的な構成を模式的に示す。
【0127】
画素60は、副画素60a、60bに分割されている。副画素60aには、TFT66aおよび補助容量(CS)72aが接続されている。副画素60bには、TFT66bおよび補助容量72bが接続されている。TFT66aおよびTFT66bのゲ−ト電極は、走査線62に接続されている。ソース電極は、共通の(同一の)信号線64に接続されている。補助容量72a、72bは、それぞれ補助容量配線(CSバス・ライン)74aおよび補助容量配線74bに接続されている。補助容量72aおよび72bは、それぞれ副画素電極68aおよび68bに電気的に接続された補助容量電極と、補助容量配線74aおよび74bに電気的に接続された補助容量対向電極と、これらの間に設けられた絶縁層(不図示)によって形成されている。補助容量72aおよび72bの補助容量対向電極は互いに独立しており、それぞれ補助容量配線74aおよび74bから互いに異なる補助容量対向電圧が供給され得る。
【0128】
副画素60aは、さらに四つのドメイン61a、61b、61c、61dを有する。電圧印加時において、ドメイン61aに含まれる液晶分子51と、ドメイン61bに含まれる液晶分子51と、ドメイン61cに含まれる液晶分子51と、ドメイン61dに含まれる液晶分子51とは、互いに方位角が90°異なる方向に倒れる。
同様に、副画素60bは、さらに四つのドメイン61e、61f、61g、61hを有する。電圧印加時において、ドメイン61eに含まれる液晶分子51と、ドメイン61fに含まれる液晶分子51と、ドメイン61gに含まれる液晶分子51と、ドメイン61hに含まれる液晶分子51とは、互いに方位角が90°異なる方向に倒れる。
【0129】
次に、液晶表示装置200の2つの副画素60aおよび60bの液晶層に互いに異なる実効電圧を印加することが出来る原理について図16を用いて説明する。
【0130】
図16は、液晶表示装置200の1画素分の等価回路を模式的に示す。電気的な等価回路において、それぞれの副画素60aおよび60bの液晶層を、液晶層63aおよび63bとして表している。また、副画素電極68aおよび68bと、液晶層63aおよび63bと、対向電極67(副画素60aおよび60bに対して共通)によって形成される液晶容量をそれぞれClca、Clcbとする。
【0131】
液晶容量ClcaおよびClcbの静電容量値は、同一の値CLC(V)とする。CLC(V)の値は、副画素60a、60bの液晶層に印加される実効電圧(V)に依存する。また、各副画素60aおよび60bの液晶容量にそれぞれ独立に接続されている補助容量72aおよび72bを、Ccsa、Ccsbとし、これらの静電容量値は同一の値CCSとする。
【0132】
副画素60aの補助容量Ccsaの一方の電極は、副画素電極である。液晶容量Clcaの副画素電極68aと補助容量Ccsaの副画素電極は、副画素60aを駆動するために設けたTFT66aのドレイン電極に接続されている。液晶容量Clcaの他方の電極は、対向電極である。補助容量Ccsaの他方の電極は、補助容量配線74aに接続されている。副画素60bの補助容量Ccsbの一方の電極は、副画素電極である。液晶容量Clcbの副画素電極68bと補助容量Ccsbの副画素電極は、副画素60bを駆動するために設けたTFT66bのドレイン電極に接続されている。液晶容量Clcbの他方の電極は、対向電極である。補助容量Ccsbの他方の電極は、補助容量配線74bに接続されている。TFT66aおよびTFT66bのゲート電極は、いずれも走査線62に接続されている。ソース電極は、いずれも信号線64に接続されている。
【0133】
図17(a)〜図17(f)に本実施形態の液晶表示装置200を駆動する際の各電圧のタイミングを模式的に示す。
【0134】
図17(a)は、信号線64の電圧波形Vsを示している。図17(b)は、補助容量配線74aの電圧波形Vcsaを示している。図17(c)は、補助容量配線74bの電圧波形Vcsbを示している。図17(d)は、走査線62の電圧波形Vgを示している。図17(e)は、副画素60aの画素電極68aの電圧波形Vlcaを示している。図17(f)は、副画素60bの画素電極68bの電圧波形Vlcbを示している。また、図中の破線は、対向電極67の電圧波形COMMON(Vcom)を示している。
【0135】
以下、図17(a)〜図17(f)を用いて、図16の等価回路の動作を説明する。
【0136】
時刻T1のときVgの電圧がVgLからVgHに変化することにより、TFT66aとTFT66bが同時に導通状態(オン状態)となり、副画素60a、60bの副画素電極68a、68bに信号線64の電圧Vsが伝達され、副画素60a、60bに充電される。同様にそれぞれの副画素の補助容量Csa、Csbにも信号線からの充電がなされる。
【0137】
時刻T2のとき走査線62の電圧VgがVgHからVgLに変化することにより、TFT66aとTFT66bが同時に非導通状態(OFF状態)となり、副画素60a、60b、補助容量Csa、Csbはすべて信号線64と電気的に絶縁される。なお、この直後TFT66a、TFT66bの有する寄生容量等の影響による引き込み現象のために、それぞれの副画素電極の電圧Vlca、Vlcbは概ね同一の電圧Vdだけ低下し、以下の式で示される。
Vlca=Vs−Vd ・・・(1)
Vlcb=Vs−Vd ・・・(2)
また、このとき、それぞれの補助容量配線の電圧Vcsa、Vcsbは以下の式で示される。
Vcsa=Vcom−Vad ・・・(3)
Vcsb=Vcom+Vad ・・・(4)
【0138】
時刻T3で、補助容量Csaに接続された補助容量配線74aの電圧VcsaがVcom−VadからVcom+Vadに変化し、補助容量Csbに接続された補助容量配線74bの電圧VcsbがVcom+VadからVcom−Vadに2倍のVadだけ変化する。補助容量配線74aおよび74bのこの電圧変化に伴い、それぞれの副画素電極の電圧Vlca、Vlcbは以下のように変化する。
Vlca=Vs−Vd+2×K×Vad ・・・(5)
Vlcb=Vs−Vd−2×K×Vad ・・・(6)
但し、K=CCS/(CLC(V)+CCS)である。
【0139】
時刻T4では、VcsaがVcom+VadからVcom−Vadへ、VcsbがVcom−VadからVcom+Vadへ、2倍のVadだけ変化し、Vlca、Vlcbもまた、式(7)、式(8)からそれぞれ式(9)、式(10)へと変化する。
Vlca=Vs−Vd+2×K×Vad ・・・(7)
Vlcb=Vs−Vd−2×K×Vad ・・・(8)
Vlca=Vs−Vd ・・・(9)
Vlcb=Vs−Vd ・・・(10)
【0140】
時刻T5では、VcsaがVcom−VadからVcom+Vadへ、VcsbがVcom+VadからVcom−Vadへ、2倍のVadだけ変化し、Vlca、Vlcbもまた、式(11)、式(12)からそれぞれ式(13)、式(14)へと変化する。
Vlca=Vs−Vd ・・・(11)
Vlcb=Vs−Vd ・・・(12)
Vlca=Vs−Vd+2×K×Vad ・・・(13)
Vlcb=Vs−Vd−2×K×Vad ・・・(14)
【0141】
Vcsa、Vcsb、Vlca、Vlcbは、水平書き込み時間1Hの整数倍の間隔ごとに上記T4、T5における変化を交互に繰り返す。上記T4、T5の繰り返し間隔を1Hの1倍とするか、2倍とするか、3倍とするかあるいはそれ以上とするかは液晶表示装置の駆動方法(極性反転方法等)や表示状態(ちらつき、表示のざらつき感等)を鑑みて適宜設定すればよい。この繰り返しは次に画素60が書き換えられるとき、すなわちT1に等価な時間になるまで継続される。従って、それぞれの副画素電極の電圧Vlca、Vlcbの実効的な値は、以下のようになる。
Vlca=Vs−Vd+K×Vad ・・・(15)
Vlcb=Vs−Vd−K×Vad ・・・(16)
となる。
【0142】
よって、副画素60a、60bの液晶層13aおよび13bに印加される実効電圧V1、V2は、以下で示される。
V1=Vlca−Vcom ・・・(17)
V2=Vlcb−Vcom ・・・(18)
すなわち、実効電圧V1、V2は、以下のように書き換えられる。
V1=Vs−Vd+K×Vad−Vcom ・・・(19)
V2=Vs−Vd−K×Vad−Vcom ・・・(20)
【0143】
従って、副画素60aおよび60bのそれぞれの液晶層13aおよび13bに印加される実効電圧の差ΔV12(=V1−V2)は、ΔV12=2×K×Vad(但し、K=CCS/(CLC(V)+CCS))となり、互いに異なる電圧を印加することができる。
【0144】
本実施形態において、上述のような構成の液晶表示装置200に、光制御部材9を組み合わせる。第1実施形態と同様に、異なる極角θで光制御部材9に入射した光は、光制御部材9により混合される。その結果、極角θに依存した輝度変化のばらつきが平均化され、結果として極角θに依存したガンマ特性変化が緩和される。
【0145】
図18は、光制御部材を有していないマルチピクセル駆動液晶表示装置の方位角φ:0°における極角θを変化させた場合のガンマ特性を示す図である。図18において、横軸は階調を示し、縦軸は規格化輝度を示す。図18中、符号121は、極角θ:0°におけるガンマ特性を示す。符号122は、極角θ:15°におけるガンマ特性を示す。符号123は、極角θ:30°におけるガンマ特性を示す。符号124は、極角θ:45°におけるガンマ特性を示す。符号125は、極角θ:60°におけるガンマ特性を示す。符号126は、極角θ:75°におけるガンマ特性を示す。図18に示すように、極角θに依存して、ガンマ特性が変化していることがわかる。
【0146】
図19は、本実施形態の液晶表示装置200の方位角φ:0°における極角θを変化させた場合におけるガンマ特性を示す図である。図19において、横軸は階調を示し、縦軸は規格化輝度を示す。図19中、符号131は、極角θ:0°におけるガンマ特性を示す。符号132は、極角θ:15°におけるガンマ特性を示す。符号133は、極角θ:30°におけるガンマ特性を示す。符号134は、極角θ:45°におけるガンマ特性を示す。符号135は、極角θ:60°におけるガンマ特性を示す。符号136は、極角θ:75°におけるガンマ特性を示す。図18に示す光制御部材を有していないマルチピクセル駆動液晶表示装置と比較して、極角θに依存したガンマ特性の変化が小さくなっていることがわかる。特に、極角θ:30°以上におけるガンマ特性が極角θ:0°のガンマ特性に近づいていることがわかる。このことから、方位角φ:0°において斜め方向から液晶表示装置1を見た場合の色変化が緩和されるということがわかる。
【0147】
なお、本実施形態で用いたマルチピクセル駆動方法に限られず、その他のマルチピクセル駆動方法を本実施形態に適用することが可能である。例えば、特開2006−48055、特開2006−133577、特開2009−199067、国際公開公報2008/18552に記載されている画素構成を用いてもよい。
【0148】
[第7実施形態]
以下、本発明の第7実施形態について、図20図26を用いて説明する。
本実施形態の液晶表示装置の基本構成は第1実施形態と同一であり、光制御部材の構成が第1実施形態と異なる。
したがって、本実施形態では、液晶表示装置の基本構成の説明は省略し、光制御部材9Aについて説明する。
【0149】
図20は、液晶表示装置1に含まれるVAモードの液晶を含む画素50と、光制御部材9Aとの配置関係を示す模式図である。実際には図1に示すように、画素50上に光制御部材9Aが配置されるが、説明の便宜上、図20では画素50と光制御部材9Aとを並列して記載している。
【0150】
本実施形態における画素50は、第1実施形態と同様に、一つの画素50を第1ドメイン50a、第2ドメイン50b、第3ドメイン50c、第4ドメイン50dに分割した4ドメインVAを採用している。
【0151】
本実施形態において、第1偏光板3の偏光軸は、方位角φ:0°−180°方向とする。第2偏光板7の偏光軸は、方位角φ:90°−270°方向とする。
【0152】
第1実施形態と同様に、第1ドメイン50aに含まれる液晶分子51のダイレクタは、方位角φ:45°における極角θが0°より大きくなるよう傾いている。このように液晶分子51を配向することにより、第1ドメイン50aにおいて、電圧印加時の液晶層11の厚さ方向において中央部では、液晶分子51が方位角φ:45°でかつ極角が90°に近づくように倒れる。
【0153】
第2ドメイン50bに含まれる液晶分子51のダイレクタは、方位角φ:135°における極角θが0°より大きくなるよう傾いている。このように液晶分子51を配向することにより、第2ドメイン50bにおいて、電圧印加時の液晶層11の厚さ方向において中央部では、液晶分子51が方位角φ:135°でかつ極角が90°に近づくように倒れる。
【0154】
第3ドメイン50cに含まれる液晶分子51のダイレクタは、方位角φ:225°における極角θが0°より大きくなるよう傾いている。このように液晶分子51を配向することにより、第3ドメイン50cにおいて、電圧印加時の液晶層11の厚さ方向において中央部では、液晶分子51が方位角φ:225°でかつ極角が90°に近づくように倒れる。
【0155】
第4ドメイン50dに含まれる液晶分子51のダイレクタは、方位角φ:315°における極角θが0°より大きくなるよう傾いている。このように液晶分子51を配向することにより、第4ドメイン50dにおいて、電圧印加時の液晶層11の厚さ方向において中央部では、液晶分子51が方位角φ:315°でかつ極角が90°に近づくように倒れる。
【0156】
本実施形態の光制御部材9Aは、図18に示すように、複数の遮光層40Kが、基材39の一面に点在して設けられている。基材39の法線方向から見た遮光層40Kの平面形状は細長い楕円形である。遮光層40Kは、長軸と短軸とを有している異方性形状である。楕円形の短軸寸法に対する長軸寸法の比は、例えば1.1以上かつ2.5以下である。遮光層40Kの長軸の寸法は、例えば20μmであり、遮光層40Kの短軸の寸法は、例えば10μmである。本実施形態の光制御部材9では、それぞれの遮光層40Kにおいて長軸の長さに対する短軸の長さの比が概ね等しい。
【0157】
本実施形態の光制御部材9Aでは、それぞれの遮光層40Kの平面形状をなす楕円の長軸方向(以下、遮光層の長軸方向と称することがある)が概ね方位角φ:45°−225°方向または方位角φ:135°−315°方向に揃っている。長軸方向が概ね方位角φ:45°−225°方向に揃っている遮光層40Kと、長軸方向が概ね方位角φ:135°−315°方向に揃っている遮光層40Kの比は概ね1:1とする。
【0158】
つまり、遮光層40Kの長軸方向と、第1偏光板3の偏光軸及び第2偏光板7の偏光軸は、それぞれ方位角φが45°異なる。
【0159】
遮光層40Kの長軸方向が概ね方位角φ:45°−225°方向に揃っている場合、光拡散部41の反射面41cの向きを考えると、光拡散部41の反射面41cのうち、方位角φ:45°−225°方向に沿った反射面41cの割合は、方位角φ:135°−315°方向沿った反射面41cの割合よりも多い。そのため、方位角φ:45°−225°方向に沿った反射面41cで反射して方位角φ:135°−315°方向に拡散する光Lは、135°−315°方向に沿った反射面41cで反射して45°−225°方向に拡散する光Lよりも多くなる。
【0160】
遮光層40Kの長軸方向が概ね方位角φ:135°−315°方向に揃っている場合、光拡散部41の反射面41cの向きを考えると、光拡散部41の反射面41cのうち、方位角φ:135°−315°方向に沿った反射面41cの割合は、方位角φ:45°−225°方向沿った反射面41cの割合よりも多い。そのため、方位角φ:135°−315°方向に沿った反射面41cで反射して方位角φ:45°−225°方向に拡散する光Lは、45°−225°方向に沿った反射面41cで反射して135°−315°方向に拡散する光Lよりも多くなる。
【0161】
以上の構成により、光制御部材9Aの光拡散性が相対的に強い方位角方向は、方位角φ:45°−225°方向と方位角φ:135°−315°方向となる。第1偏光板3の偏光軸である方位角φ:0°−180°方向と、第2偏光板7偏光軸であるにおける光制御部材9の光拡散性は、相対的に低くなる。
【0162】
光制御部材9Aの法線方向から見ると、方位角φ:45°−225°方向の軸に対して、光制御部材9Aの光拡散性は、線対称性を有するといえる。同様に、方位角φ:0°−180°方向の軸、方位角φ:90°−270°方向の軸、方位角φ:135°−315°方向の軸に対しても、光制御部材9Aの光拡散性は、線対称性を有するといえる。このように複数の軸に対して、光拡散性が線対称性を有することを、本実施形態では、光拡散性が2軸以上の線対称性を有する、という。
【0163】
次に、光制御部材を備えていない液晶表示装置の場合(比較例)と、第1実施形態の光制御部材9を備える液晶表示装置1の場合と、本実施形態の光制御部材9Aを備える液晶表示装置1の場合について比較する。
【0164】
まず、比較例の液晶表示装置の場合について説明する。図21は、比較例の液晶表示装置の方位角φ:0°において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示している。図21において、横軸は階調を示し、縦軸は規格化輝度を示す。図21中、符号141は、極角θ:0°におけるガンマ特性を示す。符号142は、極角θ:15°におけるガンマ特性を示す。符号143は、極角θ:30°におけるガンマ特性を示す。符号144は、極角θ:45°におけるガンマ特性を示す。符号145は、極角θ:60°におけるガンマ特性を示す。符号146は、極角θ:75°におけるガンマ特性を示す。
【0165】
図22は、比較例の液晶表示装置の方位角φ:315°において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示している。図22において、横軸は階調を示し、縦軸は規格化輝度を示す。図22中、符号151は、極角θ:0°におけるガンマ特性を示す。符号152は、極角θ:15°におけるガンマ特性を示す。符号153は、極角θ:30°におけるガンマ特性を示す。符号154は、極角θ:45°におけるガンマ特性を示す。符号155は、極角θ:60°におけるガンマ特性を示す。符号156は、極角θ:75°におけるガンマ特性を示す。
【0166】
図21に示される比較例の液晶表示装置の方位角φ:0°におけるガンマ特性と比較して、図22に示す比較例の液晶表示装置の方位角φ:315°におけるガンマ特性は、25階調以下の低階調において、極角に依存して大きく変化することがわかる。具体的には、極角が大きくなるにつれ、規格化輝度値が大きくなっている。つまり、方位角φ:315°において、観察者の視点を極角θが大きくなるように傾けると、低階調表示が白浮きして見えることがわかる。図22に示されるように、0階調においても、白浮きして見えることがわかる。
【0167】
以上より、第1偏光板3の偏光軸および第2偏光板7の偏光軸と45°異なる方位角から観察者の視点を傾けていくと、比較例の液晶表示装置において低階調表示が白浮きして見えることがわかる。
【0168】
次に、第1実施形態の光制御部材9を有する液晶表示装置1の場合について説明する。図23は、第1実施形態の液晶表示装置1の方位角φ:0°において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示している。図23において、横軸は階調を示し、縦軸は規格化輝度を示す。図23中、符号161は、極角θ:0°におけるガンマ特性を示す。符号162は、極角θ:15°におけるガンマ特性を示す。符号163は、極角θ:30°におけるガンマ特性を示す。符号164は、極角θ:45°におけるガンマ特性を示す。符号165は、極角θ:60°におけるガンマ特性を示す。符号166は、極角θ:75°におけるガンマ特性を示す。なお、この測定には、光拡散部の傾斜角度が80°、遮光層40の占有面積の割合が30%である光制御部材を用いている。
【0169】
図21に示す比較例の液晶表示装置の場合と比較して、図23に示すように、第1実施形態の液晶表示装置1の極角θに依存したガンマ特性の変化が小さくなっていることがわかる。具体的には、極角θ:30°以上のガンマ特性が、極角θ:0°におけるガンマ特性に近づいている。
【0170】
図24は、第1実施形態の液晶表示装置1の方位角φ:315°において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示している。図24において、横軸は階調を示し、縦軸は規格化輝度を示す。図24中、符号171は、極角θ:0°におけるガンマ特性を示す。符号172は、極角θ:15°におけるガンマ特性を示す。符号173は、極角θ:30°におけるガンマ特性を示す。符号174は、極角θ:45°におけるガンマ特性を示す。符号175は、極角θ:60°におけるガンマ特性を示す。符号176は、極角θ:75°におけるガンマ特性を示す。なお、この測定には、光拡散部の傾斜角度が80°、遮光層40の占有面積の割合が30%である光制御部材を用いている。
【0171】
図22に示す比較例の液晶表示装置の場合と比較して、図24に示すように、第1実施形態の液晶表示装置1では、極角θに依存したガンマ特性の変化が小さくなっていることがわかる。具体的には、極角θ:30°以上のガンマ特性が、極角θ:0°におけるガンマ特性に近づいている。特に、極角θ:45°以上において、25階調以下の低階調のガンマ特性が、極角θ:0°のガンマ特性に近づくように改善されていることがわかる。このことから、観察者の視点を極角θが大きくなるように傾けた場合に生じる低階調表示の白浮きが改善されるといえる。
【0172】
次に、本実施形態の光制御部材9Aを有する液晶表示装置1の場合について説明する。図25は、本実施形態の液晶表示装置1の方位角φ:0°において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示している。図25において、横軸は階調を示し、縦軸は規格化輝度を示す。図25中、符号181は、極角θ:0°におけるガンマ特性を示す。符号182は、極角θ:15°におけるガンマ特性を示す。符号183は、極角θ:30°におけるガンマ特性を示す。符号184は、極角θ:45°におけるガンマ特性を示す。符号185は、極角θ:60°におけるガンマ特性を示す。符号186は、極角θ:75°におけるガンマ特性を示す。なお、この測定には、光拡散部の傾斜角度が80°、遮光層40の占有面積の割合が30%である光制御部材を用いている。遮光層の長軸の寸法は20μmであり、短軸の寸法は10μmである。
【0173】
図21に示す比較例の液晶表示装置の場合と比較して、図25に示す本実施形態の液晶表示装置1の極角θに依存したガンマ特性の変化は、小さくなっていることがわかる。具体的には、極角θ:30°以上のガンマ特性が、極角θ:0°におけるガンマ特性に近づいている。
【0174】
その一方で、図25に示す本実施形態の液晶表示装置1のガンマ特性は、図23に示す第1実施形態の液晶表示装置1のガンマ特性と比較しても、大きな変化はみられない。
【0175】
図26は、本実施形態の液晶表示装置1の方位角φ:315°において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示している。図26において、横軸は階調を示し、縦軸は規格化輝度を示す。図26中、符号191は、極角θ:0°におけるガンマ特性を示す。符号192は、極角θ:15°におけるガンマ特性を示す。符号193は、極角θ:30°におけるガンマ特性を示す。符号194は、極角θ:45°におけるガンマ特性を示す。符号195は、極角θ:60°におけるガンマ特性を示す。符号196は、極角θ:75°におけるガンマ特性を示す。なお、この測定には、光拡散部の傾斜角度が80°、遮光層40の占有面積の割合が30%である光制御部を用いている。遮光層の長軸の寸法は20μmであり、短軸の寸法は10μmである。
【0176】
図22に示す比較例の液晶表示装置の場合と比較して、図26示す本実施形態の液晶表示装置1の極角θに依存したガンマ特性の変化は、小さくなっていることがわかる。具体的には、極角θ:30°以上のガンマ特性が、極角θ:0°におけるガンマ特性に近づいている。
【0177】
さらには、図26に示す本実施形態の液晶表示装置1では、図24に示す第1実施形態の表示装置よりも極角θに依存したガンマ特性の変化が小さくなっていることがわかる。特に、極角θ:60°以上において更なるガンマ特性の改善がみられる。このことから、観察者の視点を極角θが大きくなるように傾けた場合に生じる低階調表示の白浮きが改善されるといえる。
【0178】
第1実施形態の液晶表示装置1と比較して、本実施形態の液晶表示装置1の方位角φ:315°における視野角特性が改善された理由は以下の通りである。
【0179】
本実施形態の光制御部材9Aは、先述の通り、方位角方向は、方位角φ:45°−225°方向と方位角φ:135°−315°方向において光拡散性が相対的に強い。つまり、方位角φ:45°−225°方向と方位角φ:135°−315°方向において、光がより多く混合されることになる。
【0180】
方位角φ:45°−225°方向と方位角φ:135°−315°方向は、図22の比較例の結果からわかるように、液晶表示装置において、低階調表示の視野角特性が低い方位角φである。本実施形態では、液晶表示装置の低階調表示の視野角特性が低い方位角φと、光制御部材9Aの光拡散性が相対的に強い方位角φとを一致させている。これにより、低階調表示の視野角特性が低い方位角φであり、極角θが異なる方向に射出された光が混合され、平均化される。その結果、極角θに依存した視野角特性が向上する。
【0181】
なお、図22図24図26では、方位角φ:315°におけるガンマ特性を示しているが、方位角φ:45°、135°、225°におけるガンマ特性も同様である。これは、本実施形態の遮光部40Kの長軸が方位角φ:45°−225°方向または方位角φ:135°−315°方向にそっており、長軸が方位角φ:45°−225°方向である遮光層40Kと長軸が方位角φ:方位角φ:135°−315°方向である遮光層40Kとの割合が概ね1:1であることに起因する。
【0182】
本実施形態では、光制御部材9Aの拡散性が相対的に強い方位角方向は、方位角φ:45°−225°方向と方位角φ:135°−315°方向となる。従って、異なる極角θで光制御部材9に入射した光は、方位角φ:45°−225°方向と方位角φ:135°−315°方向において光制御部材9により混合される。その結果、方位角φ:φ:45°−225°方向と方位角φ:135°−315°方向における輝度変化のばらつきが平均化され、方位角φ:φ:45°−225°方向と方位角φ:135°−315°方向における極角θに依存したガンマ特性変化が緩和される。
【0183】
人間の目は、低階調表示における輝度変化に敏感であることから、本実施形態のように低階調表示において視野角特性を向上することは、液晶表示装置の表示性能向上において効果的であるといえる。
【0184】
本実施形態では、図2に示すように、液晶パネル2の光射出側に光制御部材9Aが配置される。その結果、異なる極角θで光制御部材9Aに入射した光は、光制御部材9Aにより混合される。その結果、極角θに依存した輝度変化のばらつきが平均化され、結果として極角θに依存したガンマ特性変化が緩和される。
【0185】
[第8実施形態]
以下、本発明の第8実施形態について、図27(A)〜図27(F)を用いて説明する。
本実施形態の液晶表示装置の基本構成は第7実施形態と同一であり、光制御部材9Aにおける遮光層の形状が楕円に内接する形状である点が第7実施形態と異なる。
したがって、本実施形態では、液晶表示装置の基本構成の説明は省略し、遮光層について説明する。
【0186】
図27(A)〜図27(F)は、本実施形態の遮光層の平面図である。
図27(A)〜図27(F)に示すように、本実施形態の遮光層の形状は楕円に内接する形状である。
【0187】
具体的には、図27(A)に示す遮光層440Aの形状は、楕円に内接する四角形である。図27(B)に示す遮光層440Bの形状は、楕円に内接する六角形である。図27(C)に示す遮光層440Cの形状は、楕円に内接する八角形である。図27(D)に示す遮光層440Dの形状は、楕円に内接する三角形である。図27(E)に示す遮光層440Eの形状は、楕円に内接する十角形である。図27(F)に示す遮光層440Fの形状は、楕円に内接する図形である。遮光層440Fの中央部分は、楕円に内接する部分に比べて細い。
【0188】
本実施形態においては、遮光層440A〜440Fの長軸方向と、第1偏光板3の偏光軸及び第2偏光板7の偏光軸は、それぞれ方位角φが45°異なる。
【0189】
本実施形態の遮光層440A〜440Fを用いても、異なる極角θで光制御部材9Aに入射した光は、光制御部材9Aにより混合される。その結果、極角θに依存した輝度変化のばらつきが平均化され、結果として極角θに依存したガンマ特性変化が緩和される。その結果、観察者の視点を極角θが大きくなるように傾けた場合に生じる低階調表示の白浮きが改善される。
【0190】
[第9実施形態]
以下、本発明の第9実施形態について、図28(A)〜図28(D)を用いて説明する。
本実施形態の液晶表示装置の基本構成は第7実施形態と同一であり、光制御部材における遮光層の構成が第7実施形態と異なる。
したがって、本実施形態では、液晶表示装置の基本構成の説明は省略し、光制御部材について説明する。
【0191】
図28(A)〜図28(D)は、本実施形態の光制御部材の平面図である。
図28(A)〜図28(D)に示すように、本実施形態の光制御部材は、第1実施形態の光制御部材に対し、遮光層の構成が異なる。
【0192】
具体的には、第7実施形態の光制御部材9Aでは、それぞれの遮光層40Kにおいて長軸の長さに対する短軸の長さの比が概ね等しくなっていた。これに対し、図28(A)に示す光制御部材509Aには、長軸の長さに対する短軸の長さの比が異なる遮光層540Aが混在している。
【0193】
さらに、第7実施形態の光制御部材9Aでは、それぞれの遮光層40の長軸方向が方位角φ:90°−270°方向に配置されていた。これに対し、図28(B)に示す光制御部材509Bでは、複数の遮光層540Bのうちの一部の遮光層540Bの長軸が他の遮光層540Bの長軸と異なる方向を向いている。
【0194】
また、第7実施形態の光制御部材9Aでは、複数の遮光層40Kの全てが点在して配置されていた。これに対し、図28(C)に示す光制御部材509Cでは、複数の遮光層540Cのうちの一部の遮光層540Cが他の遮光層540Cの一部と連結している。
【0195】
また、第7実施形態の光制御部材9Aでは、複数の遮光層40の形状が全て楕円形状であった。これに対し、図28(D)に示す光制御部材509Dでは、複数の遮光層540Dのうちの一部の遮光層540Dの形状が長方形である。
【0196】
本実施形態の光制御部材509A〜509Dを用いても、異なる極角θで光制御部材9Aに入射した光は、光制御部材9Aにより混合される。その結果、極角θに依存した輝度変化のばらつきが平均化され、結果として極角θに依存したガンマ特性変化が緩和される。その結果、観察者の視点を極角θが大きくなるように傾けた場合に生じる低階調表示の白浮きが改善される。
【0197】
[第10実施形態]
以下、本発明の第10実施形態について、図29図31を用いて説明する。
本実施形態の液晶表示装置の基本構成は第1実施形態と同一であり、光制御部材の構成が第1実施形態と異なる。
したがって、本実施形態では、液晶表示装置の基本構成の説明は省略し、光制御部材について説明する。
【0198】
本実施形態の光制御部材では、それぞれの遮光層40Bの平面形状がひし形である。ひし形の二つの対角線は、それぞれ第1偏光板3、第2偏光板7の偏光軸と概ね一致している。ひし形の二つの対角線のうち、長い方を長軸とすると、長軸が第1偏光板3の偏光軸と概ね一致する遮光層40Bの割合と、長軸が第2偏光板7の偏光軸と概ね一致する遮光層40Bの割合は、概ね1:1であってもよい。
【0199】
本実施形態の遮光層40Bの平面形状は、鋭角が30°のひし形である。また、光拡散部41の反射面41cは、85°の傾斜角度を有する。以下に遮光層40Bを有する光制御部材の作用について説明する。
【0200】
図30(a)は、光制御部材の平面図である。ここで、第1偏光板3、第2偏光板7の偏光軸は、それぞれy軸およびx軸と一致する。第2偏光板7を通過して射出された光L4は、光反射面41cで反射する。このとき、光L4の反射角は、xy平面の法線方向から見て概ね45°となる。
【0201】
この理由について、図30(b)および図30(c)を用いて説明する。図30(b)は、傾斜角を有しない反射面Xの場合の光L3の反射を説明する図である。図30(c)は、傾斜角85°である場合の反射面41cの場合の光L4の反射を説明する図である。まず、図30(b)に示すように、反射面Xが傾斜角を有しておらず、z軸に対して平行な場合、座標(x,y,0)を通るxz平面に平行な光L3が入射すると、反射面Xで反射される。光L3の光路を上面から見ると、図30(a)に示すようになる。
【0202】
一方で、本実施形態の光反射面41cは、図30(c)に示すように85°の傾斜角を有している。従って、光L4が光L3と同様に座標(x,y,0)を通り、反射面41cに入射しても、反射光はL3の光路と同一の光路とはならず、図30(a)で見ると反射角が広がる。具体的には、光L4は図30(a)に示すようにx軸に対して45°をなす方向に反射する。
【0203】
次に、第2偏光板7の偏光軸と45°をなす方向に光が反射する光制御部材を用いる効果を以下に説明する。図31は、極角60°における各方位角でのΔu’v’値をプロットしたグラフである。Δu'v'とは、正面にある色を表示させた時にある極角および方位角で見える色のu'v'色度と正面方向のu'v'色度のu'v'均等色空間での座標間距離である。Δu'v'の値が大きいほど、正面方向から見た色味と、ある極角および方位角から見た色味との差が大きいことを意味する。図31では、マクベスチャートのカラーNo.13「Blue」を表示させたときのΔu'v'特性を示す。図31において円の中心は、Δu'v'=0.20である。円の中心から離れるほど、Δu'v'は小さくなり、内側の円はΔu'v'=0.15、外側の円はΔu'v'=0.10である。図31中、実線は、本実施形態における光制御部材を用いた液晶表示装置のΔu'v'特性を示す。図31において、一点鎖線は、第1実施形態の液晶表示装置におけるΔu'v'特性を示す。破線は、光制御部材を用いていない液晶表示装置(比較例)におけるΔu'v'特性を示す。なお、本実施形態並びに第1実施形態の光制御部材における光拡散部41の割合は、70%としている。
【0204】
破線で示すように、比較例においては、概ね方位角45°、135°、225°、315°において、Δu'v'が小さい。また、Δu'v'が小さい方位角から45°ずれた概ね方位角0°、90°、180°、270°においては、Δu'v'が大きい。つまり、Δu'v'特性には方位角依存性があり、概ね方位角0°、90°、180°、270°において、正面から見た場合と斜めから見た場合との色味の差が大きいといえる。
【0205】
遮光部40が円形である第1実施形態の液晶表示装置では、一点鎖線で示すように、全ての方位角においてΔu'v'特性が改善され、方位角依存性も改善されていることがわかる。
【0206】
実線で示す本実施形態の液晶表示装置では、第1実施形態の液晶表示装置と同様に、全ての方位角においてΔu'v'特性が改善され、方位角依存性も改善されていることがわかる。さらに、第1実施形態の液晶表示装置と比較して、本実施形態の液晶表示装置では、Δu'v'が大きかった概ね方位角0°、90°、180°、270°において、よりΔu'v'特性が改善されていることがわかる。
【0207】
本実施形態の光制御部材では、光拡散部41の反射面41cへ入射した光は、方位角が45°異なる方向へ反射される。つまり、Δu'v'の小さかった方位角45°、135°、225°、315°の光は、本実施形態の光制御部材を通過することにより、45°異なる方向、つまりΔu'v'の大きかった方位角へ射出される。このように、色味の変化が小さい光が、色味の変化が大きい方位角方向へ分配されることにより、全体としてΔu'v'のばらつきを緩和している。
【0208】
以上のように、本実施形態の光制御部材を用いることにより、色味の視野角依存性が小さい液晶表示装置を実現することができる。
【0209】
[第11実施形態]
上述の第1実施形態〜第10実施形態の液晶表示装置は、各種電子機器に適用することができる。
以下、上述の第1実施形態〜第10実施形態の液晶表示装置を備えた電子機器について、図32図34を用いて説明する。
上述の第1実施形態〜第10実施形態の液晶表示装置は、例えば、図32に示す携帯電話に適用できる。
図32に示す携帯電話240は、音声入力部241、音声出力部242、アンテナ243、操作スイッチ244、表示部245および筐体246等を備えている。
表示部245として上述の第1実施形態〜第10実施形態の液晶表示装置を好適に適用できる。上述の第1実施形態〜第10実施形態の液晶表示装置を携帯電話240の表示部245に適用することによって、視野角依存性の小さい映像を表示することができる。
【0210】
また、上述の第1実施形態〜第10実施形態の液晶表示装置は、例えば、図33に示す薄型テレビに適用できる。
図33に示す薄型テレビ250は、表示部251、スピーカ252、キャビネット253およびスタンド254等を備えている。
表示部251として上述の第1実施形態〜第10実施形態の液晶表示装置を好適に適用できる。上述の第1実施形態〜第10実施形態の液晶表示装置を薄型テレビ250の表示部251に適用することによって、視野角依存性の小さい映像を表示することができる。
【0211】
上述の第1実施形態〜第10実施形態の液晶表示装置は、例えば、図34に示すノートパソコンに適用できる。
図34に示すノートパソコン270は、表示部271、キーボード272、タッチパッド273、メインスイッチ274、カメラ275、記録媒体スロット276および筐体277等を備えている。
表示部271として上述の第1実施形態〜第10実施形態の液晶表示装置を好適に適用できる。上述の第1実施形態〜第10実施形態の液晶表示装置をノートパソコン270の表示部271に適用することによって、視野角依存性の小さい映像を表示することができる。
【0212】
また、上記実施形態における光制御部材の基材の視認側に、反射防止層、偏光フィルター層、帯電防止層、防眩処理層、防汚処理層のうちの少なくとも一つを設けた構成としても良い。この構成によれば、基材の視認側に設ける層の種類に応じて、外光反射を低減する機能、塵埃や汚れの付着を防止する機能、傷を防止する機能等を付加することができ、視野角特性の経時劣化を防ぐことができる。
【0213】
また、上記実施形態では、光拡散部もしくは空間部分の形状を楕円錐台状としたが、その他の形状であってもよい。また、光拡散部の反射面の傾斜角度は光軸を中心として必ずしも対称でなくても良い。上記実施形態のように光拡散部の形状を楕円錐台状とした場合には、光拡散部の反射面の傾斜角度が光軸を中心として線対称となるため、光軸を中心として線対称的な角度分布が得られる。これに対し、表示装置の用途や使い方に応じて意図的に非対称な角度分布が要求される場合、例えば画面の上方側だけ、あるいは右側だけに視野角を広げたい等の要求がある場合には、光拡散部の反射面の傾斜角度を非対称にしても良い。
【0214】
その他、液晶表示装置の各構成部材の材料、数、配置等に関する具体的な構成は上記実施形態に限ることなく、適宜変更が可能である。例えば上記実施形態では、液晶パネルの外側に偏光板や位相差板を配置する例を示したが、この構成に代えて、液晶パネルを構成する一対の基板の内側に偏光層や位相差層を形成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0215】
本発明のいくつかの態様は、液晶表示装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0216】
1,200…光源装置、2…液晶パネル、8…バックライト、9…光制御部材、39…基材、40…遮光層、41…光拡散部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
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図20
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図22
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図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34