特許第6016093号(P6016093)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6016093薬液供給装置、基板処理システム、および基板処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016093
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】薬液供給装置、基板処理システム、および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20161013BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   H01L21/304 648Z
   H01L21/304 643Z
   H01L21/306 J
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-200741(P2012-200741)
(22)【出願日】2012年9月12日
(65)【公開番号】特開2014-56936(P2014-56936A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2015年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作
(74)【代理人】
【識別番号】100101328
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 実夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170324
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 昌秀
(72)【発明者】
【氏名】泉本 賢治
【審査官】 溝本 安展
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−176782(JP,A)
【文献】 特開2005−243814(JP,A)
【文献】 特開2008−183550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
希釈されることにより熱を発する発熱薬液と希釈液とを含む希釈薬液を、基板を処理する処理ユニットに供給する薬液供給装置であって、
前記処理ユニットに供給される希釈薬液を貯留するタンクと、
発熱薬液と希釈液とを混合することにより希釈薬液を生成し、生成された希釈薬液を前記タンク内に供給する補充ユニットと、
前記補充ユニットによって生成された希釈薬液を事前冷却範囲内の温度まで前記タンク内で冷却する事前冷却ユニットと、
前記事前冷却ユニットによって冷却された希釈薬液を、前記事前冷却範囲よりも狭い最終冷却範囲内の目標温度まで冷却する最終冷却ユニットとを含む、薬液供給装置。
【請求項2】
前記事前冷却ユニットは、前記補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低温であり、前記タンク内で希釈薬液に接触することにより希釈薬液を冷却する接触部材を含む、請求項1に記載の薬液供給装置。
【請求項3】
前記事前冷却ユニットは、前記接触部材の内部に設けられた冷媒流路に冷媒を供給する冷媒供給配管をさらに含む、請求項2に記載の薬液供給装置。
【請求項4】
前記事前冷却ユニットは、前記補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低温の気体を前記タンク内で希釈薬液に混合する気体混合部材を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬液供給装置。
【請求項5】
前記気体混合部材は、前記補充ユニットによって生成された希釈薬液と当該希釈薬液よりも低温の気体とを混合することにより、希釈薬液によって形成された複数の液滴を前記タンク内で噴射するスプレーノズルを含み、
前記事前冷却ユニットは、前記タンク内に配置されており、前記スプレーノズルから噴射された複数の液滴が吹き付けられる衝突部材を含む、請求項4に記載の薬液供給装置。
【請求項6】
前記気体混合部材は、前記補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低温の気体を前記タンクに貯留されている希釈薬液中で吐出することにより、希釈薬液中に気泡を発生させる気泡発生ノズルを含む、請求項4に記載の薬液供給装置。
【請求項7】
前記接触部材は、前記タンクに貯留されている希釈薬液の液面よりも上方で前記タンク内の希釈薬液に接触する空中接触部材を含む、請求項2または3に記載の薬液供給装置。
【請求項8】
前記接触部材は、前記タンクに貯留されている希釈薬液中で前記タンク内の希釈薬液に接触する液中接触部材を含む、請求項2または3に記載の薬液供給装置。
【請求項9】
前記薬液供給装置は、前記処理ユニットに供給される希釈薬液を貯留する複数のタンクを含み、
前記事前冷却ユニットおよび最終冷却ユニットは、別々のタンク内の希釈薬液を冷却する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の薬液供給装置。
【請求項10】
前記事前冷却ユニットおよび最終冷却ユニットは、前記タンク内の希釈薬液を冷却する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の薬液供給装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の薬液供給装置と、
前記薬液供給装置から供給された希釈薬液で基板を処理する処理ユニットとを含む、基板処理システム。
【請求項12】
IIIB族、IVB族、およびVB族のうちの少なくとも一つの元素によって構成された物質が露出した基板の表面から当該物質を除去する基板処理方法であって、
希釈されることにより熱を発する発熱薬液と希釈液とを混合することにより希釈薬液を補充ユニットで生成し、生成された希釈薬液を前記補充ユニットからタンク内に供給する補充ステップと、
前記補充ステップで生成された希釈薬液を事前冷却ユニットで事前冷却範囲内の温度まで前記タンク内で冷却する事前冷却ステップと、
前記事前冷却ステップで冷却された希釈薬液を、最終冷却ユニットで前記事前冷却範囲よりも狭い最終冷却範囲内の目標温度まで冷却する最終冷却ステップと、
目標温度に調節された希釈薬液を処理ユニットによって基板に供給させることにより、基板を処理する基板処理ステップとを含む、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希釈されることにより熱を発する発熱薬液と希釈液とを含む希釈薬液を、基板を処理する処理ユニットに供給する薬液供給装置に関する。さらに、本発明は、薬液供給装置を備えた基板処理システム、および基板処理システムを用いて基板を処理する基板処理方法に関する。
処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板を処理する基板処理装置が用いられる。
特許文献1に記載の枚葉式の基板処理装置は、基板を水平に保持して回転させるスピンチャックと、硫酸などの薬液をスピンチャックに保持されている基板に向けて吐出する薬液供給ノズルと、薬液供給ノズルに供給される薬液を貯留する薬液タンクと、薬液タンク内の薬液を循環させる薬液循環路と、薬液循環路に配置された温度調節器とを備えている。基板の処理が行われていないときには、硫酸などの薬液タンク内の薬液が薬液循環路を循環し、薬液の温度が温度調節器によって調節される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−077145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
硫酸は、水で希釈されることにより熱を発する発熱薬液の一例である。硫酸を水で希釈すると、高温の希釈硫酸(希釈された硫酸)が生成される。半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、硫酸と純水とを所定の割合で混合することにより高温の希釈硫酸を生成し、その後、所定の温度まで冷却された希釈硫酸を基板に供給する場合がある。
特許文献1の基板処理装置は、薬液タンク内の薬液を薬液循環路で循環させることにより、薬液循環路に配置された温度調節器に薬液を冷却させる。しかしながら、この構成では、薬液の初期温度(冷却される前の温度)と薬液の目標温度との差が大きい場合には、薬液の温度を目標温度まで低下させるのに長時間を要する。そのため、新たに生成された高温の薬液が薬液タンクに補充されると、薬液の温度が目標温度に達するまで新たな基板の処理を開始することができず、基板の連続処理が滞る。
【0005】
そこで、本発明の目的は、薬液の温度を目標温度まで低下させる薬液準備時間を短縮できる薬液供給装置、基板処理システム、および基板処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、希釈されることにより熱を発する発熱薬液と希釈液とを含む希釈薬液を、基板(W)を処理する処理ユニット(2)に供給する薬液供給装置であって、前記処理ユニットに供給される希釈薬液を貯留するタンク(14、18)と、発熱薬液と希釈液とを混合することにより希釈薬液を生成し、生成された希釈薬液を前記タンク内に供給する補充ユニット(22)と、前記補充ユニットによって生成された希釈薬液を事前冷却範囲内の温度まで前記タンク内で冷却する事前冷却ユニット(23、223、323)と、前記事前冷却ユニットによって冷却された希釈薬液を、前記事前冷却範囲よりも狭い最終冷却範囲内の目標温度まで冷却する最終冷却ユニット(24)とを含む、薬液供給装置(3、203、303、403、503)である。
【0007】
この構成によれば、希釈熱および溶解熱を含む反応熱を発する発熱薬液が、補充ユニットによって希釈液と混合され、高温の希釈薬液が生成される。この高温の希釈薬液は、補充ユニットからタンクに供給され、事前冷却ユニットによってタンク内で冷却される。そして、事前冷却ユニットによって冷却された希釈薬液が、最終冷却ユニットによってさらに冷却される。その後、目標温度に調節された希釈薬液が、基板を処理する処理ユニットに供給される。これにより、精度よく所定の温度に調節された希釈薬液が基板に供給される。
【0008】
タンク内の希釈薬液は、事前冷却ユニットによって、事前冷却範囲内の温度まで冷却される。また、希釈薬液は、最終冷却ユニットによって、最終冷却範囲内の温度まで冷却される。希釈薬液の目標温度は、最終冷却範囲内の温度である。最終冷却範囲は、幅が事前冷却範囲よりも狭い温度範囲である。したがって、高温の希釈薬液は、事前冷却ユニットによって大幅に冷却された後、最終冷却ユニットによって精密に冷却される。そのため、最終冷却ユニットだけで希釈薬液を冷却する場合よりも、希釈薬液の温度を目標温度まで低下させる薬液準備時間を短縮できる。これにより、処理ユニットによる基板の処理を滞りなく進行させることができる。さらに、事前冷却ユニットは、タンク内で希釈薬液を冷却するように構成されているので、事前冷却ユニットがタンクの外に配置されている場合によりも薬液供給装置を小型化できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記事前冷却ユニットは、前記補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低温であり、前記タンク内で希釈薬液に接触することにより希釈薬液を冷却する接触部材(33、242、346)を含む、請求項1に記載の薬液供給装置である。
この構成によれば、補充ユニットによって生成された希釈薬液が、タンク内に配置された接触部材に接触する。接触部材の温度は、補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低い。したがって、希釈薬液は、接触部材との接触によってタンク内で冷却される。これにより、薬液準備時間を短縮できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記事前冷却ユニットは、前記接触部材の内部に設けられた冷媒流路(34)に冷媒を供給する冷媒供給配管(35)をさらに含む、請求項2に記載の薬液供給装置である。
この構成によれば、冷却液や冷却ガスなどの冷媒が、冷媒供給配管から接触部材に供給され、接触部材の内部に設けられた冷媒流路を流れる。したがって、接触部材は、冷媒によって冷却され、低温に維持される。そのため、接触部材に接する希釈薬液が安定して冷却される。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記事前冷却ユニットは、前記補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低温の気体を前記タンク内で希釈薬液に混合する気体混合部材(30、347)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬液供給装置である。
この構成によれば、補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低温の気体が、タンク内で希釈薬液と混合される。これにより、希釈薬液が低温の気体に接触し確実に冷却される。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記気体混合部材は、前記補充ユニットによって生成された希釈薬液と当該希釈薬液よりも低温の気体とを混合することにより、希釈薬液によって形成された複数の液滴を前記タンク内で噴射するスプレーノズル(30)を含み、前記事前冷却ユニットは、前記タンク内に配置されており、前記スプレーノズルから噴射された複数の液滴が吹き付けられる衝突部材(33)を含む、請求項4に記載の薬液供給装置である。
【0013】
この構成によれば、希釈薬液がスプレーノズルから噴霧される。これにより、タンク内の気体に対する希釈薬液の接触面積が増加し、希釈薬液が効率的に冷却される。さらに、スプレーノズルから噴射された複数の液滴は、衝突部材に吹き付けられ、衝突部材に衝突する。希釈薬液の液滴は、衝突部材との衝突によって表面積が増加したり、より小さな複数の液滴に分断されたりする。すなわち、希釈薬液の表面積がさらに増加する。そのため、希釈薬液がさらに冷却される。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記気体混合部材は、前記補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低温の気体を前記タンクに貯留されている希釈薬液中で吐出することにより、希釈薬液中に気泡を発生させる気泡発生ノズル(347)を含む、請求項4に記載の薬液供給装置である。
この構成によれば、気泡発生ノズルが、補充ユニットによって生成された希釈薬液よりも低温の気体を希釈薬液中で吐出する。これにより、希釈薬液と気体とが接触し、希釈薬液が冷却される。さらに、複数の気泡が希釈薬液中に発生し、希釈薬液中を浮上するので、タンクに貯留されている希釈薬液が気体の吐出によって撹拌される。これにより、タンク内の希釈薬液が均一に冷却される。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記接触部材は、前記タンクに貯留されている希釈薬液の液面よりも上方で前記タンク内の希釈薬液に接触する空中接触部材(33、242)を含む、請求項2または3に記載の薬液供給装置である。
この構成によれば、空中接触部材の少なくとも一部が、希釈薬液の液面よりも上方の高さでタンク内に配置されている。空中接触部材は、タンクに貯留されている希釈薬液の液面よりも上方で希釈薬液を冷却する。タンクに貯留されている希釈薬液は、事前冷却ユニットによって既に冷却されている。そのため、十分に冷却されていない希釈薬液が、既に冷却された希釈薬液と混ざって、冷却済みの希釈薬液の温度が大幅に変動することを抑制または防止できる。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記接触部材は、前記タンクに貯留されている希釈薬液中で前記タンク内の希釈薬液に接触する液中接触部材(346)を含む、請求項2または3に記載の薬液供給装置である。
この構成によれば、液中接触部材が、タンクに貯留されている希釈薬液中に配置されている。接触部材が空中に配置されている場合には、接触部材の下面が、希釈薬液に接触しない場合がある。この構成によれば、下面を含む液中接触部材の表面全域が、希釈薬液に確実に接触する。そのため、液中接触部材と希釈薬液との接触面積が増加し、希釈薬液が効率的に冷却される。
【0017】
請求項9に記載の発明は、前記薬液供給装置は、前記処理ユニットに供給される希釈薬液を貯留する複数のタンクを含み、前記事前冷却ユニットおよび最終冷却ユニットは、別々のタンク内の希釈薬液を冷却する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の薬液供給装置である。
この構成によれば、事前冷却ユニットおよび最終冷却ユニットが、別々のタンク内の希釈薬液を冷却するので、最終冷却ユニットによって冷却されていない冷却前の希釈薬液が、最終冷却ユニットによって冷却された冷却済みの希釈薬液に混ざることを防止できる。これにより、希釈薬液の温度をより精密に制御できる。したがって、希釈薬液の処理能力を安定させることができる。
【0018】
請求項10に記載の発明は、前記事前冷却ユニットおよび最終冷却ユニットは、前記タンク内の希釈薬液を冷却する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の薬液供給装置である。
この構成によれば、事前冷却ユニットおよび最終冷却ユニットが、共通のタンク内の希釈薬液を冷却するので、薬液供給装置の部品点数を減少させることができる。これにより、薬液供給装置のコストを低減できる。さらに、タンクの数を減少させることができるので、薬液供給装置を小型化できる。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の薬液供給装置と、前記薬液供給装置から供給された希釈薬液で基板を処理する処理ユニットとを含む、基板処理システム(1)である。
この構成によれば、薬液供給装置によって精度よく温度調節された希釈薬液が、処理ユニットに供給される。そして、精度よく温度調節された希釈薬液が、処理ユニットによって基板に供給される。これにより、基板の処理品質を安定させることができる。さらに、希釈薬液の温度を目標温度まで低下させる薬液準備時間が短縮されているので、新たな希釈薬液が、薬液供給装置のタンクに補充された場合でも、処理ユニットによる基板の処理を滞りなく進行させることができる。
【0020】
請求項12に記載の発明は、IIIB族、IVB族、およびVB族のうちの少なくとも一つの元素によって構成された物質(たとえば、薄膜)が露出した基板の表面から当該物質を除去する基板処理方法であって、希釈されることにより熱を発する発熱薬液と希釈液とを混合することにより希釈薬液を補充ユニットで生成し、生成された希釈薬液を前記補充ユニットからタンク内に供給する補充ステップと、前記補充ステップで生成された希釈薬液を事前冷却ユニットで事前冷却範囲内の温度まで前記タンク内で冷却する事前冷却ステップと、前記事前冷却ステップで冷却された希釈薬液を、最終冷却ユニットで前記事前冷却範囲よりも狭い最終冷却範囲内の目標温度まで冷却する最終冷却ステップと、目標温度に調節された希釈薬液を処理ユニットによって基板に供給させることにより、基板を処理する基板処理ステップとを含む、基板処理方法である。この方法によれば、請求項1の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0021】
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理システムを示す模式図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係る事前冷却ユニットを示す模式的な斜視図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態に係る事前冷却ユニットに備えられたスプレーノズルおよび衝突部材の模式的な側面図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態に係る事前冷却ユニットに備えられたスプレーノズルおよび衝突部材の模式的な平面図である。
図5図5は、発熱薬液が希釈液で希釈されてから希釈された状態で処理ユニットに供給されるまでの発熱薬液の温度の変化の一例を示すグラフである。
図6図6は、本発明の第2実施形態に係る事前冷却ユニットを示す模式的な斜視図である。
図7図7は、本発明の第2実施形態に係る事前冷却ユニットに備えられた冷却トレイの模式的な断面図である。
図8図8は、本発明の第2実施形態に係る事前冷却ユニットに備えられた冷却トレイの模式的な平面図である。
図9図9は、本発明の第3実施形態に係る事前冷却ユニットを示す模式的な斜視図である。
図10図10は、本発明の第4実施形態に係る基板処理システムを示す模式図である。
図11図11は、本発明の第5実施形態に係る基板処理システムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理システム1を示す模式図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る事前冷却ユニット23を示す模式的な斜視図である。図3は、事前冷却ユニット23に備えられたスプレーノズル30および衝突部材33の模式的な側面図である。図4は、事前冷却ユニット23に備えられたスプレーノズル30および衝突部材33の模式的な平面図である。
【0024】
図1に示すように、基板処理システム1は、薬液やリンス液などの処理液を用いて基板Wを処理する処理ユニット2と、希釈薬液を処理ユニット2に供給する薬液供給装置としての薬液供給ユニット3と、基板処理システム1に備えられた装置やバルブの開閉を制御する制御装置4とを含む。
処理ユニット2および薬液供給ユニット3は、共通の装置の一部であってもよいし、互いに独立したユニット(互いに独立して移動させることができるユニット)であってもよい。すなわち、基板処理システム1は、処理ユニット2および薬液供給ユニット3を含む基板処理装置を備えていてもよいし、処理ユニット2を含む基板処理装置と、基板処理装置から離れた位置に配置された薬液供給ユニット3とを備えていてもよい。また、処理ユニット2は、基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式のユニットであってもよいし、複数枚の基板Wを一括して処理するバッチ式のユニットであってもよい。図1は、処理ユニット2が、枚葉式のユニットである例を示している。
【0025】
図1に示す処理ユニット2は、箱形のチャンバー5と、チャンバー5内で基板Wを水平に保持して基板Wの中心を通る鉛直な軸線まわりに基板Wを回転させるスピンチャック6と、薬液やリンス液などの処理液を基板Wに向けて吐出する処理液ノズルと、スピンチャック6を取り囲む筒状のカップ7とを含む。処理液ノズルは、基板Wの上面に向けて薬液を吐出する薬液ノズル8と、基板Wの上面に向けてリンス液を吐出するリンス液ノズル9とを含む。
【0026】
図1に示すように、薬液ノズル8は、薬液供給ユニット3に接続されている。薬液ノズル8は、薬液バルブ10が介装された薬液配管11に接続されている。薬液ノズル8には、たとえば40℃〜70℃の範囲内の一定温度の希釈硫酸が薬液供給ユニット3から供給される。希釈硫酸は、濃度が90%以上の濃硫酸を純水で希釈した希釈薬液の一例である。硫酸と純水との割合は、たとえば、1:10である。硫酸は、水との接触により熱を発する発熱薬液の一例である。発熱薬液は、リン酸などの硫酸以外の薬液であってもよい。また、水を主成分とする液体であれば、発熱薬液を希釈する希釈液は、純水以外の液体であってもよい。
【0027】
図1に示すように、リンス液ノズル9は、リンス液バルブ12が介装されたリンス液配管13に接続されている。リンス液ノズル9には、リンス液の一例である純水(脱イオン水:Deionzied Water)が供給される。リンス液ノズル9に供給されるリンス液は、純水に限らず、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、および希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよい。
【0028】
処理ユニット2では、たとえば、IIIB族(13族)、IVB族(14族)、およびVB族(15族)のうちの少なくとも一つの元素によって構成された薄膜が露出した基板Wの表面から当該薄膜を除去するエッチング処理が行われる。具体的には、IIIB族のガリウム、IIIB族のインジウム、およびVB族のヒ素のうちの少なくとも一つの元素によって構成された薄膜を除去するエッチング処理が行われる。処理ユニット2で行われる処理は、エッチング処理に限らず、洗浄処理などのその他の処理であってもよい。
【0029】
基板Wの処理が行われるときには、制御装置4は、スピンチャック6によって基板Wを水平に保持させながらこの基板Wを鉛直な軸線まわりに回転させる。この状態で、制御装置4は、薬液バルブ10を開いて、薬液ノズル8から基板Wの上面に向けて希釈硫酸(純水によって希釈された硫酸)を吐出させる。基板Wに供給された希釈硫酸は、基板Wの回転による遠心力によって基板W上を外方に広がり、基板Wの上面周縁部から基板Wの周囲に排出される。基板Wから排出された希釈硫酸は、カップ7によって捕獲される。制御装置4は、薬液ノズル8からの希釈硫酸の吐出を停止させた後、リンス液バルブ12を開閉することにより、リンス液ノズル9から回転状態の基板Wの上面に向けて純水を吐出させる。これにより、基板W上の希釈薬液が純水によって洗い流される。その後、制御装置4は、スピンチャック6によって基板Wを高速回転させることにより、基板Wを乾燥させる。このようにして、基板Wに対する一連の処理が行われる。
【0030】
図1に示すように、薬液供給ユニット3は、希釈薬液を貯留する下流タンク14と、下流タンク14内の希釈薬液を処理ユニット2(薬液ノズル8)に案内する下流配管15と、下流タンク14内の希釈薬液を下流配管15に移動させる下流送液装置16と、下流配管15の内部を開閉する下流バルブ17と、下流タンク14内の液量を監視する液量センサS1とを含む。薬液供給ユニット3は、さらに、下流タンク14に供給される希釈薬液を貯留する上流タンク18と、上流タンク18内の希釈薬液を下流タンク14に案内する上流配管19と、上流タンク18内の希釈薬液を上流配管19内に移動させる上流送液装置20と、上流配管19の内部を開閉する上流バルブ21と、上流タンク18内の液量を監視する液量センサS1とを含む。
【0031】
下流送液装置16は、タンク内の液体を配管内に吸引するポンプであってもよいし、気体の供給によってタンク内の気圧を上昇させることにより、タンク内の液体を配管内に送る加圧配管であってもよい。上流送液装置20についても同様である。図1は、下流送液装置16が下流配管15に取り付けられたポンプであり、上流送液装置20が上流配管19に取り付けられたポンプである例を示している。下流配管15は、薬液配管11と下流タンク14とに接続されており、上流配管19は、下流タンク14と上流タンク18とに接続されている。上流タンク18内の希釈薬液は、上流送液装置20によって下流タンク14に送られ、下流タンク14内の希釈薬液は、下流送液装置16によって薬液配管11に送られる。
【0032】
図1に示すように、薬液供給ユニット3は、希釈される前の発熱薬液(薬液原液)を希釈液によって希釈して希釈薬液を生成すると共に、生成された高温の希釈薬液を下流タンク14に補充する補充ユニット22と、下流タンク14に補充された希釈薬液を冷却する事前冷却ユニット23と、事前冷却ユニット23によって冷却された希釈薬液を薬液ノズル8の上流側で冷却する最終冷却ユニット24と含む。事前冷却ユニット23は、上流タンク18内の希釈薬液を冷却し、最終冷却ユニット24は、下流タンク14内の希釈薬液を冷却する。したがって、事前冷却ユニット23および最終冷却ユニット24は、互いに異なるタンク内の希釈薬液を冷却する。
【0033】
図1に示すように、補充ユニット22は、上流タンク18に補充される希釈薬液を案内する補充配管25と、補充配管25に供給される発熱薬液および希釈液を混合する混合装置としてのミキシングバルブM1とを含む。補充ユニット22は、さらに、ミキシングバルブM1に供給される薬液原液(希釈される前の発熱薬液)を案内する原液配管26と、原液配管26の内部を開閉する原液バルブ27と、ミキシングバルブM1に供給される希釈液を案内する希釈液配管28と、希釈液配管28の内部を開閉する希釈バルブ29とを含む。補充配管25は、下流タンク14とミキシングバルブM1とに接続されており、原液配管26および希釈液配管28は、ミキシングバルブM1に接続されている。原液配管26と希釈液配管28は、それぞれ、原液供給源と希釈液供給源とに接続されている。
【0034】
原液バルブ27が開かれると、薬液原液が所定の流量で原液配管26からミキシングバルブM1に供給され、希釈バルブ29が開かれると、希釈液が所定の流量で希釈液配管28からミキシングバルブM1に供給される。ミキシングバルブM1に供給された薬液原液および希釈液は、ミキシングバルブM1によって配管内で混合される。これにより、薬液原液が希釈され、反応熱が発生する。そのため、高温の希釈薬液が生成される。高温の希釈薬液は、ミキシングバルブM1から補充配管25に流れ、補充配管25から下流タンク14に流れる。これにより、高温の希釈薬液が下流タンク14に補充される。そして、下流タンク14に補充された希釈薬液は、事前冷却ユニット23および最終冷却ユニット24によって冷却された後、薬液ノズル8に供給される。
【0035】
図2に示すように、事前冷却ユニット23は、上流タンク18に取り付けられている。事前冷却ユニット23は、補充ユニット22から供給された希釈薬液を下流タンク14内で噴霧するスプレーノズル30と、スプレーノズル30に気体を供給する気体配管31と、気体配管31の内部を開閉する気体バルブ32とを含む。事前冷却ユニット23は、さらに、スプレーノズル30によって形成された希釈薬液の液滴が吹き付けられる衝突部材33と、衝突部材33の内部に設けられた冷媒流路34に供給される低温(室温以下の温度。たとえば、17℃)の冷媒を案内する冷媒供給配管35と、冷媒流路34から排出された冷媒を案内する冷媒排出配管36とを含む。冷媒供給配管35は、冷媒流路34の注入口の接続されており、冷媒排出配管36は、冷媒流路34の放出口に接続されている。冷媒は、補充ユニット22によって生成された希釈薬液よりも低温の冷却液であってもよいし、この希釈薬液よりも低温の冷却ガスであってもよい。
【0036】
図2に示すように、スプレーノズル30の吐出口は、下流タンク14内に配置されている。制御装置4は、液量センサS1の検出値に基づいて上流タンク18内の液量を制御している。スプレーノズル30の吐出口は、上流タンク18に貯留されている希釈薬液の液面よりも上方に配置されている。図4に示すように、スプレーノズル30は、水平方向に延びている。スプレーノズル30の吐出口は、水平方向に延びるスリット状であってもよいし、直線状に並んだ複数の孔によって構成されていてもよい。
【0037】
図2に示すように、スプレーノズル30は、液体と気体とを衝突させることにより液滴を形成する二流体ノズルである。スプレーノズル30は、液体配管としての補充配管25に接続されている。気体配管31は、スプレーノズル30に接続されている。気体配管31は、補充ユニット22によって生成された希釈薬液よりも低温の気体をスプレーノズル30に供給する。スプレーノズル30に供給される気体は、たとえば、室温(25〜30℃の範囲内の一定温度)よりも低温の窒素ガスである。窒素ガスは、不活性ガスの一例である。
【0038】
気体配管31からスプレーノズル30に供給された低温の窒素ガスは、補充配管25からスプレーノズル30に供給された高温の希釈薬液と混合される。これにより、希釈薬液が冷却されると共に、上流タンク18内を飛散する多数の液滴が形成される。図4に示すように、スプレーノズル30が水平方向に延びているので、多数の液滴は、スプレーノズル30の長手方向(水平方向)を含む平面に沿って帯状に広がる。希釈薬液がスプレーノズル30から噴霧されることにより、上流タンク18内の気体に対する希釈薬液の接触面積が増す。これにより、希釈薬液が上流タンク18内で冷却される。
【0039】
図2に示すように、衝突部材33は、上流タンク18内に配置されている。衝突部材33は、直立した姿勢で保持されたプレートによって構成されている。衝突部材33の少なくとも一部は、上流タンク18に貯留されている希釈薬液の液面よりも上方に配置されている。衝突部材33は、スプレーノズル30の吐出口に対向している。スプレーノズル30の吐出口に対向する衝突部材33の対向面は、鉛直面に沿って配置されている。スプレーノズル30から噴霧された希釈薬液は、衝突部材33の対向面に吹き付けられる。これにより、希釈薬液の液滴が衝突部材33に衝突する。
【0040】
希釈薬液の液滴は、衝突部材33との衝突によって表面積が増加したり、衝突部材33との衝突によってより小さな複数の液滴に分断されたりする。すなわち、希釈薬液の液滴は、衝突部材33との衝突によって表面積が増す。これにより、希釈薬液が上流タンク18内で冷却される。また、図3に示すように、衝突部材33に衝突した希釈薬液の一部は、衝突部材33の対向面に沿って下方に流れる。希釈薬液は、衝突部材33による吸熱によって冷却される。特に、衝突部材33は、冷媒流路34を流れる冷媒によって低温に維持されているので、希釈薬液が効率的に冷却される。
【0041】
図1に示すように、最終冷却ユニット24は、下流バルブ17よりも上流側(下流タンク14側)で下流配管15と下流タンク14とを接続する循環配管37と、循環配管37の内部を開閉する循環バルブ38と、循環配管37内を流れる希釈薬液をろ過するフィルタ39と、循環配管37を流れる希釈薬液の温度を調節する温度調節装置40と、下流タンク14内の希釈薬液を循環配管37に送ると共に、循環配管37内の希釈薬液を下流タンク14に送る循環ポンプ41とを含む。循環バルブ38、フィルタ39、温度調節装置40、および循環ポンプ41は、循環配管37に取り付けられている。温度調節装置40は、たとえば、希釈薬液を加熱または冷却するペルチェ素子などの熱電素子と、希釈薬液の温度を検出する温度センサとがユニット化された電子冷熱ユニットである。
【0042】
下流タンク14内の希釈薬液が処理ユニット2に供給されるときには、下流バルブ17が開かれ、循環バルブ38が閉じられる。この状態では、下流送液装置16によって下流タンク14から下流配管15に送られた希釈薬液が、処理ユニット2に供給される。一方、処理ユニット2への希釈薬液の供給が停止されるときには、下流バルブ17が閉じられ、循環バルブ38が開かれる。この状態では、下流送液装置16によって下流タンク14から下流配管15に送られた希釈薬液が、循環配管37を通じて下流タンク14内に戻る。そのため、処理ユニット2への希釈薬液の供給が停止されている供給停止中は、希釈薬液が、下流タンク14、下流配管15、および循環配管37によって構成された循環経路X1(図1参照)を循環し続ける。温度調節装置40は、循環配管37内を流れる希釈薬液の温度を調節する。したがって、下流タンク14内の希釈薬液は、供給停止中に循環経路X1で加熱または冷却され、補充ユニット22によって生成されたときの温度よりも低温の一定の温度に調節される。
【0043】
図5は、発熱薬液が希釈液で希釈されてから希釈された状態で処理ユニット2に供給されるまでの発熱薬液の温度の変化の一例を示すグラフである。
硫酸などの発熱薬液は、純水などの希釈液によって希釈される。発熱薬液は、水との接触により熱を発する薬液である。したがって、希釈される前の発熱薬液である薬液原液が希釈液によって希釈されると、発熱薬液と希釈液との混合液である希釈薬液が生成され、希釈薬液の温度が上昇する。高温の希釈薬液は、事前冷却ユニット23によって冷却され、その後、最終冷却ユニット24によって冷却される。そして、目標温度(希釈硫酸の場合は、たとえば40℃〜70℃の範囲内の一定温度)に調節された希釈薬液が処理ユニット2に供給される。
【0044】
図5に示すように、希釈薬液は、事前冷却ユニット23によって、事前冷却範囲内の温度まで冷却される。また、希釈薬液は、最終冷却ユニット24によって、最終冷却範囲内の温度まで冷却される。希釈薬液の目標温度は、最終冷却範囲内の温度である。最終冷却範囲は、下限温度が事前冷却範囲の上限温度よりも低く、幅が事前冷却範囲よりも狭い温度範囲である。したがって、高温の希釈薬液は、事前冷却ユニット23によって冷却された後、最終冷却ユニット24によって精密に冷却される。そのため、精度よく温度調節された希釈薬液が処理ユニット2に供給される。
【0045】
以上のように第1実施形態では、希釈されることにより熱を発する発熱薬液と希釈液とが、補充ユニット22によって混合され、高温の希釈薬液が生成される。この高温の希釈薬液は、補充ユニット22から上流タンク18に供給され、事前冷却ユニット23によって上流タンク18内で冷却される。そして、事前冷却ユニット23によって冷却された希釈薬液が、最終冷却ユニット24によってさらに冷却される。その後、目標温度に調節された希釈薬液が、基板Wを処理する処理ユニット2に供給される。これにより、精度よく所定の温度に調節された希釈薬液が基板Wに供給される。
【0046】
上流タンク18内の希釈薬液は、事前冷却ユニット23によって、事前冷却範囲内の温度まで冷却される。また、希釈薬液は、最終冷却ユニット24によって、最終冷却範囲内の温度まで冷却される。希釈薬液の目標温度は、最終冷却範囲内の温度である。最終冷却範囲は、幅が事前冷却範囲よりも狭い温度範囲である。したがって、高温の希釈薬液は、事前冷却ユニット23によって大幅に冷却された後、最終冷却ユニット24によって精密に冷却される。そのため、最終冷却ユニット24だけで希釈薬液を冷却する場合よりも、希釈薬液の温度を目標温度まで低下させる薬液準備時間を短縮できる。これにより、処理ユニット2による基板Wの処理を滞りなく進行させることができる。
【0047】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の図6図8において、前述の図1図5に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る事前冷却ユニット223を示す模式的な斜視図である。図7は、事前冷却ユニット223に備えられた冷却トレイ242の模式的な断面図である。図8は、事前冷却ユニット223に備えられた冷却トレイ242の模式的な平面図である。図7は、冷却トレイ242を鉛直面で切断したときに現れる断面を示している。
【0048】
第2実施形態に係る薬液供給ユニット203は、第1実施形態に係る事前冷却ユニット23に代えて、事前冷却ユニット223を含む。図6に示すように、事前冷却ユニット223は、上流タンク18に取り付けられている。事前冷却ユニット223は、スプレーノズルおよび衝突部材を除き、第1実施形態に係る事前冷却ユニット23と同様の構成を備えている。すなわち、事前冷却ユニット223は、スプレーノズルおよび衝突部材に代えて、上向きに開いた冷却トレイ242と、冷却トレイ242の内部に設けられた冷媒流路34に供給される低温の冷媒を案内する冷媒供給配管35と、冷媒流路34から排出された冷媒を案内する冷媒排出配管36とを含む。
【0049】
図6に示すように、冷却トレイ242は、希釈薬液を下向きに吐出する補充配管25の端部25aの下方に配置されている。冷却トレイ242は、上流タンク18に貯留されている希釈薬液の液面よりも上方に配置されている。冷却トレイ242は、板状の底壁243と、底壁243の周縁部に沿って配置された平面視U字状の側壁244と、側壁244の内部に配置された複数のフィン245とを含む。図7に示すように、底壁243は、冷却トレイ242の深さが水平方向に離れた複数の位置で異なるように水平面に対して傾いた上面を有している。側壁244は、側壁244の開口部の深さが最も浅くなるように底壁243の周縁部から上方に延びている。複数のフィン245は、側壁244の内側の空間を水平方向に離れた複数の空間に分割している。図8に示すように、各フィン245は、直立した姿勢で保持されており、平面視U字状の側壁244の開口部に向かって延びている。
【0050】
図6に示すように、補充配管25から吐出された希釈薬液は、冷却トレイ242の内部に供給される。冷却トレイ242の底壁243が水平面に対して傾斜しているので、冷却トレイ242に供給された希釈薬液は、冷却トレイ242の深い部分に集まる。補充配管25からの希釈薬液の吐出が継続されると、冷却トレイ242内の液量が増加し、冷却トレイ242の浅い部分にも希釈薬液が広がる。このとき、冷却トレイ242内の希釈薬液は、側壁244の開口部に向かって延びるフィン245によって冷却トレイ242の浅い部分に案内される。そして、冷却トレイ242内の液量が所定値に達すると、冷却トレイ242の浅い部分から希釈薬液が溢れ、希釈薬液の液滴が、上流タンク18の底部に向かって落下する。
【0051】
冷却トレイ242に供給された希釈薬液は、冷却トレイ242との接触によって冷却される。特に、冷却トレイ242は、冷媒流路34を流れる冷媒によって低温(補充ユニット22によって生成された希釈薬液よりも低温)に維持されているので、希釈薬液が効率的に冷却される。さらに、複数のフィン245が側壁244の内部に配置されているので、希釈薬液と冷却トレイ242との接触面積が増加する。これにより、希釈薬液の冷却効率が高まる。しかも、冷却トレイ242の底壁243が水平面に対して傾斜しており、冷却トレイ242に供給された希釈薬液が冷却トレイ242の深い部分に集まるので、冷却トレイ242に供給された希釈薬液が即座に冷却トレイ242から落下することを抑制または防止できる。これにより、希釈薬液と冷却トレイ242との接触時間を確保できる。このようにして、補充ユニット22から供給された高温の希釈薬液が、上流タンク18内で冷却される。そして、事前冷却ユニット223によって冷却された希釈薬液は、第1実施形態と同様に、最終冷却ユニット24によって冷却された後、処理ユニット2に供給される。
【0052】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の図9において、前述の図1図8に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図9は、本発明の第3実施形態に係る事前冷却ユニット323を示す模式的な斜視図である。
【0053】
第3実施形態に係る薬液供給ユニット303は、第1実施形態に係る事前冷却ユニット23に代えて、事前冷却ユニット323を含む。事前冷却ユニット323は、上流タンク18に取り付けられている。事前冷却ユニット323は、スプレーノズルおよび衝突部材を除き、第1実施形態に係る事前冷却ユニット23と同様の構成を備えている。すなわち、事前冷却ユニット323は、スプレーノズルおよび衝突部材に代えて、上流タンク18に貯留されている希釈薬液中に配置された冷却チューブ346と、冷媒流路34としての冷却チューブ346の内部に供給される冷媒を案内する冷媒供給配管35と、冷却チューブ346から排出された冷媒を案内する冷媒排出配管36とを含む。
【0054】
冷媒供給配管35は、冷却チューブ346の注入口の接続されており、冷媒排出配管36は、冷却チューブ346の放出口に接続されている。冷却チューブ346は、たとえば螺旋状のチューブによって構成されている。冷却チューブ346は、螺旋状以外の形状であってもよい。補充ユニット22から上流タンク18に供給された高温の希釈薬液は、冷却チューブ346との接触によって、上流タンク18に貯留されている希釈薬液中で冷却される。
【0055】
事前冷却ユニット323は、さらに、上流タンク18に貯留されている希釈薬液中に気泡を発生させる気泡発生ノズル347と、気泡発生ノズル347に気体を供給する気体配管31と、気体配管31の内部を開閉する気体バルブ32とを含む。気体配管31は、気泡発生ノズル347に接続されている。気体配管31は、補充ユニット22によって生成された希釈薬液よりも低温の気体を気泡発生ノズル347に供給する。気泡発生ノズル347に供給される気体は、たとえば、室温よりも低温の窒素ガスである。気泡発生ノズル347は、上流タンク18に貯留されている希釈薬液中に配置された複数の吐出口を含む。複数の吐出口は、冷却チューブ346の上端よりも下方に配置されている。
【0056】
気泡発生ノズル347は、上流タンク18に貯留されている希釈薬液中で気体を吐出することにより、希釈薬液中に多数の気泡を発生させる。気体配管31は、補充ユニット22によって生成された希釈薬液よりも低温の気体(窒素ガス)を気泡発生ノズル347に供給する。したがって、上流タンク18内の希釈薬液は、気泡との接触によって冷却される。さらに、気泡発生ノズル347によって形成された気泡は、冷却チューブ346の近傍を浮上し、冷却チューブ346の近傍の希釈薬液を撹拌する。これにより、上流タンク18内の希釈薬液が効率的に冷却される。さらに、上流タンク18内の希釈薬液が撹拌されるので、希釈薬液の温度のばらつきが低減される。
【0057】
[他の実施形態]
本発明の第1〜第3実施形態の説明は以上であるが、本発明は、前述の第1〜第3実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、第1〜第3実施形態では、事前冷却ユニットと最終冷却ユニットとが、別々のタンク内の希釈薬液を冷却する場合について説明したが、図10に示す薬液供給ユニット403のように、事前冷却ユニット23と最終冷却ユニット24は、共通のタンク(上流タンク18)内の希釈薬液を冷却してもよい。
【0058】
また、事前冷却ユニットと最終冷却ユニットとが別々のタンク内の希釈薬液を冷却する場合、薬液供給ユニットは、上流タンク内の希釈薬液を循環させながら冷却する循環冷却ユニットをさらに備えていてもよい。具体的には、図11に示す薬液供給ユニット503のように、循環冷却ユニット548は、上流バルブ21よりも上流側(上流タンク18側)で上流配管19と上流タンク18とを接続する循環配管37と、循環配管37の内部を開閉する循環バルブ38と、循環配管37内を流れる希釈薬液をろ過するフィルタ39と、循環配管37を流れる希釈薬液の温度を調節する温度調節装置40と、上流タンク18内の希釈薬液を循環配管37に送ると共に、循環配管37内の希釈薬液を上流タンク18に送る循環ポンプ41とを備えていてもよい。
【0059】
また、薬液供給ユニット503は、図11に示すように、基板Wに供給された希釈薬液を再利用するために、基板Wから排出された希釈薬液をカップ7内から回収して、回収された希釈薬液を上流タンク18に戻す回収ユニット549をさらに備えていてもよい。他の実施形態に係る薬液供給ユニットについても同様である。
また、第1〜第3実施形態に係る事前冷却ユニットのうちの少なくとも2つが組み合わされてもよい。たとえば、第1実施形態に係る事前冷却ユニットは、スプレーノズルおよび衝突部材に加えて、第3実施形態に係る冷却チューブをさらに備えていてもよい。
【0060】
また、第1〜第3実施形態では、最終冷却ユニットは、下流タンクの外部で希釈薬液を冷却する場合について説明したが、最終冷却ユニットは、下流タンクの内部で希釈薬液を冷却してもよい。
また、第1〜第3実施形態では、円板状の基板が処理対象の基板である場合について説明したが、多角形状の基板が処理対象の基板であってもよい。
【0061】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 :基板処理システム
2 :処理ユニット
3 :薬液供給ユニット(薬液供給装置)
14 :下流タンク(タンク)
18 :上流タンク(タンク)
22 :補充ユニット
23 :事前冷却ユニット
24 :最終冷却ユニット
30 :スプレーノズル(気体混合部材)
33 :衝突部材(接触部材、空中接触部材)
34 :冷媒流路
35 :冷媒供給配管
203 :薬液供給ユニット(薬液供給装置)
223 :事前冷却ユニット
242 :冷却トレイ(接触部材、空中接触部材)
303 :薬液供給ユニット(薬液供給装置)
323 :事前冷却ユニット
346 :冷却チューブ(接触部材、液中接触部材)
347 :気泡発生ノズル(気体混合部材)
403 :薬液供給ユニット(薬液供給装置)
503 :薬液供給ユニット(薬液供給装置)
W :基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11