(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
洗い場と、前記洗い場に隣接して設置される浴槽と、前記洗い場および前記浴槽の周囲に設置される複数の壁パネルと、を備えた浴室ユニットにおいて前記浴槽の前記洗い場の側を覆うバスエプロンの取付構造であって、
前記洗い場の側からみて前記バスエプロンが左右に分割された第1のエプロンおよび第2のエプロンと、
前記浴槽の周辺部に設けられたリムの前記洗い場の側の裏面に形成され前記バスエプロンが係止される被係止部と、
前記第1のエプロンおよび前記第2のエプロンのそれぞれの上端部に設けられ前記被係止部に係止される係止部と、
前記第2のエプロンの前記第1のエプロンの側において前記浴槽の側の背面に設けられ前記第1のエプロンの端部を支持する第1の支持部と、
前記壁パネルまたは前記浴槽に取り付けられ前記第1のエプロンおよび前記第2のエプロンのそれぞれの端部を支持する支持部材と、
前記洗い場の前記浴槽の側に形成された土手部に設けられ前記第2のエプロンを下から押し上げて前記第2のエプロンの前記係止部を前記被係止部に係止させる第2の支持部と、
前記第2のエプロンの前記第1のエプロンの側の下端部の前後方向の移動を規制する規制部と、
を備えたことを特徴とするバスエプロンの取付構造。
前記第1の支持部および前記第1のエプロンのいずれか一方は、前記浴槽の方向へ向かうにつれて上方へ傾斜した案内面と、前記案内面からみて前記浴槽の側に形成され前記浴槽の方向へ向かうにつれて下方へ傾斜した逃げ面と、を有する弾力性の凸部を有し、
前記第1の支持部および前記第1のエプロンのいずれか他方は、前記背面に形成され前記凸部に係合する凹部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のバスエプロンの取付構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、見栄えの向上を図ることができるバスエプロンの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、洗い場と、前記洗い場に隣接して設置される浴槽と、前記洗い場および前記浴槽の周囲に設置される複数の壁パネルと、を備えた浴室ユニットにおいて前記浴槽の前記洗い場の側を覆うバスエプロンの取付構造であって、前記洗い場の側からみて前記バスエプロンが左右に分割された第1のエプロンおよび第2のエプロンと、前記浴槽の周辺部に設けられたリムの前記洗い場の側の裏面に形成され前記バスエプロンが係止される被係止部と、前記第1のエプロンおよび前記第2のエプロンのそれぞれの上端部に設けられ前記被係止部に係止される係止部と、前記第2のエプロンの前記第1のエプロンの側において前記浴槽の側の背面に設けられ前記第1のエプロンの端部を支持する第1の支持部と、前記壁パネルまたは前記浴槽に取り付けられ前記第1のエプロンおよび前記第2のエプロンのそれぞれの端部を支持する支持部材と、前記洗い場の前記浴槽の側に形成された土手部に設けられ前記第2のエプロンを下から押し上げて前記第2のエプロンの前記係止部を前記被係止部に係止させる第2の支持部と、前記第2のエプロンの前記第1のエプロンの側の下端部の前後方向の移動を規制する規制部と、を備えたことを特徴とするバスエプロンの取付構造である。
【0007】
このバスエプロンの取付構造によれば、洗い場の側からみて左右に分割されたバスエプロンの壁パネルの側のそれぞれの端部は、バスエプロンの上端部が被係止部に係止された状態で支持部材に支持されている。第2のエプロンの第1のエプロンの側の端部は、浴槽に押し当てられ第2の支持部で支持されている。第1のエプロンの第2のエプロンの側の端部は、第2のエプロンに設けられた第1の支持部で支持されている。これにより、バスエプロンの上端のラインを浴槽のリムの下面のラインと平行にすることができる。そのため、バスエプロン、浴槽、あるいは浴室ユニットの見栄えの向上を図ることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記第2の支持部は、
前記第1の支持部の当接部の下面に当接する受け面を有し、前記受け面の上下位置を調整可能な高さ調整部材であることを特徴とするバスエプロンの取付構造である。
【0009】
このバスエプロンの取付構造によれば、第2の支持部の受け面の高さ(上下位置)を調整することができるため、例えば浴槽や洗い場の土手部に製造上の誤差が生じても、バスエプロンの上端のラインを浴槽のリムの下面のラインと平行にすることができる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、前記高さ調整部材は、前記受け面を途中に有し前記土手部に取り付けられたベース部材に螺合されるねじ部と、前記受け面よりも上方に設けられ前記ねじ部を回転させて前記受け面の前記上下位置を調整する掴み部と、を有することを特徴とするバスエプロンの取付構造である。
【0011】
このバスエプロンの取付構造によれば、第1のエプロンを取り付ける前に、第2のエプロンの端から手を回して掴み部を回転させるだけで第2の支持部の受け面の高さを調整することができる。これにより、より簡単に、バスエプロンの上端のラインを浴槽のリムの下面のラインと平行にすることができる。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、前記第1の支持部は、
前記当接部に形成され前記ねじ部が横方向にスライドして入り込むスリットを有し、前記規制部は、
前記ねじ部の軸を前記スリットに係合させることであることを特徴とするバスエプロンの取付構造である。
【0013】
このバスエプロンの取付構造によれば、第2のエプロン420を横方向にスライドさせてねじ部をスリットに係合させるだけの簡単な作業で、バスエプロンのガタツキを抑えることができる。
【0014】
第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記第1の支持部および前記第1のエプロンのいずれか一方は、前記浴槽の方向へ向かうにつれて上方へ傾斜した案内面と、前記案内面からみて前記浴槽の側に形成され前記浴槽の方向へ向かうにつれて下方へ傾斜した逃げ面と、を有する弾力性の凸部を有し、前記第1の支持部および前記第1のエプロンのいずれか他方は、前記背面に形成され前記凸部に係合する凹部を有することを特徴とするバスエプロンの取付構造である。
【0015】
このバスエプロンの取付構造によれば、第1のエプロンの上端部に設けられた係止部を被係止部に係止させた状態において、第1のエプロンの下端部を前方から後方へ押し込むだけで、第1の支持部および第1のエプロンのいずれか一方の凹部を第1の支持部および第1のエプロンのいずれか他方の凸部に係合させることができる。これにより、洗い場の側からみて左右に分割されたバスエプロンの前面を略同じ面とすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の態様によれば、見栄えの向上を図ることができるバスエプロンの取付構造が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかるバスエプロンの取付構造が設けられた浴室ユニットを表す模式的斜視図である。
【0019】
図1に表した浴室ユニット10は、架台100と、洗い場床(洗い場)200と、浴槽300と、バスエプロン400と、壁パネル500と、を備える。
架台100は、下部に設けられた支持脚110を有し、図示しない建物床の上に載置されている。洗い場床200は、架台100の上に設置されている。
【0020】
本実施形態の浴室ユニット10には、複数の壁パネル500が設けられている。具体的には、壁パネル500は、浴槽300の洗い場床200の側を除くリム部310の外周部(周辺部)に設置されている。また、壁パネル500は、洗い場床200の浴槽300の側を除く外周部(周辺部)に設置されている。なお、壁パネル500の設置数は、
図1に表した壁パネル500の設置数だけに限定されるわけではない。なお、説明の便宜上、
図1に表した浴室ユニット10では、洗い場床200の周辺部に設けられた壁パネル500の一部を省略している。
【0021】
浴槽300は、架台100の上に設置され、洗い場床200の側方に隣接するように配置されている。バスエプロン400は、洗い場床200と浴槽300との間に設置され、浴槽300の側面を覆っている。つまり、バスエプロン400は、洗い場床200と浴槽300との間に形成される開口を塞ぐように取り付けられている。バスエプロン400は、洗い場床200の側からみて左右に分割されており、第1のエプロン410と第2のエプロン420とを有する。
図1に表したバスエプロン400では、第1のエプロン410が第2のエプロン420よりも大きいが、第1のエプロン410と第2のエプロン420との大小関係は、これだけに限定されるわけではない。
【0022】
図1に表したように、バスエプロン400の両端部のそれぞれの側方には、内壁パネル(壁パネル)510が設けられている。内壁パネル510は、浴槽300の下方に設けられ、壁パネル500と同様に浴室ユニット10の外部と内部とを隔離する機能を有する。そこで、本願明細書において、「壁パネル」という範囲には、浴槽の下方に設けられ壁パネルよりも小さい内壁パネルが含まれるものとする。
図1に表したように、バスエプロン400の下部がバスエプロン400の上部よりも浴槽300の側に配置されている場合には、内壁パネル510がバスエプロン400の下部の両側に見えることがある。
【0023】
図2は、本実施形態にかかるバスエプロンの取付構造を説明するための模式的斜視図である。
図3は、バスエプロンが浴槽に係止された状態を表す模式的断面図である。
図4は、本実施形態の変形例にかかるバスエプロンが浴槽に係止された状態を表す模式的断面図である。
なお、
図2は、浴槽300の側の斜め上方からバスエプロン400を眺めたときの模式的斜視図である。説明の便宜上、
図2に表した浴室ユニット10では、浴槽300、壁パネル500、および内壁パネル510を省略している。
図3および
図4は、
図1に表した切断面A−Aにおける模式的断面図である。
【0024】
図2に表したように、第1のエプロン410の第2のエプロン420とは反対側(内壁パネル510側)の端部には、第1のエプロンガイド(支持部材)460が設けられている。第1のエプロンガイド460は、リム部310の洗い場床200の側の裏面311に設けられた被係止部313(
図3参照)に上面461が当接された状態で、内壁パネル510あるいは浴槽300に取り付けられている。これにより、第1のエプロンガイド460の上下方向の位置が決まる。第1のエプロンガイド460の下部には、ばね463が設けられている。
【0025】
第1のエプロン410の第2のエプロン420とは反対側の端部の下部には、第1のエプロンガイド460のばね463と係合可能な係合部411が設けられている。また、
図3に表したように、第1のエプロン410の上端部には、係止部413が設けられている。第1のエプロン410を取り付ける場合には、
図3に表した矢印A1のように、リム部310の裏面311の方向へ第1のエプロン410を移動させ、係止部413をリム部310の被係止部313に係止させる。続いて、第1のエプロン410の係合部411を第1のエプロンガイド460のばね463に係合させる。これについては、後に詳述する。
【0026】
なお、本願明細書において「係止」とは、部材同士が当接することだけではなく、部材同士の間に隙間がある場合でも一方の部材が他方の部材の外れを防止することを含むものとする。そのため、本実施形態において、第1のエプロン410の係止部413と、リム部310の被係止部313と、の間に隙間がある場合でも、リム部310の周辺部から下方へ延在する垂下部315が第1のエプロン410の外れを防止している状態は、係止状態という範囲に含まれる。あるいは、第1のエプロン410の係止部413の上面にパッキンなどが付設されている場合において、そのパッキンがリム部310の被係止部313に当接し潰れている状態は、第1のエプロン410の係止部413がリム部310の被係止部313と直接的に当接していなくとも係止状態に含まれる。
【0027】
図2に表したように、第2のエプロン420の第1のエプロン410とは反対側(内壁パネル510の側)の端部には、第2のエプロンガイド(支持部材)470が設けられている。第2のエプロンガイド470は、第1のエプロンガイド460と同様に、上面471が被係止部313に当接された状態で、内壁パネル510あるいは浴槽300に取り付けられている。これにより、第2のエプロンガイド470の上下方向の位置が決まる。そして、第2のエプロン420の内壁パネル510の側の端部は、第2のエプロンガイド470により支持されている。
【0028】
第2のエプロン420の上端部に設けられた係止部423がリム部310の被係止部313に係止された状態は、第1のエプロン410の係止部413がリム部310の被係止部313に係止された状態と同様である。
【0029】
ここで、
図1に関して前述したように、バスエプロン400は、洗い場床200の側からみて左右に分割され、第1のエプロン410と第2のエプロン420とを有する。この場合において、例えば浴槽300に製造誤差などが生ずると、第1のエプロン410の上端415(
図3参照)のラインと、第2のエプロン420の上端425(
図3参照)のラインと、浴槽300のリム部310の下面316(
図3参照)のラインと、が平行とはならない場合がある。ここで、本願明細書において「バスエプロンの上端のライン」とは、洗い場床200の側からみえるバスエプロン400(第1のエプロン410および第2のエプロン420)の上端415、425のラインをいうものとする。
この場合には、バスエプロン400、浴槽300、あるいは浴室ユニット10の見栄えが悪くなる。
【0030】
あるいは、
図4に表した変形例のバスエプロンにおいて、第1のエプロン410aの上端415aのラインと、第2のエプロン420aの上端425aのラインと、浴槽300のリム部310の下面316のラインと、が平行とはならない場合がある。
この場合においても、バスエプロン(第1のエプロン410aおよび第2のエプロン420a)、浴槽300、あるいは浴室ユニット10の見栄えが悪くなる。
【0031】
これに対して、本実施形態にかかるバスエプロンの取付構造では、
図2に表したように、第1の支持部430が第2のエプロン420の第1のエプロン410の側の背面(浴槽300の側の面)に設けられている。第1の支持部430は、第1のエプロン410の端部を支持する。また、第2の支持部440が洗い場床200の浴槽300の側に形成された土手部210に設けられている。第2の支持部440は、第2のエプロン420を下から押し上げて第2のエプロンの係止部423をリム部310の被係止部313に係止させる。またさらに、規制部が設けられている。規制部は、第2のエプロン420の第1のエプロン410の側の下端部の前後方向の移動を規制する。
【0032】
ここで、本願明細書においては、例えば建物床などに対して平行な水平方向であって、浴槽300から洗い場床200へ向かう方向を「前方」とし、洗い場床200から浴槽300へ向かう方向を「後方」とする。
【0033】
また、第1のエプロン410の第2のエプロン420の側の端部の下部には、第1の支持部430と係合可能な係合部412が設けられている。第1のエプロン410が取り付けられた状態では、第1のエプロン410の係合部412は、第1の支持部430と係合している。すなわち、第1のエプロン410の両側の下端部は、係合部411が第1のエプロンガイド460のばね463に係合され、係合部412が第1の支持部430と係合されることで固定されている。
【0034】
本実施形態によれば、洗い場床200の側からみて左右に分割されたバスエプロン400の内壁パネル510の側のそれぞれの端部は、バスエプロン400の上面が被係止部313に当接された状態で第1のエプロンガイド460および第2のエプロンガイド470にそれぞれ支持されている。第2のエプロン420の第1のエプロン410の側の端部は、浴槽300に押し当てられ第2の支持部で支持されている。第1のエプロン410の第2のエプロン420の側の端部は、第2のエプロン420に設けられた第1の支持部で支持されている。これにより、第1のエプロン410の上端415のラインと、第2のエプロン420の上端425のラインと、浴槽300のリム部310の下面316のラインと、を平行にすることができる。そのため、バスエプロン400、浴槽300、あるいは浴室ユニット10の見栄えの向上を図ることができる。
【0035】
また、第2のエプロン420の第1のエプロン410の側の下端部の前後方向の移動は、洗い場床200の土手部210に設けられた規制部により規制される。また、第1のエプロン410の下端部の係合部412は、第2のエプロン420の下端部の第1の支持部430に係止される。そのため、バスエプロン400のガタツキを抑えることができる。
【0036】
次に、本実施形態にかかるバスエプロンの取付構造について、図面を参照しつつさらに説明する。
図5は、本実施形態の第2のエプロンを表す模式的斜視図である。
また、
図6は、本実施形態の第1の支持部を表す模式図である。
なお、
図5(b)は、
図5(a)に表した領域A2を拡大して眺めた模式的斜視図である。
図6(a)は、本実施形態の第1の支持部を表す模式的斜視図である。
図6(b)は、本実施形態の第1の支持部を上方から眺めた模式的平面図である。
図6(c)は、本実施形態の第1の支持部を側方から眺めた模式的平面図である。
【0037】
図5(a)に表したように、第2のエプロン420の第1のエプロン410の側の背面には、第1の支持部430が設けられている。
図6(a)〜
図6(c)に表したように、第1の支持部430は、上方へ突出した凸部431を有する。凸部431は、弾力性を有する。また、第1の支持部430の凸部431は、案内面432と逃げ面433とを有する。案内面432は、逃げ面433からみて洗い場床200の側に形成され、浴槽300の方向へ向かうにつれて上方へ傾斜した面を有する。逃げ面433は、案内面432からみて浴槽300の側に形成され、浴槽300の方向へ向かうにつれて下方へ傾斜した面を有する。
【0038】
また、第1の支持部430は、第2の支持部440と当接する当接部435を有する。当接部435には、スリット436が形成されている。スリット436については、
図7に関して後述する。
【0039】
第2のエプロン420の内壁パネル510の側の端部には、係合部429が設けられている。係合部429は、第2のエプロン420の所定箇所と係合可能である。そのため、第2のエプロンが取り付けられた状態では、第2のエプロン420の内壁パネル510の側の端部は、係合部429が第2のエプロン420の所定箇所と係合することで第2のエプロンガイド470により支持されている。
【0040】
図7は、本実施形態の第2の支持部を表す模式図である。
なお、
図7(a)は、本実施形態の第2の支持部を表す模式的斜視図である。
図7(b)は、本実施形態の第2の支持部を上方から眺めた模式的平面図である。
図7(c)は、本実施形態の第2の支持部を側方から眺めた模式的平面図である。
【0041】
図7(a)〜
図7(c)に表したように、本実施形態の第2の支持部440は、ベース部材445と、ねじ部441と、ロックナット449と、を有する。ベース部材445は、貫通孔446と、雄ねじ447と、を有する。例えばねじなどの締結部材を貫通孔446を通して洗い場床200の土手部210に締結することで、ベース部材445を洗い場床200の土手部210に固定することができる。
【0042】
ねじ部441は、軸441aと、受け面442と、掴み部443と、を有する。軸441aは、
図6(b)に表した矢印A3のように、第1の支持部430の当接部435に形成されたスリット436に対してスライドして入り込むことができる。受け面442は、ねじ部441の途中に設けられている。掴み部443は、受け面442よりも上方に設けられている。
【0043】
軸441aがスリット436に入り込んだときには、受け面442は、第1の支持部430の当接部435の下面(支持面)と当接し、第1の支持部430を受けるあるいは支持することができる。ねじ部441は、ベース部材445の雄ねじ447と螺合されている。そのため、例えば施工者などは、掴み部443を回転させることで受け面442を上下に移動させ、受け面442の高さ(上下位置)を調整することができる。
【0044】
受け面442が第1の支持部430の当接部435の下面と当接した状態で、施工者などが掴み部443を回転させると、受け面442の高さが上下に変化することで第1の支持部430の高さが変化する。
図5に関して前述したように、第1の支持部430は、第第2のエプロン420の第1のエプロン410の側の背面に設けられている。そのため、施工者は、掴み部443を回転させて受け面442の高さを調整することで、第1の支持部430が設けられた第2のエプロン420の高さを調整することができる。
【0045】
これによれば、第2の支持部440の受け面442の高さを調整することができるため、例えば浴槽300や洗い場床200の土手部210に製造上の誤差が生じても、第1のエプロン410の上端415のラインと、第2のエプロン420の上端425のラインと、浴槽300のリム部310の下面316のラインと、を平行にすることができる。また、第1のエプロン410を取り付ける前に、第2のエプロン420の端から手を回して掴み部443を回転させるだけで第2の支持部440の受け面442の高さを調整することができる。これにより、より簡単に、第1のエプロン410の上端415のラインと、第2のエプロン420の上端425のラインと、浴槽300のリム部310の下面316のラインと、を平行にすることができる。
【0046】
また、前述したように、第2の支持部440のねじ部441の軸441aは、第1の支持部430の当接部435に形成されたスリット436に対してスライドして入り込むことができる。軸441aがスリット436に入り込んだ状態では、軸441aは、スリット436の側壁により前後方向(
図5(b)参照)の移動を規制される。これにより、第2のエプロン420を横方向(前後方向および上下方向に対して垂直方向)にスライドさせて軸441aをスリット436に係合させるだけの簡単な作業で、バスエプロン400のガタツキを抑えることができる。つまり、第2の支持部440のねじ部441は、
図2〜
図4に関して前述した規制部としての機能を有する。
【0047】
図8は、本実施形態の第1のエプロンを表す模式的斜視図である。
図9は、本実施形態の第1のエプロンガイドを表す模式的斜視図である。
なお、
図8(b)は、
図8(a)に表した領域A3を拡大して眺めた模式的斜視図である。
図8(c)は、
図8(a)に表した領域A4を拡大して眺めた模式的斜視図である。
【0048】
図8(a)に表したように、第1のエプロン410の第2のエプロン420とは反対側の端部の下部には、係合部411が設けられている。また、第1のエプロン410の第2のエプロン420の側の端部の下部には、係合部412が設けられている。
図8(b)に表したように、係合部412は、凹部418を有する。
図8(c)に表したように、係合部411は、凹部417を有する。
【0049】
図9(a)および
図9(b)に表したように、第1のエプロンガイド460の下部には、ばね463が設けられている。
図9(b)に表したように、ばね463は、上方へ突出した凸形状を呈し、弾力性を有する。ばね463は、第1の支持部430の凸部431と同様に、案内面464と逃げ面465とを有する。案内面464は、逃げ面465からみて洗い場床200の側に形成され、浴槽300の方向へ向かうにつれて上方へ傾斜した面を有する。逃げ面465は、案内面464からみて浴槽300の側に形成され、浴槽300の方向へ向かうにつれて下方へ傾斜した面を有する。
【0050】
第1のエプロン410が取り付けられた状態では、第1のエプロン410の係合部411の凹部417は、第1のエプロンガイド460のばね463と係合している。また、第1のエプロン410が取り付けられた状態では、第1のエプロン410の係合部412の凹部418は、第1の支持部430の凸部431と係合している。
【0051】
これによれば、第1のエプロン410の上端部に設けられた係止部413をリム部310の被係止部313に係止させた状態において、第1のエプロン410の下端部を前方から後方へ押し込むだけで、第1のエプロン410の係合部412の凹部418を第1の支持部430の凸部431に係合させることができる。また、第1のエプロン410の係合部411の凹部417を第1のエプロンガイド460のばね463に係合させることができる。これにより、洗い場床200の側からみて左右に分割されたバスエプロン400の前面を略同じ面とすることができる。
【0052】
なお、本実施形態では、第1のエプロン410の係合部412が凹部418を有し、第1の支持部430が凸部431を有するが、凹凸の関係は、これだけに限定されるわけではない。また、本実施形態では、第1のエプロン410の係合部411が凹部417を有し、第1のエプロンガイド460が上方へ突出した凸形状を呈するが、凹凸の関係は、これだけに限定されるわけではない。すなわち、第1のエプロン410の係合部412が凸部を有し、第1の支持部430が凹部を有していてもよい。また、第1のエプロン410の係合部411が凸部を有し、第1のエプロンガイド460が凹部を有していてもよい。
【0053】
次に、本実施形態のバスエプロンの取付方法について、図面を参照しつつ説明する。
図10〜
図17は、本実施形態のバスエプロンの取付方法を説明する模式的斜視図である。
【0054】
まず、
図10に表したように、施工者等は、第2の支持部440のベース部材445をねじなどの締結部材491を用いて洗い場床200の土手部210に固定する。続いて、施工者等は、ベース部材445の雄ねじ447にロックナット449およびねじ部441を螺合させる。
【0055】
続いて、
図11に表したように、施工者等は、第1エプロンガイド460および第2のエプロンガイド470を内壁パネル510に締結部材491を用いて固定する。すなわち、施工者等は、
図12(a)に表した矢印A12のように、第1のエプロンガイド460を移動させ、
図12(b)に表したように、第1のエプロンガイド460を内壁パネル510に締結部材491を用いて固定する。また、施工者等は、
図13(a)に表した矢印13のように、第2のエプロンガイド470を移動させ、
図13(b)に表したように、第2のエプロンガイド470を内壁パネル510に締結部材491を用いて固定する。
【0056】
続いて、施工者等は、
図14(a)に表した矢印A14のように、第2のエプロン420の上端部に設けられた係止部423をリム部310の被係止部313に係止させる。続いて、施工者等は、
図14(a)に表した矢印A15のように、第2のエプロン420を横方向にスライドさせる。このとき、施工者等は、
図14(b)に表した矢印A16のように、第2の支持部440のねじ部441の軸441aを第1の支持部430の当接部435に形成されたスリット436に入り込ませる。
【0057】
こうすることで、第2の支持部440の受け面442が、第1の支持部430の当接部435の下面と当接し、第1の支持部430を受けるあるいは支持することができる。続いて、施工者等は、
図15に表した矢印A17および
図16(a)に表した矢印A19のように、掴み部443を回転させて受け面442の高さを調整する。すると、受け面442の高さが上下に変化することで、第1の支持部430の高さが変化する。これにより、
図15に表した矢印A18および
図16(a)に表した矢印A21のように、施工者等は、第1の支持部430が設けられた第2のエプロン420の高さを調整することができる。そして、施工者等は、第2のエプロン420の上端425のラインが浴槽300のリム部310の下面316のラインと平行になるようにする。
【0058】
続いて、施工者等は、
図16(b)に表した矢印A22のように、ロックナット449を回転させ、
図16(b)に表した矢印A23のように、ロックナット449の高さを調整する。そして、施工者等は、ロックナット449がねじ部441と当接し回転しなくなるまで、ロックナット449を回転させる。これにより、ねじ部441が緩み低下することを抑え、第2のエプロン420の高さが低下することを抑えることができる。
【0059】
続いて、施工者等は、
図17(a)に表した矢印A24、矢印A25、および矢印A26のように、第1のエプロン410の上端部に設けられた係止部413をリム部310の被係止部313に係止させる。そして、施工者等は、第1のエプロン410の上端415のラインが浴槽300のリム部310の下面316のラインと平行になるようにする。続いて、施工者等は、
図17(b)に表した矢印A27および矢印A28のように、第1のエプロン410の下端部を前方から後方へ押し込む。そして、施工者等は、第1のエプロン410の係合部412の凹部418を第1の支持部430の凸部431に係合させる。また、施工者等は、第1のエプロン410の係合部411の凹部417を第1のエプロンガイド460のばね463に係合させる。
【0060】
本実施形態によれば、第1のエプロン410の係合部412の凹部418を、第2のエプロン420に設けられた第1の支持部430の凸部431に係合させる。言い換えれば、第2のエプロン420に設けられた第1の支持部430の凸部431を基準として第1のエプロン410を取り付ける。そのため、第1のエプロン410の上端415のラインと、第2のエプロン420の上端425のラインと、浴槽300のリム部310の下面316のラインと、を平行にすることができる。すなわち、バスエプロン400の上端のラインと、浴槽300のリム部310の下面316のラインと、を平行にすることができる。そのため、バスエプロン400、浴槽300、あるいは浴室ユニット10の見栄えの向上を図ることができる。
【0061】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、バスエプロン400やエプロンガイド460、470などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや第1の支持部430や第2の支持部440などの設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。