【実施例】
【0054】
【表1】
【0055】
<実施例1>
図1に示すように、上記実施形態と同様に、実施例1の床材を準備した。すなわち、5プライのラワン合板からなる合板基材層1と、その合板基材層1の表面に積層された化粧層(突板)2と、合板基材層1の裏面に積層された遮音層(遮音シート)3とを備えた床材を準備した。また表1に示すように、この床材において、合板基材層1のフェイス単板11は0.8mmに設定され、バック単板15は1.1mmに設定されている。さらに合板基材層1の2層目、3層目および4層目の各単板12〜14は2.6mm、1.3mmおよび2.6mmに設定されている。
【0056】
さらに化粧層2としての突板は、0.3mm厚のものを使用し、遮音層3としての遮音シートは、4.6mm厚のものを使用した。
【0057】
また合板基材層1には、裏面側に開放する裏溝4が形成されている。この裏溝4は、床材幅方向に平行に配置され、かつ床材長さ方向に等間隔おきに複数形成されている。また各裏溝4の上端位置(底面位置)は、合板基材層1の2層目単板12における上下方向のほぼ中間位置よりも上方に配置されている。さらに裏溝4の幅A1(
図2参照)は3mm、隣り合う裏溝4間の間隔A2(
図2参照)は9mmに設定されている。
【0058】
なお、裏溝4の上端位置から合板基材層1の表面までの寸法である裏溝部残り厚みA3(
図2参照)は1.6mmに設定されている。
【0059】
また表1に示すように、床材全体の厚みは13.3mmに設定されている。
【0060】
【表2】
【0061】
この実施例1の床材に対し、推定L等級に基づき、遮音性能について評価した。その結果を表2に示す。
【0062】
表2に示すように、実施例1の床材においては、規定の周波数帯域(125Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz)での床衝撃音レベル(dB)が、それぞれ44.6dB、44.7dB、44.1dB、36.5dB、23.4dBとなり、決定推定L数が44.7dBであった。従って、推定L等級は、
L45の基準43.5〜46.4dBを満足するものであった。
【0063】
【表3】
【0064】
続けて上記実施例1の床材に対し、ΔL等級に基づき、遮音性能(床衝撃音低減性能)について評価した。その結果を表3に示す。
【0065】
表3に示すように、規定の周波数帯域(125Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz)での低減量(dB)が、それぞれ11dB、21dB、28dB、39dB、53dBであった。従って各周波数帯域において、ΔLL(I)−4の基準(10dB以上、19dB以上、25dB以上、29dB以上、31dB以上)を満足するものであった。
【0066】
<実施例2>
表1に示すように、合板基材層1におけるフェイス単板11として、0.5mm厚のものを使用した以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2の床材を作製した。なお、床材全体厚みは、13.0mmであった。さらに裏溝部残り厚みA3は、1.3mmであった。
【0067】
この実施例2の床材に対し、上記と同様に、推定L等級およびΔL等級に基づいて遮音性能を評価した。その結果、表2,3に示すように、決定推定L数は44.1dBであり、L45の性能を満足するものであった。さらにΔL等級において、各周波数帯域での低減量が、全てΔLL(I)−4の基準を満足するものであった。
【0068】
<比較例1>
表1に示すように、合板基材層1におけるフェイス単板11として、1.1mm厚のものを使用した以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1の床材を作製した。なお、床材全体厚みは、13.6mmであった。さらに裏溝部残り厚みA3は、1.9mmであった。
【0069】
この比較例1の床材に対し、上記と同様に、推定L等級およびΔL等級に基づいて遮音性能を評価した。その結果、表2,3に示すように、決定推定L数は45.5dBであり、L45の性能を満足するものであった。しかしながら、比較例1の決定推定L級は、上記実施例1,2の決定推定L数と比較して大きいため、実施例1,2の床材よりも、衝撃音が大きくて遮音性に劣るものであった。
【0070】
さらに比較例1のΔL等級においては、各周波数帯域での低減量が、全てΔLL(I)−4の性能を満足するものであった。しかしながら、比較例1の床材は、実施例1,2の床材と比較して、各周波数帯域での低減量が小さいものが多く、実施例1,2の床材よりも遮音性に劣るものであった。
【0071】
<比較例2>
表1に示すように、合板基材層1におけるバック単板15として、0.7mm厚のものを使用した以外は、上記比較例1と同様にして、比較例2の床材を作製した。なお、床材全体厚みは、13.2mmであった。さらに裏溝部残り厚みA3は、1.9mmであった。
【0072】
この比較例2の床材に対し、上記と同様に、推定L等級およびΔL等級に基づいて遮音性能を評価した。その結果、表2,3に示すように、決定推定L数は45.9dBであり、L45の性能を満足するものであった。しかしながら、比較例2の決定推定L級は、上記実施例1,2の決定推定L数と比較して大きいため、実施例1,2の床材よりも、衝撃音が大きくて遮音性に劣るものであった。
【0073】
さらに比較例2のΔL等級においては、各周波数帯域での低減量が、全てΔLL(I)−4の性能を満足するものであった。しかしながら、比較例2の床材は、実施例1,2の床材と比較して、各周波数帯域での低減量がいずれも小さいものであるため、実施例1,2の床材よりも遮音性に劣るものであった。
【0074】
<比較例3>
表1に示すように、合板基材層1におけるバック単板15として、0.4mm厚のものを使用した以外は、上記比較例1と同様にして、比較例3の床材を作製した。なお、床材全体厚みは、12.9mmであった。さらに裏溝部残り厚みA3は、1.9mmであった。
【0075】
この比較例3の床材に対し、上記と同様に、推定L等級およびΔL等級に基づいて遮音性能を評価した。その結果、表2,3に示すように、決定推定L数は45.9dBであり、L45の性能を満足するものであった。しかしながら、比較例3の決定推定L級は、上記実施例1,2の決定推定L数と比較して大きいため、実施例1,2の床材よりも、衝撃音が大きくて遮音性に劣るものであった。
【0076】
さらに比較例3のΔL等級においては、各周波数帯域での低減量が、全てΔLL(I)−4の性能を満足するものであった。しかしながら、比較例3の床材は、実施例1,2の床材と比較して、各周波数帯域での低減量が小さいものが多く、実施例1,2の床材よりも遮音性に劣るものであった。
【0077】
<実施例3>
【0078】
【表4】
【0079】
表4に示すように、合板基材層1として、厚みが5.4mmに設定された5プライのラワン合板を用いた。この合板は、フェイス単板11が0.7mm厚、2層目単板12が1.4mm厚、3層目単板13が1.2mm厚、4層目単板12が1.4mm厚、バック単板15が0.7mm厚である。
【0080】
また遮音シート(遮音層3)としては、厚みが2.5mmのものを使用した。この遮音シートは、実施例1,2や比較例1〜3で用いられている4.6mm厚のものと比べて、半分程度でかなり薄いものである。
【0081】
なお、床材全体厚みは8.2mmとし、裏溝部残り厚みA3は1.1mmとした。
【0082】
これ以外は、上記実施例1と同様にして、実施例3の床材を作製した。
【0083】
この実施例3の床材に対し、上記と同様に、推定L等級およびΔL等級に基づいて遮音性能を評価した。その結果を表5,6に示す。
【0084】
【表5】
【0085】
【表6】
【0086】
この実施例3の床材は、推定L等級およびΔL等級による遮音性能の評価では、比較例1〜3のものと大差はないが、この実施例3の床材は、遮音シート(遮音層3)として、比較例1〜3のものと比べて、半分程度のかなり薄いものを使用している。通常、遮音シートを薄くすると、当然、遮音性能も低下することになるが、実施例3の床材のように、本発明の要旨を含む場合には、遮音シートを半分程度に薄くしても、決定推定L数のL45の性能を満足し、ΔL等級においても、ΔLL(I)−4の基準を満足するものであった。換言すると、この実施例3の床材は、床材全体として優れた遮音性能を備えているものである。
【0087】
特に実施例3の床材は、優れた遮音性能を備えつつも、床材全体の厚みが8.2mmであり、薄くて軽量である。
【0088】
しかも、この実施例3の床材は、比較例1〜3の床材と比べて、踏み込んだ際に、沈み込み速度が遅く、かつ沈み込み量も少ないものであり、いわゆるフワフワ感のない良好な歩行感を備えていた。
【0089】
<実施例4>
表4に示すように、合板基材層1として、厚みが8.3mmに設定された5プライのラワン合板を用いた。この合板は、フェイス単板11が0.7mm厚、2層目単板12が2.6mm厚、3層目単板13が1.3mm厚、4層目単板14が2.6mm厚、バック単板15が1.1mm厚である。
【0090】
なお、床材全体厚みは11.1mmとし、裏溝部残り厚みA3は1.5mmとした。
【0091】
これ以外は、上記実施例3と同様にして、実施例4の床材を作製した。
【0092】
この実施例4の床材に対し、上記と同様に、推定L等級およびΔL等級に基づいて遮音性能を評価した。その結果を表5,6に示す。
【0093】
この実施例4の床材においても、実施例3と同様、薄い遮音シートを用いてるにもかかわらず、推定L等級およびΔL等級による遮音性能の評価において、L45およびΔLL(I)−4の性能を有し、優れた遮音性を備えていた。さらにこの床材においても、上記実施例3の床材と同様、良好な歩行感を備えるものであった。
【0094】
<実施例5>
【0095】
【表7】
【0096】
表7に示すように、裏溝4の幅A1を1.5mm、裏溝部残り厚みA3を2.1mmとした以外は、上記実施例1と同様にして、実施例5の床材を作成した。
【0097】
この実施例5の床材に対し、上記と同様に、推定L等級およびΔL等級に基づいて遮音性能を評価した。その結果を表8,9に示す。
【0098】
【表8】
【0099】
【表9】
【0100】
実施例5の決定推定L数は44.5dBであり、L45の性能を満足するものであった。さらにΔL等級において、各周波数帯域での低減量が、全てΔLL(I)−4の基準を満足するものであった。
【0101】
<実施例6>
表7に示すように、裏溝4の幅A1を1.5mm、裏溝部残り厚みA3を1.8mmとした以外は、上記実施例2と同様にして、実施例6の床材を作成した。
【0102】
この実施例6の床材に対し、上記と同様に、推定L等級およびΔL等級に基づいて遮音性能を評価した。その結果、表8,9に示すように、実施例6の決定推定L数は44.2dBであり、L45の性能を満足するものであった。さらにΔL等級において、各周波数帯域での低減量が、全てΔLL(I)−4の基準を満足するものであった。
【0103】
<実施例7>
表7に示すように、裏溝4の幅A1を1.5mm、裏溝部残り厚みA3を1.4mmとした以外は、上記実施例3と同様にして、実施例7の床材を作成した。
【0104】
なお、遮音シート(遮音層3)としては、実施例3と同様、厚みが2.5mmの薄いものを用いている。
【0105】
この実施例7の床材に対し、上記と同様に、推定L等級およびΔL等級に基づいて遮音性能を評価した。その結果、表8,9に示すように、実施例7の床材は、決定推定L数は44.1dBであり、L45の性能を満足するものであった。さらにΔL等級において、各周波数帯域での低減量が、全てΔLL(I)−4の基準を満足するものであった。換言すれば、実施例7の床材は、遮音シートが薄いにもかかわらず、上記各実施例と同程度の遮音性能を備えていた。
【0106】
さらにこの実施例7の床材においても、上記各実施例の床材と同様、良好な歩行感を備えるものであった。
【0107】
<実施例8>
表7に示すように、裏溝4の幅A1を1.5mm、裏溝部残り厚みA3を2.0mmとした以外は、上記実施例4と同様にして、実施例8の床材を作成した。
【0108】
なお、遮音シート(遮音層3)としては、実施例4と同様、厚みが2.5mmの薄いものを用いている。
【0109】
この実施例8の床材に対し、上記と同様に、推定L等級およびΔL等級に基づいて遮音性能を評価した。その結果、表8,9に示すように、実施例8の床材は、決定推定L数のL45の性能を満足し、ΔL等級においても、ΔLL(I)−4の基準を満足するものであった。換言すると、この実施例8の床材は、実施例3,4,7と同様、遮音シートとして薄いものを使用しているにもかかわらず、所定の遮音性能を満足するものであった。
【0110】
さらにこの実施例8の床材においても、上記各実施例の床材と同様、良好な歩行感を備えるものであった。
【0111】
<比較例4>
表7に示すように、合板基材層1におけるフェイス単板11として、0.6mm厚のものを使用した。さらに裏溝部残り厚みA3を3.9mmに設定して、裏溝4の上端位置(底面位置)を合板基材層1の3層目単板13内に配置した。他の構成は、上記実施例5と同様にして、比較例4の床材を作成した。なお、比較例4における基材層1の総厚および床材総厚は、フェイス単板11の厚みが薄い分(0.2mm分)、実施例5よりも薄くなっている。
【0112】
この比較例4の床材に対し、上記と同様に、推定L等級およびΔL等級に基づいて遮音性能を評価した。その結果、表8,9に示すように、決定推定L数は、54.9dBでL55の性能となり、ΔL等級は、ΔLL(I)−2の性能となり、推定L等級およびΔL等級共に、実施例や他の比較例と比べて2ランクも遮音性能が劣っていた。
【0113】
この比較例4から明らかなように、フェイス単板11の厚みが薄い床材であっても、裏溝の上端位置が、3層目単板内に配置されている場合には、良好な遮音性能を得ることができないことを確認できた。
【0114】
以上のように、本発明に関連した実施例1〜8の床材は、本発明の要旨を逸脱する比較例1〜4の床材と比較して、遮音性能に優れるものであった。