特許第6015941号(P6015941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6015941-食用畜肉塊の除毛装置 図000002
  • 特許6015941-食用畜肉塊の除毛装置 図000003
  • 特許6015941-食用畜肉塊の除毛装置 図000004
  • 特許6015941-食用畜肉塊の除毛装置 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015941
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】食用畜肉塊の除毛装置
(51)【国際特許分類】
   A22B 5/08 20060101AFI20161013BHJP
【FI】
   A22B5/08
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-6853(P2013-6853)
(22)【出願日】2013年1月18日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3177183号
【原出願日】2012年3月26日
(65)【公開番号】特開2013-215186(P2013-215186A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年2月2日
(31)【優先権主張番号】実願2012-613(U2012-613)
(32)【優先日】2012年2月7日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592051187
【氏名又は名称】マトヤ技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000039
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人 衞藤法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】益留 福一
【審査官】 木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04267713(US,A)
【文献】 特開昭50−031002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22B 5/08
C14B 1/02
C14C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
豚足等の食肉塊と温水が投入される筒状容器と、この筒状容器内に回転可能に軸支された攪拌体とからなる水槽式除毛装置において、前記筒状容器の内壁が平面視で多角形状に形成されると共に、防錆処理された金属製で且つ少なくともその一部に粗地面又は凹凸が形成されていることを特徴とする食用肉塊除毛装置。
【請求項2】
内壁が縞鋼板、エンボス加工板又は波板エキスパンドメタルなど凹凸を有する金属であることを特徴とする請求項1記載の食用肉塊除毛装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体毛が付着した畜肉塊、例えば、豚足表皮の除毛作業に使用する食用畜肉塊の除毛装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食用に供する畜肉の体毛の除去にあたって、枝肉にする身体の部分に対しては大型の除毛機が既に使用されている。一方、副生部位の耳、足、鼻、尻尾等を食用にするためにも除毛しなければならない。従来から、これらに部位の除毛は人手による擦り合わせ作業による方法が主体であり、効率的に除毛する機械がなかったことから、衛生的且つ確実に除毛ができる構造を持つ除毛装置が嘱望されていた。そこで、例えば、と畜後の畜体の皮剥作業に先立って、体毛を焼却して除去する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、豚足等の副生部位の除毛に特定すれば、豚足を搬送しながら火炎バーナーで焼き取る装置(例えば、特許文献2〜4参照。)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−231438号公報
【特許文献2】実公平6−4706号公報
【特許文献3】特開2003−310143号公報
【特許文献4】特開2006−6160号公報
【0004】
また、豚足の表皮の畜毛除去に関してのみ言えば、内部に回転羽根が軸支された筒状形水槽の内周面に砥石や固化したセメントのような研磨壁を貼り付け、水槽に投入した豚足の畜毛を、この研磨壁によって擦り切って除毛するという装置(以下、水槽式除毛装置という)が提案されている。しかしながら、この装置は砥石の継ぎ目に除毛した畜毛が挟まって残留し、清掃してもなかなか装置から取り除くことができないという問題、また、砥石やセメントの粉砕粒が食肉に混入するおそれがあり、衛生的な処理装置であるとは言い難い面があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、水槽式の除毛装置における砥石やセメントの粉砕粒の食肉への混入を確実に防止し、且つ徐毛した畜毛が研磨壁に残留することがなく、清掃が容易で衛生的に除毛処理することができる食用畜肉塊の除毛装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため本発明の食用畜肉塊の除毛装置は、豚足等の食肉塊と温水が投入される筒状容器と、この筒状容器内に回転可能に軸支された攪拌体とからなる水槽式除毛装置において、前記筒状容器の内壁が平面視で多角形状に形成されると共に、防錆処理された金属製で且つ少なくともその一部に粗地面又は凹凸が形成されていることを第1の特徴とする。また、内壁が縞鋼板、エンボス加工板又は波板エキスパンドメタルなど凹凸を有する金属であることを第2の特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は以上のように構成したので、以下のような優れた効果を有する。
(1)砥石やセメントと同様の除毛効果が得られるばかりでなく、その粉砕粒が食肉に混入することがない。
(2)砥石の継ぎ目に除毛した畜毛が挟まって残留することがなくなり、清掃が容易で衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る食用畜肉塊の除毛装置を示す(a)は平面図、(b)は正面図である。
図2】本発明に係る研磨壁の表面形状を示す(a)は縞鋼板、(b)はエンボス加工、(c)は波板を使用した場合の各表面拡大図、(d)は(c)のA−A線断面図である。
図3】本発明に係る水槽の内壁面の他の実施例を示す平面図である。
図4】本発明に係る水槽の他の内壁形状を示す(a)は正八角形状、(b)は正六角形状にした場合の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明の実施の形態を説明する。尚、説明を簡略化するために、食用畜肉塊を単に豚足と記載する。
【実施例】
【0010】
図1に示すように、本発明に係る食用畜肉塊の除毛装置は、豚足を収容できる直径600mmから1000mm位の筒状の容器(以下、水槽1という)の底部に、その中央を回転可能に軸支される回転盤2が設けられ、この回転盤2には支軸4から放射状に複数の攪拌羽根3が上方に向かって突設されており、この回転盤2によって旋回流を発生させる構造にされている。
【0011】
また、水槽1は防錆処理されたステンレス等の金属製で、同様の素材により水槽1の内周全面又は一部に粗地面又は凹凸Sが形成された内壁1aが設けられている。粗地面又は凹凸Sとしては、図2及び図3に示すように、縞鋼板、エンボス加工板、波板等の既成の板が好適に使用されるが、水槽1の内壁面に直接凹凸を刻設するようにしてもよい。尚、粗地面又は凹凸Sは、内壁1aの全面に形成されるものではなく、所望する除毛効果が得られるのであれば、その一部分に形成されるものでもよい。




【0012】
尚、水槽1は必ずしも円筒状である必要はなく、図4(a)(b)に示すように、少なくともその内壁面が八角形や六角形といった多角形状であれば、内壁面に粗地面又は凹凸Sを形成してもよいがしなくてもよい。
【0013】
水槽1に投入された複数の豚足は、温水をかけながら、若しくは温水に浸漬された状態で攪拌される。すなわち、水槽1の底部で回転する回転盤2に設けられた攪拌羽根3の回転で発生する旋回流が、水槽1の豚足を旋回させながら移動させるので、豚足の畜毛を擦り切るように除毛すると共に洗浄する。加えてこの旋回流は、回転盤2の中心軸の周りで、水槽1の上方の水面から下方向に向かって対流するので、水槽1上面側の豚足は、順次中心軸方向に誘導されて、旋回流に入り、投入した複数の豚足を均しく除毛かつ洗浄することができる。
【0014】
すなわち、水槽1に投入された複数の豚足は底部で回転する凹凸状の回転盤2によって回動され、水槽1の内壁1aで摩擦抵抗を受け、内壁1aの粗地面や凹凸Sや内角Rの働きで上下動しながら、上から下に潜り込む動きをする。このとき、豚足同士が互いに擦り合って畜毛が抜ける。除毛した畜毛は回転盤2と、水槽1の隙間から排水管7を介して外部に流出される。
【0015】
除毛が完了した豚足は、回転盤2を停止した状態で、水槽側面にある製品取出し扉6を開き取り出す。
【0016】
尚、豚足の食品衛生を重視して、筒状容器(水槽)1内部及び製品に接する部分の材質はすべて防錆処理された金属、例えば、ステンレスを用いるのが好ましい。
【符号の説明】
【0017】
1 筒状容器(水槽)
1a 内壁
1b 蓋体
2 回転盤
3 攪拌羽根
4 回転軸(支軸)
5 底板駆動部
6 製品取出し扉
7 排水管
S 内壁の粗地面や凹凸
R 水槽の内角
図1
図2
図3
図4