【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一つの特徴では、動作パラメータ、動作パラメータを算定するための規則及び動作パラメータを算定するための情報の中の一つ以上をそれぞれ所定のコンポーネントと関連して定義する。そうすることによって、コンポーネントが所定の構成の一部であると決まった場合に、そのコンポーネントと共に対応するデータを一緒に提供するか、或いは例えば、呼び出すことが可能となる。しかし、ここで、所定の構成の少なくとも一つ以上の別のコンポーネントが分かった場合に初めて、コンポーネントに関して定義されたデータから動作パラメータを算定することが可能である。例えば、測定ヘッドが第一又は第二の座標測定器と組み合わされているのかに応じて、測定ヘッドには異なる最大速度又は加速度が許される。
【0012】
特に、例えば、それ以前の構成を復元する場合、動作パラメータの算定及び/又は使用に関して制御部の設定(即ち、状態)を変更するとともに、それ以前の状態を復元することも可能である。
【0013】
本発明の第一の特徴と組み合わせることが可能な第二の特徴では、特に、任意選択のコンポーネント及び/又は交換可能なコンポーネントの各々(しかし、有利には、全てのコンポーネント)に対して、そのコンポーネントと関連して定義された、動作パラメータの算定及び/又は使用に関するデータの全てを含むデータグループを定義する。更に、座標測定器の一つ以上の基本コンポーネントに関して、それに対応したデータグループを定義することができる。従って、所定の構成の一部であるコンポーネントに関するデータグループを組み合わせることによって、各構成に関して有効なパラメータセット全体を簡単かつ確実に算定することができる。更に、各構成に対して有効な、動作パラメータの算出及び使用に関する規則をデータグループから算出することができる。
【0014】
本発明の別の特徴の中の一つ以上と組み合わせることが可能な第三の特徴では、次に述べる方法により実施することとし、コンポーネントに関するシーケンスを規定するか、或いはそのようなシーケンスを事前に規定しておくものとする。そのため、そのシーケンスに関して第一の位置に有るコンポーネントと、そのシーケンスの最後の位置に有る少なくとも一つのコンポーネントとが存在することとなる。有利には、シーケンス内の各位置には、一つのコンポーネントだけが有る。しかし、シーケンス内の同じ位置に二つ以上のコンポーネントが有ることも排除しない。
【0015】
コンポーネントの物理的な配置構成のシーケンスではなく、論理的なシーケンスであるコンポーネントのシーケンスにもとづき、本方法による動作パラメータを算定するための処理を実行する。また、本方法による動作パラメータを算定するための処理とは、本方法にもとづき、動作パラメータを算定するための情報及び/又は動作パラメータを算定するための規則だけを識別して、有効な情報又は規則として採用するか、そのような規則を実施するか、或いはその両方を実行する処理であると解釈する。
【0016】
本発明の第三の特徴による実施形態では、次の方法を提案する。
【0017】
例えば、最大速度、最大加速度、移動範囲の限界位置又は信号検出の限界値などの、動作中有効性を保持すべき少なくとも一つの動作パラメータを算定する、座標測定器の動作を制御する方法であって、次の工程を実施する方法。
a)座標測定器の複数のコンポーネントにそれぞれ動作パラメータの値、動作パラメータを算定するための規則及び動作パラメータを算定するための情報の中の一つ以上を割り当てるか、或いは割り当てることができる工程、
b)複数のコンポーネントに対して、動作パラメータを算定するためのシーケンスを規定する工程、
c)規定された算定シーケンスで動作パラメータを算定する際に、各コンポーネントに関して、次の通り措置を実施することとし、シーケンスの第一の位置に有るコンポーネントから開始して、
・動作パラメータの値がコンポーネントに割り当てられている場合、その値を動作に関して有効な動作パラメータの値として採用する措置、
・動作パラメータの値がコンポーネントに割り当てられてない場合、それまでの有効な動作パラメータの値が引き続き有効なままとする措置、
・更に別のコンポーネントがシーケンスに存在する場合、そのコンポーネントに対して前記の措置を繰り返す、
工程。
【0018】
新しい有効な値の採用は、動作パラメータに関して有効な規則を留意した結果に依存する場合が有る。
【0019】
それに代わって、或いはそれに追加して、工程c)において、規定されたシーケンスで動作パラメータを算定する際に、次の通り措置を実施することとし、シーケンスの第一の位置に有るコンポーネントから開始して、
・動作パラメータを算定するための規則がコンポーネントに割り当てられている場合には、その規則を実施するか、有効な規則として採用するか、その両方を実行する措置及び/又は
・動作パラメータを算定するための情報がコンポーネントに割り当てられている場合には、その情報を有効な情報として採用する措置を実施し、
・更に別のコンポーネントがシーケンスに存在する場合、そのコンポーネントに対して前記の措置を繰り返す。
【0020】
新しい有効な動作パラメータとして動作パラメータを採用すべきか否かを調べるか、又は動作パラメータを算定するための規則及び/又は情報を採用するか、その規則を実施するか、或いはその両方を実行するか否かを調べる場合、コンポーネントのシーケンスを二回巡回することができ、一回目の巡回では、動作パラメータを調べるか、或いは場合によっては、動作パラメータの新しい値を有効な値として採用し、二回目の巡回では、規則及び/又は情報を採用するか、或いは規則を実施する。しかし、有利には、コンポーネントのシーケンスを一回だけ巡回し、シーケンスに一つのコンポーネントが有る場合、動作パラメータの値を有効と看做すか、或いは場合によっては、動作パラメータを算定するための規則及び/又は情報を有効と看做すか、又は規則を実施する。
【0021】
コンポーネントに関して規定された算定シーケンスにもとづき、予め想定可能な全ての構成を考慮した複雑な論理を必要とすること無く、座標測定器の動作に関する具体的に有効なパラメータセット又は規則と情報のセットを算定することができる。むしろ、シーケンスの形で確実な処理ステップが決定されており、その結果、それ以前の構成に属するそれ以前の状態も復元することができる。
【0022】
特に、規定されたシーケンスにおいて、少なくとも想定可能な構成の中の多くに存在しないコンポーネント又はコンポーネントタイプを考慮することができる。そのようなコンポーネント又はコンポーネントタイプは、それが座標測定器のその時点の構成に存在しない場合には、本方法の工程c)では考慮されない、即ち、特に、そのようなコンポーネント又はコンポーネントタイプに関しては、動作パラメータの値が有効な値として採用すべきか否か及び/又は動作パラメータを算定するための規則及び/又は情報を有効と看做すべきか、或いはその規則を実施すべきか否かを調べない。
【0023】
しかし、コンポーネントが構成に含まれている場合には、そのコンポーネントをシーケンスの如何なる位置に挿入すべきかを明らかとするための、規定されたシーケンスと別個の制御ルールが存在する場合も有る。それと逆に、その時々の構成内にもはや存在しないコンポーネントはシーケンスから容易に除外されているので、コンポーネントを除外するための制御ルールは不要である。前述した別個の制御ルールは、特に、例えば、駆動部が付属する本来の座標測定器などの基本コンポーネントがシーケンスの第一の位置に有ることと、所定の手法により、測定テーブル、センサー又はプローブピン用マガジンなどの追加機器又は測定補助手段がシーケンスの次の位置に有ることと、所定の手法により、例えば、プローブピン支持体などの測定センサーの支持及び/又は移動用支持体がシーケンスの更に次の位置に有ることと、本来のセンサー(例えば、プローブピン又はレーザーセンサー)がシーケンスの次の位置に有ることと、座標測定器の動作を制御するためのプログラム又はプログラム部分が最後の位置に有って、例えば、そのプログラム又はプログラム部分のユーザーが、動作パラメータと関連する指示を出すことが可能であることとから構成することができる。そのような支持体では、例えば、シーケンスにおいて、先ずは座標測定器に直に取り付けられた支持体が有り、シーケンスの直ぐ次の位置には、その支持体に更に取り付けられた、本来のセンサーを支える副支持体が有るものと規定することができる。従って、コンポーネントタイプのシーケンスは、座標測定器の構成の機械的な構造と一致する。支持体及び副支持体を備えた構成の例は、特許文献2に記載された少なくとも二つの回転シャフトをモーターで調節することが可能な座標測定器のプローブヘッド用回転・旋回装置であり、特許文献2の
図5によると、その回転シャフトは、座標測定器(KMG)のスピンドルに取り付けられている。KMGに取り付けられた、その装置の第一の筐体部分は、第一の回転軸の周りを回転可能な第二の筐体部分(第一の副支持体)を支える支持体である。第二の筐体部分には、第二の回転軸の周りを回転可能な収容部(第二の副支持体)が軸支されており、その収容部には、例えば、プローブヘッドを設置することができる。
【0024】
副支持体は、支持体によって支えられるとともに、支持体の特性を有する機器である。前述した例の通り、副支持体は、KMGに対するセンサーの回転可動性を作り出すことができる。支持体又は副支持体は、例えば、測定タイプのプローブヘッド又はその他のセンサーを支えることができる。センサーとは、例えば、光学式及び/又は機械式にプローブする形態で加工物をプローブする機器又はシステムであると解釈する。従って、センサーは、例えば、カメラ、触覚式プローブヘッド又は交換プレート上の簡単なプローブピンとすることができる。
【0025】
副支持体の無い実施形態では、センサー(例えば、別の測定装置との交換用インタフェースを備えた測定タイプのプローブヘッド)を支持体に取り付けるか、或いはKMGに直に取り付けることができる。
【0026】
有利には、想定可能な全てのコンポーネントを、そのコンポーネントタイプに応じて事前に定義するとともに、想定可能な多くの構成に関するコンポーネントタイプをシーケンスとして事前に規定しておき、その結果、単に具体的な構成に関して、如何なるコンポーネントタイプに対してコンポーネントが実際に有るのかを決定するだけで済むこととなる。そして、コンポーネントタイプのシーケンスから、規定された算出シーケンスが疑いの余地無く得られる。
【0027】
特に、コンポーネントの中の少なくとも一つに動作パラメータの値を割り当てることが可能であり、その値は、少なくとも一つの別のコンポーネント及び/又はコンポーネントの組合せに依存するものである。例えば、センサー用支持体のパラメータ(例えば、測定物体をプローブする速度)は、座標測定器の基本形態、即ち、本来の機械に依存する場合が有る。そのようなパラメータは、以下で更に説明するパラメータカテゴリー「目標システムパラメータ」に該当する。従って、本来の機械が、コンポーネントのシーケンスにおいて、パラメータが機械に依存する可能性の有るコンポーネントの前に有るのが有利である。しかし、それ以外の場合には、動作パラメータを算定シーケンスで処理する際、その処理シーケンスが当該の依存するパラメータを有するコンポーネントの順番に来た時に、算定規則(又は別の条件に依存するパラメータ)を有効であると看做すことも可能である。従って、コンポーネントの中の少なくとも一つを動作パラメータを算定するための規則に割り当てることができ、その規則は、少なくとも一つの別のコンポーネント及び/又はコンポーネントの組合せに依存するものである。
【0028】
動作パラメータの値、動作パラメータを算定するための規則及び動作パラメータを算定するための情報の中の一つ以上をコンポーネントタイプに割り当てることもできる。そのようなパラメータは、別途説明する「構造配列に特有なパラメータ」のカテゴリーに該当する。
【0029】
動作パラメータの値、動作パラメータを算定するための規則及び動作パラメータを算定するための情報の中の一つ以上をコンポーネントの所定の実施例に割り当てることもできる、或いは割り当てることとする。そのようなパラメータは、同じく別途詳しく説明する「個別パラメータ」のカテゴリーに該当する。
【0030】
また、本発明は、特に、本明細書に記載された任意の実施形態で本発明による方法を実施する座標測定器の制御部に関する。
【0031】
そのような制御部を備えた座標測定器も、本発明の対象である。
【0032】
更に、コンピュータプログラムであって、そのコンピュータプログラムがコンピュータ上で実行された場合に本発明の一つ以上の実施形態で本方法を実行するプログラムコードを有するコンピュータプログラムも本発明の範囲内に有る。この場合、プログラムコードは、例えば、ソースコードで存在することができ、そのため、そのソースコードをコンパイルしなければらないか、或いは機械読み取り可能な形式で存在することができる。
【0033】
更に、データ記憶媒体は、本発明の範囲内に有り、そのデータ記憶媒体には、(プログラムの)データ構造が保存されており、そのデータ構造は、コンピュータがそのデータ構造にアクセスした場合に、コンピュータが本発明の一つ以上の実施形態で本方法を実行することが可能なように構成されている。
【0034】
制御部がアクセスすることが可能な、或いは制御方法を実施する際にアクセスすることが可能なデータ記憶構造も、本発明の範囲内に有る。そのようなデータ記憶構造内には、個々のコンポーネントに関する動作パラメータ、動作パラメータを算定するための情報及び動作パラメータを算定するための規則の中の一つ以上が保存されている。この場合、座標測定器のコンポーネントの各々に関して、動作パラメータの値、それを算定するための情報及びそれを算定するための規則の中の一つ以上を有するデータを含むデータグループを定義する。この場合、各データグループは、コンポーネントに割り当てられたデータを含み、例えば、ファイルとして保存することができる。動作パラメータの決定と関連するデータが存在しないコンポーネントに関しては、データグループを省略することができる。
【0035】
特に、各データグループを下位グループに分けることができ、下位グループの各々が、次のデータカテゴリーの中の一つに関するデータを有する。
・構造配列に特有なパラメータに関するデータ。これらのパラメータは、特に、コンポーネントの特性を表し、有利には、コンポーネントと共に提供される。コンポーネントを交換した場合、或いはアップデートした場合、そのようなパラメータを交換するか、或いは最新の状態にすることができ、その際、目標システム(即ち、座標測定器又は機械)が分かっている必要はない。
・目標システムパラメータ。これらのパラメータは、目標システム又は目標機械に依存し、従って、有利には、目標システムと共に提供される。従って、アップデートする場合、目標機械に存在するコンポーネントの対応するデータセットを更新すべきである。所与の目標機械において、同じ構造配列又は同じ形式の別のコンポーネントにコンポーネントを交換した場合、目標システムパラメータは変わらない。
・個別パラメータ。これらのパラメータは、具体的なコンポーネントの個々の特性を表す。特に、これらのパラメータは、個々の特性を有する具体的なコンポーネントを含む、或いは搭載するコンポーネントに対して逆作用を及ぼす可能性が有る。そのような個別パラメータの例は、プローブ用測定ヘッドの測定球体の直径又は偏心度である。そのため、個別パラメータは、コンポーネントを実際の構成又は座標測定器に適合させるための情報を含み、従って、多くの場合相応のプログラムによって算定されて、使用のために保存されている。
【0036】
ここで、本発明の実施例を添付図面と関連して説明する。