(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
サーボモータの駆動力に基づき、複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムにおける、前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行う機器選定装置であって、
各動作軸ごとに、予め用意された複数の速度パターンから1つの速度パターンの選択を促す表示を行う、第1表示部と、
各動作軸ごとに、予め用意された前記複数の被駆動機構から1つの前記被駆動機構の選択を促す表示を行う、第2表示部と、
各動作軸ごとに、前記第2表示部における表示に対応した前記被駆動機構の選択結果に応じ、当該選択された1つの被駆動機構が他の被駆動機構と連動して動作するときに当該1つの被駆動機構が負担する負荷質量の変動、及び、当該1つの被駆動機構に関わる前記速度パターンの選択結果、に適合する少なくとも1つのサーボモータ及び少なくとも1つのモータ制御装置を、予め用意された複数のサーボモータ及び複数のモータ制御装置の中から抽出してそれらの名称を一覧表示し、その一覧表示の中からの選択を促す表示を行う、第3表示部と、
を有することを特徴とする機器選定装置。
サーボモータの駆動力に基づき、複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムにおける、前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行う機器選定装置であって、
前記多軸駆動システムが所定の複数の動作態様を行うときの各動作態様ごとに予め求められている、1つの被駆動機構が他の被駆動機構に連動して動作するときに負担する負荷質量の変動と当該1つの被駆動機構に関わる速度パターンとの組合せを、各被駆動機構ごとに取得する組み合わせ取得部と、
各動作軸ごとに、予め用意された前記複数の被駆動機構から1つの前記被駆動機構の選択を促す表示を行う、第6表示部と、
各動作軸ごとに、前記第6表示部における表示に対応した前記被駆動機構の選択結果、及び、当該選択された1つの被駆動機構に関する前記組み合わせ取得部での取得結果、に適合する少なくとも1つのサーボモータ及び少なくとも1つのモータ制御装置を、予め用意された複数のサーボモータ及び複数のモータ制御装置の中から抽出してそれらの名称を一覧表示し、その一覧表示の中からの選択を促す表示を行う、第7表示部と、
を有することを特徴とする機器選定装置。
それぞれ個別のサーボモータにより駆動される複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムに対し、その設計上で前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行う機器選定装置であって、
前記複数の被駆動機構のうち選択された1つの被駆動機構が動作させる対象の負荷が、他の被駆動機構の動作に基づいて変動する態様を表す負荷パターンを演算する負荷パターン演算部と、
前記1つの被駆動機構がその動作で前記負荷パターンで示される負荷を動作させるために、前記1つの被駆動機構を駆動する前記サーボモータに必要とされる必要駆動トルクパターンを演算する必要駆動トルクパターン演算部と、
前記必要駆動トルクパターンに基づいて、前記1つの被駆動機構の駆動に適合するサーボモータ及びモータ制御装置を選定する機器選定部と、
を有することを特徴とする機器選定装置。
サーボモータの駆動力に基づき、複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムにおける、前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行うとともに、所定の演算を行う演算部及び所定の表示を行う表示部を備えた、機器選定装置の前記演算部に対し、
各動作軸ごとに、予め用意された複数の速度パターンから1つの速度パターンの選択を促す表示を行うための制御信号を、前記表示部に出力する第1表示制御手順と、
各動作軸ごとに、予め用意された前記複数の被駆動機構から1つの前記被駆動機構の選択を促す表示を行うための制御信号を、前記表示部に出力する第2表示制御手順と、
各動作軸ごとに、前記第2表示制御手順の前記表示部の表示に対応した前記被駆動機構の選択結果に応じ、当該選択された1つの被駆動機構が他の被駆動機構と連動して動作するときに当該1つの被駆動機構が負担する負荷質量の変動、及び、当該1つの被駆動機構に関わる前記速度パターンの選択結果、に適合する少なくとも1つのサーボモータ及び少なくとも1つのモータ制御装置を、予め用意された複数のサーボモータ及び複数のモータ制御装置の中から抽出してそれらの名称を一覧表示し、その一覧表示の中からの選択を促す表示を行うための制御信号を、前記表示部に出力する第3表示制御手順と、
を実行させることを特徴とする、機器選定処理プログラム。
サーボモータの駆動力に基づき、複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムにおける、前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行うとともに、所定の演算を行う演算部及び所定の表示を行う表示部を備えた、機器選定装置の前記演算部に対し、
前記多軸駆動システムが所定の複数の動作態様を行うときの各動作態様ごとに予め求められている、1つの被駆動機構が他の被駆動機構に連動して動作するときに負担する負荷質量の変動と当該1つの被駆動機構に関わる速度パターンとの組合せを、各被駆動機構ごとに取得する組み合わせ取得手順と、
各動作軸ごとに、予め用意された前記複数の被駆動機構から1つの前記被駆動機構の選択を促す表示を行うための制御信号を、前記表示部に出力する第6表示制御手順と、
各動作軸ごとに、前記第6表示制御手順の前記表示部の表示に対応した前記被駆動機構の選択結果、及び、当該選択された1つの被駆動機構に関する前記組み合わせ取得手順での取得結果、に適合する少なくとも1つのサーボモータ及び少なくとも1つのモータ制御装置を、予め用意された複数のサーボモータ及び複数のモータ制御装置の中から抽出してそれらの名称を一覧表示し、その一覧表示の中からの選択を促す表示を行うための制御信号を、前記表示部に出力する第7表示制御手順と、
を有することを特徴とする機器選定処理プログラム。
それぞれ個別のサーボモータにより駆動される複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムに対し、その設計上で前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行う機器選定装置の演算部に対し、
前記複数の被駆動機構のうち選択された1つの被駆動機構が動作させる対象の負荷が、他の被駆動機構の動作に基づいて変動する態様を表す負荷パターンを演算する負荷パターン演算制御手順と、
前記1つの被駆動機構がその動作で前記負荷パターンで示される負荷を動作させるために、前記1つの被駆動機構を駆動する前記サーボモータに必要とされる必要駆動トルクパターンを演算する必要駆動トルクパターン演算制御手順と、
前記必要駆動トルクパターンに基づいて、前記1つの被駆動機構の駆動に適合するサーボモータ及びモータ制御装置を選定する機器選定制御手順と、
を実行させることを特徴とする機器選定プログラム。
サーボモータの駆動力に基づき、複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムにおける、前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行う機器選定装置が実行する機器選定処理方法であって、
各動作軸ごとに、予め用意された複数の速度パターンから1つの速度パターンの選択を促す表示を行う第1表示手順と、
各動作軸ごとに、予め用意された前記複数の被駆動機構から1つの前記被駆動機構の選択を促す表示を行う第2表示手順と、
各動作軸ごとに、前記第2表示手順の表示に対応した前記被駆動機構の選択結果に応じ、当該選択された1つの被駆動機構が他の被駆動機構と連動して動作するときに当該1つの被駆動機構が負担する負荷質量の変動、及び、当該1つの被駆動機構に関わる前記速度パターンの選択結果、に適合する少なくとも1つのサーボモータ及び少なくとも1つのモータ制御装置を、予め用意された複数のサーボモータ及び複数のモータ制御装置の中から抽出してそれらの名称を一覧表示し、その一覧表示の中からの選択を促す表示を行う、第3表示手順と、
を有することを特徴とする、機器選定処理方法。
サーボモータの駆動力に基づき、複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムにおける、前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行う機器選定装置が実行する機器選定処理方法であって、
前記多軸駆動システムが所定の複数の動作態様を行うときの各動作態様ごとに予め求められている、1つの被駆動機構が他の被駆動機構に連動して動作するときに負担する負荷質量の変動と当該1つの被駆動機構に関わる速度パターンとの組合せを、各被駆動機構ごとに取得する組み合わせ取得手順と、
各動作軸ごとに、予め用意された前記複数の被駆動機構から1つの前記被駆動機構の選択を促す表示を行う、第4表示手順と、
各動作軸ごとに、前記第4表示手順の表示に対応した前記被駆動機構の選択結果、及び、当該選択された1つの被駆動機構に関する前記組み合わせ取得手順での取得結果、に適合する少なくとも1つのサーボモータ及び少なくとも1つのモータ制御装置を、予め用意された複数のサーボモータ及び複数のモータ制御装置の中から抽出してそれらの名称を一覧表示し、その一覧表示の中からの選択を促す表示を行う、第5表示手順と、
を有することを特徴とする機器選定処理方法。
それぞれ個別のサーボモータにより駆動される複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムに対し、その設計上で前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行う機器選定装置が実行する機器選定処理方法であって、
前記複数の被駆動機構のうち選択された1つの被駆動機構が動作させる対象の負荷が、他の被駆動機構の動作に基づいて変動する態様を表す負荷パターンを演算する負荷パターン演算手順と、
前記1つの被駆動機構がその動作で前記負荷パターンで示される負荷を動作させるために、前記1つの被駆動機構を駆動する前記サーボモータに必要とされる必要駆動トルクパターンを演算する必要駆動トルクパターン演算手順と、
前記必要駆動トルクパターンに基づいて、前記1つの被駆動機構の駆動に適合するサーボモータ及びモータ制御装置を選定する機器選定手順と、
を有することを特徴とする機器選定処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、複数の被駆動機構を備えた多軸駆動システムにおけるサーボモータの選定処理については、特に配慮されていなかった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、複数の被駆動機構を備えた多軸駆動システムのサーボモータ及びモータ制御装置の選定処理を容易に行える、機器選定処理装置、及び機器選定処理プログラム、並びに機器選定処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、サーボモータの駆動力に基づき、複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムにおける、前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行う機器選定装置であって、各動作軸ごとに、予め用意された複数の速度パターンから1つの速度パターンの選択を促す表示を行う、第1表示部と、各動作軸ごとに、予め用意された前記複数の被駆動機構から1つの前記被駆動機構の選択を促す表示を行う、第2表示部と、各動作軸ごとに、前記第2表示部における表示に対応した前記被駆動機構の選択結果に応じ、当該選択された1つの被駆動機構が他の被駆動機構と連動して動作するときに当該1つの被駆動機構が負担する負荷質量の変動、及び、当該1つの被駆動機構に関わる前記速度パターンの選択結果、に適合する少なくとも1つのサーボモータ及び少なくとも1つのモータ制御装置を、予め用意された複数のサーボモータ及び複数のモータ制御装置の中から抽出してそれらの名称を一覧表示し、その一覧表示の中からの選択を促す表示を行う、第3表示部と、を有する機器選定装置が適用される。
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、サーボモータの駆動力に基づき、複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムにおける、前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行う機器選定装置であって、前記多軸駆動システムが所定の複数の動作態様を行うときの各動作態様ごとに予め求められている、1つの被駆動機構が他の被駆動機構に連動して動作するときに負担する負荷質量の変動と当該1つの被駆動機構に関わる速度パターンとの組合せを、各被駆動機構ごとに取得する組み合わせ取得部と、各動作軸ごとに、予め用意された前記複数の被駆動機構から1つの前記被駆動機構の選択を促す表示を行う、第6表示部と、各動作軸ごとに、前記第6表示部における表示に対応した前記被駆動機構の選択結果、及び、当該選択された1つの被駆動機構に関する前記組み合わせ取得部での取得結果、に適合する少なくとも1つのサーボモータ及び少なくとも1つのモータ制御装置を、予め用意された複数のサーボモータ及び複数のモータ制御装置の中から抽出して一覧表示し、その一覧表示の中からの選択を促す表示を行う、第7表示部と、を有する機器選定装置が適用される。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、それぞれ個別のサーボモータにより駆動される複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムに対し、その設計上で前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行う機器選定装置であって、前記複数の被駆動機構のうち選択された1つの被駆動機構が動作させる対象の負荷が、他の被駆動機構の動作に基づいて変動する態様を表す負荷パターンを演算する負荷パターン演算部と、前記1つの被駆動機構がその動作で前記負荷パターンで示される負荷を動作させるために、前記1つの被駆動機構を駆動する前記サーボモータに必要とされる必要駆動トルクパターンを演算する必要駆動トルクパターン演算部と、前記必要駆動トルクパターンに基づいて、前記1つの被駆動機構の駆動に適合するサーボモータ及びモータ制御装置を選定する機器選定部と、を有する機器選定装置が適用される。
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、サーボモータの駆動力に基づき、複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムにおける、前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行うとともに、所定の演算を行う演算部及び所定の表示を行う表示部を備えた、機器選定装置の前記演算部に対し、各動作軸ごとに、予め用意された複数の速度パターンから1つの速度パターンの選択を促す表示を行うための制御信号を、前記表示部に出力する第
1表示制御手順と、各動作軸ごとに、予め用意された前記複数の被駆動機構から1つの前記被駆動機構の選択を促す表示を行うための制御信号を、前記表示部に出力する第2表示制御手順と、各動作軸ごとに、前記第2表示制御手順の前記表示部の表示に対応した前記被駆動機構の選択結果に応じ、当該選択された1つの被駆動機構が他の被駆動機構と連動して動作するときに当該1つの被駆動機構が負担する負荷質量の変動、及び、当該1つの被駆動機構に関わる前記速度パターンの選択結果、に適合する少なくとも1つのサーボモータ及び少なくとも1つのモータ制御装置を、予め用意された複数のサーボモータ及び複数のモータ制御装置の中から抽出してそれらの名称を一覧表示し、その一覧表示の中からの選択を促す表示を行うための制御信号を、前記表示部に出力する第3表示制御手順と、を実行させる機器選定処理プログラムが適用される。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、サーボモータの駆動力に基づき、複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムにおける、前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行うとともに、所定の演算を行う演算部及び所定の表示を行う表示部を備えた、機器選定装置の前記演算部に対し、前記多軸駆動システムが所定の複数の動作態様を行うときの各動作態様ごとに予め求められている、1つの被駆動機構が他の被駆動機構に連動して動作するときに負担する負荷質量の変動と当該1つの被駆動機構に関わる速度パターンとの組合せを、各被駆動機構ごとに取得する組み合わせ取得手順と、各動作軸ごとに、予め用意された前記複数の被駆動機構から1つの前記被駆動機構の選択を促す表示を行うための制御信号を、前記表示部に出力する第6表示制御手順と、各動作軸ごとに、前記第6表示制御手順の前記表示部の表示に対応した前記被駆動機構の選択結果、及び、当該選択された1つの被駆動機構に関する前記
組み合わせ取得手順での取得結果、に適合する少なくとも1つのサーボモータ及び少なくとも1つのモータ制御装置を、予め用意された複数のサーボモータ及び複数のモータ制御装置の中から抽出してそれらの名称を一覧表示し、その一覧表示の中からの選択を促す表示を行うための制御信号を、前記表示部に出力する第7表示制御手順と、を有する機器選定処理プログラムが適用される。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、それぞれ個別のサーボモータにより駆動される複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムに対し、その設計上で前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行う機器選定装置の演算部に対し、前記複数の被駆動機構のうち選択された1つの被駆動機構が動作させる対象の負荷が、他の被駆動機構の動作に基づいて変動する態様を表す負荷パターンを演算する負荷パターン演算制御手順と、前記1つの被駆動機構がその動作で前記負荷パターンで示される負荷を動作させるために、前記1つの被駆動機構を駆動する前記サーボモータに必要とされる必要駆動トルクパターンを演算する必要駆動トルクパターン演算制御手順と、前記必要駆動トルクパターンに基づいて、前記1つの被駆動機構の駆動に適合するサーボモータ及びモータ制御装置を選定する機器選定制御手順と、を実行させる機器選定プログラムが適用される。
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、サーボモータの駆動力に基づき、複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムにおける、前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行う機器選定装置が実行する機器選定処理方法であって、各動作軸ごとに、予め用意された複数の速度パターンから1つの速度パターンの選択を促す表示を行う第
1表示手順と、各動作軸ごとに、予め用意された前記複数の被駆動機構から1つの前記被駆動機構の選択を促す表示を行う第2表示手順と、各動作軸ごとに、前記第2表示手順の表示に対応した前記被駆動機構の選択結果に応じ、当該選択された1つの被駆動機構が他の被駆動機構と連動して動作するときに当該1つの被駆動機構が負担する負荷質量の変動、及び、当該1つの被駆動機構に関わる前記速度パターンの選択結果、に適合する少なくとも1つのサーボモータ及び少なくとも1つのモータ制御装置を、予め用意された複数のサーボモータ及び複数のモータ制御装置の中から抽出してそれらの名称を一覧表示し、その一覧表示の中からの選択を促す表示を行う、第3表示手順と、を有する機器選定処理方法が適用される。
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、サーボモータの駆動力に基づき、複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムにおける、前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行う機器選定装置が実行する機器選定処理方法であって、前記多軸駆動システムが所定の複数の動作態様を行うときの各動作態様ごとに予め求められている、1つの被駆動機構が他の被駆動機構に連動して動作するときに負担する負荷質量の変動と当該1つの被駆動機構に関わる速度パターンとの組合せを、各被駆動機構ごとに取得する組み合わせ取得手順と、各動作軸ごとに、予め用意された前記複数の被駆動機構から1つの前記被駆動機構の選択を促す表示を行う、第4表示手順と、各動作軸ごとに、前記第4表示手順の表示に対応した前記被駆動機構の選択結果、及び、当該選択された1つの被駆動機構に関する前記
組み合わせ取得手順での取得結果、に適合する少なくとも1つのサーボモータ及び少なくとも1つのモータ制御装置を、予め用意された複数のサーボモータ及び複数のモータ制御装置の中から抽出してそれらの名称を一覧表示し、その一覧表示の中からの選択を促す表示を行う、第5表示手順と、を有する機器選定処理方法が適用される。
【0014】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、それぞれ個別のサーボモータにより駆動される複数の被駆動機構が互いに連動して動作する多軸駆動システムに対し、その設計上で前記サーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器の選定を行う機器選定装置が実行する機器選定処理方法であって、前記複数の被駆動機構のうち選択された1つの被駆動機構が動作させる対象の負荷が、他の被駆動機構の動作に基づいて変動する態様を表す負荷パターンを演算する負荷パターン演算手順と、前記1つの被駆動機構がその動作で前記負荷パターンで示される負荷を動作させるために、前記1つの被駆動機構を駆動する前記サーボモータに必要とされる必要駆動トルクパターンを演算する必要駆動トルクパターン演算手順と、前記必要駆動トルクパターンに基づいて、前記1つの被駆動機構の駆動に適合するサーボモータ及びモータ制御装置を選定する機器選定手順と、を有する機器選定処理方法が適用される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、操作者は、自らの所望する構成の多軸駆動システムにおいて各被駆動機構が負担する質量負荷の変動を加味しつつ、一覧表示されたサーボモータ及びモータ制御装置の名称の中から、過不足のない適正なスペックを備えたサーボモータ及びモータ制御装置を容易に選定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、一実施形態に係る機器選定装置の外観全体を表した図である。図示する例の機器選定装置は、一般的なパーソナルコンピュータ1(以下、PCと略記)で具現化されており、当該PC1で実行するソフトウェアアプリケーションによって機器選定処理を実現する。なお、特に図示しないが、当該PC1にはCPU、ROM、RAM、HDD、DVDドライブなどのリムーバブルメディアドライブ、キーボード、マウスなどのポインティングデバイス、ディスプレイ、ネットワークインターフェースなどの一般的なPCの構成を備えていればよく、その他の詳細なハードウェア構成については説明を省略する。
【0019】
図2は、当該PC1が実行する機器選定アプリケーションの処理構成を模式的に表すソフトウェアブロック図である。この機器選定アプリケーション100は、ユーザが設計しようとする多軸駆動システムに備えられるモータ機器について、当該多軸駆動システムの後述する指令条件、機構条件に適合したモータ機器の選定処理を行う。なお、以下においてモータ機器とは、モータ、モータ制御装置、及びモータ制御に関係する周辺機器の総称をいう。また、上記機器選定アプリケーション100が各請求項記載の機器選定プログラムに相当し、上記PC1の構成のうち当該プログラムを実行する機能部分が各請求項記載の機器選定装置に相当する。
【0020】
最初に本実施形態の機器選定アプリケーション100の処理構成について説明する。
図2において、機器選定アプリケーション100は、選定演算部110と、記憶部120と、入力部130と、出力部140とを有している。
【0021】
まず入力部130は、軸数入力部131と、指令条件入力部132と、機構条件入力部133と、負荷演算式入力部134とを有している。
【0022】
軸数入力部131は、設計対象の多軸駆動システムの動作軸数、つまり当該多軸駆動システムの駆動に必要とされるモータの数を入力する機能を有する(以下、適宜モータを動作軸という)。
【0023】
指令条件入力部132は、上記多軸駆動システム中の各動作軸の制御対象に出力させるよう想定した速度パターンを指令条件として入力する機能を有する。
【0024】
機構条件入力部133は、上記多軸駆動システム中で各動作軸が駆動する被駆動機構について、その機構的な内容を規定する被駆動機構モデルとその詳細な設計パラメータを機構条件として入力する機能を有する。なお、上記の制御対象、指令条件、被駆動機構、及び機構条件については後述の
図4で詳述する。
【0025】
負荷演算式入力部134は、各動作軸ごとにその制御対象の負荷が、他動作軸の動作によって変動する態様を表す負荷パターンを演算する際に用いる負荷演算式を入力する機能を有する。なお、上記の負荷パターン及び負荷演算式については後述の
図11で詳述する。
【0026】
次に記憶部120は、モータ機器特性データベース121(図中ではDBと略記)と、被駆動機構モデル記憶部122とを有している。モータ機器特性データベース121は、各種モータ機器の名称とそれぞれの仕様特性を対応付けて記憶する。モータ機器の名称としては、個々の型番やシリーズ名称であってもよい。被駆動機構モデル記憶部122は、上記被駆動機構について通常使用し得る全ての種類ごとに、その必要駆動力を算出する際に用いる数理モデルの計算式等を記憶する。
【0027】
次に選定演算部110は、負荷パターン演算部111と、必要駆動トルクパターン演算部112と、要求特性算出部113と、モータ機器選定部114とを有している。
【0028】
負荷パターン演算部111は、上記指令条件入力部132で入力した指令条件と、上記負荷演算式入力部134で入力した負荷演算式とに基づいて、所定動作軸における制御対象の負荷の変動を表す負荷パターンを演算する機能を有する。
【0029】
必要駆動トルクパターン演算部112は、上記被駆動機構モデル記憶部122を参照しつつ、上記機構条件入力部133で入力した機構条件と、上記指令条件入力部132で入力した指令条件と、上記負荷パターン演算部111で演算した負荷パターンに基づいて、上記被駆動機構の全体を駆動するために各動作軸に必要とされる必要駆動トルクパターンを演算する機能を有する。
【0030】
要求特性算出部113は、上記必要駆動トルクパターン演算部112が演算した必要駆動トルクパターンに基づいて、当該動作軸のモータ機器に要求される要求特性を算出する機能を有する。
【0031】
モータ機器選定部114は、上記要求特性算出部113が算出した要求特性に基づいて、当該要求特性を必要最小限に満たして適合する仕様特性のモータ機器を上記モータ機器特性データベース121から選定し取得する機能を有する。なお、上記の要求特性算出部113及びモータ機器選定部114が、各請求項記載の機器選定部に相当する。また、上記の負荷パターン、必要駆動トルクパターン、及び要求特性については後に詳述する。
【0032】
次に出力部140は、上記入力部130の各入力操作を行う画面や、上記モータ機器選定部114で選定したモータ機器の名称などを例えばディスプレイなどの表示装置に出力してユーザに示す機能を有する。なお、上記のディスプレイが各請求項記載の表示部に相当する。
【0033】
以下に、本実施形態によるモータ機器の選定手法について、具体的な多軸駆動システムの一例を挙げて説明する。
【0034】
本実施形態のモータ機器選定装置(機器選定アプリケーション100)によりモータ機器の選定を行う対象の多軸駆動システムの一例を
図3に示す。図示する例の多軸駆動システムは、いわゆるガントリ機構を利用したX−Yテーブル200である。
図3(a)の外観斜視図に示すように、当該X−Yテーブル200は、略直方体形状の水平基台201を備え、この両側長辺部にはそれぞれY軸可動テーブル202、203を長辺方向(Y方向)に沿って移動可能な2つのY軸テーブル移動機構204、205を設けている。それら2つのY軸可動テーブル202、203の間で短辺方向(X方向)に平行な配置で可動梁206を掛け渡し、さらに当該可動梁206上にはX軸可動テーブル207を短辺方向に沿って移動可能なX軸テーブル移動機構208を設けている。
【0035】
この例では、上記2つのY軸テーブル移動機構204、205及びX軸テーブル移動機構208が、それぞれ回転型サーボモータにより駆動される水平ボールねじ機構を備えた被駆動機構を備えている。また、
図3(b)に示すように、一方のY軸可動テーブル202の移動方向をY1軸方向(図中の左側)とし、他方のY軸可動テーブル203の移動方向をY2軸方向(図中の右側)とし、X軸可動テーブル207の移動方向をX軸方向とする。以上のように構成したX−Yテーブル200の多軸制御システムは、これら3つのテーブル移動機構204、205、208を連携動作させることによって、X軸可動テーブル207上に固定した機器(上記
図3中の破線部参照)の水平面上のX−Y座標移動を制御することができる。なお、上記のX軸テーブル移動機構208が各請求項記載のX軸被駆動機構に相当し、上記のY1軸に対応するY1軸テーブル移動機構204が各請求項記載のY1軸移動機構に相当し、上記のY2軸に対応するY2軸テーブル移動機構205が各請求項記載のY2軸移動機構に相当する。
【0036】
各テーブル移動機構の詳細構成を
図4に示す。なお、上記のY1、Y2軸、及びX軸の各軸方向のテーブル移動機構204、205、208のそれぞれの構成は、いずれも詳細な設計パラメータに差異があるものの、基本的には図示する構成と同等である。図示する例のテーブル移動機構400は、概略的にモータ駆動機構410と、被駆動機構420と、制御対象430とで構成される。
【0037】
モータ駆動機構410は、サーボモータ411と、エンコーダ412と、サーボコントローラ413とを有している。サーボモータ411は、この例では回転型モータであり、サーボコントローラ413から供給される駆動電力に応じてその出力軸411aを回転駆動させる。エンコーダ412は、例えば光学式の回転数検出器などで構成され、上記サーボモータの出力軸411aの回転位置、回転角速度を十分な精度で検出する。サーボコントローラ413は、上記エンコーダ412からの検出情報を参照しつつ、特に図示しない上位制御装置から入力される駆動制御指令に基づいて上記サーボモータ411に供給する駆動電力を制御する。なお、このサーボコントローラ413が、各請求項記載のモータ制御装置に相当する。
【0038】
また、図示する例の被駆動機構420は、カップリング421と、減速機422と、カップリング423と、水平ボールねじ機構424とを順に上記サーボモータの出力軸411aから連結して備えている。動力伝達要素の1つである減速機422は、歯数の異なる主動ギア422aと従動ギア422bの2つの減速ギアを噛み合わせた歯車式の減速機要素である。水平ボールねじ機構424は、水平に配置されたボールねじ424aを可動テーブル424bに貫通、螺合させ、ボールねじ424aを正逆回転させることでその回転方向に対応する移動方向で可動テーブル424bを軸方向に沿って移動させるアクチュエータ機構である。2つのカップリング421、423は、上記サーボモータ411の出力軸411aと上記水平ボールねじ機構424のボールねじ424aのそれぞれに対して上記減速機422の主動ギア422aと従動ギア422bを連結して回転駆動力を伝達する動力伝達要素である。
【0039】
制御対象430は、被駆動機構420の出力部、つまりこの例の可動テーブル424bに固定されて直線移動させられる対象物である。例えば、上記Y1軸テーブル移動機構204、Y2軸テーブル移動機構205の場合は、可動梁206及びX軸テーブル移動機構208を合わせた全体をY1軸、Y2軸でそれぞれ分担した分がぞれぞれの制御対象430となる。また、上記X軸テーブル移動機構208の場合は、X軸可動テーブル207上に設置する機器(上記
図3(a)中の破線部参照)が制御対象430となる。
【0040】
以上のモータ駆動機構410と被駆動機構420を有する多軸駆動システムは、実際に製作されたものではなく、設計段階の仮想上のものでよい。なお、本実施形態においては、被駆動機構420は上記のように全ての動力伝達要素をサーボモータの出力軸411aから一列だけ直列に連結した構成とする。以下の説明では、本実施形態の機器選定アプリケーション100において、上記構成の各テーブル移動機構204、205、208の駆動に適した特性のサーボモータ及びサーボコントローラを選定する手法について説明する。なお、その他にモータ駆動機構410を構成するエンコーダ412などの選定については後に説明する。
【0041】
まず一般的にモータ機器の選定を行うためには、ユーザは予め機器選定アプリケーション100に少なくとも指令条件と機構条件を入力する必要がある。そして、上述した制御対象の負荷が、他軸の被駆動機構の動作によって変動する動作軸の場合には、さらに負荷演算式を入力する必要がある。このような各条件や演算式の入力、設定を行う操作画面の一例を
図5に示す。この
図5に示す操作画面は、上記PC1上で機器選定アプリケーション100を起動した際に、上記出力部140の機能によって例えばディスプレイなどの表示装置に表示される。
【0042】
この操作画面には、軸数入力操作部501と、速度線図設定操作部502と、機構設定操作部503と、負荷パターン設定操作部504と、単軸選定操作部505と、多軸速度線図設定操作部506と、多軸選定操作部507と、設定完了操作部508とを備えており、ユーザは所定の順序(または任意の順序)で操作部を選択して操作できる。ユーザは、まず最初に軸数入力操作部501で設計対象の多軸駆動システムの備えられる動作軸数、すなわちモータの数を設定入力できる。なお、この軸数入力操作部501は、上記の軸数入力部131により機能する操作部である。そして、動作軸数が設定された際に、図中の左側から速度線図設定操作部502、機構設定操作部503、負荷パターン設定操作部504、及び単軸選定操作部505の順で並べられた操作部の列が、設定軸数の数に応じて上下方向に並べて表示される。図示する例では3軸が設定されているため、各動作軸に対応する3列で表示されている。
【0043】
速度線図設定操作部502は、上記の指令条件入力部132により機能する操作部であり、各動作軸の被駆動機構の出力部、つまり上記の制御対象で出力させるよう想定した動作量を例えば時系列変化パターンなどで指令条件として設定する。本実施形態の例では、この動作量を制御対象の移動速度で指令するとし、具体的には
図6に示すような時系列で表現した速度パターン(速度線図)で設定する。この速度パターンの設定は、ユーザが任意のパターン(任意の加減速度、定常速度、時間長)で設定してもよいし、予め用意された複数のパターンを選択することで設定してもよい。なお、この
図6に示すにように単軸での速度パターンの設定操作画面が各請求項記載の第1表示部に相当する。
【0044】
また、上記多軸速度線図設定操作部506では、
図7に示すように全ての動作軸における制御対象の速度パターンを同一の時間軸上で設定することができ、これにより軸間連携動作における各動作軸の動作タイミングを設定できる。なお、この
図7に示すように多軸での速度パターンの設定操作画面が各請求項記載の第5表示部に相当する。これら速度パターンで表現される指令条件は、多軸駆動システム全体の制御性を検証するためにあえて実際に想定される使用形態よりも変動の激しい内容に設定してもよいし、または実際に想定される使用形態に合わせた内容に設定してもよい。
【0045】
機構設定操作部503は、上記の機構条件入力部133により機能する操作部であり、各動作軸の被駆動機構について全体の機構的な種類、及び各構成要素の設計パラメータを機構条件として設定する。具体的には、上記被駆動機構モデル記憶部122に記憶されている多数の種類の被駆動機構モデルを
図8に示すように一覧表示し(図中の左下参照)、その中でユーザが選択した被駆動機構モデルに対して必要な設計パラメータの入力設定を行う(図中の右上参照)。なお、この
図8に示すにように機構条件の設定操作画面が各請求項記載の第2表示部に相当する。また、特に図示しないが、ユーザが複数種類の動力伝達要素を選択し組み合わせて任意の被駆動機構モデルを設定してもよい。この機構条件の入力により、機器選定アプリケーション100は各軸の被駆動機構の機構的内容を把握できる。そして、設計パラメータの入力設定では制御対象の負荷質量の入力設定も行うが、他の動作軸の動作によって負荷質量が変動する場合に選択する選択肢の操作もできる。
【0046】
ここで、上記
図3で示したX−Yテーブル200の多軸駆動システムの場合、X軸テーブル移動機構208の制御対象の負荷が他の動作軸の動作に影響を受けず不変であるため、その負荷質量をそのまま入力設定できる。この場合、後述する負荷パターンを演算する必要がなく、上記
図5の操作画面では、X軸(図中の「1軸目」)に対応する負荷パターン設定操作部504が機能しない(半透明化表示される)。このようなX軸においては、上記の指令条件と機構条件を入力設定した時点で当該X軸におけるモータ機器の選定が可能である。
【0047】
X軸テーブル移動機構208の駆動に適したモータ機器を選定するためには、必要駆動トルクパターンと要求特性を算出しなければならない。つまり、当該X軸テーブル移動機構208の制御対象に、指令条件として設定した速度パターンで移動させるために、被駆動機構を構成する全ての動力伝達要素と制御対象の負荷のそれぞれにおいて駆動に必要な必要駆動トルクを機構条件に基づいて個別に解析する。なお、この要素別の必要駆動トルクの解析については、T=J・dω/dt(F=m・a)等の式によるトルク計算(推力計算)を行えばよく、ここではその詳細について省略する。そして、それら制御対象及び動力伝達要素ごとの必要駆動トルクを累積してサーボモータに必要とされる必要駆動トルクの時系列パターンを求め、その必要駆動トルクパターンに基づいて当該サーボモータに要求される要求特性を算出する。
【0048】
このX軸テーブル移動機能の制御対象に対して、
図9(a)に示すような移動速度の速度パターンで指令条件を与えた場合、これを実現するためのX軸のサーボモータの必要駆動トルクは
図9(b)に示すような時系列変化パターンとなる。この
図9(b)に示す必要駆動トルクパターンは、加速期において回転方向に対する正のトルクが必要であり、また減速期において回転方向に対する負のトルクが必要であることを示している(それぞれ図中の網掛け表示部参照)。なお、定速期においては、摩擦などで生じる動力損失分を補填する程度の一定の低いトルクでよい。また、上記
図2における必要駆動トルクパターン演算部112が上記の必要駆動トルクパターンを演算するよう機能する。
【0049】
このようにして解析された必要駆動トルクパターンに基づき、上記
図2における要求特性算出部113が、上記指令条件に対応してX軸のモータ機器に必要とされる最大電流、消費電力、回生エネルギ、必要回生抵抗などの特性、つまり要求特性を算出する。なお、このような必要駆動トルクパターンの実際の波形と要求特性の表示例を
図10に示す。そして、この要求特性を必要最小限に満たすモータ機器(サーボモータ、サーボコントローラ)の名称を、上記
図2におけるモータ機器選定部114が、上記モータ機器特性データベース121から取得し、
図10中の選定名称表示部510で表示することで、ユーザはX軸における適切なモータ機器を選定できる。なお、上記の選定名称表示部が各請求項記載の第3表示部に相当する。
【0050】
一方、上記
図3で示したX−Yテーブル200の多軸駆動システムにおいて、Y1軸とY2軸の場合には、それぞれのテーブル移動機構204、205の制御対象の負荷がX1軸の動作に影響を受けて変動する。具体的には、X軸可動テーブル207がY1軸上に近接するほど、Y1軸の制御対象の負荷質量が増加し、Y2軸の制御対象の負荷質量が減少する。逆に、X軸可動テーブル207がY2軸上に近接するほど、Y2軸の制御対象の負荷質量が増加し、Y1軸の制御対象の負荷質量が減少する。この点を考慮しなければ、Y1軸、Y2軸のモータ機器を適切に選定できない。
【0051】
例えば、可動梁上で移動するX軸可動テーブル207とその上に設置されるX軸の制御対象を合わせた質量を40kgとし、そのうちY1軸とY2軸のそれぞれで分担して負担する負荷質量をMy1、My2とすると、常にMy1+My2=40kgの関係が成立する。この関係において、上記
図3(b)に示したX軸上のx座標で、X軸可動テーブル207が最もY1軸に接近している状態でx=0、X軸可動テーブル207が最もY2軸に接近している状態でx=Lとした座標設定の場合を考える。例えば、x=0のときにY1軸側で負担する分担負荷質量My1が30kg、Y2軸側で負担する分担負荷質量My2が10kgとし、x=LのときにY1軸側で負担する分担負荷質量My1が10kg、Y2軸側で負担する分担負荷質量My2が30kgとする。そして、分担負荷質量My1は移動位置xに対して比例減少し、分担負荷質量My2は移動位置xに対して比例増加する。
【0052】
この場合に、X軸可動テーブル207とその上に設置されるX軸の制御対象を合わせた質量(40kg)のうちY1軸、Y2軸のそれぞれで負担する分担負荷質量My1、My2は、
My1=20(L−x)/L+10 ・・・ (1)
My2=20x/L+10 ・・・ (2)
と置ける。また、Y1軸テーブル移動機構204及びY2軸テーブル移動機構205がそれぞれ制御対象としている負荷質量は上記(1)式、(2)式で求められる分担負荷質量My1、My2だけではなく、それ以外にもX軸可動テーブル207を除いたX軸テーブル移動機構208と可動梁全体を合わせた負荷質量に対する分担負荷質量Cy1、Cy2との合計値となる(Cy1+Cy2=一定)。しかし、これら分担負荷質量Cy1、Cy2は、それぞれX軸の移動位置xなどの影響を受けずに変動することのない固定値である。その結果、Y1軸テーブル移動機構204及びY2軸テーブル移動機構205がそれぞれ制御対象としている負荷質量MY1、MY2は、
MY1=My1+Cy1=20(L−x)/L+10+Cy1・・・(3)
MY2=My2+Cy2=20x/L+10+Cy2 ・・・ (4)
となる。これら2つの式が、Y1軸テーブル移動機構204とY2軸テーブル移動機構205のそれぞれの制御対象の負荷演算式となり、上記
図3のX−Yテーブル200の場合にはそれぞれの負荷演算式がX軸可動テーブル207の移動位置xについての1次式となることが分かる。
【0053】
このように、連動する多軸間におけるそれぞれの負荷質量について、他の動作軸の動作量(加速度、速度、変位、傾きなど)を用いた演算式で個別に求められる場合が多い。このような関係演算式は、当該多軸駆動システムの機構的構成を把握している設計者のユーザであれば負荷演算式として作成し、上記
図5に示した負荷パターン設定操作部504で当該負荷演算式を入力できる。つまり、多軸駆動システムの各動作軸においてそれぞれの制御対象の負荷質量が他の動作軸の動作量と相互に影響を受けて変動しあう場合であっても、負荷演算式を用いて各動作軸の制御対象の負荷質量を見かけ上の固定質量の増減に
換算し、個別に
演算できる。
【0054】
例えば上記(3)式で表されるY1軸の負荷演算式の場合には、上述したように制御対象の負荷演算式がX軸可動テーブル207の移動位置xを変数とした1次式であることから、当該移動位置xを求める必要がある。これは、
図11に示すように、X軸に対する指令条件として入力された速度パターンに対し機器選定アプリケーション100が内部的に積分演算することで、移動位置xの変化を時系列的に表現した移動量パターンとして求めることができる。なお、この移動量パターンが各請求項記載の移動量の変動に相当する。そして、この移動量パターンに対し、上記
図2における負荷パターン演算部111が、上記(3)式の負荷演算式を用いて初期重量負担分(式中の10+Cy1に相当)、慣性モーメント負荷可変係数(式中の20に相当)を考慮した演算を行うことで、Y1軸の制御対象の負荷質量MY1の変化を時系列的に表現した負荷パターンを求めることができる。なお、この負荷パターンが示す内容が各請求項記載の負荷質量の変動に相当する。
【0055】
本実施形態の例において、Y1軸テーブル移動機構204とY2軸テーブル移動機構205のそれぞれの駆動に適したモータ機器を選定するためには、それぞれの負荷パターンで示される負荷質量をそれぞれの速度パターンで移動させるのに必要な必要駆動トルクパターンと要求特性を求めればよい。以下にその過程の具体例を説明する。
【0056】
例えば、上記
図3に示したX−Yテーブル200を、
図12に示すような4段階の工程で動作させた場合を考える。図示する例では、最初にX軸の位置x=Lとし、Y1軸、Y2軸を共に最も手前側に位置させた状態から始めて、X軸だけを位置x=0まで移動させる第1段階目の動作工程を行う。次に、Y1軸、Y2軸の両方を最も奥側まで移動させる第2段階目の動作工程を行う。次に、X軸だけを位置x=Lまで戻すよう移動させる第3段階目の動作工程を行う。次に、Y1軸、Y2軸の両方を最も手前側まで戻すよう移動させる第4段階目の動作工程を行って終了する。以上の4段階の動作工程を行わせるための指令条件として、図示するような速度パターンが入力される。
【0057】
これら速度パターンに基づいて機器選定アプリケーション100が内部的に積分演算してX軸の移動量パターンを算出し(図示省略)、このX軸の移動量パターンに基づいて上記
図2における負荷パターン演算部111が各動作軸の負荷演算式を用いて
図13に示す負荷パターンを演算する。さらに、これら負荷パターンに基づいて、上記
図2における必要駆動トルクパターン演算部112が機構条件を考慮して
図14に示す必要駆動トルクパターンを演算する。
【0058】
このようにして解析された各動作軸の必要駆動トルクパターンに基づいて上記
図2における要求特性算出部113がそれぞれの要求特性を算出する。そして、上記
図2におけるモータ機器選定部114が、それぞれの要求特性を必要最小限に満たすモータ機器を上記モータ機器特性データベース121から選定し、それらの名称を表示する。
【0059】
以上の選定処理の工程を模式的にまとめると、
図15に示す図となる。すなわち、指令条件として入力された速度パターンと、内部演算した各動作軸の移動量パターン及び入力された負荷演算式から求めた負荷パターンと、に基づいて必要駆動トルクパターンを演算する。この演算では入力された機構条件を考慮する。そして算出された必要駆動トルクパターンに基づいて要求特性が算出され、この要求特性を必要最小限に満たすモータ機器を選定することで選定処理が完了する。本実施形態では、多軸駆動システムに対してこのようなモータ機器の選定処理を各動作軸ごとに個別に行うことができる。
【0060】
なお、上記
図4に示したエンコーダなどの周辺機器の選定については、モータ機器特性データベース121に対応する周辺機器の名称と要求特性も対応づけて記憶させておき、上記の要求特性を算出する際に当該周辺機器についての要求特性も算出して適合するものをモータ機器特性データベース121から選定すればよい。また、特に図示しないが、要求特性に適合するモータ機器が複数ある場合には、それら全ての名称を一覧表示してユーザに選択させてもよい。
【0061】
図16は、以上説明した本実施形態によるモータ機器の選定処理を実現するために、PC1のCPUが実行する制御内容を表すフローチャートの一例である。なお、このフローは、機器選定アプリケーション100の起動時から開始される。
【0062】
まずステップS5で、上記
図2に示した軸数入力部131が、上記
図5の軸数入力操作部501を介したユーザからの入力操作により、設計対象の多軸駆動システム(上記
図3のX−Yテーブル200)の軸数を設定する。
【0063】
次にステップS10へ移り、上記
図2に示した指令条件入力部132が、上記
図5の速度線図設定操作部502を介したユーザからの入力操作により、各動作軸の制御対象の速度パターンを設定する(実際の設定操作画面は上記
図6、
図7参照)。
【0064】
次にステップS15へ移り、上記
図2に示した機構条件入力部133が、上記
図5の機構設定操作部503を介したユーザからの入力操作により、各動作軸の機構条件を設定する(実際の設定操作画面は上記
図8参照)。
【0065】
次にステップS20へ移り、上記
図2に示した負荷演算式入力部134が、上記
図5の負荷パターン設定操作部504を介したユーザからの入力操作により、各動作軸の負荷演算式を設定する。
【0066】
次にステップS25へ移り、上記
図2に示した負荷パターン演算部111が、上記
図11、
図13で説明した処理により各動作軸の負荷パターンを演算する。
【0067】
次にステップS30へ移り、上記
図2に示した必要駆動トルクパターン演算部112が、上記
図14で説明した処理により各動作軸の必要駆動トルクパターンを演算する。
【0068】
次にステップS35へ移り、上記
図2に示した要求特性算出部113が、各動作軸の必要駆動トルクパターンから対応するモータ機器の要求特性を算出する。
【0069】
次にステップS40へ移り、上記
図2に示したモータ機器選定部114が、モータ機器特性データベース121を参照して各動作軸の要求特性に適合するモータ機器を選定する。
【0070】
次にステップS45へ移り、上記
図2に示した出力部140が、上記ステップS40で選定した各動作軸のモータ機器の名称を表示する。そして、このフローを終了する。
【0071】
なお、上記ステップS10、ステップS15、ステップS20の手順でそれぞれで行う設定は、ユーザの任意の順序で設定してもよい。
【0072】
以上において、上記
図16のフローにおけるステップS10の手順が各請求項記載の第1表示制御手順、第1表示手順に相当し、ステップS15の手順が各請求項記載の第2表示制御手順、第5表示制御手順、第2表示手順に相当し、ステップS25の手順が各請求項記載
の負荷パターン演算制御手順、負荷パターン演算手順に相当し、ステップS30の手順が各請求項記載の必要駆動トルクパターン演算制御手順、必要駆動トルクパターン演算手順に相当し、ステップS45の手順が各請求項記載の第3表示制御手順、機器選定制御手順、第3表示手順、機器選定手順に相当する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態の機器選定アプリケーション100によれば、各被駆動機構が負担する負荷質量の変動を加味しつつ、各被駆動機構に最適なサーボモータ及びモータ制御装置を含む周辺機器を選定することができる。まず、ユーザが複数の被駆動機構に対応した複数の動作軸それぞれごとに制御対象の速度パターン、機構条件を設定する。また、ユーザは必要な動作軸に対して負荷演算式を設定する。これにより、各動作軸それぞれの制御対象の負荷質量のうち、他の動作軸と連動して動作するときに分担して負担する分の分担負荷質量の変動を負荷演算式から求め、それに基づいて当該動作軸単独の制御対象の負荷質量の変動が
演算される(分担負荷質量が一定の場合もあり)。この負荷質量の変動と速度パターンとに基づいて、当該動作軸の必要駆動トルクパターンと要求特性が算出される。この要求特性に基づき、予め用意された複数のサーボモータ及び複数のサーボコントローラの中から、上記要求特性に適合した少なくとも1つのサーボモータ及び少なくとも1つのサーボコントローラのそれぞれが選定され、それらの名称が一覧表示される。
【0074】
この結果、ユーザは、設計対象の多軸駆動システムにおいて各被駆動機構が負担する質量負荷の変動を加味しつつ、上記一覧表示されたサーボモータ及びサーボコントローラの中から、過不足のない適正なスペックを備えたサーボモータ及びサーボコントローラを容易に選定することができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、負荷パターン演算部111により
演算された制御対象の負荷質量の変動を表す負荷パターンと、設定された速度パターンとを用いて、当該動作軸の必要駆動トルクパターンと要求特性が算出される。これにより、過不足のない適正なスペックを備えたサーボモータ及びサーボコントローラを確実に選定することができる。
【0076】
また、本実施形態によれば、ある被駆動機構によって行われる制御対象の動作によって実際に生じる負荷質量の移動が、別の被駆動機構が負担する制御対象の見かけの固定質量の増減に換算される。すなわち、一定の値を備えた負荷質量が移動する現象を、固定点に位置する仮想的な負荷質量の値が増減する現象に置き換えて、
演算が行われる。これにより、負荷パターン演算部111は、複雑な計算を行うことなく、上記負荷パターンを求めることができる。
【0077】
また、本実施形態によれば、負荷パターン演算部111は、X軸に対応して設定された速度パターンを積分して求められたX軸の移動量パターンに所定の負荷可変係数(慣性モーメント負荷可変係数)を乗じ、X軸の被駆動機構が負担する制御対象の負荷質量の初期重量負担分を加えることにより、Y1軸、Y2軸のそれぞれの負荷パターンへの換算を行う。これにより、負荷パターン演算部111は、複雑な計算を行うことなく、負荷パターンを確実に精度よく求めることができる。
【0078】
なお、上記実施形態では、サーボコントローラについてもサーボモータと1対1で対応させて選定した。つまり、単軸サーボコントローラを選定する場合を説明した。しかし本発明はこれに限られず、他にも複数のサーボモータをまとめて制御する多軸サーボコントローラの選定にも利用できる。例えば、上記の多軸選定操作部507の操作により表示される
図17に示すように、各動作軸の必要駆動トルクパターンを同一時間軸上にまとめて同時に実現可能な要求特性(最大電流、消費電力など)を算出し、それに適合する多軸サーボコントローラや多軸共通コンバータを選定してもよい。もしくは、
図18に示すように、各動作軸それぞれで適合する単軸サーボコントローラを選定し、それら複数の単軸サーボコントローラをまとめた特性の多軸サーボコントローラや多軸共通コンバータを選定してもよい。なお、このように複数の被駆動機構すべてに対応して推奨される少なくとも1つのサーボコントローラを選定して表示する画面が各請求項記載の第4表示部に相当し、当該表示画面を表示させる制御手順が各請求項記載の第4表示制御手順に相当する。
【0079】
これにより、各動作軸ごとに適正なスペックが選定された後、さらに全動作軸(すなわち複数の被駆動機構すべて)に対して1台で制御する場合に最適な多軸サーボコントローラ、多軸共通コンバータを改めてユーザに対し推奨することができる。
【0080】
また、本実施形態によれば、複数の被駆動機構の動作軸それぞれについて、上記
図6の設定画面でそれぞれ設定された複数の速度パターンを、同一時間軸上に並べて表示する上記
図7の設定画面を表示する。なお、上記
図7の設定画面が各請求項記載の第5表示部に相当する。これにより、ユーザが各動作軸ごとにいずれか1つの速度パターンを選択する際、各動作軸ごとの対比や連動タイミングを容易に確認できるので、さらに利便性を向上することができる。
【0081】
また、本実施形態によれば、複数の被駆動機構として、負荷質量に対し動作軸としてのX軸に沿う直線移動を行うX軸テーブル移動機構208と、X軸テーブル移動機構208の一端部を支持し当該一端部に対し動作軸としてのY1軸に沿う直線移動を行うY1軸テーブル移動機構204と、X軸テーブル移動機構208の他端部を支持し当該他端部に対し動作軸としての前記Y1軸と平行なY2軸に沿う直線移動を行うY2軸テーブル移動機構205と、を有するX−Yテーブル200の多軸駆動システムにおけるサーボモータの選定を行う。
【0082】
これにより、X軸に沿って制御対象を移動させるX軸テーブル移動機構208の両端部を、Y1軸テーブル移動機構204及びY2軸テーブル移動機構205によってY1軸及びY2軸方向に直線移動させる3軸駆動システムに対し、過不足のない適正なスペックを備えたサーボモータ及びサーボコントローラを容易に選定することができる。
【0083】
なお、上記指令条件は速度パターンの入力に限られず、制御対象の移動位置パターン(移動量パターン)などの他の動作量で入力してもよい。
【0084】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0085】
(1)複雑な負荷パターンを外部アプリケーションで
演算する場合
上記実施形態においては、多軸駆動システムの例としてY1軸とY2軸の2軸を共通のX軸に対して並列に連結した単純な構成の場合で説明した。しかし、
図19の左側に示すように複数の動作軸を直列に連結して一端を自由端とした構成のアームマニピュレータ600のような多軸駆動システムの場合は、多数のマトリクスの積算などにより各動作軸に対応する負荷パターンの演算が非常に難しくなる。このように複数の動作軸それぞれの負荷パターンの演算が複雑で困難な場合には、専用の外部解析アプリケーションで負荷パターンの演算を行い、その結果をインポートして利用する処理としてもよい。
【0086】
その場合に指令条件、機構条件、及び負荷演算式(例えばニュートンオイラー法による演算式やラグランジュ運動方程式など)の入力は、当該機器選定アプリケーション100Aで入力して外部解析アプリケーションにエクスポートしてもよいし、外部解析アプリケーションに直接入力してもよい。そして本変形例の機器選定アプリケーション100Aが、外部解析アプリケーションから演算された各動作軸の負荷パターンと速度パターンの組み合わせをインポートし、それらに基づいて各動作軸の必要駆動トルクパターンを演算する。各動作軸の必要駆動トルクパターンからそれぞれ対応する要求特性を算出し、それぞれ適合するモータ機器の名称を選定すればよい。
【0087】
以上において、外部解析アプリケーションから負荷パターンと速度パターンの組み合わせを各被駆動機構ごとに取得する処理ブロックが各請求項記載の組み合わせ取得部、組み合わせ取得手順に相当し、各動作軸の機構条件を入力する操作画面が各請求項記載の第6表示部に相当し、この操作画面を表示する制御手順が各請求項記載の第6表示制御手順、第4表示手順に相当し、取得した負荷パターンと速度パターンの組み合わせに基づいて選定したモータ機器の名称を表示する画面が各請求項記載の第7表示部に相当し、この表示画面を表示する制御手順が各請求項記載の第7表示制御手順、第5表示手順に相当する。
【0088】
以上説明したように、本変形例の機器選定アプリケーション100Aによれば、複雑な構成の多軸駆動システムにおける各動作軸の負荷パターンの速度パターンの組み合わせを外部解析アプリケーションから取得できるため、当該機器選定アプリケーション100A自体は簡易な構成のまま上記実施形態と同様に各動作軸の過不足のない適正なスペックを備えたサーボモータ及びサーボコントローラを容易に選定することができる。
【0089】
なお、外部解析アプリケーションからは負荷パターンだけをインポートし、同じ動作軸の組み合わせの速度パターンは当該機器選定アプリケーション100Aで入力して取得してもよい。
【0090】
なお、上記実施形態や各変形例では、機器選定アプリケーション100、100AがPC1のHDDなどの内部記憶装置に格納されたプログラムで起動するスタンドアローンアプリケーションの形態として説明したが、他にもネットワークを介して外部サーバに接続した際に起動するネットアプリケーション(WEBアプリケーション)の形態としてもよい。
【0091】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0092】
その他、一々例示はしないが、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。