(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016185
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】水槽付きキャビネット
(51)【国際特許分類】
A47B 77/06 20060101AFI20161013BHJP
A47B 77/16 20060101ALI20161013BHJP
A47B 88/20 20060101ALI20161013BHJP
A47K 1/00 20060101ALI20161013BHJP
E03C 1/18 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
A47B77/06
A47B77/16
A47B88/20
A47K1/00 S
E03C1/18
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-80111(P2012-80111)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-208244(P2013-208244A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2015年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】古來 幸二
【審査官】
蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−279204(JP,A)
【文献】
特開2007−135616(JP,A)
【文献】
特開平08−140769(JP,A)
【文献】
特開2006−247848(JP,A)
【文献】
特開2008−054803(JP,A)
【文献】
実開昭61−126954(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 77/00−77/18
A47B 88/00−88/22
A47K 1/00
E03C 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き出し収納部を有するキャビネットと、前記キャビネットの上部に設けられる水槽と、を備えた水槽付きキャビネットにおいて、
前記引き出し収納部の前板の裏面に、説明書を出し入れするための開口部を一側面に有する偏平な保管部を設けてなり、
前記保管部は、前記説明書がほぼ収まる深さを備えるとともに、前記保管部の開口部であって前記前板と反対側の部分には前記保管部に収めた説明書の端部を指で摘むことが可能な凹部を設け、
前記保管部の上部に、保管部に水が入るのを防止するカバーを設けたことを特徴とする水槽付きキャビネット。
【請求項2】
収納部と、収納部を閉じる扉と、を有するキャビネットと、前記キャビネットの上部に設けられる水槽と、を備えた水槽付きキャビネットにおいて、
前記扉の裏面に、説明書を出し入れするための開口部を少なくとも一側面に有する偏平な保管部を設けてなり、
前記保管部は、前記説明書がほぼ収まる深さを備えるとともに、前記保管部の開口部であって前記扉と反対側の部分には前記保管部に収めた説明書の端部を指で摘むことが可能な凹部を設け、
前記保管部の上部に、保管部に水が入るのを防止するカバーを設けたことを特徴とする水槽付きキャビネット。
【請求項3】
前記カバーに落ちた水を保管部外に導く導水路を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の水槽付きキャビネット。
【請求項4】
引き出し収納部を有する引き出しを備えたキャビネットと、前記キャビネットの上部に設けられる水槽と、を備えた水槽付きキャビネットにおいて、
前記引き出しの前板の裏面に、説明書を出し入れするための開口部を一側面に有する偏平な保管部を設けてなり、
前記開口部を前記保管部の上部に設け、
前記保管部は、前記説明書がほぼ収まる深さを備えるとともに、前記保管部の開口部であって前記前板と反対側の部分には前記保管部に収めた説明書の端部を指で摘むことが可能な凹部を設け、
前記保管部と前記引き出しの前板の間に、前記前板を伝い落ちる水を前記保管部外に導く導水路を設けたことを特徴とする水槽付きキャビネット。
【請求項5】
収納部と、収納部を閉じる扉と、を有するキャビネットと、前記キャビネットの上部に設けられる水槽と、を備えた水槽付きキャビネットにおいて、
前記扉の裏面に、説明書を出し入れするための開口部を少なくとも一側面に有する偏平な保管部を設けてなり、
前記開口部を前記保管部の上部に設け、
前記保管部は、前記説明書がほぼ収まる深さを備えるとともに、前記保管部の開口部であって前記扉と反対側の部分には前記保管部に収めた説明書の端部を指で摘むことが可能な凹部を設け、
前記保管部と前記扉の間に、前記扉を伝い落ちる水を前記保管部外に導く導水路を設けたことを特徴とする水槽付きキャビネット。
【請求項6】
引き出し収納部を有するキャビネットと、前記キャビネットの上部に設けられる水槽と、を備えた水槽付きキャビネットにおいて、
前記引き出し収納部の仕切り部材に、説明書を出し入れするための開口部を上面に設けた保管部を形成してなり、
前記保管部は、前記説明書がほぼ収まる深さを備えるとともに、前記保管部の開口部には前記保管部に収めた説明書の端部を指で摘むことが可能な凹部を設け、
前記保管部の上部に、保管部に水が入るのを防止するカバーを設けたことを特徴とする水槽付きキャビネット。
【請求項7】
収納部と、収納部を閉じる扉と、を有するキャビネットと、前記キャビネットの上部に設けられる水槽と、を備えた水槽付きキャビネットにおいて、
前記収納部の内面に、説明書を出し入れするための開口部を少なくとも一側面に有する偏平な保管部を設けてなり、
前記保管部は、前記説明書がほぼ収まる深さを備えるとともに、前記保管部の開口部であって前記収納部の内部を向く部分には前記保管部に収めた説明書の端部を指で摘むことが可能な凹部を設け、
前記保管部の上部に、保管部に水が入るのを防止するカバーを設けたことを特徴とする水槽付きキャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面化粧台、システムキッチン、手洗い器などの水槽付きキャビネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開平10−155672号公報の
図7によれば、洗面化粧台の扉の裏側にゴミ箱を設けたものが開示されている。ゴミ箱はゴミを入れるために開口部が広くなっており、またゴミを収納するためには、容積を大きくとらなければならない。このようなゴミ箱は、ゴミを入れる以外にも利用することができる。例えば、ゴミ箱の容器形状を利用して、説明書などを保管することが考えられる。しかし、元々がゴミ箱であるから収納容積を大きくとってしまい、キャビネット内の収納スペースを小さくしてしまうばかりか、水槽付きキャビネットの説明書などは、複数枚の紙でできており、このような薄いものを収納するには、不便である。説明書を立てかけて収納しようとすると、説明書が滑って折れ曲がり、必要なときに説明書を取り出そうとしても、保管部内に入り込んでしまい、説明書が摘みずらく取りにくい。また説明書に曲げ癖がついてしまい、必要なときに説明書を取り出す際には、倒れこんだ説明書を摘みにくくなり取り出しにくいなどの問題がある。また、曲げ癖がついた説明書がキャビネット内の収納部を占有してしまう場合には、キャビネット内に収納している収納物品を取り出す際に、説明書が邪魔になってしまうなどの問題もある。
このような問題は、洗面化粧台に限らず、システムキッチンや手洗い器などの水槽付きのキャビネットに共通している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−155672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、水槽付きキャビネットの取扱説明書を取り出しやすい位置に、収納の邪魔にならないように保管することができる水槽付きキャビネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するために、請求項1では、引き出し収納部を有するキャビネットと、前記キャビネットの上部に設けられる水槽と、を備えた水槽付きキャビネットにおいて、前記引き出し
収納部の前板の裏面に、説明書を出し入れするための開口部を一側面に有する偏平な保管部を設けてなり、前記保管部は、前記説明書がほぼ収まる深さを備えるとともに、前記保管部の開口部であって前記前板と反対側の部分には前記保管部に収めた説明書の端部を指で摘むことが可能な凹部を設け、
前記保管部の上部に、保管部に水が入るのを防止するカバーを設けたことを特徴とする。
なお、ここで、「一側面」とは、保管部の上面、左側面、右側面のいずれかを指すものである。
【0006】
これによれば、水槽付きキャビネットの説明書を、引き出しの前板の裏側の保管部に保管するので、必要な際にはすぐに取り出すことができ、収納部に収納物を詰め込んでいても、収納物を一旦取り出すことなく説明書を出し入れすることができる。また、保管部は偏平形状なので、薄い説明書の場合にも保管部に説明書を立て掛けるように納めても説明書が滑って折れ曲がって保管部にもぐりこんでしまうことがなく、また曲げ癖がつくことがなく、長期にわたって説明書を保管することができ、曲げ癖がついた説明書が引き出し収納部を占有することがないので、収納物の出し入れの際に説明書が邪魔になることがない。しかも、開口部に設けた凹部によって説明書の端部を摘みやすくなっているので、説明書の取り出しは容易である。
また、引き出しを開ききらずに説明書を出し入れすることが可能なので、立っている位置を変えて引き出しを引く必要がないので、説明書の出し入れ作業が簡単である。
また、これによれば、水槽付きキャビネットでの手洗い、洗顔、洗髪行為や洗い物、調理時などの際に万一水垂れが生じて、扉や引き出し前板に水が伝い落ちても、カバーによって説明書を保管している保管部に、垂れた伝い水が入ることがないので、説明書が水に濡れるのを防止することができる。
【0007】
また、上記した課題を解決するために、請求項2では、収納部と、収納部を閉じる扉と、を有するキャビネットと、前記キャビネットの上部に設けられる水槽と、を備えた水槽付きキャビネットにおいて、前記扉の裏面に、説明書を出し入れするための開口部を少なくとも一側面に有する偏平な保管部を設けてなり、前記保管部は、前記説明書がほぼ収まる深さを備えるとともに、前記保管部の開口部であって前記扉と反対側の部分には前記保管部に収めた説明書の端部を指で摘むことが可能な凹部を設け
、前記保管部の上部に、保管部に水が入るのを防止するカバーを設けたことを特徴とする。
【0008】
これによれば、水槽付きキャビネットの説明書を、扉裏側の保管部に保管するので、必要な際にはすぐに取り出すことができ、収納部に収納物を詰め込んでいても、収納物を一旦取り出すことなく説明書を出し入れすることができる。また、保管部は偏平形状なので、薄い説明書の場合にも保管部に説明書を立て掛けるように納めても説明書が滑って折れ曲がって保管部にもぐりこんでしまうことがなく、また曲げ癖がつくことがなく、長期にわたって説明書を保管することができ、曲げ癖がついた説明書が引き出し収納部を占有することがないので、収納物の出し入れの際に説明書が邪魔になることがない。しかも、開口部に設けた凹部によって説明書の端部を摘みやすくなっているので、説明書の取り出しは容易である。
また、扉を全開することなく、開口部に設けた凹部によって容易に出し入れすることができる。
また、これによれば、水槽付きキャビネットでの手洗い、洗顔、洗髪行為や洗い物、調理時などの際に万一水垂れが生じて、扉や引き出し前板に水が伝い落ちても、カバーによって説明書を保管している保管部に、垂れた伝い水が入ることがないので、説明書が水に濡れるのを防止することができる。
【0011】
請求項
3では、請求項
1又は2において、前記保管部と前記引き出しの前板の間に、前記前板を伝い落ちる水を前記保管部外に導く導水路を設けたことを特徴とする。
【0012】
これによれば、カバーに落ちた水は導水路によって保管部外に導かれるので、保管部上に水が溜まることがないから、説明書の出し入れの際にカバーに触れても水で濡れることがない。
【0013】
請求項
4では、
引き出し収納部を有する引き出しを備えたキャビネットと、前記キャビネットの上部に設けられる水槽と、を備えた水槽付きキャビネットにおいて、前記引き出しの前板の裏面に、説明書を出し入れするための開口部を一側面に有する偏平な保管部を設けてなり、前記開口部を前記保管部の上部に設け、
前記保管部は、前記説明書がほぼ収まる深さを備えるとともに、前記保管部の開口部であって前記前板と反対側の部分には前記保管部に収めた説明書の端部を指で摘むことが可能な凹部を設け、前記保管部と前記引き出しの前板の間に、前記前板を伝い落ちる水を前記保管部外に導く導水路を設けたことを特徴とする。
【0014】
これによれば、水槽付きキャビネットの説明書を、引き出しの前板の裏側の保管部に保管するので、必要な際にはすぐに取り出すことができ、収納部に収納物を詰め込んでいても、収納物を一旦取り出すことなく説明書を出し入れすることができる。また、保管部は偏平形状なので、薄い説明書の場合にも保管部に説明書を立て掛けるように納めても説明書が滑って折れ曲がって保管部にもぐりこんでしまうことがなく、また曲げ癖がつくことがなく、長期にわたって説明書を保管することができ、曲げ癖がついた説明書が引き出し収納部を占有することがないので、収納物の出し入れの際に説明書が邪魔になることがない。しかも、開口部に設けた凹部によって説明書の端部を摘みやすくなっているので、説明書の取り出しは容易である。
また、引き出しを開ききらずに説明書を出し入れすることが可能なので、立っている位置を変えて引き出しを引く必要がないので、説明書の出し入れ作業が簡単である。
また、これによれば、引き出し前板に水が伝い落ちても、保管部と前板の間に空間が設けられた導水路によって、水は保管部外に導かれる。そして保管部に入ることがないので、説明書が水に濡れるのを防止することができる。
【0015】
請求項
5では、
収納部と、収納部を閉じる扉と、を有するキャビネットと、前記キャビネットの上部に設けられる水槽と、を備えた水槽付きキャビネットにおいて、前記扉の裏面に、説明書を出し入れするための開口部を少なくとも一側面に有する偏平な保管部を設けてなり、前記開口部を前記保管部の上部に設け、
前記保管部は、前記説明書がほぼ収まる深さを備えるとともに、前記保管部の開口部であって前記扉と反対側の部分には前記保管部に収めた説明書の端部を指で摘むことが可能な凹部を設け、前記保管部と前記扉の間に、前記扉を伝い落ちる水を前記保管部外に導く導水路を設けたことを特徴とする。
【0016】
これによれば、水槽付きキャビネットの説明書を、扉裏側の保管部に保管するので、必要な際にはすぐに取り出すことができ、収納部に収納物を詰め込んでいても、収納物を一旦取り出すことなく説明書を出し入れすることができる。また、保管部は偏平形状なので、薄い説明書の場合にも保管部に説明書を立て掛けるように納めても説明書が滑って折れ曲がって保管部にもぐりこんでしまうことがなく、また曲げ癖がつくことがなく、長期にわたって説明書を保管することができ、曲げ癖がついた説明書が引き出し収納部を占有することがないので、収納物の出し入れの際に説明書が邪魔になることがない。しかも、開口部に設けた凹部によって説明書の端部を摘みやすくなっているので、説明書の取り出しは容易である。
また、扉を全開することなく、開口部に設けた凹部によって容易に出し入れすることができる。
また、これによれば、扉に水が伝い落ちても、保管部と扉の間に空間が設けられた導水路によって、水は保管部外に導かれる。そして保管部に入ることがないので、説明書が水に濡れるのを防止することができる。
【0017】
また、上記した課題を解決するために、請求項
6では、引き出し収納部を有するキャビネットと、前記キャビネットの上部に設けられる水槽と、を備えた水槽付きキャビネットにおいて、前記引き出し
収納部の仕切り部材に、説明書を出し入れするための開口部を上面に設けた保管部を形成してなり、前記保管部は、前記説明書がほぼ収まる深さを備えるとともに、前記保管部の開口部には前記保管部に収めた説明書の端部を指で摘むことが可能な凹部を設け
、前記保管部の上部に、保管部に水が入るのを防止するカバーを設けたことを特徴とする。
【0018】
これによれば、水槽付きキャビネットの説明書を、引き出しの仕切り部材に設けた保管部に保管するので、必要な際にはすぐに取り出すことができ、収納部に収納物を詰め込んでいても、収納物を一旦取り出すことなく説明書を出し入れすることができる。また、保管部は偏平形状なので、薄い説明書の場合にも保管部に説明書を立て掛けるように納めても説明書が滑って折れ曲がって保管部にもぐりこんでしまうことがなく、また曲げ癖がつくことがなく、長期にわたって説明書を保管することができ、曲げ癖がついた説明書が引き出し収納部を占有することがないので、収納物の出し入れの際に説明書が邪魔になることがない。しかも、開口部に設けた凹部によって説明書の端部を摘みやすくなっているので、説明書の取り出しは容易である。
このように、収納物品を仕切りながら、デッドスペースを有効に活用し、また収納物品の取り出しに影響しないばかりか、説明書を取り出す際にも、収納物品を動かすことなく、出し入れすることができる。
また、これによれば、水槽付きキャビネットでの手洗い、洗顔、洗髪行為や洗い物、調理時などの際に万一水垂れが生じて、扉や引き出し前板に水が伝い落ちても、カバーによって説明書を保管している保管部に、垂れた伝い水が入ることがないので、説明書が水に濡れるのを防止することができる。
【0019】
また、上記した課題を解決するために、請求項
7では、収納部と、収納部を閉じる扉と、を有するキャビネットと、前記キャビネットの上部に設けられる水槽と、を備えた水槽付きキャビネットにおいて、前記収納部の内面に、説明書を出し入れするための開口部を少なくとも一側面に有する偏平な保管部を設けてなり、前記保管部は、前記説明書がほぼ収まる深さを備えるとともに、前記保管部の開口部であって前記収納部の内部を向く部分には前記保管部に収めた説明書の端部を指で摘むことが可能な凹部を設け
、前記保管部の上部に、保管部に水が入るのを防止するカバーを設けたことを特徴とする。
【0020】
これによれば、水槽付きキャビネットの説明書を、キャビネットの側板に設けた保管部に保管するので、必要な際にはすぐに取り出すことができ、収納部に収納物を詰め込んでいても、収納物を一旦取り出すことなく説明書を出し入れすることができる。また、保管部は偏平形状なので、薄い説明書の場合にも保管部に説明書を立て掛けるように納めても説明書が滑って折れ曲がって保管部にもぐりこんでしまうことがなく、また曲げ癖がつくことがなく、長期にわたって説明書を保管することができ、曲げ癖がついた説明書が引き出し収納部を占有することがないので、収納物の出し入れの際に説明書が邪魔になることがない。しかも、開口部に設けた凹部によって説明書の端部を摘みやすくなっているので、説明書の取り出しは容易である。
このように、キャビネット側板部分のデッドスペースを有効に活用しつつ、収納物品の取り出しに影響しないばかりか、説明書を取り出す際にも、収納物品を動かすことなく出し入れすることができる。
また、これによれば、水槽付きキャビネットでの手洗い、洗顔、洗髪行為や洗い物、調理時などの際に万一水垂れが生じて、扉や引き出し前板に水が伝い落ちても、カバーによって説明書を保管している保管部に、垂れた伝い水が入ることがないので、説明書が水に濡れるのを防止することができる
【0021】
なお、水槽付きキャビネットの近くで使用する他の説明書(例えば、水槽付きキャビネットで使用する水栓金具や、水槽付きキャビネットの上方に配置される化粧キャビネットや化粧キャビネットの周りのキャビネットなどの説明書類、その他キッチンキャビネットでは、フードや調理機器などの機器類の説明書類)を、保管部に収めることも可能である。その場合には、説明書類をまとめて保管することができる。また、説明書類を立てて保管するため、各説明書を取り出す際には取り出し易い。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、水槽付きキャビネットの取扱説明書を取り出しやすい位置に、収納の邪魔にならないように保管することができる水槽付きキャビネットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第一の実施形態にかかる洗面化粧台の引き出しを開けた状態を示す側面図である。
【
図2】
図1の洗面化粧台の引き出しを示す断面図ある。
【
図3】
図1の洗面化粧台の引き出しに収納物品を収納した状態を示す断面図である。
【
図4】
図1の洗面化粧台の保管部を示す斜視図である。
【
図6】
図1の洗面化粧台から説明書を取り出す状態を示す側面図である。
【
図7】第一の実施形態の変形例にかかる洗面化粧台の引き出しを示す断面図である。
【
図8】
図7の引き出しの前板を後方から眺めた模式的背面図である。
【
図9】本発明の第二の実施形態にかかる洗面化粧台の扉を開いた状態を示す斜視図である。
【
図10】
図9の洗面化粧台の保管部を示す斜視図である。
【
図11】第二の実施形態の変形例にかかる洗面化粧台の扉を後方から眺めた模式的背面図である。
【
図12】第二の実施形態の別の変形例にかかる洗面化粧台を示す断面図である。
【
図13】
図12に示す洗面化粧台の保管部を示す斜視図である。
【
図14】本発明の第三の実施形態にかかる洗面化粧台の引き出しを示す上面図である。
【
図15】本発明の第四の実施形態にかかる洗面化粧台を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、異なる実施形態であっても同じ構成については、同じ符号を付し、その説明を省く。
なお、水槽付きキャビネットとして、代表的に洗面化粧台を例に用いて説明する。
【0025】
まず、
図1〜
図6に基づいて、第一の実施形態を説明する。
図1は洗面化粧台の引き出しを開けた状態を示す側面図、
図2は洗面化粧台の引き出しを示す断面図、
図3は洗面化粧台の引き出しに収納物品を収納した状態を示す断面図、
図4は洗面化粧台の保管部を示す斜視図である。また、
図5は保管部の変形例を示す斜視図、
図6は
図1の洗面化粧台から説明書を取り出す状態を示す側面図である。
【0026】
図1に示すように、洗面化粧台100は物品を収納するための収納部があるキャビネット110と、キャビネット110の上部に水槽120がある。収納部は、引き出し収納部111であり、引き出し収納部111の前面側に前板112を取付けている。前板112には引き出し収納部111を開閉するための、手かけ部分113(例えば取っ手)がある。そして、
図2に示すように、前板112には、前板112の裏面に沿うように保管部130を取付けている。保管部130には、洗面化粧台100の取扱説明書150(以下説明書と記す)が収納されている(
図4(b)参照)。保管部130は奥行き方向に薄くなっている。奥行き方向に薄くなっていることで、引き出し収納部111のスペースを損なうことなく薄い冊子状の説明書150を収納できるようになっている。また説明書150を収納する際には、説明書150を立てた状態で保管できるので、説明書150が保管部130に滑り込んで曲がってしまったり、曲げ癖がついて引き出し収納部111の収納空間の方へ倒れることがないので、収納物品140を取り出す際にも説明書150が邪魔にならず使い勝手がよい(
図3参照)。引き出し収納部111の前板112の裏面に説明書150の保管部130を取付けているので、洗面化粧台100の使用時に説明書150を取り出す際には、引き出し収納部111を全開することなく、説明書150の出し入れができる。
【0027】
図4に保管部130の詳細を示す。保管部130は上面に開口部131を有する偏平容器132である。保管部130の奥行き方向は、説明書150の厚みよりも広くとってある。保管部130の高さは説明書150の高さとほぼ同じ高さとなっている。保管部150の開口部131の前板112と反対側の縁部には凹部133を形成している。凹部133は開口部131の中央部に設けてもよいし、端部に設けてもよい。
【0028】
図5は保管部の変形例である。
保管部160は網かご構造をしている。保管部160は前板112の裏面に着脱可能に取り付けられている。
【0029】
図6に示すように、説明書150を取り出す際には、引き出し収納部111を全開する必要がなく、立ち位置を変えることなく取り出すことができる。
【0030】
次に、
図7〜
図8に基づいて、第一の実施形態の変形例を説明する。
図7は洗面化粧台の引き出しを示す断面図、
図8は引き出しの前板を後方から眺めた模式的背面図である。
図7は、引き出し収納部111の前板112の背面に取付けられた保管部130の開口部131の上方にはカバー180を備えている。カバー180は、引き出し収納部111の前板112の裏面から後ろ方向に延び、裏面に沿うように配置されている。また、カバー180は保管部130の奥行き方向に向かい裏面の高さよりも高さが増す構造となっている。これにより、万一水垂れとなった際の伝い水Wが垂れて来た際にも、説明書150を濡らすことがない。カバー180は、説明書150を覆うように保管部130の奥行き方向とほぼ同等位置まで設けてもよい。
【0031】
図8に示すように、カバー180は前板112の幅方向に導水路182がある。伝い水Wが垂れてきた際には、導水路182を伝い矢印の方向に流れていく。これにより、保管部130に伝い水Wが入ることがなく、説明書150を濡らすことがない。また導水路182から伝った水Wは前板112の裏面を伝い下方にいくため、裏面とキャビネット110の隙間により、引き出し収納部111に伝い水Wが入るのを阻止して、収納物品140を濡らしてしまうのを防止できる。導水路182はカバー180の端部に向かうほど高さが低くなっており、伝い水Wが自然と垂れていくようになっている。カバー180の端部からは、前板112の裏面を伝い下方に滴下していく。
【0032】
次に、
図9〜
図10に基づいて、第二の実施形態を説明する。
図9は洗面化粧台の扉を開いた状態を示す斜視図、
図10は洗面化粧台の保管部を示す斜視図である。
【0033】
図9は、扉を備えた洗面化粧台の斜視図である。
洗面化粧台200は、水槽220の下方のキャビネット210には収納部215を開閉する扉211が設けられている。扉211の裏面に保管部230が取付けてある。保管部230は、その左側面、すなわち、扉211の開放端側に開口部231が設けられた偏平容器232である。保管部230は第一の実施形態と同様に、奥行き方向に薄くなっていることで、収納部215のスペースを損なうことがない。また、開口部231には凹部233が形成されているので、説明書150を摘みやすい。収納物品を取り出す際に説明書150が邪魔にならず、保管部230も邪魔にならないため使い勝手がよい。また収納物品を動かすことなく、また扉211を全開することなく、説明書150の出し入れができる。
なお、保管部は、
図10に示すように網かご構造であってもよい。網かご構造の保管部240の開口部241には凹部243が設けられ、説明書150を指で摘んで引き出しやすくなっている。
【0034】
次に、
図11に基づいて、第二の実施形態の変形例を説明する。
図11は洗面化粧台の扉を後方から眺めた模式的背面図である。
この変形例では、保管部250の開口部251は上面側に設けられている。
図11に示すように、カバー260は扉211の幅方向に導水路261がある。伝い水Wが垂れてきた際には、導水路261を伝い矢印の方向に流れていく。これにより、保管部250に伝い水Wが入ることがなく、説明書150を濡らすことがない。また導水路261から伝った水Wは裏面を伝い下方にいくため、扉211の裏面とキャビネット200の隙間により、収納部に伝い水Wが入るのを阻止して、収納物品を濡らしてしまうのを防止できる。導水路261はカバー260の端部に向かうほど高さが低くなっており、伝い水Wが自然と垂れていくようになっている。カバー260の端部から垂れた水Wは、扉211の裏面を伝い下方に滴下していく。
【0035】
次に、
図12〜
図13に基づいて、第二の実施形態の別の変形例を説明する。
図12は洗面化粧台を示す断面図、
図13は洗面化粧台の保管部を示す斜視図である。
図12に示すように、扉211の裏面と保管部270の間に導水路280を設けている。この導水路280は、保管部270の両端部を除いた部位を凹ませて、扉211の裏面と保管部270との間に空間275を形成することにより設けられる。これにより、カバーを設けなくても、伝い水Wが保管部270に入るのを阻止して、説明書150を濡らしてしまうのを防止できる。
【0036】
次に、
図14に基づいて、第三の実施形態を説明する。
図14は洗面化粧台の引き出しを示す上面図である。
図14に示すように、洗面化粧台の引き出し収納部310の仕切り部材320に保管部321を設けたものである。この保管部321には、上面に開口部が設けられ、開口部の一部を切り欠くように凹部が形成されている。仕切り部材320に保管部321を設けることで、収納物品の間のスペースを無駄なく使うことができ、収納物品の出し入れに邪魔になることがなく、また説明書150を取り出す際には、収納物品を気にせず取り出すことができて使いやすい。仕切り部材320は引き出し収納部310から着脱可能に配置されており、配置する箇所は収納物品に応じて、横方向に任意に好みの場所に配置することができる。
【0037】
次に、
図15に基づいて、第四の実施形態を説明する。
図15は洗面化粧台を示す斜視図である。
図15に示すように、洗面化粧台400は、水槽420の下方のキャビネット410には扉411が設けられている。そして、キャビネット410の収納部の側面412に保管部430を取付けたものである。保管部430は、前方側に開口部431を設け、開口部の一部を切り欠くように凹部433を形成している。側板412には扉411を取付けるための丁番413があり、上と下の丁番413の間に保管部430を取付けている。扉411を取付けるための丁番413の上下の空間はデッドスペースとなっており、保管部430を取付けることでデッドスペースを有効活用ができるばかりか収納物品の邪魔になることがない。また保管部430の開口部431が正面側に向いていることで、説明書150を取り出す際には、収納物品を気にせず取り出すことができて使いやすい。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらの例示に限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0039】
100 洗面化粧台(水槽付きキャビネット)
110 キャビネット
111 引き出し収納部
112 前板
120 水槽
130 保管部
131 開口部
133 凹部
150 説明書
160 保管部
161 開口部
163 凹部
180 カバー
182 導水路
200 洗面化粧台(水槽付きキャビネット)
210 キャビネット
211 扉
215 収納部
220 水槽
230 保管部
231 開口部
233 凹部
240 保管部
241 開口部
243 凹部
250 保管部
251 開口部
253 凹部
260 カバー
261 導水路
270 保管部
271 開口部
273 凹部
280 導水路
310 引き出し収納部
320 仕切り部材
321 保管部
400 洗面化粧台(水槽付きキャビネット)
410 キャビネット
420 水槽
430 保管部
431 開口部
433 凹部