特許第6016469号(P6016469)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016469
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】弦楽器用ピックアップケーブル
(51)【国際特許分類】
   G10H 3/18 20060101AFI20161013BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   G10H3/18 Z
   H04R1/02 107
   H04R1/02 108
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-135481(P2012-135481)
(22)【出願日】2012年6月15日
(65)【公開番号】特開2014-2179(P2014-2179A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2015年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000128566
【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(72)【発明者】
【氏名】近藤 和久
(72)【発明者】
【氏名】馬 本浩
(72)【発明者】
【氏名】安倍 慶朗
【審査官】 千本 潤介
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05010802(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0087937(US,A1)
【文献】 特開2002−318583(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3149478(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0307325(US,A1)
【文献】 米国特許第06441293(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10H 3/18
H04R 1/02
G10D 1/00−3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弦楽器のジャックに挿入される入力端子と、
上記入力端子に内蔵され、上記弦楽器の内部空間の音を集音電気信号に変換して出力するマイクロホンと、
上記集音電気信号が出力される出力端子と、
を有し、
上記入力端子の先端部分には通気口が設けられ、
上記マイクロホンは、上記通気口を介して上記弦楽器の内部に連通する空間に配置され、上記内部空間の音を集音することを特徴とする弦楽器用ピックアップケーブル。
【請求項2】
上記入力端子は、入力軸部電極と、入力先端部電極とを備え、
上記通気口は、上記入力先端部電極の先端部分に設けられ、
上記マイクロホンは、上記入力先端部電極の内部に配置されている
請求項1記載の弦楽器用ピックアップケーブル。
【請求項3】
上記入力端子には、上記弦楽器のピックアップが出力したピックアップ電気信号が上記ジャックを介して入力され、
上記ピックアップ電気信号は、上記出力端子から出力される、
請求項1または2記載の弦楽器用ピックアップケーブル。
【請求項4】
上記出力端子は、ステレオ出力端子であって、上記ピックアップ電気信号を出力する第1出力部と、上記集音電気信号を出力する第2出力部と、を備える、
請求項3記載の弦楽器用ピックアップケーブル。
【請求項5】
上記出力端子は、2つのモノラル出力端子で構成され、
一方のモノラル出力端子からは上記ピックアップ電気信号が出力され、
他方のモノラル出力端子からは上記集音電気信号が出力される、
請求項3記載の弦楽器用ピックアップケーブル。
【請求項6】
上記ピックアップ電気信号と上記集音電気信号とを混合して出力する混合器を有し、
上記混合器は、上記ピックアップ電気信号と上記集音電気信号の混合率を決定する決定部を備え、
上記出力端子からは、上記混合器からの出力信号が出力される、
請求項3記載の弦楽器用ピックアップケーブル。
【請求項7】
上記混合器は、上記混合率を決定する際に操作される操作部を備える、
請求項6記載の弦楽器用ピックアップケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弦楽器用ピックアップケーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ギター、ウクレレ、バイオリンなどの弦楽器は、張設された弦を振動させることで音を出す。この弦楽器から生じる音には、弦の振動から直接得られる音(振動音)と、弦の振動により弦楽器本体(筐体)が弦に共鳴することで生じる音(共鳴音)がある。これら弦楽器の音を、アンプによって増幅してスピーカーなどから出力するには、上記の各音を電気的信号に変換する必要がある。弦楽器の音を電気信号に変換して出力するものとしてピックアップ機構が知られている。
【0003】
ピックアップ機構には複数の種類があり、それぞれ特徴がある。例えば、弦を保持するブリッジ部に内蔵する「インブリッジ型ピックアップ」は、弦の振動を電気信号に変換して出力するものである。よって、インブリッジ型ピックアップは、弦の近傍にマイクロホンを設置して集音する方法などに比べて、弦の振動以外の音の割合を低くすることができ、弦による音を大きく出力することに適している。しかし、インブリッジ型ピックアップは、弦楽器本体の固有の音(例えば筐体の共鳴音)の出力には不向きである。
【0004】
また、弦楽器の胴部に貼り付けて設置する「貼り付け型ピックアップ」は、筐体の音を電気信号に変換して出力するものでる。よって、貼り付け型ピックアップは、インブリッジ型ピックアップに比べて、弦楽器本体固有の音の出力に適している。しかし、貼り付け型ピックアップは、筐体の表板に両面粘着テープや接着剤によって貼り付けるので、筐体の複雑な振動特性に合わせる調整作業が必要であって、さらに筐体を傷つける可能性もある。このように、貼り付け型ピックアップは設置作業や調整作業が煩雑である。
【0005】
そこで、接着剤などを用いることなく、ブリッジ部近傍に圧電素子を設置して固定するピックアップ機構が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1のピックアップ機構によれば、筐体の振動を電気信号に変換することができ、弦のみの振動だけではなく、共鳴音を含む楽器本来の音を忠実に取り出すことができる。しかし、筐体に固定するものであるから、取り付け作業や調整作業は必要である。また筐体表面を傷つける可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−47946号公報
【0007】
このように、従来のピックアップ機構には、一長一短がある。そこで、より手軽に取り付けや調整を行うことができ、かつ、弦の振動を直接出力することも、弦楽器本来の音を出力することも、どちらも容易にできるピックアップ機構が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、弦楽器に特別なピックアップ機構を配置することなく、弦の振動による振動音と弦楽器内部空間の音(例えば弦楽器本体の共鳴音)の両方を、容易に出力することができる弦楽器用ピックアップケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、弦楽器用ピックアップケーブルに関するものであって、弦楽器のジャックに挿入される入力端子と、入力端子に内蔵され、弦楽器の内部空間の音を集音して収音電気信号に変換して出力するマイクロホンと、集音電気信号が出力される出力端子と、を有し、入力端子の先端部分には通気口が設けられ、マイクロホンは、通気口を介して弦楽器の内部に連通する空間に配置され、上記内部空間の音を集音すること、を主な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、弦の振動による振動音と、弦楽器の内部空間の音とを、適宜切り替えて出力することができる。また、これら2種類の音を任意の割合で混合して出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る弦楽器用ピックアップケーブルの実施の形態を示す弦楽器の代表例であるギターに用いた状態の例を示す図である。
図2】上記弦楽器用ピックアップケーブルの例を示す平面図である。
図3】上記弦楽器用ピックアップケーブルの入力端子の縦断面図である。
図4】上記弦楽器用ピックアップケーブルを上記弦楽器に用いた状態の例を示す拡大縦断面図である。
図5】上記弦楽器用ピックアップケーブルの結線図である。
図6】上記弦楽器用ピックアップケーブルの別の例を示す平面図である。
図7】上記弦楽器用ピックアップケーブルの別の例の結線図である。
図8】上記弦楽器用ピックアップケーブルの一部である分岐ケーブルの例を示す結線図である。
図9】上記弦楽器用ピックアップケーブルのさらに別の例を示す平面図である。
図10】上記弦楽器用ピックアップケーブルの一部である混合ケーブルの例の結線図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
●ギターに使用する例
以下、本発明に係る弦楽器用ピックアップケーブルの実施の形態について説明する。図1は、弦楽器用ピックアップケーブル(以下「ピックアップケーブル」という。)10を用いて、弦楽器の代表例であるギター100とアンプ200とを接続した状態の例を示す図である。
【0013】
図1に示すように、ギター100は、胴部101と、ブリッジ部102と、ネック部103と、ヘッド部104と、弦105と、を有してなる。弦105は、一方の端部がブリッジ部102に保持され、他方の端部がヘッド部104に巻き付けられていて、ネック部103に沿って複数本並べられた状態で張設されている。弦105の張り具合はヘッド部104によって調整される。
【0014】
胴部101は、ギター100の本体である。胴部101の内部は空洞になっていて、弦105が張設されている前面側に、内部の空洞に通じる孔106が形成されている。演奏者が弦105を振動させると、その振動は孔106から胴部101の空洞(内部空間)に進入して、内部の空洞で共鳴する。この内部空間の音(例えば共鳴音)がギター100の本来の音となる。
【0015】
また、ブリッジ部102と孔106との間には、ブリッジ部102の近傍にピックアップ107が設置されている。ピックアップ107は、例えば、圧電素子を有するものであって、ブリッジ部102に固定された弦105が接する位置に設置されている。
【0016】
弦105が振動すると、ピックアップ107が有する圧電素子に加わる圧力が変化し、この圧力変化に応じて電気信号が出力される。この弦の振動に応じた電気信号が、ピックアップ電気信号としてピックアップ107から出力される。ピックアップ107から出力された電気信号は、図示しないピックアップ回路を介して、胴部101に設けられているジャック108から出力される。ジャック108には、ピックアップケーブル10の入力端子1が挿入される。
【0017】
●ピックアップケーブルの構造(1)
次に、本発明に係る弦楽器用ピックアップケーブルの構成について説明する。図2は、ピックアップケーブル10の例を示す平面図である。図2に示すように、ピックアップケーブル10は、入力端子1と、出力端子2と、入力端子1と出力端子2とを結線するケーブル3と、を有してなる。
【0018】
入力端子1は、モノラルのオス−プラグであって、入力先端部電極11と、入力軸部電極12と、切り替え部13と、を有してなる。切り替え部13の詳細な構成については後述する。出力端子2は、モノラルのオス−プラグであって、出力先端部電極21と、出力軸部電極22と、を有してなる。
【0019】
図3は入力端子1の先端部分の拡大縦断面図である。図3に示すように、入力端子1の入力先端部電極11の内部にはマイクロホン(内蔵マイク111)が設置されている。内蔵マイク111は、コンデンサーマイクロホンまたはダイナミックマイクロホンなどを適宜選択して用いることができる。コンデンサーマイクロホンを用いるときには、後述する切り替え部13に内蔵される電池を動作電源とする。
【0020】
内蔵マイク111の出力端子は、ケーブル3を介して出力端子2へと結線されている。結線の詳細は後述する。また、入力先端部電極11の先端部分には、内蔵マイク111において集音される音の入り口となる通気口112が形成されている。
【0021】
●集音構造
次に、ピックアップケーブル10によってギター100の内部空間の音(例えば共鳴音)を集音する構造について説明する。図4は、入力端子1がジャック108に挿入されたときの状態を示す胴部101の一部拡大断面図である。ジャック108は円筒形状の部材であって、胴部101の外壁から胴部101の内部の空洞(内部空間)に突出するように設置されている。ジャック108には、ピックアップ107からの電気信号(ピックアップ電気信号)を出力するためのピックアップ回路109が結線されていて、入力先端部電極11にはピックアップ回路109の信号線が、また、入力軸部電極12にはピックアップ回路109の接地線が、それぞれ電気的に接続されている。
【0022】
ジャック108の長さは、入力端子1が挿入されて固定される状態において、入力端子1の先端部分が胴部101の内部空間に露出する程度の長さである。入力端子1の先端内部は、通気口112を介して胴部101の内部空間と連通する。よって、内部空間の音は、通気口112を介して内蔵マイク111において集音され、電気信号に変換されて集音電気信号となる。このように胴部101の内部空間の音からなる集音電気信号を、ピックアップケーブル10を介し、アンプ200(図1参照)に向けて出力することができる。
【0023】
●ピックアップケーブル10の結線
次に、本実施の形態に係るピックアップケーブル10の結線について、図5の結線図を用いて説明する。一般に、入力先端部電極11と出力先端部電極21は、「チップ」と呼ばれ、信号線が結線される。また、入力軸部電極12と出力軸部電極22は、「スリーブ」と呼ばれ、接地線が結線される。
【0024】
図5に示すように、ピックアップ107はピックアップ回路109を介して入力先端部電極11と入力軸部電極12に電気的に接続されるように結線されている。入力先端部電極11は切り替え部13に内蔵される切り替えスイッチ131の第1接点131aに電気的に接続されるように結線されている。また、入力軸部電極12は、出力軸部電極22に電気的に接続されるように結線されている。
【0025】
内蔵マイク111はマイク駆動回路132に接続されていて、マイク駆動回路132の出力端子のうち、信号線の端子は、切り替えスイッチ131の第2接点131bに電気的に接続されるように結線されている。また、マイク駆動回路132からの出力端子のうち、接地線の端子は、入力軸部電極12と共に出力軸部電極22に電気的に接続されるように結線されている。
【0026】
マイク駆動回路132には、内蔵マイク111の駆動電源となるバッテリー133が接続されている。
【0027】
切り替えスイッチ131の切片は、出力先端部電極21に電気的に接続されるように結線されている。切片が第1接点131a側にあるとき、ピックアップ107から出力されるピックアップ電気信号が、出力端子2から出力される。切片が第2接点131b側にあるときは、内蔵マイク111から出力される集音電気信号が出力端子2から出力される。
【0028】
このように、本実施の形態に係るピックアップケーブル10によれば、ギター100のジャック108に挿入した状態で、切り替え部13を操作して切り替えスイッチ131を切り替えることで、ピックアップ107から出力されるピックアップ電気信号が出力される状態と、胴部101の内部空間の音(例えば共鳴音)による集音電気信号が出力される状態とを、適宜切り替えることができる。
【0029】
これによって、ギター100に新たなにピックアップ機構を設けることなく、また、ギター100の胴部101にピックアップ機構を貼り付けることなく、ギター100は従来の構造のままで、弦105から直接得られる音(振動音)と、ギター100の本来の音(内部空間の音)と、を任意に切り替えて出力させることができる。
【0030】
●ピックアップケーブルの構造(2)
次に、本発明に係るピックアップケーブルの別の実施の形態について説明をする。図6は、本実施の形態に係るピックアップケーブルを構成するピックアップケーブル10aと分岐ケーブル10bの例を示す図である。つまり、分岐ケーブル10bは、本発明に係るピックアップケーブルの一部を構成する。図6において、ピックアップケーブル10aは入力端子1と、出力端子2aと、入力端子1と出力端子2aとを結線するケーブル3と、を有してなる。また、分岐ケーブル10bは、出力端子2aが挿入される分岐端子4と、図示しないアンプ200にそれぞれ接続可能な第1分岐出力端子5および第2分岐出力端子6と、を有してなる。
【0031】
入力端子1は、モノラルのオス−プラグであって、入力先端部電極11と、入力軸部電極12と、を有してなる。
【0032】
出力端子2aは、ステレオのオス−プラグであって、出力先端部電極21と出力軸部電極22との間に、出力先端部電極21と出力軸部電極22の相方と絶縁材を介して配置される出力中央部電極23を有してなる。この出力中央部電極23は、一般に「リング」と呼ばれ、信号線が結線される。
【0033】
●分岐ケーブルの構造
分岐ケーブル10bは、出力端子2aに接続して用いる。出力端子2aが挿入される分岐端子4は、第1出力部である出力先端部電極21が接して電気的に接続する第1接触端子と、第2出力部である出力中央部電極23が接して電気的に接続する第2接触端子と、接地線が結線される出力軸部電極22が接して電気的に接続する第3接触端子と、をそれぞれ備えている。分岐端子4が備える各接触端子は、第1分岐ケーブル3aおよび第2分岐ケーブル3bを介して、第1分岐出力端子5または第2分岐出力端子6、に結線されている。
【0034】
●ピックアップケーブル10aの結線
次に、ピックアップケーブル10aの結線の例について図7を用いて説明する。図7はピックアップケーブル10aの結線図である。図7に示すように、ピックアップ107はピックアップ回路109を介して入力先端部電極11と入力軸部電極12に電気的に接続されるように結線されている。入力先端部電極11は、出力先端部電極21に結線されている。入力軸部電極12は、出力軸部電極22に結線されている。
【0035】
また、内蔵マイク111はマイク駆動回路132に接続されていて、マイク駆動回路132の出力端子のうち、信号線の端子は、出力中央部電極23に電気的に接続されるように結線されている。またマイク駆動回路132の出力端子のうち、接地線の端子は、入力軸部電極12と共に出力軸部電極22に電気的に接続されるように結線されている。また、マイク駆動回路132には、内蔵マイク111の駆動電源となるバッテリー133が接続されている。
【0036】
このように、入力端子1を介して入力されるピックアップ電気信号と集音電気信号は、出力端子2aが備える2つの信号線の端子である、出力先端部電極21と出力中央部電極23のそれぞれから出力されるように結線されている。
【0037】
●分岐ケーブルの結線
次に、ピックアップケーブル10aに接続される分岐ケーブル10bの結線の例について図8を用いて説明する。図8に示すように、分岐ケーブル10bの分岐端子4には、出力先端部電極21が接して電気的に接続する第1接触端子41と、出力中央部電極23が接して電気的に接続する第2接触端子43と、出力軸部電極22が接して電気的に接続する第3接触端子42と、をそれぞれ備えている。
【0038】
第1接触端子41は第1分岐ケーブル3aを介して第1分岐出力端子5の第1分岐出力先端部電極51に結線されている。第2接触端子43は、第2分岐ケーブル3bを介して第2分岐出力端子6の第2分岐出力先端部電極61に結線されている。第3接触端子42は、第1分岐ケーブル3aを介して第1分岐出力端子5の第1分岐出力軸部電極52に結線されると共に、第2分岐ケーブル3bを介して第2分岐出力端子6の第2分岐出力軸部電極62に結線されている。
【0039】
分岐端子4に出力端子2aが挿入されて、ピックアップケーブル10aと分岐ケーブル10bが電気的に接続されると、ピックアップ107から出力されたピックアップ電気信号は、入力端子1の入力先端部電極11からケーブル3を介して出力端子2の出力先端部電極21に出力される。出力先端部電極21から出力されるピックアップ電気信号は、第1接触端子41から第1分岐ケーブル3aを介して、第1分岐出力先端部電極51に出力される。
【0040】
また、内蔵マイク111から出力された集音電気信号は、ケーブル3を介して出力中央部電極23から出力される。出力中央部電極23から出力される集音電気信号は、第2接触端子43から第2分岐ケーブル3bを介して、第2分岐出力先端部電極61に出力される。
【0041】
入力軸部電極12と、内蔵マイク111の接地線は、ケーブル3を介して出力軸部電極22と電気的に接続され、この出力軸部電極22は、第3接触端子42と第1分岐ケーブル3aを介して第1分岐出力軸部電極52に、また、第2分岐ケーブル3bを介して第2分岐出力軸部電極62に電気的に接続される。
【0042】
このように本実施の形態に係るピックアップケーブル10aと分岐ケーブル10bによれば、ピックアップ107から出力されるピックアップ電気信号と、内蔵マイク111から出力される集音電気信号とを、ジャック108に挿入された入力端子1から取り出すことができ、分岐ケーブル10bによって、それぞれを別々の出力先(アンプやスピーカーなど)に出力させることができる。
【0043】
以上まとめると、本発明に係るピックアップケーブルは、出力端子(2a)が、ピックアップ電気信号を出力する第1出力部(21)と、集音電気信号を出力する第2出力部(23)と、を備える。さらに、第1出力部と接触する第1接触端子(41)と、第2出力部と接触する第2接触端子(43)と、第1接触端子からのピックアップ電気信号を出力する第1分岐出力端子(5)と、第2接触端子からの集音電気信号を出力する第2分岐出力端子(6)と、を備える。
【0044】
なお、本発明に係るピックアップケーブルは、上記実施の形態に示したピックアップケーブル10aと分岐ケーブル10bとを接続する形態に限ることはなく、出力端子2aと分岐端子4を設けることなく、入力端子1と第1分岐出力端子5および第2分岐出力端子6とを直接結線してもよい。この場合、入力端子1の入力先端部電極11と第1分岐出力端子5の第1分岐出力先端部電極51が直接結線され、内蔵マイク111の信号線と第2分岐出力端子6の第2分岐出力先端部電極61が直接結線されればよい。また、入力軸部電極12と内蔵マイク111の接地線が、第1分岐出力軸部電極52と第2分岐出力軸部電極62にそれぞれ直接結線されればよい。
【0045】
これによって、ギター100は従来の構造のまま、弦105の振動から直接得られる振動音と、ギター100の本来の音(内部空間の音)を、別々の装置から出力させることができる。
【0046】
●ピックアップケーブルの構造(3)
次に、本発明に係るピックアップケーブルのさらに別の実施の形態について説明をする。図9は、本実施の形態に係るピックアップケーブルを構成するピックアップケーブル10aと混合器7を備える混合ケーブル10cの例を示す図である。つまり、混合ケーブル10cは本発明に係るピックアップケーブルの一部を構成する。図9において、ピックアップケーブル10aは入力端子1と、出力端子2aと、入力端子1と出力端子2aとを結線するケーブル3と、を有してなる。また、混合ケーブル10cは、出力端子2aが挿入される混合器7と、図示しないアンプ200に接続可能な混合出力端子8と、を有してなる。ピックアップケーブル10aは、すでに説明をしたものと同じであるから、説明を省略する。
【0047】
●混合ケーブルの構造
混合ケーブル10cは、ピックアップケーブル10aの出力端子2aに接続して用いるものであって、出力端子2aが挿入される混合器7と、混合出力端子8と、を有してなる。
【0048】
混合器7は、第1出力部である出力先端部電極21が接して電気的に接続する第1接触端子と、第2出力部である出力中央部電極23が接して電気的に接続する第2接触端子と、第3出力部である出力軸部電極22が接して電気的に接続する第3接触端子と、をそれぞれ備えていて、各接触端子は、後述するミキサー回路74に入力されるように構成されている。混合器7には操作部であるスライドスイッチ70が設置されていて、このスライドスイッチ70によって、出力端子2aを介して混合器7に入力される2つ電気信号の混合比率を決定することができる。また、混合出力端子8は、混合出力先端部電極81と、混合出力軸部電極82と、を有してなる。
【0049】
●混合ケーブルの結線
次に、ピックアップケーブル10aと混合ケーブル10cの結線の例について説明する。ピックアップケーブル10aの結線は、図7に示したものと同様であるから、説明を省略する。混合ケーブル10cの結線図を図10に示す。
【0050】
図10において、混合器7には、ピックアップケーブル10aの出力端子2aが挿入されたときに、出力先端部電極21が接して電気的に接続する第1接触混合端子71と、出力中央部電極23が接して電気的に接続する第2接触混合端子73と、出力軸部電極22が接して電気的に接続する第3接触混合端子72と、をそれぞれ備えている。
【0051】
第1接触混合端子71、第2接触混合端子73、第3接触混合端子72、はそれぞれミキサー回路74の入力端子となっている。
【0052】
出力端子2aが混合器7に挿入されて、ピックアップケーブル10aと混合ケーブル10cが電気的に接続されると、ピックアップ107から出力されるピックアップ電気信号は、入力端子1の入力先端部電極11からケーブル3を介して出力端子2の出力先端部電極21に出力さる。出力先端部電極21から出力されるピックアップ電気信号は、第1接触混合端子71を介してミキサー回路74に入力される。
【0053】
また、内蔵マイク111から出力された集音電気信号は、ケーブル3を介して出力中央部電極23に出力される。出力中央部電極23から出力される集音電気信号は、第2接触混合端子73を介してミキサー回路74に入力される。入力軸部電極12と、内蔵マイク111の接地は、ケーブル3を介して出力軸部電極22と電気的に接続し、この出力軸部電極22は第3接触混合端子72を介してミキサー回路74の接地線に電気的に接続される。
【0054】
ミキサー回路74は、第1接触混合端子71から入力されるピックアップ電気信号と、第2接触混合端子73から入力される集音電気信号とを、図示しないスライドスイッチ70の位置に応じて合成して出力する構成を備えている。ミキサー回路74からの出力は、混合出力端子8の、混合出力先端部電極81と、混合出力軸部電極82を介して出力される。
【0055】
このように本実施の形態に係るピックアップケーブル10aと混合ケーブル10cによれば、ピックアップ107から出力される電気信号と、内蔵マイク111から出力される電気信号とを、1つの入力端子1から入力させ、それぞれの電気信号の混合率を任意に調整して出力装置(アンプ200など)に出力することができる。
【0056】
以上まとめると、本発明に係るピックアップケーブルは、出力端子(2a)が、ピックアップ電気信号を出力する第1出力部(21)と、集音電気信号を出力する第2出力部(23)と、を備える。さらに、第1出力部と接触する第1接触端子(71)と、第2出力部と接触する第2接触端子(73)と、第1接触端子からのピックアップ電気信号と第2接触端子からの集音電気信号との混合信号を出力する混合器(7)と、混合信号を出力する混合出力端子(8)と、を備え、混合器は、第1接触端子からのピックアップ電気信号と第2接触端子からの集音電気信号との混合率を決定する決定部(74)を備える。
【0057】
なお、本発明に係るピックアップケーブルは、上記実施の形態に示したピックアップケーブル10aと混合ケーブル10cとを接続する形態に限ることはなく、出力端子2aを設けることなく、ケーブル3と混合器7とを直接結線してもよい。この場合、入力端子1の入力先端部電極11と混合器7の第1接触混合端子71が直接結線され、内蔵マイク111の信号線と混合器7の第2接触混合端子73が直接結線されればよい。また、入力軸部電極12と内蔵マイク111の接地線が、混合器7の第3接触混合端子72と直接結線されればよい。
【0058】
これによって、ギター100は従来の構造のまま、弦105の振動から直接得られる振動音と、ギター100の本来の音(内部空間の音)の出力割合を容易に調整して、出力することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 入力端子
2 出力端子
3 ケーブル
10 ピックアップケーブル
107 ピックアップ
109 ピックアップ回路
111 内蔵マイク
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