特許第6015940号(P6015940)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015940
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】プリント基板積層体を備えた電気接続箱
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20161013BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   H05K1/14 H
   H05K1/14 E
   H02G3/16
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-6760(P2013-6760)
(22)【出願日】2013年1月17日
(65)【公開番号】特開2014-138126(P2014-138126A)
(43)【公開日】2014年7月28日
【審査請求日】2015年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(72)【発明者】
【氏名】石 文杰
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003− 87936(JP,A)
【文献】 特開2012− 74435(JP,A)
【文献】 特開2008−271706(JP,A)
【文献】 特開2003−208939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/14
H02G 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内にプリント基板積層体が収容されてなるプリント基板積層体を備えた電気接続箱であって、
前記プリント基板積層体が、隙間を隔てて対向配置された第一プリント基板と第二プリント基板を有し、
前記第一プリント基板には、第一のプリント配線に半田付け部が半田付けされた第一音叉端子が立設されている一方、
前記第二プリント基板には、第二のプリント配線に半田付け部が半田付けされた第二音叉端子が立設されており、
前記第一音叉端子および前記第二音叉端子のそれぞれの圧接刃間に圧接された一対の接続部を備えた導通部材を介して、前記第一プリント基板の前記第一のプリント配線と前記第二プリント基板の前記第二のプリント配線が相互に導通されている一方、
前記第一音叉端子と前記第二音叉端子のそれぞれの前記半田付け部が、クランク形状に屈曲されており、前記第一プリント基板の周縁部の外周部分に前記第一音叉端子の前記圧接刃が立設されており、且つ前記第一プリント基板の前記周縁部の内周部分に前記半田付け部が配設されている一方、
前記第一プリント基板の上方に隙間を隔てて配設された前記第二プリント基板の周縁部が、前記第一プリント基板の前記周縁部よりも内方に位置されていると共に、前記第二プリント基板の前記周縁部の外周部分に前記第二音叉端子の前記圧接刃が立設されており、且つ前記第二プリント基板の前記周縁部の内周部分に前記半田付け部が配設されており、 前記第一音叉端子が前記第二プリント基板を超えて上方に突出すると共に、前記第一音叉端子の前記圧接刃と前記第二音叉端子の前記圧接刃が、水平方向で対向配置されていると共に、
前記ケースに突設されて前記第一プリント基板を支持する支持部が、前記第一音叉端子の圧接刃よりも前記外周側で前記第一プリント基板の前記周縁部を上下両面側から支持している一方、
前記ケースから突出されて前記第二プリント基板を支持する支持部が、前記第二プリント基板の前記周縁部において、前記第二音叉端子の前記圧接刃が立設されている前記外周部分の下面側と前記第二音叉端子の前記半田付け部が配設されている前記内周部分の上面側から支持している
ことを特徴とするプリント基板積層体を備えた電気接続箱
【請求項2】
前記導通部材がヒューズおよびショートピンから選択される少なくとも1つを含んで構成されている一方、
前記第一音叉端子と前記第二音叉端子の高さ寸法が異ならされることによって、前記第一音叉端子と前記第二音叉端子のそれぞれの圧接刃が、前記第一および第二プリント基板の対向方向で同じ位置に配設されている請求項1に記載のプリント基板積層体を備えた電気接続箱
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隙間を隔てて対向配置された2枚のプリント基板が、それぞれのプリント配線に接続される導通部材を介して導通されてなるプリント基板積層体を備えた電気接続箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車に搭載される電気接続箱として、内部にプリント基板を収容して内部回路を構成したものが知られている。特に、近年では、車載電装品の増加等に伴い、特開平7−297562号公報(特許文献1)に記載の如く、2枚のプリント基板を隙間を隔てて対向配置させたプリント基板積層体を含むものも提案されている。
【0003】
ところで、このようなプリント基板積層体においては、2枚のプリント基板のそれぞれのプリント配線同士を接続するために、ロッド状の基板間接続端子の両端を両プリント基板のプリント配線に設けたスルーホールにそれぞれ挿通配置して半田付けにより接続することが行われている。
【0004】
ところが、このような従来構造のプリント基板積層体においては、基板間接続端子の一方の端部を一方のプリント基板に半田付けした後、基板間端子の他方の端部を他方のプリント基板のスルーホールに位置決め挿通して半田付けする作業は非常に煩雑であり、作業に時間を要するという問題があった。
【0005】
また、ロッド状の基板間接続端子の両端を、2枚のプリント基板にそれぞれ半田付けにより接続していることから、一方のプリント基板に負荷が加わる等して2枚のプリント基板が相対的に位置ずれする場合には、基板間接続端子の半田付け部に大きな負荷が加わる。それ故、基板間接続端子の半田付け部に半田クラックが容易に生ずるおそれがあり、2枚の基板間の接続安定性を担保するためには十分とは言えなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−297562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、隙間を隔てて対向配置されたプリント基板のプリント配線間を、向上された作業性と接続安定性をもって接続することができる、新規な構造のプリント基板積層体を備えた電気接続箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様の特徴とするところは、ケース内にプリント基板積層体が収容されてなるプリント基板積層体を備えた電気接続箱であって、前記プリント基板積層体が、隙間を隔てて対向配置された第一プリント基板と第二プリント基板を有し、前記第一プリント基板には、第一のプリント配線に半田付け部が半田付けされた第一音叉端子が立設されている一方、前記第二プリント基板には、第二のプリント配線に半田付け部が半田付けされた第二音叉端子が立設されており、前記第一音叉端子および前記第二音叉端子のそれぞれの圧接刃間に圧接された一対の接続部を備えた導通部材を介して、前記第一プリント基板の前記第一のプリント配線と前記第二プリント基板の前記第二のプリント配線が相互に導通されている一方、前記第一音叉端子と前記第二音叉端子のそれぞれの前記半田付け部が、クランク形状に屈曲されており、前記第一プリント基板の周縁部の外周部分に前記第一音叉端子の前記圧接刃が立設されており、且つ前記第一プリント基板の前記周縁部の内周部分に前記半田付け部が配設されている一方、前記第一プリント基板の上方に隙間を隔てて配設された前記第二プリント基板の周縁部が、前記第一プリント基板の前記周縁部よりも内方に位置されていると共に、前記第二プリント基板の前記周縁部の外周部分に前記第二音叉端子の前記圧接刃が立設されており、且つ前記第二プリント基板の前記周縁部の内周部分に前記半田付け部が配設されており、前記第一音叉端子が前記第二プリント基板を超えて上方に突出すると共に、前記第一音叉端子の前記圧接刃と前記第二音叉端子の前記圧接刃が、水平方向で対向配置されていると共に、前記ケースに突設されて前記第一プリント基板を支持する支持部が、前記第一音叉端子の圧接刃よりも前記外周側で前記第一プリント基板の前記周縁部を上下両面側から支持している一方、前記ケースから突出されて前記第二プリント基板を支持する支持部が、前記第二プリント基板の前記周縁部において、前記第二音叉端子の前記圧接刃が立設されている前記外周部分の下面側と前記第二音叉端子の前記半田付け部が配設されている前記内周部分の上面側から支持しているプリント基板積層体を備えた電気接続箱にある。
【0009】
本発明に従う構造とされたプリント基板積層体においては、第一プリント基板と第二プリント基板のそれぞれに半田付けされて立設された音叉端子に跨って導通部材を組み付けることにより、第一プリント基板のプリント配線と第二プリント基板のプリント配線を導通することが出来る。これにより、従来構造の如き、両端部が2つのプリント基板に半田付けされる基板間接続端子を不要とすることが出来、基板間接続端子の一方の端部を一方のプリント基板に半田付けした後に、他方の端部を他方のプリント基板のスルーホールに挿通して半田付けする等の複雑な作業を不要とすることが出来る。その結果、第一プリント基板と第二プリント基板の接続の作業性を向上することが出来る。更に、基板間接続端子において問題とされていた、基板間接続端子の両端部が半田付けされた2つのプリント基板相互の位置ずれに伴う半田クラックの発生を回避することが出来、両プリント基板の接続安定性を向上することも出来る。
【0010】
加えて、第一プリント基板と第二プリント基板に、圧接刃を備えた音叉端子を立設して、導通部材の接続部を音叉端子の圧接刃で圧接して接続することから、第一音叉端子および第二音叉端子と導通部材との接続作業も容易に行うことが出来る。更に、圧接刃の圧接力を利用することにより、導通部材と両音叉端子との導通を安定的に保持することが出来、第一プリント基板と第二プリント基板との接続安定性も向上することが出来る。さらに、本態様では、第一プリント基板の周縁部と第二プリント基板の周縁部とが水平方向で離隔されて、それぞれのプリント基板の周縁部に第一音叉端子と第二音叉端子が立設されている。これにより、第一プリント基板と第二プリント基板との接続に用いられる第一音叉端子と第二音叉端子、およびこれらに接続される導通部材を第一プリント基板および第二プリント基板それぞれの周縁部に配設することが出来、第一プリント基板および第二プリント基板それぞれの中央部のスペースを確保して、両プリント基板を有効に利用することが出来る。また、第二プリント基板の周縁部を第一プリント基板の周縁部よりも内方に位置させることにより、第一プリント基板の第一音叉端子を第二プリント基板よりも上方に突出させるために、第二プリント基板に第一音叉端子を挿通する貫通孔や切欠を設ける必要が無い。従って、第二プリント基板を簡易な形状で容易に製造することが出来ると共に、第二プリント基板の剛性を有利に確保しつつ、基板間接続を行うことが出来る。
【0011】
なお、導通部材は、第一音叉端子および第二音叉端子の圧接刃の間に圧接される一対の接続部を有するものであれば良く、例えば金属板から形成されたバスバー等でも良いし、汎用的に用いられているヒューズや、ヒューズと同一形状で溶断部を有さない所謂ショートピン等でも良い。
【0012】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記導通部材がヒューズおよびショートピンから選択される少なくとも1つを含んで構成されている一方、前記第一音叉端子と前記第二音叉端子の高さ寸法が異ならされることによって、前記第一音叉端子と前記第二音叉端子のそれぞれの圧接刃が、前記第一および第二プリント基板の対向方向で同じ位置に配設されているものである。
【0013】
本態様によれば、第一音叉端子の圧接刃と第二音叉端子の圧接刃が、導通部材の接続方向で互いに同じ位置に配設されている。従って、一対の接続部が音叉端子への接続方向で互いに同じ位置に設定されている汎用品のヒューズやショートピン等を、導通部材として有利に用いることが出来る。
【0014】
そして、プリント配線の間に接続されるヒューズや、プリント配線間を分岐接続するショートピン等を導通部材として用いて第一プリント基板と第二プリント基板を接続することにより、2つのプリント基板間の接続のみに用いられる基板間接続端子を不要とすることが出来て、プリント基板のスペースをより有効に利用したり、プリント基板の小型化を図ることが出来る。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、積層して配設された第一プリント基板と第二プリント基板のそれぞれに、圧接刃を備えた第一音叉端子と第二音叉端子を立設して、それら第一音叉端子の圧接刃と第二音叉端子の圧接刃に導通部材の一対の接続部をそれぞれ接続することにより、第一プリント基板のプリント配線と第二プリント基板のプリント配線を相互に接続するようにした。これにより、従来の基板間接続端子のように、両端部をそれぞれのプリント基板のスルーホールに挿通して半田付けする等の複雑な作業を必要とすることがなく、優れた組立作業性を得ることが出来る。更に、導通部材の接続部を、第一プリント基板の第一音叉端子と第二プリント基板の第二音叉端子の圧接刃に圧接して接続することから、両音叉端子と導通部材との接続を容易に行うことが出来ると共に、接続状態を安定して維持することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第一の実施形態としてのプリント基板積層体を収容する電気接続箱の断面説明図。
図2図1に示したプリント基板積層体の上面を示す説明図。
図3図2のA矢視の要部を拡大して示す説明図。
図4図2のB矢視の要部を拡大して示す説明図。
図5】本発明の第二の実施形態としてのプリント基板積層体における要部の上面を示す説明図。
図6】本発明の第三の実施形態としてのプリント基板積層体における要部の上面を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
先ず、図1に、本発明の第一の実施形態としてのプリント基板積層体10を備えた電気接続箱12を示す。電気接続箱12は、合成樹脂から形成されたアッパケース14とロアケース16の間に、プリント基板積層体10が収容された構造とされている。なお、以下の説明において、上方とは、アッパケース14側となる図1中の上方を言い、下方とは、ロアケース16側となる図1中の下方を言うものとする。
【0021】
図2に、プリント基板積層体10の上面を示すと共に、図3および図4に、プリント基板積層体10の要部を示す。なお、図2図4には、理解を容易とするために、後述するヒューズ56を併せ示している。プリント基板積層体10は、第一プリント基板18の上方に隙間を隔てて第二プリント基板20が対向配置された構造とされている。第一プリント基板18および第二プリント基板20は、それぞれ略矩形の板形状とされている。第二プリント基板20は、上面視(図2参照)において第一プリント基板18よりも小さな寸法をもって形成されている。これにより、上面視において第一プリント基板18の周縁部22よりも第二プリント基板20の周縁部24が内方に位置されており、本実施形態においては、第二プリント基板20の周縁部24の全周から、第一プリント基板18の周縁部22が外方に突出されている。
【0022】
第一プリント基板18の周縁部22には、複数の第一音叉端子26が立設されている。第一音叉端子26は金属板から形成された一体成形品とされており、一方の端部は、一対の圧接刃28,28が隙間を隔てて対向して形成された、略U字の所謂音叉形状とされている。また、第一音叉端子26において、圧接刃28,28と反対側の端部には、一対の半田付け部30,30が形成されている。なお、本実施形態における半田付け部30,30はクランク形状に屈曲されており、後述するヒューズ56の接続に際して第一プリント基板18に当接することで、ヒューズ56からの押込力に抗して第一音叉端子26を支持することが可能とされているが、半田付け部30,30は、第一音叉端子26の長手方向(図3および図4中、上下方向)でストレートに延びる形状とされていても良い。このような第一音叉端子26の半田付け部30,30が第一プリント基板18の周縁部22に貫設された図示しないスルーホールに挿通されて、第一プリント基板18に形成された第一のプリント配線としてのプリント配線32に半田付けされることにより、複数の第一音叉端子26が、周縁部22の周方向で適当な間隔を隔てて、周縁部22に立設されている。なお、本実施形態においては、複数の第一音叉端子26が、第一プリント基板18の周縁部22の3辺に亘って配設されている。
【0023】
一方、第二プリント基板20の周縁部24には、複数の第二音叉端子34が立設されている。第二音叉端子34において、第一音叉端子26と同様の構造とされた部位については、図中に第一音叉端子26と同様の符号を付することにより、その説明を省略する。即ち、第二音叉端子34は、第一音叉端子26の長さ寸法(図3および図4中、上下方向寸法)が異ならされたものであり、第一音叉端子26よりも長さ寸法が短くされている。このような第二音叉端子34は、第一音叉端子26と同様にして、半田付け部30,30が第二プリント基板20の第二のプリント配線としてのプリント配線36に半田付けされることにより、第二プリント基板20の周縁部24に立設されている。なお、図2から明らかなように、第二プリント基板20の中央部分に一対の第二音叉端子34,34を対向して配設することにより、従来と同様のヒューズ接続部を形成することも勿論可能である。
【0024】
また、図1に示したように、第一プリント基板18には、金属端子としての複数の出力コネクタ接続端子38が半田付けされて、第二プリント基板20と反対側に突出して設けられている。一方、第二プリント基板20には、金属端子としての複数の入力コネクタ接続端子40が半田付けされて、第一プリント基板18と反対側に突出して設けられている。これら出力コネクタ接続端子38および入力コネクタ接続端子40としては、後述する出力用コネクタ60や入力用コネクタ58に応じて、各種の形状を有する金属端子が適宜に採用可能であり、例えば正方形断面や円形断面を有するピン形状や、長手矩形断面を有するタブ形状等、任意の形状のものが採用され得る。そして、出力コネクタ接続端子38が、第一プリント基板18のプリント配線32(図3参照)に半田付けされて、複数の第一音叉端子26の少なくとも1つと電気的に接続されている一方、入力コネクタ接続端子40が、第二プリント基板20のプリント配線36に半田付けされて、複数の第二音叉端子34の少なくとも1つと電気的に接続されている。
【0025】
そして、本実施形態における第一プリント基板18と第二プリント基板20は、アッパケース14とロアケース16でそれぞれ支持されることにより、隙間を隔てた対向状態に位置決めされるようになっている。例えば、第一プリント基板18は、アッパケース14から突出された支持ボス42と、ロアケース16の周壁の内面に形成された支持壁44との間で支持されるようになっている。一方、第二プリント基板20は、アッパケース14から突出された支持ボス42と、ロアケース16から突出されて、第二プリント基板20に形成された図示しない貫通孔に挿通された支持ボス46との間で支持されている。但し、第一プリント基板18と第二プリント基板20とを積層状態で位置決めする具体的構造は何等限定されるものではなく、例えば、第一プリント基板18と第二プリント基板20の間に合成樹脂製の絶縁板を介在して、第一プリント基板18と第二プリント基板20をそれぞれ該絶縁板に固定する等しても良い。
【0026】
第一プリント基板18と第二プリント基板20が積層されて相互に位置決めされることにより、第二プリント基板20の周縁部24が第一プリント基板18の周縁部22の内方に位置される。そして、前述のように、第一音叉端子26の長さ寸法が第二音叉端子34よりも長くされていることによって、図3に示すように、第一音叉端子26の第一プリント基板18からの高さ寸法:H1が、第二音叉端子34の第二プリント基板20からの高さ寸法:H2よりも大きくされており、第一音叉端子26が、第二プリント基板20を超えて上方(図3中、上方)に突出されている。これにより、第一プリント基板18の圧接刃28と、第二プリント基板20の圧接刃28が、水平方向(図3中、左右方向)で対向配置されると共に、第一プリント基板18と第二プリント基板20の対向方向となる上下方向(図3中、上下方向)で互いに等しい位置に配設されている。
【0027】
このような構造とされたプリント基板積層体10が、アッパケース14とロアケース16の間に収容される。これにより、図1に示したように、互いに対向された第一音叉端子26と第二音叉端子34が、アッパケース14に貫設された図示しない端子挿通孔に挿通されて、アッパケース14に形成された複数のヒューズ収容キャビティ50内にそれぞれ配設される。また、第一プリント基板18に突設された出力コネクタ接続端子38が、ロアケース16に貫設された図示しない端子挿通孔に挿通されて、ロアケース16に形成された出力用コネクタ収容キャビティ52内に配設される。更に、第二プリント基板20に突設された入力コネクタ接続端子40が、アッパケース14に貫設された図示しない端子挿通孔に挿通されて、アッパケース14に形成された入力用コネクタ収容キャビティ54内に配設される。
【0028】
そして、各ヒューズ収容キャビティ50に、導通部材としてのヒューズ56が差し込まれる。ヒューズ56は従来公知のヒューズであり、図示しない溶断部を介して相互に接続された、板形状を有する一対の接続部57,57が突出して設けられている。このようなヒューズ56が各ヒューズ収容キャビティ50にそれぞれ差し込まれることにより、各ヒューズ収容キャビティ50において、図3および図4に示したように、一方の接続部57が第一音叉端子26の圧接刃28,28の間で圧接されると共に、他方の接続部57が、第二音叉端子34の圧接刃28,28の間で圧接される。これにより、ヒューズ56が第一音叉端子26および第二音叉端子34と接続されて、第一プリント基板18のプリント配線32と、第二プリント基板20のプリント配線36が、ヒューズ56を介して相互に導通される。
【0029】
さらに、入力用コネクタ収容キャビティ54に、例えばバッテリと接続されたワイヤハーネスの端末に設けられた入力用コネクタ58が差し込まれることにより、入力用コネクタ58が、入力コネクタ接続端子40と接続されて、第二プリント基板20のプリント配線36(図3参照)と電気的に接続される。また、出力用コネクタ収容キャビティ52に、例えば負荷としての自動車の各電気部品に接続するワイヤハーネスの端末に設けられた出力用コネクタ60が差し込まれることにより、出力用コネクタ60が出力コネクタ接続端子38と接続されて、第一プリント基板18のプリント配線32と電気的に接続される。その結果、入力用コネクタ58が、第二プリント基板20、第二音叉端子34、ヒューズ56、第一音叉端子26、第一プリント基板18を介して出力用コネクタ60と電気的に接続されており、入力用コネクタ58と出力用コネクタ60を接続する導電路が、プリント基板積層体10を介して形成されている。
【0030】
このような構造とされたプリント基板積層体10は、第一プリント基板18と第二プリント基板20のそれぞれから突設された第一音叉端子26と第二音叉端子34をヒューズ56を介して相互に接続することにより、第一プリント基板18のプリント配線32と第二プリント基板20のプリント配線36が相互に導通されるようになっている。これにより、従来の両プリント基板を多数の基板間接続端子で相互に接続する構造のように、各基板間接続端子の一方の端部を一方のプリント基板に半田付けした後に、多数の基板間接続端子の他方の端部を他方のプリント基板にそれぞれ挿通して半田付けする等の複雑な作業を不要とすることが出来、第一プリント基板18と第二プリント基板20を容易に接続することが出来る。更に、第一音叉端子26の圧接刃28,28の圧接力と第二音叉端子34の圧接刃28,28の圧接力をそれぞれ利用することにより、第一音叉端子26および第二音叉端子34のそれぞれとヒューズ56を安定的に接続することが出来、従来の基板間接続端子のように、両プリント基板の相互の位置ずれに起因する半田クラックの発生も回避することが出来て、第一プリント基板18と第二プリント基板20との接続信頼性を向上することが出来る。そして、両プリント基板間の接続のみに用いられる基板間接続端子を不要とすることによって、部品点数の削減を図ることが出来る。
【0031】
更にまた、本実施形態においては、第一音叉端子26および第二音叉端子34が、第一プリント基板18および第二プリント基板20のそれぞれの周縁部22,24に立設されている。これにより、第一プリント基板18および第二プリント基板20の有効スペースをより有利に確保することが出来て、第一プリント基板18および第二プリント基板20をより有効に利用することが出来ると共に、プリント基板積層体10の小型化を図ることも出来る。
【0032】
加えて、第二プリント基板20の周縁部24を、第一プリント基板18の周縁部22よりも内方に位置させることで、両周縁部24,22に立設された第二音叉端子34と第一音叉端子26を相互に対向配置することが可能とされており、特に第二プリント基板20において第一音叉端子26を上方に突出させるために挿通孔等を貫設する必要もなく、第二プリント基板20の強度を確保することが出来ると共に、第一プリント基板18および第二プリント基板20の形状を簡易なものにして、製造コストの低減を図ることが出来る。更に、第一音叉端子26の圧接刃28,28と第二音叉端子34の圧接刃28,28が、ヒューズ56の差し込み方向(図3中、上方から下方)で等しく位置されていることから、ヒューズ56として、従来から広く用いられている汎用品を利用することが出来、製造コストの低減を図ることが出来ると共に、ヒューズ56の接続部57,57を第一音叉端子26と第二音叉端子34に同時に接続することが出来て、接続作業をより円滑に行うことが出来る。
【0033】
次に、図5に、本発明の第二の実施形態としてのプリント基板積層体70の要部の上面を示す。なお、以下の説明において、前記第一の実施形態と同様の構造とされた部材および部位においては、図中に前記第一の実施形態と同一の符号を付することにより、その説明を省略する。
【0034】
本実施形態における第一プリント基板18と第二プリント基板20は、上面視において互いに略同じ大きさとされている。そして、第二プリント基板20の中央部分に貫通孔72が貫設されており、第一プリント基板18に突設された第一音叉端子26が、貫通孔72を通じて第二プリント基板20の上方に突出されて、第二プリント基板20に突設された第二音叉端子34と対向配置されている。このように、第一音叉端子26および第二音叉端子34は、第一プリント基板18および第二プリント基板20の周縁部以外に配設されていても良い。
【0035】
そして、本実施形態の第一音叉端子26と第二音叉端子34には、導通部材としてのショートピン74が接続されている。詳細な図示は省略するが、ショートピン74は前記ヒューズ56と同様の外形状を有しており、ヒューズ56の接続部57,57と同様の形状とされた一対の接続部76,76が、溶断部を介することなく接続されている。このようなショートピン74の接続部76,76が、前記ヒューズ56と同様に第一音叉端子26の圧接刃28,28の間で圧接されると共に、第二音叉端子34の圧接刃28,28の間で圧接されることにより、第一音叉端子26と第二音叉端子34が、ショートピン74を介して相互に導通されるようになっている。このように、導通部材はヒューズに限定されることはない。また、ヒューズ56とショートピン74を共に用いることも可能であり、複数の第一音叉端子26と第二音叉端子34の対に対して、ヒューズ56とショートピン74を選択的に用いても良い。
【0036】
次に、図6に、本発明の第三の実施形態としてのプリント基板積層体80の要部の上面を示す。本実施形態における第一プリント基板18と第二プリント基板20は互いに略同じ大きさとされており、第一プリント基板18の周縁部22の上方に、第二プリント基板20の周縁部24が隙間を隔てて配設されている。そして、第二プリント基板20の周縁部24には、第二プリント基板20の内方に入り込む切欠82が形成されており、第一プリント基板18の周縁部22に立設された第一音叉端子26が、切欠82を通じて第二プリント基板20の上方に突出されて、第二プリント基板20の周縁部24に立設された第二音叉端子34と対向位置されている。本実施形態のように、第二プリント基板20の周縁部24に切欠82を設けることで、第一音叉端子26を上方に突出させることも出来る。なお、図6においては、複数の第一音叉端子26が共通の切欠82内に配設されているが、各第一音叉端子26毎に切欠82を形成することも勿論可能である。
【0037】
また、本実施形態の第一音叉端子26と第二音叉端子34には、導通部材としてのバスバー84が接続されている。バスバー84は、金属板が打ち抜き加工されて形成された、平板形状を有している。詳細な図示は省略するが、バスバー84は、例えば長手矩形の平板形状とされていても良いし、必要に応じて、前記ヒューズ56の接続部57,57と同様のタブ形状の接続部を突出形成する等しても良い。このようなバスバー84が第一音叉端子26の圧接刃28,28の間と第二音叉端子34の圧接刃28,28の間で圧接されることにより、バスバー84を介して、第一音叉端子26と第二音叉端子34が相互に導通されている。なお、本実施形態において、バスバー84に代えて、前記ヒューズ56やショートピン74を用いることも勿論可能である。
【0038】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、第一音叉端子の圧接刃と、第二音叉端子の圧接刃は、必ずしも第一プリント基板と第二プリント基板の対向方向で互いに等しい位置に配設されている必要はなく、第一音叉端子と第二音叉端子を互いに同形状として圧接刃の位置をずらして配設すると共に、導通部材の接続部を長くする等しても良い。
【0039】
また、前記第一の実施形態における第二プリント基板20は、周縁部24が全周に亘って第一プリント基板18の内方に位置されていたが、例えば、周縁部24の一辺のみを第一プリント基板18の内方に位置させて、該辺部のみに第一音叉端子26と第二音叉端子34を配設する等しても良い。
【0040】
更にまた、前記実施形態における第一音叉端子と第二音叉端子の数や、プリント配線の配索形状等が例示であることは言うまでもなく、第一音叉端子と第二音叉端子の数や配設位置、プリント配線の配索形状等は、任意に設定され得るものである。
【符号の説明】
【0041】
10,70,80:プリント基板積層体、12:電気接続箱、14:アッパケース、16:ロアケース、18:第一プリント基板、20:第二プリント基板、22:周縁部(第一プリント基板)、24:周縁部(第二プリント基板)、26:第一音叉端子、28:圧接刃、32:プリント配線(第一のプリント配線)、34:第二音叉端子、36:プリント配線(第二のプリント配線)、56:ヒューズ(導通部材)、57:接続部、58:入力用コネクタ、60:出力用コネクタ、72:貫通孔、74:ショートピン(導通部材)、76:接続部、84:バスバー(導通部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6