(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6015976
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】イメージセンサーの単位画素及びその受光素子
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20161013BHJP
H01L 31/10 20060101ALI20161013BHJP
H04N 5/369 20110101ALI20161013BHJP
【FI】
H01L27/14 A
H01L31/10 A
H04N5/335 690
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-528274(P2014-528274)
(86)(22)【出願日】2012年8月29日
(65)【公表番号】特表2014-527307(P2014-527307A)
(43)【公表日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】KR2012006882
(87)【国際公開番号】WO2013032216
(87)【国際公開日】20130307
【審査請求日】2014年3月20日
(31)【優先権主張番号】13/225,070
(32)【優先日】2011年9月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514044097
【氏名又は名称】キム,フン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,フン
【審査官】
安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第5886368(US,A)
【文献】
特開2001−230443(JP,A)
【文献】
特開2001−085660(JP,A)
【文献】
特開平10−142341(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0152530(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0237664(US,A1)
【文献】
特開平02−110973(JP,A)
【文献】
特開昭55−065465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/14−148
H01L 31/08−119
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光した光を電気的信号に変換するイメージセンサーの単位画素において光を吸収する受光素子であって、
一定角度のV型溝が形成される基板と、
前記V型溝の上部にフローティングした構造で形成され、光が入射する受光部と、
前記受光部と前記V型溝との間に形成され、トンネリングが発生する酸化膜と、
前記V型溝の一側の傾斜面に、前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるソースと、
前記V型溝の他側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるドレインと、
前記ソースと前記ドレインとの間に前記V型溝に沿って形成され、前記ソースとドレインとの間に電流の流れを形成するチャンネルと、
を含み、
前記受光部は半導体であって第1型の不純物でドープされ、前記ソース及び前記ドレインは第2型の不純物でドープされ、前記ソース及び前記ドレインがその上に形成されるボディーは第1型の不純物でドープされ、
前記受光部は、前記酸化膜により前記ソース及び前記ドレインから絶縁され、
前記受光部に入射した光により前記受光部で電子−正孔対(EHP)が生成され、前記ソースまたはドレインのうち一つ以上と前記受光部との間に、前記酸化膜での集中した電界によるトンネリングが発生し、前記電子−正孔対の電子は、前記トンネリングにより前記受光部から前記ソースまたはドレインのうち一つ以上に放出され、前記電子の放出による前記受光部の電荷量の変化によって前記チャンネルの電流の流れが制御される、光を吸収する受光素子。
【請求項2】
前記ソース及びドレインは、ボディー上に第2型の不純物をドープして形成され、
前記ボディーは、フローティングする、請求項1に記載の光を吸収する受光素子。
【請求項3】
前記酸化膜で発生するトンネリング効果によって前記受光素子のしきい電圧(threshold voltage)が変化する、請求項1に記載の光を吸収する受光素子。
【請求項4】
前記受光部以外の表面に形成され、前記受光部以外の領域での光の透過を遮断する遮光層をさらに含む、請求項1に記載の光を吸収する受光素子。
【請求項5】
受光した光を電気的信号に変換するイメージセンサーの単位画素であって、
入射した光による電荷量の変化を用いて電流の流れを発生させる受光素子と、
前記受光素子で発生した電流を単位画素出力端に出力させる選択素子と、
を含み、
前記受光素子は、
一定角度のV型溝が形成される基板と、
前記V型溝の上部にフローティングした構造で形成され、光が入射する受光部と、
前記受光部と前記V型溝との間に形成され、トンネリングが発生する酸化膜と、
前記V型溝の一側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるソースと、
前記V型溝の他側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるドレインと、
前記ソースとドレインとの間に前記V型溝に沿って形成され、前記ソースとドレインとの間に電流の流れを形成するチャンネルと、
を含み、
前記選択素子は、前記受光素子のソースに接続するドレインと、前記単位画素出力端に接続するソースと、外部から制御信号を受信するゲートと、を含み、印加された前記制御信号に基づいてスイッチング動作を行い、
前記受光部は半導体であって第1型の不純物でドープされ、前記ソース及び前記ドレインは第2型の不純物でドープされ、前記ソース及び前記ドレインがその上に形成されるボディーは第1型の不純物でドープされ、
前記受光部は、前記酸化膜により前記受光素子のソース及びドレインから絶縁され、
前記受光部に入射した光により前記受光部で電子−正孔対(EHP)が生成され、前記ソースまたはドレインのうち一つ以上と前記受光部との間に、前記酸化膜での集中した電界によるトンネリングが発生し、前記電子−正孔対の電子は、前記トンネリングにより前記受光部から前記ソースまたはドレインのうち一つ以上に放出され、前記電子の放出による前記受光部の電荷量の変化によって前記チャンネルの電流の流れが制御される、イメージセンサーの単位画素。
【請求項6】
前記受光素子のソース及び前記選択素子のドレインは、同一の活性領域上に形成される、請求項5に記載のイメージセンサーの単位画素。
【請求項7】
受光した光を電気的信号に変換するイメージセンサーの単位画素において光を吸収する受光素子であって、
一定角度の傾斜面を有するU型溝が形成される基板と、
前記U型溝の上部にフローティングした構造で形成され、光が入射する受光部と、
前記受光部と前記U型溝との間に形成され、トンネリングが発生する酸化膜と、
前記U型溝の一側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるソースと、
前記U型溝の他側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるドレインと、
前記ソースとドレインとの間の前記U型溝の底部に形成され、前記ソースとドレインとの間に電流の流れを形成するチャンネルと、
を含み、
前記受光部は半導体であって第1型の不純物でドープされ、前記ソース及び前記ドレインは第2型の不純物でドープされ、前記ソース及び前記ドレインがその上に形成されるボディーは第1型の不純物でドープされ、
前記受光部は、前記酸化膜により前記ソース及び前記ドレインから絶縁され、
前記受光部に入射した光により前記受光部で電子−正孔対(EHP)が生成され、前記ソースまたはドレインのうち一つ以上と前記受光部との間に、前記酸化膜での集中した電界によるトンネリングが発生し、前記電子−正孔対の電子は、前記トンネリングにより前記受光部から前記ソースまたはドレインのうち一つ以上に放出され、前記電子の放出による前記受光部の電荷量の変化によって前記チャンネルの電流の流れが制御される、光を吸収する受光素子。
【請求項8】
前記ソース及びドレインは、ボディー上に第2型の不純物をドープして形成され、
前記ボディーはフローティングする、請求項7に記載の光を吸収する受光素子。
【請求項9】
前記酸化膜で発生するトンネリング効果によって前記受光素子のしきい電圧が変化する、請求項7に記載の光を吸収する受光素子。
【請求項10】
前記受光部以外の表面に形成され、上部受光部以外の領域で光の透過を遮断する遮光層をさらに含む、請求項7に記載の光を吸収する受光素子。
【請求項11】
受光した光を電気的信号に変換するイメージセンサーの単位画素であって、
入射した光による電荷量の変化を用いて電流の流れを発生させる受光素子と、
前記受光素子で発生した電流を単位画素出力端に出力させる選択素子と、
を含み、
前記受光素子は、
一定角度の傾斜面を有するU型溝が形成される基板と、
前記U型溝の上部にフローティングした構造で形成され、光が入射する受光部と、
前記受光部と前記U型溝との間に形成され、トンネリングが発生する酸化膜と、
前記U型溝の一側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるソースと、
前記U型溝の他側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるドレインと、
前記ソースと前記ドレインとの間の前記U型溝の底部に形成され、前記ソースとドレインとの間に電流の流れを形成するチャンネルと、
を含み、
前記選択素子は、前記受光素子のソースに接続するドレインと、前記単位画素出力端に接続するソースと、外部から制御信号を受信するゲートと、を含み、印加された前記制御信号に基づいてスイッチング動作を行い、
前記受光部は半導体であって第1型の不純物でドープされ、前記ソース及び前記ドレインは第2型の不純物でドープされ、前記ソース及び前記ドレインがその上に形成されるボディーは第1型の不純物でドープされ、
前記受光部は、前記酸化膜により前記受光素子のソース及びドレインから絶縁され、
前記受光部に入射した光により前記受光部で電子−正孔対(EHP)が生成され、前記ソースまたはドレインのうち一つ以上と前記受光部との間に、前記酸化膜での集中した電界によるトンネリングが発生し、前記電子−正孔対の電子は前記トンネリングにより前記受光部から前記ソースまたはドレインのうち一つ以上に放出され、前記電子の放出による前記受光部の電荷量の変化によって前記チャンネルの電流の流れが制御される、イメージセンサーの単位画素。
【請求項12】
前記受光素子のソース及び前記選択素子のドレインは、同一の活性領域上に形成される、請求項11に記載のイメージセンサーの単位画素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサーの単位画素及び単位画素の受光素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサーとは、光学的信号を電気的映像信号に変換するセンサーのことをいう。イメージセンサーは、イメージセンサーチップの単位画素内における受光部に光が照射されると、各単位画素に入射した光とその量を感知して、光信号を電気信号に変換生成した後、該電気的信号を、映像を形成するためのアナログ及びデジタル回路部に伝達する役割を果たす。
【0003】
従来のイメージセンサーは、構造及び動作原理によってCCD(Charged Coupled Device)型とCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型とに大別される。CMOS型イメージセンサーは、CIS(CMOS Image Sensor)と通称される。
【0004】
CCD型イメージセンサーは、光により各画素から発生した信号電子グループを、ゲートに印加されたパルスによって出力部に伝送して出力部の電圧に変換させ、順次送出する。
【0005】
一方、CMOS型イメージセンサーは、光により各画素で発生した信号電子及び正孔を、画素の内部で電圧に変換する。この電圧は、各列と行におけるデコーダのような信号処理部に接続して、クロック周波数に応じたスイッチング動作により画素の外部に送出される。
【0006】
一方、イメージセンサーは、単位画素における増幅器の存在有無によって、APS(Active Pixel Sensor)とPPS(Passive Pixel Sensor)とに分類することができる。
【0007】
PPSは、画素内に信号増幅機能がない受動型素子で、受光素子の電流を直接外部に出力し、画素の外部で電圧に変換する。一方、APSは、画素内に信号増幅機能がある能動型画素である。
【0008】
PPS方式は、主に、1個のフォトダイオード及び1個の選択トランジスタで構成されるため、同一のピクセル大きさに対して3〜5個のMOSトランジスタを必要とするAPS方式に比べて開口率(aperture ratio)を高めることができ、受光効率に関係するフィルファクタ(Fill Factor)を高めることができる。
【0009】
一方、PPS方式は、フォトダイオードの光電流の強度が強くなく、光信号を雑音などの外部環境に脆弱な電流の形態に変換して信号処理に用いるため、固定パターンノイズ(Fixed Pattern Noise、FPN)が発生するという問題がある。
【0010】
したがって、同一大きさの画素では、APS方式は単位画素内に多数のトランジスタが存在するため、PPS方式に比べて受光部の大きさが小さくなるという欠点があるが、PPS方式に比べて相対的に雑音の少ない映像信号を得ることができる。
【0011】
一方、イメージセンサーの単位画素における受光部において、入射する光子1つに対して1つの電子−正孔対(EHP、electron−hole pair)が生成され、これら生成された電子及び正孔は、受光部であるフォトダイオードに蓄積される。
【0012】
フォトダイオードの最大蓄積静電容量は、フォトダイオードの受光面積に比例する。特に、CMOSイメージセンサーの場合、関連するトランジスタが配置される領域が、CCDイメージセンサーのそれに比べて広いため、受光部の面積を増やすには物理的な限界がある。また、イメージセンサーの受光部に主に用いられるフォトダイオードは、静電容量が相対的に少ないため、飽和しやすく、信号をアナログ的に細分化し難い。
【0013】
そのため、CMOSイメージセンサーの単位画素は、限られた受光領域で信号処理のための最小限の電荷を生成するには、比較的長い光電荷蓄積時間が必要である。したがって、これらの受光部を持つ単位画素を用いては高密度/高速フレームのイメージセンサーを製作し難い。
【0014】
一方、シリコン半導体のバンドギャップ(band gap)は、1.12eVであり、受光素子に用いる場合は、350〜1150nm波長帯の光エネルギーを検出できる。ここで、光は波長帯別に固有エネルギーが異なり、固体のシリコンに吸収される際にその深さがそれぞれ異なるため、受光素子の各波長帯別光電効率もそれぞれ異なる。イメージセンサーは、可視光領域(400〜700nm)の波長帯を検出するために、通常、550nmの波長帯のエネルギーを持つ緑色をより容易に検出できるようにPN接合の界面をその位置に形成させている。然るに、このような構造を用いるイメージセンサーでは、青色のような短波長帯及び近赤外線のような長波長帯の光に対する光電効率が低下したり、雑音により光信号が変換したりする等の問題がある。
【0015】
一方、イメージセンサー及びイメージセンサーの単位画素に関する従来技術には、特許文献1(米国特許公開番号US2004/021726の「UNIT PIXEL IN CMOS IMAGE SENSOR WITH HIGH SENSITIVITY」)、特許文献2(米国特許公開番号US2009/0032852の「CMOS IMAGE SENSOR」)、特許文献3(米国特許公開番号US2010/0073538の「IMAGE SENSOR」)がある。
【0016】
特許文献1は、1つのフォトダイオードと、伝達トランジスタ、リセットトランジスタ、運転トランジスタ及び選択トランジスタという4つのトランジスタとを含み、運転トランジスタ及び選択トランジスタが形成される活性領域を、リセットトランジスタが形成される活性領域から隔離することで、電源電圧(VDD)の漏洩による運転トランジスタ及び選択トランジスタへの影響を抑制するイメージセンサーを開示している。
【0017】
しかし、この特許文献1は、限られた領域にフォトダイオード及び4つのトランジスタを共に集積しているため、信号処理に十分な量の電荷を生成できるようなフォトダイオードの領域を確保し難いという不具合があった。
【0018】
また、特許文献2は、CMOS映像センサーを構成する画素に複数のフローティング拡散領域を備えることによって、感度の損失なく拡張された動的領域が得られるイメージセンサーを開示している。
【0019】
この特許文献2に開示のCMOSイメージセンサーは、感度は低いが、照度に対する動的範囲が大きい信号、及び照度に対する動的範囲は小さいが、感度が高い信号をそれぞれ別個のフローティング拡散領域から得た後に、それらを合成して最終映像を取得する。
【0020】
しかし、このCMOSイメージセンサーは、高感度信号及び大きい動的範囲の信号をそれぞれ別個のフローティング拡散領域及び関連トランジスタを用いて取得するため、受光素子に対して十分な領域を確保し難いという不具合があった。
【0021】
また、特許文献3は、光伝導度の高いイメージセンサーに関するものである。然るに、この特許文献3のイメージセンサーは、PN接合ダイオードの光伝導度を上げるために、PN接合の上部に別のフィルム層を形成しており、追加の製造工程が要求されるという不具合があった。
(特許文献)
【0022】
1.米国特許公開番号US2004/021726(UNIT PIXEL IN CMOS IMAGE SENSOR WITH HIGH SENSITIVITY」)
2.米国特許公開番号US2009/0032852(CMOS IMAGE SENSOR)
3.米国特許公開番号US2010/0073538(IMAGE SENSOR)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためのもので、その目的は、少ない光量でも非常に大きい光電流の出力が可能であり、且つ低照度環境でも高速フレーム動作ができる他、低照度から高照度に至るまで同時に同一画面として動映像撮影が可能な、高感度高性能イメージセンサーの単位画素及び該単位画素の受光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記目的を達成するための、本発明の第1の側面に係る、受光した光を電気的信号に変換するイメージセンサーの単位画素における光を吸収する受光素子において、一定角度のV型溝が形成される基板と、前記V型溝の上部にフローティングした構造で形成され、光が入射する受光部と、前記受光部と前記V型溝との間に形成され、トンネリングが発生する酸化膜と、前記V型溝の一側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるソースと、前記V型溝の他側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるドレインと、前記ソースと前記ドレインとの間に前記V型溝に沿って形成され、前記ソースとドレインとの間に電流の流れを形成するチャンネルと、を含み、前記受光部は第1型の不純物でドープされ、前記ソース及び前記ドレインは第2型の不純物でドープされ、前記受光部は、前記酸化膜により前記ソース及び前記ドレインから絶縁され、前記受光部に入射した光により前記受光部で電子−正孔対(EHP)が生成され、前記ソースまたはドレインのうち一つ以上と前記受光部との間に、前記酸化膜での集中した電界によるトンネリングが発生し、前記電子−正孔対の電子は、前記トンネリングにより前記受光部から前記ソースまたはドレインのうち一つ以上に放出され、前記電子の放出による前記受光部の電荷量の変化によって前記チャンネルの電流の流れが制御される。
【0025】
ここで、前記基板は、{100}型のシリコン基板であり、前記V型溝は異方性食刻(anisotropic etching)により前記基板上に形成されるものでよい。
【0026】
ここで、前記チャンネルは、前記受光素子の幅(Width)及び長さ(Length)の比率であるW/Lを調節することによってピンチオフ(pinch−off)直前の状態に形成されるものでよい。
【0027】
ここで、前記ソース及びドレインは、ボディー上に第2型の不純物をドープして形成され、前記ボディーは、フローティングするものでよい。
【0028】
ここで、前記受光素子は、前記酸化膜で発生するトンネリング効果によって前記受光素子のしきい電圧(threshold voltage)が変化することができる。
【0029】
上記受光素子は、前記受光部以外の表面に形成され、前記受光部の以外の領域で光の透過を遮断する遮光層をさらに含むことができる。
【0030】
また、本発明の第2の側面に係る、受光した光を電気的信号に変換するイメージセンサーの単位画素は、入射した光による電荷量の変化を用いて電流の流れを発生させる受光素子と、前記受光素子で発生した電流を単位画素出力端に出力させる選択素子と、を含んでなり、前記受光素子は、一定角度のV型溝が形成される基板と、前記V型溝の上部にフローティングした構造で形成され、光が入射する受光部と、前記受光部と前記V型溝との間に形成され、トンネリングが発生する酸化膜と、前記V型溝の一側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるソースと、前記V型溝の他側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるドレインと、前記ソースとドレインとの間に前記V型溝に沿って形成され、前記ソースとドレインとの間に電流の流れを形成するチャンネルと、を含み、前記選択素子は、前記受光素子のソースに接続するドレインと、前記単位画素出力端に接続するソースと、外部から制御信号を受信するゲートと、を含み、前記印加された制御信号に基づいてスイッチング動作を行い、前記受光部は第1型の不純物でドープされ、前記受光素子のソース及びドレインは第2型の不純物でドープされ、前記受光部は、前記酸化膜により前記受光素子のソース及びドレインから絶縁され、前記受光部に入射した光により前記受光部で電子−正孔対(EHP)が生成され、前記ソースまたはドレインのうち一つ以上と前記受光部との間に、前記酸化膜での集中した電界によるトンネリングが発生し、前記電子−正孔対の電子は、前記トンネリングにより前記受光部から前記ソースまたはドレインのうち一つ以上に放出され、前記電子の放出による前記受光部の電荷量の変化によって前記チャンネルの電流の流れが制御される。
【0031】
ここで、前記基板は、{100}型のシリコン基板であり、前記V型溝は異方性食刻により前記基板上に形成されるものでよい。
【0032】
ここで、前記受光素子のソース及び前記選択素子のドレインは、同一の活性領域上に形成されるものでよい。
【0033】
ここで、前記チャンネルは、前記受光素子の幅(Width)及び長さ(Length)の比率であるW/Lを調節することによってピンチオフ(pinch−off)直前の状態に形成されるものでよい。
【0034】
また、本発明の第3の側面に係る、受光した光を電気的信号に変換するイメージセンサーの単位画素において光を吸収する受光素子は、一定角度の傾斜面を有するU型溝が形成される基板と、前記U型溝の上部にフローティングした構造で形成され、光が入射する受光部と、前記受光部と前記U型溝との間に形成され、トンネリングが発生する酸化膜と、前記U型溝の一側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるソースと、前記U型溝の他側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるドレインと、前記ソースと前記ドレインとの間の前記U型溝の底部に形成され、前記ソースとドレインとの間に電流の流れを形成するチャンネルと、を含み、前記受光部は第1型の不純物でドープされ、前記ソース及び前記ドレインは第2型の不純物でドープされ、前記受光部は、前記酸化膜により前記ソース及び前記ドレインから絶縁され、前記受光部に入射した光により前記受光部で電子−正孔対(EHP)が生成され、前記ソースまたはドレインのうち一つ以上と前記受光部との間に、前記酸化膜での集中した電界によるトンネリングが発生し、前記電子−正孔対の電子は、前記トンネリングにより前記受光部から前記ソースまたはドレインのうち一つ以上に放出され、前記電子の放出による前記受光部の電荷量の変化によって前記チャンネルの電流の流れが制御される。
【0035】
前記基板は、{100}型のシリコン基板であり、前記U型溝は、異方性食刻により一定深さの傾斜面を有するように前記基板上に形成されるものでよい。
【0036】
ここで、前記チャンネルは、前記受光素子の幅(Width)及び長さ(Length)の比率であるW/Lを調節することによってピンチオフ(pinch−off)直前の状態に形成されるものでよい。
【0037】
ここで、前記トンネリング効果は、前記ソース及びドレインのいずれか一つと前記受光部との間の領域で発生するとよい。
【0038】
ここで、前記ソース及びドレインは、ボディー上に第2型の不純物をドープして形成され、前記ボディーはフローティングするものでよい。
【0039】
ここで、前記酸化膜で発生するトンネリング効果によって前記受光素子のしきい電圧が変化することができる。
【0040】
ここで、上記受光素子は、前記受光部以外の表面に形成され、前記受光部以外の領域で光の透過を遮断する遮光層をさらに含むことができる。
【0041】
また、本発明の第4の側面に係る、受光した光を電気的信号に変換するイメージセンサーの単位画素は、入射した光による電荷量の変化を用いて電流の流れを発生させる受光素子と、前記受光素子で発生した電流を単位画素出力端に出力させる選択素子と、を含んでなり、前記受光素子は、一定角度の傾斜面を有するU型溝が形成される基板と、前記U型溝の上部にフローティングした構造で形成され、光が入射する受光部と、前記受光部と前記U型溝との間に形成され、トンネリングが発生する酸化膜と、前記U型溝の一側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるソースと、前記U型溝の他側の傾斜面に前記酸化膜と隣接して形成され、前記酸化膜を境界にして前記受光部と離隔されるドレインと、前記ソースとドレインとの間の前記U型溝の底部に形成され、前記ソースとドレインとの間に電流の流れを形成するチャンネルと、を含み、前記選択素子は、前記受光素子のソースに接続するドレインと、前記単位画素出力端に接続されるソースと、外部から制御信号を受信するゲートとを、含み、前記印加された制御信号に基づいてスイッチング動作を行い、前記受光部は第1型の不純物でドープされ、前記受光素子のソース及びドレインは第2型の不純物でドープされ、前記受光部は、前記酸化膜により前記受光素子のソース及びドレインから絶縁され、前記受光部に入射した光により前記受光部で電子−正孔対(EHP)が生成され、前記ソースまたはドレインのうち一つ以上と前記受光部との間に、前記酸化膜での集中した電界によるトンネリングが発生し、前記電子−正孔対の電子は、前記トンネリングにより前記受光部から前記ソースまたはドレインのうち一つ以上に放出され、前記電子の放出による前記受光部の電荷量の変化によって前記チャンネルの電流の流れが制御される。
【0042】
前記受光素子のソース及び前記選択素子のドレインは、同一の活性領域上に形成されてもよい。
【0043】
ここで、前記基板は、{100}型のシリコン基板であり、前記U型溝は、異方性食刻により前記基板上に形成されるものでよい。
【0044】
ここで、前記チャンネルは、前記受光素子の幅(Width)及び長さ(Length)の比率であるW/Lを調節することによってピンチオフ(pinch−off)直前の状態に形成されるものでよい。
【発明の効果】
【0045】
本発明の実施例によれば、標準CMOS工程で別途のフォトダイオード製造工程を行う必要がなく、イメージセンサーの単位画素のピッチサイズを格段に減らすことができる。
【0046】
また、本発明の好適な実施例によれば、特別の工程無しに一般的なMOSFET製造工程を用いて、少ない光量でも非常に大きい光電流の出力が可能な受光素子を製造することができる。
【0047】
また、本発明の好適な実施例によれば、従来のイメージセンサーの単位画素の内部に設けられるフォトダイオードに比べて、同一光量に対して数百〜数千倍以上の高感度特性を持つ受光素子を具現でき、0.1ルクス以下の低照度環境でも60フレーム(60fps)以上の高速動映像撮影が可能なイメージセンサーを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】本発明の一実施例に係るトンネル接合受光素子の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例に係るトンネル接合受光素子の他の斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るトンネル接合受光素子の断面図である。
【
図4】本発明の一実施例に係るトンネル接合受光素子のチャンネル形成を説明するための断面図である。
【
図5】本発明の一実施例に係るトンネル接合受光素子の遮光方法を説明するための断面図である。
【
図6】本発明の一実施例に係るトンネル接合受光素子の光入射角確保を説明するための断面図である。
【
図7】本発明の一実施例に係るトンネル接合受光素子を用いる単位画素の回路図である。
【
図8】本発明の一実施例に係るトンネル接合受光素子を用いる単位画素の断面図である。
【
図9】本発明の他の実施例に係るV型の受光部を有するトンネル接合受光素子の斜視図である。
【
図10】本発明の他の実施例に係るV型の受光部を有するトンネル接合受光素子の光入射角を説明するための断面図である。
【
図11】本発明の他の実施例に係るV型の受光部を説明するための図面である。
【
図12】本発明の他の実施例に係るV型の受光部を持つさらに他のトンネル接合受光素子の断面図である。
【
図13】本発明のさらに他の実施例に係るU型の受光部を持つトンネル接合受光素子の斜視図である。
【
図14】本発明のさらに他の実施例に係るU型の受光部を持つトンネル接合受光素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明は、種々の変更を加えることができ、様々な実施例を有することができるが、特定の実施例を図面に例示して詳細に説明する。ただし、本発明は、特定の実施例に限定されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる変更、均等物または代替物はいずれも本発明に含まれるものと理解しなければならない。
【0050】
本発明の説明において、関連する公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にさせると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明において使われる数字(例えば、第1、第2など)は、一つの構成要素を他の構成要素と区別するための識別記号に過ぎない。
【0051】
また、本明細書において、ある構成要素が他の構成要素と「連結される」または「接続される」と言及されている場合は、ある構成要素が他の構成要素と直接連結されるまたは直接接続される場合もあれば、特別に言及しない限り、両構成要素の間にさらに他の構成要素を介在して連結されるまたは接続される場合もあると理解すべきである。
【0052】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施例について説明する。
【0053】
図1は、本発明の第1の実施例に係るトンネル接合受光素子の斜視図である。
【0054】
同図で、単位画素の受光素子を、従来のフォトダイオードの代わりにトンネル接合(tunnel junction)素子を用いて具現している。ここで、トンネル接合素子(tunnel junction device)とは、2つの導体や半導体の間に薄い絶縁層を接合している構造のことで、絶縁層で発生するトンネリング効果(tunneling effect)を用いて動作する素子を指す。参考として、トンネリング効果は、量子力学的な現象であり、電位を持つ力の作用下で運動する粒子が、粒子自体の運動エネルギーよりも大きい位置エネルギーを有する領域を通過する現象のことである。
【0055】
本発明の一実施例では、かかるトンネル接合素子を用いて単位画素の受光素子を構成でき、本明細書及び特許請求の範囲でいう「トンネル接合受光素子」は、上記のトンネル接合素子を用いて構成している受光素子のことである。トンネル接合受光素子は、種々の構造を用いて構成することができ、例えば、一般のn−MOSFETまたはp−MOSFET構造を用いて構成することができる。また、MOSFETの他にも、JFET、HEMTなどのトンネリング効果が得られる構造の電子素子を用いて単位素子を構成してもよい。
【0056】
図1で、トンネル接合受光素子100は、NMOS構造としている。トンネル接合受光素子100は、P型基板110上に形成され、一般的なNMOS電子素子においてソースに該当するN+拡散層120及びドレインに該当するN+拡散層130を含む。以下、N+拡散層120,130をそれぞれ、トンネル接合受光素子における「ソース」及び「ドレイン」と称する。
【0057】
ソース120とドレイン130との間には薄い酸化膜140が形成され、酸化膜140の上部には、一般的なNMOS構造においてゲートに該当する、P型の不純物のドープされたポリシリコン(poly−silicon)150が形成されている。ここで、トンネリング現象の発生を容易にするために、酸化膜140の厚さは10nm以下にすることが好ましく、例えば、2nm、5nm、7nmなどにすればよい。
【0058】
一般的なNMOS電子素子におけるゲートとは違い、ポリシリコン150は、フローティングした構造となっている。また、ポリシリコン150は、上部に金属性シリサイド(silicide)層が形成されず、光を吸収する領域として機能する。ポリシリコン150の上部にシリサイド層が形成されると、金属性不純物が光によるEHPの生成を困難にさせ、入射する光を反射させるため、ポリシリコン150の内部に光が浸透し難くなる。
【0059】
本明細書及び特許請求の範囲において、以下、トンネル接合受光素子100におけるポリシリコン150の領域を「受光部」と称する。
【0060】
ソース120及びドレイン130の上部には、外部ノードと接続する金属接点121,131が形成される。ソース120の金属接点121は、金属ライン122を介して外部と接続し、同様に、ドレイン130の金属接点131は金属ライン132を介して外部と接続する。
【0061】
トンネル接合受光素子100は、一般的なNMOS電子素子とは違い、ボディーに該当するP型基板110がフローティングした構造となっている。そのため、トンネル接合受光素子100は、ソース120及びドレイン130のみが外部ノードと接続し、これが一般的なNMOS電子素子と構造的に異なる点である。
【0062】
また、トンネル接合受光素子100は左右を同一の形態とすることができ、よって、ソース120とドレイン130は互いに取り替えられてもよい。
【0063】
受光部150の上部以外の受光素子100の上部には、遮光層180が形成されている。
図5を参照すると、遮光層180は、光が入射する受光部150の上部を除く残りのトンネル接合受光素子100の上部に形成され、受光部150以外の領域から光が吸収されることを防ぐ。これは、光を吸収した受光部150の光電荷を效率よくトンネリングさせ、かつ、与えられた光チャンネル以外での寄生電荷の発生を抑制すると同時に、制御された光電流を得るためである。遮光層180は、シリサイド(silicide)工程により形成でき、マスクを用いて受光部150の上部には遮光層が形成されないようにする。
【0064】
図2は、マイクロレンズを備える受光素子を示している。
【0065】
同図で、マイクロレンズ170は、受光素子100に入射する光を集光する。一般的なイメージセンサーでは、光が光学レンズ(図示せず)を通ってイメージセンサーに入射する。光学レンズを通過した光は、トンネル接合受光素子100の上部に配置されているマイクロレンズ170に到達する。マイクロレンズ170は、単位画素の前面に入射してくる光を集光して受光部150の上部151に導く。ここで、受光部150の上部151が直接露出されてもよく、受光部150と大気との間に、光が容易に通過する保護層(passivation layer)が形成されてもよい。マイクロレンズ170は、遮光層180の形成されない受光部150上に光が集中するように配置される。
【0066】
入射した光によりソース120及びドレイン130と受光部150との間に電界が形成され、ソース120とドレイン130との間にチャンネル160が形成される。具体的に、受光部150に入射した光により電子−正孔対が生成され、生成された電子−正孔対の電子は、トンネリング効果により受光部150からソース120またはドレイン130に放出される。電子の消失により受光部150における正孔の電荷量が相対的に増加する。そのため、一般的なNMOS素子とは違い、ドープされたフローティングゲートで形成された受光部150の電荷量変化に伴うしきい電圧変調効果によりソース120とドレイン130との間にチャンネル160が形成され、電流が流れることとなる。
【0067】
一方、トンネル接合受光素子100を、LDD(light doped drain)構造にしてもよい。トンネル接合受光素子をLDD構造にすると、短チャンネル効果(short channel effect)によるホットキャリア(hot carrier)の発生を減らすことができる。
図3は、本発明の一実施例に係るLDD構造にしたトンネル接合受光素子100の断面図である。
【0068】
同図で、トンネル接合受光素子100は、P型基板110上に形成され、N+拡散層からなるソース120及びドレイン130を含む。ここで、ソース120及びドレイン130は相互対称の構造であり、同一の素子特性を有することができる。ソース120及び酸化層140に隣接する領域には、低濃度でドープされたN型領域であるLDD領域123が形成され、ドレイン130及び酸化層140に隣接する領域には、低濃度でドープされたN型領域であるLDD領域133が形成される。ここで、受光部150の長さを、ソースのLDD領域123とドレインのLDD領域133との間の距離と同一に形成することができる。
【0069】
受光部150にドープされた不純物が結合しているエネルギーよりも大きいエネルギーを持つ光が照射されると、P型の不純物がドープされたポリシリコンである受光部150には、多数の正孔が自由な状態となり、電気的にフォトダイオードの空乏層から発生する反応と略同様に電子−正孔対が生成される。この時、生成された電子−正孔対は、再結合(recombination)するまでは一定時間電子と正孔の状態でそれぞれ存在し、局地的に正孔の数が増えて電荷量が増加する。
【0070】
分離された電子は、ポリシリコンの結晶粒界(grain boundary)以外の部分で自由に移動する。この時、ドレイン130に外部電圧を印加すると、電子は、ドレインのLDD領域133の境界(edge)付近に引き寄せられる。これにより、電子は、LDD領域133に隣接している受光部150の境界付近に蓄積されながら電界を受けるようになる。集束する電子数が増えるほど、相対的に強い電界が形成され、これにより、受光部150の境界付近における電子の集束現象は加速化する。ここで、受光部150に照射される光の強度が強いほど、より多くの電荷−正孔対が生成され、より大きい電界が形成される効果を生ずる。
【0071】
ソースのLDD領域123と受光部150との間の最短距離である境界付近141及びドレインのLDD領域133と受光部150との間の最短距離である境界付近142でトンネリング現象が発生しやすい。これらの境界付近141,142においてエネルギー準位条件を満たす際に電子のトンネリング効果が発生する。トンネリング効果により、受光部150の境界付近141,142に集まっている電子がソース120またはドレイン130に移動することができる。この場合、受光部150の総電荷量が変化する。すなわち、トンネリング効果により消失された電子の数だけ、正孔の電荷量は増加する効果が発生し、受光部150の電位変化に伴うしきい電圧変調効果により、ソース120とドレイン130との間にチャンネル160が形成される。形成されたチャンネル160を通じて電流量を増加させる。
【0072】
一方、光の強度が減少したり遮断されたりする場合は、上記の現象とは逆に、受光部150の電荷量が元の状態に戻る。照射されていた強い光が遮断されると、受光部150は、電子の数的増加により弱い(+)電荷量を有するようになるが、相対的に低い電位であるソースのLDD領域123の境界付近141及びドレインのLDD領域133の境界付近142に電子が蓄積されて電界が形成される。以降、受光部150に電子が流入する方向に境界付近141,142でトンネリング現象が発生する。トンネリング効果により流入した電子が正孔と再結合すると、(+)電荷の電荷量が減少する。これにより、受光部150による電界が弱くなり、ソース120とドレイン130との間のチャンネル160が減少したり消滅する。その結果、チャンネルに電流が流れなくなる。
【0073】
チャンネル160は、ピンチオフ(pinch−off)直前の状態になるようにトンネル接合受光素子100の製造工程で設計される。
図4には、本発明に係るチャンネル160が示されている。同図で、チャンネル160は、ソース120とドレイン130との電圧差により生成される。また、ソース120、ドレイン130及びチャンネル160の周囲には、印加電圧により空乏層161が生成される。チャンネル160は、ソース120及びドレイン130に外部電圧を印加しない状態でピンチオフ直前の状態になるように、製造工程で幅(width)と長さ(length)との比であるW/Lを調整して製作される。この時、W/Lは、トンネル接合受光素子の各構成要素別ドープ濃度及びトンネル接合受光素子の様々な特性によってピンチオフが発生する条件が異なるため、素子の製造工程別に実験的に設定すればよい。
【0074】
このようなトンネリング現象は、光が照射される間に、ソース120及びドレイン130のLDD領域と受光部150との間の境界付近141,142で発生し続く。しかし、光の強度が強いほどドレイン130側のトンネリングがより優位に作用し、光の強度が弱いほどソース120側のトンネリングがより優位に作用することで、平衡状態を維持することとなる。
【0075】
図6は、本発明の第1の実施例に係るトンネル接合受光素子の光入射角確保を説明するための断面図である。
【0076】
同図で、マイクロレンズを通して集束した光は、多層の遮光膜192により一定の勾配の入射経路に沿って受光部150に入射する。遮光膜192は、信号伝達及び素子制御のための金属性のメタル線(metal line)を入射経路に沿って適切に配置して構成することができる。多層の遮光膜192の間には保護層182を形成することができる。この保護層182は、可能な限り、入射する光の反射が少ない材料を用いることが好ましい。
【0077】
上記のような構造のトンネル接合受光素子により、従来のフォトダイオードに比べて、同一光量に対して数百〜数千倍以上の光電流の流れを発生させることができる。具体的に、フォトダイオードは、静電容量に蓄積されている電荷量のみで明るさを区分する。しかし、本発明の一実施例に係る受光素子は、光による受光部の電荷量変化が電界効果として作用してチャンネルの電流の流れを制御する。なお、必要な電荷はドレインから無制限に供給されるため、受光素子で自体的に信号が増幅される効果が発生する。したがって、別途の信号増幅素子を備えることなく単位画素をPPS構造で構成することが可能である。もちろん、PPS方式の他、既存のAPS方式を用いて単位画素を具現することも可能である。本実施例では、説明の便宜のために、上記のトンネル接合受光素子を用いて単位画素をPPS構造とする場合を挙げて説明する。
【0078】
次に、上記のトンネル接合受光素子を用いて構成されるイメージセンサーの単位画素の好適な実施例を、図面を参照して説明する。
【0079】
図7は、本発明の第1の実施例に係るトンネル接合受光素子を用いる単位画素の回路図である。
図7に示す本発明の好適な一実施例に係る単位画素は、1つのトンネル接合受光素子100及び1つの選択トランジスタ(select transistor)600を含む。
【0080】
ここで、1つの選択トランジスタは、種々の素子で構成することができ、例えば、従来のMOSFET構造を用いることができる。この場合、トンネル接合受光素子及び選択トランジスタを、既存のMOSFET製造工程を用いて同時に形成することができ、簡単に且つ低コストで製造することができる。
【0081】
トンネル接合受光素子100のドレイン130は、電源電圧VDDに接続しており、ソース120は、選択トランジスタ600のドレイン630に接続している。
【0082】
トンネル接合受光素子100のソース120及びドレイン130は、対称の構造を有するもので、互いに同一であるが、本明細書及び特許請求の範囲では、電源電圧VDDまたは外部の電荷供給源と接続する領域を、ドレインと表示するものとする。
【0083】
トンネル接合受光素子100の受光部150は、ゲートにのみ光か入射するように制限されたフローティングゲート構造で形成される。受光部150は、上部に金属性シリサイドが形成されず、よって、受光部150を通して光を取り込むことができる。また、一般的なNMOS構造においてボディーに該当するP型基板(P−sub)もフローティングした構造となっている。そのため、トンネル接合受光素子100は、ソース120及びドレイン130を介して外部ノードと電気的に接続する。
【0084】
本実施例において、選択トランジスタ600はNMOSで構成することができ、選択トランジスタ600のドレイン630がトンネル接続受光素子100のソース120に接続し、ソース620は、単位画素出力端l_outputに接続する。選択トランジスタ600のオン−オフ制御のための制御信号Sxは、ゲート650を介して印加できる。
【0085】
また、選択トランジスタ600のボディー610は、トンネル接合受光素子100と同様に、フローティング構造とすることができる。これは、トンネル接合受光素子100のボディー110をフローティングさせるためである。この場合、スイッチとして動作する選択トランジスタ600のゲート制御は、電源電圧VDDに比べてやや高い電圧を印加する方式でスイッチング機能が維持されることが可能である。
【0086】
図8は、本発明の第1の実施例に係る、トンネル接合受光素子とNMOS構造の選択トランジスタとで構成された単位画素の断面図である。
【0087】
図8に示すように、トンネル接合受光素子100及び選択トランジスタ600をともに、同一P−subをボディーにしてフローティング構造で形成することができる。こうすると、トンネル接合受光素子100のソース120及び選択トランジスタ600のドレイン630を同一の活性領域上に形成することができ、結果として構造が簡単化し、単位画素の大きさを減らすことができる。
【0088】
次に、本発明の第2の実施例に係るトンネル接合受光素子について説明する。
【0089】
図9は、本発明の他の実施例に係るトンネル接合受光素子200の斜視図である。
図9に示すように、トンネル接合受光素子200はV型の受光部250を含む。受講部250は、P型基板210上に形成されたV型溝(groove)の上部に形成され、受光部250とV型溝との間には薄い酸化膜が形成されるとよい。酸化膜240は、トンネリング現象の発生を容易にするために、十分薄く形成されている。さらに、10nm以下の厚さで形成することが好ましい。また、受光部250は、N型不純物のドープされたポリシリコンでよい。
【0090】
第1の実施例と同様に、受光部250は、上部に金属性シリサイド層が形成されず、フローティングされたポリシリコン構造で形成され、光を吸収する領域として機能する。
【0091】
V型溝は、p型基板210を食刻して形成できる。ここで、p型基板210は、結晶構造{100}のシリコン基板でよい。また、食刻工程は、異方性食刻(anisotropic etching)でよい。{100}型のシリコン基板の食刻工程は公知の技術なので、その詳細な説明は省略する。
【0092】
V型溝の両傾斜面と隣接している領域には、ソース220とドレイン230を形成することができる。ソース220及びドレイン230は、p型基板210の該当位置に高濃度のN型不純物を注入することによって形成できる。該ソース200とドレイン230は、V型溝により分離できる。
【0093】
ソース220及びドレイン230の上部には、外部ノードと接続する金属接点221,231がそれぞれ形成される。ソース220の金属接点221は、金属ライン222を介して外部と接続し、同様に、ドレイン230の金属接点231は金属ライン232を介して外部と接続する。
【0094】
受光部250の上部以外のトンネル接合受光素子200の上部には遮光層280が形成される。遮光層280は、受光部250以外の領域から光が吸収されることを防ぐ。遮光層280の上部にはマイクロレンズ270が形成できるので、トンネル接合受光素子200に入射する光を集光して受光部250に導く。
【0095】
これと関連して、
図10を参照すると、マイクロレンズ270を通して集束した光は、多層の遮光膜233により一定の勾配の入射経路に沿って受光部250に入射する。遮光膜233は、信号伝達及び素子制御のために配置された金属製のメタル線にしてもよい。レイアウトの設計段階において、多層のメタル線を、一定の勾配の入射経路が維持できるように配置することができる。多層の遮光膜233の間には保護層(passivation layer)283を形成できる。
【0096】
この場合、
図6と比べて、
図10におけるトンネル接合受光素子200は、受光部250がV型で形成されているため、マイクロレンズ270を通して一定角度で入射した光を受光部250により効率よく集中させられる効果が発生する。
【0097】
なお、
図11に示すように、V型で形成された受光部250は、入射した光が受光部250の表面で反射されると、該反射光を再吸収できるため、第1実施例における平面型受光部に比べて向上された受光効率を得られる効果が発生する。
【0098】
受光部250に入射した光により受光部250の内部で電子−正孔対が生成される。以降、ドレイン230に外部電圧を印加すると、該生成された電子−正孔対の電子がドレイン230に隣接している領域に集束する。ここで、ドレイン230と受光部250との間の酸化膜240でトンネリングが発生すると、トンネリング効果により受光部250の境界面に集束していた電子がソース220またはドレイン230に移動できる。したがって、トンネリング効果により失われた電子の数だけ受光部250での正孔の電荷量が相対的に増加し、よって電界が集中するV型溝の境界付近にチャンネル260が形成される。
【0099】
図12は、V型受光部を含むトンネル接合受光素子のさらに他の実施例を示している。
図12において、トンネル接合受光素子300は、PMOSタイプで形成される。ソース320及びドレイン330は、{100}型のシリコン基板に形成されたV型溝の両傾斜面に隣接している領域に、高濃度のP型不純物を注入することによって形成される。ソース320及びドレイン330は、p型基板310に形成されたNウェル315上に形成される。
【0100】
次に、本発明の第3実施例に係るトンネル接合受光素子を説明する。
図13は、本発明の第3実施例に係るトンネル接合受光素子400の斜視図である。
図13に示すように、トンネル接合受光素子400は、U型の受光部450を含む。U型の受光部450は、p型基板410上に形成されたU型溝(groove)の上部に形成され、U型溝の形成工程は、V型溝を形成するものと同一であるが、ただ、完全なV型に食刻される前にエッチングを中止することによって底面の食刻されない平らなU型溝を形成することができる。
【0101】
U型の受光部450は、第1実施例における平面型受光部150と第2実施例におけるV型受光部250との中間程度の受光効率を得ることができ、広い照度特性に反応する広帯域(wide dynamic range)特性を同時に得られる特徴がある。
【0102】
一方、
図14は、U型受光部を含むトンネル接合受光素子のさらに他の実施例を示している。
図14において、トンネル接合受光素子500はPMOSタイプで形成される。{100}型のシリコン基板に形成されたU型溝の両傾斜面と隣接している領域に、高濃度のP型不純物を注入することによってソース520とドレイン530を形成する。ソース520とドレイン530はp型基板510に形成されたNウェル515上に形成できる。
【0103】
以上、好適な実施例を挙げて、本発明の技術的特徴を有するイメージセンサーの単位画素及び単位画素のトンネル接合受光素子について説明した。
【0104】
上記の構成により、本発明の単位画素は、従来のフォトダイオードに比べて、数百〜数千倍以上の光電流を流すことが可能になる。これは、静電容量に蓄積されている電荷量のみで明暗を区分する従来のフォトダイオード方式とは違い、本発明は、光によるフローティングゲートの電荷量変化が電界効果として作用し、ソース−ドレインチャンネルの電流の流れを制御する一方で、ドレインから無制限に電荷が供給され、自体的に増幅する構成となっているためである。
【0105】
本実施例で説明された単位画素及びトンネル接合受光素子は、従来のCISとは違い、単位画素の内部に増幅素子を別途に備えなくてすむPPS方式で具現することもできる。
【0106】
また、上記の構成を用いて、高感度/高速のイメージセンサーを具現することが可能である。
【0107】
上記のような構成のイメージセンサーは、画素内部において受光素子の出力電流に比べて寄生コンデンサ(parasitic capacitor)の成分が極微または不存在するため、ローデコーダ(Row decoder)によりピクセルが選択されるまでインテグレーションの作用が進まない。したがって、変形されたロールシャッター(rolling shutter)方式において多重で信号処理を行うと、高速フレームのイメージセンサーを開発することが可能になる。
【0108】
また、単位画素の構造が非常に簡単であり、単位画素の大きさも大きくないため、一般グローバルシャッター(global shutter)方式のように、単位ピクセルの内部にキャパシタを形成し、アナログメモリーに一挙にデータを記憶させて高速でデータを読むと、500〜10,000fpsの映像も具現可能になる。
【0109】
以上の本発明の説明は、例示のためのもので、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には、本発明の技術的思想や必須特徴を逸脱することなく、様々な具体形態に変形可能であるということが理解されるであろう。
【0110】
したがって、以上述べた実施例は、いずれの面においても例示的なもので、限定的なものとして理解してはならない。例えば、一体型とされている各構成要素を分離して実施してもよく、逆に、分離していると説明されている構成要素を結合した形態に実施してもよい。
【0111】
本発明の範囲は、上述した詳細な説明に限定されることなく、添付した特許請求の範囲により定められるべきであり、よって、特許請求の範囲及び特許請求の範囲と均等概念から導出される変更または変形された形態はいずれも、本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。