(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の従来の構成では、被計量物が一個あるいは一単位ずつ収納部に収納されるため、被計量物を取り出す毎に新たに被計量物を収納部に入れ直す必要がある。このように、作業者は、被計量物を収納部に一旦収納し、収納した被計量物を収納部から取り出さなければならず、作業効率が悪いという課題がある。
【0008】
本発明は、経験や勘に頼ることなく、効率的に定量の計量作業が行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0010】
(1)本発明の計量装置は、被計量物が載置される載置部を有し、該載置部に載置される被計量物の重量を計量する計量装置であって、被計量物の複数の重量ランク及び各重量ランクの重量範囲を含むランク情報が、予め記憶される記憶部と、複数個の前記被計量物の重量を合計した目標重量を含む設定情報が設定される設定部と、前記載置部に載置された被計量物の重量、前記設定情報及び前記ランク情報に基づいて、前記載置部に載置された被計量物の重量が前記目標重量に達していないときに、指示手段を制御して、前記載置部に追加すべき被計量物を指示する制御部とを備え、前記制御部は、前記指示手段を制御して、前記追加すべき被計量物の重量ランク及びその重量ランクの被計量物の個数を指示する
ものであり、前記複数の重量ランクの前記被計量物が、複数の容器に重量ランク毎にそれぞれ収納され、前記指示手段は、前記複数の各容器に個別的に対応して配置される複数の表示ユニットを備え、該表示ユニットは、前記追加すべき被計量物の個数を表示する表示部を有し、前記制御部は、前記指示手段を制御して、前記追加すべき被計量物の重量ランクに対応する前記表示ユニットによって、追加すべき被計量物の重量ランクを指示すると共に、その個数を指示する。
【0011】
前記ランク情報には、前記重量ランク及び該重量ランクの重量範囲に加えて、被計量物の品名等を含めてもよい。
【0012】
前記設定情報には、目標重量に加えて、許容値等を含めてもよい。
【0013】
当該計量装置は、指示手段を備える構成としてもよいし、指示手段を計量装置とは別個に設けてもよく、この場合、計量装置の制御部が指示手段を制御できるように、計量装置と指示手段とを有線、または、無線で接続するのが好ましい。
【0014】
指示手段は、追加すべき被計量物を指示できればよく、例えば、表示灯の点灯や表示部の表示によって指示してもよいし、音声によって指示してもよく、それらを組合せて指示するようにしてもよい。
容器は、被計量物を入れるものであればよく、例えば、箱、袋、トレイ、コンテナなどであってもよい。
複数の各容器には、複数の重量ランク毎に被計量物が収納されているので、例えば、被計量物が重量ランク毎に箱詰されたものをそのまま容器として使用してもよいし、前記箱詰された被計量物を移し替えてもよい。
【0015】
本発明の計量装置によると、作業者が、被計量物を目標重量に対して少な目に載置部に載置すると、指示手段によって、目標重量にするために、追加すべき被計量物の重量ランクとその重量ランクの個数が指示される。
【0016】
これによって、作業者は、指示された重量ランクの被計量物を、指示された個数選択して載置部に追加することで、目標重量に達した被計量物の組合せが完成し、この被計量物の組合せを袋詰め等すればよい。
【0017】
このように、複数個の被計量物の重量が目標重量になるように、追加すべき被計量物の重量ランクと、その重量ランクの個数が指示されるので、作業者は、目標重量に対して少な目の被計量物を大まかに載置部に載置し、指示された重量ランク及び個数の被計量物を選択して載置部に載置するだけでよい。したがって、作業者自らが、追加すべき被計量物の重量ランクやその個数を判断する必要がなく、経験や勘によらず、追加すべき被計量物を容易に選択して目標重量となる被計量物の組合せを完成させることができ、作業効率が向上する。
本発明よると、指示手段は、各重量ランクの被計量物がそれぞれ収納された容器に対応してそれぞれ配置される複数の表示ユニットを備えているので、表示ユニットの表示によって、対応する容器を指示する、したがって、追加すべき被計量物の重量ランクを指示することができ、また、表示ユニットは、被計量物の個数を表示する表示部を有しているので、この表示によって、追加すべき被計量物の個数を指示することができる。
【0018】
(2)本発明の計量装置の好ましい実施態様では、前記設定情報には、前記目標重量の許容値を含み、前記制御部は、前記目標重量から前記載置部に載置された被計量物の重量を差し引いた重量値以上であって、かつ、前記許容値以内の重量値となる前記複数の重量ランクの被計量物の組合せを求めて前記追加すべき被計量物とする。
【0019】
制御部は、目標重量から載置部に載置されている被計量物の重量を差し引くことによって、追加すべき被計量物の重量値を算出し、その重量値以上であって、許容値以内の重量値となる被計量物の組合せを、追加すべき被計量物として求め、求めた追加すべき被計量物を、その重量ランク及びその重量ランクの個数として指示することができる。
【0020】
この実施態様によると、作業者は、目標重量よりも少な目の被計量物を載置部に載置すればよく、これによって、追加すべき被計量物が、その重量ランク及びその重量ランクの個数で指示されるので、その指示に従って被計量物を選択して追加するだけで被計量物の組合せを完成させることができる。
【0025】
(
3)本発明の計量システムは、本発明の計量装置と、該計量装置に接続される前記指示手段とを備える。
【0026】
本発明の計量システムによれば、作業者は、目標重量に対して少な目の被計量物を大まかに載置部に載置し、指示手段によって指示された重量ランクであって、指示された個数の被計量物を選択して載置部に載置するだけで、目標重量となる被計量物の組合せを完成させることができ、経験や勘に頼ることなく、計量作業を効率的に行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
このように、本発明によれば、被計量物を目標重量に対して少な目に載置部に載置すると、目標重量にするために、追加すべき被計量物が、その重量ランクと個数とで指示されるので、作業者は、指示された重量ランクの被計量物を指示された個数取り出して載置部に追加することで、目標重量に達した被計量物の組合せが完成する。したがって、作業者の経験や勘に頼ることなく、目標重量に達する被計量物の組合せを容易に完成させることができ、作業効率が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面によって本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0030】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係る計量装置を備える計量システムのブロック図である。
【0031】
この実施形態の計量システムは、農産物や海産物等の物品を、定量で小分けに袋詰め等する際に使用される。
【0032】
この計量システムは、計量装置としての電子秤10と、後述のように選択すべき被計量物を指示する指示手段としての複数、この例では6つの表示ユニット20a〜20fを備えている。
【0033】
電子秤10は、被計量物を計量する計量部11、各部を制御すると共に、演算処理を行なう制御部12、記憶部13、目標重量等を設定する設定入力部14、計量した重量値や作業者に対する指示等を表示する表示部15、コネクタ19を備えている。
【0034】
制御部12は、演算部16、表示ユニット20a〜20fを制御して選択すべき被計量物を指示する指示制御部17、表示部15を制御する表示制御部18を備えている。各表示ユニット20a〜20fは、点灯回路21a〜21f及びランプ22a〜22fを備えている。
【0035】
図2は、この実施形態の電子秤10の外観斜視図である。
【0036】
この電子秤10は、本体ケース30を備え、上部に被計量物が載置される載置部としての計量皿31を備えている。本体ケース30内には、上述の制御部12、記憶部13の他、計量皿31に連結されて演算部16に荷重信号を出力するロードセル等の荷重センサが内蔵されている。本体ケース30の前面には、操作ボタンからなる設定入力部14、液晶ディスプレイからなる表示部15が設けられており、計量皿31及びロードセル等によって計量部11が構成される。
【0037】
図3は、上記表示ユニット20a〜20fを示すものであり、同図(a)は正面図、同図(b)は平面図、同図(c)は側面図である。
【0038】
各表示ユニット20a〜20fは、同一構成であり、この
図3及び後述の
図4では、表示ユニット20a〜20fを代表的に表示ユニット20として示している。
【0039】
図3に示すように、表示ユニット20は、ケース23を備えており、このケース23内には、点灯回路21等が内蔵されており、ケース23の前面に赤色LED24の3個で1組のランプ22が設けられている。点灯回路21は、電子秤10からの点灯信号により、赤色LED24を点灯する。また、ケース23の後面には取り付け用のクリップ27が設けられている。
【0040】
図4は、表示ユニット20の取り付け状態を示す斜視図である。
【0041】
表示ユニット20は、箱40に取り付けられ、この箱40には、後述するランク分けされた被計量物が収納される。表示ユニット20は、箱40の任意の壁面の上端に、上方からクリップ27にて当該壁を挟むようにして着脱可能に取付けられる。また、表示ユニット20は、図示しない信号線を介して電子秤10のコネクタ19に接続される。
【0042】
次に、この実施形態の計量システムについて、具体例を挙げて説明する。
【0043】
ここでは、重量ランクの異なる、例えば、SS,S,M,LM,L,LLの各サイズのジャガイモの箱詰めを仕入れ、それを小分けにして、複数個のジャガイモの定量の袋詰めを作成する場合に適用して説明する。
【0044】
箱詰めのジャガイモの各重量ランクSS,S,M,LM,L,LLの重量範囲は、予め決まっており、各重量ランクSS,S,M,LM,L,LL及びその重量範囲は、後述のランク情報として、電子秤10に設定されて記憶部13に記憶される。
【0045】
先ず、袋詰め作業の準備として、
図5に示すように、仕入れた箱詰めのSS,S,M,LM,L,LLのジャガイモを移し替えるために、各ランク用に3つの箱40a〜40fを準備し、SS用の箱40aにはSSサイズの箱詰めのジャガイモを移し替え、S用の箱40bにはSサイズの箱詰めのジャガイモを移し替え、M用の箱40cにはMサイズの箱詰めジャガイモを移し替え、同様に、各箱40d〜40fには、LM,L,LLの各サイズのジャガイモをそれぞれ移し替える。
【0046】
各箱40a〜40fには、それぞれ表示ユニット20a〜20fが取付けられる。各表示ユニット20a〜20fは、信号線を介して電子秤10のコネクタ19の所定のポートに接続する。コネクタ19は、各種被計量物のランク分けの数に対応できるように十分な数のポートを有しており、これらポートのうちから、後述するように、SS,S,M,LM,L,LLのジャガイモ用の各ポートを設定し、表示ユニット20aはSS用のポートに、表示ユニット20bはS用のポートに、表示ユニット20cはM用のポートに、それぞれ接続し、同様に、表示ユニット20d〜20fは、LM用,L用,LL用の各ポートにそれぞれ接続する。
【0047】
また、各表示ユニット20a〜20fのランプ22a〜22fにおいて、3個の赤色LED24a〜24fの点灯個数は、被計量物であるジャガイモの個数を示すものと予め作業者との間で取り決めておく。例えば、表示ユニット20aのランプ22aにおいて、1個の赤色LED24aが点灯したときには、表示ユニット20aが取り付けられた箱40aのSSサイズのジャガイモの1個を示し、表示ユニット20aのランプ22aにおいて、2個の赤色LED24aが点灯したときには、SSサイズのジャガイモの2個を示し、表示ユニット20aのランプ22aにおいて、3個の赤色LED24aが点灯したときには、SSサイズのジャガイモの3個を示すことになる。同様に、各表示ユニット20b〜20fのランプ22b〜22fにおいて、赤色LED24b〜24fの点灯個数は、S,M,LM,L,LLの各サイズの個数をそれぞれ示すことになる。
【0048】
この例では、SS,S,M,LM,L,LLの箱詰めされたジャガイモを箱40a〜40fにそれぞれ移し替えたけれども、ジャガイモを移し替えることなく、箱詰めされたまま使用してもよく、この場合には、箱詰めの箱に、表示ユニット20a〜20fをそれぞれ取付ければよい。
【0049】
次に、
図6のフローチャートを用いて、計量作業について説明する。
【0050】
下準備として、
図6Aに示すようにランク情報を入力する(S1)。これは電子秤10の記憶部13に、被計量物の品名、産地、重量ランク、重量ランク別の重量範囲等を関連付けて記憶させる。例えば、品名がジャガイモ、重量ランクがSS,S,M,LM,L,LL、ランク別の重量範囲の情報を関連付けて、さらに、この情報を呼び出す際の名称、例えば、ジャガイモ01と適宜名付けて入力する。この情報入力は、設定入力部14から行ってもよいが、電子秤10にパソコンを接続し、専用の情報入力ソフトを使って入力してもよい。なお、既に情報入力が済んでいる場合には、このステップS1はスルーしてよい。
【0051】
電子秤10の設定入力部14を操作して、ステップS1にて記憶させておいた情報呼び出しのための名称を順次、表示部15に表示させて所望の情報を選択する。本例ではジャガイモ01を選択する(S2)。
【0052】
ジャガイモ01のランク情報のうち、今回使用する重量ランクを、設定入力部14を操作して選択する。本例では既にランク分けされた定型の重量ランクSS,S,M,LM,L,LLの全てを使用する(S3)。例えば、S,M,Lの重量ランクのジャガイモしか袋詰めしないのであれば、S,M,Lのみ選択する。
【0053】
ステップS3の操作により、ランク別の重量範囲の情報が記憶部13から呼び出されて表示部15に表示される(S4)。ここで、ランク別の重量範囲の表示に加えて、該当する表示ユニット20を接続するコネクタ19のポートを表示するとよい。例えば、重量ランクSSの重量範囲の表示の横に、重量ランクSS用の箱40aに取り付けた表示ユニット20aを接続する先のポート番号を表示する。作業者は、表示部15に表示されたSS,S,M,LM,L,LLの各ポート番号に該当するポートにそれぞれSS,S,M,LM,L,LLの表示ユニット20a〜20fをそれぞれ接続することで、電子秤10と各表示ユニット20が正しく関連付けされて接続される。
【0054】
ステップS5で、設定入力部14を操作して設定情報として目標重量及び許容値である上限値を入力する。作業者は、目標重量よりも少な目、好ましくは、7,8割程度の被計量物、例えば目標重量が1kgであれば、700〜8000g程度、例えば、Mサイズの1個のジャガイモの重量が、100g前後であれば、7,8個程度のジャガイモを、袋に入れた状態で計量皿31に載置する(S6)。
【0055】
計量皿31に載置されたジャガイモが計量される(S7)。
【0056】
ステップS8で、演算部16は、目標重量から、ステップS7で計量した重量を差し引いた重量値、すなわち、目標重量にするために追加すべきジャガイモの重量値を求める。求めた追加すべきジャガイモの重量値以上であって、かつ、前記ステップS5で設定した上限値を超えず、目標重量に最も近いジャガイモの組合せを演算する。この組合せ演算で選択されたジャガイモの組合せが、追加すべきジャガイモの重量ランクと個数となる。なお、仮にステップS7で計量した重量値が上限値を超えるようなことがある場合には、例えばエラー表示を行って、袋からジャガイモを取り出して、組合せ演算をやり直すようにすればよい。
【0057】
この実施形態では、組合せ演算によって、目標重量以上であって、上限値以下となる組合せが複数あったときには、目標重量に最も近い組合せを選択するようにしたけれども、本発明の他の実施形態として、例えば、残量の多い重量ランクのジャガイモの組合せを優先的に選択するようにしてもよい。すなわち、仕入れた各重量ランクの箱詰めのジャガイモは、定量であって、その大体の個数を把握することができるので、追加すべきジャガイモとして指示したジャガイモの個数を計数しておくことにより、各重量ランクのジャガイモの残量を把握することができる。この残量の多い重量ランクのジャガイモの組合せを優先的に選択するものである。
【0058】
ステップS9で、指示制御部17から一旦全ての表示ユニット20のランプを消灯する指示を出した後、ステップS8で求めたジャガイモの組み合わせに相当するランプを点灯する点灯信号を対応する表示ユニット20に出力する。
【0059】
例えば、ステップS8では、Lサイズのジャガイモ2個とLLサイズのジャガイモ1個の組合せが選択された場合には、Lサイズ用の表示ユニット20eの点灯回路21eに対して赤色LED24eを2個点灯させる指示と、LLサイズ用の表示ユニット20fの点灯回路21fに対して赤色LED24fを1個点灯させる指示とを出力し、その他のLEDは全て消灯状態のままとする。
図5は、この点灯状態を示している。
【0060】
図6Bに示すステップS10で、点灯したランプに相当するジャガイモをL用の箱40eの中から2個、LL用の箱40fの中から1個それぞれ取り出して、計量皿31に載置されている袋の中に加える。
【0061】
計量皿31に載っている袋詰めの重量を計量する(S11)。
【0062】
ステップS12で、ステップS11の計量値が目標重量以上であるか否かを判断する。目標重量以上でない場合にはステップS13に進み、目標重量以上である場合にはステップS15に進む。
【0063】
ステップS13で、表示部15にて目標重量に達していない不足エラー表示を行う。
【0064】
ステップS14で、計量皿31に載っている袋の中から、作業者が主観で小さいと判断したジャガイモを、加えた個数分取り出して目標重量に足りない状態に戻す。これは、ランプの指示によってジャガイモを加えたにも関わらず重量不足となったことに鑑みて、袋の中からできるだけ小さいジャガイモを排除することで、再度重量不足となるのを避けることを目的としている。加えた個数分の小さいジャガイモを取り出す以外に、加えた個数分以上、例えば1個多めに取り出す等、取り出しの仕方は自由に決めておけばよい。そして、ステップS7に戻る。
【0065】
ステップS15で、ステップS11で計量した計量値が上限値以下であるか否か、すなわち、許容範囲内であるか否かを判断する。上限値を超える場合にはステップS16に進み、上限値以下の場合にはステップS19に進む。
【0066】
ステップS16で、表示部15にて上限値を超えている過量エラー表示を行う。
【0067】
ステップS17で、計量皿31に載っている袋の中からステップS10で加えたジャガイモを取り除く。この時、加えたジャガイモそのものを取り出して再度S7以降の作業を繰り返してもよいが、その場合、袋から大きめのジャガイモを選ぶことで再度の過量を防ぐようにしてもよいし、あるいはステップS17で取り出す際に1個多めに取り出して、再度の過量判定を避けるようにしてもよく、過量時の取り出しの仕方は予め作業者との間で自由に取り決めておけばよい。
【0068】
ステップS18では、ステップS16で点灯させたランプを消灯する。そして、ステップS7に戻る。
【0069】
ステップS15で上限重量値以下の場合、表示部15に目標重量に達しており、かつ上限値を超過していないことを示すOK表示を行う(S19)。
【0070】
計量皿31に載っている袋詰めを降ろす(S20)。
【0071】
ステップS21で、全ての袋詰め作業が終了したか否かを判断し、NOの場合、ステップS22に進む。
【0072】
ステップS22で、表示ユニット20の点灯しているランプを消灯し、電子秤10の計量値を零点リセットした後、ステップS6に戻って、同様の作業を繰り返す。
【0073】
このように構成された計量システムによると、既にランク分けされている被計量物を目標重量に対して数個程度を残して大まかに袋詰めして計量するだけで、表示ユニット20のランプ22の点灯によって目標重量に達するのに必要な被計量物の組み合わせが、その重量ランクと個数によって指示される。作業者が指示された重量ランクの中から指示された個数の被計量物を加えることで、目標重量に到達しかつ上限値以下の被計量物の袋詰めが完成する。
【0074】
このように、目標重量に必要な被計量物の重量ランクと個数とを指示するので、作業者は大まかな袋詰めと指示された被計量物を選択するだけでよく、経験や勘に頼ることなく、容易に定量計量作業が行える。
【0075】
また、既にランク分けされている被計量物を用いるため、細かなランク分け作業が不要である。
【0076】
また、目標重量に達しない場合には、袋詰めの中から小さい被計量物を取り除いて、目標重量に対して残り数個を余した状態に戻すので、再び目標重量に到達しなくなる恐れを減らすことができる。
【0077】
(実施形態2)
上述の実施形態1では、ランク分けされて箱詰めされた被計量物を使用することを前提としているが、本実施形態2ではランク分けされていない被計量物にも対応できるようしたものである。
【0078】
実施形態1の
図1〜
図5の構成は、本実施形態2の計量システムにおいても同様である。
図7は本実施形態2の特徴部分を示しており、
図6のフローチャートに
図7のS31〜37を追加することで本実施形態2の定量計量の作業を示すフローチャートとなる。なお、
図6のS1〜22の各ステップの内容については同様である。
【0079】
図1〜6に示した実施形態1と同一部分については説明を省略し、
図7の特徴部分のみ説明する。
【0080】
ステップS31で、ジャガイモの袋詰めには既にランク分けされたものを使用するか、ランク分けされていないものを使用するかの判断を行なう。ランク分けされたものを使用する場合はステップS2へ進み、以降、
図6と同様の流れとなる。ランク分けされていないものを使用する場合はステップS32へ進む。
【0081】
ステップS32で、袋詰めのために用意されたランク分けされていないジャガイモの中から数十個のサンプルを任意に選択する。なお、サンプルの個数は数十個に限らないが、あまり多いとランク分け作業に手間がかかるので適宜決定する。そして、選択したサンプルを1個ずつ計量皿31に載置して計量し、記憶部13に個々の重量を記憶させる。
【0082】
ステップS33で、設定入力部14を操作して、ステップS32で入力したサンプルデータに基づき、演算部16にて平均重量、標準偏差を計算し記憶部13に記憶させる。
【0083】
ステップS34で、これから行なう袋詰め作業で希望するランク分け数を、設定入力部14を操作して入力し記憶部13に記憶させる。例えば、SS,S,M,LM,L,LLの6つにランク分けするのであれば、ランク分け数は6となる。
【0084】
ステップS35で、設定入力部14を操作して、記憶部13に記憶させた平均重量、標準偏差、ランク分け数に基づき、演算部16にてランク毎の重量範囲を計算し、表示部15に表示すると共に、記憶部13に記憶させる。
【0085】
ステップS36で、サンプルに用いたジャガイモも含め、袋詰め用の全てのジャガイモを1個ずつ計量皿31に載置して計量する。表示部15に表示された当該ジャガイモの重量と、ランク毎の重量範囲とを見比べ、当該ジャガイモはSS,S,M,LM,L,LLのいずれのランクに該当するかを判断する。予めSS用〜LL用の箱40a〜40fを、上述の
図5のように準備しておき、当該ジャガイモがSSであれば箱40aに、Sであれば箱40bに、同様に各箱40c〜40fに入れる。なお、表示部15に表示されたジャガイモの重量とランク毎の重量範囲とから当該ジャガイモのランクを作業者が決定する代わりに、演算部16にて当該ジャガイモのランクを自動で算出して表示部15に直接SS,S,M,LM,L,LLとランクを表示してジャガイモのランクを作業者に知らせるようにしてもよい。
【0086】
袋詰め用の全てのジャガイモについて、ステップS36のランク分け作業を行い(S37)、ランク分け作業が終了すると、
図6のステップS5以降の作業に進む。
【0087】
このように構成された計量システムによると、被計量物が予めランク分けされていない場合であっても、被計量物の一部をサンプルとして計量することでランク分け重量範囲が出力されるので、そのランク分け重量範囲に基づいて被計量物を計量してランク分けすることができる。
【0088】
(実施形態3)
上述の実施形態1では、表示ユニット20をクリップ27にて箱40に取り付ける構成であるのに対し、本実施形態3では
図8に示す構成となっている。
【0089】
すなわち、表示ユニット20を据え置きタイプとして用い、ランク分けした被計量物を入れたトレイ41に隣接させて置くようにしたものである。
【0090】
(その他の実施形態)
表示ユニット20は、ランプ22の点灯数によって個数を指定するものに限らない。例えば、表示ユニット20の表示画面にバーグラフを表示し、その長短により個数を指定したり、あるいは直接数字を表示して個数を指定するようにしてもよい。
【0092】
また、表示ユニットと音声ユニットを組み合わせて、表示と音声の両方で指示するようにしてもよい。
【0094】
上述の実施形態では、被計量物としては、ジャガイモに適用したけれども、被計量物は、農産物、海産物他、袋等に小分けにパック詰め等して販売するものであれば、どのような物品であってもよい。
【0095】
また、重量ランクは、上述のSS,S,M,L,LLに限らず任意である。