特許第6016260号(P6016260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6016260-自動注射装置に関する改良 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016260
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】自動注射装置に関する改良
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/20 20060101AFI20161013BHJP
【FI】
   A61M5/20
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-108830(P2012-108830)
(22)【出願日】2012年5月10日
(62)【分割の表示】特願2007-517459(P2007-517459)の分割
【原出願日】2005年6月23日
(65)【公開番号】特開2012-143646(P2012-143646A)
(43)【公開日】2012年8月2日
【審査請求日】2012年5月10日
【審判番号】不服2014-22347(P2014-22347/J1)
【審判請求日】2014年11月4日
(31)【優先権主張番号】0414054.7
(32)【優先日】2004年6月23日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】509251497
【氏名又は名称】アッヴィ バイオテクノロジー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ビックネル,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン,ジョセフ エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ルドゼナ,ウィリアム エル.
【合議体】
【審判長】 長屋 陽二郎
【審判官】 熊倉 強
【審判官】 関谷 一夫
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−512038(JP,A)
【文献】 特開平11−76405(JP,A)
【文献】 特公昭50−14835(JP,B1)
【文献】 特開平5−161712(JP,A)
【文献】 特開昭48−91885(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/000397(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、
前記ハウジングに対して被覆される後退位置と、前記ハウジングに対して突出する発射位置との間を移動するために、前記ハウジング内に摺動自在に取り付けられた注射器、
前記注射器に摺動自在に取り付けられ、かつ前記注射器の先端に設けられた針を通って液体を前記注射器から排出するために、摺動可能に取り付けられた栓、
上中実部、前記栓を移動させかつ前記栓に排出力を伝達する働きをする先端を有する下中実部、および前記上中実部と前記下中実部との間で中心軸に沿って延在する長手スリットの両側に設けられた二つの可撓性肘部を有する崩壊可能に突出する領域を含むプランジャ、
前記ハウジングに対して被覆される後退位置から突出する発射位置へ、前記注射器を駆動するために、前記プランジャを移動させる働きをする作動付勢コイルスプリング、ならびに
前記作動付勢コイルスプリングが解放されるまで、前記ハウジングに対して被覆される後退位置に前記注射器を保持するために、前記ハウジングと前記注射器の近位端との間で作用する復帰付勢部材を含み、
前記作動付勢コイルスプリングが解放されると、前記崩壊可能に突出する領域は、前記注射器へ侵入する前に第一膨張位置になり、前記注射器の前記近位端に静止し、
かつ、前記作動付勢コイルスプリングにより生じる連続的付勢のもとで、前記崩壊可能に突出する領域は、前記注射器内で第二圧縮位置において、前記注射器に侵入するように前記長手方向のスリットに向けて内方に崩壊し、こうして前記栓に排出力を付与して前記注射器から液体投与量を排出するために、前記崩壊可能に突出する領域は、前記プランジャを注射器内において前進させることを可能とする、自動注射装置。
【請求項2】
前記プランジャの崩壊可能に突出する領域は、前記ハウジングに対して被覆される後退位置から、前記ハウジングに対して突出する発射位置へ、前記注射器を駆動して、前記針が前記ハウジングから突出するように構成されている、請求項1に記載の自動注射装置。
【請求項3】
前記復帰付勢部材は、コイルバネの形態である、請求項1に記載の自動注射装置。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記注射器が、前記ハウジングに対して被覆される後退位置と突出する発射位置との間を移動するときに、使用者の身体の注射部位に固定される、請求項1の自動注射装置。
【請求項5】
前記プランジャは一体成形されている、請求項1に記載の自動注射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動注射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の形態の自動注射装置が存在し、操作によって注射器の針は前方へ移動し、注射器の作動前に保護ハウジングから突出して針から所定投与量の液体を発射する。液体が加圧発射される前に、注射器が確実に前方へ移動し針を露出させ、実際の注射が行われる前に針から滴下が発生しないようにすることが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭50−14835
【特許文献2】特開平5−161712
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、このような所望方法で作動する機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、注射装置のハウジング内の注射器の一端の針から所定投与量の液体を発射するための注射装置が提供され、前記注射器はプランジャにより移動可能であり、前記プランジャは、前記ハウジングの一端の作動付勢部材の解放後に、針がハウジングにより覆われる第一位置から針がハウジングの他端から突出する第二位置へ前記注射器を移動させ、前記プランジャは、作動付勢部材の解放前には前記注射器の他端から延びた長手中央に位置決めされた可撓性突出部を有するロッドの形態であり、前記プランジャの第一移動が作動付勢部材の付勢下で可撓性突出部を注射器の他端に対して付勢して、注射器が第一位置から第二位置へ移動するようにし、それにより注射器の更なる移動を抑制し、結果として可撓突出性部が内方へ崩壊し注射器へ侵入し、そのようにしてプランジャを第二移動により注射器内で移動させて栓に接触し作用して注射器内の液体を圧縮しかつ注射器の針へ液体を発現させる。
【0006】
上述の構成により、前記可撓性突出部は、かかる突出部を内方へ崩壊させ前記プランジャを注射器内へ移動させて液体を注射器から発射させる程度の力が加わるまで、第一位置から第二位置へ注射器を移動せるために、その突出位置を維持する。
【0007】
前記可撓性突出部は前記ロッドの通常の周辺から突出するが、その周辺内へ圧縮可能である一つまたはそれ以上の肘部を含んでよい。二つの前記肘部は前記ロッドの長手スリットの両側で形成されていてよい。前記肘部は、前記ロッドの上中実部と下中実部との間の長手スリットの両側に、一対のアームとして予め形成されていてよい。
【0008】
好適には、前記注射装置は、前記作動付勢部材が解放されるまで前記ハウジング内に注射器を後退維持するために、前記注射器のハウジングと前記注射器の他端との間に作用する復帰付勢部材を含む。
【0009】
前記ハウジング内に設けられた一つまたはそれ以上の前記付勢部材はコイルバネの形態であってよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】使用前の本発明による注射装置の断面図である。
図2】注射部材の操作の連続工程の一工程を示す。
図3】注射部材の操作の連続工程の一工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は種々の方法で実行されてよく、かつ次に好適形態を添付図面を参照して説明する。
【0012】
図面に示された注射装置は、保護ハウジング2内に設置された注射器1を含む。注射器1は栓(bung)4により所定位置に保持される液体投与量を収容し、かつ栓4へ圧力を加えることにより投与量を発射する針5を具備した容器3を含む。前記3は拡大頭部6を有する。プランジャ7はコイルバネ8により前方へ付勢されるが、11で概略的に示されたトリガが作動してプランジャ7およびコイルバネ8を解放するときにまで、係止位置(図1)に後退保持される。使用前に、注射器1はコイルバネ9によりハウジング2内に引っ込んでいる。
【0013】
理解されるように、プランジャ7は一対の突出肘部10を形成する中央部を有するロッドの形態である。突出肘部10は成形プランジャ7の一部として予備形成される。突出肘部10は可撓性であり、内方へ移動可能であり、ロッドの一部の周辺をロッドの残部の類似の周辺に適合させる。図2から理解されるように、プランジャ7が解放されかつバネ8により付勢されるときに、肘部10により形成された拡大領域は3の拡大頭部6に当接し、かつ加えられる力は、拡大頭部6がハウジング2の上部に当接するまで、バネ9を圧縮するに十分であり、それにより3の移動が抑制される。肘部10が3の内部へ侵入するときに、バネ8により生じる連続的付勢により肘部10は内方へ圧縮される。崩壊状態の肘部10によりプランジャ7は3内で容易に移動でき、栓4に作用して注射器の内容物を針5から発射させる。
【0014】
プランジャ7の図示形態は、幾つかの技術的利点を提供する。プランジャ7の図示形態は一体成形できる。同様に、突出肘部の崩壊運動は、適宜発射力を提供して針を皮膚の適宜深さまで侵入させるが、注射器の容器の内壁に対する空気抵抗は比較的小さく、その一撃の残部に対するバネの推進力の大部分が栓4へ付与されるようにする。理解されるように、崩壊突出部の他の形態が崩壊肘部に代わって使用できる。
【符号の説明】
【0015】
1 注射器
2 ハウジング
3 容器
4 栓
5 針
6 拡大頭部
7 プランジャ
10 肘部
図1
図2
図3