(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
製鋼スラグ、ポルトランドセメント、高炉セメントおよび高炉スラグ微粉末から選ばれる1種以上の原材料を水和反応により硬化させた固化体のアルカリ成分の溶出性を、下記式で表わされるA値を用いて評価することを特徴とする固化体の品質管理方法。
記
A値=W/(PC+0.9×BC+0.7×BP+CH+1.36×C+SS*)
ここで、W:単位水量と骨材に吸水される水量の合計値(kg/m3)
PC:単位ポルトランドセメント量(kg/m3)
BC:単位高炉セメント量(kg/m3)
BP:単位高炉スラグ微粉末量(kg/m3)
CH:単位消石灰量(kg/m3)
C:単位石灰量(kg/m3)
SS*:0.15mm以下の単位製鋼スラグ量(kg/m3)
【背景技術】
【0002】
鉄鋼製造プロセスにおいては、副産物として大量の鉄鋼スラグが発生する。これらの鉄鋼スラグには、高炉から発生する高炉スラグと、転炉や電気炉から発生する製鋼スラグがあり、古くから、骨材や路盤材、セメント原料等として再利用されている。
【0003】
ところで、上記鉄鋼スラグのうち、製鋼スラグは、フリーなCaOやMgOを含み、これらの酸化物が水と反応すると膨張する特性があり、コンクリートのような固化体への適用は、膨張によるひび割れの懸念から、再利用を促進する障害となっていた。しかし、この問題は、膨張割れを起こさないための安定性の評価方法や品質基準が確立された(特許文献1〜4参照)ことに伴いほぼ解消され、高炉スラグやセメントを硬化剤(結合材)として用いるとともに、製鋼スラグを骨材として用い、コンクリートと同様の調合設計および取り扱いを可能とした鉄鋼スラグ水和固化体が開発され、非特許文献1に示す技術マニュアルが開示されるまでに至っている。その結果、製鋼スラグは、消波ブロックや道路用縁石ブロック、被覆ブロック等のコンクリート製品代替、人工石等の天然石代替等として利用されるようになってきている。
【0004】
しかし、上記のように、製鋼スラグはCaOやMgOのアルカリ成分を多く含むこと、また、結合材のセメントや高炉スラグ微粉末もCaO等のアルカリ成分を含むため、これらを結合材の水和反応により固化したコンクリート等の固化体は、水と接触させるとその水がアルカリ性を呈することから、使用範囲が制限されたり、固化体製造後、すぐに出荷したり、使用したりすることができないという問題があった。なお、固化体を海水や水に浸漬した際のpH値は、非特許文献1や非特許文献2等から、固化体の原材料の配合比率により変化することは、定性的には理解されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記非特許文献1や2には、固化体の原材料の配合割合や、固化体にした後の経過時間(養生時間)によって、溶出水のpH値がどのように変化するのかについてはまったく開示されていない。そのため、コンクリート等の固化体を出荷したり、使用を開始したりする場合には、予め固化体のアルカリ成分の溶出性を調べ、不合格の場合には、例えば、固化体を海水で洗浄してアルカリ成分の溶出を下げる等の措置を施した後、出荷や使用に供していた。そのため、製鋼スラグを用いた固化体やコンクリートは、出荷時や使用開始時における負荷が大きいという問題があった。
【0008】
本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、製鋼スラグを用いた固化体やコンクリートからのアルカリ成分の溶出性を的確に予測することができる固化体の品質管理方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者らは、上記課題の解決に向けて、製鋼スラグを使用した固化体やコンクリートの原材料の配合割合および固化体にした後の経過時間(養生時間)がアルカリ成分の溶出性に及ぼす影響を数多くの実験を行い調査した。その結果、アルカリ成分の溶出性は、固化体の原材料の中の結合材の種類と配合割合および製造時の固化体中の含水量(示方配合における単位水量と、骨材が飽水可能な水の合計量)と相関があり、これらを関連づけることによりアルカリ成分の溶出性を精度よく予測することができることを見出し、本発明を開発した。
【0010】
すなわち、本発明は、製鋼スラグ、ポルトランドセメント、高炉セメントおよび高炉スラグ微粉
末から選ばれる1種以上の原材料を水和反応により硬化させた固化体のアルカリ成分の溶出性を、下記式;
A値=W/(PC+0.9×BC+0.7×BP+CH+1.36×C+SS
*)
ここで、W:単位水量と骨材に吸水される水量の合計値(kg/m
3)
PC:単位ポルトランドセメント量(kg/m
3)
BC:単位高炉セメント量(kg/m
3)
BP:単位高炉スラグ微粉末量(kg/m
3)
CH:単位消石灰量(kg/m
3)
C:単位石灰量(kg/m
3)
SS
*:0.15mm以下の単位製鋼スラグ量(kg/m
3)
で表わされるA値を用いて評価することを特徴とする固化体の品質管理方法である。
本発明の上記固化体の品質管理方法は、上記固化体の原材料に、消石灰または/および石灰を添加することを特徴とする。
【0011】
本発明の上記固化体の品質管理方法は、上記A値に基いて、固化体製造から出荷までまたは使用開始までの大気中養生時間を管理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、製鋼スラグを用いた固化体やコンクリートからのアルカリ成分の溶出性の定量的な予測を精度良く行うことができるので、固化体の原材料配合を決定する設計段階から必要な大気中養生時間を把握でき、安定した出荷や供用が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、本発明を開発するに至った実験および検討結果について説明する。
ポルトランドセメント、高炉セメント、高炉スラグ微粉末、消石灰、石灰およびフライアッシュを表1に示す配合割合で混練し、直径:100mmφ×高さ:220mmの型枠(体積:1.57L)に打ち込み、24時間経過後、型枠を取り外した。その後、20℃に保持した室内の大気中で所定の時間、具体的には、型枠を取り外してから7日、28日および91日間養生した。次いで、上記の所定時間養生した固化体を、固化体の体積の15倍の容量の人工海水中に浸漬し、人工海水のpHの経時変化を2週間にわたって測定し、その間に測定されたpHの最大値pH
maxを調査した。
【0017】
上記pHの最大値pH
maxの測定結果について表1に併記した。また、上記表1中に示した配合1〜4のpH
maxと、大気中における養生時間との関係を
図1に示した。なお、参考として、人工海水中で28日間浸漬した固化体のpH
maxの測定結果についても図中に示した。なお、上記人工海水のpH値は、人工海水中に浸漬した後7日目前後で最大となり、その後、低下する傾向が認められた。
【0018】
上記表1および
図1から、固化体の原料の配合割合によってpH
maxは変化するが、いずれの配合割合の場合でも、大気中での養生時間が長くなるのにしたがって、pH
maxの値は人工海水の初期のpH値(8.2)に近づいていくこと、しかし、人工海水中で28日間浸漬した場合には、各配合とも大気中で7日間養生した場合よりも高いpH
maxを示していることがわかる。この原因は、固化体を大気中で養生した場合には、固化体の表面に露出したアルカリ成分(主に、CaO成分)が大気中の二酸化炭素と反応して炭酸化するため、溶出が抑制されるのに対して、人工海水中(水中)では、上記反応はほとんど望めないためであると考えられる。また、海水のpHは、固化体からのアルカリ成分の溶出速度と大気中の炭酸ガスが溶け込むことによる海水の中和速度とのバランスで決まると推定され、pH
maxの値が、浸漬後7日目前後で現れる理由は、これ以降では、海水の中和速度が固化体からのアルカリ成分の溶出速度を上回るためと考えられる。
【0019】
ここで、上記表1中に示した配合割合の項目(W
0,PC,BC,BP,CH,C,FA,SS,S,G)について説明する。
W
0:W
0は、1m
3の固化体を作るのに必要な単位水量(kg/m
3)、すなわち、固化体製造時に示方配合に示された単位水量のことである。ただし、W
0は、骨材(表1におけるSS(0.15−5mm)、SS(5−20mm)、S、G)を表面乾燥飽水状態とした場合の値であり、骨材中に含まれる水量は含まない。
PC:PCは、単位ポルトランドセメント量(kg/m
3)のことであり、上記ポルトランドセメントとは、JIS R5210に規定された「ポルトランドセメント」のことを意味する。
BC:BCは、単位高炉セメント量(kg/m
3)のことであり、上記高炉セメントとは、JIS R5211に規定された「高炉セメント」のことを意味する。
BP:BPは、単位高炉スラグ微粉末量(kg/m
3)のことであり、上記高炉スラグ微粉末とは、JIS A6206に規定された「コンクリート用高炉スラグ微粉末」のことを意味する。
CH:CHは、単位消石灰量(kg/m
3)のことであり、上記消石灰とは、JIS R9001に規定された「工業用石灰」における消石灰のうちの「特号」(Ca(OH)
2濃度≧72.5%)のことを意味するが、これに限定されない。
C:Cは、単位石灰量(kg/m
3)のことであり、上記石灰とは、JIS R9001「工業用石灰」における生石灰のうちの「特号」(CaO濃度≧93%)のことを意味するが、これに限定されない。
FA:FAは、フライアッシュ(石炭を燃料したときに発生する微粒子の灰)のことである。
SS:SSは、単位製鋼スラグ量(kg/m
3)のことである。なお、表1中には、SSを、篩分け法で測定した粒径で、0.15mm以下、0.15〜5mmおよび5〜20mmの3つに分けて示した。
S:Sは、篩分け法で測定した粒径が5mm以下の天然の細骨材の単位量(kg/m
3)のことである。
G:Gは、篩分け法で測定した粒径が5〜20mmの天然の粗骨材の単位量(kg/m
3)のことである。
【0020】
次いで、発明者らは、最大pH値pH
maxに及ぼす各種因子の影響を定量化するため、表1に示した原材料の配合割合の他に、pHに関係すると考えられる種々の因子、例えば、示方配合における単位水量や骨材中に吸収され得る水量等を加味して重回帰分析を繰り返して行った。その結果、上記pH
maxと下記式で表されるパラメータA値との間に、
図2に示したように、極めてよい相関があることを見出した。
記
A値=W/(PC+0.9×BC+0.7×BP+CH+1.36×C+SS
*)
ここで、W:単位水量W
0と骨材に吸水される水量W
kの合計値(kg/m
3)
PC:単位ポルトランドセメント量(kg/m
3)
BC:単位高炉セメント量(kg/m
3)
BP:単位高炉スラグ微粉末量(kg/m
3)
CH:単位消石灰量(kg/m
3)
C:単位石灰量(kg/m
3)
SS
*:0.15mm以下の単位製鋼スラグ量(kg/m
3)
【0021】
図2から、固化体の配合割合が変化しても、人工海水中に浸漬したときに現れるpHの最大値pH
maxは、A値とよい相関があり、同じ大気中の養生時間では、A値が高いほどpH
maxは低くなること、また、同じA値を有する固化体では、大気中での養生時間が長いほどpH
maxの値は低くなること、したがって、pH
maxを低く抑える、すなわち、アルカリ成分の溶出を抑制するためには、固化体のA値が高くなるように配合比率を設計する、および/または、大気中での養生時間を長くすればよいことがわかる。
【0022】
たとえば、固化体の出荷判定基準または供用開始基準を、pH
maxの値が海水と同じpH=8.2となるときとした場合、A値が1.04以上の固化体は、大気中で7日以上養生すればよいのに対して、A値が0.96以上であるときには、大気中で91日以上養生すればよいことがわかる。
【0023】
ここで、上記A値を求める式中の新たな符号WおよびSS*について説明する。
W:Wは、前述した単位水量W
0と、骨材が表面乾燥飽水状態において骨材中に含まれる水量W
kの合計値(kg/m
3)のことである。上記W
kは、固化体1m
3の中の骨材中に含まれる単位水量(kg/m
3)のことであり、JIS A1109「細骨材の密度および吸水率試験方法」や、JIS A1110「粗骨材の密度および吸水率試験方法」に記載されている骨材の吸水率に相当する。なお、本発明では、上記細骨材や粗骨材に含まれる水量の他に、大きさが0.15mm以上の大きさの製鋼スラグSS中に含まれる水量も含む。
SS
*:SS
*は、0.15mm以下の単位製鋼スラグ量(kg/m
3)のことである。A値の計算に、大きさが0.15mm以下の製鋼スラグの単位質量のみを用いる理由は、固化体のアルカリの溶出性に影響を及ぼすのは、表面積が大きい0.15mm以下の微粒分であるためである。なお、固化体の原材料として製鋼スラグを使用しない場合には、SSを0(ゼロ)として計算すればよい。したがって、本発明の固化体には、製鋼スラグを使用しないものも含まれる。この例としては、表1における天然骨材と普通ポルトランドセメントを使用した配合No.1や天然骨材と高炉セメントを使用した配合No.2が挙げられる。
【0024】
なお、上記A値を計算するに当たり、考慮すべき点について説明する。
BC:高炉セメントには、A種、B種、C種の三種類があるが、B種が使用されるのが一般的であることから、上記式中の係数にはB種の値を示している。B種に代えて、A種やC種を用いる場合には、B種の高炉スラグ微粉末の配合率に対するA種またはC種中の高炉スラグ微粉末の配合率の比を、上記係数に掛けた値を用いればよい。
CH:JIS R9001に規定された「工業用石灰」の「特号」(Ca(OH)
2濃度≧72.5%)よりも水酸化カルシウム濃度が低い消石灰を用いる場合には、式中の係数を補正する必要がある。たとえば、使用する消石灰の水酸化カルシウム濃度が60%の場合には、「60/72.5=0.83」を式中のCHの係数に掛ければよい。
C:同様に、JIS R9001「工業用石灰」の「特号」(CaO濃度≧93%)よりも酸化カルシウム濃度が低い生石灰を用いる場合には、前述した消石灰のときと同様にして式中のCの係数を補正すればよい。
本発明は、上記の新規な知見に基いて開発したものである。
【0025】
次に、本発明の固化体やコンクリートの品質管理方法について説明する。
まず、本発明が対象とする固化体は、製鋼スラグ、ポルトランドセメント、高炉セメント、高炉スラグ微粉末、消石灰および石灰から選ばれる1種以上の原材料を水和反応により硬化させた固化体である。ただし、上記固化体は、原材料として製鋼スラグを使用しないものであってもよい。また、上記原材料の外に、フライアッシュ(FA)を含んでもよいが、FAは、A値には関与しない。
【0026】
そして、本発明の固化体やコンクリートの品質管理方法は、上記固化体の原材料の配合割合、示方配合に示された単位水量および骨材中に飽水可能な水量の値に基いて、下記式;
A値=W/(PC+0.9×BC+0.7×BP+CH+1.36×C+SS
*)
ここで、W:単位水量と骨材に吸水される水量の合計値(kg/m
3)
PC:単位ポルトランドセメント量(kg/m
3)
BC:単位高炉セメント量(kg/m
3)
BP:単位高炉スラグ微粉末量(kg/m
3)
CH:単位消石灰量(kg/m
3)
C:単位石灰量(kg/m
3)
SS
*:0.15mm以下の単位製鋼スラグ量(kg/m
3)
で表わされるA値を求め、このA値に基いて、固化体製造から出荷までまたは使用開始までの大気中養生時間を決定する。
【0027】
具体的に、A値の数値を用いて大気養生時間の管理をする場合には、海水の流れの状態等に応じて設定すればよいが、海水の流れが少ない場合でも、上記A値が1.04以上であるときは、大気中での養生時間を7日以上、上記A値が1.01以上1.04未満であるときは、大気中での養生時間を28日以上、上記A値が0.96以上1.01未満であるときは、大気中での養生時間を91日以上確保することにより、海水へ浸漬した際のpHは、変わらないか上昇したとしても僅かとなる。なお、海水の流れがあるような場所では、大気中での養生時間はさらに短くてよく、例えば、上記A値が0.90以上であるときは、大気中での養生時間を7日以上、上記A値が0.74以上0.90未満であるときは、大気中での養生時間を28日以上、上記A値が0.62以上0.74未満であるときは、大気中での養生時間を91日以上確保すれば、海水の白濁等が生じず、実用上、問題はない。
【0028】
ここで、上記大気中での養生時間とは、固化体やコンクリートの表面が、大気と接触している時間のことをいい、屋外、屋内を問わないが、水中に浸漬された時間は含まない。また、ブロック等、型枠に打ち込んで製造する場合には、型枠で覆われている時間は、養生時間に含まず、型枠を取り外した後の時間とする。また、固化体を破砕するような場合には、破砕の程度にもよるが、破砕面が新たに現れた後の時間とする。
【実施例】
【0029】
製鋼スラグを使用した固化体やコンクリートの示方配合を表2に示す範囲で種々に変化させて2トン型被覆ブロックを製造した。この際、示方配合および製造日が変わる製造ロットごとに、直径:100mmφ×高さ:200mm(体積:1.57L)の試験片を作製した。
【0030】
【表2】
【0031】
次いで、上記2トン型被覆ブロックを製品として出荷する際、出荷する製品ロットを幾つか選択し、その選択したロットの試験片を約31Lの人工海水に浸漬してpHの経時変化を測定する溶出試験を実施し、pHの最大値pH
maxが8.5以下のものを合格として出荷し、8.5超えのものは不合格とし、再度、別のロットでアルカリ溶出試験を行った。pHが8.5以下を合格とした理由は、ブロックのサイズが大きいため、海水と接触する面積が体積に対して小さく、試験においてこのpHでも実海域に設置した場合には、海水のpHがまったく上昇しないレベルであるためである。
なお、上記出荷する製品ロットの選択は、以下の2つの方法で行った。
・方法1:製造年月日が古い順に選択する(比較例)
・方法2:製造ロットの示方配合から、下記式;
A値=W/(PC+0.9×BC+0.7×BP+CH+1.36×C+SS
*)
ここで、W:単位水量と骨材に吸水される水量の合計値(kg/m
3)
PC:単位ポルトランドセメント量(kg/m
3)
BC:単位高炉セメント量(kg/m
3)
BP:単位高炉スラグ微粉末量(kg/m
3)
CH:単位消石灰量(kg/m
3)
C:単位石灰量(kg/m
3)
SS
*:0.15mm以下の単位製鋼スラグ量(kg/m
3)
を用いてA値を計算し、上記A値が1.04以上であるときは養生時間が7日以上、上記A値が1.01以上であるときは養生時間が28日以上、上記A値が0.96以上であるときは養生時間が91日以上であるものを選択する(発明例)
【0032】
上記2つの選択方法における不合格ロットの発生率を比較したところ、製造年月日が古い順に出荷する製品ロットを選択する比較例の方法では35%であったのに対し、A値を元に選択する本発明の方法では0%であった。この結果から、本発明の品質管理方法を適用することで、固化体の製品出荷を滞りなく行うことができることが確認された。