(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エンジン(11)の外側に防塵ネット(16)を有するラジエターカバー(15)を設け、エンジン(11)とラジエターカバー(15)の防塵ネット(16)の間に第一冷却器(33)を設け、該第一冷却器(33)と防塵ネット(16)との間に第二冷却器(34)を設け、第二冷却器(34)とラジエターカバー(15)は機体側に残した状態で第一冷却器(33)を後方に引き出し可能な構成とし、前記第一冷却器(33)はラジエーター(35)により構成し、ラジエーター(35)の外側には前記第二冷却器(34)を構成するオイルクーラ(36)とインタークーラ(37)とコンデンサ(38)を設け、前記ラジエーター(35)を取付けた四角枠形状のラジエータフレーム(40)に冷却用ファン(13)を取付け、ラジエーター(35)と冷却用ファン(13)とを一体で後方へ引き出し可能に構成したコンバイン。
請求項1記載の発明において、前記ラジエータフレーム(40)の内面側には軸棒形状の一対のファン取付フレーム(43)を設け、ファン取付フレーム(43)の上下両端をラジエータフレーム(40)に固定状態に取付け、一対のファン取付フレーム(43)の上下中間部にはファン支持ステー(44)を固定し、ファン支持ステー(44)に冷却用ファン(13)の回転軸(45)を軸装して冷却用ファン(13)を取付けたコンバイン。
請求項2記載の発明において、前記冷却用ファン(13)は、ファン用無段変速装置(14)によりエンジン(11)からの駆動力を無段階に変速駆動する構成とし、ラジエータフレーム(40)と冷却用ファン(13)の間の冷却用ファン(13)の回転軸(45)に設けた従動プーリ(47)とファン用無段変速装置(14)の駆動力を伝達する伝動軸(20)に設けた駆動プーリ(48)との間にベルト(50)を掛け回し、駆動プーリ(48)は側面視において冷却用ファン(13)の回転軌跡の外側に配置したコンバイン。
請求項3記載の発明において、前記ラジエータフレーム(40)には、ファン用無段変速装置(14)の伝動軸(20)を支持する軸装部材(55)を取付け、軸装部材(55)の一部はラジエータフレーム(40)に着脱自在に構成したコンバイン。
請求項4記載の発明において、前記軸装部材(55)はラジエータフレーム(40)より内側に突出する板状の第一部材(56)に、第二部材(57)のラジエータフレーム(40)と並行の並行板部(58)を固定し、第二部材(57)の左右方向の横板部(59)の外端をラジエータフレーム(40)に固定し、第二部材(57)の並行板部(58)に軸受部材(60)を着脱自在に取付けて構成したコンバイン。
請求項5記載の発明において、前記第二部材(57)にはステー(61)を設け、ステー(61)にはテンションバネ(62)の一端を係止し、テンションバネ(62)の他端を、前記ベルト(50)に張力を付与するテンションプーリ(52)のテンションアーム(63)に係止し、テンションアーム(63)の基部は第二部材(57)の並行板部(58)に軸(64)により回動自在に取付けたコンバイン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、どのようにラジエーターをエンジンフレームに着脱するかの具体的記載はないが、左右一対のエンジンフレームの内側に突出する8カ所のステーに、L型状のラジエーターの枠体を取付ける構成のため、横方向からの装着はエンジンフレームが邪魔になり、エンジンフレームのL形状のステーは対峙しているので、前後方向からの装着も容易でなく、着脱作業が面倒であるという課題がある。
本願は、ラジエーターの着脱を容易にし、メンテナンスを容易にしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、エンジン11の外側に防塵ネット16を有するラジエターカバー15を設け、エンジン11とラジエターカバー15の防塵ネット16の間に第一冷却器33を設け、該第一冷却器33と防塵ネット16との間に第二冷却器34を設け、第二冷却器34とラジエターカバー15は機体側に残した状態で第一冷却器33を後方に引き出し可能な構成とし
、前記第一冷却器33はラジエーター35により構成し、ラジエーター35の外側には前記第二冷却器34を構成するオイルクーラ36とインタークーラ37とコンデンサ38を設け、前記ラジエーター35を取付けた四角枠形状のラジエータフレーム40に冷却用ファン13を取付け、ラジエーター35と冷却用ファン13とを一体で後方へ引き出し可能に構成したコンバインとしたものであり、エンジン11とラジエターカバー15の間に、第一冷却器33を後方から出し入れして着脱し、メンテナンスを行う。
第一冷却器33となるラジエーター35の外側に第二冷却器34となるオイルクーラ36とインタークーラ37とコンデンサ38を配置する。四角枠形状のラジエータフレーム40に冷却用ファン13を取付け、ラジエータフレーム40を後方から出し入れすることにより、ラジエーター35と冷却用ファン13とを一体で着脱する。
請求項
2記載の発明は、前記ラジエータフレーム40の内面側には軸棒形状の一対のファン取付フレーム43を設け、ファン取付フレーム43の上下両端をラジエータフレーム40に固定状態に取付け、一対のファン取付フレーム43の上下中間部にはファン支持ステー44を固定し、ファン支持ステー44に冷却用ファン13の回転軸45を軸装して冷却用ファン13を取付けたコンバインとしたものであり、ラジエータフレーム40には軸棒状の一対のファン取付フレーム43を斜めに取付け、ファン取付フレーム43の間に設けたファン支持ステー44に冷却用ファン13の回転軸45を軸装する。
請求項
3記載の発明は、前記冷却用ファン13は、ファン用無段変速装置14によりエンジン11からの駆動力を無段階に変速駆動する構成とし、ラジエータフレーム40と冷却用ファン13の間の冷却用ファン13の回転軸45に設けた従動プーリ47とファン用無段変速装置14の駆動力を伝達する伝動軸20に設けた駆動プーリ48との間にベルト50を掛け回し、駆動プーリ48は側面視において冷却用ファン13の回転軌跡の外側に配置したコンバインとしたものであり、冷却用ファン13の回転軸45の従動プーリ47に掛け回すベルト50を、冷却用ファン13の回転軌跡の外側にあるファン用無段変速装置14の伝動軸20の駆動プーリ48に掛け回して装着する。
請求項
4記載の発明は、前記ラジエータフレーム40には、ファン用無段変速装置14の伝動軸20を支持する軸装部材55を取付け、軸装部材55の一部はラジエータフレーム40に着脱自在に構成したコンバインとしたものであり、軸装部材55の一部をラジエータフレーム40から外し、伝動軸20の駆動プーリ48からベルト50を外してから、ラジエータフレーム40ごとラジエーター35と冷却用ファン13を後方に引き出す。
請求項
5記載の発明は、前記軸装部材55はラジエータフレーム40より内側に突出する板状の第一部材56に、第二部材57のラジエータフレーム40と並行の並行板部58を固定し、第二部材57の左右方向の横板部59の外端をラジエータフレーム40に固定し、第二部材57の並行板部58に軸受部材60を着脱自在に取付けて構成したコンバインとしたものであり、ラジエータフレーム40に第一部材56の外端を固定し、第一部材56に第二部材57の並行板部58の一端を固定し、並行板部58の他端に横板部59の内端を固定し、横板部59の外端をラジエータフレーム40に固定し、並行板部58に軸受部材60を着脱自在に取付ける。
請求項
6記載の発明は、前記第二部材57にはステー61を設け、ステー61にはテンションバネ62の一端を係止し、テンションバネ62の他端を、前記ベルト50に張力を付与するテンションプーリ52のテンションアーム63に係止し、テンションアーム63の基部は第二部材57の並行板部58に軸64により回動自在に取付けたコンバインとしたものであり、テンションプーリ52はテンションバネ62により牽引されるテンションアーム63により付勢されてベルト50に当接する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、第一冷却器33を、エンジン11とラジエターカバー15の間に、後方から出し入れして着脱できるので、メンテナンスを容易にできる。
また、ラジエーター35の外側に第二冷却器34のオイルクーラ36とインタークーラ37とコンデンサ38を設けるので、エンジンルームの容積を広く確保できる。さらに、ラジエータフレーム40にラジエーター35と冷却用ファン13とを取付けているので、ラジエーター35と冷却用ファン13とを左右方向において互いに干渉させることなく接近させて配置でき、ラジエーター35と冷却用ファン13との設置スペースを小さくできる。
請求項
2記載の発明では、
上記請求項1記載の発明の効果に加え、冷却用ファン13の支持構成の部品点数を少なくでき、簡素にできる。
請求項
3記載の発明では、
上記請求項2記載の発明の効果に加え、冷却用ファン13の回転軌跡の外側にある駆動プーリ48にベルト50を掛け回しているので、ラジエーター35の着脱の際のベルト50の着脱を容易にでき、ラジエーター35の着脱作業全般の容易化が図ることができる。
請求項
4記載の発明では、
上記請求項3記載の発明の効果に加え、駆動プーリ48の伝動軸20がラジエータフレーム40に支持されているので、冷却用ファン13へ回転伝達する従動プーリ47と駆動プーリ48の両者が同じラジエータフレーム40に支持されることになって、従動プーリ47と駆動プーリ48との軸間距離の変動を抑制でき、ベルト50の回転伝動を安定させられ、振動発生の抑制も期待できる。
請求項
5記載の発明では、
上記請求項4記載の発明の効果に加え、軸装部材55の構成を簡素にできる。
請求項
6記載の発明では、
上記請求項5記載の発明の効果に加え、軸装部材55をベルト50のテンション機構の支持取付部材として兼用できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の作業車両をコンバインの例にて図面により説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は走行装置、3は走行装置2の上方の一側に設けた脱穀装置、4は刈取装置、5は脱穀装置4の側方に設けたグレンタンク、6は操縦部である。
操縦部6は、作業者の立つフロア7および作業者の着座する運転座席8および運転座席8の前側に設けたスイッチやレバー類を有する操作ボックス等により構成する。
操縦部6の運転座席8の周囲は所謂キャビン10により包囲し、運転座席8の下方(後側)付近にはエンジン11を設ける。12はエンジンルームである。
エンジン11の外側(走行方向右側)にはエンジン冷却用ファン13を設ける。
前記冷却用ファン13はエンジン11の駆動回転を無段階に変速するファン用無段変速装置(H.S.T)14により正逆駆動回転させる。
前記ファン用無段変速装置14は、前記冷却用ファン13を機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する冷却状態と、前記冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する除塵状態とに切替自在に構成する。
即ち、ファン用無段変速装置14は、通常作業時で冷却用ファン13を、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転させ、所定の場合に、ファン用無段変速装置14から逆回転を出力して冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転させ、後述するラジエターカバー15の防塵ネット16の表側に付着している藁屑や塵埃等の付着物を吹散させて除去する。
【0009】
前記ファン用無段変速装置14はエンジン11の上方内側に配置し、ファン用無段変速装置14からの駆動力が伝達する伝動軸20をエンジン11の上方に設ける。
前記ファン用無段変速装置14は、前記走行装置2へエンジン11の駆動を伝達するミッションケース21に前側支持フレーム22により支持すると共に、前記刈取装置4を上下回動自在に支持する刈取懸架台23に後側支持フレーム24により支持する(
図2,
図3)。
そのため、強固にファン用無段変速装置14を支持することができる。
また、ファン用無段変速装置14は、操縦部6の運転座席8を支持する操作席フレーム30とは別個に支持することになって、運転座席8に伝わるエンジン11からの振動を減少させられる。
即ち、以前では、ファン用無段変速装置14を、運転座席8を支持する操作席フレーム操作席フレーム30に取り付けていたので、エンジン11からの振動がファン用無段変速装置14を介して運転座席8に伝わっていたが、本願ではこれを防止する。
25はミッションケース21に設けたステー、25Aは駆動プーリ、25Bは従動プーリ、25Cはベルト、25Dはテンションプーリである(
図3)。
【0010】
エンジン11とラジエターカバー15の防塵ネット16の間に第一冷却器33を設け、該第一冷却器33と防塵ネット16との間に第二冷却器34を設け、第二冷却器34とラジエターカバー15は機体側に残した状態で第一冷却器33を後方に引き出し可能に構成する。
そのため、第一冷却器33を機体から容易に着脱できて、メンテナンスを容易にする。
また、第一冷却器33を後方に引き出すと、第二冷却器34の内側面の内側に開放空間が形成されて、メンテナンスを容易にする。
前記第一冷却器33はラジエーター35により構成し、ラジエーター35は冷却用ファン13の外側に設ける。
ラジエーター35の外側にはオイルクーラ36等により構成した前記第二冷却器34を設ける。前記第二冷却器34の構成は、任意であり、オイルクーラ36とインタークーラ37とコンデンサ38の何れかあるいは全部を有し、第二冷却器34は、その構成要素を防塵ネット16と第一冷却器33との間に配置すればよい。
【0011】
ラジエーター35は四角枠形状のラジエータフレーム40に取付け、ラジエータフレーム40に冷却用ファン13を取付け、ラジエーター35と冷却用ファン13とを一体で後方へ引き出し可能に構成する。
そのため、ラジエータフレーム40に冷却用ファン13を取付けているので、ラジエーター35と冷却用ファン13とを左右方向において互いに干渉させることなく接近させて配置でき、ラジエーター35と冷却用ファン13との設置スペースを小さくできる。
ラジエーター35と冷却用ファン13とを一体で後方へ引き出すので、ラジエーター35と冷却用ファン13との着脱を容易にできる。
ラジエーター35と共に冷却用ファン13も後方へ引き出すので、第二冷却器34の内側面の内側のメンテナンススペースを広くし、メンテナンスを容易にする。
ラジエータフレーム40は、ラジエーター35を収容しうる左右幅を有する上下枠41と前後枠42により四角枠形状に形成する。
【0012】
ラジエータフレーム40の内面側には軸棒形状の一対のファン取付フレーム43を設ける。各ファン取付フレーム43は前側を高く後側を低く傾斜させ、ファン取付フレーム43の上下両端をラジエータフレーム40に固定状態に取付ける。一対のファン取付フレーム43の上下中間部にはファン支持ステー44を固定し、ファン支持ステー44に冷却用ファン13の回転軸45を軸装して冷却用ファン13を取付ける。
各ファン取付フレーム43の上部は後述する軸装部材55またはラジエータフレーム40の縦板部42Aに固定し、各ファン取付フレーム43の下部は縦板部42Aに固定する。
ファン取付フレーム43と冷却用ファン13の間の回転軸45には従動プーリ47を取付け、従動プーリ47と前記ファン用無段変速装置14の駆動力を伝達する伝動軸伝動軸20に設けた駆動プーリ48との間にベルト50を掛け回す。
この駆動プーリ駆動プーリ48は、側面視において、冷却用ファン13の回転軌跡の外側に配置する。
ラジエーター35と冷却用ファン13を後方引出する際に、従動プーリ47と駆動プーリ48の間のベルト50を外す必要があるが、駆動プーリ48を冷却用ファン13の回転軌跡の外側に配置しているので、ベルト50の着脱を容易にして、ラジエーター35と冷却用ファン13の着脱作業を容易にする。
【0013】
ラジエータフレーム40には冷却用ファン13の外周周縁を包囲するシュラウド51とベルト50に当接させたテンションプーリ52を取付ける。
そのため、冷却用ファン13およびファン支持ステー44とラジエーター35とをラジエータフレーム40に一体状に組み付けてユニット化でき、部品点数を削減し、一体での着脱を容易にする。
ラジエータフレーム40には、ファン用無段変速装置14の伝動軸20を支持する軸装部材55を取付け、軸装部材55の一部はラジエータフレーム40に着脱自在に構成する。
そのため、伝動軸20がラジエータフレーム40に支持されているので、冷却用ファン13へ回転伝達する従動プーリ47と駆動プーリ48の両者が同じラジエータフレーム40に支持されることになって、従動プーリ47と駆動プーリ48との軸間距離の変動を抑制でき、ベルト50の回転伝動を安定させられ、振動発生の抑制も期待できる。
軸装部材55はラジエータフレーム40より内側に突出する板状の第一部材56に、第二部材57のラジエータフレーム40と並行の並行板部58を固定し、第二部材57の左右方向の横板部59の外端をラジエータフレーム40に固定し、第二部材57の並行板部58に軸受部材60を着脱自在に取付けて構成する。
そのため、軸受部材60を並行板部58から外すと、ベルト50を外すことができる。
【0014】
前記第二部材57にはステー61を設け、ステー61にはテンションバネ62の一端を係止し、テンションバネ62の他端をテンションプーリ52のテンションアーム63に係止する。テンションアーム63の基部は第二部材57の並行板部58に軸64により回動自在に取付ける。
したがって、テンションプーリ52を緩めて、軸受部材60を軸装部材55から外して、駆動プーリ48からベルト50を外すと、ベルト50をラジエータフレーム40側に付けた状態で冷却用ファン13とラジエーター35をラジエータフレーム40ごと後方にスライドさせて着脱する。
一対のファン取付フレーム43のうち、上側のファン取付フレーム43の上部は第二部材57の横板部59に固定し、下側のファン取付フレーム43の上部は第二部材57のステー61に固定する。
そのため、軸装部材55は、ベルト50のテンション機構と冷却用ファン13のファン取付フレーム43の取付部材を兼用し、部品点数を削減する。
ラジエーター35の上方の操作席フレーム30にはエアクリーナー66を設ける。エアクリーナー66はラジエターカバー15側にエレメント用カバー67を設け、エアクリーナー66の反ラジエターカバー15側にダスト排出口68を設ける。
【0015】
そのため、ラジエターカバー15を開き、エレメント用カバー67を開けると、エアクリーナー66のエレメントを交換でき、メンテナンスを容易にする。
また、エアクリーナー66の反ラジエターカバー15側にダスト排出口68を設けているので、ラジエーター35から離れた箇所でエアクリーナー66のダストを排出させられ、ラジエーター35にダストが付着するのを抑制する。
ラジエーター35の外側に第二冷却器34の一部を構成するオイルクーラ36およびインタークーラ37を設け、オイルクーラ36およびインタークーラ37の外側に第二冷却器34の一部を構成するコンデンサ38を設ける。コンデンサ38はコンデンサ38の上部に配管70を接続し、コンデンサ38の下部は支持部材71の取付部72に止着部材(図示省略)により着脱自在に取付ける。
そのため、オイルクーラ36およびコンデンサ38をラジエーター35の外側に配置することができ、エンジンルーム12の容積を拡大させられる。
また、コンデンサ38はコンデンサ38の下部を支持部材71の取付部72から外すと、配管70を支点にして上方回動する構成としている。
そのため、配管70を支点にしてコンデンサ38を上方回動させると、オイルクーラ36の側面を開放して空間を形成することができ、コンデンサ38およびオイルクーラ36のメンテナンスを容易にする。
【0016】
しかして、操縦部6の操縦者が乗るフロア7の下方の空間76内にはメインフィルタ77とプレフィルタ78を設け、プレフィルタ78には手動ポンプ79を設ける。
所謂コモンレール型エンジン11を採用している本願では、エンジンストップ等の理由に起因して燃料タンク(図示省略)とエンジン11とを接続する燃料ホース(図示省略)内に空気泡(エアー)が発生し、この空気泡(エアー)を抜いて燃料をエンジン11に送る手動ポンプ79の設置が必要となるが、この手動ポンプ79とメインフィルタ77およびプレフィルタ78をフロア7の下方の空間76内に設ける。
そのため、燃料ホース内に空気泡(エアー)が発生すると、手動ポンプ79の操作部材80を手動操作して、空気泡(エアー)を抜いて燃料をエンジン11に送れるようになり、また、これらのメンテナンスも容易になる。
メインフィルタ77およびプレフィルタ78とエンジン11との間には、熱遮蔽板81を設ける。
そのため、メインフィルタ77およびプレフィルタ78がエンジン11の放熱により加温されるのを防止し、燃料温度を適正に保持し、エンジン11の性能を十分に発揮させられる。
【0017】
操縦部6の運転座席8は取付軸82の上部に取付け、取付軸82はエンジンカバー83に設けた座席上下動機構84に上下動自在に取付ける(
図13)。エンジンカバー83はエンジン11の上方を覆う上面部85とエンジン11の前面を覆う前面部86を有し、運転座席8と座席上下動機構84ごと操作席フレーム30に着脱自在に取付ける。
そのため、運転座席8とエンジンカバー83と座席上下動機構84とを一体化するので、組立の際の部品点数を削減でき、組立を容易にする。
また、運転座席8とエンジンカバー83を一体化で外せるので、エンジン11の周辺を開放して行うメンテナンス作業を容易にする。
図14、
図15の90は、エンジン11から排気される排気ガス中の粒子状物質を除去するDPF(Diesel particulate filter、ディーゼルパティキュレートフィルタ)であり、DPF90にはエンジン11からの排気を取り入れる上手側配管91と浄化した排気を排出する下手側配管92を接続する。下手側配管92の上部には、下手側配管92の上部を覆う上部カバー93を設ける。
【0018】
92Aは上部カバー93の下方の下手側配管92の上下中間部を包囲する中間カバー、93Aは上部カバー93の一部を構成する下手側配管92を覆う内側カバー、93Bは内側カバー93Aの外側に位置する断面八角形の中間カバー、93Cは中間カバー93Bの外側に位置する外側カバーであり、外側カバー93Cは下手側配管92の左側および前側を覆うような断面形状に形成し、外側カバー93Cの上部は後方に屈曲させる。
そのため、上部カバー93により下手側配管92に機体を包囲するカバー等の接触を防止し、降雨などの下手側配管92への進入を防止し、排気を後方へ誘導する。
下手側配管92は脱穀装置3からグレンタンク5に穀粒を供給移送する一番揚穀筒94に支持されるように設け、前記上部カバー93の内側カバー93Aは下手側配管92側に設けたステー95Aに取付け、中間カバー93Bはステー95Bにより内側カバー93Aに取付け、外側カバー93Cはステー95Cにより中間カバー93Bに取付ける。
【0019】
そのため、下手側配管92および上部カバー93を強固に支持すると共に、支持構成を簡素にできる。
96は下手側配管92を一番揚穀筒94に取付けるステーである。
操縦部6のフロア7の外側方には、サブステップ100を設ける。操縦部6に設けた固定部材101に左右一対のアーム102の基部を軸103により回動自在に取付け、アーム102の先端に移動ステップ104を軸105により回動自在に取付ける。移動ステップ104の基部には図示は省略するがストッパを設け、下方回動を規制し、移動ステップ104は軸105中心に上方回動すると起立して格納状態となる。
移動ステップ104には遠隔操作用ロッド106の下部を軸107により取付ける。遠隔操作用ロッド106の上部には左右方向の操作ハンドル108を設け、遠隔操作用ロッド106は操作ハンドル108の上下操作により上下する。
111は固定側ステップであり、前記固定部材101に取付ける。112は
移動ステップ104が回動する過程で死点越えして移動ステップ104を使用状態と格納状態との何れかの位置で保持するように付勢するバネ、113は
アーム102を移動ステップ104が使用可能な状態と移動ステップ104がフロア7の下方空間に格納された状態の何れかの位置で保持するように付勢するバネである。
【0020】
操作ハンドル108を下方位置に操作すると、遠隔操作用ロッド106が移動ステップ104の軸107を下方に押し、移動ステップ104は軸105中心に下方回動させて使用状態にし、バネ112の付勢力によって移動ステップ104の使用状態を保持する。
反対に、操作ハンドル108を上方位置に操作すると、遠隔操作用ロッド106が移動ステップ104の軸107を上方に牽引し、移動ステップ104を軸105中心に上方回動させて格納し、バネ112の付勢力によって、移動ステップ104を格納状態に保持する。
また、移動ステップ104と遠隔操作用ロッド106との連結部分である軸107を外すと、アーム102は軸103中心の回動が可能になって上方回動させることができ、アーム102および移動ステップ104の全体はフロア7の下方空間内に格納される。
また、移動ステップ104の最外側底部の側面視において左右両端を切り上げると、フロア7下方に格納時フィルタ等の干渉を防止すると共に、張出時畦際等に接触した場合でもショックを和られげられる。
【0021】
(実施形態の作用)
エンジン11を始動して、走行装置2により走行し、走行中に刈取装置4で刈取った穀稈を脱穀装置で脱穀する。
エンジン11を始動すると、エンジン11の回転がファン用無段変速装置14に伝達され、ファン用無段変速装置14が無段階に変速して冷却用ファン13を正回転させ、ラジエターカバー15の防塵ネット16から外気を吸引し、吸引した外気はラジエーター35を通過してエンジン11の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン11の外周を冷却しながら吹き抜ける。
刈取脱穀作業を続けると、ラジエターカバー15の防塵ネット16の表側に藁屑や塵埃等の付着物が付着するので、ファン用無段変速装置14により冷却用ファン13を逆回転させて、機体内部から機体外部方向へ送風させ、吹散させて除去する。
即ち、ファン用無段変速装置14は、通常作業時で冷却用ファン13を、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転させ、所定の場合に、ファン用無段変速装置14から逆回転を出力して冷却用ファン13を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転させ、ラジエターカバー15の防塵ネット16の表側に付着している藁屑や塵埃等の付着物を吹散させて除去する。
【0022】
ファン用無段変速装置14はエンジン11の回転を変速して伝動軸20に出力し、伝動軸20の回転を、駆動プーリ48からベルト50を介して従動プーリ47により伝達して回転させる。
エンジン11とラジエターカバー15の防塵ネット16の間にエンジン11を冷却する第一冷却器33を設け、該第一冷却器33と防塵ネット16との間に第一冷却器33以外のエンジン11を冷却する第二冷却器34を設け、第二冷却器34とラジエターカバー15は機体側に残した状態で第一冷却器33を後方に引き出す構成としているので、第一冷却器33を機体から容易に着脱できて、メンテナンスを容易にする。
また、第一冷却器33を後方に引き出すと、第二冷却器34の内側面の内側に開放空間が形成されるので、メンテナンスを容易にする。
また、第一冷却器33はラジエーター35により構成し、ラジエーター35の外側に第二冷却器34を配置しているので、第一冷却器33のラジエーター35通過後の温度の高い冷却風が第二冷却器34に当たるのを防止し、第二冷却器34の冷却効率を低下させない。
【0023】
ラジエーター35は四角枠形状のラジエータフレーム40に取付け、ラジエータフレーム40に冷却用ファン13を取付け、ラジエーター35と冷却用ファン13とを一体で後方へ引き出し可能に構成し、ラジエータフレーム40に冷却用ファン13を取付けているので、ラジエーター35と冷却用ファン13とを左右方向において互いに干渉させることなく接近させて配置でき、ラジエーター35と冷却用ファン13との設置スペースを小さくできる。
ラジエーター35と冷却用ファン13とを一体で後方へ引き出すので、ラジエーター35と冷却用ファン13との着脱を容易にできる。
ラジエーター35と共に冷却用ファン13も後方へ引き出すので、第二冷却器34の内側面の内側のメンテナンススペースを広くし、メンテナンスを容易にする。
【0024】
ラジエータフレーム40の内面側には軸棒形状の一対のファン取付フレーム43を設け、各ファン取付フレーム43は前側を高く後側を低く傾斜させ、ファン取付フレーム43の上下両端をラジエータフレーム40に固定状態に取付け、一対のファン取付フレーム43の上下中間部にはファン支持ステー44を固定し、ファン支持ステー44に冷却用ファン13の回転軸45を軸装して冷却用ファン13を取付けているので、一対のファン取付フレーム43とファン支持ステー44により冷却用ファン13の支持構成を簡素に実現する。
ファン取付フレーム43と冷却用ファン13の間の回転軸45には従動プーリ47を取付け、従動プーリ47と前記ファン用無段変速装置14の駆動力を伝達する伝動軸20に設けた駆動プーリ48との間にベルト50を掛け回し、駆動プーリ48は、側面視において、冷却用ファン13の回転軌跡の外側に配置しているので、ラジエーター35と冷却用ファン13を後方引出する際のベルト50の取外し作業を冷却用ファン13の回転軌跡の外側の駆動プーリ48から行え、ラジエーター35と冷却用ファン13の着脱作業を容易にする。
【0025】
ラジエータフレーム40には冷却用ファン13の外周周縁を包囲するシュラウド51とベルト50に当接させたテンションプーリ52を取付けているので、冷却用ファン13およびファン支持ステー44とラジエーター35とをラジエータフレーム40に一体状に組み付けてユニット化でき、部品点数を削減し、一体での着脱を容易にする。
ラジエータフレーム40には、ファン用無段変速装置14の伝動軸20を支持する軸装部材55を取付け、軸装部材55の一部はラジエータフレーム40に着脱自在に構成しているので、伝動軸20がラジエータフレーム40に支持されことになって、冷却用ファン13へ回転伝達する従動プーリ47と駆動プーリ48の両者が同じラジエータフレーム40に支持されることになり、従動プーリ47と駆動プーリ48との軸間距離の変動を抑制でき、ベルト50の回転伝動を安定させられ、振動発生の抑制も期待できる。
【0026】
軸装部材55はラジエータフレーム40より内側に突出する板状の第一部材56に、第二部材57のラジエータフレーム40と並行の並行板部58を固定し、第二部材57の左右方向の横板部59の外端をラジエータフレーム40に固定し、第二部材57の並行板部58に軸受部材60を着脱自在に取付けて構成しているので、軸受部材60を並行板部58から外すと、ベルト50を外すことができる。
第二部材57にはステー61を設け、ステー61にはテンションバネ62の一端を係止し、テンションバネ62の他端をテンションプーリ52のテンションアーム63に係止し、テンションアーム63の基部は第二部材57の並行板部58に軸64により回動自在に取付けているので、テンションプーリ52を緩めて、軸受部材60を軸装部材55から外して、駆動プーリ48からベルト50を外すと、ベルト50をラジエータフレーム40側に付けた状態で冷却用ファン13とラジエーター35をラジエータフレーム40ごと後方にスライドさせて着脱する。
【0027】
一対のファン取付フレーム43のうち、上側のファン取付フレーム43の上部は第二部材57の横板部59に固定し、下側のファン取付フレーム43の上部は第二部材57のステー61に固定しているので、軸装部材55は、ベルト50のテンション機構と冷却用ファン13のファン取付フレーム43の取付部材を兼用し、部品点数を削減する。
ラジエーター35の外側に第二冷却器34の一部を構成するオイルクーラ36およびインタークーラ37を設け、オイルクーラ36およびインタークーラ37の外側に第二冷却器34の一部を構成するコンデンサ38を設け、コンデンサ38はコンデンサ38の上部に配管70を接続し、コンデンサ38の下部は支持部材71の取付部72に止着部材73により着脱自在に取付けているので、オイルクーラ36およびコンデンサ38をラジエーター35の外側に配置することができ、エンジンルーム12の容積を拡大させられる。
【0028】
また、コンデンサ38はコンデンサ38の下部を支持部材71の取付部72から外すと、配管70を支点にして上方回動する構成としているので、配管70を支点にしてコンデンサ38を上方回動させると、オイルクーラ36の側面を開放して空間を形成することができ、コンデンサ38およびオイルクーラ36のメンテナンスを容易にする。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの各図の実施例は夫々種々組合せ可能であり、一部図示を他の実施例と共用している場合もあり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。