【文献】
HONGYUAN ZHANG,IEEE802.11-11/1483RL - 11AH PREAMBLE FOR 2MHZ AND BEYOND,MARVELL [ONLINE],2011年11月 7日,URL,https://mentor.ieee.org/802.11/documents?n=2&is_group-00ah
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0007】
システムは、シングルユーザパケットである第1パケットの第1プリアンブルを生成する第1プリアンブル生成モジュールを備える。第1プリアンブルは、第1ショートトレーニングフィールド、第1ロングトレーニングフィールド、第1信号フィールドおよび第2信号フィールドを含む。第2プリアンブル生成モジュールは、マルチユーザパケットとしてフォーマットされたマルチユーザパケット、または、マルチユーザパケットとしてフォーマットされたシングルユーザパケットである第2パケットの第2プリアンブルを生成する。第2プリアンブルは、第1プリアンブルよりも長い。第2プリアンブルは、第2ショートトレーニングフィールド、第2ロングトレーニングフィールド、第3信号フィールド、および、第4信号フィールドを含む。変調モジュールは、第1プリアンブルの第1信号フィールドおよび第2信号フィールドのうちの少なくとも1つを、第2プリアンブルの第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの少なくとも1つとは異なる態様で変調する。
【0008】
別の特徴では、電気電子技術者協会(IEEE)が規定する802.11ah規格または802.11af規格に従ってサブ1GHzチャネルを介して送信されたパケットを受信したことに応じて、
受信機は、(i)第1信号フィールドと第3信号フィールドとの変調の違い、または、(ii)第2信号フィールドと第4信号フィールドとの変調の違いにより、受信したパケットが第1パケットであるかまたは第2パケットであるかを判断できる。 更に、受信機が、第1パケットを処理可能であるが第2パケットを処理不可能であり、受信機が第2パケットを受信した場合には、受信機は、第2プリアンブルの第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの少なくとも1つにより、(i)第2パケットの継続期間を特定し、(ii)第2パケットの継続期間の間はサブ1GHzチャネルにアクセスしない。
【0009】
別の特徴では、変調モジュールは、(i)第1プリアンブルの第1信号フィールドおよび第2信号フィールド、ならびに、(ii)第2プリアンブルの第3信号フィールドを、第1変調を用いて変調し、第2プリアンブルの第4信号フィールドを、第2変調を用いて変調する。
【0010】
別の特徴では、システムは、電気電子技術者協会(IEEE)が規定する802.11ah規格または802.11af規格に従ってサブ1GHzチャネルを介して基地局からの第1パケットおよび第2パケットのうちの少なくとも1つを送信する送信モジュールを更に備える。システムは更に、(i)第1信号フィールドと第3信号フィールドとの変調の違い、または、(ii)第2信号フィールドと第4信号フィールドとの変調の違いに基づいて、クライアント局が受信したパケットが第1パケットであるかまたは第2パケットであるかを判断する受信モジュールとを備える。
【0011】
別の特徴では、システムは、第1パケットを生成する第1パケット生成器を更に備える。第1パケットは、第1プリアンブル、第1の複数のロングトレーニングフィールド、および、シングルユーザに対するデータを含む第1データフィールドを含む。
【0012】
別の特徴では、システムは、第2パケットを生成する第2パケット生成器を更に備える。第2パケットは、第2プリアンブル、マルチユーザショートトレーニングフィールド、第2の複数のマルチユーザロングトレーニングフィールド、および、シングルユーザまたは複数のユーザに対するデータを含む第2データフィールドを含む。
【0013】
別の特徴では、第1プリアンブルの第1ロングトレーニングフィールドを生成する第1ロングトレーニングフィールド生成モジュールを更に備える。第1ロングトレーニングフィールドは、ダブルガードバンドを含み、ダブルガードバンドに続いて、第1ロングトレーニングシンボル、第1シングルガードバンドおよび第2ロングトレーニングシンボルを含む。
【0014】
別の特徴では、システムは、第2プリアンブルの第2ロングトレーニングフィールドを生成する第2ロングトレーニングフィールド生成モジュールを更に備える。第2ロングトレーニングフィールドは、ダブルガードバンドを含み、ダブルガードバンドに続いて、第1ロングトレーニングシンボル、第2シングルガードバンドおよび第3ロングトレーニングシンボルを含む。第2シングルガードバンドは、第1シングルガードバンドに対して位相シフトされている。第3ロングトレーニングシンボルは、第2ロングトレーニングシンボルに対して位相シフトされている。
【0015】
別の特徴では、システムは、電気電子技術者協会が規定する802.11ah規格または802.11af規格に従ってサブ1GHzチャネルを介して基地局からの第1パケットおよび第2パケットのうちの少なくとも1つを送信する送信モジュールを更に備える。システムは更に、i)第1シングルガードバンドと第2シングルガードバンドとの位相差、または、(ii)第2ロングトレーニングシンボルと第3ロングトレーニングシンボルとの位相差に基づいて、クライアント局が受信したパケットが第1パケットであるかまたは第2パケットであるかを判断する受信モジュールを備える。
【0016】
別の特徴では、第1プリアンブル生成モジュールは、第1信号フィールドにおけるビットを第1ステートに設定し、第2プリアンブル生成モジュールは、第3信号フィールドにおけるビットを第2ステートに設定する。第2ステートは、第1ステートとは反対のステートである。
【0017】
別の特徴では、第1信号フィールド、第2信号フィールド、第3信号フィールドおよび第4信号フィールドをエンコードするエンコードモジュールを更に備える。エンコードモジュールは、第1信号フィールドをデコードするためのデータを第1信号フィールドの終わりの部分に含め、第3信号フィールドをデコードするためのデータを第3信号フィールドの終わりの部分に含める。
【0018】
別の特徴では、システムは、電気電子技術者協会が規定する802.11ah規格または802.11af規格に従ってサブ1GHzチャネルを介して、基地局からの第1パケットおよび第2パケットのうちの少なくとも1つを送信する送信モジュールを更に備える。システムは更に、(i)第1信号フィールドの終わりの部分におけるデータに基づいて第1信号フィールドをデコードする、または、(ii)第3信号フィールドの終わりの部分におけるデータに基づいて第3信号フィールドをデコードし、第2信号フィールドまたは第4信号フィールドをデコードする前に、第1信号フィールドまたは第3信号フィールドにおけるビットのステートに基づいて、クライアント局が受信したパケットが、第1パケットであるかまたは第2パケットであるかを判断する、受信モジュールを備える。
【0019】
別の特徴では、システムは更に、(i)第1信号フィールドおよび第2信号フィールドをまとめてエンコードし、(ii)第3信号フィールドおよび第4信号フィールドをまとめてエンコードし、第1信号フィールドおよび第2信号フィールドをデコードするためのデータを第2信号フィールドの終わりの部分に含め、第3信号フィールドおよび第4信号フィールドをデコードするためのデータを第4信号フィールドの終わりの部分に含めるエンコードモジュールを備える。システムは更に、第2パケットを生成するパケット生成器を備える。第2パケットは、第2プリアンブル、マルチユーザショートトレーニングフィールド、複数のマルチユーザロングトレーニングフィールド、および、ペイロードを含む。マルチユーザショートトレーニングフィールドは、複数のシンボルの長さを有する。
【0020】
別の特徴では、システムは更に、電気電子技術者協会が規定する802.11ah規格または802.11af規格に従ってサブ1GHzチャネルを介して、基地局からの第1パケットおよび第2パケットのうちの少なくとも1つを送信する送信モジュールを備える。システムは更に、(i)第2信号フィールドの終わりの部分におけるデータに基づいて第1信号フィールドをデコードする、または、(ii)第4信号フィールドの終わりの部分におけるデータに基づいて第3信号フィールドをデコードし、第1信号フィールドまたは第3信号フィールドにおけるビットのステートに基づいて、クライアント局が受信したパケットが、第1パケットであるかまたは第2パケットであるかを判断する受信モジュールを備える。受信したパケットが第2パケットであると判断された場合には、マルチユーザショートトレーニングフィールドの長さによって、受信モジュールは、第2パケットの複数のロングトレーニングフィールドを受信する前に、受信モジュールの自動利得制御の利得をリセットする。
【0021】
別の特徴では、二位相偏移変調が用いられる場合には、変調モジュールは、使用されない(i)コンスタレーション軸または(ii)トーンに、情報を付加する。情報は、パケットが第1パケットであるかまたは第2パケットであるかを示す。
【0022】
別の特徴では、第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの少なくとも1つが、複数のユーザに対するユーザ固有情報を含み、第2パケットは、ユーザ固有情報を搬送するために、第2の複数のロングトレーニングフィールドに続く更なる信号フィールドを含まない。
【0023】
別の特徴では、ユーザ固有情報は、(i)物理層(PHY)モード、(ii)変調および符号化スキーム、(iii)複数のユーザの1ユーザ当たりのストリームの数を含む。
【0024】
別の特徴では、第2プリアンブル生成モジュールは、複数のユーザのそれぞれについてのユーザ固有情報を、第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの少なくとも1つ内の別のフィールドに格納する。
【0025】
別の特徴では、システムは、複数のユーザそれぞれについてのユーザ固有情報をまとめてエンコードするエンコードモジュールを更に備える。第2プリアンブル生成モジュールは、複数のユーザそれぞれについてのまとめてエンコードされたユーザ固有情報を、第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの少なくとも1つに格納する。
【0026】
別の特徴では、システムは、複数のユーザ全てについての、まとめてエンコードされたユーザ固有情報を圧縮するデータ圧縮モジュールを更に備える。第2プリアンブル生成モジュールは、複数のユーザ全てについての、圧縮されてまとめてエンコードされたユーザ固有情報を、第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの少なくとも1つに格納する。
【0027】
別の特徴では、第1プリアンブル生成モジュールは、第1信号フィールドおよび第2信号フィールドのうちの少なくとも1つに、長さフィールドを含む。長さフィールドは、第1パケットの第1データフィールドの長さを示す。第2プリアンブル生成モジュールは、第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの少なくとも1つに、継続期間フィールドを含む。継続期間フィールドは、第1パケットの第2データフィールドの継続期間を示す。
【0028】
別の特徴では、第1データフィールドの長さは、第1パケットの第1データフィールドに、バイト数の形式で示され、第2データフィールドの継続期間は、第2パケットの第2データフィールドに、シンボル数の形式で示される。
【0029】
別の特徴では、第2パケットの第2データフィールドの継続期間は、第2データフィールドに、シンボル数の形式で示される。システムは更に、電気電子技術者協会が規定する802.11ah規格または802.11af規格に従ってサブ1GHzチャネルを介して基地局からの第2パケットを送信する送信モジュールを備える。システムは更に、(i)第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの少なくとも1つにおけるバイト数、または、(ii)複数のユーザが使用するデータレートのうちの最も低いデータレートに基づいて、第2パケットの第2データフィールドの継続期間を特定する受信モジュールを備える。
【0030】
別の特徴では、第1周波数を有する第1クロック信号を生成するクロック生成モジュールを更に備える。第1周波数は、電気電子技術者協会が規定する802.11n規格または802.11ac規格に従って生成された第2クロック信号の第2クロック周波数より低い。第1プリアンブル生成モジュールは、第1クロック信号に基づいて、第1プリアンブルを生成する。第2プリアンブル生成モジュールは、第1クロック信号に基づいて、第2プリアンブルを生成する。
【0031】
本発明を適用可能な領域については、以下の詳細な説明、および、添付の特許請求の範囲並びに図面を参照することにより明らかとなるであろう。以下に記載される詳細な説明および具体的な例は、例示することのみを目的としており、本開示を限定することを意図していない。
【0032】
本開示は、以下の詳細な説明、および、添付の特許請求の範囲並びに図面から完全に理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0050】
IEEEによって規定された規格の一部では、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)を使用してパケットの送信を行うことができる。OFDMは、パケットが1人のユーザに対するデータを含むシングルユーザ(SU)モード、および、パケットが複数のユーザに対するデータを含むことができるマルチユーザ複数入力複数出力(MU−MIMO)モードをサポートしている。MU−MIMOモードでは、複数のアンテナを有する送信機が、異なる複数のユーザに送信される空間ストリームを1つのパケットでビーム形成する。
【0051】
OFDMパケットは、パケットが、シングルユーザ(SU)パケットか、マルチユーザ(MU)パケットかを示すプリアンブルを含む。SUパケットを処理可能なデバイスが、MUパケットを受信する場合(すなわち、デバイスが、MUパケットの意図されない受信装置となった場合)、デバイスは、プリアンブルに基づいて、パケットがMUパケットであるかを検出し、衝突を避けるために、MUパケットの期間、バックオフする(すなわち、データを送信しない)ことができる。
【0052】
しかしながら、プリアンブルのマルチユーザ部分は、シングルユーザパケットについては、不必要なオーバーヘッドおよび処理を付加することになる。IEEE802.11ah規格およびIEEE802.11af規格に準拠するWLANにおけるデバイスの一部は、MU−MIMOモードをサポートしていない場合がある。したがって、本開示は、オプションとして、MU−MIMOモードをサポートするIEEE802.11ah規格およびIEEE802.11af規格のプリアンブル設計を提案する。より詳細には、受信機がSUパケットとMUパケットの区別を容易にでき、パケットがSUパケットまたはMUパケットであるかを自動的に検出できるようなプリアンブル設計を提案する。プリアンブル設計には、パケットがSUパケットかMUパケットであるかを示すのに数多くの方法が存在する。この情報を利用して、受信機がSUパケットのみを処理可能であるように見せることができる。
【0053】
図1には、単入力単出力(SISO)OFDMレガシーデバイスに対する802.11a規格に準拠したパケット100が示されている。本開示において、接頭文字"L"は、レガシーデバイスのフィールドであることを意味する。パケット100は、プリアンブルおよびデータを含む。プリアンブルは、ショートトレーニングフィールド(L−STF)、ロングトレーニングフィールド(L−LTF)および信号フィールド(L−SIG)を含む。パケット100を受信する受信機は、次のようにプリアンブルを使用する。
【0054】
L−STFフィールドは、パケット検出、粗い周波数同期、および、受信機の自動利得制御(AGC)の利得設定に使用され、パケット100を処理する。L−LTFは、チャネル推定および精密な周波数同期に使用される。L−SIGは、パケット100におけるデータを変調するのに使用される変調および符号化スキーム(MCS)のような、物理層(PHY)パラメータを示すのに使用される。データは、L−SIGフィールドに示された変調および符号化スキーム(MCS)を使用して変調されたシングルストリームデータを含む。そして、受信機は、プリアンブルに基づいて、パケット100のデータを処理することができる。
【0055】
図2Aから
図2Cには、MIMO OFDMデバイスに対する、802.11n規格に準拠したパケット150および200が示されている。
図2Aにおいて、パケット150は、802.11n規格に準拠し、レガシー(802.11a)デバイスをサポートする(すなわち、後方互換性を有する)混合モード(mixed mode:MM)プリアンブルを含む。混合モードプリアンブルは、レガシー部分および高スループット(HT)部分を含み、(受信機においてAGC利得をリセットするための)それぞれ対応するSTFから開始している。
図2Bでは、パケット200は、802.11n規格に準拠し、グリーンフィールド(GFまたはHTのみ)プリアンブルを含む。言い換えると、802.11n規格は、混合(MM)モードプリアンブルおよびグリーンフィールド(GF)プリアンブルという2種類のプリアンブルをサポートする。
【0056】
図2Aでは、混合モードプリアンブルのレガシー部分は、L−STF、L−LTFおよびL−SIGフィールドを含む。更に、混合モードプリアンブルのレガシー部分は、HT−SIGフィールドを含む。HT−SIGフィールドは、パケット150内のデータの変調に称される変調および符号化スキーム(MCS)を示す。また、HT−SIGフィールドは、プリアンブルのHT部分において、後に続くロングトレーニングフィールド(LTF)の数を示す。
【0057】
プリアンブルのHT部分は、HT−SFT、および、データにおける空間ストリームの数(Nsts)の数に対応するロングトレーニングフィールド(LTF)の数を含む。一例として、データは、HT−SIGフィールドに示された変調および符号化スキーム(MCS)を使用して変調された2つの空間ストリームを含む。そして、プリアンブルのHT部分は、HT−STFに続く2つのLTF、HT−LTF1およびHT−LTF2を含む。レガシーデバイスがパケット150を受信すると、レガシーデバイスは、プリアンブルのレガシー部分をデコードして、当該プリアンブルのレガシー部分(例えば、L−SIGフィールドの最後の部分)に基づいてパケット150の継続期間を判断し、パケット150の継続期間の間バックオフを行う(すなわち、データを送信しない)。
【0058】
図2Bでは、パケット200は、GFプリアンブルとHTデータのみを含む。GFプリアンブルは、HT−GF−STF、HT−LTF1、HT−SIG、および、データにおける空間ストリームの数に対応する任意の更なるLTFを含む。一例として、データは、HT−SIGフィールドに示された変調および符号化スキーム(MCS)を使用して変調された2つの空間ストリームを含む。HT−SIGフィールドに続いて、HT−LTF2が含まれる。
【0059】
図2Cには、MIMO OFDMデバイスに対する802.11n規格に準拠するパケット250の一例が示されている。パケット250は、GFプリアンブルとHTデータのみを含む。GFプリアンブルは、HT−GF−STF、HT−LTF1、HT−SIG、および、データにおける空間ストリームの数に対応する任意の更なるLTFを含む。一例として、データは、HT−SIGフィールドに示された変調および符号化スキーム(MCS)を使用して変調された3つまたは4つの空間ストリームを含む。HT−SIGフィールドに続いて、3つのHT−LTF、HT−LTF2、HT−LTF3およびHT−LTF4が含まれる。
【0060】
図3Aおよび
図3Bには、802.11ac規格に準拠するパケット300が示されている。
図3Aにおいて、パケット300は、レガシー(802.11a)デバイスをサポートする(すなわち、後方互換性を有する)混合モード(mixed mode:MM)プリアンブルを含む。混合モードプリアンブルは、レガシー部分(共通部分)および超高スループット(Very High Throughput:VHT)部分(マルチユーザ(MU)部分)を含む。パケット300のプリアンブルは、パケット300がシングルユーザ(SU)802.11acパケットであろうと、マルチユーザ(MU)802.11acパケットであろうと、同じ構造を有する。共通部分は、L−STF、L−STFおよびL−SIGフィールドを含む。更に、共通部分は、第1の超高スループット(VHT)SIGフィールド、すなわち、VHTSIGAを含む。MU部分は、1つのVHTSTF、複数のVHTLTF、および、第2VHT SIGフィールドすなわちVHTSIGBを含む。
【0061】
パケット300がMUパケットである場合、VHTSIGAフィールドは、パケット300を受信するユーザに共通の能力を示し、VHTSIGBフィールドは、パケット300を受信するユーザ各々についての能力(例えば、MCS)を示す。パケット300を受信する受信機はそれぞれ、その他の受信装置に対するチャネルを決定することができる。パケット300を受信する一の受信機が複数のアンテナを有する場合、受信機は、その他の受信機のチャネルの情報に基づいて、その他の受信機に対するパケット300に含まれる信号によって発生する干渉を打ち消すことができる。
【0062】
パケット300がSUパケットである場合、VHTSIGAフィールドは、パケット300を受信するユーザの能力(例えば、MCS)を示す。パケット300はしかしながら、パケット300がSUパケットであるかMUパケットであるかに関係なく、VHTSIGBフィールドを含む。言いかえると、パケット300のプリアンブルは、パケット300がSUパケットであっても、MU部分を不必要に含んでいる。
【0063】
図3Bには、L−SIG、VHTSIGAおよびVHTSIGBフィールドにおけるシンボルの変調の例が示されている。一例として、VHTSIGAフィールドは、異なる変調方式で変調された2つのシンボルを含む。例えば、第1シンボルは、二位相偏移変調(binary phase shift keying:BPSK)を使用して変調され、第2シンボルは、QBPSK変調を使用して変調されてもよく、QBPSK変調は、BPSKに対して90°位相シフトされた変調である。反対に、
図2Aに示したパケット150では、HT−SIGフィールドにおけるシンボルは、同じ変調方式(例えば、BPSK)を使用して変調される。したがって、受信機は、レガシーフィールドに続くフィールドにおけるシンボルの変調(例えば、HT−SIGフィールドまたはVHTSIGAフィールドにおけるシンボルの変調)が、同じであるか(802.11nパケットであることを示す)または異なっているか(802.11acパケットであることを示す)によって、パケットが、802.11nパケットであるかまたは802.11acパケットであるかを判断することができる。
【0064】
802.11ahおよび802.11af規格では、多くのデバイスがマルチユーザMIMOモードをサポートしていないことから、MU−MIMOモードのサポートをオプションとしてのみ提供することによって、シングルユーザパケットのプリアンブル設計を単純化することができる。プリアンブルのMU部分は、MUパケットにのみ存在する。また、802.11ahおよび802.11af規格では、802.11n/ac規格と比較して非常に低い帯域幅を提供することから、本開示に示される802.11ahおよび802.11af規格に対するプリアンブル設計は、802.11n/ac規格のプリアンブルと比較してダウンクロックされている。すなわち、本開示に示される802.11ahおよび802.11af規格に対するプリアンブルを生成するのに使用されるクロックは、Nで割った値であり、ここでNは1より大きい整数である。例えば、N=10である。
【0065】
本開示に示される802.11ahおよび802.11af規格に対するプリアンブル設計で使用される基準は、次のとおりである。意図されないシングルユーザ(SU)受信機は、受信したパケットのプリアンブルの一部分のみをデコードし、パケットの継続期間を判断して、そのパケットの継続期間はバックオフする。意図されないSU受信機は、プリアンブルのMU部分全てをデコードする必要がない。そこで、プリアンブルのMU部分がなりすまし、SIGフィールドにおける情報に基づく正しいパケット継続期間をSU受信機に知らせ、SU受信機は、その正しいパケット継続期間の間、バックオフし、クリアチャネル評価(clear channel assessment:CCA)を確保することができる、MU−MIMO受信機またはSU受信機は、プリアンブルがMUプリアンブルかSUプリアンブルかを容易に自動検出することができる。
【0066】
詳細には、SUプリアンブルおよびMUプリアンブルに対する2つのオプションについて開示する。第1オプションでは、SUプリアンブルは、グリーンフィールドに基づき、複数のフィールドの1つのセグメントを含む。MUプリアンブルは、混合モードに基づき、MU部分の共通部分を含む。第2オプションでは、SUプリアンブルおよびMUプリアンブルは、混合モードに基づく。これらのオプションについて詳細に説明する前に、本開示に従うプリアンブルを生成し、これらプリアンブルを含むパケットを送信する基地局、および、パケットを受信しこれらプリアンブルを処理するクライアント局について説明する。
【0067】
図4には、本開示に従うWLAN400が示されている。WLAN400は、802.11ahおよび802.11af規格に従って動作する。WLAN400は、基地局402、および、複数のクライアント局404−1、・・・404−Nを含み、ここで、Nは1より大きい整数である(クライアント局404と総称する)。基地局402およびクライアント局404は、802.11ahおよび802.11af規格に準拠する。
【0068】
基地局402は、複数のアンテナ406−1、・・・406−Nを含み、ここで、Nは1より大きい整数である(アンテナ406と総称する)。基地局402は、物理層(PHY)408、媒体アクセス制御(MAC)410およびプロセッサ412を有する。PHY408は、アンテナ406を介して無線チャネルと通信を行う送信機(TX)414および受信機(RX)416を含む。送信機414および受信機416は、送受信機と称される場合もある。
【0069】
PHY408は、送信機414によって送信されるデータをエンコードおよび変調し、受信機416によって受信されるデータを復調およびデコードする。MAC410は、PHY408の無線チャネルへのアクセスを制御する。プロセッサ412は、送信機414によって送信されるデータおよび受信機416によって受信されるデータを処理する。プロセッサ412は更に、基地局402のその他の機能を実行する。
【0070】
クライアント局404−1は、複数のアンテナ426−1、・・・426−Nを含み、ここで、Nは1以上の整数である(アンテナ426と総称する)。基地局404−1は、物理層(PHY)428、媒体アクセス制御(MAC)430およびプロセッサ432を有する。PHY428は、アンテナ426を介して無線チャネルと通信を行う送信機(TX)434および受信機(RX)436を含む。送信機434および受信機436は、送受信機と称される場合もある。
【0071】
PHY428は、送信機434によって送信されるデータをエンコードおよび変調し、受信機436によって受信されるデータを復調およびデコードする。MAC430は、PHY428の無線チャネルへのアクセスを制御する。プロセッサ432は、送信機434によって送信されるデータおよび受信機436によって受信されるデータを処理する。プロセッサ432は更に、基地局404−1のその他の機能を実行する。その他のクライアント局404のうちの1以上が、クライアント404−1と同様であってもよい。その他のクライアント局404のうちの1以上が、1つのアンテナまたは複数のアンテナを有してもよい。
【0072】
図5には、基地局402が詳細に示されている。PHY408は、クロック生成モジュール450、プリアンブル生成モジュール452、パケット生成モジュール454、送信モジュール456を備える。クロック生成モジュール450は、プリアンブル生成モジュール452およびパケット生成モジュール454が使用するクロック信号を生成する。クロック生成モジュール450は、基地局402のその他の構成要素が使用するクロック信号も生成する。プリアンブル生成モジュール452は、以下に詳細に説明するようにプリアンブルを生成する。パケット生成モジュール454は、プリアンブル生成モジュール452によって生成されるプリアンブルを含むパケットを生成する。送信モジュール456は、パケット生成モジュール454が生成したパケットを送信する。例えば、送信モジュール456は、送信機414を含んでもよい。
【0073】
図6には、クライアント局404のうちの1つが詳細に示されている。PHY428は、復調モジュール470、デコードモジュール472、自動利得制御(AGC)モジュール474、ペイロード処理モジュール476、チャネル推定モジュール478および同期モジュール480を備える。復調モジュール470は、PHY428が受信したパケットを復調する。具体的には、復調モジュール470は最初に、パケットのプリアンブルの一部分を復調して、以下に詳細に説明するように、パケットがSUパケットかMUパケットであるかを判断する。デコードモジュール472は、パケットをデコードする。具体的には、デコードモジュール472は、最初に、パケットのプリアンブルの一部分のみをデコードし、パケットの継続期間を判断して、必要であれば、以下に詳細に説明するようにそのパケットの継続期間はバックオフする。AGCモジュール474は、PHY428の構成要素の利得を調整する。
【0074】
チャネル推定モジュール478は、パケットのプリアンブルの一部分に基づいてチャネル推定を生成し、フィードバックをAGCモジュール474に提供する。AGCモジュール474は、チャネル推定に基づいて利得を制御して、ペイロード処理モジュール476が適切にパケットを処理できるようにする。同期モジュール480は、パケットのプリアンブルの一部分に基づいて周波数同期を実行して、ペイロード処理モジュール476が適切にパケットを処理できるようにする。
【0075】
図7には、基地局402のPHY408が詳細に示されている。PHY408は、第1プリアンブル生成モジュール500、第2プリアンブル生成モジュール502、変調モジュール504、第1パケット生成モジュール506、第2パケット生成モジュール508、第1ロングトレーニングフィールド(LTF)生成モジュール510、第2LTF生成モジュール512、エンコードモジュール514、データ圧縮モジュール516および送信モジュール456を備える。これらモジュールそれぞれの動作は、更なる図面を参照して以下で説明される。
【0076】
図8Aから
図8Cを参照して、本開示の第1オプションに従うプリアンブル設計について示す。
図8Aには、グリーンフィールドモードに基づくSUプリアンブルを含むシングルユーザ(SU)パケット600が示されている。
図8Bには、混合モードに基づくMUプリアンブルを含むMUパケット650が示されている。
図8Cには、混合モードに基づくMUプリアンブルを含むパケット690が示されている。
【0077】
図8Aでは、SUプリアンブルは、ショートトレーニングフィールド(STF)を1つのみ含む。SUプリアンブルは、レガシー部分を含まない。SUプリアンブルは、STF、LTF1、VHTSIGA1フィールド、VHTSIGA2フィールドおよび残りのLTFを含む。SUプリアンブルの後には、VHTデータが続く。
【0078】
図8Bでは、MUプリアンブルは、共通部分およびMU部分を含む。共通部分は、STF、LTF1、VHTSIGA1フィールドおよびVHTSIGA2フィールドを含む。MU部分は、MU−STFから始まり、VHTSIGA1およびVHTSIGA2フィールド(VHTSIGAフィールドと総称する)が続く。MU部分は、パケットがアドレスされる全てのユーザの全ての空間ストリームをトレーニングするMU−STF、MULTF(すなわち、VHTLTF)、および、必要に応じて(点線で示されている)VHTSIGBフィールドを含む。MUプリアンブルの後ろには、MUデータが続く。
【0079】
SUプリアンブルおよびMUプリアンブルにおけるVHTSIGAフィールドは、SU受信機およびMU受信機の両方がデコード可能である。SU受信機が、MUパケット650を受信する場合、SU受信機はVHTSIGAフィールドをデコードし、MUパケット650の継続期間を判断し、MUパケット650の継続期間の間はバックオフする。
【0080】
SUかMUかを示す情報(すなわち、パケットがSUパケットかMUパケットであるか)は、以下に説明するように様々な態様で、SUプリアンブルおよびMUプリアンブルのVHTSIGAフィールドに示される。基本的には、SU/MUを示す情報は、受信機に対して、MUSTFフィールドがプリアンブルに存在するかを示す。したがって、意図されない受信機(例えば、MUパケット650を受信するSU受信機)および意図した受信機(例えば、SUパケット600を受信するSU受信機またはMUパケット650を受信するMU受信機)は、受信したパケットがSUパケット600またはMUパケット650かを自動検出することができる。SU/MUを示す情報は、意図されない受信機に対して、正確なパケット継続期間になりすますことができる。意図したMU受信機は、MUSTFに基づいて、AGCの利得をリセットをする準備をすることができる。
【0081】
図8Cでは、MUプリアンブルの共通部分は、必要に応じて、VHTSIG1フィールドおよびVHTSIG2フィールドに対してプリペンド(prepend)されたレガシー信号フィールドLSIG(またはVHTSIG0)を含んでもよい。VHTSIG0、VHTSIG1、VHTSIG2を、SU/MUを示す情報を提供し、意図されない受信機に正確なパケット継続期間でスプーフするのに使用してもよい。
【0082】
図9Aから
図9Cに示すように、VHTSIGAフィールドを異なるように変調することによって、SU/MUを示す情報を提供することができる。
図9Aには、802.11aパケット700のプリアンブルが示されている。
図9Bには、グリーンフィールドモードに基づくSUプリアンブルを含むシングルユーザ(SU)パケット720が示されている。
図9Cには、混合モードに基づくMUプリアンブルを含むMUパケット750が示されている。
【0083】
802.11aプリアンブルは、GFモードに基づくSUプリアンブルと共に使用することにより、802.11ahおよび802.11afWLANで使用可能であってもよい。SU/MU検出は、VHTSIGA2フィールドに基づく。例えば、
図7に示すように、基地局402の変調モジュール504は、二位相偏移変調(binary phase shift keying:BPSK)を使用して802.11aパケット700のプリアンブルのおけるレガシー信号フィールドLSIGを変調してもよい。変調モジュール504は、QBPSK変調を使用してSUパケット720のSUプリアンブルにおけるVHTSIGA1フィールドおよびVHTSIGA2フィールドを変調してもよく、QBPSK変調は、BPSKに対して90°位相シフトされた変調である。変調モジュール504は、それぞれQBPSK変調およびBPSK変調を使用して、MUパケット750のMUプリアンブルの共通部分におけるVHTSIGA1フィールドおよびVHTSIGA2フィールドを変調してもよい。このように、SUパケット720のSUプリアンブルにおけるVHTSIGA2フィールドは、MUパケット750のMUプリアンブルの共通部分におけるVHTSIGA2フィールドとは異なって変調される。変調の違いは、受信機に対して、受信したパケットがSUパケット720であるかMUパケット750であるかを示す。
【0084】
上記のような変調の違いを提供するSUプリアンブルおよびMUプリアンブルにおけるVHTSIGAフィールドの変調に使用されるその他の変調の組み合わせについて記載する。例えば、MUプリアンブルでは、VHTSIGA1−BPSKとVHTSIGA2−QBPSK(11ah/11afに平行して規定されている11aプリアンブルが存在しない場合)、VHTSIGA1−QBPSKとVHTSIGA2−QBPSK、VHTSIGA1−BPSKとVHTSIGA2−BPSK(11ah/11afに平行して規定されている11aプリアンブルが存在しない場合)、および、VHTSIGA1−QBPSKとVHTSIGA2−BPSK。SUプリアンブルでは、VHTSIGAにおける少なくとも1つのシンボルが、MUプリアンブルとは異なって変調される。
【0085】
すなわち、SUプリアンブルおよびMUプリアンブルにおけるVHTSIGAフィールドは、異なる態様で変調されるので、MUプリアンブルにおけるVHTSIGA1フィールドおよび/またはVHTSIGA2フィールドの変調は、SUプリアンブルにおける対応するフィールドに対して位相シフト(例えば、90°)いるようにすることができる。例えば、SUプリアンブルおよびMUプリアンブルにおけるVHTSIGAフィールドは、次に示すような態様のうちの1つで変調されてもよい。(1)SU→VHTSIGA1−BPSK、VHTSIGA2−QBPSK、MU→VHTSIGA1−QBPSK、VHTSIGA2−(Q)BPSK、(2)SU→VHTSIGA1−BPSK、VHTSIGA2−QBPSK、MU→VHTSIGA1−BPSK、VHTSIGA2−BPSK、(3)SU→VHTSIGA1−QBPSK、VHTSIGA2−QBPSK、MU→VHTSIGA1−BPSK、VHTSIGA2−(Q)BPSK、(4)SU→VHTSIGA1−QBPSK、VHTSIGA2−QBPSK、MU→VHTSIGA1−QBPSK、VHTSIGA2−BPSK、(5)SU→VHTSIGA1−BPSK、VHTSIGA2−BPSK、MU→VHTSIGA1−QBPSK、VHTSIGA2−(Q)BPSK、(6)SU→VHTSIGA1−BPSK、VHTSIGA2−BPSK、MU→VHTSIGA1−BPSK、VHTSIGA2−QBPSK、(7)SU→VHTSIGA1−QBPSK、VHTSIGA2−BPSK、MU→VHTSIGA1−BPSK、VHTSIGA2−(Q)BPSK、および、(8)SU→VHTSIGA1−QBPSK、VHTSIGA2−BPSK、MU→VHTSIGA1−QBPSK、VHTSIGA2−QBPSK。
図7に示す変調モジュール504は、これらの変調を実行する。
【0086】
受信機がSU受信機であるかMU受信機であるかに関わらず、VHTSIGAフィールドをデコードする前に、受信機は、受信したパケットがSUパケットであるかMUパケットであるかを検出する必要があり、それによって、受信機はマルチユーザショートトレーニングフィールド(MUSTF)が、VHTSIGAフィールドフィールドに続くのか(およびVHTSIGBフィールドが全てのMULTF(全てのVHTLTF)の後に続くのか)を知ることができる。
【0087】
図10A、
図10Bおよび
図10Cに示すように、802.11aプリアンブル(すなわち、
図10Aに示すレガシーパケット800)が平行に許可され、MUプリアンブルが3つのSIGシンボル(すなわち、
図10Cに示すようにLSIGフィールドも含む)を含む場合、SUであるかMUであるかを示す情報が、MUパケット850のLSIG/VHTSIGA0フィールドとVHTSIGA1フィールドの両方に含まれる。したがって、受信機は、受信したパケットがSUパケット820であるかまたはMUパケット850であるかを自動検出する。
【0088】
次に、
図11Aおよび
図11Bに示すように、SUであるかMUであるかを示す情報を提供する更なる態様について説明する。上記したVHTSIGA変調に加えてまたは替えて、3つの態様を使用することができる。例えば、ロングトレーニングフィールドLTF1を使用して、SU/MUを示す情報を提供してもよい。
図11Aでは、SUプリアンブルのLTF1フィールドが示されている。
図11Bには、MUプリアンブルのLTF1フィールドが示されている。
【0089】
図11Aでは、SUプリアンブルのLTF1フィールドは、ダブルガードインターバル(GI)、第1LTFシンボル(LTS)、シングルGIおよび第2LTSを含む。
図11Bでは、MUプリアンブルのLTF1フィールドは、ダブルGI、第1LTS、シングルGIおよび第2LTSを含む。MUプリアンブルのLTF1フィールドにおけるシングルGIおよび第2LTSは、SUプリアンブルのLTF1フィールドにおけるシングルGIおよび第2LTSに対して位相シフトされている(例えば、180°)。この位相差によって、受信機は、受信したパケットがSUパケットであるかMUパケットであるかを自動検出することができる。
【0090】
SUプリアンブルのLTF1フィールドにおけるGIおよびLTSは、時間ドメインで、MUプリアンブルのLTF1フィールドにおけるGIおよびLTSと並べられる。更に、SUプリアンブルおよびMUプリアンブルの両方におけるLTF1にわたって維持され、チャネル推定および精度の良い周波数同期が可能となる。
図7において、第1LTF生成モジュール510は、SUプリアンブルのLTF1を生成し、第2LTF生成モジュール512は、MUプリアンブルのLTF1を生成する。
【0091】
図12Aおよび
図12Bを参照して、SU/MUを示す情報を提供する更なるオプションについて説明する。上記したVHTSIGA変調および/またはLTF1の使用に加えてまたは替えて、これらのオプションを使用することができる。
図12Aでは、SU/MUを示す情報は、VHTSIGA1フィールドに提供されてもよい。
図12Bでは、SU/MUを示す情報は、VHTSIGA2フィールドに提供されてもよい。
【0092】
図12Aでは、VHTSIGA1フィールドをデコードするのに必要な情報が、VHTSIGA1フィールドの終わりの部分に含まれてもよく、それにより、受信機は、VHTSIGA2フィールドをデコードする前にVHTSIGA1フィールドをデコードすることができる。例えば、エンコードモジュール514(
図7に示す)が、情報は、VHTSIGA1フィールドをエンコードするのにブロック畳み込み符号(Block Convolutional code:BCC)を使用する場合、情報は、6ビットテールを含んでもよい。SU/MUを示す情報は、SU/MUビットまたはグループID(GID)フィールドの形式で、VHTSIGA1フィールドに含められていてもよい。例えば、SU/MUビットは、VHTSIGA1フィールドの一番初めのビットであってもよい(すなわち、一番目のVHTSIGAシンボルの一番目のビット)。GIDフィールドは、全て0または全て1のビットとした場合にSUパケットを、その他の値の場合にはMUパケットを示すようにしてもよい。VHTSIGA2の前にVHTSIGA1をデコードすることにより、受信機は、マルチユーザSTF(MUSTF)であるかを知ることができ、場合によっては、VHTSIGBフィールドが続くかを知ることができる。したがって、MUSTFを受信すると受信機は、AGC利得をリセットする準備ができる。
【0093】
図12Bでは、VHTSIGA1フィールドおよびVHTSIGA2フィールドをデコードするのに必要な情報が、VHTSIGA2フィールドの終わりの部分に含まれてもよい。例えば、エンコーダモジュール514は、VHTSIGA2フィールドの終わりの部分に、1つの6ビットテールを含んでもよい。これにより、受信機は、MUSTFであるか否か、および、場合によっては、VHTSIGA2フィールドをデコードした後にのみVHTSIGBフィールドが続くかを知ることができる。直後のMUSTFに基づいてAGC利得をリセットするのに十分な時間を受信機に与えるために、MUSTFはシングルシンボルではなく、ダブルシンボルとなっている。MUSTFは、OFDMシンボル2つ分の期間を有するので、MU受信機は、VHTSIGAをデコードし、受信したパケットがSUパケットであるかMUパケットであるかを判断し、パケットがMUパケットである場合にはMUSTFに基づいてAGC利得をリセットするのに十分な時間を有する。
図7に示す第2プリアンブル生成モジュール502が、ダブルシンボルを有するMUSTFを生成する。
【0094】
SUであるかMUであるかを示す情報を提供する更なるオプションについて説明する。
図7に示す変調モジュール504は、MUパケットにおける使用されていないコンスタレーション軸またはVHTSIGAのトーンに、更なる情報を付加することができる。例えば、第1オプションでは、変調モジュール504は、SUパケット内のVHTSIGAをBPSKまたはQBPSKで変調する。すなわち、コンスタレーションポイントの全ての信号エネルギーは、IレールまたはQレールである。変調モジュール504は、MUパケットにおけるVHTSIGAに対して同じ変調を使用して、更に、一部のまたは全てのデータ/パイロットトーンに対して、その他に使用されている軸において、より弱いシーケンスを適用してもよい。受信機がパケット受信すると、受信機は、更なる情報を相関づけして、相関が閾値以上である場合にはパケットがMUパケットであり、相関が閾値未満である場合にはパケットがSUパケットであると判断する。
【0095】
第2オプションでは、変調モジュール504は、SUパケットおよびMUパケットにおけるVHTSIGAを次のように変調する。SUパケットおよびMUパケットにおいて、SUプリアンブルおよびMUプリアンブルのVHTSIGAフィールドは、SU/MUを示す情報のような情報を搬送するデータトーン(サブキャリア)の同じセットを使用する。複数のガードトーンが、データトーンのセットの両端を囲む。SUパケットにおいて(より詳細には、SUプリアンブルにおいて)、変調モジュール504は、VHTSIGAのデータトーンを変調するが、データトーンの両側のガードトーンは変調しない。MUパケットにおいて(より詳細には、MUプリアンブルにおいて)、変調モジュール504は、データトーンの両側のガードトーンは変調しない。例えば、変調モジュール504は、バンドの両側に配置された2つのガードトーンに、固定されたコンスタレーションを適用する。受信機は、使用されていないコンスタレーション軸に更なる情報が存在するかしないかに基づいて、または、ガードトーンが変調されているかいないか(すなわち使用されていない)に基づいて、受信パケットがSUパケットであるかMUパケットであるかを検出することができる。
【0096】
VHTSIGAサブフィールドの更なる設計について以下に説明する。設計は、VHTSIGAサブフィールドにおける6ビットテール、VHTSIGAサブフィールド間のビット割り当て、MUデータレートを示す情報、および、パケット長さ/期間を示す情報のような情報の配置に関する。
【0097】
VHTSIGAフィールドは、SUプリアンブルおよびMUプリアンブルにおいて、802.11ah/af規格で可能なPHY機能に基づいて精密な調整を行った802.11nHTSIGフィールドおよび/または802.11acVHTSIGAフィールドの位置に配置される。例えば、PHY機能は、複数の空間ストリーム、PHYモード等を含む。SUプリアンブルおよびMUプリアンブルのVHTSIGAフィールドは、802.11n/ac規格と比較して、少ないビットを有する。これは、以下に説明するように、VHTSIGAフィールドは、LENGTH(長さ)フィールドを含む可能性が低いからである。更に、802.11ah/af規格は、802.11n/ac規格と比較して、データレートに関しての選択肢が少ない。更に、データレートを示すのに使用されるVHTSIGAフィールドのビットの数は、802.11n/ac規格よりも少ない。
【0098】
VHTSIGAフィールドは、フィールドの終わりの部分に1つの6ビットテールを有してもよい、または、各VHTSIGAシンボルが自身の6ビットテールを有して、受信機は、VHTSIGAフィールドをシンボル毎にデコードして、PHY情報の一部を早く取得してもよい(例えば、SU/MUを示す情報を取得して、VHTSIGAに続いてMUSTFが存在するかを判断する)。VHTSIGAフィールドは、PHYの機能全ての情報ビットを搬送するのに必要な、任意の数のシンボルを含んでもよい。例えば、VHTSIGAフィールドは、2つのシンボル(LSIG/VHTSIGA0を含まない)または3つのシンボル(LSIG/VHTSIGA0を含む)を含んでもよい。例えば、SUプリアンブルは、2シンボルVHTSIGA(すなわち、VHTSIG1およびVHTSIG2)を含んでもよく、MUプリアンブルは、3シンボル共通SIGフィールド(すなわち、SIG/VHTSIGA0、VHTSIG1およびVHTSIG2)を含んでもよい。
【0099】
図13Aから
図13Dを参照して、共通SIGフィールド(例えば、2または3シンボル)における様々なビット割り当てについて説明する。図示の例では、3つのシンボルが示されている。
図13Aでは、LSIG/VHTSIGA0は6テールビットおよびパリティチェックで終了しているので、受信機は、VHTSIGAの前にLSIGを完全にデコードすることができる。
図13Bでは、全てのSIGシンボルがまとめてエンコードされ、これらの間でまとめてビットが割り当てられる。共にエンコードされたSIGシンボルは、VHTSIGAフィールドの終わり部分に1つの6ビットテール有して終了する。
図13Cでは、LSIG/VHTSIGAにおけるシンボルはそれぞれ、6ビットテールで終わるので、受信機は、SU/MUを早期に検出するために、PHY情報をシンボル毎にデコードしてもよい。更なる変形例(例えば、
図13Dを参照)が可能である。VHTSIGAフィールドが2シンボルを含む場合、1つの6テールビットを、VHTSIGAフィールドの終わりに含めてもよい、または、シンボルそれぞれが自身のテールビットを有してもよい。
【0100】
パケットの長さおよび継続期間を示すための、VHTSIGA(2シンボルまたは3シンボル)におけるサブフィールドの配置について説明する。LSIG/VHTSIGAフィールドは、ビット数でパケットの長さ(またはペイロード)を示すLENGTHサブフィールドを含んでもよい。これに替えて、LSIG/VHTSIGAフィールドは、OFDMシンボルの数でパケットの継続期間(またはペイロード)を示すDURATIONサブフィールドを含んでもよい。実際のパケット継続期間は、LENGTHサブフィールドにおける情報とMCS/レートサブフィールドにおける情報とを組み合わせて使用することにより特定することができる。
【0101】
MUプリアンブルが、LSIG/VHTSIGAフィールドにおいて3シンボルを使用する場合は、L−LENGTHサブフィールドおよびL−レートサブフィールドをLSIGフィールドで使用してパケット継続期間を示すことができ、残りのマルチユーザPHY情報ビット(全てのユーザに共通)は、VHTSIGAの残りの2シンボルによって搬送される。
【0102】
その他のビット割り当てについても考える。例えば、SUプリアンブルはLENGTHサブフィールドを使用し、MUプリアンブルはDURATIONサブフィールドを使用してもよい。マルチユーザの場合、データの長さはユーザ毎に異なることから、パケット継続期間は、長さフィールドよりも期間フィールドを使用することによってより正確に特定することができる。マルチユーザの場合のパケット継続期間が、MCS/レートサブフィールドからの長さサブフィールドおよびデータレートを使用して決定される場合、全データレートのうちの最も遅いものを使用して、意図されない受信機がMUパケットの終わりまでバックオフするのを確かにする。VHTSIGBフィールドが使用される場合およびユーザ毎のMCS情報がVHTSIGBフィールドに存在する場合、MUプリアンブルにおいてパケット期間をユーザに示すのに、VHTSIGAフィールドにおいて"継続期間フィールド"が使用される。
【0103】
図14を参照して、1ユーザ当たりのNsts(すなわち、空間−時間ストリームまたは空間ストリームの数)およびMCS情報を、VHTSIGAフィールド内で割り当てることができ、それにより、VHTSIGBフィールドが必要なくなり、MUプリアンブルから削除することができるまたは必要に応じて設けることができる。例えば、MUクライアントはそれぞれ、802.11acよりも少ないNstsおよび小さいデータレートを可能にしてもよい。LSIG/VHTSIGAフィールドは、例えば、少ないPHYモード、可能であればビット長を短くする、VHTSIGAの終わり部分のシングル6ビットテールを1つのみにする(LSIGにテールビットが存在しない)等によって、より多くの自由なビットを有してもよい。1ユーザ当たりのNstsおよびMCS情報を、VHTSIGBフィールドから移動させて、多くの異なる態様でVHTSIGAフィールド内に割り当てることができる。
【0104】
第1オプションでは、図示するように、各ユーザに対するNstsおよびMCS情報は、VHTSIGAフィールド内の異なるフィールドに列挙されてもよい。図示の例では、多くても4人のユーザ(u0からu3)が許可され、Nsts=2/ユーザ、MCSs=MCS0−MCS7/空間ストリーム/ユーザである。第2オプションでは、
図7に示す符号化モジュール514は、各ユーザのNsts+MCSを一緒に、各ユーザに対する"MCS"と称されるルックアップテーブルにエンコードしてもよく、このルックアップテーブルを、VHTSIGAフィールド内にユーザ毎に1つ1つ列挙してもよい。第3オプションでは、符号化モジュール514は、全ユーザのNsts+MCSをまとめて符号化して、
図7に示すデータ圧縮モジュール516が、VHTSIGAフィールドにおけるルックアップテーブルに符号化した情報を圧縮してもよい。
【0105】
いわゆる"MUプリアンブル"は、実際には、SUパケットとして使用されてもよい。例えば、マルチユーザグループでは、送信するデータを有するユーザが1人である場合が存在する。したがって、MUパケットは、MUプリアンブル形式を使用しながら、1ユーザのデータのみを送信する。言い換えると、以下に記載するMUの場合は、MUプリアンブル形式を再利用してSU送信が実行される場合を含む。したがって、本開示では、SUプリアンブルおよびMUプリアンブルはそれぞれ、"ショートプリアンブル"および"ロングプリアンブル"と称されてもよい。すなわち、SUプリアンブルの長さおよび継続期間は、MUプリアンブルよりも短い。
【0106】
図15Aおよび
図15Bを参照して、本開示の第2オプションに従ったプリアンブル設計が示されている。
図15Aでは、混合モードに基づいてSUプリアンブルを含むシングルユーザ(SU)パケット900が示されている。
図15Bでは、混合モードに基づいてMUプリアンブルを含むMUパケット950が示されている。
【0107】
図15Aでは、SUプリアンブルは、レガシー部分およびHT部分を含む。レガシー部分は、L−STF、L−LTF、L−SIG、および、VHTSIGA1およびVHTSIGA2を含むVHTSIGAフィールドを含む。HT部分は、VHTSIGA1フィールドおよびVHTSIGA2フィールド(VHTSIGAフィールドと総称する)に続くVHTSTFから開始する。HT部分は、VHTSTFおよびVHTLTFを含む。SUプリアンブルの次には、VHTデータが続く。
【0108】
図15Bでは、MUプリアンブルは、共通部分およびMU部分を含む。共通部分は、L−STF、L−LTF、L−SIG、VHTSIGA1およびVHTSIGA2を含む。MU部分は、VHTSIGAフィールドに続く、VHTSTFで開始する。MU部分は、パケットの送信先である全ユーザの全空間ストリームをトレーニングするVHTSTF並びにVHTLTF、および、必要に応じて(点線で示されている)VHTSIGBフィールドを含む。MUプリアンブルの後には、VHTデータが続く。
【0109】
SU/MUを示す情報が、VHTSIGAフィールドまたはLSIGフィールドに提供される。意図されない受信機(例えば、SUのみの受信機)および意図した受信機は、受信したパケットがSUパケット900またはMUパケット950であるかを、SUプリアンブルまたはMUプリアンブルにおけるLSIGフィールドまたはVHTSIGAフィールドをデコードすることにより検出することができる。
【0110】
SUプリアンブルMUプリアンブルの両方が、混合モードであり、VHTSTFで開始される第2部分を有する。言い換えると、SUプリアンブルおよびMUプリアンブルは、一定のフォーマットを有する。したがって、SU/MUを示す情報は、VHTSIGAコンスタレーションを回転させることによって提供する必要はない。
【0111】
SU/MUを示す情報を提供するべく、VHTSIGA1およびVHTSIGA2は、異なる態様で変調することができる。例えば、VHTSIGA1−BPSKとVHTSIGA2−QBPSK、VHTSIGA1−QBPSKとVHTSIGA2−QBPSK、VHTSIGA1−BPSKとVHTSIGA2−BPSK(802.11ah/802.11afに平行して規定されている802.11aプリアンブルが存在しない場合)、または、VHTSIGA1−QBPSKとVHTSIGA2−BPSKが挙げられる。
【0112】
第2オプションに係るプリアンブル設計のVHTSIGAサブフィールドの更なる設計は、第1オプションで説明したものと同様であり、その説明を省略する。第1オプションに係るプリアンブル設計の説明で記載したVHTSIGAの内容は、第2オプションに係るプリアンブル設計におけるLSIGフィールドにも適用可能であり、したがって、その説明を省略する。
【0113】
第1オプションに係るプリアンブル設計であるか第2オプションに係るプリアンブル設計であるかにかかわらず、
図7に示す基地局402および
図6に示すクライアント局404は、次のように動作する。第1プリアンブル生成モジュール500は、第1パケットに対して第1プリアンブルを生成する。第1パケットはシングルユーザパケットである。第1プリアンブルは、(i)第1ショートトレーニングフィールド、(ii)第1ロングトレーニングフィールド、(iii)第1信号フィールドおよび(iv)第2信号フィールドを含む。第2プリアンブル生成モジュール502は、第2パケットに対して第2プリアンブルを生成する。第2プリアンブルは、第1プリアンブルよりも長い。第2パケットは、マルチユーザパケットである。第2プリアンブルは、(i)第2ショートトレーニングフィールド、(ii)第2ロングトレーニングフィールド、(iii)第3信号フィールドおよび(iv)第4信号フィールドを含む。一実装形態では、変調モジュール504は、第1プリアンブルの(i)第1信号フィールドおよび(ii)第2信号フィールドのうちの少なくとも1つを、第2プリアンブルの(i)第3信号フィールドおよび(ii)第4信号フィールドのうちの少なくとも1つとは異なる態様で変調する。
【0114】
電気電子技術者協会(IEEE)が規定する802.11ahまたは802.11af規格に従って、サブ1GHzで送信されたパケットを受信したことに応じて、(i)第1信号フィールドと第3信号フィールドとの変調の違い、または、(ii)第2信号フィールドと第4信号フィールドとの変調の違いにより、受信機は、受信したパケットが第1パケットであるか第2パケットであるかを判断することができる。更に、第2パケットではなく、第1パケットを処理可能な受信機に応じて、および、第2パケットを受信する受信機に応じて、第2プリアンブルの第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの少なくとも1つによって、受信機は、(i)第2パケットの継続期間を特定することができ、(ii)第2パケットの継続期間の間は、サブ1GHzチャネルにアクセスしないようにすることができる。
【0115】
一例として、変調モジュール504は、(i)第1プリアンブルの第1信号フィールド並びに第2信号フィールド、および、(ii)第2プリアンブルの第3信号フィールドを第1変調を使用して変調し、第2プリアンブルの第4信号フィールドを第2変調を使用して変調する。
【0116】
送信モジュール456は、電気電子技術者協会(IEEE)が規定する802.11ahまたは802.11af規格に従って、サブ1GHzで、基地局402からの第1パケットおよび第2パケットのうちの少なくとも1つを送信する。受信モジュール(例えば、PHY428)は、クライアント局(例えば、クライアント局404)から受信したパケットが、第1パケットまたは第2パケットであるかを、(i)第1信号フィールドと第3信号フィールドとの変調の違い、または、(ii)第2信号フィールドと第4信号フィールドとの変調の違いに基づいて判断する。
【0117】
第1パケット生成モジュール506は、第1パケットを生成する。第1パケットは、第1プリアンブル、第1の複数のロングトレーニングフィールド、および、シングル(1人の)ユーザに対するデータを含む第1データフィールドを含む。第2パケット生成モジュール508は、第2パケットを生成する。第2パケットは、第2プリアンブル、マルチユーザショートトレーニングフィールド、第2の複数のロングトレーニングフィールド、および、複数のユーザに対するデータまたはマルチユーザ形式を使用してデータを送信するシングルユーザに対するデータを含む第2データフィールドを含む。
【0118】
別の実装形態では、第1ロングトレーニングフィールド生成モジュール510は、第1プリアンブルの第1ロングトレーニングフィールドを生成する。第1ロングトレーニングフィールドは、ダブルガードバンドを含み、これに続いて、第1ロングトレーニングシンボル、第1シングルガードバンド、および、第2ロングトレーニングシンボルを含む。第2ロングトレーニングフィールド生成モジュール512は、第2プリアンブルの第2ロングトレーニングフィールドを生成する。第2ロングトレーニングフィールドは、ダブルガードバンドを含み、これに続いて、第1ロングトレーニングシンボル、第2シングルガードバンド、および、第3ロングトレーニングシンボルを含む。第2シングルガードバンドは、第1シングルガードバンドに対して位相シフトされている。第3ロングトレーニングシンボルは、第2ロングトレーニングシンボルに対して位相シフトされている。受信モジュール(例えば、PHY428)は、クライアント局(例えば、クライアント局404)が受信したパケットが第1パケットであるかまたは第2パケットであるかを、(i)第1シングルガードバンドと第2シングルガードバンドとの位相差、(ii)第2ロングトレーニングフィールドと第3ロングトレーニングフィールドとの位相差に基づいて判断する。
【0119】
別の実装形態では、第1プリアンブル生成モジュール500は、第1信号フィールドのビットを第1ステート(状態)に設定する。第2プリアンブル生成モジュール502は、第3信号フィールドのビットを第2ステートに設定する。第2ステートは、第1ステートとは反対のステートである。エンコードモジュール514は、第1信号フィールド、第2信号フィールド、第3信号フィールドおよび第4信号フィールドをエンコードし、第1信号フィールドの終わりに第1信号フィールドをデコードするデータを含み、第3信号フィールドの終わりに第3信号フィールドをデコードするデータを含む。受信モジュール(例えば、PHY428)は、(i)第1信号フィールドの終わりの部分におけるデータに基づいて第1信号フィールドをデコードする、または、(ii)第3信号フィールドの終わりの部分におけるデータに基づいて第3信号フィールドをデコードし、第2信号フィールドまたは第4信号フィールドをデコードする前に、第1信号フィールドまたは第3信号フィールドのビットのステートに基づいて、クライアント局(例えば、クライアント局404)が受信したパケットが第1パケットであるか第2パケットであるかを判断する。
【0120】
ある実装形態では、エンコードモジュール514は、(i)第1信号フィールドおよび第2信号フィールドを共にエンコードし、(ii)第3信号フィールドおよび第4信号フィールドを共にエンコードし、第2信号フィールドの終わりの部分に第1信号フィールドおよび第2信号フィールドをデコードするためのデータを含み、第4信号フィールドの終わりの部分に第3信号フィールドおよび第4信号フィールドをデコードするためのデータを含む。第2パケット生成モジュール508は、第2パケットを生成する。第2パケットは、第2プリアンブル、マルチユーザショートトレーニングフィールド、複数のマルチユーザロングトレーニングフィールド、および、ペイロードを含む。マルチユーザショートトレーニングフィールドは、複数のシンボルの長さを有する。受信モジュール(例えば、PHY428)は、(i)第2信号フィールドの終わりの部分におけるデータに基づいて第1信号フィールドをデコードする、または、(ii)第4信号フィールドの終わりの部分におけるデータに基づいて第3信号フィールドをデコードし、第1信号フィールドまたは第3信号フィールドのビットのステートに基づいて、クライアント局(例えば、クライアント局404)が受信したパケットが第1パケットであるか第2パケットであるかを判断する。受信したパケットが第2パケットであると判断された場合には、マルチユーザショートトレーニングフィールドの長さによって、受信モジュールは、第2パケットの複数のロングトレーニングフィールドを受信する前に、受信モジュールの自動利得制御の利得をリセットすることができる。
【0121】
別の実装形態では、二位相偏移変調を使用する場合に、変調モジュール504は、使用されない(i)コンスタレーション軸または(ii)トーンに情報を付加し、この情報は、パケットが第1パケットであるか第2パケットであるかを示す。
【0122】
別の実装形態では、第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの少なくとも1つが、マルチユーザに対するユーザ固有情報を含み、第2パケットは、ユーザ固有の情報を搬送するために、第2の複数のロングトレーニングフィールドに続く更なる信号フィールドを含まない。ユーザ固有情報は、(i)物理層(PHY)モード、(ii)変調および符号化スキーム、(iii)複数ユーザの1ユーザあたりのストリームの数を含む。第2プリアンブル生成モジュール502は、複数のユーザのそれぞれについてユーザ固有情報を、第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの少なくとも1つに格納する。エンコーダモジュール514は、複数のユーザそれぞれについてのユーザ固有情報をまとめてエンコードする。第2プリアンブル生成モジュール502は、複数のユーザそれぞれについての、まとめてエンコードされたユーザ固有情報を、第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの少なくとも1つに格納する。データ圧縮モジュール516は、複数のユーザ全てについて、エンコードされたユーザ固有情報をまとめて圧縮する。第2プリアンブル生成モジュール502は、複数のユーザ全てについての、圧縮され、まとめてエンコードされたユーザ固有の情報を、第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの1つに格納する。
【0123】
別の実装形態では、第1プリアンブル生成モジュール500は、第1信号フィールドおよび第2信号フィールドのうちの少なくとも1つに長さフィールドを含み、この長さフィールドは、第1パケットの第1データフィールドの長さを示す。第2プリアンブル生成モジュール502は、第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの少なくとも1つに継続期間フィールドを含み、継続期間フィールドは、第1パケットの第2データフィールドの継続期間を示す。第1データフィールドの長さは、第1パケットの第1データフィールドに、バイト数の形式で示される。第2データフィールドの継続期間は、第2パケットの第2データフィールドにおいて、シンボル数の形式で示される。ある実装形態では、第2パケットの第2データフィールドの継続期間は、第2データフィールドにおいて、バイト数で表される。受信モジュール(例えば、PHY428)は、(i)第3信号フィールドおよび第4信号フィールドのうちの少なくとも1つにおけるバイト数、および、(ii)複数のユーザによって使用されるデータレートの最も低い値に基づいて、第2パケットの第2データフィールドの継続期間を判断する。
【0124】
クロック生成モジュール450(
図5に示す)は、第1周波数を有する第1クロック信号を生成する。第1周波数は、電気電子技術者協会(IEEE)が規定する802.11nまたは802.11ac規格に従って生成された第2クロック信号の第2クロック周波数より低い。一例として、第1周波数は、第2周波数の10分の1である。第1プリアンブル生成モジュール500は、第1クロック信号に基づいて、第1プリアンブルを生成する。第2プリアンブル生成モジュール502は、第1クロック信号に基づいて、第2プリアンブルを生成する。
【0125】
次に、
図16には、本開示に係るプリアンブルを生成し、本開示に係るプリアンブルを含むパケットを送信する方法1000が示されている。方法1000は、基地局402によって実装されてもよい。段階1002において、制御は、シングルユーザ(SU)パケットまたはマルチユーザ(MU)パケットを送信すべきか判断する。段階1004において、SUパケットを送信すべきと判断した場合、制御は、第1変調(例えば、QBPSK)を使用して、SUプリアンブルにおけるVHTSIGAフィールド(例えば、VHTSIGA1およびVHTSIGA2)の第1および第2サブフィールド(シンボル)を変調する。段階1006において、SUプリアンブルを含むSUパケットを、802.11ahまたは802.11af規格に従って、サブ1GHzチャネルで、送信する。段階1008において、MUパケットを送信すべきと判断した場合、制御は、第1変調(例えば、QBPSK)を使用して、MUプリアンブルにおけるVHTSIGAフィールドの第1サブフィールド(シンボル)(例えば、VHTSIGA1)を変調し、第2変調(例えば、BPSK)を使用して、MUプリアンブルにおけるVHTSIGAフィールドの第2サブフィールド(シンボル)(例えば、VHTSIGA2)を変調する。段階1010において、制御は、MUプリアンブルを含むMUパケットを、802.11ahまたは802.11af規格に従って、サブ1GHzチャネルで、送信する。
【0126】
図17には、本開示に係るプリアンブルを含むパケットが、SUパケットであるかMUパケットであるかを自動的に検出する方法1100が示されている。段階1102において、制御は、802.11ahまたは802.11af規格に従って、サブ1GHzチャネルで送信されたパケットを受信したかを判断する。段階1104において、制御は、プリアンブルの一部分(例えば、プリアンブルにおけるVHTSIGAフィールド(例えば、VHTSIGA1)の第2サブフィールド(シンボル)の変調に基づいて)、パケットがSUパケットであるかMUパケットであるかを自動検出する。段階1106において、パケットの種類に基づいて、受信機が、パケットの意図された受信装置であるか、パケットの意図されない受信装置であるかを判断する。段階1108において、受信機がパケットの意図された受信装置である場合(例えば、SU受信機がSUパケットを受信する場合、または、MU受信機がMUパケットを受信する場合)、制御はパケットを通常通りに処理する。段階1110において、受信機がパケットの意図されない受信装置である場合(例えば、SU受信機がMUパケットを受信する場合)、制御は、プリアンブルの一部分に基づいてパケットの継続期間を判断し、そのパケットの継続期間の間はバックオフする。
【0127】
上記の説明は、単なる例に過ぎず、本開示の内容、用途または使用を限定することを意図していない。本開示の幅広い教示を、様々な形式で実装可能である。したがって、本開示は特定の例を含むが、本開示の真の範囲はこれら特定の例に限定されず、図面、明細書および添付の特許請求の範囲を参照することにより、その他の変形例が明らかとなるであろう。説明を明確にすることを目的として、図面において同様な要素には同じ参照番号が付与されている。本明細書で使用されている、"A、BおよびCのうちの少なくとも1つ"という表現は、非排他的論理ORを使用して、論理の(AまたはBまたはC)という意味に解釈されるべきである。法の段階は、本開示の原理を変更することなく、異なる順番で(または同時に)実行されてもよいことは明らかである。
【0128】
また、本明細書で使用されている"モジュール"という言葉は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、組み合わせ論理回路、フィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、コードを実行する(共有、専用またはグループ)プロセッサ、上記の機能を提供するその他の好適な構成要素、または、システムオンチップのような、上記の一部または全ての組み合わせを、または、これらの一部を意味する。また、モジュール"という言葉は、プロセッサによって実行されるコードを格納する(共有、専用、または、グループ)メモリを含む場合がある。
【0129】
上記で使用されている"コード"という言葉は、ソフトウェア、ファームウェアおよび/またはマイクロコードを含む場合があり、プログラム、ルーチン、機能、分類および/またはオブジェクトを意味する場合がある。上記で使用されている"共有"という言葉は、1つの(共有)プロセさを使用して、複数のモジュールからのコードの一部または全てを実行可能であることを意味する。更に、複数のモジュールからのコードの一部または全ては、1つの(共有)メモリによって格納されてもよい。上記で使用した"グループ"という言葉は、1つのモジュールからのコードの一部または全てを、複数のプロセッサからなるグループを使用して実行してもよいことを意味する。更に、1つのモジュールからのコードの一部または全てを、複数のメモリからなるグループを使用して格納してもよい。
【0130】
本明細書に記載される装置および方法は、1以上のプロセッサによって実行される1以上のコンピュータプログラムによって実装されてもよい。コンピュータプログラムは、一時的でない有形コンピュータ可読媒体に格納されるプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムはまた、格納されたデータを含んでもよい。一時的でない有形コンピュータ可読媒体の非制限的例として、不揮発性メモリ、磁気記憶装置および光学記憶装置が挙げられる。