(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態1>
実施形態1を
図1ないし
図35を参照して説明する。
本実施形態の蓄電モジュール10は、例えば自動車等の車両のIntegrated Starter Generator(ISG)に用いられる。以下では、
図7の下方を前方、上方を後方とし、左右方向は、
図7の方向を基準とし、上下方向は、
図4の方向を基準として説明する。
【0018】
(蓄電モジュール10)
蓄電モジュール10は、
図1に示すように、略直方体状のケース11に複数(実施形態では6層)の蓄電ユニット21A〜21Fが積層された積層体20が収容されており、積層体20の端子24A,25Aがケース11を貫通して外部に導出されている。
(ケース11)
ケース11は、積層体20を包囲する筒状のケース本体12と、ケース本体12の左右の開口部を閉塞する閉塞部材17とを備えている。
ケース本体12は、金属製であって、積層体20が収容される箱形のロアケース13Aと、ロアケース13Aの上方を覆うアッパーケース13Bとを備えている。
【0019】
ロアケース13Aは、上方及び前方が開放されるとともに後方の一部が開放されている。
ロアケース13Aの底面の周縁部には、積層体20を貫通させたボルト15Aを貫通して締結するための留め孔(図示しない)が貫通形成されている。
アッパーケース13Bは、略長方形状であって、その中央部には、ケース11の内側に陥没する放熱面14が形成されており、この放熱面14の内面が最上層の蓄電ユニット21Fにおける蓄電素子22と接触することで蓄電素子22の熱が放熱面14を介して外部に放散される。
【0020】
アッパーケース13Bの周縁部には、ボルト15Aとナット15Bで締結するための留め孔が貫通形成されている。
また、アッパーケース13Bの左端部には、閉塞部材17を係止するための係止孔16が形成されている。
閉塞部材17は、合成樹脂製であって、ケース11の左右の開口部に嵌め入られる形状であり、左方側の閉塞部材17(右方の閉塞部材17は図示しない)には、端子24A,25Aをケース11の外部に導出する端子導出口が貫通形成されている。閉塞部材17の上面には、係止孔16の孔縁に係止して閉塞部材17の閉塞状態を保持する係止凸部が係止孔16に嵌め入れられている。
【0021】
(積層体20)
積層体20は、
図2に示すように、複数層(本実施形態では6層)の蓄電ユニット21A〜21Fを上下に積み重ねて構成されている。
各蓄電ユニット21A〜21Fは、隣り合う蓄電ユニット21A〜21Fの前後の向きが反対になるように交互に向きが変えられており、6層の蓄電ユニット21A〜21F間が直列に接続されている。
各蓄電ユニット21A〜21Fは、共に並列回路を構成するものであり、類似した構成であるため、以下では、主に最下層の蓄電ユニット21Aについて説明し、他の蓄電ユニット21B〜21Fの説明は省略する。
【0022】
(蓄電ユニット21A)
各蓄電ユニット21Aは、
図7に示すように、正極及び負極の端子23A,23Bを有する複数(本実施形態では3個)の蓄電素子22と、各蓄電素子22の端子23A,23Bに接続されるバスバー24,25と、各蓄電素子22が載置され、蓄電素子22の熱を外部に放散させる放熱部材28と、放熱部材28上の異なる所定の領域に各蓄電素子22を保持する合成樹脂製の保持部材32と、放熱部材28及び保持部材32の左右にそれぞれ配されてバスバー24,25をそれぞれ保持するサイドセパレータ56,57とを備える。
【0023】
(蓄電素子22)
複数の蓄電素子22は、共に、同一構成であり、
図10に示すように、扁平な形状のラミネート型の電池である。
各蓄電素子22は、上下のラミネートフィルム内に図示しない蓄電要素が収容されて端部が溶着されており、ラミネートフィルムの端部から正極及び負極の端子23A,23B(リード端子)が外方に突出している。
【0024】
ラミネートフィルムは、金属箔の外側に樹脂層を積層している。金属箔としてはアルミニウム箔等があげられ、樹脂層としては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等があげられる。金属箔の内側(蓄電要素側)には、ポリエチレンまたはポリプロピレン等からなる熱溶着層が設けられている。
【0025】
ラミネートフィルムの溶着された側端部は、内側に折り曲げられている。
一対の端子23A,23Bは、下側のラミネートフィルムの上面に重なるように上下のラミネートフィルムの間から導出されている。
複数の蓄電素子22は、放熱部材28の上に(蓄電素子22の上下の扁平な面に沿う方向に)一列に並べられている。
【0026】
(バスバー24,25)
バスバー24,25は、
図7に示すように、左方側(蓄電素子22の並び方向の一方側)に延びる第1バスバー24と、右方側(蓄電素子22の並び方向の他方側)に延びる第2バスバー25とからなる。
バスバー24,25は、共に、
図11,
図12に示すように、蓄電素子22の端子23A,23Bに接続される複数(3箇所)のタブ部26Aがバスバー24,25の延出方向の側縁から直交する方向に突出している。
【0027】
バスバー24,25は、タブ部26Aが連なる側が低くなるように曲げ部26Bで曲げられており、この低い部分に第1バスバー24及び第2バスバー25が重ねられる。バスバー24,25が重なる部分には、バスバー24,25に絶縁材(図示しない)が重ねられている。
バスバー24,25には、蓄電素子22の電圧を検知するための電線(図示しない)が電気的に接続される電圧検知部26Cが形成されている。
バスバー24,25は、金属板材をプレスにより打ち抜いて曲げ加工を施して形成したものであり、例えば、純アルミ、アルミ合金、銅または銅合金などの導電性材料からなる。
【0028】
最下層の蓄電ユニット21Aについては、第1バスバー24の左端部が蓄電モジュール10の全体の正極の端子24Aとされ、外部の電線端末の端子(図示しない)に接続される。
なお、蓄電ユニット21B〜21Fについては、第1バスバー24は上下に隣り合う蓄電ユニット21A〜21Dの第2バスバー25と接続され、このときの第1バスバー24と第2バスバー25との接続は、薄肉の金属板(銅板等)をクランク状に曲げて形成した接続端子27を第1バスバー24及び第2バスバー25に超音波溶接することにより(
図5参照)、隣り合う蓄電ユニット21A〜21Fのバスバー24,25間が電気的に接続されている。
【0029】
最上層の蓄電ユニット21Fの第2バスバー25は、蓄電モジュール10の全体の負極の端子25Aとされ、外部の電線端末の端子(図示しない)に接続される。
各蓄電ユニット21A〜21Fについて、第1バスバー24、複数の蓄電素子22、第2バスバー25が接続されることで、複数の蓄電素子22間が並列に接続された並列回路が構成される。
【0030】
(放熱部材28)
放熱部材28は、
図13に示すように、長方形状あって、蓄電素子22が載置される部分を含む領域が前端部及び後端部よりも高くされた平坦な上げ面部28Aを有する。
上げ面部28Aの両側縁は、わずかに下方に折り曲げられている。
上げ面部28Aの前方側には、端子23A,23Bとタブ部26Aを超音波接続するための矩形状の接続孔29が左右に並んで設けられている。
放熱部材28の幅方向の端部側には、保持部材32を位置決めするための複数(本実施形態では4個)の円形状の位置決め孔31が貫通形成されている。
【0031】
また、後方側の位置決め孔31の間には、左右方向に長い複数(本実施形態では3個)の通し孔30が左右に並んで設けられている。
通し孔30は、溝状の貫通孔であり、後述する保持部材32の規制片35が挿通される。
【0032】
放熱部材28の側縁には、サイドセパレータ56,57を接続するための複数(本実施形態では4個)の連結接続片46が側方に張り出している。
連結接続片46は、放熱部材28の前端部及び後端部の両側縁に設けられている。前方側の連結接続片46は、放熱部材28の板面から面一に側方に突出しており、上げ面部28Aに形成された後方側の連結接続片46は、基端が段差状に曲げられて前方側の連結接続片46と同じ高さに延びている。
各連結接続片46には、前後方向に長い長方形状の貫通孔46Aが形成されている。
【0033】
放熱部材28の前後の端縁には、ケース11に接触してケース11に熱を伝える伝熱部28Bが左右に間隔を空けて複数立ち上げられている。
放熱部材28は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金からなる熱伝導性材料である金属板材をプレス機により打ち抜き加工及び曲げ加工を施して形成することができる。
【0034】
(保持部材32)
保持部材32は、絶縁性の合成樹脂製であって、
図7,
図8に示すように、放熱部材28の上に配されて蓄電素子22及びバスバー24,25を保持するものであり、放熱部材28の上面に載置可能な大きさで形成されている。
この保持部材32は、
図16,
図17に示すように、蓄電素子22を放熱部材28の異なる所定の領域に保持する蓄電素子保持部33と、バスバー24,25を保持するバスバー保持部41と、蓄電素子保持部33とバスバー保持部41とに一体に連ねて蓄電素子22の端子23A,23Bとバスバー24,25とが接続される接続部47とを備える。なお、本実施形態では、6層の蓄電ユニット21A〜21Fの保持部材32は、全て同一形状が用いられている。
【0035】
蓄電素子保持部33は、複数(本実施形態では3個)の蓄電素子22が左右に並んで嵌め入れられる大きさの3つの開口33Aを有する矩形の枠状の保持壁34が設けられている。
保持壁34は、上下方向に厚肉に形成されており、隣り合う蓄電素子22間を仕切っている。
【0036】
保持壁34における前壁は、その上を蓄電素子22の端子23A,23Bが通るように低くなっている。
保持壁34における後壁には、下方の蓄電ユニット21A〜21Eに配される蓄電素子22の位置ずれを規制する規制片35が下方に突出して形成されている。
規制片35は、保持壁34の下端側をスリット状に切欠いた切欠部36を設けることで、保持壁34を基端部として下方に延びている。
この規制片35は、先端側を前後方向に弾性変形可能とする厚みで形成されており、
図4に示すように、先端部には前方側に段差状に突出する突部35Aが形成されている。
突部35Aは、先端側に向けて傾斜状に突出寸法を小さくする傾斜面を有する。
規制片35の長さは、その先端が放熱部材28の上げ面部28Aよりも低い前端部及び後端部の底面を超えない長さとされている。
【0037】
保持部材32が放熱部材28に装着される際には、突部35Aの傾斜面が放熱部材28の通し孔30の孔縁に当接して規制片35が撓み変形し、突部35Aが通し孔30を過ぎると規制片35が復元変形する。
そして、蓄電ユニット21A〜21Fが交互に向きを変えて積層されると、各蓄電ユニット21B〜21Fにおける規制片35の先端部は、下側の蓄電ユニット21A〜21Eにおける蓄電素子22の前端に当接又はわずかな隙間を空けた位置に配される。これにより、蓄電ユニット21B〜21Fの蓄電素子22については、前方側への位置ずれが規制されている。
【0038】
蓄電素子保持部33の前端部(保持部材32の前端部)は、
図16,
図17に示すように、サイドセパレータ56,57及び放熱部材28に対して位置が固定される位置固定部37とされている。
位置固定部37は、保持壁34の左右に帯状に延びており、上下方向の厚みが保持壁34の厚みよりも薄く形成されている。
【0039】
位置固定部37の幅方向の端部には、サイド固定部38が左右に矩形状に張り出している。
サイド固定部38には、円形状の位置決め孔38Aが形成されている。
位置固定部37の裏面は、裏面側から肉抜きされた複数の凹部39が形成されているとともに、サイド固定部38の内側に位置決め部40が形成されている。
【0040】
位置決め部40は、下方に円形状に突出しており、その先端の周縁が丸みを帯びている。この位置決め部40は、バスバー保持部41の裏面の左右の端部側における前端部にも形成されている。
位置決め部40は、保持部材32の裏面のうち蓄電素子22が保持される位置に比較的近い位置に形成されている。
【0041】
バスバー保持部41は、左右に延びる板状であって、その後端部(保持部材32の後端部)は、上方にL字状に立ち上げられた起立壁42が形成されている。
起立壁42には、放熱部材28に係止する係止片43が下方に突出して形成されている。
係止片43は、起立壁42の下端側をスリット状に切欠いた切欠部44を設けることで、起立壁42を基端部として下方に延びている。
係止片43は、先端部には前方側に段差状に突出する突部43Aが形成されている(
図4参照)。この突部43Aは、先端側に向けて傾斜状に突出寸法を小さくする傾斜面を有する。
【0042】
バスバー保持部41の表側には、バスバー保持片45が上方に起立している。
バスバー保持片45は、その先端部が段差状に後方に突出し、その先端側が傾斜状に先細りする形状をなす。
バスバー保持片45の段差部分でバスバー24,25をバスバー25に重ねられる絶縁材とともにバスバー保持部41に保持する。
【0043】
接続部47は、端子23A,23Bとタブ部26Aとを接続するための矩形状の接続孔48が左右に並んで設けられている。
隣り合う接続孔48の間には、仕切り壁49が立設されている。
【0044】
左右の両側寄りの複数の仕切り壁49には、バスバー24,25のタブ部26Aを押さえて保持する爪部50が形成されている。
接続部47の左右の端部には、サイド固定部38とともにサイドセパレータ56,57に対して固定するためのサイド固定部51が左右方向に張り出している。
サイド固定部51は、円形状の位置決め孔51Aが貫通形成されている。
接続部47の上には端子23A,23Bを覆うように長尺のリードカバー52が被せられる。
【0045】
リードカバー52は、
図22に示すように、その底面に各接続孔48に配される6個の凸部53が左右に並んで形成されている。
リードカバー52の底面には、保持部材32に係止してリードカバー52を閉じた状態に保持する複数のカバー係止部54が形成されている。
カバー係止部54の爪状の先端部が仕切り壁49の係止孔49Aの孔縁に係止する(
図16参照)。
【0046】
(サイドセパレータ56,57)
サイドセパレータ56,57は、絶縁性の合成樹脂製であって、
図33〜
図35に示すように、放熱部材28の左右に連なっており、放熱部材28の左方(左右方向の一方)に連なり、第1バスバー24を保持する第1サイドセパレータ56と、放熱部材28の右方(左右方向の他方)に連なり、第2バスバー25を保持する第2サイドセパレータ57とを備える。6層の蓄電ユニット21A〜21Fについて、サイドセパレータ56,57は、各層によって機能は同じであるが形状が若干異なる。以下では、最下層の蓄電ユニット21Aのサイドセパレータ56,57について説明し、他の蓄電ユニット21B〜21Fのサイドセパレータ56,57の説明は省略する。
【0047】
サイドセパレータ56,57は、
図23,
図28に示すように、共に、バスバー24,25が載置されるバスバー載置部58を有する。
バスバー載置部58の周縁には、バスバー24,25を嵌め入れる周壁59が突出しているとともに、バスバー24,25がバスバー載置部58から離脱しないように係止するバスバー係止部60を有する。
【0048】
バスバー係止部60は、弾性変形可能なU字状の撓み片であって、その先端部にバスバー24,25側に段差状に突出する爪部を有し、爪部は、先端側が先細り状に傾斜する傾斜面を有する。バスバー載置部58にバスバー24,25が載置される際には、バスバー係止部60がバスバー24,25に当接して弾性変形し、バスバー24,25が載置されると復元変形してバスバー24,25がバスバー載置部58から離脱しないように係止される。
【0049】
サイドセパレータ57の前後の端部には、上方側の隣の層の蓄電ユニット21B〜21Fにおけるサイドセパレータ56の接続凹部65(
図2参照)に係止する層間接続片66が上方に突出している。層間接続片66は、その先端部に段差状に突出する爪部を有し、爪部は、先端側が先細り状に傾斜する傾斜面を有する。
この層間接続片66は、蓄電ユニット21B〜21Eの第1保持部材56にも設けられているとともに、蓄電ユニット21B〜21Eには、下方側の隣の層の蓄電ユニット21A〜21Eにおける第1保持部材56の接続凹部65に係止する層間接続片66が設けられている。
【0050】
各サイドセパレータ56,57の放熱部材28側の端部には、サイド固定部51の位置決め孔51Aに嵌め入れられて保持部材56,57と連結部材32とを連結状態で固定する位置決め凸部61が上方に円柱状に突出している。
位置決め凸部61は、各サイドセパレータ56,57について、放熱部材28側の2箇所に設けられており、一方は、各サイドセパレータ56,57の端縁から放熱部材28側に張り出す張出部64の上に形成されており、もう一方は、各サイドセパレータ56,57の端縁よりも内側に形成されている。
各サイドセパレータ56,57の放熱部材28側の端部には、放熱部材28が嵌め入れられて放熱部材28とサイドセパレータ56,57を連結状態に保持する連結受け部62が設けられている。
【0051】
連結受け部62は、各サイドセパレータ56,57の放熱部材28側の端部における前端側及び後端側にそれぞれ設けられており、
図24,
図29に示すように、連結接続片46が挿入される挿入凹部62Aと、連結接続片46に係止する連結係止片62Bとを有する。
連結係止片62Bは、上下方向に撓み変形可能であって、その先端部には、下方側に突出する係止突部63が形成されている。
【0052】
係止突部63は、下方に段差状に突出しており、連結係止片62Bの先端側に向けて傾斜状に突出寸法を小さくする傾斜面を有する。
挿入凹部62Aに連結係止片62Bが挿入されると、連結接続片46の左右方向(挿通方向)の移動のみが許容される。
放熱部材28の連結接続片46が挿入凹部62Aに挿通されて係止突部63が貫通孔46Aの位置に至ると係止突部63が貫通孔46Aに嵌め入れられて連結接続片46が正規位置まで進入した状態となり、サイドセパレータ56,57が放熱部材28の端部に連結された状態に保持される。
【0053】
次に、蓄電ユニット21Aの組み付け方法について説明する。
放熱部材28の連結接続片46をサイドセパレータ56,57の連結受け部62に挿入してサイドセパレータ56,57を放熱部材28に連結する(
図33)。
そして、このサイドセパレータ56,57が連結された放熱部材28の上に、保持部材32を装着する(
図8,
図9)。具体的には、サイドセパレータ56,57の位置決め凸部61に保持部材32のサイド固定部38,51の位置決め孔38A,51Aを嵌め入れるとともに、放熱部材28の位置決め孔31に保持部材32の位置決め部40を嵌め入れる。
これにより、放熱部材28、サイドセパレータ56,57、保持部材32間が相互に位置決めされる。
次に、蓄電素子22を保持部材32の蓄電素子保持部33に嵌め入れ、端子23A,23Bとタブ部26Aを超音波接続し、リードカバー52を被せることで蓄電ユニット21Aが形成される(
図6)。
同様の手順で蓄電ユニット21B〜21Fを形成し、蓄電ユニット21A〜21Fを交互に180度向きを変えて積み重ねると、積層体20が形成され(
図2)、積層体20をケース11に収容することで蓄電モジュール10が形成される(
図1)。
【0054】
本実施形態によれば、以下の作用及び効果を奏する。
本実施形態によれば、各蓄電素子22ごとに当該蓄電素子22の扁平な面が放熱部材28の異なる領域に載置されれば蓄電素子22の熱を放熱部材28を介して放散させることが可能になるが、このように蓄電素子22を横並びに配置すると、蓄電素子22を上下に積層する場合と比較して蓄電素子22の移動の自由度が大きくなりやすいため、蓄電素子22の位置ずれが生じることが懸念される。本実施形態によれば、このような蓄電素子22の位置ずれが生じやすい構成であっても保持部材32により蓄電素子22を所定の領域に保持することができるため、蓄電素子22の位置ずれを防止することが可能になる。
【0055】
保持部材32は、放熱部材28に対して扁平な面に沿う方向に位置決めする位置決め部40を備える。
このようにすれば、位置決め部40により保持部材32を放熱部材28に対して扁平な面に沿う方向に位置決めできるため、この保持部材32に保持される蓄電素子22についても、放熱部材28に対して扁平な面に沿う方向に位置決めすることが可能になる。
【0056】
保持部材32は、放熱部材28に係止して放熱部材28の離脱方向の移動を規制する係止片43を備える。
このようにすれば、放熱部材28の離脱方向の移動が保持部材32の係止片43で規制されるため、保持部材32に保持される蓄電素子22を放熱部材28に対して放熱部材28の離脱方向に位置決めすることが可能になる。
【0057】
蓄電素子22の正極及び負極の端子23A,23Bのそれぞれに接続されるバスバー24,25を備え、保持部材32は、バスバー24,25を保持している。
このようにすれば、蓄電素子22とバスバー24,25を保持部材32で一体的に保持することが可能になるため、より一層、蓄電素子22の端子とバスバー24,25との接続部分に応力が生じることを防止できる。
【0058】
放熱部材28に載置された複数の蓄電素子22が保持部材32に保持されてなる蓄電ユニット21A〜21Fが複数積層されており、保持部材32は、隣の蓄電ユニット21A〜21E側に突出して隣の蓄電ユニット21A〜21Eにおける蓄電素子22の位置ずれを規制する規制片35を備える。
このようにすれば、保持部材32の規制片35により、隣の蓄電ユニット21A〜21Eの蓄電素子22の位置ずれを防止することができる。
【0059】
保持部材32は、蓄電素子22が内側に嵌め入れられて保持される保持壁34を備え、規制片35の基端部は、保持壁34に形成されている。
このようにすれば、蓄電素子22を保持するための保持壁34を利用して隣の蓄電ユニット21A〜21Eの蓄電素子22を保持することができる。
【0060】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、蓄電素子22が電池である例を示したが、蓄電素子22は、コンデンサなどであってもよい。
(2)上記実施形態では、ISG用の蓄電モジュール10としたが、他の用途の蓄電モジュールとしてもよい。
(3)各蓄電ユニット21A〜21Fにおける蓄電素子22の数は、上記実施形態の3個に限られず、2個、又は、4個以上であってもよい。保持部材の形状も蓄電素子22の数に応じて適宜変更することが可能である。
(4)上記実施形態では、6層の蓄電ユニット21A〜21Fの保持部材32は、全て同一形状としたが、異なる形状としてもよい。
(5)上記実施形態では、保持壁34は、蓄電素子22の全周が嵌め入れられる矩形の枠状としたが、蓄電素子22の位置を保持できるのであれば、これに限られない。例えば、部分的に保持壁が分断されるようにしてもよい。