(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  前記表示制御部は、前記新たに表示するウェブ・ページに含まれる動的コンテンツに関する前記特定情報が複数存在する場合に、ユーザによる動的コンテンツの内容の選択を受け付け、選択された動的コンテンツの内容に係る特定情報に基づいて、動的コンテンツを表示する、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の装置。
  前記表示制御部は、前記新たに表示するウェブ・ページとして、現在表示中のウェブ・ページが表示されるよりも前に前記表示装置に表示されたウェブ・ページを再表示する場合に、当該ウェブ・ページに含まれる動的コンテンツを、前記コンテンツ情報保持部に保持されている前記特定情報に基づいて表示する、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の装置。
  前記表示制御部は、前記新たに表示するウェブ・ページとして、現在表示中のウェブ・ページを更新して再表示する場合に、当該ウェブ・ページに含まれる動的コンテンツを、前記コンテンツ情報保持部に保持されている前記特定情報に基づいて表示する、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
  以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
 
【0017】
<システム構成>
  
図1は、本実施形態が適用されるウェブ・ページ閲覧システムの構成例を示す図である。
図1に示すウェブ・ページ閲覧システムは、ウェブ・サーバ100と、クライアント端末200とを備える。
図1に示すように、ウェブ・サーバ100とクライアント端末200とは、インターネット等のネットワーク300を介して接続されている。なお、
図1には、ウェブ・サーバ100およびクライアント端末200が一つずつ図示されているが、実際には、複数のウェブ・サーバ100と複数のクライアント端末200とが相互に接続されてシステムが構成される。
 
【0018】
<ウェブ・サーバの機能構成>
  
図2は、本実施形態におけるウェブ・サーバ100の機能構成を示す図である。本実施形態のウェブ・サーバ100は、クライアント端末200からのリクエストに応じてウェブ・ページのデータを返送する一般的なウェブ・サーバ100である。
図2に示すように、ウェブ・サーバ100は、コンテンツ格納部110と、ウェブ・ページ生成部120と、リクエスト受け付け部130と、送信部140とを備える。
 
【0019】
  コンテンツ格納部110は、ウェブ・ページのHTMLファイル、ウェブ・ページに表示される画像等のコンテンツ、動的コンテンツを生成するプログラム(例えば、サーブレットやJSP(JavaServer Pages(登録商標)))等を格納している。コンテンツ格納部110に格納されるHTMLファイルには、ウェブ・ページの構成要素として予め用意された静的コンテンツと、動的に生成される動的コンテンツとがある。静的コンテンツは、クライアント端末200からのリクエストや時間の経過等の条件に応じて表示内容が変化しない。一方、動的コンテンツは、クライアント端末200からのリクエストや時間の経過等の条件に応じて表示内容が変化する。
 
【0020】
  ウェブ・ページ生成部120は、クライアント端末200からのリクエストに応じてウェブ・ページを生成する。生成されるウェブ・ページが静的コンテンツのみで構成されるウェブ・ページである場合は、コンテンツ格納部110から読み出された静的コンテンツによりウェブ・ページが生成される。また、リクエストの対象であるウェブ・ページの全体がコンテンツとしてコンテンツ格納部110に格納されている場合は、該当するウェブ・ページがコンテンツ格納部110から読み出される。
 
【0021】
  一方、クライアント端末200からのリクエストに応じて生成されるウェブ・ページが動的コンテンツを含むウェブ・ページである場合、ウェブ・ページ生成部120は、必要な動的コンテンツを生成して組み込むことにより、ウェブ・ページを生成する。ここで、動的コンテンツには、検索エンジンによる検索結果等のように、クライアント端末200からのリクエストに応じて新たに生成されるものがある。また、ウェブ・ページに表示される広告等のように、コンテンツ(画像等)自体は静的なものであるが、ウェブ・ページが表示される際に、または時間経過に応じて、動的に選択されて表示されるものがある。後者の場合、選択対象の静的なコンテンツは、例えばコンテンツ格納部110に格納されているコンテンツの中から選択される。また、動画のような、コンテンツ自体が動的なものも動的コンテンツに含むものとする。
 
【0022】
  このような動的コンテンツは、様々な方式によりウェブ・ページに組み込むことができる。例えば、ウェブ・ページのHTMLファイルにJavaScript(登録商標)等のスクリプトにより動的コンテンツを記述することができる。また、HTMLのFRAMEタグやIFRAMEタグを用いて生成された領域に他のコンテンツを読み込むことにより動的コンテンツを設定することができる。その他、ウェブ・ページに動的コンテンツを組み込むことが可能な既存の種々の手法を適用して良い。
 
【0023】
  リクエスト受け付け部130は、ネットワーク300を介してクライアント端末200からのリクエストを受け付ける。そして、受け付けたリクエストをウェブ・ページ生成部120に送る。
 
【0024】
  送信部140は、ウェブ・ページ生成部120により生成されたウェブ・ページを、リクエスト受け付け部130により受け付けられたリクエストの送信元であるクライアント端末200に、ネットワーク300を介して返送する。
 
【0025】
<クライアント端末の機能構成>
  
図3は、本実施形態におけるクライアント端末200の機能構成を示す図である。本実施形態のクライアント端末200は、ウェブ・サーバ100からウェブ・ページを取得して表示可能な、パーソナル・コンピュータや携帯型情報機器等の情報処理装置である。
図3に示すように、クライアント端末200は、表示部210と、表示制御部220と、入力受け付け部230と、データ処理部240と、コンテンツ情報保持部250と、リクエスト送信部260と、受信部270とを備える。
 
【0026】
  表示部210は、液晶ディスプレイ等の表示装置であり、表示画面に、ウェブ・サーバ100から取得したウェブ・ページを表示する。
 
【0027】
  表示制御部220は、ウェブ・ブラウザにより実現され、ウェブ・サーバ100から取得したウェブ・ページを表示部210に表示させる。また、この表示制御部220は、ウェブ・ブラウザの機能として、表示したウェブ・ページの履歴情報やCookie等の情報を保持する。また、本実施形態の表示制御部220は、表示対象のウェブ・ページに動的コンテンツが含まれているか否かを判断する。すなわち、表示制御部220は、動的コンテンツ識別部として機能する。
 
【0028】
  ウェブ・ページに動的コンテンツが含まれているか否かの判断は、ウェブ・ページに動的コンテンツを組み込む方式の種類に応じて適当な手法により行われる。ここで、ウェブ・ページに動的コンテンツを組み込む方式としては、様々な既存の手法があるので、本実施形態では、ウェブ・ページのソース・ファイル(HTMLファイル)に動的コンテンツを組み込むことが可能な記述が存在する場合は、そのウェブ・ページに動的コンテンツが含まれているものと判断する。具体的には、例えば、ウェブ・ページのHTMLファイルにJavaScript等のスクリプトが記述されている場合は、そのウェブ・ページに動的コンテンツが含まれているものと判断する。また、ウェブ・ページのHTMLファイルにFRAMEタグやIFRAMEタグが記述されている場合は、そのウェブ・ページに動的コンテンツが含まれているものと判断する。また、静的コンテンツのURL(Uniform Resource Locator)に用いられることが想定される文字を登録した辞書を予め作成しておく。そして、ウェブ・ページに含まれるウェブ・コンテンツのURLを形態素解析し、辞書に登録されていない文字が含まれるか否かを調べる。辞書に登録されていない文字がURLに存在する場合は、そのウェブ・ページに動的コンテンツが含まれているものと判断する。なお、辞書に登録されていない文字を含むURLは、例えば、プログラムにより自動生成されたURLであることが想定される。
 
【0029】
  入力受け付け部230は、表示部210に表示されたウェブ・ページに基づいてユーザにより行われた入力操作を受け付ける。具体的には、テキスト入力、リンク先への遷移命令の入力、ウェブ・ページを表示しているウェブ・ブラウザの機能を呼び出す命令の入力等を受け付ける。ウェブ・ブラウザの機能を呼び出す命令は、例えば、表示部210に表示されたウェブ・ブラウザのウインドウに設けられたメニューから、表示履歴に基づくウェブ・ページの遷移(「戻る」)、ウェブ・ページの再読み込みによる表示のリフレッシュ(「更新」)、「お気に入り」(ブックマーク)への登録等の各種の項目を選択することにより入力することができる。この入力受け付け部230は、マウス等のポインティング・デバイス、キーボード、表示部210の表示画面に重ねて設けられたタッチパネル等の既存の入力デバイスにより実現される。
 
【0030】
  データ処理部240は、入力受け付け部230により受け付けられた命令やデータに基づき、表示制御部220にウェブ・ページの表示を制御させたり、ウェブ・サーバ100へ送信するリクエストを生成したりする。また、本実施形態のデータ処理部240は、表示制御部220により表示対象のウェブ・ページに動的コンテンツが含まれていると判断された場合に、ウェブ・ページのソース・コードから対象となる動的コンテンツの情報を抽出する。すなわち、データ処理部240は、ウェブ・ページのソース・コードから動的コンテンツの情報を抽出するコンテンツ情報抽出部として機能する。データ処理部240による動的コンテンツの情報を抽出する処理の詳細については後述する。
 
【0031】
  コンテンツ情報保持部250は、表示制御部220により表示部210に表示されているウェブ・ページの情報と、データ処理部240により抽出された動的コンテンツの情報とを保持する。コンテンツ情報保持部250に保持されるウェブ・ページの情報は、例えば、ウェブ・ページのHTMLファイルやURLである。また、コンテンツ情報保持部250に保持される動的コンテンツの情報は、例えば、コンテンツ自体(画像等)のデータやコンテンツを特定する情報(リンク情報等)等である。動的コンテンツの情報の詳細については後述する。
 
【0032】
  リクエスト送信部260は、データ処理部240により生成されたリクエストを、そのリクエストの送信先として指定されたウェブ・サーバ100に、ネットワーク300を介して送信する。
 
【0033】
  受信部270は、ネットワーク300を介してウェブ・サーバ100から送信されたウェブ・ページを受信する。そして、受信したウェブ・ページを表示制御部220に送る。
 
【0034】
<動的コンテンツの情報の抽出処理>
  
図4は、本実施形態のクライアント端末200による動的コンテンツの抽出処理を説明するフローチャートである。本実施形態のクライアント端末200は、表示部210に表示されたウェブ・ページの情報をコンテンツ情報保持部250に保持させる。また、そのウェブ・ページに動的コンテンツが含まれている場合に、その動的コンテンツの情報を抽出してコンテンツ情報保持部250に保持させる。なお、以下の動作例では、ウェブ・ページの情報として、HTMLファイル自体ではなくURLを保持するものとする。
 
【0035】
  図4に示すように、クライアント端末200の表示制御部220は、表示部210にウェブ・ページを表示する(ステップ401)。事前の動作として、リクエスト送信部260を介してクライアント端末200からウェブ・サーバ100へウェブ・ページの送信要求が行われ、送信要求に係るウェブ・ページがウェブ・サーバ100からクライアント端末200へ返送されたものとする。クライアント端末200が受信部270を介してウェブ・ページを受信すると、表示制御部220が受信されたウェブ・ページを表示部210に表示する。
 
【0036】
  また、表示制御部220は、表示部210にウェブ・ページを表示しているときに、動的コンテンツの情報を取得する条件(実行条件)を満足するか否かを判定する(ステップ402〜ステップ406)。
図4に示す例では、実行条件として、新たなウェブ・ページの表示(ウェブ・ページの遷移)が行われたか否か(ステップ402)、現在表示されているウェブ・ページの更新(リロード)が行われたか否か(ステップ403)、現在表示されているウェブ・ページに含まれているコンテンツの変更が行われたか否か(ステップ404)、ウェブ・ブラウザを終了したか否か(ステップ405)、予め設定された時間が経過したか否か(ステップ406)、が設定されている。
 
【0037】
  なお、動的コンテンツの情報の取得は、動的コンテンツの内容が変化する度に行われることが望ましい。そこで、
図4に示した具体例に限らず、動的コンテンツの内容が変化することが想定される種々の事象について、その事象が発生したことを実行条件として設定することができる。また、必ずしも
図4に示した具体的な実行条件の全てを判断しなくても良く、ステップ402〜ステップ406に示した条件の一部を実行条件として適用することも可能である。
 
【0038】
  表示制御部220は、上記の実行条件の何れかを満足した場合(何れかのステップでYesと判定された場合)に、表示中のウェブ・ページに動的コンテンツが含まれる可能性があるか否かを判定する(ステップ407)。ここで、ウェブ・ページに動的コンテンツが含まれているか否かの判定は、上述したように、ウェブ・ページに動的コンテンツを組み込むことが可能な記述が存在するか否かを調べることにより行われる。以下に、具体例を挙げて説明する。なお、下記の手法は例示に過ぎず、動的コンテンツが含まれているか否かの判定方法は、下記の手法に限定されない。
 
【0039】
  図5は、動的コンテンツが含まれる可能性のあるウェブ・ページのHTMLファイルの一例を示す図である。
図5(a)はHTMLファイルのソース・コードを示し、
図5(b)はウェブ・ページの表示例を示す。
図5に示す例のように、HTMLファイルにスクリプト(JavaScript)が記述されている場合(タグ<script language="JavaScript">〜タグ</script>の記載参照)、スクリプトが実行されることにより、ウェブ・ページの表示内容が変化する可能性がある。
 
【0040】
  図6は、動的コンテンツが含まれる可能性のあるウェブ・ページのHTMLファイルの他の一例を示す図である。
図6(a)はHTMLファイルのソース・コードを示し、
図6(b)はウェブ・ページの表示例を示す。
図6に示す例のように、HTMLファイルにIFRAMEタグが記述されている場合(タグ<iframe src="http://www.webpagesample-a.com" width="300" height="400"> </iframe>を参照)、IFRAMEタグにより生成されたウェブ・ページ上の領域に、IFRAMEタグに記述されたURL(図示の例では「http://www.webpagesample-a.com」)で指定されるコンテンツが表示される。そのため、このウェブ・ページにアクセスする度に、IFRAMEタグにより生成された領域に表示されるコンテンツが変わる可能性がある。
 
【0041】
  図7は、動的コンテンツが含まれる可能性のあるウェブ・ページのHTMLファイルの他の一例を示す図である。
図7(a)はHTMLファイルのソース・コードを示し、
図7(b)はウェブ・ページの表示例を示す。
図7に示す例のように、HTMLファイルにFRAMEタグが記述されている場合(タグ<frameset cols="50%,50%">〜タグ</frameset>を参照)、FRAMEタグにより生成されたウェブ・ページ上の領域に、FRAMEタグに記述されたURL(図示の例では「http://www.webpagesample-a.com」)で指定されるコンテンツが表示される。そのため、このウェブ・ページにアクセスする度に、FRAMEタグにより生成された領域に表示されるコンテンツが変わる可能性がある。
 
【0042】
  また、ウェブ・ページのHTMLファイルに記述されているURL(コンテンツのURL)を形態素解析し、通常のURLに用いられる文字列を想定して予め作成された辞書に登録されていない文字が含まれている場合は、そのURLで指定されるコンテンツは動的コンテンツである可能性がある。
 
【0043】
  図8は、ウェブ・ページのHTMLファイル中の特殊な記述の例を示す図である。HTMLファイルに、
図8(a)に示すような記述がある場合を考える。この例では、URLにパラメータを渡している(「?include=LIB&tag=patent&_proxyURL=%2Fweb&company=IBM&locale=ja」の部分を参照)。このような記述は、通常、人為的にURLに用いられず、上記の辞書には登録されない。したがって、このURLで指定されるコンテンツは、このパラメータに基づいて動的に生成されている可能性がある。
 
【0044】
  また、HTMLファイルに、
図8(b)に示すような記述がある場合を考える。この例では、URLに、乱数に基づいて動的に生成されたようなパスの記述がある(「/web/KJbPKnXR7sJ_ja/ERNKG/include.js」の部分を参照)。すなわち、ランダムにもしくは機械的に作成されたキーを用いて、一時的なファイル名をブラウザとサーバとの間でやり取りしている可能性がある。このような記述は、通常、人為的にURLに用いられず、上記の辞書には登録されない。したがって、このURLで指定されるコンテンツは、ブラウザ(クライアント端末200)とウェブ・サーバ100との間の情報のやり取りに基づき動的に生成されている可能性がある。
 
【0045】
  以上のようにして、表示制御部220によりウェブ・ページに動的コンテンツが含まれる可能性があると判定されると、次に、データ処理部240が、ウェブ・ブラウザの機能において、そのウェブ・ページのURLと、動的コンテンツの情報とをウェブ・ページのHTMLファイルから抽出し、コンテンツ情報保持部250に保持させる(ステップ408)。動的コンテンツの情報としては、現在表示中のウェブ・ページを再度表示する場合に、現在表示中の動的コンテンツの表示を再現することが可能な情報が選択される。言い換えれば、この動的コンテンツの情報は、表示中の動的コンテンツの内容を特定する特定情報である。例えば、動的コンテンツがウェブ・サーバ100において動的に生成されるコンテンツである場合、表示部210に現在表示されている画像自体が動的コンテンツの情報として保持される。これに対し、動的コンテンツが、ウェブ・サーバ100において所定の静的コンテンツが選択されて動的コンテンツとしてウェブ・ページに組み込まれたものである場合、表示部210に現在表示されている画像を動的コンテンツの情報とする他、現在表示されている画像のリンク情報(URL等)を動的コンテンツの情報として保持しても良い。
 
【0046】
  なお、ステップ402〜ステップ406に示したように、動的コンテンツの情報を取得するための実行条件は複数設定されるので、現在表示中のウェブ・ページに関し、一つの動的コンテンツに対して実行条件に応じて複数の情報が保持される場合がある。また、一つのウェブ・ページに複数の動的コンテンツが存在する場合は、各動的コンテンツに関して実行条件に応じて情報が保持される。
 
【0047】
  一方、表示制御部220によりウェブ・ページに動的コンテンツが含まれる可能性がない(ウェブ・ページ全体が静的コンテンツ)と判定された場合、データ処理部240は、ウェブ・ページのURLのみをウェブ・ページのHTMLファイルから抽出してコンテンツ情報保持部250に保持させる(ステップ409)。
 
【0048】
<履歴情報に基づくウェブ・ページの表示処理>
  ウェブ・ブラウザの「戻る」命令が入力されると、ウェブ・ブラウザの機能により、保存されている履歴情報に基づいて、現在表示されているウェブ・ページの前に表示されていたウェブ・ページが再表示される。本実施の形態では、履歴情報として、
図4のステップ408、409でコンテンツ情報保持部250に保持された情報に基づきウェブ・ページの再表示が行われる。なお、以下の動作例では、ウェブ・ページに一つの動的コンテンツが含まれている場合を例として説明する。
 
【0049】
  図9は、本実施形態において履歴情報に基づくウェブ・ページの再表示処理を説明するフローチャートである。
図9に示すように、入力受け付け部230によりウェブ・ブラウザの「戻る」命令を受け付けると(ステップ901)、表示制御部220は、「戻る」命令による遷移先のウェブ・ページのURLをコンテンツ情報保持部250から読み出し、読み出したURLに基づいてウェブ・ページのHTMLファイルを取得する(ステップ902)。また、表示制御部220は、コンテンツ情報保持部250に保持されている、「戻る」命令による遷移先のウェブ・ページに含まれる動的コンテンツの情報をコンテンツ情報保持部250から読み出す(ステップ903)。
 
【0050】
  読み出し対象に該当する動的コンテンツの情報が無い場合(ステップ904でNo)、遷移先のウェブ・ページに動的コンテンツは存在しない。そこで、表示制御部220は、ステップ902で取得したHTMLファイルによるウェブ・ページを表示部210に表示する(ステップ910)。
 
【0051】
  また、読み出し対象に該当する動的コンテンツの情報が一つである場合(ステップ904でYes、ステップ905でNo)、表示制御部220は、ステップ903でコンテンツ情報保持部250から読み出した動的コンテンツの情報に基づいて動的コンテンツを取得する(ステップ906)。そして、表示制御部220は、ステップ902で取得したHTMLファイルによるウェブ・ページに、ステップ906で取得した動的コンテンツを組み込んで、表示部210に表示する(ステップ910)。ここで、動的コンテンツの情報が画像等のコンテンツ自体のデータである場合は、コンテンツ情報保持部250から読み出されたコンテンツがそのままウェブ・ページに組み込まれる。一方、動的コンテンツの情報がコンテンツのリンク情報である場合は、そのリンク情報に基づいてコンテンツが取得され、取得したコンテンツがウェブ・ページに組み込まれる。その他、読み出された動的コンテンツの情報の形態に応じて、ウェブ・ページに組み込むべきコンテンツが取得される。
 
【0052】
  一方、読み出し対象に該当する動的コンテンツの情報が複数ある場合(ステップ904でYes、ステップ905でYes)、表示制御部220は、ステップ903でコンテンツ情報保持部250から読み出した複数の動的コンテンツの情報に基づいて各動的コンテンツを取得する(ステップ907)。そして、取得した動的コンテンツの一つをステップ902で取得したHTMLファイルによるウェブ・ページに組み込んで、表示部210に表示する(ステップ908)。このときにウェブ・ページに組み込まれる動的コンテンツは、取得された動的コンテンツの何れでも良いが、例えば、最後に表示された動的コンテンツとすることができる。
 
【0053】
  また、表示制御部220は、ウェブ・ページに表示させる動的コンテンツの内容を選択するための選択画面を表示部210に表示する(ステップ908)。ユーザは、表示部210に表示された選択画面に基づき、入力受け付け部230を用いて所望の状態の動的コンテンツを含むウェブ・ページを選択することができる。ユーザが所望の動的コンテンツを含むウェブ・ページ(ページN)を選択すると、この選択をデータ処理部240が受け付ける(ステップ909)。そして、表示制御部220は、選択された動的コンテンツを組み込んだウェブ・ページを表示部210に表示する(ステップ910)。
 
【0054】
  図10は、選択画面の例を示す図である。
図10に示す選択画面211では、ウェブ・ページ「ページN」に関して動的コンテンツの内容が変わるたびに取得された動的コンテンツの情報ごとの一覧212が示されている。各項目には、動的コンテンツの情報が保持された時刻が記載されている。また、図示の例では、最下段が最初に表示された動的コンテンツを含む「ページN」であり、上方へ向かうほど新しい動的コンテンツを含む「ページN」となるように並んでいる。そして、最上段は、新たに動的コンテンツを含む「ページN」のHTMLファイルをウェブ・サーバ100から再取得するための「再取得」ボタンが表示されている。ユーザによりこの「再取得」ボタンがクリックされると、「ページN」のHTMLが再読み込みされる。また、ステップ908で表示された「ページN」(すなわち、「戻る」命令が実行された結果として現在表示されている「ページN」)は、選択画面211の一覧212の中で強調表示(太字、下線、斜体字で表示)されている。図示の例では、今日の午後2時5分に保持された動的コンテンツの情報に基づく動的コンテンツを含む「ページN」が表示されていることを示している。また、
図10に示す選択画面211では、下部に、「ページN」のひとつ前のウェブ・ページ「ページN−1」に関する動的コンテンツの情報ごとの一覧を表示するためのボタン213が設けられ、上部に、「ページN」のひとつ後のウェブ・ページ「ページN+1」に関する動的コンテンツの情報ごとの一覧を表示するためのボタン214が設けられている。
 
【0055】
  なお、
図10に示す例では、「ページN」に関してのみ一覧212を表示し、「ページN−1」および「ページN+1」については一覧表示を行うためのボタン213、214を設けたが、「ページN−1」、「ページN」、「ページN+1」の各々について一覧表示を行っても良い。また、上記の動作例では、ウェブ・ページが一つの動的コンテンツを含む場合を例として説明したが、ウェブ・ページが複数の動的コンテンツを含む場合は、各動的コンテンツに関して上記の処理を行い、動的コンテンツごとに選択するように選択画面を構成することもできる。この場合、複数の動的コンテンツの各々についてウェブ・ページに組み込む動的コンテンツを選択するための選択画面を個別に用意しても良いし、一つの選択画面において複数の動的コンテンツを選択するように構成しても良い。
 
【0056】
  本実施形態の選択画面211は、一つの動的コンテンツに対して複数の動的コンテンツの情報を保持しており、動的コンテンツの内容に応じて動的コンテンツを含むウェブ・ページが複数構成され得る場合に、所望の動的コンテンツを含むウェブ・ページを選択可能なものであれば良く、
図10に示した構成には限定されない。例えば、保持されている動的コンテンツの情報に基づく動的コンテンツや、その動的コンテンツを含むウェブ・ページの画像を縮小画像等に変換して並べて表示し、ユーザがウェブ・ページの表示状態を参照しながら選択できるようにしても良い。また、例えば
図9のステップ908で表示されたウェブ・ページにおいて、動的コンテンツの部分を識別できるように表示し、コンテンツ情報保持部250に保持されている情報に基づいて取得した該当箇所の動的コンテンツを切り替え表示して、ユーザが選択できるようにしても良い。
 
【0057】
  図11は、ウェブ・ページ上で動的コンテンツの切り替え表示を行う選択画面の構成例を示す図である。
図11に示す選択画面215は、
図9のステップ908で作成されたウェブ・ページにより構成されている。この選択画面215には、2つの動的コンテンツ216が含まれている。各動的コンテンツ216には、強調表示217(点滅する枠線等、図示の例では破線で記載)が行われ、動的コンテンツであることをユーザが識別できるようにしている。また、動的コンテンツ216の右上にはボタン・オブジェクト218が表示されている。ユーザによりこのボタン・オブジェクト218がクリックされると、クリックされた動的コンテンツ216が、コンテンツ情報保持部250に保持されている情報に基づいて取得した該当箇所の他の動的コンテンツに切り替わる。このようにして、ユーザは、ウェブ・ページ上で動的コンテンツを切り替え表示し、所望の動的コンテンツを選択することができる。
 
【0058】
  ところで、上記の動作例では、読み出し対象に該当する動的コンテンツの情報が一つである場合に、単に、コンテンツ情報保持部250から読み出した動的コンテンツの情報に基づいて動的コンテンツを取得することとした(
図9のステップ905、906参照)。これに対し、動的コンテンツの情報が一つであっても、
図10に示したような選択画面を表示し、ウェブ・ページのHTMLファイルをウェブ・サーバ100から再取得して表示するか、コンテンツ情報保持部250から読み出した情報に基づく動的コンテンツを組み込んだウェブ・ページを表示するかをユーザが選択できるようにしても良い。
 
【0059】
  また、上記の動作例では、ウェブ・ブラウザの「戻る」命令に基づき、以前に表示されていたウェブ・ページを再表示する場合の動作について説明したが、ウェブ・ブラウザの「更新」命令に基づき、現在表示中のウェブ・ページを再読み込みして再表示する際にも、動的コンテンツに関して同様の処理を行っても良い。すなわち、現在表示中のウェブ・ページにおいて、動的コンテンツの内容が変化している場合、ウェブ・ページを再表示する際に、以前に表示された動的コンテンツを表示させることができる。
 
【0060】
  例えば、次のような処理を行うことが考えられる。まず、ウェブ・ブラウザの「更新」命令が入力されると、ウェブ・ブラウザの機能により、現在表示中のウェブ・ページのHTMLファイルがウェブ・サーバ100から再取得される。そして、表示制御部220は、現在表示中のウェブ・ページに含まれる動的コンテンツに関して、
図9のステップ903と同様に、コンテンツ情報保持部250から動的コンテンツの情報を読み出す。読み出し対象に該当する動的コンテンツの情報が無い場合、表示制御部220は、「更新」命令で再取得されたウェブ・ページを表示部210に表示する。
 
【0061】
  一方、読み出し対象に該当する動的コンテンツの情報がある場合は、表示制御部220は、「更新」命令で再取得されたウェブ・ページを表示部210に表示し、
図9のステップ908と同様に、ウェブ・ページに表示させる動的コンテンツの内容を選択するための選択画面を表示部210に表示する。そして、ユーザの選択に応じて、表示制御部220は、選択された動的コンテンツを組み込んだウェブ・ページを表示部210に表示する。このように、ウェブ・ページを再読み込みして再表示する際に、以前に表示された動的コンテンツを選択可能とすることにより、例えば、一定時間ごとに表示が変更される動的コンテンツを含むウェブ・ページにおいて、以前に表示された所望の動的コンテンツを表示させることが可能となる。
 
【0062】
<ハードウェア構成例>
  
図12は、本実施形態のクライアント端末200を構成するのに好適なハードウェア構成例を示す図である。ここでは、コンピュータに適用する場合について説明する。
図12に示すコンピュータは、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)10aと、主記憶手段であるメモリ10cを備える。また、外部デバイスとして、磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)10g、ネットワーク・インターフェイス10f、ディスプレイ装置を含む表示機構10d、音声機構10h、キーボードやマウス等の入力デバイス10i等を備える。
 
【0063】
  図12に示す構成例では、メモリ10cおよび表示機構10dは、システム・コントローラ10bを介してCPU10aに接続されている。また、ネットワーク・インターフェイス10f、磁気ディスク装置10g、音声機構10hおよび入力デバイス10iは、I/Oコントローラ10eを介してシステム・コントローラ10bと接続されている。各構成要素は、システム・バスや入出力バス等の各種のバスによって接続される。
 
【0064】
  なお、
図12は、本実施形態が適用されるのに好適なコンピュータのハードウェア構成を例示するに過ぎない。本実施形態は、ウェブ・サーバ100からウェブ・ページを取得して表示し閲覧可能とするウェブ・ブラウザの機能を有する情報処理装置に広く適用できるものであり、図示の構成においてのみ本実施形態が実現されるのではない。
 
【0065】
  図12において、磁気ディスク装置10gにはOSのプログラムやアプリケーション・プログラムが格納されている。そして、これらのプログラムがメモリ10cに読み込まれてCPU10aに実行されることにより、本実施形態のクライアント端末200における表示制御部220およびデータ処理部240の機能が実現される。また、メモリ10cや磁気ディスク装置10g等の記憶手段により、コンテンツ情報保持部250が実現される。また、表示機構10dにより表示部210が実現され、入力デバイス10iにより入力受け付け部230が実現される。また、ネットワーク・インターフェイス10fによりリクエスト送信部260および受信部270が実現される。