特許第6016025号(P6016025)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016025
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/28 20060101AFI20161013BHJP
   B65H 3/44 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   B65H1/28 320A
   B65H3/44 J
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-19266(P2013-19266)
(22)【出願日】2013年2月4日
(65)【公開番号】特開2014-148408(P2014-148408A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2015年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111811
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】片岡 尚樹
【審査官】 西本 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−263380(JP,A)
【文献】 特開平11−349157(JP,A)
【文献】 特開2002−154674(JP,A)
【文献】 特開2005−306579(JP,A)
【文献】 実公昭51−045394(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00 − 3/68
G03G 15/00
A47B 77/00 − 77/18
A47B 83/00 − 88/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に複数段の給紙カセットが装置本体に対して取り外し可能に設けられ、それぞれの給紙カセットの上方には給紙手段が設けられ、給紙カセット間に仕切り部材のない画像形成装置であって、
前記画像形成装置から取り外された給紙カセットの給紙手段は、電力供給が遮断されるとともに、
前記複数段の給紙カセットのうち少なくとも最下段を除く他の給紙カセットにおいて、給紙カセット取り外し方向後端側に設けられた下方に突出した第1当接部と、少なくとも最上段を除く他の給紙カセットにおいて、給紙カセット取り外し方向前端側に設けられた第2当接部とを有し、最下段を除く所望の給紙カセットが装置本体から最初に引き出されると、当該給紙カセットの第1当接部が、下段の給紙カセットの第2当接部に当接して、当該給紙カセットの取り外しが阻止されることにより、前記複数段の給紙カセットを最下段から順にのみ装置本体から取り外すこと可能とする取り外し規制手段と、
前記装置本体の前記給紙カセット間に設けられたレバー部材を備え、前記レバー部材は、前記給紙カセットの取り付けが可能な第1位置と、前記給紙カセットの取り付けを阻止する第2位置とに回動自在であり、前記第2位置において前記レバー部材の直上の給紙カセットが取り付けられる方向にのみ回動することで前記複数段の給紙カセットを最上段から順にのみ装置本体に取り付けること可能とする取り付け規制手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1位置は前記レバー部材が前記給紙カセットの引き出し方向に沿って配置される位置であり、前記第2位置は前記レバー部材が前記給紙カセットの引き出し方向に直交する方向に配置される位置である請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記レバー部材は、回動自在の基部と、前記基部の回動軸を中心として対称位置に、前記基部から外方に延出するように形成された第1当接片及び第2当接片とを有し、
前記レバー部材の第1当接片及び第2当接片は、前記給紙カセットの取り付けを可能とする第1位置と、前記給紙カセットの取り付けを阻止する第2位置とに回動自在であるとともに、付勢部材によって第2位置の方向に常に付勢され、制止部材によって第2位置を越えて回転することが制止され、
前記レバー部材の直上の給紙カセットが、前記レバー部材の直下の給紙カセットよりも先に装置本体に取り付けられるときは、前記レバー部材の直上の給紙カセットが第1当接片に当接して、前記レバー部材は前記付勢部材の付勢力に抗して第2位置から第1位置に回動し、前記レバー部材の直上の給紙カセットの装置本体への取り付けが可能となる一方、前記レバー部材の直下の給紙カセットが、前記レバー部材の直上の給紙カセットよりも先に装置本体に取り付けられるときは、前記レバー部材は前記制止部材によって第2位置を維持し、前記レバー部材の直下の給紙カセットが取り付けられると第2位置の前記レバー部材に前記給紙カセットが当接して前記給紙カセットの装置本体への取り付けが阻止され、前記複数段の給紙カセットは最上段から順にのみ装置本体に取り付けることができる請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記給紙カセットの取り外し方向後端側の上部は切り欠かれている請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下方向に複数段の給紙カセットが装置本体に対して取り外し可能に設けられた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンターやファクシミリ、複写機などの電子写真方式の画像形成装置では、上下方向に複数段の給紙カセットを設け、これらの給紙カセットにサイズの異なる用紙をそれぞれ収納して、ユーザーの選択又は原稿サイズに応じて選択的に画像形成部に用紙を搬送するようにしている。これらの給紙カセットは、用紙補給のため、例えば前面側に引き出せるように構成されている。
【0003】
また、給紙カセットを装置本体から引き出したときに、ユーザーが不用意に様々な箇所に触れることのないように給紙カセットの引き出し量を制限したり、給紙カセットを装置本体から取り外せないようにしている。
【0004】
例えば、特許文献1では、ピックアップローラと給紙ローラを備えた給紙ユニットの引き出し量を、給紙ユニットに設けたストッパーと装置本体に設けた突起部とが干渉することによって制限し、ピックアップローラや給紙ローラの清掃や交換作業を容易に行えるようにするとともに、ユーザーが他の部分に触れることのないようにし、また給紙ユニットの装置本体からの取り外しはサービスマンしかできないようにして安全性をも確保する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-58966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、ピックアップローラや給紙ローラなどの給紙手段における紙詰まり等で給紙カセットを装置本体から引き出した際に、給紙手段に詰まっていた用紙や給紙カセットからはみ出ていた用紙が装置本体内に落下することがある。装置本体内に落下した用紙は紙詰まりの再発などの不具合の原因となる。しかし、給紙カセットを装置本体から取り外せない装置の場合、装置本体内に落下した用紙をユーザーが取り除くのは困難で、サービスマンにその都度連絡して用紙の除去を依頼しなければならず、サービスマンコール頻発の原因の一つとなっていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、工具を用いることなく、給紙カセットを装置本体から取り外すことができ、しかもユーザーが給紙手段などの可動部に触れることのない画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成する本発明に係る画像形成装置は、上下方向に複数段の給紙カセットが装置本体に対して取り外し可能に設けられ、それぞれの給紙カセットの上方には給紙手段が設けられ、給紙カセット間に仕切り部材のない画像形成装置であって、前記画像形成装置から取り外された給紙カセットの給紙手段は、電力供給が遮断されるとともに、前記複数段の給紙カセットのうち少なくとも最下段を除く他の給紙カセットにおいて、給紙カセット取り外し方向後端側に設けられた下方に突出した第1当接部と、少なくとも最上段を除く他の給紙カセットにおいて、給紙カセット取り外し方向前端側に設けられた第2当接部とを有し、最下段を除く所望の給紙カセットが装置本体から最初に引き出されると、当該給紙カセットの第1当接部が、下段の給紙カセットの第2当接部に当接して、当該給紙カセットの取り外しが阻止されることにより、前記複数段の給紙カセットを最下段から順にのみ装置本体から取り外すこと可能とする取り外し規制手段と、前記装置本体の前記給紙カセット間に設けられたレバー部材を備え、前記レバー部材は、前記給紙カセットの取り付けが可能な第1位置と、前記給紙カセットの取り付けを阻止する第2位置とに回動自在であり、前記第2位置において前記レバー部材の直上の給紙カセットが取り付けられる方向にのみ回動することで前記複数段の給紙カセットを最上段から順にのみ装置本体に取り付けること可能とする取り付け規制手段とを有することを特徴とする。
【0009】
前記構成において、前記第1位置は前記レバー部材が前記給紙カセットの引き出し方向に沿って配置される位置であり、前記第2位置は前記レバー部材が前記給紙カセットの引き出し方向に直交する方向に配置される位置であるのが望ましい。
【0010】
また、前記構成において、前記レバー部材は、回動自在の基部と、前記基部の回動軸を中心として対称位置に、前記基部から外方に延出するように形成された第1当接片及び第2当接片とを有し、前記レバー部材の第1当接片及び第2当接片は、前記給紙カセットの取り付けを可能とする第1位置と、前記給紙カセットの取り付けを阻止する第2位置とに回動自在であるとともに、付勢部材によって第2位置の方向に常に付勢され、制止部材によって第2位置を越えて回転することが制止され、前記レバー部材の直上の給紙カセットが、前記レバー部材の直下の給紙カセットよりも先に装置本体に取り付けられるときは、前記レバー部材の直上の給紙カセットが第1当接片に当接して、前記レバー部材は前記付勢部材の付勢力に抗して第2位置から第1位置に回動し、前記レバー部材の直上の給紙カセットの装置本体への取り付けが可能となる一方、前記レバー部材の直下の給紙カセットが、前記レバー部材の直上の給紙カセットよりも先に装置本体に取り付けられるときは、前記レバー部材は前記制止部材によって第2位置を維持し、前記レバー部材の直下の給紙カセットが取り付けられると第2位置の前記レバー部材に前記給紙カセットが当接して前記給紙カセットの装置本体への取り付けが阻止され、前記複数段の給紙カセットは最上段から順にのみ装置本体に取り付けることができるようにするのが好ましい。
【0011】
また、前記構成において、前記給紙カセットの取り外し方向後端側の上部は切り欠かれていてもよい。

【発明の効果】
【0012】
本発明に係る画像形成装置では、給紙カセットを装置本体から取り外すことができるので、サービスマンを呼ぶことなく、装置本体内に落下した用紙をユーザーが取り除くことができる。また、給紙カセットは最下段から順にのみ装置本体から取り外すことができ、且つ、最上段から順にのみ装置本体に取り付けることができるようにしたので、給紙カセットの上方に設けられた給紙手段は給紙カセットで遮られ、ユーザーが給紙手段に触れることが防止されユーザーの安全性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概説図である。
図2】給紙手段の拡大説明図である。
図3】給紙カセット31bを取り外した場合の用紙収納部の状態図である。
図4】取り外し規制手段と取り付け規制手段の一例を示す概説図である。
図5】レバー部材の装置本体の取り付け状態を示す斜視図である。
図6】給紙カセット31cの取り外しが規制される説明図である。
図7】給紙カセット31aの取り付けが可能で、給紙カセット31bの取り付けが阻止される説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る画像形成装置について図に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0015】
図1に本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概説図を示す。図1に示す画像形成装置Dはフルカラー画像形成装置で、原稿画像を読み取る画像読み取り部1と、読み取った画像を用紙に画像形成する画像形成部2と、用紙を収納した用紙収納部3とを有する。
【0016】
画像読み取り部1は、自動原稿搬送装置13によって、不図示のスリットガラスを挟んでスキャナー11の対向部に原稿を搬送して読み取るものであり、スキャナー11に設置された露光ランプの照射により得られた原稿画像は、光学系により結像され、赤(R)、緑(G)、青(B)の三種類の波長光にそれぞれ対応したCCDイメージセンサー12によりAD変換され電気信号に変換され、原稿画像に対応したR,G,Bの各画像データとされる。
【0017】
画像形成部2は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、作像ユニット21において、露光装置22によって画像データに基づく露光を行い、感光体表面に静電潜像を形成する。次いで、静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する。そして、形成されたトナー画像を中間転写ベルト23に一次転写する。中間転写ベルト23表面に各色トナー画像を重ね合わせてカラートナー画像を形成する。次いで、このカラートナー画像を転写部24において用紙Pに二次転写する。なお、作像ユニット21で消費されるトナーは、トナーボトル25から色別に順次補給される。
【0018】
用紙収納部3は、上下方向に4段に配置された給紙カセット31a,31b,31c,31d(以下、「給紙カセット31」と総称することがある。)を有する。給紙動作中以外の給紙カセット31は、用紙補給や残量確認などのために、装置本体20に対して正面側(図1においてY軸方向負方向)に引き出すことができる。また、給紙カセット31は、後述するように、所定の順序において工具を用いることなく取り外すことができる。それぞれの給紙カセット31の側部上方には給紙手段32a,32b,32c,32d(以下、「給紙手段32」と総称することがある。)が設けられている。図2に示すように、給紙手段32は、ピックアップローラ321と、給紙ローラ322と、分離ローラ323とを有し、ピックアップローラ321によって、給紙カセット31に収納された最も上側の用紙Pから順に引き出され、給紙ローラ322と分離ローラ323とによって一枚ずつ分離されて搬送路41(図1に図示)に送り出される。
【0019】
図1に示すように、搬送路41に引き出された用紙Pは、搬送ローラ対によって上方へ搬送され、画像形成部2で形成されたトナー画像が転写部24において用紙Pに転写された後、定着ローラ対26によって加熱及び加圧されてトナー画像が用紙Pに溶融定着される。そして、用紙Pは排紙トレイ27に排出される。
【0020】
なお、本発明はフルカラー画像形成装置に限定されるものではなく、モノクロの画像形成装置にももちろん適用可能である。
【0021】
前述のように、画像形成装置Dの給紙カセット31は、装置本体20から取り外せるように構成されている。図3に示すように、例えば、2段目の給紙カセット31bが装置本体20から正面側に引き出して取り外された場合、下段の給紙カセット31cの給紙手段32cが露出する。給紙手段32cは、駆動可能であるため、ユーザーが給紙手段32cに触れると巻き込まれるおそれがある。一方、上段の給紙カセット31aの給紙手段32aは、給紙カセット31aによって遮られているため、ユーザーが給紙手段32aに触れるおそれはない。なお、装置本体20から取り外された給紙カセット31bの給紙手段32bは、電力供給が遮断されるため駆動することはない。
【0022】
そこで、本発明の画像形成装置では、複数段の給紙カセット31を最下段から順にのみ装置本体20から取り外すことができ、且つ、最上段から順にのみ装置本体20に取り付けることができるようにして、給紙カセット31によって給紙手段32を遮りユーザーが給紙手段32に触れることがないようにした。
【0023】
図4に、給紙カセット31の装置本体20からの取り外しを所定の場合のみ可能とする取り外し規制手段と、給紙カセット31の装置本体20への取り付けを所定の場合のみ可能とする取り付け規制手段の一例を示す。図4は、三段目の給紙カセット31cと四段目の給紙カセット31dの側面図である。給紙カセット31cのカセット本体33cの給紙カセット幅方向一方側の底面には、下方に突出する突起(第1当接部)4が設けられている。また、給紙カセット31cと給紙カセット31dとの間の給紙カセット幅方向他方側には、レバー部材5が装置本体20に回動可能に設けられている。なお、突起4は、給紙カセット31a,31bにも同様に設けられている。また、レバー部材5も、給紙カセット31a,31b,31cのそれぞれの給紙カセット間にも設けられている。
【0024】
図5に、レバー部材5の装置本体20への取り付け状態を示す斜視図を示す。レバー部材5は、装置本体20に軸54によって回動可能に支持された円柱状の基部51と、基部51の、軸54を中心として対称位置から外方に延出した第1当接片52及び第2当接片53とを有する。また、レバー部材5は給紙カセット31の装置本体20への取り付けを可能とする第1位置(図4に示す状態位置)と、取り付けを阻止する第2位置(図5に示す状態位置)とに回動自在である。そして、レバー部材5は、軸54に外挿されたねじりコイルバネ6によって常に第2位置の方向に付勢され、ストッパー(制止部材)7によって第2位置を越えて第1位置と反対方向に回転するのが制止されている。
【0025】
このような構成の給紙カセット31c,31dを装置本体20から取り外す場合についてまず説明する。図6に示すように、給紙カセット31cを真下にある給紙カセット31dよりも先に装置本体20から取り外そうとすると、給紙カセット31cのカセット本体33c底面の後端部から下方に突出した突起4が、給紙カセット31dの正面側の給紙カセットカバー34dに当接し、給紙カセット31cはそれ以上引き出すことができない。
【0026】
一方、給紙カセット31dを給紙カセット31cよりも先に装置本体20から取り外す場合は、給紙カセット31dの引き出しを阻止するものはなく、給紙カセット31dは装置本体20から取り外すことができる。そして、その後、給紙カセット31cを装置本体20から取り外すときは、給紙カセット31dは装置本体20から既に取り外されているので、突起4が給紙カセット31dの給紙カセットカバー34dに当接することはなく、給紙カセット31cは装置本体20から取り外すことができる。
【0027】
給紙カセット31a及び給紙カセット31bについても同様に、下段の給紙カセットが取り外された後にのみ取り外すことができる。したがって、給紙カセット31a〜31dは、最下段から順にのみ装置本体20から取り外すことができる。
【0028】
次に、給紙カセット31を装置本体20に取り付ける場合について、給紙カセット31aとこれの真下にある給紙カセット31bとを例に説明する。図7(a)に示すように、給紙カセット31aを給紙カセット31bよりも先に装置本体20に取り付ける場合は、給紙カセット31aの後端部がレバー部材5の第1当接片52に当接する。そして、給紙カセット31aがさら進入すると、レバー部材5はねじりコイルバネ6(図5に図示)の付勢力に抗して第2位置から第1位置の方向に回動し、給紙カセット31aは装置本体20に取り付けられる。その後に、給紙カセット31bを装置本体20に取り付ける際は、レバー部材5は既に、給紙カセット31bの取り付けを可能とする第1位置となっているので、給紙カセット31bは装置本体20に取り付けられる。
【0029】
一方、給紙カセット31bを給紙カセット31aよりも先に装置本体20に取り付けようとすると、図7(b)に示すように、給紙カセット31bの後端部がレバー部材5の第2当接片53に当接する。レバー部材5はストッパー7(図5に図示)によって第2位置を越えて回転することが制止されているので、給紙カセット31bはレバー部材5によって装置本体20へのそれ以上の進入が阻止され、装置本体20に取り付けることができない。
【0030】
給紙カセット31c及び給紙カセット31dについても同様に、上段の給紙カセット31が取り付けられた後にのみ取り付けることができるようになる。したがって、給紙カセット31a〜31dは、最上段から順にのみ装置本体20から取り付けることができる。
【0031】
なお、突起4とレバー部材5は、給紙カセット31の引き出し方向に直交する方向(以下「左右方向」という)において、干渉しないように互いに異なる位置に設けられている。また前記実施形態では正面側の給紙カセットカバー34dを第2当接部材として突起4に当接する構成について説明をしたが、これに限定されるものではなく、給紙カセットカバーとは別体の専用部材を設けてこれを左右方向において突起4に対応する位置に設けるようにしてもよい。
【0032】
以上説明した実施形態は、上下方向に4段の給紙カセットが設けられた装置であったが、2段以上の給紙カセットが上下方向に設けられた装置であれば本発明を適用することができる。また、取り外し規制手段及び取り付け規制手段は、前記実施形態に限定されるものではなく従来公知の手段を用いることができる。
【0033】
さらに、前記実施形態では、給紙手段32は装置本体20側に設けられていたが、給紙手段32が給紙カセット31と共に取り外し可能な装置にも本発明は適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係る画像形成装置では、給紙カセット31は最下段から順にのみ装置本体20から取り外すことができ、且つ、最上段から順にのみ装置本体20に取り付けることができるようにしたので、給紙カセット31の上方に設けられた給紙手段32は給紙カセット31で遮られる。これにより、ユーザーが給紙手段32に触れることが防止され安全性が確保され有用である。
【符号の説明】
【0035】
4 突起(第1当接部)
5 レバー部材
6 ねじりコイルバネ(付勢部材)
7 ストッパー部材(制止部材)
D 画像形成装置
31 給紙カセット
31a〜31d 給紙カセット
32 給紙手段
32a〜32d 給紙手段
34d 給紙カセットカバー(第2当接部)
51 基部
52 第1当接片
53 第2当接片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7