(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016364
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】喫煙品および喫煙品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A24D 1/02 20060101AFI20161013BHJP
【FI】
A24D1/02
【請求項の数】12
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-550496(P2011-550496)
(86)(22)【出願日】2010年1月25日
(65)【公表番号】特表2012-518393(P2012-518393A)
(43)【公表日】2012年8月16日
(86)【国際出願番号】EP2010050803
(87)【国際公開番号】WO2010097258
(87)【国際公開日】20100902
【審査請求日】2012年12月26日
【審判番号】不服2014-24869(P2014-24869/J1)
【審判請求日】2014年12月4日
(31)【優先権主張番号】0903136.0
(32)【優先日】2009年2月25日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】フィーベルコーン、リチャード
(72)【発明者】
【氏名】カリューラ、カール
(72)【発明者】
【氏名】ナッピ、レオナルド
【合議体】
【審判長】
千壽 哲郎
【審判官】
田村 嘉章
【審判官】
窪田 治彦
(56)【参考文献】
【文献】
特表2006−511238(JP,A)
【文献】
特許第3274892(JP,B2)
【文献】
国際公開第02/19848(WO,A1)
【文献】
国際公開第01/48316(WO,A1)
【文献】
特表2005−514939(JP,A)
【文献】
特表2006−517391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の喫煙品を喫煙品製造機で製造する方法であって、
通気度が15コレスタ単位未満である巻き紙の連続ウェブを、巻き紙源から前記製造機のアプリケーターセクションに供する工程と、
前記アプリケーターセクションにおいて、前記した巻き紙の連続ウェブに、燃焼抑制添加剤液を所定のパターンでオンライン塗布し、塗布された燃焼抑制添加剤がパターン塗布領域の最終的な巻き紙重量を2〜5%増大させる工程と、
前記燃焼抑制添加剤が塗布された巻き紙の連続ウェブを前記製造機のガーニチャーセクションに供給する工程と、
前記ガーニチャーセクションにおいて、タバコ材の周りに前記燃焼抑制添加剤が塗布された巻き紙の連続ウェブを巻き付けて巻き紙で巻かれたロッドを形成する工程と、
前工程で得られた巻き紙で巻かれたロッドを、前記製造機のカッターにて切断して複数の喫煙品を形成する工程を含む喫煙品の製造方法。
【請求項2】
前記巻き紙が5乃至10コレスタ単位の通気度を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
個々の喫煙品の一端に関して所定の位置に配されるよう、燃焼抑制添加剤液をオンライン塗布する工程と、巻き紙で巻かれたロッドを切断する工程を同期させることをさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
燃焼抑制添加剤のパターンが個々の喫煙品の同じ位置に配されるよう、巻き紙で巻かれたロッドが切断されることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記パターンが喫煙品の周囲に延びる複数のバンドからなることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記パターンが、前記巻き紙で巻かれたロッドを切断することにより形成された切断後の個々のロッド材の一端に位置し、その切断後の個々のロッド材の長さの25乃至50%を占めることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記パターンが形成された前記切断後の個々のロッド材の一端に、フィルターを取り付ける工程をさらに含むことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
燃焼抑制添加剤液がゴム、接着剤、有機塩または無機塩を含むことを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記パターンがプリントによって塗布されることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記パターンがスプレーによって塗布されることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記燃焼抑制添加剤液を加熱し、加熱された燃焼抑制添加剤液を巻き紙に塗布する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記パターンを巻き紙に塗布した後、その巻き紙を加熱する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙品の製造方法に関し、より具体的にはタバコ材に巻き紙を巻く前に巻き紙に燃焼抑制添加剤を塗布し、燃焼性が低下した喫煙品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低着火性、即ち喫煙者が吸引していないときに自己消火しやすい紙巻きタバコなどの喫煙品の製造方法について多くの方法が提案されている。その目的は、そのような紙巻きタバコが可燃性の物に落とされる、または放置された際にその可燃性の物を燃やす前に自己消火させることである。紙巻きタバコの巻き紙の組成が紙巻きタバコの燃焼速度に大きな影響を与え、この巻き紙を種々の方法で変性することによって自己消火する紙巻きタバコを製造することができるということが認識されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
低燃焼性の喫煙品の巻き紙の製造法の1つとして、下記特許文献1および2に開示されているように、巻き紙に紙からなる複数のバンドを加える方法があり、巻き紙の組成とバンド紙が所望の燃焼速度を有する複合体を得るために選択される。
【0004】
また別の方法として例えば下記特許文献3に開示されているように、紙
をカレンダー処理して通気度の小さいバンドおよび大きいバンドを供するものがある。
【0005】
またシガレットペーパーに燃焼抑制剤を塗布して紙を化学処理するものもある。燃焼抑制添加剤は、バンド状などのパターンで通常塗布され、これは最終的に組み立てられた紙巻きタバコにおいて、紙巻きタバコの周囲に延びる。好適なこのようなバンド状の紙を製造する方法が下記特許文献4に開示されている。このようなバンド状の紙には多くの欠陥がある。第1にこのよう紙のコストは、通常、標準的なシガレットペーパーのコストの4、5倍である。これは添加剤のコスト、これを製するための別の装置を設け、通常の方法で紙巻きタバコを製造する前に添加剤をバンド状に塗布し、紙を乾燥させる処理のための一連の処理コストによるものである。さらにこの紙を紙巻きタバコの製造に使用する場合、バンドが紙巻きタバコの長さに沿ってランダムに配置されてしまう。最も好ましいのはバンドがフィルターに近い紙巻きタバコの部分にのみ存在することであり、最初に吸われる紙巻きタバコの他端にバンドが存在するのは望ましくない。なぜなら紙巻きタバコは喫煙が終わる頃に自己消火するのが望ましく、喫煙の最初の数ミリで紙巻きタバコが自己消火するのは望ましくないからである。バンドが設けられて紙を使用する場合、バンドを紙巻きタバコに沿った特定の位置に確実に位置させる方法がない。
【0006】
低燃焼性紙巻きタバコの別の製造法として超低通気度、通常約5コレスタ単位(CU)でバンドが設けられていない紙を使用する方法がある。このバンドのない紙は、バンドが設けられている紙より安価であるが、これも多くの欠陥を有する。第1にバンドが設けられた紙と
異なり、自己消火機能が紙の全長に沿って一定であり、従って紙巻きタバコがあらゆる箇所で自己消火してしまう場合がある。さらに極めて低い通気度とは、くすぶり速度が喫煙の間、遅く、従って全体的な生成量のタールを送るためには、パフ当たりのタールが少なくなることを意味する。紙の天然の通気度低いということは、一酸化炭素の拡散がロッドから殆ど起らず、煙の一酸化炭素/タール比が一般に高くなることを意味する。例えば静電穿孔(Electrostatic Perforation (EP))によって換気孔を追加することは、燃焼速度を著しく速めることにはならず、パフ毎に生成する煙を希釈してしまう。さらに紙の物性および化学的特性を相対的に僅かに変えた場合で着火点火性試験(lit ignition propensity test (LIPT))に合格する性能に影響を与え、従って低通気度の紙のCUの仕様をLIPTに確実に合格するために最適な値より低い値に設定する必要がある。
【0007】
紙巻きタバコの製造中にバンドを加えるためのいくつかの試みが今までになされている。これはバンドを設けることとタバコをバンドが設けられた紙で包んだときに形成されるロッドの切断とを同調させることによって所望の位置にバンドを配置することを可能にしている。この方法は、予め製造されたバンド付きの紙に見られたバンドの位置決めの問題を克服することができる。このオンラインでバンドを設けることは、下記特許文献5および6に開示されている。しかしながらこれらの工程にもこのようなシステムがまだ商業的に生産されていないという意味で別の問題点がある。1つの問題点は、燃焼抑制液が塗布された時点での紙の乾燥にある。最初に液をタバコがその紙で巻かれる機械のガーニチャーセクションの前に乾燥させなければならない。これはもし紙がタバコと接触するこの段階で湿っていると、紙が変色するからである。さらに燃焼抑制液を塗布するためのセクションを含むように変型された紙巻きタバコを巻くために使用される機械では、極めて大きな力で紙を引っ張り、紙が湿っているとその張力が著しく弱まり、紙が破れやすくなってしまう。種々のヒーターを紙の乾燥を補助するために機械に組み込むことが可能であるが、紙を適切に乾かすにはある程度の時間が必要になり、機械の作動を遅くしなければならなくなる。機械の速度を遅くすることは、紙の破損の問題を緩和するが、生産効率が減少する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の喫煙品を製造する方法を提供し、この方法は、
15コレスタ単位未満の通気度の巻き紙を供する工程と、
この巻き紙に所定のパターンで燃焼抑制添加材料を塗布する工程と、
タバコ材を巻き紙で巻いてロッドを形成する工程と、
この巻き紙で巻かれたロッドを切断して、複数の喫煙品を形成する工程とを含む。
【0009】
また本発明は、喫煙品を提供し、この喫煙品は、
タバコ材からなるロッドと、
タバコ材ロッドを巻く巻き紙とを含み、この巻き紙は、これに塗布された燃焼抑制添加剤のパターンを含み、巻き紙の通気度は、この燃焼抑制添加剤が塗布されていない領域では15CU未満であり、この添加剤が塗布されている領域では低通気度である。
【0010】
紙の低通気度とは所望の自己消火効果を得るために燃焼抑制添加剤の添加量が少量で済むことを意味する。このことは紙が湿っていると破れてしまうといった多量の燃焼抑制剤を塗布することに関係する問題点を軽減する。このことは燃焼抑制添加剤の塗布が紙巻きタバコ製造機で1つの連続した工程でより簡単に行えることを意味する。これにより加熱/乾燥工程の必要性は、少なくなるが、加熱工程を任意に燃焼抑制添加剤の塗布の前または後に加えてもよい。さらに低通気度の紙と燃焼抑制添加剤の量を減らすことの組み合わせによって、例えば紙の仕様およびタバコ密度の変更に注意しながら一定のオンライン制御を維持することが可能になる。
【0011】
巻き紙は、好ましくは5乃至10CUの通気度を有する。
【0012】
本発明の方法において、燃焼抑制添加剤は、巻き紙で巻かれたロッドの切断と同期させて塗布することによって燃焼抑制添加剤のパターンが各喫煙品の端部に対して所定の位置に位置するようにするのが好ましい。巻き紙で巻かれたロッドは、燃焼抑制添加剤のパターンが各喫煙品の同じ位置に実質的に位置するように切断されるのが好ましい。またロッドは、燃焼抑制添加剤パターンが喫煙品の一端部で喫煙品の長さの25乃至50%を覆うように切断されるのが好ましい。好ましくはフィルターがパターンが形成されている喫煙品の端部に装着される。
【0013】
燃焼抑制添加剤のパターンは、好ましくは喫煙品の周囲に延びた複数のバンドを含む。
【0014】
燃焼抑制添加剤のパターンが塗布される紙の領域において、燃焼抑制添加剤は紙の重量に対して10%未満、好ましくは8%未満の重量を加えることが好ましい。より好ましくは燃焼抑制添加剤は、紙の重量に対して0乃至5%、最も好ましくは2乃至5%を加える。
【0015】
燃焼抑制添加剤は、次の内の1つ以上を含む、グアールゴム、アラビアゴムなどのゴム、デンプン、熱溶融接着剤、PVAなどの接着剤、アルギン酸塩およびクエン酸塩などの有機塩、塩化物(塩化カリウムなど)および酸化物(酸化マグネシウムなど)などの無機塩など。
【0016】
燃焼抑制添加剤のパターンは、プリントまたはスプレーによって塗布してもよい。
【0017】
燃焼抑制添加剤は、紙の内面に塗布され、紙を乾燥させるための追加の加熱が必要ないような添加剤の粘度、種類、温度および量で塗布される液状であることが好ましい。このような場合、製造機の変更が最小限ですみ、製造効率が損なわれないように添加剤を紙が積み重なった山にタバコが加えられる領域の前に直接塗布することができる。
【0018】
本発明の好ましい実施態様を添付の図面を参照し以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の方法の実施に好適な紙巻きタバコ製造機を略式に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は当業界で知られている紙巻きタバコ製造機10を示し、巻き紙を紙巻きタバコに形成する前に巻き紙に燃焼抑制添加剤を塗布するために変型されている。紙巻きタバコ製造機10は、タバコ材が無端の搬送システム28の下方の外面にエアーシステム22によって上方に吹き付けられるチムニー領域16に設けられてるタバコ材源20を含む。無端搬送システム28は、低圧力領域41を有する多孔性ベルト32を含み、ここにタバコ材20が吸引され、この多孔性ベルト32は搬送システム28の底部に対してタバコ材を保持し、ガーニチャーセクション45の方に搬送されるタバコ材の流れを形成する。
【0021】
一連のローラーおよびガイドポスト60、61を介して巻き紙のロール58から連続したウェブ状の巻き紙55をガーニチャーセクション45に供給するために紙供給セクション8が設けられており、このガーニチャーセクションで巻き紙55がタバコ材20に巻かれ、連続した巻き紙に巻かれたロッドを形成する。通常であればこの紙供給セクション8は、所定の間隔で紙にシリアル番号または証印を印刷するための印刷装置65を含むものである。
図1に示す装置では紙供給セクション8は、さらに巻き紙55に所定のパターンに燃焼抑制添加剤を供給するために変型されている。この燃焼抑制添加剤は、LIP液用の容器85と、ピックアップローラー78と、移送ローラー82とを含むアプリケーターセクション70によって塗布される。ピックアップローラーは、紙55に塗布されるパターンに切り込まれた一連の溝を有し、容器から85からLIP液を取り上げる。移送ローラー82は、パターン状の液を紙55に移す。このパターンは、通常、間に間隔が設けられた一連のバンド状のものである。これらのバンドは、実質的に紙の全幅に亘って延び(その後の接着密閉のための小さな隙間があってもよい)、1mm以上の幅(好ましくは2乃至5mm)を有するのが好ましい。容器85に入っているLIP液は、グアールゴム、アラビアゴムなどのゴム、デンプン、熱溶融接着剤、PVAなどの接着剤、アルギン酸塩およびクエン酸塩などの有機塩、塩化物(塩化カリウムなど)または酸化物(酸化マグネシウムなど)などの無機塩などの燃焼抑制添加剤を含む液体またはペーストであってもよい。任意ではあるが燃焼抑制添加剤を容器および/または塗布システムを加熱することによって周囲温度以上の温度に維持してもよい。
【0022】
任意ではあるが紙55をそれがアプリケーターセクション70を通過する前に熱して紙の乾燥を補助するようにしてもよい。燃焼抑制添加剤のパターンが塗布された後に赤外線ヒーターなどの別のヒーター120で紙を熱してもよい。
【0023】
アプリケーターセクション70は、巻き紙の内側、即ち巻き紙がガーニチャーセクション45でタバコ材20に巻かれる際にタバコに面する紙50の側に燃焼抑制添加剤を塗布するように配置されている。
【0024】
ガーニチャーセクション45は、ローラー132によって駆動するガーニチャー搬送ベルト130を含む。
【0025】
本発明では巻き紙55は、初期の通気度が15CU未満、好ましくは5乃至10CUの紙である。低通気度の紙を使用することは、完成した紙巻きタバコが燃焼抑制添加剤がなくても自己消火する傾向がより強くなることを意味するが、燃焼抑制添加剤を使用しない場合の自己消火性は、着火点火特性試験に合格するためには充分ではない。しかしながら低通気度の紙は、紙に添加するのに必要とされる燃焼抑制添加剤の量を減少させ、最終的な紙において燃焼抑制添加剤が紙の重量に対して8%未満、好ましくは0乃至5%、より好ましくは2乃至5%を加えるレベルにまで減少させることができる。
【0026】
燃焼抑制添加剤の量の減少によって、紙55の乾燥が改善され、ヒーター120が必要なくなる。ヒーター120が必要ない場合、アプリケーターセクション70をガーニチャーセクション45の入り口に可能な限り近づけて、紙55がガーニチャーセクション45で巻かれたロッドに形成される前にさらにローラーを通過する際にLIP液の堆積または損失を防ぐようにするのが好ましい。
【0027】
ガーニチャーセクション45においてガーニチャー搬送ベルト130は、ガーニチャー入り口コーン144を介してレール集合体140の下で紙55を搬送する。タバコ材20は、搬送ベルト32によって運ばれ、紙のウェブ55上に堆積され、フィンガーレール集合体140およびガーニチャーの入り口コーン144が多孔性の搬送ベルト32からガーニチャーセクション45内へとタバコ材20を案内する。ガーニチャーセクション45は、さらにガーニチャー搬送ベルト132の経路上に位置する舌部160を含む。この舌部160は、巻き紙55上のタバコ材20を締め付け、舌部160と搬送ベルト130がタバコ材が圧縮されてタバコ材ロッド170が形成されるように断面が小さくなる経路を形成する。舌部160から下流に位置する折り曲げ機構180がさらにタバコ材20を圧縮し、ロッド170の周囲で紙ウェブ55を折り曲げる。接着剤アプリケーター184が紙ウェブの縁部に接着剤を塗布し、その縁部を紙ウェブ55の重なる部分に固定する。連続したロッド170が切断セクション186に送られ、そこでナイフによって複数の喫煙品190、191に切断される。ナイフは、ナイフ支持部192内に位置する。
【0028】
ナイフはアプリケーターセクション70と同期し、これによって巻き紙上の燃焼抑制添加剤のパターンが複数の喫煙品190、191のそれぞれの所定の位置に位置するようにロッド170が切断される。特にパターンは、各ロッドの一端に塗布され、好ましくはロッドの長さの最初に25乃至50%に亘って延びる。この後フィルターが燃焼抑制添加剤のパターンを有する方の端部に取り付けられ、当業界で知られている方法でチッピング紙によって固定される。
【0029】
ロッドを複数のセクションに切断するナイフとバンドの配置の同期は、機械的または電気的手段によって行われる。機械的な方法では、ナイフを動かす歯車装置が一連のリンク手段を介して添加剤アプリケーターに直接接合される。電気的な方法では、ナイフによってタイミングが取られる電気パルスがアプリケーター機構とのタイミングを取るために使用される。
【0030】
図2は本発明による喫煙品1を示し、この喫煙品は上述の方法で製造されたものである。この喫煙品1は一端にフィルター3を有する巻き紙に包まれたタバコ材からなるロッド2を含む。フィルターはこのロッド2にチッピング紙で取り付けられ、ロッド2は巻き紙によって囲まれたタバコからなる芯を含む。巻き紙は、これに塗布された燃焼抑制添加剤のパターンを有し、このパターンは間隔を置いて配された複数のバンド4を含む。パターンはロッド2の第1の端部に位置する。バンド4は1mm以上の幅(好ましくは2乃至5mm)を有し、バンド4が塗布されるロッド2の長さL
2は、ロッド全体の長さL
1の25乃至50%であることが好ましい。
【0031】
巻き紙は燃焼抑制添加剤がない領域では15CU未満の通気を有し、添加剤が塗布されている領域では低通気度を有する。巻き紙は、燃焼抑制添加剤がない領域では5乃至10CUの通気度を有するのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】欧州特許第0483998号
【特許文献2】欧州特許第0262550号
【特許文献3】米国特許第4,945,932号
【特許文献4】国際公開第98/01233号
【特許文献5】国際公開第2004/057986号
【特許文献6】米国特許出願第2004/0261805号