(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
照明装置を備えた照明システムのための制御装置であって、前記照明装置が、照明制御装置と光源と内部電力源とを備え、前記照明制御装置が、前記光源が点灯している状態で外部電力源からの電力供給が切断された際に、前記内部電力源からの電力により前記光源を点灯させる非常点灯状態とする制御を行い、前記照明制御装置が、所定の消灯信号を受信した際に、前記光源を消灯させる制御を行う照明装置を備えた照明システムのための制御装置において、
前記制御装置は、単一の人為的操作をうける操作入力部と、前記操作入力部に対する前記人為的操作に基づいて消灯信号を生成し、前記照明装置に送信する消灯信号生成部とを備えると共に、前記外部電力源からの交流を前記照明装置に供給するよう、前記外部電力源と前記照明装置との間に備えられ、
前記消灯信号生成部は、前記人為的操作に基づいて、前記交流の電圧変動が前記消灯信号となるよう当該交流の電圧を調整し、前記照明装置に供給するものであり、
前記消灯信号は、第1時間の低電圧区間と第2時間の高電圧区間と第3時間の低電圧区間からなる電圧信号であり、
前記消灯信号生成部は、
電源と、
スイッチと、
第1タイマーリレーと、
第2タイマーリレーと、
第3タイマーリレーと、
リレーと、を備え、
前記第1タイマーリレーと、前記第2タイマーリレーと、前記第3タイマーリレーとは、それぞれ、制御回路と、第1制御端子と、第2制御端子と、スイッチと、第1端子と、第2端子と、を備え、
前記第1タイマーリレーと、前記第2タイマーリレーと、前記第3タイマーリレーとのそれぞれの前記制御回路は、前記第1制御端子と前記第2制御端子とに前記電源からの電力が供給されてから遅延時間経過後にそれぞれの前記スイッチを操作し、
前記第1タイマーリレーの前記遅延時間は前記第1時間に等しい第1遅延時間に設定され、
前記第2タイマーリレーの前記遅延時間は前記第1時間と前記第2時間との和に等しい第2遅延時間に設定され、
前記第3タイマーリレーの前記遅延時間は前記第1時間と前記第2時間と前記第3時間との和に等しい第3遅延時間に設定され、
前記第1タイマーリレーの前記第1端子と前記第2端子とは、前記スイッチが操作されていない状態で導通状態となり、前記スイッチが操作された状態で切断状態となるよう構成され、
前記第2タイマーリレーの前記第1端子と前記第2端子とは、前記スイッチが操作されていない状態で切断状態となり、前記スイッチが操作された状態で導通状態となるよう構
成され、
前記第3タイマーリレーの前記第1端子と前記第2端子とは、前記スイッチが操作されていない状態で導通状態となり、前記スイッチが操作された状態で切断状態となるよう構成され、
前記リレーは、第1制御端子と、第2制御端子と、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、第1スイッチと、第2スイッチと、を備え、
前記リレーの前記第1端子と前記第3端子とは前記外部電力源に接続され、
前記リレーの前記第2端子と前記第4端子とは、前記照明装置に前記外部電力源からの電力を供給するための電線に接続され、
前記リレーの前記第1スイッチおよび前記第2スイッチはそれぞれ、前記第1制御端子と前記第2制御端子とに電力が供給された際に、前記第1端子と前記第2端子および前記第3端子と前記第4端子とがそれぞれ導通状態となり、電力が供給されない際にそれぞれ切断状態となるよう構成され、
前記スイッチは、前記人為的操作があった際に、前記第1タイマーリレーと、前記第2タイマーリレーおよび前記第3タイマーリレーのそれぞれの、前記第1制御端子と、前記第2制御端子とに前記電源からの電力を供給するように構成され、
前記第1タイマーリレーの前記第1端子は前記電源に接続され、前記第1タイマーリレーの前記第2端子は前記リレーの前記第1制御端子に接続され、
前記第2タイマーリレーの前記第1端子は前記電源に接続され、前記第2タイマーリレーの前記第2端子は、前記第3タイマーリレーの第2端子に接続され、
前記第3タイマーリレーの第1端子は前記リレーの第1制御端子に接続され、
前記リレーの第2制御端子は前記電源に接続されている、
ことを特徴とする照明システムのための制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に図面を用いて、本発明に係る照明システムの実施形態を説明する。
図1は本発明に係る照明システムの概略図である。本実施例では、照明システムはトンネルTの工事現場で使用されている。
〔照明システム〕
図に示すように、照明システムは、制御装置1,電線2,複数の照明装置3を備えている。制御装置1は交流電源P(本発明の外部電力源の例)に接続され、電線2に交流電源Pからの電力を供給すると共に照明システムの動作を制御する。電線2は制御装置1に接続された主電線21と、主電線21から分岐した複数の枝電線22を備えている。また、各々の枝電線22の先端にはソケット23が備えられている。
〔照明装置〕
各々の照明装置3は、照明が必要な場所に取り付けられる。また、各々の照明装置3には電線3cが取り付けられている。電線3cの一方の端部にはプラグ3pが備えられており、このプラグ3pを枝電線22の先端に備えられたソケット23に差し込むことにより、照明装置3に交流電源Pからの電力を供給することができる。
【0016】
図2は本実施形態における照明装置3の概略図である。図に示すように、照明装置3は、略円筒形状のケース31を備え、その内部に、複数のLED35(本発明の光源の例)が取り付けられた基板34が備えられている。ケース31の素材としては様々なものを用いることができるが、例えば、ポリカーボネートを用いることができる。また、基板34の素材としても様々なものを用いることができるが、アルミニウムを使用すれば放熱性が向上するため、好ましい。
【0017】
ケース31の第1の端部にはエンドキャップ32を備え、第2の端部にはカバーチューブ33が備えられている。照明装置3の第2の端部側の端面には、上述した電線3cと、照明装置3を点灯,消灯等させるためのスイッチ36とが備えられている。また、照明装置3のカバーチューブ33で覆われた内部には、照明装置3を制御するための照明制御装置4が備えられている。
【0018】
照明制御装置4は、制御部41,AC−DCコンバータ42,バッテリー43(本発明の内部電力源の例),電力源切替部44,LED駆動回路45,メモリ46を備えている。制御部41は、各種制御を行うものであり、例えば、ワンチップマイコン等を用いることができる。AC−DCコンバータ42は、電線3cを介して交流電源Pから供給される交流を直流に変換し、LED35,バッテリー43等に供給する。バッテリー43は、AC−DCコンバータ42から供給される電力により充電され、交流電源Pからの電力供給が切断された際に、LED35等に電力を供給する。電力源切替部44は、LED35等への電力の供給源を、AC−DCコンバータ42またはバッテリー43のいずれかに切り替えることができる。また、電力の供給を切断することもできる。LED駆動回路45は、供給された電力によりLED35を駆動し、発光させる。本実施形態では、LED35を半点灯モードと全点灯モードとの2つのモードで点灯させることができる。本実施形態では、半点灯モードではLED35を500Lmで点灯させ、全点灯モードではLED35を1000Lmで点灯させている。
【0019】
メモリ46は、最後の点灯モードを記憶することができる。また、メモリ46は、所定時間分(本実施形態では少なくとも4.5秒分)の交流電源Pからの交流(AC−DCコンバータ42からの直流)の電圧値を記憶する。メモリ46としては様々なデバイスを用いることができるが、不揮発性記憶媒体を用いれば、停電等で長時間交流電源Pからの電力が供給されなくとも、記憶を保持できるため好ましい。なお、図に結線は示されていないが、制御部41にはバッテリー43からの電力が供給されている。これにより、交流電源Pからの電力の供給が切断された際にも制御部41は動作することができる。
〔照明装置の状態の遷移〕
図3は、本実施形態における照明装置3の状態の遷移を表す状態遷移図である。この図を用いて、スイッチ36の操作および交流電源Pから電力供給の有無によって、照明装置3の状態がどのように変化するかを説明する。なお、ここでの初期状態(S0)では、照明装置3は消灯しており、メモリ46に最後に点灯した際の点灯モードが記憶されており、交流電力Pからの電力供給が切断されているものとする。
【0020】
以下の説明では、交流電源Pからの電力が供給されている状態を「交流電力ON」、交流電源Pからの電力の供給が切断されている状態を「交流電力OFF」と表記する。また、電力源切替部44への電力供給源が、バッテリー43となっている状態を「バッテリーON」、交流電源P(AC−DCコンバータ42)となっている状態を「バッテリーOFF」と表記する。
【0021】
消灯状態(S0)において「交流電力ON」となると、制御部41はメモリ46から点灯モードを読み出すとともに、電力源切替部44に対して、電力供給源がAC−DCコンバータ42となる、すなわち、「バッテリーOFF」となるよう制御を行う(S1)。読み出した点灯モードが「半点灯モード」であれば、制御部41はLED駆動回路45に対してLED35を500Lmで駆動するよう指示を出し、LED35を半点灯させる(S2)。一方、読み出した点灯モードが「全点灯モード」であれば、制御部41はLED駆動回路45に対してLED35を1000Lmで駆動するよう指示を出し、LED35を全点灯させる(S3)。
【0022】
この状態が、交流電源Pからの電力により点灯している通常点灯状態である。この通常点灯状態では、制御部41は、スイッチ36が操作される毎に「半点灯(S2)」→「全点灯(S3)」→「消灯(S4)」がサイクリックに切り替わるようにLED駆動回路45を制御する。なお、スイッチ36の操作によってモードが切り替えられた際には、制御部41は切り替え後のモードをメモリ46に記憶させる。
【0023】
照明装置3が点灯している状態(S2またはS3)で、「交流電力OFF」となると、制御部41は交流電源Pからの電力の電圧変動のパターンが所定の「消灯信号」の電圧変動パターンに一致するか否かを判定する(S5)。本実施形態では、「消灯信号」の電圧変動パターンは、1.5秒間の「交流電力OFF」(本発明の第1時間の低電圧区間)→1.5秒間の「交流電力ON」(本発明の第2時間の高電圧区間)→1.5秒の「交流電力OFF」(本発明の第3時間の低電圧区間)としている。そのため、制御部41は、所定時間毎、例えば0.1秒毎、の交流電源Pからの交流(AC−DCコンバータ42からの直流)の電圧値をメモリ46に記憶させておき、その記憶した電圧値の変化と前述した「消灯信号」の電圧の変化との比較を行う。なお、メモリ46には少なくとも過去4.5秒間の電圧値を記憶させておく。
【0024】
ここで、制御部41が、交流電源Pからの交流電圧の変動のパターンが「消灯信号」の電圧変動のパターンと一致しないと判定すると、制御部41はバッテリー43で駆動する非常点灯状態に遷移させる。具体的には、制御部41は、電力源切替部44に対して、電力供給源がバッテリー43となる、すなわち、「バッテリーON」となるよう制御し、LED駆動回路45に対して「半点灯モード」でLED35を駆動するよう制御を行う(S6)。
【0025】
この非常点灯状態では、制御部41は、スイッチ36が操作される毎に「半点灯(S6)」→「消灯(S7)」がサイクリックに切り替わるようにLED駆動回路45を制御する。すなわち、非常点灯状態では、消灯は全て「半点灯モード」となる。これにより、バッテリー43での点灯時間が長くなるようにしている。
【0026】
非常点灯状態でLED35が「半点灯」している状態で、「交流電力ON」となると、制御部41は、メモリ46から点灯モードを読み出すとともに、電力源切替部44に対して「バッテリーOFF」となるよう制御を行う(S1)。
【0027】
一方、S5において、制御部41が、交流電源Pからの交流の電圧変動のパターンが「消灯信号」の電圧変動のパターンと一致すると判定した場合には、制御部41は、LED駆動回路45に対してLED35を消灯するよう制御を行う(S0)。これにより、照明装置3は完全に消灯する。
〔制御装置〕
図4は本実施形態における制御装置1内の結線図である。図に示すように、本実施形態の制御装置1は、直流電源11(本発明の電源の例),スイッチ12(本発明の操作入力部の例),第1タイマーリレー13,第2タイマーリレー14,第3タイマーリレー15,パワーリレー16(本発明のリレーの例)を備えている。なお、
図4(a)は電力線の結線、
図4(b)は制御信号線の結線である。なお、本実施形態では、直流電源11,スイッチ12,第1タイマーリレー13,第2タイマーリレー14,第3タイマーリレー15およびパワーリレー16によって、本発明の消灯信号生成部を構成している。
【0028】
直流電源11は、交流電源Pからの供給される交流を直流に変換する。変換された直流は、第1タイマーリレー13,第2タイマーリレー14,第3タイマーリレー15およびパワーリレー16に直接的または間接的に供給される。
【0029】
第1タイマーリレー13は、制御回路13a,第1制御端子13b,第2制御端子13c,第1端子13d,第2端子13eおよびスイッチ13fを備えている。第1端子13dは直流電源11のV+に接続され、第2端子13eはパワーリレー16の第2制御端子16hに接続されている。第1端子13dと第2端子13eとの間にはスイッチ13fが設けられている。
【0030】
第1端子13dと第2端子13eとは、いわゆるb端子であり、第1制御端子13bと第2制御端子13cとに電力が供給されていない状態(初期状態)では、スイッチ13fは、第1端子13dと第2端子13eとの間が導通状態となる位置にある。制御回路13aは、第1制御端子13bおよび第2制御端子13cに供給される電力によって、第1端子13dと第2端子13eとの間が導通または切断となるようにスイッチ13fを制御する。具体的には、制御回路13aは、第1制御端子13bおよび第2制御端子13cに電力が供給された後、遅延時間t1(第1遅延時間)経過後に、第1端子13dと第2端子13eとの間が切断状態となるようにスイッチ13fを制御する。本実施形態では、上述した「消灯信号」に対応して、第1遅延時間t1=1.5秒としている。一方、第1制御端子13bおよび第2制御端子13cへの電力の供給が切断された際には、スイッチ13fは直ちに初期位置に戻り、第1端子13dと第2端子13eとの間は導通状態となる。
【0031】
第2タイマーリレー14は、第1タイマーリレー13と同様の構成となっており、制御回路14aは、第1制御端子14bおよび第2制御端子14cに供給される電力によって、スイッチ14fを制御する。ただし、第1端子14dと第2端子14eとは、いわゆるa端子であり、第1制御端子14bと第2制御端子14cとに電力が供給されていない状態(初期状態)では、スイッチ14fは、第1端子14dと第2端子14eとの間が切断状態となる位置にある。また、第2タイマーリレーの遅延時間t2(第2遅延時間)は第1遅延時間t1よりも長い3秒となっている。
【0032】
第1端子14dは直流電源11のV+に接続されており、第2端子14eは第3タイマーリレー15の第2端子15eに接続されている。すなわち、第2タイマーリレー14の出力が第3タイマーリレー15に入力されている。
【0033】
第3タイマーリレー15は、第1タイマーリレーと同様の構成となっており、制御回路15aは、第1制御端子15bおよび第2制御端子15cに供給される電力によって、スイッチ15fを開閉制御する。ただし、第3タイマーリレーの遅延時間t3(第3遅延時間)は第2遅延時間t2よりも長い4.5秒となっている。また、第2端子15eは上述したように第2タイマーリレー14の第2端子14eに接続されており、第1端子15dはパワーリレー16の第2制御端子16hに接続されている。
【0034】
パワーリレー16は第1端子16a,第2端子16b,第3端子16c,第4端子16d,第1スイッチ16e,第2スイッチ16f,第1制御端子16g,第2制御端子16h,制御部16iを備えている。第1端子16aおよび第3端子16cは交流電源Pに接続されている。第1端子16aと第2端子16bとの間には第1スイッチ16eが備えられている。また、第3端子16cと第4端子16dとの間には第2スイッチ16fが備えられている。
【0035】
第2制御端子16hには上述したように、第1タイマーリレー13の第2端子13eと第3タイマーリレー15の第1端子15dとが接続されている。一方、第1制御端子16hは直流電源11のV−に接続されている。制御部16iは、第1制御端子16gと第2制御端子16hとに電力が供給されているときに第1スイッチ16eおよび第2スイッチ16fを「閉」状態に制御する。すなわち、パワーリレー6の端子はいずれもいわゆるa端子である。
【0036】
スイッチ12は、人為的に「開」「閉」操作可能であり、これにより第1タイマーリレー13,第2タイマーリレー14および第3タイマーリレー15へ電力を供給したり切断したりすることができる。照明装置3が通常の点灯状態では、このスイッチ12は「開」状態となっている。
【0037】
以下に、スイッチ12が「開」状態のときの直流電源11からの電力の流れを説明する。この状態では、第1タイマーリレー13,第2タイマーリレー14および第3タイマーリレー15の各々の制御回路13a,14aおよび15aには電力が供給されていない。したがって、各々のスイッチ13f,14,および15fは初期状態である。そのため、第1タイマーリレー13の第1端子13dと第2端子13eとは導通状態となる。同様に、第3タイマーリレー15の第1端子15dと第2端子15eとは導通状態となる。一方、第2タイマーリレー14の第1端子14dと第2端子14eとは切断状態となる。よって、直流電源11のV+は、第1タイマーリレー13を介してパワーリレー16の第2制御端子16hと導通状態となり、パワーリレー16の第1制御端子16gと第2制御端子16hとには、電力が供給される。そのため、パワーリレー16の第1スイッチ16eおよび第2スイッチ16fは「閉」状態となる。これにより、パワーリレー16の第1端子16aと第2端子16b,第3端子16cと第4端子16dとはそれぞれ導通状態となり、交流電源Pからの電力はパワーリレー16を介して電線2に供給される。よって、照明装置3は点灯状態となる。
〔照明システムの挙動〕
図5は、スイッチ12を操作した際のタイムチャートである。同図と
図3のフローチャートを参照しながら、制御装置1および照明装置3の挙動を説明する。なお、
図5では、交流電源Pについて、交流電源Pから電力が供給されている状態を「入」、停電や交流電源Pのスイッチの「切」操作等によって、交流電源Pから電力が供給されていない状態を「切」と表記している。スイッチ12については、スイッチ12の操作によって、直流電源11と第1タイマーリレー13等とが導通している状態を「閉」、導通していない状態を「開」と表記している。第1タイマーリレー等については、第1端子13d等と第2端子13e等とが導通している状態を「閉」、導通していない状態を「開」と表記している。パワーリレー16についても同様に、第1端子16a等と第2端子16bとが導通状態、すなわち、第1スイッチ16e等が「閉」である状態を「閉」と表記している。また、照明装置3が点灯している状態を「灯」、消灯している状態を「消」と表記している。
【0038】
図5のタイムチャートの初期状態では、交流電源Pは通電しており、スイッチ12は「開」状態となっている。この状態では、第1タイマーリレー13,第2タイマーリレー14および第3タイマーリレー15の制御端子13b,13c,14b,14c,15bおよび15cには電力が供給されていない。したがって、第1タイマーリレー13と第3タイマーリレー15とは「閉」状態であり、第2タイマーリレー14は「開」状態である。そのため、直流電源11からの電力は、パワーリレー16の第1制御端子16gと第2制御端子16hとに供給され、パワーリレー16も「閉」状態となる。したがって、交流電源Pからの電力はパワーリレー16および電線2を介して照明装置3に供給され、照明装置3は「灯」状態となる。これは、
図3のフローチャートでは、S2またはS3の状態である。
【0039】
このような状態で、時刻T1でスイッチ12が人為的に「閉」状態に操作(本発明の人為的操作の例)される。すると、直流電源11からの電力は第1タイマーリレー13等の第1制御端子13b,第2制御端子13c等に供給される。しかし、上述したように、第1タイマーリレー13,第2タイマーリレー14および第3タイマーリレー15は、各々遅延時間t1(=1.5秒),t2(=3秒)およびt3(=4.5秒)が設定されており、その遅延時間が経過しなければスイッチ13f等の状態は変化しない。したがって、時刻T1から1.5秒経過するまで(時刻T2まで)は、各リレーおよび照明装置3の状態は変化しない。
【0040】
時刻T1から1.5秒経過する(時刻T2になる)と、第1タイマーリレー13のスイッチ13fの状態が変化し、第1タイマーリレー13は「開」状態となる。一方、第2タイマーリレー14は「開」状態のままである。したがって、直流電源11からパワーリレー16への電力の供給が切断され、パワーリレー16は「開」状態となる。したがって、交流電源Pから照明装置3への電力の供給が切断される。この挙動は、
図3のフローチャートでは、S2またはS3からS5への遷移である。すると、S5では、照明装置3の制御部41が、このとき(時刻T2)から4.5秒前までの電圧変動パターンが「消灯信号」の電圧変動パターンと一致するか否かを判定する。上述したように、本実施形態における「消灯信号」の電圧変動パターンは、1.5秒間の「交流電力OFF」→1.5秒間の「交流電力ON」→1.5秒の「交流電力OFF」としているため、ここでは「消灯信号」ではないと判定される。そのため、S5からS6に遷移し、照明装置3の制御部41は、「バッテリーON」および「半点灯モード」となるように制御する。これにより、照明装置3は非常点灯状態となり、バッテリー43駆動によって半点灯される(
図5のハッチング部分)。
【0041】
時刻T2からさらに1.5秒経過、すなわち、時刻T1から3秒経過する(時刻T3になる)と、第2タイマーリレー14のスイッチ14fの状態が変化し、第2タイマーリレー14が「閉」状態となる。このとき、第3タイマーリレーは「閉」状態である。したがって、直流電源11からパワーリレー16への電力の供給が再開され、パワーリレー16は「閉」状態となり、交流電源Pから照明装置3への電力の供給も再開される。この挙動は、
図3のフローチャートでは、S6からS1への遷移である。すると、S1では、照明装置3の制御部41は、「バッテリーOFF」およびメモリ46から読み出した点灯モードとなるように制御を行う(S1からS2またはS3への遷移)。これにより、照明装置3は、交流電源Pからの電力によって点灯される。
【0042】
時刻T3からさらに1.5秒経過、すなわち、時刻T1から4.5秒経過する(時刻T4になる)と、第3タイマーリレー15のスイッチ15fの状態が変化し、第3タイマーリレー15が「開」状態となる。このとき、第1タイマーリレー13も「開」状態である。したがって、直流電源11からパワーリレー16への電力の供給が再び切断され、パワーリレー16は「開」状態となり、交流電源Pから照明装置3への電力の供給も切断される。この挙動は、
図3のフローチャートでは、S2またはS3からS5への遷移である。すると、S5では、照明装置3の制御部41が、この電圧変動パターンが「消灯信号」の電圧変動パターンと一致するか否かを判定する。ここでは、時刻T4から4.5秒前の電圧の変動パターンが「消灯信号」の電圧変動パターンと一致する。そのため、照明装置3の制御部41は、「バッテリーOFF」および「消灯」となるよう制御を行う(S5からS0への遷移)。これにより、照明装置3は消灯する。
【0043】
このように、本照明システムでは、スイッチ12を「閉」操作するだけで、「消灯信号」を生成することができる。そのため、
図1のように、複数の照明装置3を備えている場合であっても、スイッチ12を「閉」操作するだけで、全ての照明装置3を所定の遅延時間経過後に消灯させることができる。
【0044】
このようにして照明装置3が消灯した状態で、時刻T5において、スイッチ12を「開」状態に操作すると、第1タイマーリレー13,第2タイマーリレー14および第3タイマーリレー15のそれぞれのスイッチ13f,14fおよび15fの状態が同時にそれぞれ「閉」,「開」および「閉」となる。したがって、直流電源11とパワーリレー16とは第1タイマーリレー13を介して導通状態となり、パワーリレー16が「閉」状態となる。そのため、交流電源Pからの電力がパワーリレー16を介して照明装置3に供給され(S0からS1への遷移)、照明装置3は通常の点灯状態で点灯する(S1からS2またはS3への遷移)。
このように、消灯している状態でスイッチ12を操作した場合には、略同時に全てのリレーの状態が変更され、ほとんどタイムラグなしに照明装置3を点灯させることができる。
【0045】
一方、
図6は照明装置3が交流電源Pからの電力によって点灯している状態で、停電等によって交流電源Pからの電力の供給が切断された後に、電力の供給が再開された場合のタイムチャートである。
【0046】
停電等によって、時刻T11に交流電源Pから制御装置1への電力の供給が切断される。このとき、スイッチ12は「開」状態である。そのため、第1タイマーリレー13,第3タイマーリレー15は「閉」状態であり、第2タイマーリレー14は「開」状態である。したがって、直流電源11とパワーリレー16とは導通状態にあるが、直流電源11への電力が供給されていないため、パワーリレー16の第1制御端子16gおよび第2制御端子16hへは電力が供給されず、パワーリレー16は「開」状態となる。また、パワーリレー16に対する交流電源Pからの電力供給も切断される。したがって、交流電源Pから照明装置3への電力供給も切断される。すると、
図3のフローチャートでは、S2またはS3からS5に遷移する。そして、照明装置3の制御部41は、T11から4.5秒前までの電圧変動パターンが「消灯信号」の電圧変動パターンと一致するか否かを判定する。ここでは、一致しないため、制御部41は「バッテリーON」,「半点灯モード」となるよう制御を行う(S5からS6への遷移)。すなわち、照明装置3は非常点灯状態となる(
図6のハッチング部分)。
【0047】
時刻T12に停電が復旧し、交流電源Pから制御装置1に対する電力の供給が再開される。このとき、スイッチ12は「開」状態であるため、第1タイマーリレー13,第2タイマーリレー14および第3タイマーリレー15の状態に変化はない。一方、パワーリレー16には、直流電源11および交流電源Pからの電力の供給が再開されるため、パワーリレー16は「閉」状態となり、照明装置3に対しても交流電源Pからの電力の供給が再開される。すると、S6からS1に遷移し、制御部41は「バッテリーON」、かつ、時刻T11直前の点灯モードとなるよう、制御を行う(S1からS2またはS3への遷移)。
【0048】
このように、この照明システムでは、点灯中に交流電源Pからの電力の供給が切断されると、消灯することなく非常点灯モードに移行し、バッテリー43によって「半点灯モード」で点灯を継続する。その後、交流電源Pからの電力の供給が再開されると、交流電源Pからの電力によって、非常点灯状態となる直前の点灯モードでの点灯を再開する。
〔別実施形態〕
(1)本実施形態では、「消灯信号」を判定する際に、交流電源Pからの電圧を用いたが、専用の信号を用いても構わない。
(2)本実施形態では、制御装置1に直流電源11を備えたが、各リレーに交流電力で動作するものを用いれば、直流電源11は不要となる。この場合、交流電源Pを電源とすればよい。
【課題】外部電力源からの電力が切断された際には内部電力源からの電力により点灯するよう構成された照明装置を用いた照明システムにおいて、簡易な操作で消灯させる技術を提供する。
【解決手段】照明装置は、照明制御装置と、光源と、内部電力源と、を備えている。照明制御装置は、光源が点灯している状態で外部電力源からの電力供給が切断された際に、内部電力源からの電力により光源を点灯させる非常点灯状態とする制御を行う。また、照明制御装置は、所定の消灯信号を受信した際に、前記光源を消灯させる制御を行う。制御装置は、単一の人為的操作をうける操作入力部と、操作入力部に対する人為的操作に基づいて消灯信号を生成し、照明装置に送信する消灯信号生成部と、を備えている。