(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1または2記載の検査用データ作成装置と、当該検査用データ作成装置によって作成された前記検査用データを用いて前記回路基板の検査を行う検査部とを備えている回路基板検査装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の回路基板検査装置には、改善すべき以下の課題がある。すなわち、この回路基板検査装置では、良品基板を用いて各検査ポイント間のインピーダンスを測定してその測定値を示すデータを基準データとして作成している。この場合、良品基板であっても、各検査ポイント間のインピーダンスには、良品基板毎の個体差(製造誤差)によるバラツキが存在する。つまり、基準データを作成する際に用いる良品基板によって、基準データが大きめの値となったり、小さめの値となったりすることがあり、これに起因して検査精度の向上が困難となるおそれがある。また、インピーダンスを測定する際に用いる検査ポイントの組み合わせを示す検査用データは、基板の回路構成を示す回路設計データ等を参照しつつ人手によって作成されるため、その作成には多くの時間を要し、これに起因して検査効率の向上が困難であるという課題も存在する。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、検査精度および検査効率を向上し得る検査用データ作成装置および回路基板検査装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の検査用データ作成装置は、導体パターンを有する基板に電子部品が搭載された回路基板における当該導体パターン上に設けられている検査ポイントにおいて測定した電気的パラメータの測定値
が当該電気的パラメータの
上下限値の範囲内のときに当該電子部品が良好と判定する検査処理を実行して当該回路基板の検査を行う際の当該測定の対象とする当該検査ポイントを指定する情報および当該
上下限値を示す情報を含む検査用データを作成する検査用データ作成装置であって、前記導体パターンに関する情報および前記電子部品に関する情報を含んで前記回路基板の回路構成を示す回路設計データを記憶する記憶部と、前記回路設計データに基づいて前記回路基板の動作をシミュレートするシミュレーション処理を実行する処理部とを備え、前記処理部は、前記回路設計データに基づいて前記検査用データを作成する
検査用データ作成処理において、前記回路設計データに基づいて前記回路基板に設けられている前記検査ポイントを特定するステップと、特定した各検査ポイントのうちの1つの検査ポイントを、検査用信号を供給して前記電気的パラメータを測定する際に低電位側に接続させる起点として選択するステップと、1または複数の前記電子部品を介して前記起点の検査ポイントに接続されている当該起点の検査ポイント以外の全ての前記検査ポイントをショートグループとして抽出し、当該ショートグループの検査ポイントを同電位とした状態で高電位側に接続して前記低電位側に接続させた前記起点の検査ポイントとの間に前記検査用信号を供給している状態の前記電気的パラメータの理論値を前記回路設計データに基づいて特定し、当該理論値に予め決められた値を加算および減算して前記上下限値を求め、前記起点の検査ポイントを示す情報と前記ショートグループの検査ポイントを示す情報と前記上下限値を示す情報とを含むコンポーネントデータを作成する抽出処理を、前記起点として選択する検査ポイントを変更しつつ繰り返して実行するステップと、前記低電位側と前記高電位側とが反転することを除いて同じ条件で前記電気的パラメータを測定する際に用いる2つのコンポーネントデータの一方を削除する集約を行うステップと、集約後の前記コンポーネントデータを連結して前記検査用データを作成するステップとを実行する。
【0007】
また、請求項2記載の検査用データ作成装置は、請求項1記載の検査用データ作成装置において、前記回路設計データの内容を修正する修正操作が可能な操作部を備え、前記処理部は、
前記シミュレーション処理において、前記回路設計データに基づいて前記回路基板の回路図を表示部に表示させ、当該表示させている回路図の前記回路構成が前記修正操作によって修正されたときに当該修正操作に応じて前記回路設計データを修正して前記記憶部に記憶させると共に、当該修正した回路設計データに基づいて前記検査用データを作成する。
【0008】
また、請求項3記載の回路基板検査装置は、請求項1または2記載の検査用データ作成装置と、当該検査用データ作成装置によって作成された前記検査用データを用いて前記回路基板の検査を行う検査部とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の検査用データ作成装置および請求項3記載の回路基板検査装置では、記憶部に記憶されている回路設計データに基づいて回路基板の動作をシミュレートするシミュレーション処理を実行する処理部が回路設計データに基づいて検査用データを作成する。このため、この検査用データ作成装置および回路基板検査装置によれば、良品基板を用いて検査用データを作成する構成とは異なり、良品基板毎の個体差による検査用データ(検査用データに含まれる基準値)のバラツキが生じないため、このバラツキに起因する検査精度の低下を確実に防止することができる結果、その分、検査精度を十分に向上することができる。また、この検査用データ作成装置および回路基板検査装置によれば、シミュレーション処理に用いる回路設計データを用いて処理部が検査用データを自動的に作成するため、回路設計データを参照しつつ人手によって検査用データを作成する従来の構成と比較して、短時間で正確に検査用データを作成することができる結果、検査効率を十分に向上させることができる。さらに、この検査用データ作成装置および回路基板検査装置によれば、処理部がシミュレーション処理および検査用データを作成する処理の双方を実行することにより、例えば、2つの処理部がこれらの処理を別々に実行する構成と比較して、構成を十分に簡略化することができる。また、これらの処理を別々の装置を用いて行うのと比較して、利便性を十分に高めることができる。
また、この検査用データ作成装置および回路基板検査装置によれば、低電位側と高電位側とが反転することを除いて同じ条件で電気的パラメータを測定する際に用いる2つのコンポーネントデータの一方を削除する集約を行うことにより、検査時間の短縮を図ることができる。
【0010】
また、請求項2記載の検査用データ作成装置および請求項3記載の回路基板検査装置では、処理部が、操作部を用いた修正操作に応じて回路設計データを修正して記憶部に記憶させると共に、修正した回路設計データに基づいて検査用データを作成する。このため、この検査用データ作成装置および回路基板検査装置では、例えば、処理部が実行するシミュレーション処理の内容を参照した結果、回路基板の回路構成を修正する必要が生じたときには、その修正内容を反映した回路設計データを即座に作成することができると共に、修正した回路構成に対応した検査用データを即座に作成することができる。したがって、この検査用データ作成装置および回路基板検査装置によれば、検査効率をさらに向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、検査用データ作成装置および回路基板検査装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0013】
最初に、回路基板検査装置1の構成について説明する。
図1に示す回路基板検査装置1は、導体パターン102を有する基板101に電子部品103が搭載された回路基板100(
図2も参照)の検査を実行可能に構成されている。具体的には、回路基板検査装置1は、一例として、
図1に示すように、基板保持部11、プローブユニット12、移動機構13、測定部14、スキャナ部15、表示部16、記憶部17、操作部18および処理部19を備えて構成されている。なお、記憶部17および処理部19によって検査用データ作成装置が構成される。
【0014】
基板保持部11は、一例として、保持台およびクランプ機構(いずれも図示せず)を備えて、回路基板100を保持可能に構成されている。
【0015】
プローブユニット12は、
図1に示すように、回路基板100の各導体パターン102上に設けられている複数の検査ポイントPにそれぞれ接触(プロービング)させる複数のプローブ21を備えて治具型に構成されている。移動機構13は、処理部19の制御に従い、プローブユニット12を上下方向に移動させることによってプローブユニット12の各プローブ21を各検査ポイントPにそれぞれ接触させるプロービング処理を実行する。
【0016】
測定部14は、処理部19の制御に従って測定処理を実行する。この測定処理では、測定部14は、回路基板100の各検査ポイントPに接触しているプローブユニット12のプローブ21を介して供給される検査用信号S1と、検査用信号S1の供給に伴ってプローブ21を介して入力する電気信号S2とに基づいて物理量(例えば、抵抗値や静電容量などの電気的パラメータ)を測定する。
【0017】
スキャナ部15は、複数のスイッチ(図示せず)を備えて構成され、処理部19の制御に従って各スイッチをオン状態またはオフ状態に移行させることにより、プローブユニット12の各プローブ21と測定部14との接断(接続および切断)を行う。表示部16は、処理部19の制御に従って各種の画像を表示する。
【0018】
記憶部17は、処理部19によって実行される検査用データ作成処理50(
図3参照)によって作成される検査用データDeを記憶する。この検査用データDeは、処理部19によって実行される検査処理において用いられるデータであって、1回の検査処理において検査対象とする検査ポイントP(検査用信号S1の供給および電気信号S2の入力を行う検査ポイントP)を指定する情報や、検査用信号S1および電気信号S2に基づいて測定した抵抗値(検査ポイントPにおいて測定した電気的パラメータ)の測定値Rmとの比較をするための抵抗値の上下限値Ru(基準値)を示す情報を含んで構成されている。
【0019】
また、記憶部17は、回路設計データDdを記憶する。この回路設計データDdは、回路基板100の回路構成を示す回路設計用のデータであって、例えば、回路基板100における導体パターン102の形状を示す情報、導体パターン102に設けられている検査ポイントPの位置を示す情報、電子部品103の仕様を示す情報、および電子部品103が接続されている検査ポイントPを示す情報などを含んで構成されている。この回路設計データDdは、回路基板100の動作(処理)をシミュレートするシミュレーション処理の際に用いられると共に、検査用データ作成処理50において検査用データDeを作成する際に用いられる。
【0020】
操作部18は、各種の操作ボタンを備え、処理部19に対する各処理の実行を指示する指示操作が可能に構成されている。また、操作部18は、記憶部17に記憶されている回路設計データDdを修正(変更)する修正操作が可能に構成されている。
【0021】
処理部19は、操作部18から出力される操作信号に従って回路基板検査装置1を構成する各構成要素を制御する。また、処理部19は、処理部として機能し、記憶部17に記憶されている回路設計データDdに基づいて回路基板100の動作をシミュレートするシミュレーション処理を実行する。
【0022】
また、処理部19は、検査用データ作成処理50を実行して、回路設計データDdに基づいて検査用データDeを作成する。さらに、処理部19は、操作部18を用いた修正操作に応じて記憶部17に記憶されている回路設計データDdを修正して、修正後の回路設計データDdを記憶部17に記憶(上書きして記憶)させる。また、処理部19は、検査部として機能し、検査用データ作成処理50によって作成した検査用データDeを用いて回路基板100に対する検査処理を実行する。
【0023】
次に、回路基板検査装置1の使用方法について、図面を参照して説明する。なお、記憶部17には、回路設計データDdが予め記憶されているものとする。
【0024】
この回路基板検査装置1は、記憶部17に記憶されている回路設計データDdに基づいて回路基板100の動作(処理)をシミュレートするシミュレーション機能を備えている。このシミュレーション機能を使用する際には、操作部18を操作して、シミュレーションの開始を指示する。これに応じて、処理部19が、シミュレーション処理を実行する。このシミュレーション処理では、処理部19は、一例として、次のような処理を行う。まず、処理部19は、記憶部17から回路設計データDdを読み出し、次いで、回路設計データDdに基づいて回路基板100の回路図を表示部16に表示させる。また、このシミュレーション処理では、処理部19は、回路基板100に電気信号を入力したときの出力信号の波形や測定されるべき物理量(例えば、抵抗値や静電容量などの電気的パラメータ)を表示部16に表示させる。
【0025】
また、この回路基板検査装置1は、回路設計データDdを修正する修正機能を備えている。この場合、例えば、上記したシミュレーション処理によって表示された内容を参照した結果、回路基板100の回路構成を修正する必要が生じたときには、操作部18を用いて修正操作を行う。この際に、処理部19が、修正操作に応じて回路設計データDdを修正し、修正後の回路設計データDdを記憶部17に上書きして記憶させる。このように、この修正機能を使用することで、修正内容を反映した回路設計データDdを即座に作成することが可能となっている。
【0026】
さらに、この回路基板検査装置1は、上記した回路設計データDdに基づいて検査用データDeを自動的に作成する検査用データ作成機能を備えている。この検査用データ作成機能を使用する際には、操作部18を操作して、検査用データDeの作成を指示する。これに応じて、処理部19が、
図3に示す検査用データ作成処理50を実行する。なお、以下の説明では、回路基板100に設けられている各検査ポイントP間の抵抗値(電気的パラメータの一例)を測定し、その測定値Rmと上下限値Ruとを比較して回路基板100の良否検査を行う際に用いる検査用データDeを作成する例について説明する。また、
図2に示すように、4つの電子部品103a〜103dが搭載されると共に、各導体パターン102に4つの検査ポイントP1〜P4が設けられている回路基板100についての検査用データDeを作成する例について説明する。
【0027】
この検査用データ作成処理50では、処理部19は、まず、記憶部17から回路設計データDdを読み出す(ステップ51)。続いて、処理部19は、回路設計データDdに基づき、回路基板100に設けられている4つの検査ポイントP1〜P4(図参照)を特定する。次いで、処理部19は、特定した各検査ポイントP1〜P4のうちの1つの検査ポイントP(例えば、同図に示す検査ポイントP1)を選択する(ステップ52)。ここで選択する検査ポイントPは、次のステップで実行する抽出処理60の対象(以下「起点」ともいう)とする検査ポイントPであって、この回路基板検査装置1では、回路基板100の良否検査において検査用信号S1を供給する際に、この検査ポイントPを低電位(基準電位)側に接続する。
【0028】
続いて、処理部19は、選択した検査ポイントP1を起点とする抽出処理60(
図4参照)を実行する(ステップ53)。この抽出処理60では、処理部19は、回路設計データDdに基づき、回路基板100の良否検査において検査用信号S1を供給する際に高電位側に接続する検査ポイントPを抽出する。この場合、この回路基板検査装置1では、起点として選択した検査ポイントPに対して1または複数の電子部品103を介して接続されている複数の検査ポイントPが存在するときには、起点としての検査ポイントP以外の検査ポイントPを同電位とした状態で高電位側に接続し、その状態で測定した抵抗値に基づいて回路基板100の良否検査を行う。このため、この抽出処理60では、このような態様での検査(以下、この検査を「1対N検査」ともいう)に対応する検査ポイントPを抽出する。なお、以下の説明において、上記した同電位とする複数の検査ポイントPをまとめて「ショートグループ」ともいう。
【0029】
具体的には、処理部19は、
図4に示すように、抽出処理60において、起点としている検査ポイントP1に電子部品103が接続されているか否かを判別する(ステップ61)。この場合、
図2に示すように、検査ポイントP1には、電子部品103a,103bが接続されているため、処理部19は、その旨を判別する。
【0030】
次いで、処理部19は、電子部品103a,103bが接続されている検査ポイントPであって、検査ポイントP1(起点とした検査ポイントP)以外の検査ポイントPを特定する(ステップ62)。この例では、
図2に示すように、電子部品103aが検査ポイントP2に接続され、電子部品103bが検査ポイントP3に接続されているため、処理部19は、各検査ポイントP2,P3を特定する。
【0031】
続いて、処理部19は、検査ポイントP2,P3がこの抽出処理60(検査ポイントP1を起点とする抽出処理60)において既に抽出されているか否かを判別する(ステップ63)。この場合、この時点では、検査ポイントP2,P3が抽出されていないため、処理部19は、検査ポイントP2,P3をショートグループの検査ポイントPとして抽出する(ステップ64)。
【0032】
次いで、処理部19は、検査ポイントP2,P3に電子部品103が接続されているか否かを判別する(ステップ65)。この場合、
図2に示すように、検査ポイントP2に電子部品103cが接続され、検査ポイントP3に電子部品103dが接続されているため、処理部19は、その旨を判別し、続いて、上記したステップ62を実行して、電子部品103c,103dが接続されている検査ポイントP2,P3以外の検査ポイントPとして、検査ポイントP4を特定する。
【0033】
次いで、処理部19は、上記したステップ63を実行して、検査ポイントP4がこの抽出処理60において既に抽出されているか否かを判別する。この場合、この時点では、検査ポイントP4が抽出されていないため、処理部19は、上記したステップ64を実行して、検査ポイントP4をショートグループの検査ポイントPとして抽出する。
【0034】
続いて、処理部19は、ステップ65を実行して、検査ポイントP4に電子部品103c,103dが接続されている旨を判別し、次いで、ステップ62を実行して、電子部品103c,103dが接続されている検査ポイントP4以外の検査ポイントPとして、検査ポイントP2,P3を特定する。この場合、この時点で検査ポイントP2,P3が、この抽出処理60において既に抽出されているため、処理部19は、ステップ63においてその旨を判別し、続いて、ステップ66を実行する。
【0035】
このステップ66では、処理部19は、各電子部品103が導体パターン102(各検査ポイントP)に正しく接続されているときの検査ポイントP1と検査ポイントP2,3,4との間の抵抗値の理論値を回路設計データDdに基づいて特定する。この場合、ショートグループとしての検査ポイントP2,3,4を同電位とした状態で、起点としての検査ポイントP1と検査ポイントP2,3,4との間に検査用信号S1としての直流電圧を供給したときには、検査ポイントP2,3,4が同電位のため、検査ポイントP1,P2の間、および検査ポイントP1,P3の間だけに電気信号S2としての直流電流が流れる。したがって、検査用信号S1および電気信号S2に基づいて測定される検査ポイントP1と検査ポイントP2,3,4との間の抵抗値の理論値は、電子部品103a,103bを並列に接続した合成抵抗となる。
【0036】
このため、処理部19は、電子部品103a,103bの設計上の抵抗値(理論値)を回路設計データDdに基づいて特定し、特定した各抵抗値から電子部品103a,103bを並列に接続した合成抵抗を求めて、検査ポイントP1と検査ポイントP2,3,4との間の抵抗値の理論値とする。次いで、処理部19は、抵抗値の理論値に予め決められた値を加算および減算して抵抗値の上下限値Ru(基準値)を求める。次いで、処理部19は、起点としての検査ポイントP1および上記したステップ64で抽出したショートグループを構成する検査ポイントP2〜P4を示す情報、並びに上下限値Ruを示す情報を含むデータ(以下、このデータを「コンポーネントデータDc」ともいう)を生成して記憶部17に記憶させて、抽出処理60(検査用データ作成処理50のステップ53)を終了する。
【0037】
一方、上記したステップ61において起点とした検査ポイントP1に電子部品103が接続されていないと判別したときには、処理部19は、ステップ62〜66を実行することなく抽出処理60を終了する。
【0038】
続いて、処理部19は、
図3に示す検査用データ作成処理50のステップ54を実行して、次に起点とする他の検査ポイントPが存在するか否かを判別する。この場合、他の検査ポイントPとして検査ポイントP2〜P4が存在するため、処理部19は、そのうちの1つの検査ポイントP(例えば、検査ポイントP2)を選択して(ステップ52)、上記した抽出処理60を実行する。以下、処理部19は、同様にして、ステップ52〜54を実行する。
【0039】
次いで、処理部19は、上記したステップ54において、起点とする次の検査ポイントPが存在しないと判別したときには、重複するコンポーネントデータDcの集約を行う(ステップ55)。具体的には、例えば、ある1つのコンポーネントデータDcには、起点としての検査ポイントPaを示す情報、および1つの検査ポイントPbだけで構成されたショートグループを示す情報が含まれ、他の1つのコンポーネントデータDcには、起点としての検査ポイントPbを示す情報、および1つの検査ポイントPaだけで構成されたショートグループを示す情報が含まれているときには、検査時に検査用信号S1を供給する際の低電位側と高電位側とが反転することを除いて、ほぼ同じ条件での検査が行われることとなる。このため、ほぼ同じ条件での重複する検査の一方を省略するため、このような重複するコンポーネントデータDcについては、一方を削除する。このステップ55を実行することで、検査時間の短縮を図ることが可能となる。
【0040】
続いて、処理部19は、集約後の各コンポーネントデータDcに基づいて検査用データDeを作成する(ステップ56)。この場合、処理部19は、例えば、集約後の各コンポーネントデータDcを連結することにより、起点とする検査ポイントPおよびショートグループを構成する検査ポイントPを示す各情報を検査用データDeに含ませると共に、上記した抽出処理60のステップ66で求めた起点とする検査ポイントPとショートグループを構成する検査ポイントPとの間の抵抗値の上下限値Ru(基準値)を検査用データDeに含ませる。次いで、処理部19は、検査用データDeを記憶部17に記憶させる。以上により、検査用データ作成処理50が終了する。
【0041】
次に、回路基板検査装置1を用いて回路基板100を検査する方法について説明する。
【0042】
まず、回路基板100を基板保持部11に保持させる。次いで、操作部18を用いて検査開始操作を行う。これに応じて、処理部19が検査処理を実行する。
【0043】
この検査処理では、制御部19は、まず、移動機構13を制御してプローブユニット12を下向きに移動させる。これにより、プローブユニット12の各プローブ21の先端部が回路基板100の各検査ポイントPにそれぞれ接触(プロービング)させられる。また、処理部19は、測定部14における図外の検査用信号出力部を制御して、検査用信号S1(一例として、直流電圧)の出力を開始させる。
【0044】
続いて、処理部19は、記憶部17から検査用データDeを読み出す。次いで、処理部19は、1回目の検査を行う。この場合、処理部19は、検査用データDeに基づき、1回目の検査の対象とする検査ポイントPとして、検査ポイントP1〜P4(
図2参照)を特定する。また、処理部19は、検査ポイントP1〜P4のうちの検査ポイントP1を低電位側に接続する検査ポイントPとして特定し、他の検査ポイントP2〜P4を高電位側に接続する検査ポイントP(ショートグループの検査ポイントP)として特定する。
【0045】
続いて、処理部19は、スキャナ部15を制御して、検査ポイントP1に接触しているプローブ21を基準電位(例えば、グランド電位)に接続させると共に、検査ポイントP2〜P4に接触しているプローブ21を同電位とした状態で測定部14における検査用信号出力部の高電位側に接続させる。これにより、検査ポイントP1と検査ポイントP2〜P4との間に検査用信号S1が供給される。
【0046】
次いで、処理部19は、測定部14に対して測定処理を実行させる。この場合、測定部14は、検査用信号S1と、検査用信号S1の供給によって生じる電気信号S2(例えば、直流電流)とに基づいて検査ポイントP1と検査ポイントP2〜P4との間の抵抗値を測定する。
【0047】
続いて、処理部19は、検査用データDeに基づき、検査ポイントP1と検査ポイントP2〜P4との間の抵抗値の上下限値Ru(基準値)を検査用データDeに基づいて特定する。次いで、処理部19は、測定部14によって測定された抵抗値の測定値Rmと上下限値Ruとを比較して、検査ポイントP1と検査ポイントP2〜P4との間の良否(具体的には、電子部品103a,103bの良否)を検査する。
【0048】
続いて、処理部19は、検査ポイントP2を低電位側に接続する検査ポイントPとして特定し、他の検査ポイントP1,P3,P4を高電位側に接続する検査ポイントP(ショートグループの検査ポイントP)として特定して2回目の検査を行う。2回目の検査において、処理部19は、スキャナ部15を制御して、検査ポイントP2に接触しているプローブ21を基準電位に接続させると共に、検査ポイントP1,P3,P4に接触しているプローブ21を同電位とした状態で検査用信号出力部の高電位側に接続させ、測定部14によって測定された測定値Rmと上下限値Ruとを比較して、検査ポイントP2と検査ポイントP1,P3,P4との間の良否(具体的には、電子部品103a,103cの良否)を検査する。
【0049】
次いで、処理部19は、検査ポイントP3を低電位側に接続する検査ポイントPとして特定し、他の検査ポイントP1,P2,P4を高電位側に接続する検査ポイントP(ショートグループの検査ポイントP)として特定して3回目の検査を行う。3回目の検査において、処理部19は、スキャナ部15を制御して、検査ポイントP3に接触しているプローブ21を基準電位に接続させると共に、検査ポイントP1,P2,P4に接触しているプローブ21を同電位とした状態で検査用信号出力部の高電位側に接続させ、測定部14によって測定された測定値Rmと上下限値Ruとを比較して、検査ポイントP3と検査ポイントP1,P2,P4との間の良否(具体的には、電子部品103b,103dの良否)を検査する。
【0050】
続いて、処理部19は、検査ポイントP4を低電位側に接続する検査ポイントPとして特定し、他の検査ポイントP1〜P3を高電位側に接続する検査ポイントPとして特定して4回目の検査を行う。4回目の検査において、処理部19は、スキャナ部15を制御して、検査ポイントP4に接触しているプローブ21を基準電位に接続させると共に、検査ポイントP1〜P3に接触しているプローブ21を同電位とした状態で検査用信号出力部の高電位側に接続させ、測定部14によって測定された測定値Rmと上下限値Ruとを比較して、検査ポイントP4と検査ポイントP1〜P3との間の良否(具体的には、電子部品103c,103dの良否)を検査する。
【0051】
この場合、処理部19は、上記した1回〜4回の検査において、各測定値Rmのいずれもが上下限値Ruの範囲内のときには、各電子部品103が良好と判定し、各測定値Rmのいずれかが上下限値Ruの範囲外のときには、各電子部品103のいずれかが不良と判定する。以上により、検査ポイントP1〜P4を検査対象とする検査が終了する。次いで、処理部19は、検査の結果を表示部16に表示させる。
【0052】
このように、この検査用データ作成装置および回路基板検査装置1では、記憶部17に記憶されている回路設計データDdに基づいて回路基板100の動作をシミュレートするシミュレーション処理を実行する処理部19を備え、処理部19が回路設計データDdに基づいて検査用データDeを作成する。このため、この検査用データ作成装置および回路基板検査装置1によれば、良品基板を用いて検査用データDeを作成する構成とは異なり、良品基板毎の個体差による検査用データDe(検査用データDeに含まれる上下限値Ru)のバラツキが生じないため、このバラツキに起因する検査精度の低下を確実に防止することができる結果、その分、検査精度を十分に向上することができる。また、この検査用データ作成装置および回路基板検査装置1によれば、シミュレーション処理に用いる回路設計データDdを用いて処理部19が検査用データDeを自動的に作成するため、回路設計データDdを参照しつつ人手によって検査用データDeを作成する従来の構成と比較して、短時間で正確に検査用データDeを作成することができる結果、検査効率を十分に向上させることができる。さらに、この検査用データ作成装置および回路基板検査装置1によれば、処理部19がシミュレーション処理および検査用データDeを作成する処理の双方を実行することにより、例えば、2つの処理部がこれらの処理を別々に実行する構成と比較して、構成を十分に簡略化することができる。また、これらの処理を別々の装置を用いて行うのと比較して、利便性を十分に高めることができる。
【0053】
また、この検査用データ作成装置および回路基板検査装置1では、処理部19が、操作部18を用いた修正操作に応じて回路設計データDdを修正して記憶部17に記憶させると共に、修正した回路設計データDdに基づいて検査用データDeを作成する。このため、この検査用データ作成装置および回路基板検査装置1では、例えば、処理部19が実行するシミュレーション処理の内容を参照した結果、回路基板100の回路構成を修正する必要が生じたときには、その修正内容を反映した回路設計データDdを即座に作成することができると共に、修正した回路構成に対応した検査用データDeを即座に作成することができる。したがって、この検査用データ作成装置および回路基板検査装置1によれば、検査効率をさらに向上させることができる。
【0054】
なお、検査用データ作成装置および回路基板検査装置は、上記の構成に限定されない。例えば、検査用データ作成処理50においで実行した上記の抽出処理60は一例であって、適宜変更することができる。また、上記の例では、回路基板100における4つの電子部品103が実装された部分を対象として検査用データDeを作成した例について上記したが、より複雑な回路構成の回路基板100を対象として検査用データDeを作成する場合に適用することができるのは勿論である。
【0055】
また、電気的パラメータとしての抵抗値を測定し、その測定値Rmと上下限値Ru(基準値)とを比較して回路基板100を検査する例について上記したが、他の電気的パラメータ(例えば、静電容量、電流および電圧)を測定し、その測定値と基準値とを比較して回路基板100を検査する構成に適用することもできる。