(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016306
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】ブロック
(51)【国際特許分類】
E04B 2/02 20060101AFI20161013BHJP
【FI】
E04C1/04 G
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-58294(P2014-58294)
(22)【出願日】2014年3月20日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3173594号
【原出願日】2011年11月30日
(65)【公開番号】特開2014-111895(P2014-111895A)
(43)【公開日】2014年6月19日
【審査請求日】2014年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】506378360
【氏名又は名称】松中 泰徳
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】特許業務法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松中 泰徳
【審査官】
五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭58−065337(JP,U)
【文献】
特開平09−195289(JP,A)
【文献】
特開平11−022142(JP,A)
【文献】
特開平10−259415(JP,A)
【文献】
特開平09−178359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 1/00
E04B 2/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック本体がレンガによって形成されたブロックにおいて、
前記ブロック本体の表面に複数の縦溝及び複数の横溝を格子状に設け、
各溝のうち所定本数おきに配置される所定の溝を他の溝よりも幅寸法及び深さ寸法が大きくなるように形成した
ことを特徴とするブロック。
【請求項2】
前記ブロック本体を他のブロック本体と積み重ねて壁を形成可能な直方体状に形成し、
前記溝をブロック本体の表面のうち外壁面となる面に設けた
ことを特徴とする請求項1記載のブロック。
【請求項3】
前記ブロック本体に上下方向に貫通する孔を設けた
ことを特徴とする請求項2記載のブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建物の外壁や塀等の材料として用いられるブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の外壁やブロック塀は、多数のコンクリートブロックを積み重ねて構成されるものが一般的であるが、コンクリートブロックは色や外観が建物の外装には適していないため、居住用の建物等、装飾性を要する外壁に用いられることは殆どなかった。これに対し、例えばヨーロッパ建築等に多く用いられるレンガ造りの外壁は、レンガ独特の色調や質感によって格調高い外観を形成しており、装飾性を要する外壁として好まれている。
【0003】
そこで、コンクリートブロックと同様の形状からなるレンガ製のブロックを積み重ねることにより、建物の外壁や塀等を構成するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−36588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、レンガは、粘土に砂、石灰等を混ぜて練り、長方体状に成型して乾燥した後、窯で焼くことにより製造されるため、常温曲げ強度は高いが、その反面、応力集中の感度が高くなり、破壊靱性が低下してクラックが発生しやすいという性質がある。このため、建物の外壁に用いた場合、レンガ表面のクラックによって外壁の見栄えが損なわれるという問題点があった。
【0006】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、レンガ製であっても表面におけるクラックの発生または拡大を抑制することのできるブロックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記目的を達成するために、ブロック本体がレンガによって形成されたブロックにおいて、前記ブロック本体の表面に複数の
縦溝及び複数の横溝を格子状に設け、各溝のうち所定本数おきに配置される所定の溝を他の溝よりも幅寸法及び深さ寸法が大きくなるように形成している。これにより、ブロック本体の表面に、複数の溝が格子状に設けられていることから、ブロック本体の表面にクラックが発生した場合でも、クラックの成長が溝によって阻止され、またはクラックが溝内を溝に沿って伸びることから、ブロック本体の表面におけるクラックが目立つことはない。この場合、各溝のうち所定本数おきに配置される溝は他の溝よりも幅寸法及び深さ寸法が大きくなっているので、乾燥によってブロック本体の表面に生ずるクラックが主に幅寸法及び深さ寸法の小さい溝によって抑制され、曲げ応力や衝撃によってブロック本体の内部から生ずるクラックが主に幅寸法及び深さ寸法の大きい溝によって抑制される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ブロック本体がレンガによって形成されているので、例えばヨーロッパ建築等に用いられるレンガ造りの外壁のように、レンガ独特の色調や質感によって格調高い外観を得ることができ、例えば居住用の建物の外壁として好ましいという利点がある。また、ブロック本体の表面にクラックが発生した場合でも、ブロック本体の表面におけるクラックの発生または拡大を溝によって抑制することができるので、ブロック本体の表面におけるクラックが目立つことがなく、クラックによって外壁の見栄えが損なわれることがないという利点がある。
この場合、乾燥によってブロック本体の表面に生ずるクラックを主に幅寸法及び深さ寸法の小さい溝によって抑制し、曲げ応力や衝撃によってブロック本体の内部から生ずるクラックを主に幅寸法及び深さ寸法の大きい溝によって抑制することができるので、クラックの発生または拡大をより効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図5】クラックの発生状態を示すブロックの要部拡大正面図
【
図6】本発明のブロックを外壁に用いた建物の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至
図6は本発明の一実施形態を示すもので、例えば建物の外壁や塀等の材料として用いられるブロックを示すものである。
【0011】
本実施形態のブロックは、レンガからなる直方体状のブロック本体1を備え、ブロック本体1は一般的なコンクリートブロックと同様の形状に形成されている。即ち、ブロック本体1は、標準的な周知のコンクリートブロックと同等の大きさ(例えば、幅寸法Aが390mm、高さ寸法Bが190mm)に形成され、コンクリートブロックと同様、鉄筋や配管等を挿通するための複数の孔2を有している。各孔2はブロック本体1の上面及び下面を上下方向に貫通するように形成され、互いにブロック本体1の幅方向に間隔をおいて配列されている。また、ブロック本体1の幅方向両側面には、孔2の幅方向半分の形状を有する切り欠き3がそれぞれ設けられている。
【0012】
ブロック本体1の前面及び背面には、複数の縦溝4及び複数の横溝5が格子状に設けられ、各縦溝4及び各横溝5はそれぞれ等間隔P(例えば10mm〜20mm)で配列されている。この場合、各縦溝4及び各横溝5のうち所定本数(例えば5本)おきに配置される縦溝4′及び横溝5′は他の縦溝4及び横溝5よりも幅寸法及び深さ寸法が大きくなっている。即ち、幅寸法及び深さ寸法の小さい縦溝4及び横溝5は、例えば溝幅W1 が1mm〜3mm、溝深さD1 が0.5mm〜1.5mmに形成され、幅寸法及び深さ寸法の大きい縦溝4′及び横溝5′は、例えば溝幅W2 が4mm〜8mm、溝深さD2 が2mm〜4mmに形成されている。尚、
図4ではブロック本体1の要部平面断面図を示したが、溝の断面形状はブロック本体1の側面断面においても同様である。
【0013】
前記ブロックは、レンガの材料となる粘土に砂、石灰等を混ぜて練り、長方体状に成型して乾燥した後、窯で焼くことにより製造される。この場合、各縦溝4,4′及び各横溝5,5′に対応する突条部が内面に設けられた型を用いることにより、前記成型時に各縦溝4,4′及び各横溝5,5′を形成することができる。
【0014】
以上のように構成されたブロックを用いて建物の外壁を施工する場合は、複数のブロックを積み重ねるとともに、必要に応じてブロック本体1の孔2及び切り欠き3内に鉄筋や配管を挿通するとともに、コンクリートやモルタルを充填する。これにより、例えば
図6に示すように、複数のブロック本体1の前面によって建物にレンガ調の外壁面が形成される。
【0015】
また、ブロック本体1の前面には、複数の縦溝4,4′及び横溝5,5′が格子状に設けられているので、
図5に示すようにブロック本体1の表面にクラックCが発生した場合でも、クラックCの成長が縦溝4,4′及び横溝5,5′によって阻止され、またはクラックCが縦溝4,4′及び横溝5,5′内を溝に沿って伸びることから、ブロック本体1の表面におけるクラックCが目立つことはない。この場合、乾燥によってブロック本体1の表面に生ずるクラックCは、主に幅寸法及び深さ寸法の小さい縦溝4及び横溝5によって抑制され、曲げ応力や衝撃によってブロック本体1の内部から生ずるクラックCは、主に幅寸法及び深さ寸法の大きい縦溝4′及び横溝5′によって抑制される。
【0016】
このように、本実施形態のブロックによれば、ブロック本体1がレンガによって形成されているので、例えばヨーロッパ建築等に用いられるレンガ造りの外壁のように、レンガ独特の色調や質感によって格調高い外観を得ることができ、例えば居住用の建物の外壁として好ましいという利点がある。
【0017】
また、ブロック本体1の表面には、複数の縦溝4,4′及び横溝5,5′が格子状に設けられているので、ブロック本体1の表面にクラックCが発生した場合でも、クラックCの発生または拡大を縦溝4,4′及び横溝5,5′によって抑制することができ、クラックCによって外壁の見栄えが損なわれることがないという利点がある。
【0018】
この場合、各縦溝4及び各横溝5のうち所定本数おきに配置される縦溝4′及び横溝5′は他の縦溝4及び横溝5よりも幅寸法及び深さ寸法が大きくなっているので、乾燥によってブロック本体1の表面に生ずるクラックCを主に幅寸法及び深さ寸法の小さい縦溝4及び横溝5によって抑制し、曲げ応力や衝撃によってブロック本体1の内部から生ずるクラックCを主に幅寸法及び深さ寸法の大きい縦溝4′及び横溝5′によって抑制することができるので、クラックCの発生または拡大をより効果的に抑制することができる。
【0019】
また、ブロック本体1を他のブロック本体1と積み重ねて建築物等の壁を形成可能な直方体状に形成し、各縦溝4,4′及び各横溝5,5′をブロック本体1の表面のうち外壁面となる面に設けたので、コンクリートブロックと同様に積み重ねることにより、ブロック本体1の表面によってレンガ調の外壁面を形成することができ、建物の壁面や塀に用いる場合に極めて有利である。
【0020】
更に、ブロック本体1に上下方向に貫通する複数の孔2を設けたので、コンクリートブロックと同様、孔2内に鉄筋を入れて補強したり、孔2内に配管を挿通することができ、実用化に際して極めて有利である。
【0021】
尚、前記実施形態では、各縦溝4及び各横溝5のうち所定本数おきに配置される縦溝4′及び横溝5′を他の縦溝4及び横溝5よりも幅寸法及び深さ寸法が大きくなるように設けたものを示したが、各縦溝4及び各横溝5のうち所定本数おきに深さ寸法のみが大きい溝を設けるようにしてもよい。
【0022】
また、前記実施形態では、ブロック本体1の表面に複数の縦溝4,4′及び横溝5,5′を格子状に設けたものを示したが、互いに格子状に直交する複数の溝を斜めに設けるようにしてもよい。
【0023】
更に、前記実施形態で示した各縦溝4,4′及び各横溝5,5′の幅寸法、深さ寸法、ピッチの数値範囲は一例であり、ブロック本体1の大きさや用途等に応じて前記実施形態の数値範囲以外の寸法にすることも可能である。
【符号の説明】
【0024】
1…ブロック本体、2…孔、4,4′…縦溝、5,5′…横溝。