【実施例】
【0112】
(実施形態の例)
本発明及びそれに由来する利点を、以下の実施例によりさらに十分に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明を限定するものではない。
【0113】
本発明は、下記に要約する前記経路Aによる合成の終末時点で得られる、3'-位及び6-位でジアルキル化された、または3'-位、4'-位及び6-位でトリアルキル化された化合物を用いてさらに説明される。
【0114】
【化19】
【0115】
(実験の部)
I-誘導体の合成
A/古典的経路
1/3',6-ジ(ナフチル-2-メチレン)ネアミン6a及び3',4',6-トリ(ナフチル-2-メチレン)ネアミン7a誘導体の合成
ネアミンのトリチル化誘導体9(2.0g、1.55ミリモル)をアルゴン下で無水DMF(20mL)に溶解した。水素化ナトリウム(60%、217mg、5.42ミリモル)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(572mg、1.55ミリモル)及び2-(ブロモメチル)ナフタレン(857mg、3.87ミリモル)を逐次的に添加した。混合物を室温で24時間継続的に撹拌し、次いで、150mLのジクロロメタンを添加した。次いで、有機相を200mLの水で洗浄し、次いで硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧下で溶媒を蒸発させた後、得られた残留物を、50/50のシクロヘキサン/ジクロロメタン混合物を使用するアルミナゲルでのクロマトグラフィーにかけた。分離し、減圧下で溶媒を蒸発させて、生成物10a(980mg、0.62ミリモル、40%)及び生成物11a(1.01g、0.59ミリモル、38%)を得た。化合物10a:MS(FAB
+、NBA)m/z=1594[M+Na]
+、化合物11a:MS(FAB
+、NBA)m/z=1735[M+Na]
+。
【0116】
化合物10a(602mg、0.39ミリモル)及び化合物11a(121mg、0.07ミリモル)を、それぞれ、ジクロロメタンとトリフルオロ酢酸(v/v:1/1)との少量のアニソールを添加した混合物中に溶解した。室温で12時間反応した後、減圧下で溶媒を蒸発させ、水/ジエチルエーテルでの抽出を実施した。減圧下で水相を濃縮した後、残留物を、100/0〜50/50の水/メタノールによるグラジエント溶離を用いるC18逆相カラムクロマトグラフィーにかけた。かくして得られた化合物を、溶離液として水を、次いで水/アンモニア混合物(98/2)を用いるイオン交換カラムに通した。減圧下で溶媒を蒸発させた後、化合物を1N HCl水溶液に溶解した。濃縮及び乾燥後に、化合物6a及び化合物7aが塩酸塩の形態で得られた。
【0117】
化合物6a: 収率=70%; NMR
1H (400MHz, D
2O) δ ppm = 7.84-7.89 (m, 8H, H-ナフチル), 7.47-7.50 (m, 6H, H-ナフチル), 5.86 (d, J
= 3.6Hz, 1H, H-1'), 5.05 (d, J
= 12.0Hz, 1H, CH
2-ナフチル), 5.02 (d, J
= 12.0Hz, 1H, CH
2-ナフチル), 4.88 (d, J
= 12.0Hz, 1H, CH
2-ナフチル), 4.85 (d, J
= 12.0Hz, 1H, CH
2-ナフチル), 4.04 (dd, J
= 8.5と10.4Hz , 1H, H-3'), 3.96 (m, 1H, H-5'), 3.91 (dd, J
= 10.0Hz, 1H, H-4), 3.82 (dd, J
= 9.2Hz, 1H, H-5), 3.65 (dd, J
= 9.2Hz, 1H, H-4'), 3.58 (dd, J
= 9.2Hz, 1H, H-6), 3.45 (dd, J
= 3.6及び10.4Hz, 1H, H-2'), 3.43-3.28 (m, 3H, H-3, H-6'b, H-1), 3.22 (dd, J
= 9.6及び12.8Hz, 1H, H-6'a), 2.42 (ddd, J
= 4.0及び12.4Hz, 1H, H-2eq.), 2.01 (ddd, J
= 12.4Hz, 1H, H-2ax.) ; NMR
13C (100MHz, D
2O) δ ppm = 132.9-134.6 (C-ナフチル), 126.3-128.6 (CH-ナフチル), 95.8 (C-1'), 79.8 (C-6), 77.5 (C-4), 75.6 (C-5及びC-3'), 75.1 (CH
2-ナフチル), 70.9 (C-4'), 69.9 (C-5'), 52.6 (C-2'), 48.8 (C-1), 48.3 (C-3), 39.8 (C-6'), 28.1 (C-2); MS (DCI
+) m/z = 603 [M + H]
+, 463, 303, 141; HRSM (ESI
+): [M+H]
+ m/z 理論値=603.3183, 実測値=603.3186, [M+Na]
+ m/z 理論値=625.3002, 実測値=625.3006.
【0118】
化合物7a: 収率=65%, NMR
1H (400MHz, MeOD) δ ppm = 7.39-7.97 (m, 21H, H-ナフチル), 6.03 (d, J
= 3.6Hz, 1H, H-1'), 4.94-5.29 (m, 6H, CH
2-ナフチル), 3.57-3.59 (m, 2H, H-3', H-5'), 4.20 (dd, J
= 9.6Hz, 1H, H-4), 4.08 (dd, J
= 9.2Hz, 1H, H-5), 3.65-3.74 (m, 2H, H-6, H-4'), 3.49-3.56 (m, 2H, H-3, H-2'), 3.35-3.42 (m, 2H, H-6'b, H-1), 3.17 (dd, J
= 9.6及び13.2Hz, 1H, H-6'a), 2.46 (ddd, J
= 4.0及び12.4Hz, 1H, H-2eq.), 2.01 (ddd, J
= 12.8Hz, 1H, H-2ax.) ; NMR
13C (100MHz, MeOD) δ ppm = 133.1-135.4 (C-ナフチル), 125.3-127.9 (CH-ナフチル), 95.2 (C-1'), 80.5 (C-6), 78.9及び78.5 (C-4及びC-4'), 77.5 (C-3'), 76.3 (C-5), 74.7及び74.4 (CH
2-ナフチル), 69.7 (C-5'), 53.4 (C-2'), 49.5 (C-1), 48.6 (C-3), 40.3 (C-6'), 29.5 (C-2); SM (DCI
+) : m/z = 743 [M + H]
+, 603 [M + H -(ナフチルメチレン)]
+, 441, 303, 141; HRSM (ESI
+): [M+H]
+ m/z 理論値=743.3809, 実測値=743.3810, [M+Na]
+ m/z 理論値=765.3628, 実測値=765.3628.
【0119】
2/3',4',6-トリ-n-ヘキシルネアミン誘導体7cの合成
化合物7cを、1.5gのトリチル化ネアミン誘導体9、1-ヨードヘキサンから、ヨウ化テトラブチルアンモニウムを添加しないで、化合物6a及び7aについて説明した方法により合成した。純粋な中間保護生成物11cは、溶離液として75/25〜50/50のシクロヘキサン/ジクロロメタン混合物を使用してアルミナカラムを通した後に、50%の収率で得られた(MALDI MS、DHB、m/z=1567[M+Na]
+)。前に説明したように酸媒質中で脱保護した後に、生成物7cを、単純な水/ジクロロメタン抽出で単離し、エチルエーテルで洗浄した。収率60%。NMR
1H (400MHz, MeOD) δ ppm = 5.80 (d, J
= 3.6Hz, 1H, H-1'), 4.12 (ddd, J
= 2.4及び9.2Hz, 1H, H-5'), 3.96 (ddd, J
= 7.2Hz, 1CH
2Oの1H), 3.54-3.89 (m, 8H, H-4, H-3', H-5, 3CH
2Oの5H), 3.11-3.39 (m, 7H, H-1, H-6, H-4', H-3, H-2', H-6'a, H-6'b), 2.38 (ddd, 1H, J
= 4.0及び12.0Hz, H-2eq.), 1.87 (ddd, J
= 12.0Hz, 1H, H-2ax.), 1.55-1.75 (m, 6H, 3CH
2), 1.25-1.47 (m, 18H, 9CH
2), 0.90-0.96 (m, 9H, 3CH
3); NMR
13C (100MHz, MeOD) δ ppm = 95.8 (C-1'), 81.1 (C-6), 79.6 (C-4及びC-4'), 77.2 (C-3'), 76.1 (C-5), 73.5, 73.3及び73.0 (3CH
2O), 69.5 (C-5'), 53.4 (C-2'), 49.5 (C-1), 48.6 (C-3), 40.1 (C-6'), 31.5 (3CH
2), 29.9, 29.8及び29.6 (C-2及び3CH
2), 25.5, 25.4及び25.2 (3CH
2), 22.3 (3CH
2), 13.0 (3CH
3); MS (MALDI, DHB) m/z = 575 [M + H]
+.
【0120】
3/3',4'-ジ-(ナフチル-2-メチレン)ネアミン誘導体8aの合成
この化合物は、誘導体11aを酸媒質中で脱保護することによって得られた。化合物11aを、ジクロロメタン-トリフルオロ酢酸(v/v:1/1)の混合物に溶解し、アニソールを添加した。室温で24時間反応した後、減圧下で溶媒を蒸発させ、水/ジエチルエーテルによる抽出を実施した。後に続く精製は、ネアミンから調製される他の誘導体に使用したものと同様とした。
【0121】
【化20】
【0122】
収率=10% (2段階合計). NMR
1H (400MHz, D
2O) δ ppm = 7.10-7.90 (m, 14H, H-ナフチル), 5.87 (d, J
= 3.6Hz, 1H, H-1'), 4.87 (d, J
= 12.0Hz, 1H, CH
2-ナフチル), 4.78 (d, J
= 12.0Hz, 1H, CH
2-ナフチル), 4.62 (d, J
= 12.0Hz, 1H, CH
2-ナフチル), 4.59 (d, J
= 12.0Hz, 1H, CH
2-ナフチル), 4.05-4.20 (m, 2H, H-3', H-5'), 3.88 (dd, J
= 10.0Hz, 1H, H-4), 3.62 (dd, J
= 9.6Hz, 1H, H-5), 3.54-3.61 (m, 2H, H-4', H-2'), 3.40-3.51 (m, 2H, H-6, H-3), 3.19-3.29 (m, 2H, H-6'b, H-1), 3.13 (dd, J
= 8.8及び13.6Hz, 1H, H-6'a), 2.42 (ddd, J
= 4.0及び12.4Hz, 1H, H-2eq.), 1.79 (ddd, J
= 12.0Hz, 1H, H-2ax.) ; NMR
13C (100MHz, D
2O) δ ppm = 132.7-134.4 (C-ナフチル), 125.3-128.4 (CH-ナフチル), 95.4 (C-1'), 78.2 (C-4'), 77.7 (C-4), 75.7 (C-3'), 75.1 (C-5), 74.9 (CH
2-ナフチル), 72.3 (C-6), 69.7 (C-5'), 52.6 (C-2'), 49.6 (C-1), 48.4 (C-3), 39.8 (C-6'), 28.2 (C-2) ; MS (ESI
+) m/z = 603 [M + H]
+, 463, 441, 301, 141.
【0123】
4/テトラトリチル化された6-(ナフチル-2-メチレン)ネアミン誘導体18aの合成
【0124】
【化21】
【0125】
ネアミンのトリチル化誘導体9(502mg)をアルゴン下に室温でDMF/THF(3mL/3mL)混合物に溶解し、次いで、NaH(170mg、10当量)を添加した。30分後、反応混合物に2-(ブロモメチル)ナフタレン(130mg、1.5当量)を添加し、室温で4時間撹拌した後、減圧下で蒸発させて濃縮した。残留物を、ジクロロメタンに溶解し、飽和塩化アンモニウム溶液、水、次いで食塩水で洗浄した。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、次いで蒸発乾固した。次いで、粗生成物を、溶離液としてCH
2Cl
2/MeOH(100/0、次いで99.8/0.2)を用いてアルミナカラムで精製して、誘導体18a(6-位でアルキル化されたトリチル化ネアミン)を12%の収率で得た(出発化合物9のかなりの量が未反応でそのまま回収された):MS(MALDI、DHB)m/z=1454[M+Na]
+、1430[M+H]
+、1211[M-Tr+Na]
+、1187[M-Tr+H]
+。同定のために、他のネアミン誘導体について説明した方法により、トリフルオロ酢酸で処理することによって、トリチル化された基を除去することができる。
【0126】
化合物20a: 収率=82%; NMR
1H (400MHz, D
2O) δ ppm = 7.86-7.91 (m, 2H, H-ナフチル), 7.48-7.53 (m, 2H, H-ナフチル), 5.89 (d, J
= 3.6Hz, 1H, H-1'), 5.04 (d, J
= 11.2Hz, 1H, CH
2-ナフチル), 4.88 (d, J
= 11.2Hz, 1H, CH
2-ナフチル), 3.88-3.98 (m, 3H, H-3', H-5', H-4), 3.85 (dd, J
= 8.8及び9.2Hz, 1H, H-5), 3.30-3.49 (m, 5H, H-3, H-4', H-2', H-6'b, H-1), 3.22 (dd, J
= 6.8及び13.6Hz, 1H, H-6'a), 2.42 (ddd, J
= 4.0及び12.4Hz, 1H, H-2eq.), 1.83 (ddd, J
= 12.4Hz, 1H, H-2ax.); NMR
13C (100MHz, D
2O) δ ppm = 134.4及び132.9 (C-ナフチル), 128.6, 128.0, 127.8, 127.6, 126.9及び126.4 (CH-ナフチル), 96.0 (C-1'), 79.9 (C-6), 77.5 (C-4), 75.8 (C-5), 75.2 (CH
2-ナフチル), 70.6 (C-4'), 69.3 (C-5'), 68.2 (C-3'), 53.5 (C-2'), 48.9 (C-1), 48.4 (C-3), 40.1 (C-6'), 28.2 (C-2); MS (FAB
+, NBA): m/z = 463 [M + H]
+, 303, 161, 141; HRSM (ESI
+): [M+H]
+ m/z 理論値= 463.2557, 実測値=463.2545.
【0127】
このモノアルキル化誘導体20aは、それ自体重要でないが、例として示したそのトリチル化誘導体18aの合成は、前に述べた経路B及びCの最初の段階を構成する。
【0128】
B/相関移動触媒の存在下での二相法
1/ネアミンのテトラ-N-トリチル3'-O-p-メトキシベンジル誘導体の合成
【0129】
【化22】
【0130】
1gのテトラ-N-トリチル化ネアミン9(1当量、0.775ミリモル)を30mLのトルエンに溶解し、続いて430mg(1.5当量)のヨウ化テトラブチルアンモニウム及び0.15mLのp-メトキシベンジルクロリド(PMBCl、1.2当量)を添加した。この溶液に15mLの水酸化ナトリウム(50%m/m NaOH水)を添加し、かくして得られた2つの相を激しく撹拌して、黄色の乳液を得た。0.05mL(0.4当量)のPMBClを2回、24時間後及び72時間後に添加した。4日後に、撹拌を止め、水酸化ナトリウムを除去するために反応媒質をデカントした。有機相を、酢酸エチルで希釈し、飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を、減圧下での蒸発によって除去した。構造は、水素化ナトリウム及び過剰のヨードメタンとのDMF中での反応によって主要化合物に誘導することによって確認した。保護基は、前以て得られた粗混合物に対するジクロロメタン中でのトリフルオロ酢酸(TFA)及び数滴のアニソールの作用によって除去した。
NMR
1H (MeOD, ppm, 400MHz): 5.68 (s, H-1); 4.10 (m, H-5'); 4.02 (t, J = 9.4Hz, H-4), 3.95 (t, J = 7.6Hz, H-3'); 3.73 (t, J = 9.4Hz, H-6); 3.69-3.29 (m, H-2', H-5, H-3, H-6', H-4', H-6', H-1); 3.66; 3.60; 3.54 (3 s, H-OMe); 2.48 (m, H-2 eq)及び1.87 (m, H-2 ax).
NMR
13C (MeOD, ppm, 100MHz): 164 (CO TFA); 117 (CF
3 TFA); 94.40 (C-1'); 84.99 (C-5); 79.50 (C-4'); 77.50 (C-3'); 76.23 (C-4); 73.40 (C-6); 71.51 (C-5'); 60.88; 60.84; 60.43 (3 C-OMe); 52.47 (C-2'); 50.70 (C-1); 49.63 (C-3); 40.30 (C-6')及び29.00 (C-2).
【0131】
2/ネアミンの4',6-ジ-O-[(2-ナフチル)メチレン]誘導体の合成
【0132】
【化23】
【0133】
390mg(1当量、0.28ミリモル)のネアミン-テトラ-N-Tr-3'-O-PMBのDMF(15mL)溶液に、不活性雰囲気中で33mg(3当量、0.83ミリモル)の水素化ナトリウム(60%オイル懸濁物)を添加した。反応容器を、氷浴中で振とう、冷却した。15分後に、152mg(2.5当量、0.69ミリモル)の2-(ブロモメチル)ナフタレンを添加し、浴を0℃で30分間維持し、次いで反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応はTLC(トルエン/酢酸エチル=9/1)で追跡した。反応媒質の溶媒を減圧下で蒸発させて除去した。かくして得られた粗生成物を、酢酸エチルに溶解し、次いで2回、蒸留水及び飽和NaCl溶液で洗浄した。水相を、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。主要生成物を、10mLのジクロロメタン中、0℃で、5mLのTFA及び数滴のアニソールの作用によって直接的に脱保護した。2時間撹拌した後、TFAを、減圧下での蒸発、及びエタノール次いでトルエンとの共蒸発によって除去した。次いで、誘導体を、C
18でグラフトされたシリカゲルでのクロマトグラフィー(水100%〜水/メタノール=70/30まで)によって精製して、40mgの半透明ゴム状物を得た。収率: 40%
NMR
1H (400MHz, D
2O) δ ppm = 7.90-7.50 (m, 14H, H-ナフチル); 6.01 (d, J
= 3.6Hz,1H, H-1'); 5.20 (m, 2H, CH
2-ナフチル); 4.90 (m, 2H, CH
2-ナフチル); 4.27 (dd, J
= 8及び12Hz,1H, H:-3'); 4.18 (m, 1H, H-5'); 4.11 (dd, J
= 10Hz,1H, H-4); 3.91 (dd, J
= 10Hz,1H, H-5); 3.64 (dd, J
= 8Hz, 1H, H-6); 3.28-3.46 (m, 5H, H-1, H-3, H-2', H-4', H-6'b); 2.98 (dd, J
= 8及び12Hz, 1H, H-6'a); 2.50 (m, 1H, H-2b); 2.08 (m, 1H, H-2a); NMR
13C (100MHz, D
2O) δ ppm = 132.0-135.0 (6C-ナフチル); 129.9-127.3 (14CH-ナフチル); 97.2 (C-1'); 82.0 (C-6); 80.5 (C-4'); 79.5 (C-4); 78.0 (C-5); 76.4 (CH
2-ナフチル); 76.1 (CH
2-ナフチル); 70.6 (C-3'); 70.3 (C-5'); 55.6 (C-2'); 50.8 (C-1); 50.2 (C-3); 42.1 (C-6'); 30 (C-0); HRMS (ESI
+): [M+H:]
+ m/z 計算値 603.3183, 実測値 603.3199, [M+Na]
+ m/z 計算値 625.3002, 実測値 625.3005, [M+K]
+ m/z 計算値 641.2741, 実測値 641.2726.
【0134】
3/パロマミンのテトラ-N-トリチル誘導体の合成
【0135】
【化24】
【0136】
不活性雰囲気の反応容器中で、2.5g(1当量、5.78ミリモル)のパロマミン4HClを100mLの無水DMF及び5mLのトリエチルアミン(水酸化カリウム上に貯蔵した)で懸濁液とした。溶液を1時間撹拌した後に、このパロマミン懸濁液に、前以て無水DMFに溶解した8g(5当量、0.029モル)を滴加した。12時間後に、反応媒質にほぼ10mgの4,4'-N-ジメチルアミノピリジンを添加した。24時間後に、減圧下で溶媒を蒸発させた。得られた残留物を、ジクロロメタンに溶解し、次いで2回、蒸留水及び飽和NaCl溶液で洗浄した。化合物を、トリエチルアミンで処理したシリカゲルでのクロマトグラフィー(シクロヘキサン/AcOEt)によって精製して、白色粉末を得た(3.32g、77%)。
LRMS(MALDI、DHB)m/z=1331[M+K]
+、1315[M+Na]
+、1293[M+H]
+。
【0137】
4/パロマミンの3',6-ジ-O-[(2-ナフチル)メチレン]誘導体6aの合成
【0138】
【化25】
【0139】
1g(1当量、0.774ミリモル)のN-テトラトリチル化パロマミンを30mLのトルエンに溶解した。この溶液に、750mg(3当量、2.32ミリモル)の臭化テトラブチルアンモニウム、続いて510mg(3当量、2.32ミリモル)の2-(ブロモメチル)ナフタレンを添加した。この混合物に15mLの50%(m/m)水酸化ナトリウム溶液を添加した。かくして得られた2つの相を連続的に撹拌して、時間と共に黄色になる乳液を得た。24時間後に、反応媒質をデカントして水酸化ナトリウムを除去し、次いで有機相をトルエンで希釈した。これを、2回、蒸留水次いで飽和NaCl水溶液で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧下で溶媒を蒸発させて除去し、褐色の残留物を得た。次いで、必要とされる化合物を、グラジエント溶離(シクロヘキサン/トルエン;トルエン/酢酸エチル)による塩基性アルミナでのクロマトグラフィーによって精製して、黄色粉末を得た(382mg、31.4%)。300mgのN-テトラトリチル化3',6-ジ-O-[(2-ナフチル)メチレン]パロマミンを、10mLのジクロロメタン中、0℃で、5mLのTFA及び数滴のアニソールの作用によって脱保護した。2時間撹拌した後、TFAを、減圧下で蒸発によって、エタノール次いでトルエンとの共蒸留によって除去した。次いで、誘導体を、C
18でグラフトされたシリカゲルでのクロマトグラフィー(水100%〜水/メタノール=70/30まで)によって精製して、半透明のゴム状物を得た(62mg、30%)。
NMR
1H (400MHz, D
2O) δ ppm = 7.85-7.55 (m, 14H, H-ナフチル); 5.65 (d, 1H, H-1'); 5.10 (m, 2H, CH
2-ナフチル); 4.95 (m, 2H, CH
2-ナフチル); 4.06 (dd, 1H, H-3'); 3.9 (m, 4H, H-4', H-5, H-5', H-6'
a); 3.75 (m, 3H, H-4', H-6, H-6'
a); 3.55 (m,2H, H-3, H-2'); 3.40 (dd, 1H, H-1); 2.50 (m, 1H, H-2b); 1.85 (m, 1H, H-2a); NMR
13C (100MHz, D
2O) δ ppm = 167.8及び164.4 (CO TFA); 136.3-134.5 (6CH-ナフチル); 130.29-128.0 (14CH-ナフチル); 98.4 (C-1'); 82.0 (C-6); 82.2 (C-4); 81.2 (C-6); 78.1 (C-3'); 76.8 (CH
2-ナフチル); 76.7 (CH
2-ナフチル); 76.0 (C-5'); 71.43 (C-4'); 61.7 (C-6'); 54.5 (C-2'); 50.4 (C-3, C-1); 29.9 (C-2)
【0140】
5/ネアミンの3',6-ジ-O-[(1-ナフチル)メチレン]誘導体6bの合成
【0141】
【化26】
【0142】
1gのN-テトラトリチル化ネアミン9(1当量、0.775ミリモル)を、30mLのトルエンに溶解し、続いて428mg(1.5当量)のヨウ化テトラブチルアンモニウム及び350μL(3当量)の1-(クロロメチル)ナフタレンを添加した。この溶液に15mLの50%(m/m)水酸化ナトリウムを添加し、かくして得られた2つの相を激しく撹拌して黄色の乳液を得た。反応は、TLC(トルエン/酢酸エチル;9/1)で追跡した。175μLの1-(クロロメチル)ナフタレン(1.5当量)を3回、12、24及び48時間後に添加した。7日後に、撹拌を止め、水酸化ナトリウムを除去するために反応媒質をデカントした。有機相を、トルエンで希釈し、飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させて除去した。次いで、必要とされる化合物を、グラジエント溶離(シクロヘキサン/トルエン;トルエン/酢酸エチル)によるアルミナでのクロマトグラフィーによって精製して、黄色粉末を得た(500mg、41%)。300mgの単離化合物を、10mLのジクロロメタン中、0℃で、5mLのTFA及び数滴のアニソールの作用によって脱保護した。2時間撹拌した後、TFAを、減圧下での蒸発、及びエタノール次いでトルエンとの共蒸発によって除去した。次いで、必要とされる誘導体を、C
6H
5でグラフトされたシリカゲルでのクロマトグラフィー(水100%〜水/メタノール=70/30まで)によって精製して、半透明のゴム状物を得た(115mg、60.5%)。LRMS(MALDI、DHB)m/z=641[M+K]
+、629[M+Na]
+、604[M+H]
+。
【0143】
6/ネアミンのテトラ-N-トリチル化6-O-[(2-ナフチル)メチレン]誘導体の合成
【0144】
【化27】
【0145】
2gのN-テトラトリチル化ネアミン9(1当量、1.55ミリモル)を60mLのトルエンに溶解し、続いて486mg(1.5当量)の水和されたフッ化テトラブチルアンモニウム及び411mg(1.2当量)の2-(ブロモメチル)ナフタレンを添加した。この溶液に、30mLの50%(m/m)水酸化ナトリウムを添加し、かくして得られた2つの相を激しく撹拌して、黄色の乳液を得た。12時間反応した後、反応媒質をデカントし、水酸化ナトリウムを除去し、次いで、有機相をトルエンで希釈した。これを、2回、蒸留水次いで飽和NaCl水溶液で洗浄した。次いで、有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧下で蒸発させた後、必要とされる化合物を、グラジエント溶離(シクロヘキサン/トルエン;トルエン/酢酸エチル)によるアルミナでのクロマトグラフィーによって精製して、黄色粉末を得た(450mg、18.5%)。LRMS(MALDI、DHB)m/z=1454[M+Na]
+、1430[M+H]
+、1211[M-Tr+Na]
+、1187[M-Tr+H]
+。
【0146】
7/ネアミンのテトラ-N-トリチル6-O-PMB誘導体の合成
【0147】
【化28】
【0148】
1gのN-トリチル化ネアミン9(1当量、0.775ミリモル)を、30mLのトルエンに溶解し、続いて243mg(1当量)フッ化テトラブチルアンモニウム及び0.31μL(2.5当量)のPMBClを添加した。この溶液に15mLの50%(m/m)水酸化ナトリウムを添加し、かくして得られた2つの相を激しく撹拌して黄色の乳液を得た。2時間後に、撹拌を止め、水酸化ナトリウムを除去するために反応媒質をデカントした。有機相を、酢酸エチルで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させて除去した。構造は、DMF中での水素化ナトリウム(油中60%)及び過剰のヨードメタンとの反応によって主要化合物に誘導することによって確認した。脱保護は、ジクロロメタン中での、前以て蒸発させて得られた残留物に対するTFA及び数滴のアニソールの作用によって実施した。
NMR
1H (MeOD, ppm, 100MHz): 5.68 (s, H-1); 4.10 (m, H-5'); 4.02 (t, J = 9.4Hz, H-4); 3.95 (t, J = 7.6Hz, H-3') ; 3.73 (t, J = 9.4Hz, H-6); 3.69-3.29 (多量, H-2', 5, 3, 6', 4', 6', 1); 3.66; 3.60; 3.54 (3 s, H-OMe); 2.48 (m, H-2 eq)及び1.87 (m, H-2 ax).
NMR
13C (MeOD, ppm, 100MHz): 164 (CO TFA); 117 (CF
3 TFA); 94.40 (C-1'); 84.99 (C-5); 79.50 (C-4'); 77.50 (C-3'); 76.23 (C-4); 73.40 (C-6); 71.51 (C-5'); 60.88; 60.84; 60.43 (3 C-OMe); 52.47 (C-2'); 50.70 (C-1); 49.63 (C-3); 40.30 (C-6')及び29.00 (C-2).
【0149】
8/ネアミンの3',4',5-トリ-O-[(2-ナフチル)メチレン]誘導体の合成
【0150】
【化29】
【0151】
600mg(1当量、0.43ミリモル)のテトラ-N-トリチル化6'-O-PMBネアミンの無水DMF(15mL)溶液に、不活性雰囲気中で172mg(10当量、4.3ミリモル)の水素化ナトリウム(60%オイル懸濁物)を添加した。反応容器を、氷浴中で振とう、冷却した。15分後に、569mg(6当量、2.58ミリモル)の2-(ブロモメチル)ナフタレン(前以て5mLの無水DMFに溶解された)を滴加し、浴を0℃で30分間維持し、次いで反応混合物を室温で48時間撹拌した。反応はTLC(100%トルエン)で追跡した。溶媒を減圧下で蒸発させて除去した。残留物を、トルエンに溶解し、次いで2回、蒸留水及び飽和NaCl水溶液で洗浄した。水相を、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いで減圧下で濃縮した。次いで、必要とされる化合物を、グラジエント(シクロヘキサン100%〜シクロヘキサン/トルエン 40/60まで)による塩基性アルミナでのクロマトグラフィーによって精製して、黄色粉末を得た(300mg、38%)。単離された化合物300mgを、10mLのジクロロメタン中、0℃で、5mLのTFA及び数滴のアニソールの作用によって脱保護した。2時間撹拌した後、TFAを、減圧下での蒸発によって、及びエタノール次いでトルエンとの共沸を起こさせることによって除去した。次いで、必要とされる誘導体を、C18でグラフトされたシリカゲルでのクロマトグラフィー(水100%〜水/メタノール 70/30まで)によって精製して、半透明ゴム状物を得た(120mg、64.5%)。
NMR
1H (400MHz, D
2O) δ ppm = 7.9-7.3 (m, 21H, H-ナフチル); 5.60 (d, 1H, H:-1'); 5.30 (m, 2H, CH
2-ナフチル); 5.0 (m, 2H, CH
2-ナフチル); 4.7 (m, 2H, CH
2-ナフチル); 4.55 (dd, 1H, H-3'); 4.25 (m, 1H, H-3'); 4.10 (m, 1H, H-4) ; 3.65 (m, 2H, H-5, H-6); 3.5 (m, 4H, H-2', H-4', H-3, H-6'
b); 3.30 (dd, 1H, H-1); 3.00 (m, 1H, H-6'
a); 2.50 (m, 1H, H-2
b); 2.25 (m, 1H, H-2
a); NMR
13C (100MHz, D
2O) δ ppm = 163.6及び164.4 (CO TFA); 137.1-134.6 (9CH-ナフチル); 129.6-126.6 (21CH-ナフチル); 93.5 (C-1'); 85.0 (C-5'); 79.8 (C-4); 77.1 (CH
2-ナフチル); 75.9 (C-3'); 74.8 (C-6); 74.5 (C-5); 74.2 (CH
2-ナフチル); 73.9 (C-4'); 73.7 (CH
2-ナフチル); 51.6-50.33 (C-3, C-1, C-2'); 39.7 (C-6'); 29.2 (C-2). LRMS (MALDI, DHB) m/z =782 [M + K]
+, 766 [M+Na]
+, 744 [M+H]
+.
【0152】
II.抗菌活性
1/被験分子
分子を、水またはDMSOに5または10mg/mLの濃度で溶解し、次いで必要なら、その溶液を希釈した。それらのそれぞれ200μLの容量を96ウェルプレート上に載せた。
【0153】
2/被験菌株
抗菌活性試験では、次の菌株を使用した:
(1)大腸菌(Escherichia coli)ATCC25922=グラム陰性菌株、感受性。
(2)黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC25923=グラム陽性、感受性臨床菌株。
(3)黄色ブドウ球菌1199B=グラム陽性、シプロフロキサシンを含むフルオロキノロン系に対して耐性をもつ、MFSファミリーのNorA排出ポンプを過剰発現する突然変異臨床菌株。
(4)黄色ブドウ球菌RN4220/pUL5054=msr(A)遺伝子を所持するマルチコピープラスミドpUL5054を含む、MrsA ABCトランスポーターを過剰発現するグラム陽性菌株:EryR
(5)黄色ブドウ球菌APH2''-AAC6'=アミノグリコシドを酵素的に修飾する能力を有するMRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)型のグラム陽性耐性菌株:酵素による耐性は、アミノグリコシド-6'-N-アセチルトランスフェラーゼ/2''-O-ホスホリルトランスフェラーゼの作用による。
(6)黄色ブドウ球菌APH3'=アミノグリコシドを酵素的に修飾する能力を有するMRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)型のグラム陽性耐性菌株:酵素による耐性は、アミノグリコシド3'-O-ホスホリルトランスフェラーゼの作用による。
(7)黄色ブドウ球菌ANT4'=アミノグリコシドを酵素的に修飾する能力を有するMRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)型のグラム陽性耐性菌株:酵素による耐性は、アミノグリコシド4'-O-ホスホリルトランスフェラーゼの作用による。
【0154】
3.微生物試験
A-菌株の検証
使用する前に、各菌株を、その抗生物質耐性について個々に試験した。これは、各菌株について、1種または複数の参照抗生物質のMIC(最小阻止濃度)を試験して、該細菌の表現型の安定性を確かめることを意味する。
【0155】
次の抗生物質を試験した:
・大腸菌ATCC25922(菌株(1)):アンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、シプロフロキサシン。
・黄色ブドウ球菌ATCC25923(菌株(2)):アンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、シプロフロキサシン。
・黄色ブドウ球菌1199B(菌株(3)):シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、ペフロキサシン。
・黄色ブドウ球菌RN4220/pUL5054(菌株(4)):エリスロマイシン。
・黄色ブドウ球菌APH2''-AAC6'、APH3'及びANT4' (菌株(5)、(6)及び(7)):カナマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ゲンタマイシン。
【0156】
最初の例では、菌株を、-80℃で保たれた在庫品から取り出し、MH寒天培地を含むペトリ皿上に移した。これらの皿を、37℃で一夜インキュベートし、次いで、翌日に使用するか、あるいは4℃に保った。この方法で、皿を2〜3週間にわたって使用することができた。
【0157】
試験の前日に、寒天皿から1mLのMH培地の前培養物を、植え継ぎ、37℃で一夜インキュベートした。
【0158】
翌日、Biomek2000ロボット(Beckman)を使用して、96ウェルプレート中で試験を実施した。予想値が見出されるはずである広範な範囲の濃度を包含させるために、そこで、抗生物質の溶液を1/2に2回希釈してウェルに載せた。次いで、1/100の濃度に希釈された以前の日の前培養物から調製されたある容量の接種物を、各ウェルに添加した。各ウェルを重複させた。培養培地のみから構成される非汚染対照(ブランク)、及び接種物及び抗生物質不含培養培地から構成される増殖対照も含めた。
【0159】
プレートを37℃でインキュベートした。細菌の増殖は、インキュベーションの17〜18時間後に、620nmでの光学密度(OD
620nm)を読み取ることによって測定し、得られた値を文献中に見出されるものと比較した。その値が(最近接希釈に)相当するなら、菌株は「検証された」ことにした。
【0160】
B-スクリーニング
これらの試験も、96ウェルプレート及びBiomek2000ロボット(Beckman)を使用して実施した。各試験を2回実施した。試験は、試験すべき分子を細菌株と一緒にすることからなる。それゆえ、前日の細菌前培養物を1/100濃度に希釈し、接種菌液に、分子を100μg/mLの最終濃度(自由裁量で選択される値)で添加した。プレートを37℃でインキュベートし、0、1、4、7及び24時間の時点でOD
620nnmを測定することによって、細菌増殖の速度を24時間にわたって監視した。各プレートには、増殖、非汚染、及び参照抗生物質に対して耐性/感受性の対照も含めた。
【0161】
各ウェルに評点をつけた:
評点1000=その分子は、増殖対照と比較して、細菌増殖に対して効果を有さない。
評点100=24時間のインキュベーション後に、細菌増殖は、増殖対照と比較して少なく、対照値の約10%のみであった。
評点10=24時間のインキュベーション後に、増殖対照と比較して、細菌の増殖はほとんどなく、対照値の10%未満であった。
【0162】
C-MICの決定
10または100のスクリーニング評点を持つ分子を選択し、被試験菌株に関してそれらのMICを決定した。
【0163】
菌株の検証については、広範な範囲の濃度を包含するために、選択した分子の溶液を、Biomek2000ロボットを使用して、96ウェルプレート中で1/2に2回希釈した。これらのウェルのそれぞれに、前日の前培養物から調製され、1/100の濃度に希釈されたある量の接種菌液を添加した。各ウェルを重複させた。実験には、やはり、非汚染、増殖、及び参照抗生物質に対して耐性/感受性の対照を含めた。プレートを37℃でインキュベートし、細菌増殖の速度を、0、1、4、7及び24時間の時点でOD
620nmを測定することによって、24時間にわたって監視した。
【0164】
MICは、24時間のインキュベーション後に、細菌の増殖を阻止する能力のあることが見出された最低濃度とした。この値を前以て認識しなければ、値が、選択された希釈範囲に入ることができない可能性があった。その場合、この範囲を調整して操作を繰り返さなければならなかった。
【0165】
(結果)
したがって、抗生物質効果は、耐性のあるまたはそうではない各種のグラム陰性及びグラム陽性細菌に関して、細菌の増殖を阻止する最小濃度(MIC)によって測定された。
【0166】
1/グラム陽性細菌について:
種々の菌株に対してμg/mLで表現したMICの結果を、いくつかの分子について以下の表1に示し、ネアミン及びネオマイシンのそれと比較する。
【0167】
【表1】
【0168】
二官能化及び三官能化誘導体は、特に通常のアミノグリコシドに対して耐性のある細菌に対してかなり興味のある抗生物質効果を示すことが分かる。
【0169】
2/グラム陰性細菌について:
同様の測定を種々のグラム陰性細菌について実施した。対応する結果を以下の表2及び表3に示す。被験菌株は、R.Vanhoof(大腸菌PAZ505H8101及びL58058、緑膿菌ATCC27853、Psa.F03、アシネトバクター・ルウォフィーA1.88-483)から、Y.Glupczynski(シトロバクター・アマロナチカスCa06AB0010)から、J.C.Pechere(黄色ブドウ球菌PA02、PA03)から、P.Plesiat(黄色ブドウ球菌PA01、PA21、PA22)から、H.Schweizer(黄色ブドウ球菌PA405、PA406)から提供された。
【0170】
【表2】
【0171】
【表3】
【0172】
3',6-ジ1NM及び3',4',6-トリ2NM(7)誘導体は、RNAメチル化酵素(r-メチラーゼ)を発現する耐性細菌:シトロバクター・アマロナチカス06AB0010アーム、大腸菌06AB003アーム、エンテロバクター・エロゲネス06AB008アームに対しても活性であることが分かる(MIC=4〜16μg/mL)。一方、これらの細菌は、全体的に、ゲンタマイシン、アミカシン及びトブラマイシンに対して耐性である(MIC>128μg/ml)。
【0173】
(参考文献)