特許第6016447号(P6016447)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016447
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】計時器用表輪列
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/02 20060101AFI20161013BHJP
【FI】
   G04B19/02 A
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-108887(P2012-108887)
(22)【出願日】2012年4月19日
(65)【公開番号】特開2012-225931(P2012-225931A)
(43)【公開日】2012年11月15日
【審査請求日】2015年4月6日
(31)【優先権主張番号】11003306.5
(32)【優先日】2011年4月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】311003662
【氏名又は名称】カルティエ インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ケウィン バス
(72)【発明者】
【氏名】シリル シャテル
【審査官】 藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】 スイス国特許発明第00279358(CH,A)
【文献】 英国特許出願公告第01190098(GB,A)
【文献】 仏国特許出願公開第01457818(FR,A1)
【文献】 実開昭59−134082(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00−49/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(0)、香箱(1)、がんぎかな(5)及び表輪列を有する計時器ムーブメントであって、前記表輪列は、第1の遊星歯車(6)、前記がんぎかな(5)に運動学的に連結された第2の遊星歯車(7)、各々が前記第1の遊星歯車(6)及び前記第2の遊星歯車(7)と噛み合っている少なくとも1つの衛星歯車(9)及び前記香箱(1)に運動学的に連結されると共に前記衛星歯車(9)を支持している衛星キャリヤ(8)を含むステップアップ型エピサイクリック歯車列を有する、ムーブメントにおいて、前記衛星キャリヤ(8)は、1時間ごとに丸1回転する、ムーブメント。
【請求項2】
前記第1の遊星歯車(6)は、各前記衛星歯車(9)と噛み合っている内側歯部を備えた竜頭を有し、前記第2の遊星歯車(7)は、各前記衛星歯車(9)と噛み合っている外側歯部を備えた歯車を有する、請求項1記載のムーブメント。
【請求項3】
前記衛星キャリヤ(8)は、前記香箱(1)の第1の歯部(2)と直接噛み合っている衛星キャリヤ歯車(8.1)を有する、請求項1又は2記載のムーブメント。
【請求項4】
前記衛星歯車(9)は、前記第1の遊星歯車(6)と係合状態にある衛星かな(9.1)及び前記第2の遊星歯車(7)のかな(7.2)と係合状態にある衛星車(9.2)を有し、前記第2の遊星歯車(7)は、前記ムーブメントの前記がんぎかな(5)に運動学的に連結された歯車(7.1)を有する、請求項3記載のムーブメント。
【請求項5】
前記衛星キャリヤ(8)は、2つの前記衛星歯車(9)を支持している、請求項4記載のムーブメント。
【請求項6】
前記ムーブメントは、前記第2の遊星歯車(7)の前記歯車(7.1)と前記ムーブメントの前記がんぎかな(5)との間に位置した少なくとも1つの中間モビール(10)を更に有する、請求項1〜5のうちいずれか一に記載のムーブメント。
【請求項7】
前記ムーブメントは、前記エピサイクリック歯車列を同軸に貫通して延びる心棒によって支持された時針歯車(11)を有し、前記時針歯車は、前記ムーブメントの前記香箱(1)の第2の歯部(3)と直接的係合状態にあり、12時間又は24時間で丸1回転する、請求項1〜6のうちいずれか一に記載のムーブメント。
【請求項8】
前記第1の遊星歯車(6)は、速度がゼロであり、かくして、前記ムーブメントの通常の動作中、前記ムーブメントのフレーム(0)に対して固定されている、請求項1〜7のうちいずれか一に記載のムーブメント。
【請求項9】
前記第1の遊星歯車(6)は、前記ムーブメントの前記フレーム(0)に回転可能に取り付けられ、前記第1の遊星歯車(6)は、前記ムーブメントの一部をなす巻き軸が時間設定位置にあるとき、前記巻き軸に運動学的に連結される、請求項1〜8のうちいずれか一に記載のムーブメント。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか一に記載のメカニカルムーブメントを有する計時器。
【請求項11】
前記計時器は、前記表輪列の前記エピサイクリック歯車列の前記衛星キャリヤ(8)によって支持されている分針を備えた時刻表示装置を有する、請求項10記載の計時器。
【請求項12】
前記時刻表示装置は、前記ムーブメントの前記香箱(1)の第2の歯部(3)と直接噛み合っている時針歯車(11)によって駆動される時針を有する、請求項11記載の計時器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計時器の表輪列、即ち、メカニカル計時器ムーブメントの香箱をこのムーブメントのがんぎかなに連結する表輪列に関する。
【背景技術】
【0002】
仏国特許第1457818号明細書は、自動巻時計に用いられる表輪列に対してなされた単純化を開示している。この特許文献によれば、揺動質量は、一方において表輪列を直接作動させ、他方においてぜんまいを駆動する差動装置を制御する。差動装置は、揺動質量に連結された第1の内部遊星歯車、表輪列に連結された第2の外部遊星歯車、ぜんまいに連結された衛星キャリヤ及び3つの衛星歯車を含む差動遊星歯車列を有する。差動装置は、ぜんまいの後であって最後の表輪列モビールの前に挿入されているので、この差動装置は、巻き表輪列のステップダウン(stepping-down )と巻き表輪列のステップアップ(stepping-up )の両方に関与する。この単純化にもかかわらず、この腕時計の表輪列特に、その歯車列は、依然として多数のモビールを備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、主として、香箱からの原動力を脱進機に伝達することによってステップアップ型歯車列の出力を増大させることにある。本発明の別の目的は、メカニカル計時器ムーブメントの表輪列に設けられるモビールの数を減少させ、二次的に、斬新な美的可能性をメカニカル計時器ムーブメントに計画実現することができるようにすることにある。最後に本発明の別の目的は、日の裏輪列(裏回り輪列とも言う)の歯車を省き、これによっても、出力を増大させると共にモビールの数を減少させ、かくしてメカニカル計時器ムーブメント中の歯車列の嵩を減少させることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
かくして、本発明の要旨は、香箱及びがんぎかなを備えたメカニカルムーブメントを有する計時器用の表輪列であって、第1の遊星歯車、第2の遊星歯車、衛星キャリヤ及び少なくとも1つの衛星歯車で形成されたエピサイクリック歯車列(遊星歯車列とも呼ばれる)を有することを特徴とする表輪列にある。
【0005】
第1の遊星歯車は、一定速度で回転駆動され、この第1の遊星歯車は、好ましくは、ムーブメントのフレームに対して固定され、この一定速度は、ゼロである。衛星キャリヤは、香箱の歯部と直接噛み合っている歯車を有し、少なくとも1つの衛星歯車は、第2の遊星歯車のかなと係合状態にある歯車及び第1の固定状態の遊星歯車と係合状態にあるかなを有し、第2の遊星歯車は、がんぎかなに運動学的に連結された歯車を更に有する。
【0006】
表輪列の特定の一実施形態では、第2の遊星歯車の歯車は、単一の中間モビールによってがんぎかなに連結されている。
【0007】
表輪列のステップアップ比は、好ましくは、エピサイクリック歯車列の衛星キャリヤが1時間ごとに1回転するようなものである。
【0008】
最後に、特定の一実施形態では、ムーブメントの香箱は、12時間で1回転する時針歯車と直接係合している第2の歯部を有する。
【0009】
添付の図面は、一例として、本発明の表輪列の特定の実施形態を概略的に示している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】香箱、メカニカル計時器ムーブメントのがんぎかな及び本発明の表輪列の略図である。
図2】表輪列のエピサイクリック歯車列の斜視図である。
図3】最後の歯車列のエピサイクリック歯車列の軸線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の要旨は、メカニカル計時器のムーブメント用の表輪列にある。「表輪列(時方輪列とも言う)」という用語は、ムーブメントの香箱を計時器ムーブメントのがんぎかなに連結する歯車列を意味するものと理解されたい。
【0012】
本発明の表輪列の特定の特徴は、表輪列が数個のモビールを用いながら大きなステップアップ比を達成することができるようにするエピサイクリック歯車列を有することにある。
【0013】
このエピサイクリック歯車列は、計時器ムーブメントの香箱の歯部と直接的に係合している歯車を備えた衛星キャリヤを有する。この衛星キャリヤは、回転速度がムーブメントの通常の動作中、一定(好ましくはゼロ)である第1の遊星歯車と係合状態にあるかな及び第2の遊星歯車のかなと係合状態にある歯車を備えた少なくとも1つの衛星歯車を有し、第2の遊星歯車の歯車は、ムーブメントのがんぎかなに直接的に又は間接的に連結されている。
【0014】
この表輪列の特定の特徴は、表輪列が有する互いに異なるモビールの歯の数がムーブメントの調節部材、例えば螺旋てんぷの周波数に応じて定められ、その結果、衛星キャリヤが1時間ごとに1回転するようになっていることにある。この理由で、この衛星キャリヤは、計時器の分針を直接支持することができる。
【0015】
この場合、これによって、時針歯車と噛み合い状態にある香箱の第2の歯部が設けられていることにより計時器ムーブメントの伝統的な日の裏輪列を省くことができる。
【0016】
かくして、この種の表輪列は、少数のモビールを有し、それにより、表輪列の出力を著しく増大させることができると共にその嵩を減少させることができるということが明確に分かる。
【0017】
添付の図面を参照すると、メカニカル計時器ムーブメントは、ムーブメントの底板に枢着された香箱1を有し、香箱のドラムは、第1の歯部2及び第2の歯部3を有している。ムーブメントは、がんぎ車4を備えた脱進機モビールと協働する調節部材(図示せず)を更に有し、がんぎ車4は、ムーブメントの底板又は受け(bridge)に枢着されたがんぎかな5に固定的に取り付けられている。
【0018】
次に説明する計時器ムーブメントの表輪列は、がんぎかな5と香箱1の第1の歯部2との運動学的連結部を構成している。
【0019】
図示の実施例では、この表輪列は、エピサイクリック歯車列及び中間モビールを有している。
【0020】
図示の実施例では、エピサイクリック歯車列は、内側歯部付きクラウンによって形成された第1の遊星歯車6を有し、この内側歯部付きクラウンは、ムーブメントの通常の動作中、固定されている。エピサイクリック歯車列は、第1の遊星歯車6に対して同心状にムーブメントの固定部分に枢着された第2の遊星歯車7を更に有し、第2の遊星歯車7の歯車7.1及び第2の遊星歯車7のかな7.2はエピサイクリック歯車列中における太陽歯車として働く。
【0021】
このエピサイクリック歯車列は、香箱1の第1の歯部2と直接係合している衛星キャリヤ歯車8.1及び衛星キャリヤ歯車8.1の回転軸線に平行な少なくとも1本の偏心軸線8.2を備えた衛星キャリヤ8を更に有し、第1の遊星歯車6と係合状態にある衛星かな9.1及び第2の遊星歯車7のかな7.2の外側歯部と係合状態にある衛星車9.2を備えた衛星歯車9がこの偏心軸線8.2回りに回動する。衛星キャリヤ8は、玉軸受によって遊星歯車7及び心棒12に対して同心状に且つ自由に回動し、衛星キャリヤの内部リング8.3は、衛星キャリヤ8に固定的に取り付けられ、外部リング8.4は、ムーブメントのフレームゼロに固定的に取り付けられている。図示の実施例では、衛星キャリヤ8は、各々が衛星歯車9のピボットとしての役目を果たす2本の偏心軸線8.2を有する。
【0022】
図示の実施例では、表輪列は、エピサイクリック歯車列の軸線に平行な軸線上でムーブメントの固定部分に枢着された中間モビール10を更に有し、この中間モビールは、第2の遊星歯車7の歯車7.1と係合状態にあるかな10.1及び計時器ムーブメントのがんぎかな5と係合状態にある歯車10.2を有している。
【0023】
この表輪列は、有利には、衛星キャリヤ8が1時間で丸1回転するよう構成され、その結果、この衛星キャリヤは、かかる表輪列を備えた計時器の時刻表示装置の分針を支持することができるようになっている。
【0024】
図示の実施例では、衛星キャリヤ8を1時間ごとに1回転させるようにするために、表輪列の種々のモビールの歯の数は、調節部材が4Hzの周波数を有する場合、非限定的な例として以下に示すようなものである。
・香箱1の第1の歯部2、123個の歯
・衛星キャリヤ8の歯車8.2、41個の歯
・衛星歯車9の歯車9.2、88個の歯
・衛星歯車9のかな9.1、22個の歯
・第1の遊星歯車の竜頭6、132個の歯
・第2の遊星歯車7のかな7.2、22個の歯
・第2の遊星歯車7の歯車7.1、88個の歯
・中間モビール10のかな10.1、20個の歯
・中間モビール10の歯車10.2、112個の歯
・がんぎかな5、21個の歯
・がんぎ車4、20個の歯
【0025】
この種の表輪列は、エピサイクリック歯車列の高いステップアップ比によりほんの数個のモビールを有し、それにより、表輪列の嵩を減少させると共にそのエネルギー消費量を減少させることができる。
【0026】
図示の実施例では、表輪列は、時針歯車11を更に有し、この時針歯車の心棒12は、第2の遊星歯車7の軸線を同心状に通って延び、この表輪列を備えた計時器の時刻表示装置の時針を支持している。この時針歯車11は、香箱1の第2の歯3と直接噛み合っている。この実施例では、衛星キャリヤ8の軸受は、まず最初に、フレームに取り付けられ、次に遊星歯車7のシャフトに取り付けられ、次に、心棒12は、これらがそれぞれの受け(底板に固定されている)内で下方に回動し、衛星キャリヤ8内で上方に回動するよう受け側に取り付けられる。当然のことながら、他の取り付け変形例が採用可能である。
【0027】
上述の特定の実施例の場合、第2の歯部3の歯の数は、30個であり、時針歯車11の歯の数は、120個であり、その結果、時針歯車11は、12時間で1回転する。
【0028】
一変形例では、表輪列が中間モビール10を備えないようにすることが可能であり、この場合、第2の遊星歯車7の歯車7.1ががんぎかな5と直接噛み合う。この場合、エピサイクリック歯車列のモビールの歯の数は、衛星キャリヤ8が依然として1時間で1回転するよう定められる。一般的に言えば、更に香箱に利用でき且つ脱進機に加えられるトルクに応じ、表輪列が2つ又は3つ以上の追加のモビールを有することも又可能である。注目されるべきこととして、上述の表輪列は、日の裏輪列の歯車列を備えず、それにより、その嵩が一段と減少すると共にこの表輪列の出力が増大する。時刻を時刻表示装置で設定するため、図示の実施例では、ムーブメントの通常の動作中、固定されている遊星歯車6をユーザが(例えば、ムーブメントを停止させる場合)時刻設定機構体によって回転させることができる。
【0029】
時刻設定機構体は、ムーブメントの巻き軸をこれが引き時刻設定位置にあるとき、ムーブメントのフレーム0に回転可能に取り付けられた第1の遊星歯車6に連結するキネマチックリンクを有する。かくして、時刻設定位置におけるこの巻き軸の1回転により、衛星キャリヤ8が駆動され、かくして、これが支持している時針が駆動される。衛星キャリヤ8を時刻設定中に回すと、香箱1の心棒は、一方の方向又は他方の方向に回転駆動される。この香箱心棒は、時針に連結されているので、これにより、時刻を時針で設定することが可能である。
【0030】
時刻設定中、香箱ぜんまいの巻出し及び巻直しを回避するため、一変形例では、衛星キャリヤ8と噛み合っているモビールと一方において時針モビール11及び他方において香箱ぜんまいとの間に切り離しシステムを設けることが可能である。
【0031】
一変形例では、衛星キャリヤ8の回転速度は、2時間ごとに1回転であり、分表示器は、二重針(double hand )と協働するマーカ半円を有し、それにより、依然として日の裏輪列を省くことができる。しかしながら、衛星キャリヤ8の回転速度が異なる他の変形例では、一般に、表示装置のための日の裏輪列を追加することが必要である。この場合、関連の時刻設定システムが機能するようにするためには、日の裏輪列を衛星キャリヤ又はその上流側に連結することが必要である。
【0032】
表輪列の別の変形例では、香箱1の第2の歯部3と時針歯車11のステップアップ比は、この時針歯車11が24時間で丸1回転するようなものであるのが良い。
【0033】
上述したように、第1の遊星歯車6は、ムーブメントの通常の動作中、固定されている。変形例では、エピサイクリック歯車列は、第1の遊星歯車がムーブメントの通常の動作中、一定の速度で回るように設計されても良いが、一般的に言って、設計の単純化のためにはゼロ速度が好ましい。いずれの場合においても、第1の遊星歯車が外部からの影響、例えば揺動質量の運動によって制御されないようにすることが必要不可欠である。
【0034】
図示の実施形態では、一定速度の(好ましくは固定されている)第1の外部遊星歯車6及び脱進機に連結された第2の内部遊星歯車7の構成がその設計をしやすくするため及び嵩の削減のために選択されているが、エピサイクリック歯車列の他の変形例も又採用可能である。例えば、2つの内部遊星歯車又は2つの外部遊星歯車を用いることができる。2つの内部遊星歯車を備えた1つのエピサイクリック歯車列、外部遊星歯車なしの1つのエピサイクリック歯車列又は2つの外部遊星歯車付き且つ内部遊星歯車なしの1つのエピサイクリック歯車列を提供することが可能である。さらに、一定速度の(好ましくは固定されている)第1の遊星歯車を内側に配置し、脱進機に連結された第2の遊星歯車を外側に配置することが可能である。
【符号の説明】
【0035】
0 フレーム
1 香箱
2,3 歯部
4 がんぎ車
5 がんぎかな
6 第1の遊星歯車
7 第2の遊星歯車
7.1,10.2 歯車
7.2 かな
8 衛星キャリヤ
9 衛星歯車
10 中間モビール
11 時針歯車
図1
図2
図3