特許第6016327号(P6016327)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6016327狭いサイズ分布を有する人工的に製造された基材をベースとする効果顔料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016327
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】狭いサイズ分布を有する人工的に製造された基材をベースとする効果顔料
(51)【国際特許分類】
   C09C 3/06 20060101AFI20161013BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20161013BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20161013BHJP
   A61K 8/26 20060101ALI20161013BHJP
   A61K 8/72 20060101ALI20161013BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20161013BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20161013BHJP
   A61Q 1/06 20060101ALI20161013BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20161013BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20161013BHJP
   A61Q 3/02 20060101ALI20161013BHJP
   A61Q 5/04 20060101ALI20161013BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20161013BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20161013BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20161013BHJP
   C09D 5/03 20060101ALI20161013BHJP
   C09D 7/12 20060101ALI20161013BHJP
   C09D 11/00 20140101ALI20161013BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   C09C3/06
   A61K8/19
   A61K8/25
   A61K8/26
   A61K8/72
   A61Q1/00
   A61Q1/02
   A61Q1/06
   A61Q1/10
   A61Q1/12
   A61Q3/02
   A61Q5/04
   A61Q5/06
   A61Q5/10
   A61Q19/00
   C09D5/03
   C09D7/12
   C09D11/00
   C09D201/00
【請求項の数】12
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2010-547050(P2010-547050)
(86)(22)【出願日】2008年11月25日
(65)【公表番号】特表2011-515508(P2011-515508A)
(43)【公表日】2011年5月19日
(86)【国際出願番号】EP2008009993
(87)【国際公開番号】WO2009103322
(87)【国際公開日】20090827
【審査請求日】2011年1月7日
【審判番号】不服2014-6188(P2014-6188/J1)
【審判請求日】2014年4月3日
(31)【優先権主張番号】08003114.9
(32)【優先日】2008年2月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502099902
【氏名又は名称】エッカルト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Eckart GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 幸史
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター カウップ
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ シュミット
(72)【発明者】
【氏名】ディーク シューマッハ
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ シュナイダー
【合議体】
【審判長】 冨士 良宏
【審判官】 國島 明弘
【審判官】 日比野 隆治
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/114442(WO,A1)
【文献】 特開2008−174698(JP,A)
【文献】 特表2006−522192(JP,A)
【文献】 特表2008−534753(JP,A)
【文献】 特開2000−281932(JP,A)
【文献】 特表2005−502738(JP,A)
【文献】 特開2005−042112(JP,A)
【文献】 特開2007−327059(JP,A)
【文献】 特開2007−126643(JP,A)
【文献】 特開昭53−000230(JP,A)
【文献】 特表2010−538096(JP,A)
【文献】 特表2008−501050(JP,A)
【文献】 特表2006−510797(JP,A)
【文献】 特表2002−509561(JP,A)
【文献】 特開平4−193725(JP,A)
【文献】 米国特許第3331699(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09C1/00−3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の光学活性なコーティングを有する人工的な微小板形状の基材を含む効果顔料であって、
前記効果顔料が、粒子サイズのD10、D50およびD90を有する体積平均累積篩下分布曲線を有し(但しD10値は25μmよりも大きい)、前記累積篩下分布曲線が0.7〜1.4のスパンΔDを有し、前記スパンΔDが式(I)により計算され、そして、前記人工的な微小板形状の基材の平均厚みが500nm〜2000nmであり、前記人工的な微小板形状の基材が合成基材であって、その厚みの相対標準偏差が15%〜100%であり、
前記少なくとも1種の光学活性なコーティングが、n≧1.9の屈折率を有し、金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、およびそれらの混合物からなる群より選択されて、
前記効果顔料が、無色のニトロセルロースワニス、塗料の全重量を基準にして6重量%の効果顔料を含む塗料から調製された、76μmの湿膜厚みのアプリケーター・ドローダウン乾燥させた後の測定において、0.5〜8.0の、a−b色空間中の色差分布の90%分位値ΔC90を有する(乾燥させたアプリケーター・ドローダウン中の少なくとも100個の顔料粒子の測定による)ことを特徴とする、効果顔料。
ΔD=(D90−D10)/D50 (I)
【請求項2】
前記人工的な微小板形状の基材の平均厚みが、750nm〜1500nmであることを特徴とする、請求項1に記載の効果顔料
【請求項3】
前記累積篩下分布曲線が、30〜350μmの範囲のD50値を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の効果顔料。
【請求項4】
前記人工基材が、実質的に透明であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の効果顔料。
【請求項5】
前記実質的に透明な人工基材が、ガラス微小板、合成マイカの微小板、SiO微小板、ポリマー微小板、微小板形状のオキシ塩化ビスマス、微小板形状の酸化アルミニウム、およびそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項に記載の効果顔料。
【請求項6】
前記人工基材が、ガラス微小板を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の効果顔料。
【請求項7】
請求項1〜のいずれかに記載の効果顔料を製造するためのプロセスであって、
a)前記人工基材を分級する工程、
b)少なくとも1種の光学活性なコーティングで前記人工基材をコーティングする工程、
を含むことを特徴とする、プロセス。
【請求項8】
前記工程b)における人工基材のコーティングが、工程a)における人工基材の分級より後に実施されることを特徴とする、請求項に記載の効果顔料を製造するためのプロセス。
【請求項9】
化粧料、プラスチック、およびコーティング組成物における、請求項1〜のいずれかに記載の効果顔料の使用。
【請求項10】
化粧料が、ボディパウダー、フェースパウダー、コンパクトおよびルースパウダー、フェースメイクアップ、パウダークリーム、クリームメイクアップ、エマルションメイクアップ、ワックスメイクアップ、ファウンデーション、ムースメイクアップ、ブラッシャー、アイメイクアップ、リップケアスティック、リップスティック、リップグロス、リップライナー、ヘアスタイリング組成物、スキンケア組成物、ならびにネイルワニス組成物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項に記載の効果顔料の使用。
【請求項11】
コーティング組成物であって、前記コーティング組成物が、請求項1〜のいずれかに記載の効果顔料を含むことを特徴とする、コーティング組成物。
【請求項12】
プラスチックであって、前記プラスチックが、請求項1〜のいずれかに記載の効果顔料を含むことを特徴とする、プラスチック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工基材をベースとし、改良された光学的性質を特徴とする新規な効果顔料に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、さらに、これらの効果顔料を製造するための新規なプロセス、ならびに化粧料、塗料、印刷インキ、ワニス、粉体コーティング材料、およびプラスチックにおけるそれらの使用にも関する。
【0003】
効果顔料の光学効果は、相互に実質的に平行に整列された、主として平板状で光屈折性の顔料粒子での直接的な光の反射が基本となっている。これらの顔料粒子は、一般的に、実質的に透明な基材を有していて、その基材の上に1種または複数のコーティングを有している。顔料粒子の(1種または複数の)コーティングの組成に依存して、干渉、反射、吸収の現象により、色および明るさが知覚される。コーティングされる基材表面において不規則性があったり、または基材の中に着色不純物が存在していたりすると、最終製品において、望ましくない散乱光効果や、色の濁りの例が生ずる可能性がある。これらの望ましくない散乱光効果および/または色の濁りは、天然の基材材料、たとえば天然のマイカを使用したときに特に起きやすい。上述の欠点を回避することにおいて、人工基材は、新しい色彩および光沢効果を有する高品質な顔料への新しい機会を与える。
【0004】
US Patent 3,331,699 Aには、干渉色と強いきらめき効果を有するガラスフレークをベースとする真珠光沢顔料の記載がある。そのガラスフレークは、高屈折率の半透明な金属酸化物層を用いてコーティングされている。その顔料の色は、選択された金属酸化物およびその金属酸化物層の厚みに依存する。
【0005】
SiO、AlまたはTiOのような金属酸化物のさらなる保護層を用いて耐腐食効果を得るためにコーティングされた金属コーティングガラスフレークが、US Patent 5,436,077 Aに記載されている。これらのコーティングされたガラスフレークは、それらの外観に関しては、金属フォイルに類似している。
【0006】
酸化チタンおよび/または酸化鉄を用いてコーティングされたガラスフレークは、US Patent 6,045,914 Aから公知である。そのガラスフレークの平均粒子サイズは約1〜250μmの範囲とされ、その厚みは約0.1〜10μmである。
【0007】
WO 2004/055119 A1には、コーティングされた微小板形状の基材をベースとする干渉顔料の記載がある。この場合、基材は、SiOの第一の層で被覆され、次いでそれに対してたとえばTiO、ZrO、SnO、Cr、FeまたはFeからなる高屈折率層が塗布されるか、または高屈折率層と低屈折率層とが交互に存在する干渉系が用いられる。場合によっては、その顔料が外側保護層をさらに有していてもよい。
【0008】
熱的および機械的に安定な、厚み≦1.0μmの薄いガラスフレークをベースとする金属酸化物でコーティングされた効果顔料が、WO 2002/090448 A2から公知である。
【0009】
WO 2006/110359 A2によれば、粒子サイズ分布を適切なものにすることによって、効果顔料の光学的性質に影響を与えることができる。そこに記載されている、分級された、金属酸化物でコーティングされたガラスフレークは、少なくとも9.5μm、好ましくは9.5μmのD10を有している。その顔料が85μm以下、好ましくは約45μmのD90値のサイズ範囲を有していなければならないというのが欠点である。したがって、WO 2006/110359 A2の教示に従えば、きらめき効果が強い小粒子の効果顔料だけが得られる。
【0010】
WO 2007/114442 A1の教示によれば、たとえばフィルターの目詰まりのような、性能面での欠点は、D10が4.7〜25μmの間、D10に対するD90の比率が2〜3の間といった、適切な粒子サイズ分布とすることによって防ぐことができる。
【0011】
現時点で知られている従来技術における効果顔料の欠点は、それらの色純度が低いということである。したがって、光学顕微鏡の下に一つのバッチからの複数の効果顔料を観察すると、効果顔料が各種の色彩を有していることが観察されるであろう。このことは、一粒ずつ色が異なっていることを示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の一つの目的は、改良された光学的性質、より詳しくは、光の入射角および視野角が一定のときに、従来技術よりも高い色純度を有する新規な効果顔料を提供することである。本発明のさらなる目的は、これらの効果顔料を製造するためのプロセスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、少なくとも1種の光学活性なコーティングを有する人工的な微小板形状の基材を含む効果顔料を提供することによって達成されたが、その効果顔料は、特性値のD10、D50およびD90を有する体積平均累積篩下分布曲線を有し、前記累積篩下分布曲線は、0.7〜1.4のスパンΔDを有するが、このスパンΔDは式(I)に従って計算されたものであり、そして、その人工的な微小板形状の基材の平均厚みは、500nm〜2000nmである。
ΔD=(D90−D10)/D50 (I)
【0014】
好適な展開法は、従属請求項2〜10において明示する。
【0015】
本発明の目的は、さらに、本発明の効果顔料を製造するためのプロセスを提供することによっても達成されたが、そのプロセスには以下の工程が含まれる:
a)その人工基材を分級する工程、
b)その人工基材をコーティングする工程。
【0016】
工程b)における基材のコーティングは、工程a)の分級の後に実施するのが好ましい。
【0017】
本発明によってさらに提供されるのは、化粧料、プラスチック、およびコーティング組成物、たとえば塗料、印刷インキ、ワニス、粉体コーティング材料、およびエレクトロコート材料における、本発明の効果顔料の使用である。したがって、本発明は、本発明の効果顔料を含む組成物も提供する。
【0018】
本発明の目的においては、改良された光学的性質を有する効果顔料は、光の入射角および視野角が一定のときに、特に高い色純度を特徴とする効果顔料である。したがって、それらそれぞれをまとめると、本発明の効果顔料は、均質な色彩、または均質な色相を有する。それ故、観察する者にとって、本発明の一つの効果顔料が本発明の次の効果顔料と、全体として顕著な色の差が存在しない。
【0019】
驚くべきことには、粒子サイズ分布における狭いスパンを有し、少なくとも1種の光学活性なコーティングを用いてコーティングされた基材が、従来技術におけるような、より広いスパンを有する効果顔料よりも、顕著に高い色純度を示すことが見出された。
【0020】
本発明では、ΔD=(D90−D10)/D50で定義されるスパンΔDを使用して、その粒子サイズ分布を特徴付ける。そのスパンが小さい程、粒子サイズ分布が狭い。
【0021】
10値は、レーザー粒度分析法により球相当の形態で求めた効果顔料の長さ方向の寸法の値を示すものであって、すべての粒子の全体の中で、顔料粒子の10%が最大で達する、あるいはそれ以下となる寸法である。相応に、D50値およびD90値は、それぞれ、レーザー粒度分析法により球相当の形態で求めた効果顔料の長さ方向の最大寸法の値を示すものであって、すべての粒子の全体の中で、粒子の50%または90%が最大で達する、あるいはそれ以下となる寸法である。
【0022】
本発明の効果顔料は、0.7〜1.4、好ましくは0.7〜1.3、より好ましくは0.8〜1.2、極めて好ましくは0.8〜1.1の範囲のスパンΔDを有している。
【0023】
スパンΔDが1.4を超えると、得られた効果顔料が色純度を失う。サイズ分布スパンが0.7未満の効果顔料は、極めて高コストで、通常の方法では製造がしにくく、そのため経済的に製造することはもはや不可能である。
【0024】
本発明の効果顔料は、所望の中間粒子サイズ(D50)を持たせることができる。本発明の効果顔料のD50値は、3〜350μmの範囲に入る。本発明の効果顔料は、好ましくは、3〜15μmまたは10〜35μmまたは25〜45μmまたは30〜65μmまたは40〜140μmまたは135〜250μmの範囲のD50値を有する。
【0025】
本発明の効果顔料のD10値は、好ましくは1〜120μmの範囲に入る。本発明の効果顔料は、表2で特定するような、D90値とD50値とD10値の組合せを有しているのが好ましい。この場合においては、表2のD10値とD50値とD90値を、スパンΔDが0.7〜1.4となるような方法のみで組み合わせる。ΔDが0.7〜1.4の中に入らないスパンとなるような、D10値とD50値とD90値の組合せは、本発明の実施態様ではない。
【0026】
【表1】
【0027】
驚くべきことには、D90値とD50値とD10値の範囲を表1で特定するように組み合わせると、極端に高い色純度の効果顔料が得られることが見出された。
【0028】
この文脈において、驚くべきことには、決定的に重要なことは、効果顔料の絶対的なサイズではなく、むしろサイズ相互の間の比率であるということが判明した。スパンΔD=(D90−D10)/D50が、0.7〜1.4という狭い範囲の中にあるということが、決定的に重要である。この範囲の中にあるのであれば、その効果顔料のD50値が、たとえば15、20、25、30μmであっても、さもなければ50、80、100、150、200、250、300または350μmであってもよい。驚くべきことには、大部分が比較的大きな効果顔料の場合であったとしても、そのスパンΔDが0.7〜1.4の範囲に定められれば、色純度の高い効果顔料が得られるということが見出された。
【0029】
人工的な微小板形状の基材の平均厚みは、500nm〜2000nm、好ましくは750〜1500nmである。
【0030】
本発明の効果顔料の厚みに対する粒子直径の比率から計算されるアスペクト比は、好ましくは2〜980、より好ましくは5〜950、極めて好ましくは10〜920である。
【0031】
平均厚みが500nm未満の基材に高屈折率の金属酸化物をコーティングすると、その基材は全体として系の干渉色に顕著な光学的影響を有する。したがって、得られる効果顔料は、所望の高い色純度は有さない。さらに、これらの効果顔料では、たとえば剪断力に対しての機械的な安定性が顕著に低下する。さらに、たとえば高屈折率の金属酸化物または半透明な金属を用いてこれらの薄い基材をコーティングするのにかかる時間が、これらの顔料の比表面積が高いために、極めて長くなり、その結果、製造コストが高くなる。
【0032】
平均の基材層厚みが2000nmを超えると、その効果顔料は全体として厚くなりすぎる。このため、不透明度が低下し、また、塗布媒体中における面に平行な配向のレベルが低下することとなる。配向のレベルが低いことは、光沢の低下を招く。
【0033】
一つの好ましい実施態様においては、人工基材の厚みの標準偏差が、15%〜100%、より好ましくは20%〜70%である。
【0034】
平均厚みは、硬化させた塗料膜をもとに測定するが、そこでは、効果顔料は基材に対して、実質的に面に平行に配列されている。この目的のためには、硬化させた塗料膜の横断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で調べ、100個の効果顔料の厚みを確認して、統計的に平均をとる。
【0035】
標準偏差が15%未満であれば、得られた効果顔料はカラーフロップ性を示す。標準偏差が100%を超えると、顔料の集合体が全体として比較的厚い顔料を大量に含むこととなり、そのために配向が不十分となって、光沢が失われる。
【0036】
驚くべきことには、その人工基材の平均厚みが500〜2000nmである上にスパンΔDが0.7〜1.4である効果顔料は、光の入射角および視野角が一定のときに、所望の顕著な色純度を示すことが見出された。
【0037】
効果顔料は、真珠光沢顔料または光学的に可変な顔料であるのが好ましい。
【0038】
本発明の効果顔料は、他の効果顔料との混合物の形態で存在させてもよい。
【0039】
天然のマイカをベースとする効果顔料は、しばらく前から公知である。しかしながら、基材として天然のマイカを使用するとなると、その表面が理想的な平滑ではなく、その代わりにたとえば段差のような凹凸があるということを承知しておく必要がある。このような凹凸があると、同一の顔料の微小板の内で色が変化するということになりがちなので、得られる効果顔料の品質には限界がある。このことは、特に色純度のかなりの低下をもたらす。さらに、天然のマイカの中に存在する外来のイオンの不純物が、効果顔料が与える色に変化をもたらす可能性があり、その結果、一つの製造バッチから得られる複数の効果顔料が、異なった色彩または色相を有していて、顔料混合物の色純度が低下する。
【0040】
これらの天然のマイカの持つ欠点は、人工基材を使用することにより回避することができる。人工基材とは、そのままで天然には存在せず、その代わりに合成しなければならない基材である。本発明の効果顔料のための適切なベース基材は、たとえば、合成された非金属の微小板形状の基材である。基材は、実質的に透明であるのが好ましく、完全に透明であればより好ましい。
【0041】
本発明の一つの好ましい変法では、基材として、ガラス微小板(すなわち、ガラスフレーク)、合成マイカの微小板、SiO微小板、ポリマー微小板、微小板形状のオキシ塩化ビスマスおよび/または微小板形状の酸化アルミニウム、またはそれらの混合物を使用する。本発明の効果顔料のためには、ガラス微小板または合成マイカからなる基材を使用するのが好ましい。
【0042】
本発明の効果顔料は、1種または複数の光学活性な層またはコーティングを備えた基材であってもよい。光学活性な層またはコーティングとは、入射光によって、反射、干渉、吸収、屈折などのような物理的な効果による認識可能な色彩効果が得られるような層またはコーティングである。
【0043】
光学活性な層またはコーティングとしては、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物、金属酸窒化物、またはそれらの混合物を含む層を適用するのが好ましい。一つの好ましい変法においては、光学活性な層またはコーティングが、上述の物質からなっている。
【0044】
特に断らない限り、本発明の目的においては、「層」または「コーティング」という用語は相互に置き換え可能に使用される。
【0045】
本発明の一つの好ましい変法においては、1層のコーティングまたは2層以上のコーティングが、n≧1.9の屈折率を有する、すなわち高屈折率であってよい。
【0046】
本発明の効果顔料が2層以上の層を有する場合には、これらの層は、屈折率に関して交互に配列されていて、その結果、n≧1.9の屈折率を有する高屈折率層に次に、好ましくはn<1.9の屈折率を有する低屈折率層があったり、その逆であったりするのが好ましい。
【0047】
この場合におけるコーティングは、基材全体を包み込んでいてもよいし、あるいは基材上に部分的にのみ存在していてもよい。金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物もしくは金属酸窒化物の層、または上述の化合物の混合物の層は、低屈折率(屈折率<1.9)であっても、高屈折率(屈折率n≧1.9)であてもよい。
【0048】
一つの好ましい実施態様においては、基材が低屈折率の微小板形状の基材であるかまたはそれを含み、コーティングが少なくとも1種の高屈折率層(n≧1.9)を有している。使用するのに好ましい基材の微小板は、ガラス微小板、合成マイカ微小板および/またはSiO微小板である。
【0049】
使用される金属酸化物および/または金属酸化物水和物は、好ましくは、一酸化チタン、二酸化チタン、酸化チタン水和物、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化鉄、水酸化鉄、酸化スズ、酸化クロム、酸化アンチモン、酸化セリウム、またはそれらの混合酸化物である。
【0050】
本発明のさらなる発明的実施態様においては、基材が金属層でコーティングされている。この場合においては、ファブリーペロー効果による干渉色を有する効果顔料を得るために、半透明の金属層を適用するのが好ましい。
【0051】
半透明金属層を生成させるのに好適な金属は、たとえば、アルミニウム、クロム、ニッケル、銀、金、チタン、銅またはそれらの合金である。
【0052】
半透明金属層の厚みは、好ましくは4〜40nm、より好ましくは5〜30nmの範囲とする。
【0053】
金属フッ化物としては、一つの変法では、コーティングとしてフッ化マグネシウムを適用する。金属窒化物または金属酸窒化物としては、たとえば金属、チタン、ジルコニウムおよび/またはタンタルのそれらを使用することができる。
【0054】
基材は、好ましくは金属酸化物層および/または金属酸化物水和物層を用いてコーティングされる。
【0055】
低屈折率層の例としては、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、酸化ケイ素、酸化ケイ素水和物および/またはフッ化マグネシウムが挙げられる。
【0056】
使用される高屈折率層の例としては、二酸化チタン、亜酸化チタン、酸化鉄、水酸化鉄、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化コバルト、酸化クロム、酸化アンチモンまたはそれらの混合酸化物が挙げられる。
【0057】
本発明の効果顔料では、層の材料と層の厚みを、たとえば表2に示すようにして選択することによって、色の変化を与えることが可能である。
【0058】
【表2】
【0059】
本発明の効果顔料が二酸化チタンを用いたコーティングを有する場合、二酸化チタンは、ルチル型またはアナターゼ型の結晶多形で存在していてよい。二酸化チタン層がルチル型である場合に、最高の品質で最も安定な真珠光沢顔料が得られる。ルチル型は、たとえば、基材または顔料にSnOの層を適用した後で、二酸化チタンの層を適用することによって得ることができる。SnOの層に対して適用すると、TiOはルチル多形の形で結晶化する。
【0060】
金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物もしくは金属窒化物の層、または上述の化合物の混合物の層の厚みは、典型的には30〜350nm、より好ましくは50〜300nmの範囲とされる。
【0061】
金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物および/または金属窒化物の層は、プルシアンブルー、ウルトラマリン、カルミンレッド、アゾ顔料、フタロシアニンまたはFD&C染料/レーキのような着色料を含むか、それらから成っていてよい。これらの着色料は、コーティングの中に存在していてもよいし、および/またはこのコーティングに塗布され、必要があれば接着促進剤によってその上に固着されていてもよい。
【0062】
本発明の効果顔料は、風化作用による影響からよりよく保護する目的で、外側保護層を用いてさらにコーティングされてもよい。この層は、好ましくは、元素、Si、AlまたはCeの1種または複数の金属酸化物層を含むかまたはそれらから成る。この場合で特に好ましいのは、WO 2006/021386 A1に記載されているように、まず最初に酸化セリウム層を適用し、それに続けてSiO層を適用するという順である(上記の特許を引用することにより、本明細書に取り入れたものとする)。
【0063】
外側保護層は、表面を有機化学的に変性させたものであってもよい。例を挙げれば、1種または複数のシランをこの外側保護層に適用してもよい。シランは、1〜24個のC原子、好ましくは6〜18個のC原子の分岐鎖を有するかまたは非分岐状のアルキルラジカルを有するアルキルシランであってよい。
【0064】
別な方法として、シランが、プラスチック、塗料またはインキのバインダーなどに対して化学的に結合することが可能な有機官能性シランであってもよい。
【0065】
表面変性剤として好適に使用され、適切な官能基を含む有機官能性シランは、市場で入手可能であり、たとえば、Degussa、Rheinfelden、Germanyにより製造され、商品名“Dynasylan(登録商標)”として販売されている。その他の製品は、OSi Specialtiesから(Silquest(登録商標)シラン)、またはWackerからの、たとえば標準的なシランおよびGENIOSIL(登録商標)製品群からのαシランから得ることができる。
【0066】
それらの例を以下に列挙する:3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan MEMO、Silquest A−174NT)、ビニルトリエトキシ(またはメトキシ)シラン(Dynasylan VTMOもしくはVTEO、Silquest A−151もしくはA−171)、3−メルカプトプロピルトリエトキシ(またはメトキシ)シラン(Dynasylan MTMOもしくは3201;Silquest A−189)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan GLYMO、Silquest A−187)、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(Silquest Y−11597)、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(Silquest A−189)、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド(Silquest A−1289)、ビス−(3−トリエトキシシリル)ジスルフィド(Silquest A−1589)、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(Silquest A−186)、ビス(トリエトキシシリル)エタン(Silquest Y−9805)、ガンマ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(Silquest A−Link35、GENIOSIL GF40)、(メタクリロイルオキシメチル)トリエトキシ(またはメトキシ)シラン(GENIOSIL XL33、XL36)、(メタクリロイルオキシメチル)エチル(またはメチル)ジメトキシシラン(GENIOSIL XL32、XL34)、イソシアナトメチル)トリメトキシシラン(GENIOSIL XL43)、(イソシアナトメチル)メチルジメトキシシラン(GENIOSIL XL42)、(イソシアナトメチル)トリメトキシシラン(GENIOSIL XL43)、3−(トリエトキシシリル)プロピル無水コハク酸(GENIOSIL GF20)、(メタクリロイルオキシメチル)メチルジエトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルメチルジメトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリアセトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピメチルジメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン(GENIOSIL XL10)、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン(GENIOSIL GF58)、およびビニルトリアセトキシシラン。
【0067】
しかしながら、本発明の効果顔料には、他の有機官能性シランを使用することも可能である。
【0068】
さらに、水性の予め加水分解されたものを使用することも可能であり、それらは市場で、たとえばDegussaから入手することが可能である。このようなものとしては、とりわけ以下のものが挙げられる:水性でアルコールフリーのアミノシラン加水分解物(Dynasylan Hydrosil 1151)、水性でアルコールフリーのアミノ/アルキル官能性シロキサンコオリゴマー(Dynasylan Hydrosil 2627)、水性でアルコールフリーのジアミノ/アルキル官能性シロキサンコオリゴマー(Dynasylan Hydrosil 2776)、水性でアルコールフリーのアミノ/ビニル官能性シロキサンコオリゴマー(Dynasylan Hydrosil 2907)、水性でアルコールフリーのアミノ/アルキル官能性シロキサンコオリゴマー(Dynasylan Hydrosil 2909)、水性でアルコールフリーのエポキシ官能性シロキサンオリゴマー(Dynasylan Hydrosil 2926)または水性でアルコールフリーのアミノ/メタクリレート官能性シロキサンコオリゴマー(Dynasylan Hydrosil 2929)、オリゴマー性ジアミノシラン系(Dynasylan 1146)、ビニル/アルキル官能性シロキサンコオリゴマー(Dynasylan 6598)、ビニルおよびメトキシ含有ビニルシラン濃縮物(オリゴマー性シロキサン)(Dynasylan 6490)またはオリゴマー性短鎖アルキル官能性シラン(Dynasylan 9896)。
【0069】
一つの好ましい実施態様において、有機官能性シラン混合物は、官能性結合基を含まない少なくとも1種のシランに加えて、少なくとも1種のアミノ官能性シランを含む。アミノ官能基は、バインダーの中に存在している大部分の基と、1種または複数の化学的相互作用を持つことが可能な官能基である。前記相互作用には、たとえばバインダーのイソシアネートもしくはカルボキシレート官能基との共有結合、またはOHもしくはCOOR官能基との水素結合、またはその他のイオン性相互作用が含まれていてよい。したがって、アミノ官能基は、実際のところ、効果顔料を異なった種類のバインダーに化学的に結合させる目的には特に好適である。
【0070】
この目的のためには、下記のような化合物を使用するのが好ましい:アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan AMMO;Silquest A−1110)、アミノプロピルトリエトキシシラン(Dynasylan AMEO)もしくはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan DAMO、Silquest A−1120)もしくはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、トリアミノ官能性トリメトキシシラン(Silquest A−1130)、ビス(ガンマ−トリメトキシシリルプロピル)アミン(Silquest A−1170)、N−エチル−ガンマ−アミノイソブチルトリメトキシシラン(Silquest A−Link15)、N−フェニル−ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン(Silquest Y−9669)、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン(Silquest Y−11637)、N−シクロヘキシルアミノメチルメチルジエトキシシラン(GENIOSIL XL924)、(N−シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン(GENIOSIL XL926)、(N−フェニルアミノメチル)トリメトキシシラン(GENIOSIL XL973)、およびそれらの混合物。
【0071】
一つのさらに好ましい実施態様においては、官能性結合基を含まないシランはアルキルシランである。アルキルシランは式(A)を有するのが好ましい:
(4−z)Si(X) (A)
この式においては、zは1〜3の整数であり、Rは10〜22個のC原子を有する、置換または非置換、非分岐状または分岐状のアルキル鎖であり、Xはハロゲンおよび/またはアルコキシ基である。好ましいアルキルシランは、少なくとも12個のC原子を有するアルキル鎖を有する。RはSiに対して環状に結合されていてもよく、その場合には、zは典型的には2である。
【0072】
このタイプのシランは、顔料表面に対して強い疎水化効果を有している。このことのために、そのようにしてコーティングされた真珠光沢顔料は、表面コーティングの際に浮き上がる傾向を有するようになる。微小板形状の効果顔料の場合においては、この種の挙動を「リーフィング」と呼んでいる。
【0073】
バインダーに結合することを可能とする少なくとも1個の官能基を有する少なくとも1種のシランと、アミノ基を有さず、水の中に不溶かまたは実質的に不溶であるアルキルシランとからなるシラン混合物は、真珠光沢顔料において、最適な性能特性を与える。
【0074】
このタイプの有機化学的表面変性は、効果顔料が、塗料またはインキの膜の中で優れた配向を示す、すなわち、塗装されたかまたはコーティングされた基材に対して実質的に面に平行に配向し、それと同時に塗料またはインキのバインダー系と化学的に反応し、それにより塗料またはインキの膜の中で共有結合的に結合されることを意味している。このタイプの塗料またはインキの膜は、たとえば天候などのような環境による影響に対して、向上した機械的および化学的な抵抗性を示す。
【0075】
アプリケーター・ドローダウン中(たとえば、ニトロセルロースワニス中)の本発明の効果顔料を、光学顕微鏡の透過モードで観察すると、本発明の効果顔料が極めて均一な色を有していることがわかる。個々の顔料はほとんど同じ色、好ましくは同一の色を有している。
【0076】
たとえば真珠光沢顔料のような効果顔料によって付与される色は、干渉現象の結果としてのものである。これらの現象の文脈においては、相互にとって補足的な干渉色は、相互に打ち消し合うので、そのため、たとえば、青色と黄色の真珠光沢顔料の混合物は、銀色または灰色となる。異なった色の真珠光沢顔料の混合物は、常に、より純度の低い色相と共により低い光沢を示すが、その理由は、常に存在する相互消色またはある種の色成分の減衰のためであることがよく知られている。
【0077】
したがって、高い色純度を有する効果顔料、好ましくは真珠光沢顔料を得るためには、個々の顔料の色相が可能な限り均一である必要がある。色相の純度は、後述の方法により統計的評価にしたがって定量的に表すことができる。
【0078】
本発明の効果顔料の色純度を決定するための出発点は、アプリケーター・ドローダウンのデジタルカラー顕微鏡画像である。アプリケーター・ドローダウンは、無色のニトロセルロースワニスの中に6重量%の効果顔料を含む塗料を用いて実施する。ここで、重量パーセントの量は、塗料の全重量をベースとしたものである。塗料を、BYK−Gardnerの黒−白ドローダウンチャート(byko−chart 2853)に湿膜厚み76μmで塗布し、次いで乾燥させる。これらの乾燥させたアプリケーター・ドローダウンの内部では、微小板形状の効果顔料はほとんど面に平行な配向を有している。顕微鏡画像は、好ましくは、Zeiss、GermanyのAxioskop 2顕微鏡およびAxioCamデジタルカメラを使用して撮影する。得られたデジタル画像から、次いでZeissのAxioVision 4.6画像記録および画像加工ソフトウェアを使用して、12ビットの色の深みを有する無彩色性デジタル画像を調製する。顕微鏡を通してアプリケーター・ドローダウンを観察するときには、照射光を上から垂直にアプリケーター・ドローダウンの上に入射させる。するとアプリケーター・ドローダウンの中では、効果顔料がほとんど面に平行な配向をしているので、入射光が顔料の微小板の上に垂直に当たる。この場合、その視野角も同様に、顔料の微小板の表面に対して垂直である。
【0079】
歪みの無い統計データを取得するために、アプリケーター・ドローダウンの黒色基材の上のランダムに選択した位置で、約20枚の個別の顕微鏡写真を撮影した。これにより、100を超える個々に評価が可能な顔料のイメージングが構成された。
【0080】
画像加工ソフトウェアでは顔料を自動で認識することはできないので、手動でそれらをマークする。個々の顔料領域画分をマーキングする際には、顔料の辺縁領域または顔料が重なっている領域を記録しないよう注意する必要があるが、その理由は、この場合、個々の顔料粒子で認識される色に、重なりによって直接的に歪みが与えられるからである(図1参照)。
【0081】
そのようにしてマークした領域について、画像加工ソフトウェアが、赤色、緑色、青色の成分のそれぞれの領域平均値を計算する。有意な統計を得るためには、少なくとも100個の評価可能な顔料粒子の色成分を、複数の顕微鏡写真から測定する。
【0082】
画像加工ソフトウェアは、sRGB色モデルを使用している。XYZ色空間への変換は、公知の変換マトリックス(II)により実施する(IEC 61966−2−1:1999)。
【0083】
【数1】
【0084】
次いで得られたX、Y、およびZの値を通例のCIE(1976)Lab値に変換する。
【0085】
【数2】
【0086】
およびZについての計算は、Xの計算の場合と同様にして実施する。使用した三刺激値は、D65発光体および10度の標準観察者で、X=94.81、Y=100およびZ=107.34であった。
【0087】
これにより、a−b色空間中での測定点の分布が得られる(図2参照):a,bダイアグラムの原点から測定点までの距離から、それぞれ個々の測定値の色の飽和度(彩度)Cが求まる。
【0088】
まず式(VIIa;VIIb)に従って、a−b色空間中の測定値の共通中点(数4)を計算することによって、散乱度を定量化する。
【0089】
【数3】
【0090】
【数4】
【0091】
次いで、それぞれの測定点(a,b)について、その中点(数4)からの距離を、値の差の二乗平方根の形の絶対値ΔCとして求める(VIII)。
【0092】
【数5】
【0093】
これによって、a−b色空間における色差分布が求められる。この分布は、累積篩下分布曲線の形と同様にして表すことができる。この色差分布の90%分位値(ΔC90)は、色の散乱のサイズを特徴付けるための適切な目安である(図3参照)。この図では、その下に計数した顔料粒子の90%が位置するような平均値の色差ΔCが示されている。
【0094】
本発明の効果顔料では、色差分布の90%分位値ΔC90が、好ましくは0.2〜8.0、より好ましくは0.5〜6.0、さらに好ましくは0.6〜5.0、特に好ましくは0.7〜4.0、極めて特に好ましくは0.7〜3.0である。
【0095】
本発明者らは、この驚くべき効果についての科学的に意味のある説明をいまだに見出していない。しかしながら、サイズがほとんど同じである顔料基材は、より広いスパンΔDを有する基材の場合よりも、着色層(たとえば、高屈折率の金属酸化物または半透明金属)を用いて実質的により均一にコーティングされると考えられる。その結果、実質的により均質な層厚みを有するコーティングが基材の上に形成される。干渉現象の結果として色が付与され、使用される基材の場合においては、色は高屈折率のコーティングの層厚みによって決定的に決まるので、本発明の効果顔料の場合においては、層の厚みがより均一な方が、より純度の高い色相、すなわちより高い色純度が得られる。
【0096】
本発明には、カラーフロップ性のない真珠光沢顔料も包含されるし、また多層系で高いカラーフロップ性を有する効果顔料も包含される。
【0097】
しかしながら、決定的に重要な因子は、アプリケーター・ドローダウン中で入射角および視野角が一定で、本発明の微小板形状の効果顔料がほとんど面に平行な配向をとっていると、本発明の記述の意味合いにおいては、観察される色相が常にほとんど同じであるということである。この場合、入射角および視野角が顔料の微小板に対して常に垂直である必要はないが、そうなっている方が好ましい。
【0098】
より具体的には、本発明の効果顔料は、化粧料における用途に適しているが、そのような用途としては以下のものが挙げられる:たとえば、ボディパウダー、フェースパウダー、コンパクトおよびルースパウダー、フェースメイクアップ、パウダークリーム、クリームメイクアップ、エマルションメイクアップ、ワックスメイクアップ、ファウンデーション、ムースメイクアップ、ブラッシャー、アイメイクアップ、たとえばアイシャドー、マスカラ、アイライナー、リキッドタイプアイライナー、アイブローペンシル、リップケアスティック、リップスティック、リップグロス、リップライナー、ヘアスタイリング組成物、たとえばヘアスプレー、ヘアムース、ヘアジェル、ヘアワックス、ヘアマスカラ、パーマネントもしくはセミパーマネントヘアカラー、テンポラリーヘアカラー、スキンケア組成物、たとえばローション、ジェル、およびエマルション、ならびにネイルワニス組成物。
【0099】
化粧料用途において特定の色彩効果を得るためには、本発明の効果顔料だけではなく、他の着色料および/または通常の効果顔料またはそれらの混合物を、各種の割合で使用することも可能である。使用される通常の効果顔料としては、たとえば、高屈折率の金属酸化物を用いてコーティングされた天然のマイカをベースとする市販の真珠光沢顔料(たとえばEckartのPrestige(登録商標)製品群)、BiOCl微小板、TiO微小板、高屈折率の金属酸化物を用いてコーティングされた合成マイカをベースとするか、または高屈折率の金属酸化物を用いてコーティングされたガラスフレークまたはAl、SiOもしくはTiO微小板をベースとする真珠光沢顔料などが挙げられる。さらに、たとえばEckartのVisionaire(登録商標)製品群などのようなメタリック効果顔料を加えることも可能である。着色料は、無機または有機の顔料から選択すればよい。
【0100】
本発明の目的において好ましい効果顔料は、0.7〜1.4、好ましくは0.7〜1.3、より好ましくは0.8〜1.2、極めて好ましくは0.8〜1.1のスパンΔDと、3〜350μmのD50値とを有する。その平均厚みは500〜2000nmであり、厚みにおける標準偏差は15%〜100%である。
【0101】
本発明の目的においてさらに好ましい効果顔料は、0.8〜1.2のスパンΔDと、それぞれの場合において、好ましくは3〜15μm、10〜35μm、25〜45μm、30〜65μm、40〜140μm、または135〜250μmのD50値とを有する。その平均厚みは500〜2000nmであり、そして厚みにおける標準偏差は15%〜100%である。
【0102】
本発明の目的においてさらに好ましい効果顔料は、0.8〜1.2のスパンΔDと、500〜2000nm、より好ましくは750〜1500nmの平均厚みとを有する。その厚みにおける標準偏差は15%〜100%であり、その効果顔料は3〜350μmのD50値を有する。
【0103】
本発明の目的においてさらに好ましい効果顔料は、0.8〜1.2のスパンΔDと、20%〜70%の厚みにおける標準偏差とを有する。その効果顔料の平均厚みは、500〜2000nm、好ましくは750〜1500nmである。それは、3〜350μmのD50値を有する。
【0104】
本発明の効果顔料を製造するためのプロセスには以下の工程が含まれる:
a)その人工基材を分級する工程、
b)その人工基材をコーティング工程。
【0105】
出発基材が大きすぎる場合には、場合によっては、微粉砕工程を実施してから、分級することも可能である。
【0106】
分級は、基材をコーティングする前または後に実施してよい。しかしながら、基材を最初に分級し、次いでコーティングするのが有利である。真珠光沢顔料が本発明の粒子サイズ分布になるまで、分級を実施し、必要があれば繰り返す。
【0107】
基材の狭いスパンΔDは、コーティングされる人工基材について適切な微粉砕および/または分級の操作をすることにより達成することができる。コーティングされる人工基材は、たとえばボールミル、ジェットもしくはアジテーターボールミル、エッジランナーミル、またはディソルバーを使用して微粉砕すればよい。最終的な画分のスパンΔDは、適切な分級手段、たとえば多段の湿式篩別によって、定めることができる。さらなる分級方法としては、サイクロンにおける遠心法や、分散体からの沈降法などが挙げられる。
【0108】
微粉砕および分級の操作は、連続で実施してもよいし、必要であるならば、相互に組み合わせてもよい。たとえば、微粉砕操作の後に分級操作を行い、その後で微細な画分に対してさらなる微粉砕操作を実施などしてもよい。
【0109】
その上に本発明が基礎を置いている目的は、さらに、請求項1〜10のいずれかに記載の効果顔料を含むコーティング組成物を提供することにより達成される。一つの好ましい変法においては、コーティング組成物は、化粧料、塗料、印刷インキ、ワニス、粉体コーティング材料、およびエレクトロコート材料からなる群より選択される。
【0110】
その上に本発明が基礎を置いている目的は、請求項1〜10のいずれかに記載の効果顔料を含むプラスチックを提供することによりさらに達成される。
【0111】
以下の文章において、多くの実施例および図面により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0112】
図1】乾燥させたアプリケーター・ドローダウンの中の本発明の効果顔料のデジタル画像に手動でマーキングした領域画分。
図2】手動でマーキングした効果顔料のデジタル画像から計算した、a色空間における色座標位置の分布。
図3】色差分布の90%分位値ΔC90
【発明を実施するための形態】
【0113】
以下の実施例は、本発明をさらに詳しく説明することを意図したものであるが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0114】
実施例1:
DI水(約3重量%)(DI:脱イオン水:完全脱塩)中の200gのガラスフレーク(平均厚み:1μm、厚みの標準偏差:約40%)の懸濁液を、100μmの篩で分級し、次いでその篩下を63μmの篩で篩別する。63μmの篩の上に得られる残渣を用いてこの篩別手順を2回繰り返し、ガラスフレークの画分を得るが、その粒子サイズ分布(MALVERN Mastersizer MS2000)は以下のとおりである:D10=50μm、D50=82μm、D90=132μm、スパンΔD=1.00。
【0115】
実施例2:
200gの実施例1からのガラスフレークを、2000mLの脱イオン水の中に懸濁させ、乱流撹拌しながらその懸濁液を加熱して80℃とする。希HClを用いて懸濁液のpHを1.9に調節し、次いで「SnO」の第一の層をガラスフレークの上に沈降させる。この層は、3gのSnCl・5HO(10mLの濃HCl+50mLの脱イオン水中)からなる溶液を、pHを一定に保つために10%NaOHを同時に計量仕込みしながら、1時間かけて添加することによって形成される。完全に沈降させるために、懸濁液をさらに15分間撹拌する。その後で、希HClを用いてpHを1.6にまで下げ、次いで200mLのTiClの溶液(400gTiCl/L脱イオン水)をこの懸濁液の中に計量仕込みする。10%NaOHを向流添加することにより、pHを1.6に一定に保つ。その後さらに15分間撹拌し、濾過し、脱イオン水を用いてフィルターケーキを洗浄する。次いでそのフィルターケーキを、100℃で初期乾燥させてから、750℃で30分かけて焼成する。高光沢の効果顔料が得られるが、それは赤色の干渉色を示す。コーティングされた顔料を顕微鏡で観察すると、顔料の色が極めて一致していることがわかる。
【0116】
実施例3:
200gの実施例1からのガラスフレークを、TiOを用いて実施例2の方法によりコーティングするが、ただし167mLのTiClだけを計量仕込みする。焼成した後の製品は、金色の干渉色を有する高光沢の効果顔料である。実施例2の場合と同様にして顕微鏡で観察すると、顔料の色が極めて一致していることがわかる。
【0117】
比較例4:
市販の金色の真珠光沢顔料“Reflecks Dimension Sparkling Gold”BASF Catalysts製。
【0118】
比較例5:
市販の金色の真珠光沢顔料“RonaStar Golden Sparks”Merck製。
【0119】
【表3】
【0120】
以下で、狭いスパンと高い色純度を有する実施例3の本発明の効果顔料を、比較例の市販の真珠光沢顔料と詳細な分析で比較した。アプリケーター・ドローダウンの形態においては、すべての真珠光沢顔料が、観察者の目で認識可能な金色の干渉色を有している。
【0121】
本発明の効果顔料の色純度を測定するための出発点は、乾燥させたアプリケーター・ドローダウン(ニトロセルロースワニス中に6重量%の顔料を含む塗料(重量%の数字は、塗料の全重量を基準としたものである)を用いて作製され、BYK−Gardnerの黒−白ドローダウンチャート(byko−chart 2853)の上にナイフコーティングをして76μmの湿膜厚みとし、次いで、室温で乾燥させたもの)のデジタルカラー顕微鏡画像であった。これらの画像は、ZeissのAxioskop 2顕微鏡およびAxioCamデジタルカメラを使用して記録した。この装置により、AxioVision 4.6画像記録および画像加工ソフトウェアの助けを借りて、12ビットの色の深みを有する無彩色性デジタル画像を得ることが可能となった。
【0122】
歪みの無い統計データを取得するために、アプリケーター・ドローダウンの上のランダムに選択した位置で、約20枚の個別の顕微鏡写真を撮影した。この手段により、100を超える個々に評価が可能な顔料の画像を得た。
【0123】
図2では、3つのサンプルの個々の測定値の色座標位置を、a,bダイアグラムの中にプロットしている。本発明の効果顔料が、市販の製品とは対照的に、a−b色空間の中で散乱度が最低、すなわち、最も純粋な色を有しているということが明らかに示されている。その色価は、a−b色空間の赤−黄の象限の中に相互に密接して位置している。散乱度が最大のもの、すなわち、最小の均質性で着色されている顔料は、比較例4の顔料であることが観察される。このことは、アプリケーター・ドローダウンを肉眼で観察しても明らかである。Merck Ronastar顔料(Merck、Darmstadt、Germany)の場合には、散乱度は幾分かは狭いものの、それにも関わらずa−b色空間の緑−黄および赤−黄の象限にまたがった分布をしている。
【0124】
【表4】
【0125】
色差分布の90%分位値は、本発明実施例3の本発明の効果顔料の場合が最も低く、それに対して、市販されている比較のための製品は顕著に高い値を示す。
【0126】
実施例6:
200gの実施例1からのガラスフレークを、2000mLの脱イオン水の中に懸濁させ、乱流撹拌しながらその懸濁液を加熱して80℃とする。希HClを用いてその懸濁液のpHを1.9に調節し、次いで「SnO」の第一の層をガラスフレークの上に沈降させる。この層は、3gのSnCl・5HO(10mLの濃HCl+50mLの脱イオン水中)からなる溶液を、pHを一定に保つために10%NaOHを同時に計量仕込みしながら、1時間かけて添加することによって形成される。完全に沈降させるために、懸濁液をさらに15分間撹拌する。その後で、希HClを用いてpHを1.6にまで下げ、次いで185mLのTiClの溶液(400gTiCl/L脱イオン水)をこの懸濁液の中に計量仕込みする。10%NaOHを向流添加することにより、pHを1.6に一定に保つ。その後で、5%NaOHを使用してpHを7.5にまで上げ、15分間撹拌する。次いでその懸濁液の中に、水ガラス溶液(207gの水ガラス溶液、27%のSiO、207gの脱イオン水と混合)をゆっくりと添加するが、そのpHは7.5に一定に保つ。さらに20分間撹拌を続け、pHを再び1.9にまで下げる。次いで第二の層である「SnO」を、SiO表面の上に沈降させる。この層は、3gのSnCl・5HO(10mLの濃HCl+50mLの脱イオン水中)からなる溶液を、pHを一定に保つために10%NaOHを同時に計量添加しながら、1時間かけて添加することによって形成される。完全に沈降させるために、懸濁液をさらに15分間撹拌する。その後で、希HClを用いてpHを1.6にまで下げ、次いで189mLのTiClの溶液(400gTiCl/L脱イオン水)をその懸濁液に計量仕込みする。この手順の間、10%NaOHを向流添加することによって、pHを1.6に一定に保つ。その後さらに15分間撹拌し、濾過し、脱イオン水を用いてフィルターケーキを洗浄する。次いでそのフィルターケーキを、100℃で初期乾燥させてから、750℃で30分かけて焼成する。極端に高光沢の効果顔料が得られるが、それはカラーフロップ性を示して、深い視野角における緑色の干渉色から浅い視野角における青色の干渉色へと変化する。
【0127】
以下に示すのは、本発明の効果顔料を用いた化粧料用途である。
【0128】
実施例7:ボディパウダー
【0129】
【表5】
【0130】
調製法:
1.相Aの成分を混合
2.相Bを相Aに添加
3.混合し、適切な容器に小分け
【0131】
実施例8:クリームアイシャドー
【0132】
【表6】
【0133】
調製法:
1.相Aを混合し85℃に加熱
2.相Bを混合
3.撹拌しながら相Bを相Aに添加
4.適切な容器中で室温にまで冷却
【0134】
実施例9:ファウンデーション
【0135】
【表7】
【0136】
調製法:
1.撹拌しながら相Aを70℃に加熱
2.相Bの成分を相Aに添加
3.Aristoflexが溶解するまで相Cを混合
4.その混合物を70℃に加熱
5.相Cを相ABに添加
6.40℃になるまで冷却し、相Dを添加
【0137】
実施例10:リップグロス
【0138】
【表8】
【0139】
調製法:
1.相Aを85℃に加熱
2.相Bを相Aに添加、混合し、適切な容器に小分け
【0140】
実施例11:リップライナー
【0141】
【表9】
【0142】
調製法:
1.相Aを85℃に加熱
2.相Bを相Aに添加、混合し、適切な容器に小分け
【0143】
実施例12:リップスティック
【0144】
【表10】
【0145】
調製法:
1.相Aを85℃に加熱
2.相Bを相Aに添加、75℃で混合後、適切な容器に小分け
【0146】
実施例13:リキッドタイプアイライナー
【0147】
【表11】
【0148】
調製法:
1.Veegumを相A中に分散
2.15分間撹拌
3.相Bを相Aに添加
4.相Cを相ABに添加
5.10分間撹拌
6.相Dを相ABCに添加し、75℃に加熱
7.相Eを75℃に加熱
8.相Eを相ABCDに添加
9.60℃になるまで冷却し、相Fを添加
【0149】
実施例14:マスカラ
【0150】
【表12】
【0151】
調製法:
1.撹拌しながら相Aを85℃に加熱
2.相Bを85℃に加熱
3.相Bを相Aに添加
4.撹拌しながら、55℃になるまで冷却
5.相Cを添加、混合し、適切な容器に小分け
【0152】
実施例15:ムース
【0153】
【表13】
【0154】
調製法:
1.相Aを混合して、全部が溶融するまで加熱
2.高速ミキサー(2400rpm、1分)を用いて相Bを予備混合
3.溶融させた相Aの半分を相Bに添加、高速ミキサー(2400rpm、30秒)で混合
4.相Aの残りを相Bに添加し、高速ミキサー(2400rpm、30秒)で混合
5.相Cを添加、高速ミキサー(2400rpm、30秒)で混合、室温になるまで冷却
【0155】
実施例16:マニキュア液
【0156】
【表14】
【0157】
調製法:
1.撹拌しながら、相AとBを混合
2.適切な容器に小分け
【0158】
実施例17:プレスドアイシャドー
【0159】
【表15】
【0160】
調製法:
1.相Aを混合
2.相Bを添加し、均質化
3.アイシャドーを150barで30分間加圧
【0161】
実施例18:プレスドパウダー
【0162】
【表16】
【0163】
調製法:
1.相Aを混合
2.相Bを添加し、均質化
3.アイシャドーを150barで30分間加圧
【0164】
実施例19:シャワージェル
【0165】
【表17】
【0166】
調製法:
1.Carbopolを相A中に分散
2.65℃に加熱
3.相Bからの成分を徐々に添加
4.撹拌しながら冷却、40〜45℃で相Cを添加
【0167】
実施例20:スタイリングソフトワックス
【0168】
【表18】
【0169】
調製法:
1.相AとBを個別に90℃に加熱
2.撹拌しながら相Bを相Aに添加
3.55℃になるまで冷却
4.相Cを添加、適切な容器に小分け
【0170】
実施例21:日焼け止めクリーム
【0171】
【表19】
【0172】
調製法:
1.相AとBを個別に80℃に加熱
2.撹拌しながら相Aを相Bに添加
3.45℃になるまで冷却
4.相Cを添加
【0173】
実施例22:透明リップスティック
【0174】
【表20】
【0175】
調製法:
1.相Aを85℃に加熱
2.相Bを相Aに添加し、混合
3.75℃でリップスティック型に小分け
【0176】
実施例23:ボディローション(シリコーン中水型)
【0177】
【表21】
【0178】
調製法:
1.相Aを混合し、75℃に加熱
2.相Bを混合し、70℃に加熱
3.相Bを相Aに均質化させながらゆっくりと添加、撹拌しながら冷却
【0179】
実施例24:ティンテッドデイクリーム
【0180】
【表22】
【0181】
調製法:
1.相Aを混合、Keltrolを分散
2.80℃に加熱
3.相Bを80℃に加熱
4.相Bを相Aにゆっくりと添加
5.40℃になるまで冷却し、相Cを添加
【0182】
実施例25:ヘアマスカラ
【0183】
【表23】
【0184】
調製法:
1.相AとBを個別に80℃に加熱
2.相Bを相Aにゆっくりと添加
3.別の容器中で、KlucelとVeegumを相Cの水中へ攪拌
4.相ABを40℃になるまで冷却
5.相CとDを添加
【0185】
実施例26:パヒュームパウダースティック
【0186】
【表24】
【0187】
調製法:
1.高速ミキサー(30秒/2000rpm)中で相Aを混合
2.相Bを相Aに添加、高速ミキサー(30秒/2500rpm)中で混合
3.適切な容器に小分け
【0188】
実施例27:プレスドブラッシュ
【0189】
【表25】
【0190】
調製法:
1.相Aを混合
2.相Bを添加し、均質化
3.ブラッシュを150barで30秒間加圧
図1
図2
図3