【文献】
Reza Hoshyar et al.,Novel Low-Density Signature for Synchronous CDMA Systems Over AWGN Channel,IEEE Transactions in Signal Processing,2008年 4月,Volume:56, Issue:4,pp.1616-1626
【文献】
KIMURA Yuji et al.,A Blind Adaptive Decorrelating Detector Using Spatial Signature Estimation,IEICE transactions on fundamentals of electronics, communications and computer sciences,2006年10月 1日,E89-A(10),pp.2686-2689
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シグネチャリストに従って前記信号を脱相関化して、アクティブシグネチャリストを取得する前記ステップが、チャネル行列に従って前記信号を脱相関化するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
シグネチャリストに従って前記信号を脱相関化して、アクティブシグネチャリストを取得する前記ステップが、前記チャネル行列の既知の値を使用することなく、前記信号を脱相関化するステップを含む、請求項3に記載の方法。
シグネチャリストに従って前記信号を脱相関化して、アクティブシグネチャリストを取得する前記ステップが、前記アクティブシグネチャリストの既知の順序を使用することなく、前記信号を脱相関化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
通常、異なる図中の対応する番号及び符号は、特に指定しない限り、対応する部分を指す。図は、実施形態に関連する態様を明瞭に図示するために作成されたものであり、必ずしも一定の縮尺では作成されていない。
【0011】
最初に、1つ以上の実施形態の例示的な実装形態が以下に提供されるが、開示されるシステム及び/又は方法は、それが既知の技術又は現存する技術であるか否かにかかわらず、任意の数の技術を用いて実装され得る、ということを理解されたい。開示は、本明細書で例示され説明される設計例及び実装例を含む、例示的な実装形態、図面、及び以下に例示される技術に限定されるものでは決してなく、添付の特許請求の範囲及びその均等物の全範囲内で修正がなされ得る。
【0012】
この開示の態様は、ブラインド検出を介した低密度拡散(LDS)シグネチャの発見(又は、別の識別)によって、LDSネットワークのオーバーヘッドを減少させ、それにより、制御チャネルを介してアクティブシグネチャ割り当てを伝達する必要を無くす。故に、この開示の実施形態は、送信を実行するために使用されるアクティブシグネチャの予備知識無しで、受信機にLDS検出を実行させる。一例において、ブラインド検出は、脱相関器(decorrelator)を用いて達成される。受信した信号は、脱相関化されて、アクティブシグネチャリストが生成される。次いで、アクティブシグネチャリストを使用して、受信した信号からデータが復号される。別の例において、ブラインド検出は、ジョイントシグネチャ及びMPAを用いたデータ検出(JMPA)を用いて達成される。受信した信号からデータが復号されるとともに、アクティブシグネチャリストが求められる。
【0013】
図1は、LDS変調検出のために使用され得る無線通信ネットワークであるシステム100を示している。システム100は、ユーザ機器(User Equipment:UE)104、UE106、及びUE108のようなUEに音声及び/又はデータ無線通信サービスを提供する送信ポイント102を含む。3つのUEが図示されているが、より多くの又はより少ないUEが送信ポイント102に接続されてよい。また、送信ポイント102は、アクセスノード、アクセスポイント、又はノードBと称されてよい。送信ポイント102は、UE104、UE106、及びUE108にダウンリンク情報を送信し、UE104、UE106、及びUE108からアップリンク情報を受信する。
【0014】
符号分割多元接続(CDMA)を使用する例においては、UE104、UE106、及びUE108から受信した信号を復号するために、送信ポイント102において、アクティブシグネチャの知識が要求され、これは、シグナリングオーバーヘッドを必要とする。
図2は、アクティブシグネチャの知識を用いるLDS変調検出の方法のフローチャート110を示している。UE104は、ステップ116において、使用され得る複数のシグネチャのプールを含むシグネチャプールを検査する。シグネチャプールはそのネットワークにおける共通の知識であるので、UE104は、シグネチャプールの予備知識を有している。シグネチャプールは固定された情報であるので、予め設定できる。
【0015】
次いで、ステップ114において、送信ポイント102は、UE104からアクティブシグネチャリストを受信する。UE104は、アクティブシグネチャリストを送信ポイント102に知らせる。一例では、アクティブシグネチャリストは、制御チャネルを介して明示的に信号伝達される。別の例では、アクティブシグネチャリストは、より高位のレイヤでのシグナリングを介して明示的に信号伝達される。アクティブシグネチャリストは、シグネチャプールのサブセットである。
【0016】
最後に、ステップ112において、UE104は、アクティブシグネチャリストを使用して、送信ポイント102から受信した信号にLDS変調検出を実行する。LDS変調は、確率伝搬法(Belief Propagation:BP)に基づくメッセージパッシングアルゴリズム(Message Passing Algorithm:MPA)の使用を伴う。メッセージパッシングアルゴリズム(MPA)は、確率伝搬法(BP)に基づいたマルチユーザ検出であり、LDS変調検出のために使用され得る。MPAは、疎なシグネチャを利用して、マルチユーザ検出の複雑性を減少させる。また、BPは、ベイジアンネットワーク及びマルコフ確率場のようなグラフィカルモデル上で推定を実行するために使用される技術である。ステップ112で拡散行列が使用されてよく、ここで、その行の数は拡散ファクターを指し、その列はアクティブシグネチャ(UE)を表す。4つの拡散ファクターと、最大で6つのアクティブシグネチャ(UE)とを備えた例示的な拡散行列は、
【数1】
によって与えられる。
【0017】
拡散行列の非ゼロ値は要素である。拡散行列S中の値は、0又は正規化された1のいずれかである。拡散行列中の多数のゼロは、行列の低密度構造を示しており、これは、低い複雑度で復号を実行する助けとなる。
【0018】
図3は、拡散行列Sのファクターグラフ表現であるファクターグラフ130を示している。ファクターグラフ130は、関数ノード134にリンクされた変数ノード132を含む。変数ノード132は、UE(シグネチャ)に対応し、一方、関数ノード134は、受信した信号に対応する。4つの関数ノードは、4つの拡散ファクターを用いて4つのトーンで受信された4つの信号に対するものである。四相位相シフトキーイング(Quadrature Phase-Shift Keying:QPSK)においては、各ブランチは、各コンステレーションポイントに対応する4つの確率を含む。変数ノード132と関数ノード134との間の接続は、拡散行列Sの非ゼロ値に対応する。一例では、ファクターグラフ130は、MPAを反復的に実行するために使用される。最初に、先験的確率を含むベクトルが変数ノード132に対して使用される。この先験的な値は、拡散行列Sと一緒に使用されて、関数ノード134における値が算出される。次いで、仮想ノード132における値が、関数ノード134における値に基づいて算出される。関数ノード134及び変数ノード132における値は、反復的に算出される。この後方及び前方への情報パッシングは、仮想ノード132における値が解に収束するまで繰り返し行われる。次いで、変数ノード132における収束した確率値は、6つのUEに対する6つの値を決定するために処理される。また、変数ノードと関数ノードとの間の後方及び前方へのベクトル又は値のこの更新は、2つのノードセット間でのメッセージパッシング又は交換とも称される。
【0019】
別の例では、LDS変調は、予備知識無しで検出され得る。LDS変調の予備知識無しでの検出は、アクティブシグネチャの知識無しで実行され、これは、シグナリングオーバーヘッドを減少させる。
図4は、脱相関器を使用するLDS変調の予備知識無しでの検出の方法を示すフローチャート120を示している。最初に、ステップ126において、シグネチャプールが検査される。
【0020】
次いで、ステップ124において、シグネチャプール及び受信した信号に基づいて、シグネチャの脱相関化が実行される。シグネチャの脱相関化は、シグネチャプールのサブセットである、アクティブシグネチャの硬又は軟判定リストを生成する。
【0021】
補シグネチャ行列(Complementary Signature Matrix:CSM)は、拡散行列に基づいて決定される。補シグネチャ行列において、ゼロは、シグネチャ行列と同一の位置にある。補シグネチャ行列の要素は、対応する拡散行列中の同一位置の同一の値又はマイナスの値に割り当てられる。拡散行列の要素は、値ゼロ又は一定の正規化値をとる。例えば、拡散行列Sの要素は、正規化値1を有する。拡散行列の各シグネチャは、最大でも1つの共通部分か、又は他のすべてのシグネチャに共通の非ゼロ位置を有する。拡散行列Sは、これらの条件を満たす。補シグネチャ行列の各列は、シグネチャ行列の対応する列に直交する。行列Sの補シグネチャ行列は、
【数2】
によって与えられる。
【0022】
拡散ファクターをNと仮定すると、拡散された送信信号に対応する受信信号は、
【数3】
であり、ここで、I
kは、k番目のシグネチャがアクティブであるか否かを示す指示子パラメータであり、H
kは、チャネル行列であり、S
kは、k番目のシグネチャであり、u
kは、ユーザkに対して送信されたデータであり、zは、付加的な白色ガウス雑音である。H
kは、以下のように表現され得る。
【数4】
ダウンリンクシナリオでは、H
kは、すべてのチャネルに対して同一である。S
kは、拡散行列のk番目の列である。I
kは、0又は1のいずれかの値を有する。
【0023】
受信した信号は、2つのシグネチャS
i及び
【数5】
によって脱相関化される。例えば、
【数6】
となる。そして、相関器の出力は、
【数7】
によって与えられ、ここで、
【数8】
は、関心帯域中のすべてのLDSブロックにわたる平均を意味する。アクティブシグネチャに対する判定は、
【数9】
に基づく。
【0024】
いくつかのシナリオにおいては、脱相関器の設計を単純化する仮定がなされてよい。チャネル状態情報(Channel State Information:CSI)がそうであり得る。例えば、ゼロ強制を伴う伝搬チャネルのチャネル知識を有するとき、脱相関化された信号は、
【数10】
で与えられ、ここで、H
i−1は、反転チャネルである。最大比合成(Maximal-Ratio Combining:MRC)が行われる場合、脱相関化された信号は、
【数11】
で与えられる。一方、チャネル知識無しでは、脱相関化された信号は、
【数12】
で与えられる。
【0025】
使用されるシグネチャ検出は、硬判定検出又は軟判定検出であってよい。硬判定検出では、シグネチャが使用されるか否かの決定は、関数に基づく。一方、軟判定検出では、シグネチャがアクティブである確率が求められる。硬判定検出が使用される場合、シグネチャがアクティブであるか否かは、
【数13】
で与えられる。軟判定検出が使用される場合、シグネチャがアクティブである確率は、
【数14】
で与えられる。
【0026】
シグネチャの順序付けは、既知であってもなくてもよい。例えば、順序付けは、階層的であってよく、ここで、すべての非アクティブなシグネチャは、すべてのアクティブなシグネチャの後にある。シグネチャkがアクティブである場合、より小さいインデックスを有するすべてのシグネチャもまたアクティブであり、シグネチャkがアクティブでない場合、より大きいインデックスを有するすべてのシグネチャもまた非アクティブである。階層的順序付けでは、シグネチャがアクティブである確率は、
【数15】
で与えられる。
【0027】
あるいは、すべてのアクティブなシグネチャは、すべての非アクティブなシグネチャの後にあってもよい。順序付けが既知でない場合、すべてのI
kは、互いに独立となる。
【0028】
脱相関化の後、受信した信号及び脱相関器によって生成されたアクティブシグネチャリストに基づいて、ステップ122において、LDS検出が実行される。LDSデータ検出は、BPに基づくMPAを使用して、復号されたデータを生成する。行列Sのような拡散行列と、ファクターグラフ表現130のようなファクターグラフ表現とが、データを復号するために使用されてよい。既知のアクティブシグネチャは、ファクターグラフを示す。変数ノード132と関数ノード134との間で、情報が反復的に後方及び前方パスされる。最終的に、LDSデータ検出は、復号されたデータを生成する。
【0029】
反復的な軟判定シグネチャ検出が実行されるとき、LDSデータ検出の後に、ステップ124において、復号されたデータ及びシグネチャプールに基づいて、シグネチャの脱相関化が再度実行される。次いで、受信した信号及び更新された軟判定アクティブシグネチャリストに基づいて、LDSデータ検出が再度実行される。
【0030】
ダウンリンクシナリオに対する脱相関器の設計を単純化するために、いくつかの仮定が使用されてよい。ダウンリンクシナリオでは合計送信出力が制限されるので、各アクティブシグネチャの出力は、シグネチャ間に出力オフセットが存在しない場合に、アクティブシグネチャの合計数によって調整されることとなる。例えば、i番目のシグネチャの出力は、
【数16】
で与えられ、ここで、P
totは、合計出力であり、N
Aは、アクティブなユーザの数である。
【0031】
また、送信機は、ダウンリンクシナリオにおけるアクティブシグネチャの数を知っているので、UEに知られている予め決定された順序でそれらを使用してよい。例えば、送信機は、予め決定された順序をUEに送信してよい。さらに、チャネルの知識は、ダウンリンクシナリオにおけるシグネチャ検出のために使用されてよい。よって、脱相関化によるブラインドシグネチャ検出は、既知のCSI、硬判定検出、及び既知のシグネチャ順序付けを用いて実行され得る。
【0032】
LDSは、M個のトーンにわたって使用されてよく、ここで、n=LDS復号器のM/Nブロックである。受信機は、j番目の符号ブロックに対するパラメータ
【数17】
を計算し、ここで、i=1,…,Jである。脱相関器の出力は、
【数18】
として計算される。
【0033】
次いで、脱相関化の出力は、
【数19】
となるような、
【数20】
を使用して正規化される。χ
kは、
【数21】
と定義される。いくつかの予め決定されたしきい値th
kに対して、以下のアルゴリズムが使用されてよい。
【0035】
N
Aは、アクティブシグネチャの数であり、予め決定されたシグネチャ順序の場合に、アクティブシグネチャを提供する。
【0036】
図5は、6つのアクティブUE及び出力オフセット無しのLDS変調のダウンリンクシナリオに対する、デシベル(dB)単位の信号対雑音比(Signal to Noise Ratio:SNR)に対するブロック誤り率(Block Error Rate:BLER)のグラフを示している。曲線202は、完全なチャネル状態情報(CSI)及び完全なシグネチャ知識によるものであり、曲線204は、完全なCSI及びMPAを用いたシグネチャ脱相関化に対するものであり、曲線206は、チャネル推定及び完全なシグネチャ知識に対するものであり、曲線208は、チャネル推定及びMPAを用いたシグネチャ脱相関化に対するものである。よって、6つのアクティブUE及び出力オフセット無しに対する、MPAによるシグネチャ脱相関化の使用は、完全な知識によるLDS検出と同様の働きをする。
【0037】
また、
図6は、6つのアクティブUE及び1dBの出力オフセットのダウンリンクソリューションのシミュレーションに対するBLER対SNRのグラフを示している。曲線212は、完全なCSI及び完全なシグネチャ知識に対するものであり、曲線214は、完全なCSI及びMPAを用いたシグネチャ脱相関化に対するものであり、曲線216は、チャネル推定及び完全なシグネチャ知識に対するものであり、曲線218は、チャネル推定及びMPAを用いたシグネチャ脱相関化に対するものである。6つのアクティブUEに対し、シグネチャ脱相関化及びMPAによるLDS検出は、1dBの出力オフセットを含む完全な知識によるLDS検出と同等の働きをする。
【0038】
図7は、4つのアクティブUE及び出力オフセット無しのシミュレーションに対するBLER対SNRのグラフを示している。曲線222は、完全なCSI及び完全なシグネチャ知識に対するものであり、曲線224は、完全なCIS及びMPAを用いたシグネチャ脱相関化に対するものであり、曲線226は、チャネル推定及び完全なシグネチャ知識に対するものであり、曲線228は、チャネル推定及びMPAを用いたシグネチャ脱相関化に対するものである。4つのアクティブUE及び出力オフセット無しでは、シグネチャ脱相関化によるブラインドLDS検出は、完全な知識によるLDS検出と同様の働きをする。
【0039】
図8は、4つのアクティブUE及び1dBの出力オフセットのシミュレーションに対するBLER対SNRのグラフを示している。曲線232は、完全なCSI及び完全なシグネチャ知識に対するものであり、曲線234は、完全なCSI及びMPAを用いたシグネチャ脱相関化に対するものであり、曲線236は、チャネル推定及び完全なシグネチャ知識に対するものであり、曲線238は、チャネル推定及びMPAを用いたシグネチャ脱相関化に対するものである。シグネチャ脱相関化及びMPAを用いたブラインドLDS検出は、1dBの出力オフセットを含む完全なシグネチャ知識によるLDS検出と同様の働きをする。
【0040】
別の例では、LDSは、JMPAを用いて予備知識無しで検出される。JMPAでは、データ及びアクティブシグネチャの検出が連帯的に実行される。
図9は、JMPAを実行する方法を示すフローチャート140を示している。最初に、ステップ144において、シグネチャプールが検査される。
【0041】
次いで、ステップ142において、シグネチャプール及び受信した信号に基づいて、JMPAが実行される。データが復号され、アクティブシグネチャリストが求められる。
【0042】
非アクティブシグネチャは、複数の手法で扱われてよい。非アクティブシグネチャを扱うために、ファクターグラフ表現が使用されてよい。
図10は、アクティブな変数ノード152と、非アクティブな変数ノード154と、関数ノード156とを含むファクターグラフ150を示している。ファクターグラフのサイズは、ファクターグラフ150から非アクティブな変数ノード154を除去することによって縮小される。あるいは、すべての変数ノードが存在してよいが、非アクティブなノードはゼロ出力となる。
【0043】
図11は、脱相関化160を示している。変数ノードのオリジナルコンステレーションサイズがQPSKであると仮定すると、変数ノードが非アクティブである場合、その対応する値はゼロとなる。有効なコンステレーションは、4つのQPSKポイントに加えてポイントゼロ、すなわち、コンステレーションサイズ5に拡張される。コンステレーションサイズゼロは、非アクティブシグネチャを表す。MPAは、すべてのシグネチャがアクティブであると仮定する全ファクターグラフを用いて初期化されてよい。次いで、MPAは、全ファクターグラフ及びコンステレーションサイズ5で実行される。MPA反復の終わりにおいて、最大確率がゼロである変数ノードが検出される場合、対応するシグネチャは、アクティブであると決定されない。MPA反復の終わりにおいて、最大確率がゼロでない場合、変数ノードの対数尤度比(Log-Likelihood Ratio:LLR)が、QPSKポイントの確率に基づいて算出される。
【0044】
JMPAは、コンステレーションポイントの数が1だけ増加したMPAとして扱われてよい。JMPAにおいて、コンステレーションポイントゼロの確率は、すべてのLDSブロックに対して等しい。これは、JMPAのパフォーマンスを向上させるために使用可能なナチュラルな符号化利得を提供する。JMPAのプロセスは、MPAのプロセスと同様である。JMPAにおいて、コンステレーションポイントゼロの確率は、
【数22】
で与えられる。ポイントtにおける関数ノードiから変数ノードjへのコンステレーションポイントkの確率は、
【数23】
で与えられる。
【0045】
JMPAは、
図12のフローチャート170に示されるように、ターボMPAに使用されてよい。ターボMPAは、2013年3月15日付けで出願された、仮特許出願第61/788881号でさらに説明される。上記仮出願は、引用によって本明細書に援用される。フローチャート170は、ターボ符号復号器及びアウターループ早期決定検出器によるアウターループ判定を示している。ステップ172は、先に説明したようなMPAを実行する。受信した信号及び先験的確率に基づいて、LLRが出力される。
【0046】
ステップ174において、軟入力軟出力(Soft Input Soft Output:SISO)前方誤り訂正(Forward Error Correction:FEC)復号化が実行される。SISO FECは、MPAからの入力LLR又は確率値に基づいて、UE毎に別々に実行されてよい。また、出力LLR又は確率値が算出される。
【0047】
ステップ176において、アウターループ終了指示子に基づいて、例えば、更新された確率がFEC出力におけるしきい値に従って収束するときに、MPAの早期終了が発生する。LDS検出に対する先験的情報は、SISO復号器の出力に基づいて算出される。次いで、LLR間の差が算出されて、外因性情報が取得される。ビット上の外因性情報は、変数ノード又はUE毎のコンステレーションポイントについての先験的情報を更新するために使用される。アウターループ収束基準は、アウターループ反復を早期に終了するように定義されてよい。
【0048】
硬判定は、SISO FEC復号化において出力されるLLRに基づいて、ステップ182で決定される。硬判定は、早期の終了時に行われてよい。あるいは、硬判定は、ある回数の反復の後に実行されてもよい。
【0049】
ダウンリンクのシナリオでは、JMPAによる軟検出が使用されてよい。しかしながら、その複雑度は高くなり得る。
【0050】
一例では、アップリンクソリューションは、JMPAを使用する。アップリンクアクセスが許可を必要としない場合、受信機は、ユーザの識別情報を知らないか、又は、チャネル又は順序付けの知識を有さない。また、アップリンクにおいて、異なるシグネチャのアクティベーションは、互いに独立である。JMPAによる硬又は軟判定検出は、アップリンクソリューションとして使用されてよい。
【0051】
LDSブロックの数が十分に大きい場合、Γ
iは、平均値I
iγ
i及び分散σ
i2のガウス確率変数によって近似でき、ここで、γ
iは、ユーザiに対する平均受信出力である。硬判定検出に対しては、
【数24】
である。軟判定検出に対しては、
【数25】
である。
【0052】
図13は、本明細書で開示されたデバイス及び方法を実施するために使用され得る処理システム270の構成図を示している。特定のデバイスは、示された構成要素のすべてを、又はそのような構成要素のサブセットだけを利用してよく、統合のレベルは、デバイス毎に異なってよい。さらに、デバイスは、複数の処理ユニット、プロセッサ、メモリ、送信機、受信機など、構成要素を複数用いる例を含んでよい。処理システムは、マイクロフォン、マウス、タッチスクリーン、キーパッド、キーボードなど、1つ以上の入力デバイスを備えた処理ユニットを含んでよい。また、処理システム270は、スピーカ、プリンタ、ディスプレイなど、1つ以上の出力デバイスを備えてもよい。処理ユニットは、バスに接続された中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)274、メモリ276、マスストレージデバイス278、ビデオアダプタ280、及びI/Oインタフェース288を含んでよい。
【0053】
バスは、メモリバス若しくはメモリコントローラ、周辺機器バス、ビデオバスなどを含むいくつかの任意のタイプのバスアーキテクチャのうちの1つ以上であってよい。CPU274は、任意のタイプの電子データプロセッサを含んでよい。メモリ276は、スタティックランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory:SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory:DRAM)、シンクロナスDRAM(Synchronous DRAM:SDRAM)、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory:ROM)、それらの組合せなど、任意のタイプのシステムメモリを含んでよい。一実施形態において、メモリは、ブートアップにおいて使用されるROMと、プログラムの実行時に使用されるプログラム及びデータ格納のためのDRAMとを含み得る。
【0054】
マスストレージデバイス278は、データ、プログラム、及びその他の情報を格納するように、かつデータ、プログラム、及びその他の情報にバスを介してアクセスできるように構成された任意のタイプのストレージデバイスを含んでよい。マスストレージデバイス278は、例えば、1つ以上のソリッドステートデバイス、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブなどを含んでよい。
【0055】
ビデオアダプタ280及びI/Oインタフェース288は、外部の入力及び出力デバイスを処理ユニットに接続するためのインタフェースを提供する。図示されたように、入力及び出力デバイスの例は、ビデオアダプタに接続されるディスプレイと、I/Oインタフェースに接続されるマウス/キーボード/プリンタとを含む。他のデバイスが処理ユニットに接続されてもよく、かつ追加的な又はより少ないインタフェースカードが利用されてもよい。例えば、プリンタに対するシリアルインタフェースを提供するために、シリアルインタフェースカード(図示せず)が使用されてよい。
【0056】
また、処理ユニットは、1つ以上のネットワークインタフェース284を含み、これは、イーサネット(登録商標)ケーブルなどの有線リンク、及び/又は、各ノード又は異なるネットワークにアクセスするための無線リンクを含んでよい。ネットワークインタフェース284は、処理ユニットに、ネットワークを介して遠隔ユニットとの通信を行わせる。例えば、ネットワークインタフェースは、1つ以上の送信器/送信アンテナと、1つ以上の受信機/受信アンテナとを介する無線通信を提供し得る。一実施形態において、処理ユニットは、データ処理のため、及び他の処理ユニット、インターネット、リモートストレージ設備などの遠隔デバイスとの通信のために、ローカルエリアネットワーク又はワイドエリアネットワークに接続される。
【0057】
本開示ではさまざまな実施形態が提供されたが、開示されたシステム及び方法は、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、他の多くの特定の形態で実施され得ることを理解されたい。本例は、限定的ではなく、例示的なものと見なされるべきであり、本開示によって提供される細部への限定を意図しない。例えば、さまざまな要素又は構成要素は、組み合わせられたり、別のシステムに一体化されたりしてよく、又はある特徴は、省略されたり、実装されなかったりしてよい。
【0058】
さらに、さまざまな実施形態において、別個のもの又は切り離されたものとして説明及び図示された技術、システム、サブシステム、及び方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、他のシステム、モジュール、技術、又は方法との組合せ又は一体化がなされてよい。互いに接続される、互いに直接に接続される、又は互いに通信するものとして示された又は説明された他のアイテムは、それが電子的、機械的、又はその他の態様であるか否かによらない、いくつかのインタフェース、デバイス、又は中間構成要素を介して、非直接的に接続又は通信してよい。変更、代用、及び修正の他の例は、当業者の知るところとなり、本開示で説明され
た範囲から逸脱することなく実施できる。