特許第6016040号(P6016040)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6016040喫煙物品に物体を導入するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016040
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】喫煙物品に物体を導入するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/02 20060101AFI20161013BHJP
   B65G 47/84 20060101ALI20161013BHJP
   B65G 47/08 20060101ALI20161013BHJP
   B65G 47/86 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   A24D3/02
   B65G47/84 C
   B65G47/08 D
   B65G47/86 G
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-516300(P2014-516300)
(86)(22)【出願日】2012年6月19日
(65)【公表番号】特表2014-519829(P2014-519829A)
(43)【公表日】2014年8月21日
(86)【国際出願番号】EP2012061636
(87)【国際公開番号】WO2012175467
(87)【国際公開日】20121227
【審査請求日】2015年6月18日
(31)【優先権主張番号】11170554.7
(32)【優先日】2011年6月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【弁理士】
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】フェッラツィッン ディエゴ
(72)【発明者】
【氏名】パグノニ ミケーレ
(72)【発明者】
【氏名】プレスティア イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ベルトルド マッシミリアノ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ マル ジョバンニ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェツォッシ ステファノ
【審査官】 長浜 義憲
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0184576(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0236561(US,A1)
【文献】 特開平06−070739(JP,A)
【文献】 特表2007−504824(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0292159(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/02
B65G 47/84
B65G 47/08
B65G 47/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的な材料の流れに物体を導入するための装置であって、
− 複数の物体を提供するためのリザーバ(1)と、
− 前記物体を前記連続的な材料の流れに導入する挿入ユニットに前記物体を移送するための回転式搬送ホイール(3)と、
− 前記リザーバ(1)と前記回転式搬送ホイール(3)の間に配置された、前記物体を前記回転式搬送ホイール(3)に搬送するための搬送チャンバ(2)と、
を備え、前記回転式搬送ホイール(3)は、前記物体を搬入できる凹部(320)を備え、前記物体を前記回転式搬送ホイール(3)から前記連続的な材料の流れに導入する前記挿入ユニットに前記物体が送出されるまで、吸引力の付与を通じて前記凹部(320)内に前記物体を保持することができ、
前記回転式搬送ホイール(3)は、該回転式搬送ホイール(3)の中心を通じて吸引力を与えるように前記回転式搬送ホイール(3)の前記中心に配置された吸引口と、該吸引口と前記凹部(320)の間の流体連通を可能にするための流体接続部とを含
前記回転式搬送ホイール(3)は、前記搬送チャンバ(2)から前記物体を受け取るための前記凹部(320)を含む搬送ディスク(32)、前記吸引口と前記凹部(320)の間の前記流体接続部の少なくとも一部を含む接続ディスク(31;34;35)、及び供給ディスク(30)の中心に配置された前記吸引口を含む前記供給ディスク(30)という隣接して配置された3つのディスク(30、31、32;34、35)を備え、前記接続ディスク(31;34;35)は、前記供給ディスク(30)と前記搬送ディスク(32)の間に配置される、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記吸引口は、供給管(4)の接続シリンダ(40)を収容するようになっているソケット(300)を含み、前記接続シリンダ(40)は、前記回転式搬送ホイール(3;30、31、32;34、35)が前記接続シリンダ(40)の周囲を回転できるようにする軸受(400)を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流体接続部は、前記搬送ディスク(32)内で延びる搬送ディスクチャネル(321)をさらに含み、該搬送ディスクチャネル(321)の各々は、前記それぞれの凹部(320)の底部からそれぞれの半径方向の最も内側の端部に向かって半径方向内向きに延びるそれぞれの放射状チャネル部分(322)と、前記放射状チャネル部分(322)の前記それぞれの半径方向の最も内側の端部から前記搬送ディスク(32)の前記接続ディスク(31;34;35)に向いた表面(325)に設けられたそれぞれのオリフィス(324)に延びるそれぞれの横方向チャネル部分(323)とを含み、前記それぞれのオリフィス(324)及び前記それぞれの横方向チャネル部分(323)は、前記放射状チャネル部分(322)の断面よりも大きな断面を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記搬送ディスク(32)の前記表面(325)の前記オリフィス(324)は、作動直径(326)に配置され、前記接続ディスク(31;34)は、前記供給ディスク(30)の前記吸引口と流体連通する、中心に配置された開口部(310;340)を含み、前記接続ディスク(31;34)の前記中心に配置された開口部(310;340)は、前記作動直径(326)よりも小さな直径(311;341)を有し、前記接続ディスク(31;34)は、前記中心に配置された開口部(310;340)から前記作動直径に半径方向外向きに延びるとともに円周方向作動チャネル(314)と流体連通する複数の接続チャネル(312;342)をさらに含み、前記円周方向作動チャネル(314)は、前記接続ディスクの前記搬送ディスク(32)に向いた表面上の前記作動直径に設けられ、前記円周方向作動チャネル(314)は、前記搬送ディスク(32)の方に向いた開放面を有し、前記搬送ディスク(32)は、前記オリフィス(324)の前記円周方向作動チャネル(314)が前記オリフィス(324)と流体連通する場所を除いて前記円周方向作動チャネル(314)の前記開放面を閉じるカバーを形成する、
ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記接続ディスク(31;34)は、前記搬送ディスク(32)の前記オリフィス(324)の数よりも少ない複数の接続チャネル(312;342)を含み、該接続チャネル(312;342)は、該接続ディスク(31;34)の前記供給ディスク(30)に向いた表面に設けられ、前記接続チャネル(312;342)は、前記供給ディスク(30)の方に向いた開放面を有し、前記供給ディスク(30)は、前記接続チャネル(312;342)の前記開放面を閉じるカバーを形成し、前記接続チャネル(312;342)から前記接続ディスク(31;34)を通じて前記円周方向作動チャネル(314)に延びて前記接続チャネル(312;342)と前記円周方向作動チャネル(314)の間に前記流体連通を確立する貫通開口部(313;343)が設けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記搬送ディスク(32)の前記表面の前記オリフィス(324)は、作動直径(326)に配置され、前記接続ディスク(35)は、前記供給ディスク(30)の前記吸引口と流体連通する、中心に配置された開口部(350)を含み、該中心に配置された開口部(350)は、前記接続ディスク(35)の前記中心に配置された開口部(350)が前記搬送ディスク(32)の前記オリフィス(324)と直接的に流体連通するように前記作動直径よりも大きな直径(351)を有し、前記接続ディスク(35)の前記中心に配置された開口部(350)は、一方の側からは前記供給ディスク(30)によって覆われ、他方の側からは前記搬送ディスク(32)によって覆われる、
ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記搬送チャンバ(2)内の前記物体の循環経路に沿った循環運動を生み出す手段をさらに備え、前記循環経路の一部は、前記回転式搬送ホイール(3)の周囲面に沿って前記回転式搬送ホイール(3)の回転方向に延びる、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
連続的な材料の流れに物体を導入する方法であって、
− 複数の物体を含むリザーバ(1)を設けるステップと、
− 凹部(320)を有する回転式搬送ホイール(3)を設けるステップと、
− 前記物体を、前記リザーバ(1)から、該リザーバ(1)と前記回転式搬送ホイール(3)との間に配置された搬送チャンバ(2)に導入するステップと、
− 前記回転式搬送ホイール(3)の前記凹部(320)に吸引力を付与することにより、前記物体を前記搬送チャンバ(2)から前記回転式搬送ホイール(3)の前記凹部(320)内に搬送して、前記物体を前記凹部(320)内に保持するステップと、
− 前記凹部(320)内に保持された前記物体を、該物体を前記連続的な材料の流れに導入すべき挿入位置に移送するステップと、
− 前記挿入位置において前記物体を前記連続的な材料の流れに導入するステップと、を含み、前記回転式搬送ホイール(3)の凹部(320)に吸引力を付与するステップは、前記回転式搬送ホイール(3)の中心を通じ、前記回転式搬送ホイール(3)の前記中心に配置された吸引口を通じ、前記吸引口と前記凹部(320)の間に流体連通を確立する流体接続部を通じて吸引力を付与することにより行われ、
前記回転式搬送ホイールを設けるステップは、前記搬送チャンバ(2)から前記物体を受け取るための前記凹部(320)を含む搬送ディスク(32)、前記吸引口と前記凹部(320)の間の前記流体接続部の少なくとも一部を含む接続ディスク(31;34;35)、及び供給ディスク(30)の中心に配置された前記吸引口を含む前記供給ディスク(30)という隣接して配置された3つのディスク(30、31、32;34、35)を設けるステップを備え、前記接続ディスク(31;34;35)は、前記供給ディスク(30)と前記搬送ディスク(32)の間に配置される、
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記搬送チャンバ(2)内の前記物体の循環経路に沿った循環運動を生み出すステップをさらに含み、前記循環経路の一部は、前記回転式搬送ホイール(3)の周囲面に沿って前記回転式搬送ホイール(3)の回転方向に延びる、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的な材料の流れに物体を導入するための装置及び方法に関する。例えば、この物体は、喫煙物品のフィルタ要素の製造中に連続的なフィルタ材料の流れに導入すべきカプセルとすることができる。
【背景技術】
【0002】
例えばシガレットなどの喫煙物品は、一般にロッド状構造を有し、カットフィラーなどの柱状の喫煙可能材料を含む。カットフィラーは、一般に紙ラッパーで巻かれることにより、いわゆる「タバコロッド」を形成する。フィルタ付きシガレットでは、このタバコロッドと端部を接した関係で円筒状のフィルタ要素が位置合わせされる。一例として、フィルタ要素は、セルロースアセテートトウのフィルタ材料を含むことができる。このフィルタ材料を、「プラグラップ」として知られている紙材料で取り巻くことができる。通常、フィルタ要素は、「チップペーパー」として知られている取り巻き用の包装材料を用いてタバコロッドの一端に取り付けられる。
【0003】
煙の官能特性を改善するための様々な提案されている方法は、喫煙物品の主流煙にさらなる香味を添加する手段としてフィルタ内に追加要素を取り入れるというものである。例えば、フィルタ要素の製造中にフィルタ材料内にカプセルなどの物体を導入することが提案されている。
【0004】
喫煙物品のフィルタ要素の製造中にフィルタ材料内にこのような物体を導入するための様々な方法及び装置が提案されている。例えば国際公開第2010/055120号に、1つのこのような装置が記載されている。この国際公開第2010/055120号による装置は、物体を含むリザーバを備える。このリザーバは、動作時に物体を循環させる搬送チャンバ内に開口する。搬送チャンバ内で循環する物体は、回転式搬送ホイールの周囲面に沿って移動する。この搬送ホイールは、その周囲面に凹部(ポケット)を有し、この凹部に付与される吸引力により物体が凹部内に導かれてそこに保持される。物体は、搬送ホイールの回転により挿入位置に移送され、ここで搬送ホイールから放出されて連続的なフィルタ材料の流れに導入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2010/055120号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フィルタの大量製造においては、このようなフィルタを可能な限り効率的かつ確実に製造する必要性が今なお存在する。すなわち、1つの物体をフィルタ要素内に確実に配置する装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、連続的な材料の流れに物体を導入するための装置及び方法が提供される。以下の明細書では、フィルタ材料に物体を挿入する実施形態のみを示すが、本発明は、例えばタバコロッド又はフィルタ内のキャビティなどの、喫煙物品の他の部分に物体を挿入する事例も含む。
【0008】
本発明による装置は、複数の物体を提供するためのリザーバと、連続的な材料の流れに物体を導入するための挿入ユニットに物体を移送するための回転式搬送ホイールと、回転式搬送ホイールに物体を搬送するための搬送チャンバとを備える。搬送チャンバは、リザーバと回転式搬送ホイールの間に配置される。回転式搬送ホイールは、物体を搬入できる凹部を備え、この中に吸引力の付与を通じて物体を保持することができる。物体は、回転式搬送ホイールから連続的な材料の流れに物体を導入するための挿入ユニットに送出されるまで凹部内に保持される。回転式搬送ホイールは、回転式ホイールの中心を通じて吸引力を与えるように回転式ホイールの中心に配置された吸引口を備える。回転式搬送ホイールは、吸引口と凹部の間の流体連通を可能にするための流体接続部をさらに備える。
【0009】
「流体連通を可能にするための流体接続部」とは、回転式搬送ホイールの中央又は中心にある吸引口から搬送ホイール内の凹部に吸引力又は過圧力を伝達できるようにするあらゆる接続部又は接続部分のことを意味する。
【0010】
本発明によれば、物体とは、本発明による装置及び方法により処理することができるあらゆる個別品目のことを意味する。物体は、実質的に球状の物体であることが好ましい。この実質的に球状の物体は、約0.5mm〜約6.5mmの直径を有することが好ましく、約2.5mm〜約4.0mmの直径を有することがさらに好ましい。この実質的に球状の物体は、カプセルであることが好ましい。このカプセルは、液体を含むことが好ましい。液体は、例えばメントールなどの香味料であることが好ましい。カプセルは、破砕可能であること、すなわち十分な破砕強度が加わった時にその内容物を放出できることが好ましい。このような物体では、製造工程中にカプセル内の液体が放出されないように物体を慎重に取り扱うことが特に重要である。
【0011】
回転式搬送ホイールの中心に吸引口を配置し、吸引口と凹部の間の流体連通を可能にするための流体接続部を配置することにより、吸引力を単一の場所に(少なくとも回転式搬送ホイールの回転軸の一部に沿って吸引力が与えられるように中心に配置された吸引口に)容易に供給できるようになる。その後、この吸引力は、流体接続部によって回転式搬送ホイールの個々の凹部に「分散」される。この構成は、特に先行技術から既知である装置と比較した時に、構造的見地から見て単純かつ確実な解決策である。以下で説明する実施形態から明らかになるように、この構造的アプローチにより、構造的見地から見て単純な様々な実施形態を想到できるようになる。同時に、これらの実施形態は、特に高速で動く搬送ホイールにおいて非常に信頼性が高く、従って本発明による装置が特に効果的になる。
【0012】
本発明による装置の1つの実施形態では、回転式搬送ホイールが、隣接して配置された3つのディスクを有する。これらの3つのディスクのうちの第1のディスクは、搬送チャンバからの物体を受け取るための凹部を備えた搬送ディスクである。第2のディスクは、吸引口と凹部の間の流体接続部の少なくとも一部を含む接続ディスクである。第3のディスクは供給ディスクであり、その中心に吸引口が配置される。接続ディスクは、供給ディスクと搬送ディスクの間に配置される。上述した3つのディスクを備えた構造的アプローチにより、「ホイールの中心における外部吸引力の供給」、「ホイールの中心から個々の凹部への吸引力の分散」、及び「搬送チャンバから挿入ユニットへの物体の移送」という機能を基本的に分離することができる。この機能の分離は、以下で明らかになるさらなる構造的な選択肢を可能にする。
【0013】
本発明による装置の1つの実施形態では、吸引口が、供給管の接続シリンダを収容するようにされたソケットを含む。この接続シリンダは、例えば玉軸受又は滑り軸受などの軸受を備える。この軸受は、回転式ホイールが接続シリンダの周囲で回転できるようにする。この実施形態は、ホイールに吸引力供給ラインを取り付けるための容易な方法を表す。供給ディスクに接続シリンダを接続するだけでよい。この結果、供給ラインがソケット内に固定配置された状態で、供給ディスクを含む回転式ホイール全体が軸受の周囲を回転できるようになる。
【0014】
本発明による装置のさらなる実施形態では、流体接続部が、搬送ディスク内に延びる搬送ディスクチャネルをさらに含む。搬送ディスクチャネルの各々は、それぞれの凹部の底部からそれぞれの半径方向の最も内側の端部に向けて実質的に放射状に延びるそれぞれの放射状チャネル部分を含む。放射状チャネル部分のそれぞれの半径方向の最も内側の端部から、搬送ディスクの接続ディスクに向いた表面に設けられたそれぞれのオリフィスに、それぞれの横方向チャネル部分が延びる。それぞれのオリフィス及びそれぞれの横方向チャネル部分は、放射状チャネル部分の断面よりも大きな断面を有する。これにより、それぞれの凹部の底部に吸引力を良好に「伝達」できるようになる。従って、連続的な材料の流れに物体を挿入すべき位置への移送中に、物体を凹部内に確実に吸引してこの中に保持できるようになる。
【0015】
このような装置の1つの特定の実施形態では、搬送ディスクの表面のオリフィスが、作動直径に配置される。接続ディスクは、供給ディスクの吸引口と流体連通する、中心に配置された開口部を含む。接続ディスクの中心に配置された開口部は、作動直径よりも小さな直径を有する。従って、接続ディスクの中心に配置された開口部と、搬送ディスクの表面に配置されたオリフィスとの間に直接的な流体連通は存在しない。接続ディスクは、中心に配置された開口部から少なくとも作動直径まで半径方向に延びる複数の接続チャネルをさらに含む。接続チャネルは、円周方向作動チャネルと流体連通する。この作動チャネルは、接続ディスクの搬送ディスクに向いた表面に設けられる。作動チャネルは、搬送ディスクの方に向いた開放面を有する。搬送ディスクは、作動チャネルがオリフィスと流体連通するオリフィスの場所を除いて作動チャネルの開放面を閉じるカバーを形成する。従って、吸引口から接続チャネルを通じて作動チャネル内に、及び作動チャネルから搬送ディスクの及び搬送チャネルのオリフィスを通じて凹部の底部に吸引力を確実に伝達することができる。
【0016】
この装置の実施形態の変形例では、接続ディスクが、搬送ディスクのオリフィスの数よりも少ない複数の接続チャネルを含む。これらの接続チャネルは、接続ディスクの供給ディスクに向いた表面に設けられる。接続チャネルは、供給ディスクの方に向いた開放面を有する。供給ディスクは、接続チャネルの開放面を閉じるカバーを形成する。接続チャネルから接続ディスクを通じて円周方向作動チャネルに延びて流体連通を確立する貫通開口部が設けられる。一例として、接続チャネルは、中央開口部から(星形の)半径方向に真っ直ぐに作動直径まで延びる。そこに、接続ディスクの反対側で接続チャネルと円周方向作動チャネルを接続する貫通開口部を配置することができる。この例は、中心に供給された吸引力を個々のオリフィスに、及びそこから搬送ディスク内のそれぞれの凹部に「分散」させるための単純な構造的解決策である。
【0017】
本発明による装置の別の実施形態では、搬送ディスクの表面のオリフィスも作動直径に配置される。接続ディスクは、供給ディスクの吸引口と流体連通する、中心に配置された開口部を含む。中心に配置された開口部は、作動直径よりも大きな直径を有する。従って、接続ディスクの中心に配置された開口部は、搬送ディスクのオリフィスと直接的に流体連通する。接続ディスクの中心に配置された開口部は、一方の側からは供給ディスクによって覆われ、他方の側からは搬送ディスクによって覆われる。この実施形態は、接続チャネルを含んでいないので、上述した実施形態とは異なる。代わりに、中心に配置された開口部が、吸引力を直接伝達するように搬送ディスクのオリフィスと直接的に流体連通する。供給ディスク及び搬送ディスクは、いずれも中心に配置された開口部を覆って、吸引力を搬送ディスクのオリフィスに確実に伝達できるようにする。この実施形態は、中心に供給された吸引力を個々のオリフィスに、及びそこから搬送ディスクのそれぞれの凹部に「分散」させるための別の単純な構造的解決策である。
【0018】
本発明による装置のさらなる実施形態は、搬送チャンバ内の物体の循環経路に沿った循環運動を生み出す手段をさらに含む。循環経路の一部は、回転式搬送ホイールの周囲面に沿って回転式搬送ホイールの回転方向に延びる。回転式搬送ホイール(又は搬送ディスク)の周囲面に(それぞれ)沿った物体の循環運動は、凹部が空になるのを避けるために、物体が回転式搬送ホイールの各凹部内に確実に搬送されるようにする補助となる。また、搬送チャンバ内で物体を循環させることにより、搬送チャンバ内の目詰まりが防がれる。一般に、物体の速度は広い範囲で変動してもよいが、回転式搬送ホイールの周囲面に沿って延びる循環経路の部分に沿った物体の速度は、回転する搬送ホイールの周囲面の速度と同じ又はほぼ同じであることが好ましい。例えば、物体の速度は、回転式搬送ホイールの周囲面の速度よりも約25パーセント遅い速度から約25%パーセント速い速度の範囲内で回転式搬送ホイールの周囲面の速度と異なることができる。より好ましくは、物体の速度は、回転式搬送ホイールの周囲面の速度よりも約10パーセント遅い速度から約10%パーセント速い速度の範囲内で回転式搬送ホイールの周囲面の速度と異なることができる(物体の速度と回転式搬送ホイールの周囲面の速度がほぼ同じ場合を含む)。一般に、特定の値に関連して「約」という用語を使用する場合には、その正確な値を含むことが常に意図される。
【0019】
本発明による装置の別の実施形態は、リターン部材をさらに含む。リターン部材は、搬送チャンバ内の搬送チャンバの湾曲した側壁部分に配置される。この湾曲した側壁部分及びリターン部材は、循環経路の回転式搬送ホイールの周囲面に沿って延びる部分の端部に配置される。とりわけ、リターン部材は、リターン部材及び湾曲した側壁部分が搬送チャンバ内の物体の移動方向を反転させるように配置される。従って、リターン部材は、搬送チャンバ内の物体の循環運動をさらに向上させる。
【0020】
このような装置の1つの実施形態では、リターン部材が滴形形状を有する。この滴形形状のリターン部材は、頂点と、2つのほぼ真っ直ぐな側面と、側面を接続する湾曲部分とを含む。頂点は、搬送チャンバの内部の方に向く。この頂点は、回転式搬送ホイールの周囲面の方に向いた滴の側面が、基本的に回転式搬送ホイールの周囲面の接線方向に延びるような形で内部の方に向く。これにより、搬送チャンバ内の物体の循環運動をさらに向上させることができる。「ほぼ真っ直ぐな側面」という用語は、真っ直ぐな側面と、わずかに湾曲した側面とを含むことが意図されている。搬送ホイールに向いたほぼ真っ直ぐな側面は、凹曲面を有することが好ましい。この側面の湾曲は、搬送ホイールの湾曲にほぼ対応し、すなわち側面の湾曲は、搬送ホイールと同心状であることが好ましい。
【0021】
具体的には、この真っ直ぐな側面は、真っ直ぐな側面と回転式搬送ホイールの周囲面との間の空間が、循環経路の回転式搬送ホイールの周囲面に沿って延びる部分の端部に向かう方向にテーパー付けされるように配置することができる。これにより、搬送ホイールの凹部(ポケット)内への物体の導入をさらに支援することができる。しかしながら、この空間は、物体が損傷したり又は壊れたりしないような程度にしかテーパー付けすべきでない。このテーパー付けは、カプセルの直径の約1/4未満の大きさであることが好ましい。
【0022】
本発明による装置のさらなる実施形態では、回転式搬送ホイールの周囲面の方に向いたほぼ真っ直ぐな側面が、回転式搬送ホイールの周囲面から所定の距離に配置される。この所定の距離は、ほぼ真っ直ぐな側面と回転式搬送ホイールの周囲面との間に1個〜6個の物体の層が形成されるように選択される。とりわけ、この所定の距離は、ほぼ真っ直ぐな側面と回転式搬送ホイールの周囲面との間に2個〜4個の物体の層が形成されるように選択される。この層は、物体が搬送領域に重なり合って詰め込まれるように物体1個分の深さであることが好ましい。
【0023】
この実施形態は、回転式搬送ホイールのそれぞれの凹部が搬送チャンバの領域を離れた時に、各凹部内に1つの物体が保持されるように、回転式搬送ホイールの周囲面の凹部内への物体の導入にさらに寄与するという点で有利である。
【0024】
本発明による装置のさらに別の実施形態では、搬送チャンバ内の物体の循環運動を生み出す手段がノズルを含む。これらのノズルは、循環経路の回転式搬送ホイールの周囲面に沿って延びる部分の端部に配置される。これらのノズルは、空気流を生み出すことができる。これらの空気流は、搬送チャンバの湾曲した側壁部分又はリターン部材とともに、或いは湾曲した側壁部分とリターン部材の両方とともに、搬送チャンバ内の物体の移動方向を反転させる。これらのノズルは、搬送チャンバ内の物体の循環運動をさらに向上させる。
【0025】
本発明の別の態様は、連続的な材料の流れに物体を導入する方法に関する。この方法は、複数の物体を含むリザーバを設けるステップと、リザーバから、リザーバと凹部を有する回転式搬送ホイールとの間に配置された搬送チャンバに物体を導入するステップと、回転式搬送ホイールの凹部に吸引力を付与することにより、搬送チャンバから回転式搬送ホイールの凹部内に物体を搬送して凹部内に物体を保持するステップと、凹部内に保持された物体を、連続的な材料の流れに物体を導入すべき挿入位置に移送するステップと、挿入位置において連続的な材料の流れに物体を導入するステップとを含む。回転式搬送ホイールの凹部に吸引力を付与するステップは、回転式ホイールの中心を通じ、回転式搬送ホイールの中心に配置された吸引口を通じ、吸引口と凹部の間の流体連通を確立する流体接続部を通じて吸引力を付与することにより行われる。
【0026】
本発明による方法の実施形態は、回転式搬送ホイールの周囲面において、搬送チャンバ内の物体が回転式搬送ホイールの回転方向に延びる循環経路に沿って移動するように物体の循環運動を生み出すステップと、搬送チャンバ内において、回転式搬送ホイールの周囲面に沿った物体の循環経路の終端に、搬送チャンバ内の物体の移動方向を反転させるリターン部材を設けるステップとをさらに含み、リターン部材は、頂点と、2つの真っ直ぐな側面と、真っ直ぐな側面を接続する湾曲部分とを含む滴形形状を有し、頂点は、回転式搬送ホイールの周囲面の方に向いた滴の側面が、基本的に回転式搬送ホイールの周囲面の接線方向に延びるような形で搬送チャンバの内部の方に向く。
【0027】
この方法の実施形態の利点は、対応する本発明による装置の実施形態に関して上述した利点と同じものである。
【0028】
図面を参照しながら行う以下の本発明による装置及び方法の実施形態の説明から、さらに有利な側面が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明による装置の基本部品の実施形態の斜視図である。
図2図1の装置の前部プレートを通して見たいくつかのさらなる詳細を示す図である。
図3】供給ディスクと、接続ディスクと、搬送ディスクとを備え、供給ディスクのソケットに中心供給管の接続シリンダが接続されている回転式搬送ホイールの実施形態の中心部分の拡大断面図である。
図4】回転式搬送ホイールの実施形態の、搬送ディスク及び接続ディスクのいくつかの詳細を示す分解図である。
図5】搬送ディスクの前にある回転式搬送ホイールの接続ディスクの第1の実施形態を示す図である。
図6】搬送ディスクの前にある回転式搬送ホイールの接続ディスクの第2の実施形態を示す図である。
図7】搬送ディスクの前にある回転式搬送ホイールの接続ディスクの第3の実施形態を示す図である。
図8】搬送チャンバ内の物体の流れを反転させるためのリターン部材を内部に配置した搬送チャンバの詳細を示す図である。
【0030】
図1は、本発明による装置の基本部品の実施形態を組み立てた状態で示す斜視図であり、図2は、この実施形態のいくつかのさらなる詳細を開示する正面図である。図1及び図2から分かるように、装置は、例えばカプセル又はビーズなどの、連続的な材料の流れに導入すべき物体が提供されるリザーバ1を備える。図1では、リザーバ1の不透明な前部プレート10を見ることができ、図2では、装置のさらなる詳細が見えるように前部プレート10を透明にして示している。
【0031】
図2で分かるように、装置は、リザーバ1と回転式搬送ホイール3の間に配置された搬送チャンバ2をさらに備える。搬送チャンバ2内には、滴形形状を有するリターン部材20が配置される。リターン部材20は、以下でさらに詳細に説明するように、搬送チャンバ20内の回転式搬送ホイール3の周囲に沿ったカプセルの移動を反転させる助けとなる。
【0032】
前壁10には、複数のノズル100が配置される。これらのノズル100により、図2の搬送チャンバ2内に矢印で示すような搬送チャンバ2内のカプセルの循環運動を生み出すために、及びカプセルが回転式搬送ホイール3に向かって移動するのを補助するために、過圧力又は吸引力を付与することができる。搬送チャンバ2は、後壁11と前壁10の間に形成される。前壁10と後壁11の間の搬送チャンバ2の奥行きは、カプセルの層を1つだけ形成できるようなものである。一例として、搬送チャンバ2の奥行き(「厚み」)は、カプセル又はビーズの外形寸法の約110パーセント〜約120パーセントとすることができる。後壁11には、前壁10のノズル100の位置と同様の位置に、さらなるノズル(図示せず)を配置することができる。これらのさらなるノズルを通じて、搬送チャンバ2内のカプセルの循環運動を生み出すために、及びカプセルが回転式搬送ホイール3の周囲面に向かって移動するのを補助するために、ノズル100の場合と同様に過圧力又は吸引力を付与することができる。カプセルは、回転式搬送ホイール3の周囲面に向かって又は周囲面に沿って移動している最中に、回転式搬送ホイール3の周囲面に設けられた凹部内に吸引される(この凹部は、図1及び図2では見えない)。この吸引は、各凹部に1個のカプセルを吸引するように個々の凹部の底部を通じて吸引力を付与することにより行われ、このカプセルは、例えばフィルタトウなどの連続的な材料の流れに導入されるまでここに保持される。このカプセルの導入は、連続的な材料の流れにカプセルを導入するためのユニットにより行われる。このフィルタトウにカプセルを導入するためのユニットは図示しておらず、当業で周知の従来のユニットとすることができる。一例として、国際公開第2010/055120号の図10図12に、連続的なフィルタトウの流れにカプセルを導入するための好適なユニットが示されており、この明細書の対応部分に詳細に説明されている。従って、この連続的なフィルタ材料の流れにカプセルを導入するためのユニットに関連する開示は、引用により本明細書に組み入れられる。国際公開第2010/055120号で分かるように、回転式搬送ホイールのそれぞれの凹部が最下位置にきた時に、連続的なフィルタトウの流れにカプセルが導入される。
【0033】
図3は、回転式搬送ホイール3の実施形態の中心部分の拡大断面図である。回転式搬送ホイール3は、供給ディスク30、接続ディスク31及び搬送ディスク32を含む。供給ディスク30のソケット300には、中心供給管4の接続シリンダ40が接続される。ソケット300は吸引口を形成し、接続シリンダ40を収容するようになっている。接続シリンダ40は、玉軸受400を備える。玉軸受400により、回転式搬送ホイール3が接続シリンダ40の周囲を回転できると同時に、供給管4を通じて回転式ホイール3の中心に吸引力を供給することができる。供給ディスク30に設けられた溝302内にはO−リング301を配置して接続シリンダ40の最も内側の端部を取り囲み、導管4及び接続シリンダ40を通じて供給された吸引力が、接続ディスク31に設けられた中央開口部310に付与されるようにする。接続ディスク31は、搬送ディスク32に設けられた搬送ディスクチャネルに向けて吸引力を半径方向外向きに「分散」する。これらの搬送ディスクチャネルは、ビーズが保持される凹部のそれぞれの底部に通じる。
【0034】
図4は、供給ディスク30、接続ディスク31及び搬送ディスク32を含む回転式搬送ホイール3の実施形態の分解概略図である。図4では、供給ディスク30については概略的にしか示していないが、接続ディスク31及び搬送ディスク32についてはいくつかの詳細を示している。特に、図4からは、搬送ディスク32が、搬送チャンバ2からカプセルが吸引される凹部320を含むことが分かる。カプセルは、連続的なフィルタトウの流れにカプセルを導入するためのユニットに移送されている間、凹部320内に保持される。それぞれの凹部320の底部からは、搬送ディスクチャネル321が延びる。搬送ディスクチャネル321は、最も内側の端部に向かって半径方向に延びる放射状チャネル部分322を含む。この放射状チャネル部分322の最も内側の端部からは、搬送ディスク32の接続ディスク31に向いた表面325に設けられたオリフィス324まで横方向チャネル部分323が延びる。オリフィス324は、作動直径326に円形に配置される。
【0035】
以下、図4のさらなる詳細を、図5に示す接続ディスク31の実施形態に関連して説明する。接続ディスク31は、作動直径326よりも小さな内径311(図5を参照)を有する、中心に配置された開口部310(やはり図5を参照)を含む。従って、中心に配置された開口部310は、搬送ディスク32のオリフィス324と直接的には流体連通しない。中心に配置された開口部310からは、作動直径326(図4を参照)又は作動直径326よりもさらに少し外側まで複数の接続チャネル312が半径方向外向きに延びる(図5を参照)。接続チャネル312は、接続ディスク31の供給ディスク30に向いた表面に設けられる。接続チャネル312は、供給ディスク30の方に向いた開放面を有する。供給ディスク30は、装着されると接続チャネル312を覆い、実質的に流体密封チャネルを形成するように接続チャネル312の開放面を閉じる。
【0036】
接続ディスク31は、その搬送ディスク32に向いた表面上に円周方向作動チャネル314を含む。作動チャネル314は、作動直径326に配置され、搬送ディスク32の方に向いた開放面を有する。搬送ディスク32に向いた表面上に設けられた作動チャネル314と、供給ディスク30に向いた表面上に設けられた接続チャネル312は、貫通開口部313により接続される。搬送ディスク32は、装着されると、オリフィス324の位置を除いて円周方向作動チャネル314の開放面を閉じる。
【0037】
従って、中心に配置された開口部310、接続チャネル312、貫通開口部313、作動チャネル314、オリフィス324及び搬送ディスクチャネル321を通じて吸引口と凹部320の間に流体連通が確立される。
【0038】
図6に、接続ディスク34の第2の実施形態を示す。この接続ディスク34の実施形態は、図5に示す接続ディスク31の実施形態とある程度類似する。接続ディスク34は、作動直径326(図4を参照)よりも小さな内径341を有する中心に配置された開口部340を有する。接続ディスク34は、接続ディスク31の接続チャネル312よりも幅広い接続チャネル342を含む。ここでも、接続チャネル342は、供給ディスク30(図6には示さず)の方に向いた開放面を有する。供給ディスク30は、装着されるとチャネル342を覆い、接続チャネル342の開放面を閉じて、実質的に流体密封チャネルが形成されるようにする。貫通開口部343が設けられて、接続チャネル342と作動チャネルを接続する。作動チャネルは、図6では見えないが、図4に示すように配置される。接続ディスク34の貫通開口部343を通じて、搬送ディスク32のオリフィス324の一部を見ることができる。吸引力は、図5に示し図4及び図5に関連して上述した実施形態と同様に伝達され、従ってここでは説明を繰り返さない。
【0039】
図7に、接続ディスク35の第3の実施形態を示す。この接続ディスク35の実施形態では、中心に配置された開口部350が、作動直径326(図4を参照)よりも大きな内径351を有する。従って、この接続ディスク35の実施形態では、接続チャネルは存在しない。図7では、搬送ディスク32のオリフィス324が見える。装着時には、中心に配置された開口部350が一方の側からは供給ディスク30により覆われ、他方の側からは搬送ディスク32により覆われて、実質的に流体密封が行われる。従って、中心に配置された開口部350を通じて付与される吸引力がオリフィス324に直接伝達され、そこから搬送チャネル321を通じて凹部320(やはり図4を参照)に伝達される。
【0040】
図8には、搬送チャンバ2の詳細を示し、リターン部材20をより詳細に示している。リターン部材20は、搬送チャンバ2の、カプセルの循環経路が回転式搬送ホイール3の周囲面に沿って延びる部分の端部に配置される。リターン部材20は、頂点200、2つの側面201及び2つの側面201を接続する湾曲部分202を含む滴形形状を有する。頂点200は、搬送チャンバ2の内部の方に向く。回転式搬送ホイール3の周囲面の方に向いた側面201は、カプセルがリターン部材20の周囲に流れるように、基本的に搬送ホイール3の周囲面の接線方向に延びる。従って、リターン部材20は、搬送チャンバ2内のカプセルの移動方向を反転させる補助となる。
【0041】
回転式搬送ホイール3の周囲面の方に向いたリターン部材20の側面201は、回転式搬送ホイール3の周囲面から所定の距離204に配置される。所定の距離204は、側面201と回転式搬送ホイール3の周囲面との間に1個〜6個のカプセルの層を形成できるように選択される。とりわけ、所定の距離204は、側面201と回転式搬送ホイール3の周囲面との間に2個〜4個のカプセルの層が形成されるように選択することができる。やはり図から分かるように、リターン部材20は、側面201と回転式搬送ホイール3の周囲面との間の空間がわずかにテーパー付けされるように構成することができる。この空間は、回転式搬送ホイール3の周囲面に沿って延びる循環経路の部分の終端に向かう方向にテーパー付けされる。これにより、カプセルが循環経路に沿って移動した時に、これらのカプセルにわずかに圧力が加わるようになる。このわずかな圧力により、回転式搬送ホイール3の凹部320内へのカプセルの挿入を補助することができる。しかしながら、このテーパー付けは、このテーパー付けによって生じるわずかな「圧力」がカプセル又はビーズの損傷又は破損を引き起こすことがないように選択しなければならない。
【0042】
さらに、回転式搬送ホイール3(又は搬送ディスク32)の周囲面に沿ったカプセルの循環経路の終端には、(それぞれ)1又はそれ以上のノズル203を配置することができる。ノズル203は、図8に矢印で示すように、搬送チャンバ2の湾曲した側壁又はリターン部材20のいずれかと共に、或いはこれらの両方と共に、搬送チャンバ2内のカプセルの移動方向を反転させる空気流を伝達することができる。
【0043】
動作時には、リザーバ1にカプセルが充填され、これらのカプセルは、重力によりリザーバ1(図1を参照)の下端にある搬送チャンバ2内に入る。搬送チャンバ2内では、図2に矢印で示すようにカプセルの循環運動が生じる。カプセルは、回転式搬送ホイール3の周囲面に沿って移動する。それぞれの凹部320の底部に吸引力が付与されることにより、凹部320の各々にカプセルが充填される。凹部320内に吸引されなかったカプセルは、リターン部材20及びノズル203の補助により、図2に矢印で示す循環経路に沿って方向転換する。凹部320内に吸引されたカプセルは、回転式搬送ホイール3により、連続的なフィルタ材料の流れにカプセルビーズを導入するためのユニットに移送される。カプセルは、この位置で凹部320から放出され、国際公開第2010/055120号に詳細に記載されるようにフィルタ材料に導入される。回転式搬送ホイール3のさらなる回転中には、空の凹部320が再び搬送チャンバ2の領域に到達し、ここで再びカプセルが、上述したように凹部320内に吸引される。
【0044】
カプセルは、回転式搬送ホイール3の周囲面の速度と同じ又はほぼ同じ速度で回転式搬送ホイール3の周囲面に沿って移動する。具体的には、回転式搬送ホイール3の周囲面に沿ったカプセルの速度は、回転式搬送ホイール3の周囲面の速度よりも25パーセント遅い速度から25パーセント速い速度までの範囲内である。より好ましくは、カプセルの速度は、回転式搬送ホイール3の周囲面の速度よりも10パーセント遅い速度から10パーセント速い速度までの範囲内である。カプセルの移動速度が回転式搬送ホイール3の周囲面の速度と同じ又はほぼ同じ場合には、カプセルの速度と搬送ホイールの速度が実質的に同期することにより、搬送チャンバ2から回転式搬送ホイール3の凹部320へのカプセルの搬送がさらに向上するので有利である。
【符号の説明】
【0045】
1 リザーバ
3 回転式搬送ホイール
10 前部プレート
100 ノズル
300 ソケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8