特許第6016513号(P6016513)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016513
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】CO2回収装置およびCO2回収方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/62 20060101AFI20161013BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20161013BHJP
   B01D 19/00 20060101ALI20161013BHJP
   C01B 31/20 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   B01D53/62
   B01D53/14 220
   B01D53/14 311
   B01D19/00 BZAB
   B01D19/00 E
   B01D19/00 F
   B01D19/00 101
   B01D19/00 D
   C01B31/20 B
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-177389(P2012-177389)
(22)【出願日】2012年8月9日
(65)【公開番号】特開2014-34014(P2014-34014A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】大石 剛司
(72)【発明者】
【氏名】長安 弘貢
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕士
(72)【発明者】
【氏名】平田 琢也
(72)【発明者】
【氏名】上條 孝
(72)【発明者】
【氏名】島田 大輔
【審査官】 松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−025628(JP,A)
【文献】 特開2010−253370(JP,A)
【文献】 実開昭58−190500(JP,U)
【文献】 特開昭55−039210(JP,A)
【文献】 特開平07−192162(JP,A)
【文献】 実開昭59−086205(JP,U)
【文献】 特開平06−071109(JP,A)
【文献】 特開2007−137725(JP,A)
【文献】 特開平03−069688(JP,A)
【文献】 特表2002−501991(JP,A)
【文献】 特開2012−223730(JP,A)
【文献】 特開2012−236166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/34−53/73
B01D 53/74−53/85
B01D 53/92
B01D 53/96
B01D 53/14−53/18
B01D 19/00−19/04
C01B 31/00−31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスと塩基性アミン化合物吸収液とを接触させて前記排ガス中のCOを前記塩基性アミン化合物吸収液に吸収させるCO吸収部と、前記CO吸収部でCO除去された脱炭酸排ガスと洗浄水とを接触させて前記脱炭酸排ガスに同伴する同伴物質を除去する水洗部とを有するCO吸収塔と、CO2を吸収したリッチ溶液からCO2を分離して塩基性アミン化合物吸収液を再生してリーン溶液とする吸収液再生塔とを有し、前記CO2が除去されたリーン溶液をCO2吸収塔で塩基性アミン化合物吸収液として再利用するCO2回収装置であって、
前記CO2吸収塔から吸収液再生塔へリッチ溶液を供給するリッチ溶液供給ラインに介装され、前記リッチ溶液中の酸素を除去する滞留部を有する脱気槽と、
前記脱気槽の前流側に設けられ、前記リッチ溶液を50〜60℃に加温する熱交換部とを有し、
前記脱気槽は、前記リッチ溶液を所定時間滞留させると共に、リッチ溶液中の酸素を浮上分離により除去する滞留部と、滞留部でリッチ溶液の酸素を除去したリッチ溶液を、壁面に沿って落下させる仕切壁と、前記仕切壁に沿って落下した酸素が除去されたリッチ溶液を貯留する貯留部とを有することを特徴とするCO回収装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記脱気槽内に酸素を含まないガスをパージするパージガス導入手段を有することを特徴とするCO回収装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記脱気槽の後流側に設けられ、酸素を除去したリッチ溶液をさらに減圧状態で脱気する脱気塔を有することを特徴とするCO回収装置。
【請求項4】
CO2を含有するCO2含有排ガスと塩基性アミン化合物吸収液とを接触させてCO2を除去するCO2吸収塔と、CO2を吸収した塩基性アミン化合物を含むリッチ溶液からCO2を分離してCO2吸収液を再生する吸収液再生塔とを用い、前記吸収液再生塔でCO2が除去されたリーン溶液をCO2吸収塔で再利用するCO2回収方法であって、
前記CO2吸収塔から前記吸収液再生塔に前記リッチ溶液を供給する際、
前記CO2吸収塔からの前記リッチ溶液を50〜60℃に加温し、
この加熱した前記リッチ溶液を所定時間滞留させつつ、前記リッチ溶液中の酸素を浮上分離により除去し、その後、前記酸素を除去したリッチ溶液を仕切壁に沿って、流下させつつ溶存する酸素を除去し、貯留部で貯留することを特徴とするCO回収方法。
【請求項5】
請求項において、
前記リッチ溶液中の酸素を除去したリッチ溶液中に残存する酸素を減圧条件でさらに除去することを特徴とするCO回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リッチ溶液中から酸素を確実に脱気すると共に、気泡の再巻き込みがないCO2回収装置およびCO2回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地球の温暖化現象の原因の一つとして、CO2による温室効果が指摘され、地球環境を守る上で国際的にもその対策が急務となってきた。CO2の発生源としては、化石燃料を燃焼させるあらゆる人間の活動分野に及び、その排出抑制への要求が一層強まる傾向にある。これに伴い、大量の化石燃料を使用する火力発電所などの動力発生設備を対象に、ボイラの排ガスをアミン化合物水溶液などのアミン系吸収液と接触させ、排ガス中のCO2を除去し回収する方法が精力的に研究されている。
【0003】
前記のような吸収液を用い、排ガスからCO2を吸収除去した後に、CO2を放散回収させ、吸収液は再生して再びCO2吸収塔に循環して再使用する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、CO2含有ガスと吸収液とが向流接触し、吸収液中に巻き込まれる気泡に含まれる酸素量は、溶存酸素量よりも大きいので、従来、吸収液から酸素を除去する例えば液体サイクロン等を用いた脱気技術の提案がなされている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−126439号公報
【特許文献2】特開2010−253370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2のような、CO2吸収塔で吸収液に巻き込まれた気泡を除去する液体サイクロン等では、旋回流を発生させるので、気泡(空気)の再巻き込みが発生する、という問題がある。
【0007】
よって、リッチ溶液中から酸素を確実に脱気すると共に、気泡の再巻き込みがないようなCO2回収技術の出現が望まれている。
【0008】
本発明は上述した課題を解決するものであり、リッチ溶液中から酸素を確実に脱気すると共に、気泡の再巻き込みがないCO2回収装置およびCO2回収方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、排ガスと塩基性アミン化合物吸収液とを接触させて前記排ガス中のCOを前記塩基性アミン化合物吸収液に吸収させるCO吸収部と、前記CO吸収部でCO除去された脱炭酸排ガスと洗浄水とを接触させて前記脱炭酸排ガスに同伴する同伴物質を除去する水洗部とを有するCO吸収塔と、CO2を吸収したリッチ溶液からCO2を分離して塩基性アミン化合物吸収液を再生してリーン溶液とする吸収液再生塔とを有し、前記CO2が除去されたリーン溶液をCO2吸収塔で塩基性アミン化合物吸収液として再利用するCO2回収装置であって、前記CO2吸収塔から吸収液再生塔へリッチ溶液を供給するリッチ溶液供給ラインに介装され、前記リッチ溶液中の酸素を除去する滞留部を有する脱気槽と、前記脱気槽の前流側に設けられ、前記リッチ溶液を50〜60℃に加温する熱交換部とを有し、前記脱気槽は、前記リッチ溶液を所定時間滞留させると共に、リッチ溶液中の酸素を浮上分離により除去する滞留部と、滞留部でリッチ溶液の酸素を除去したリッチ溶液を、壁面に沿って落下させる仕切壁と、前記仕切壁に沿って落下した酸素が除去されたリッチ溶液を貯留する貯留部とを有することを特徴とするCO回収装置にある。
【0010】
の発明は、第1の発明において、前記脱気槽内に酸素を含まないガスをパージするパージガス導入手段を有することを特徴とするCO回収装置にある。
【0011】
の発明は、第1又は2の発明において、前記脱気槽の後流側に設けられ、酸素を除去したリッチ溶液をさらに減圧状態で脱気する脱気塔を有することを特徴とするCO回収装置にある。
【0012】
の発明は、CO2を含有するCO2含有排ガスと塩基性アミン化合物吸収液とを接触させてCO2を除去するCO2吸収塔と、CO2を吸収した塩基性アミン化合物を含むリッチ溶液からCO2を分離してCO2吸収液を再生する吸収液再生塔とを用い、前記吸収液再生塔でCO2が除去されたリーン溶液をCO2吸収塔で再利用するCO2回収方法であって、前記CO2吸収塔から前記吸収液再生塔に前記リッチ溶液を供給する際、前記CO2吸収塔からの前記リッチ溶液を50〜60℃に加温し、この加熱した前記リッチ溶液を所定時間滞留させつつ、前記リッチ溶液中の酸素を浮上分離により除去し、その後、前記酸素を除去したリッチ溶液を仕切壁に沿って、流下させつつ溶存する酸素を除去し、貯留部で貯留することを特徴とするCO回収方法にある。
【0013】
の発明は、第の発明において、前記リッチ溶液中の酸素を除去したリッチ溶液中に残存する酸素を減圧条件でさらに除去することを特徴とするCO回収方法にある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、滞留部を有する脱気層を設けているので、リッチ溶液中に巻き込まれた気泡をCO2吸収塔から再生塔に送給する際に確実に除去することができるため、前記再生塔から回収されたCO2ガス中の酸素濃度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施例1に係るCO2回収装置の概略図である。
図2図2は、本実施例に係る脱気槽の斜視図である。
図3図3は、実施例2に係るCO2回収装置の概略図である。
図4図4は、実施例3に係るCO2回収装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【実施例1】
【0017】
本発明による実施例に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。図1は、実施例1に係るCO2回収装置の概略図である。
図1に示すように、本実施例に係るCO2回収装置10Aは、CO2を含有するCO2含有排ガス11Aと塩基性アミン化合物吸収液であるCO2吸収液12とを接触させてCO2を除去するCO吸収部13Aと、前記CO吸収部13AでCOを除去された脱炭酸排ガス11Bと洗浄水20とを接触させて前記脱炭酸排ガス11Bに同伴する同伴物質を除去する水洗部21とを有するCO2吸収塔(以下「吸収塔」という)13と、CO2を吸収したCO2吸収液(リッチ溶液12A)を再生する吸収液再生塔(以下「再生塔」という)14と、前記再生塔14でCO2が除去されたリーン溶液12Bを吸収塔13で再利用するCO2回収装置であって、前記CO2吸収塔13から吸収液再生塔14へリッチ溶液12Aを供給するリッチ溶液供給ラインL11に介装され、前記リッチ溶液12A中の酸素を除去する滞留部82を有する脱気槽80を有する。
【0018】
CO2吸収部13AでCO2が吸収液12により吸収除去された脱炭酸ガス11Bは、水洗部21側に上昇される。
そして、水洗部21では、洗浄水20が塔頂側からノズルを介して落下し、上昇する脱炭酸排ガス11Bと向流接触して洗浄し、洗浄水20は液貯留部24で回収されている。
回収された洗浄水20は、循環洗浄水ラインL1に介装された循環ポンプ25で循環利用されている。また、循環洗浄水ラインL1に介装された冷却部26で所定温度に冷却している。
【0019】
本実施例では、リッチ溶液12Aと、CO2を放出したリーン溶液12Bとを熱交換するリッチ・リーン溶液熱交換器52を具備している。
図1中、符号13aは塔頂部、13bは塔底部、19はガス中のミストを捕捉するミストエリミネータ、51はリッチ溶液ポンプ、54はリーン溶液ポンプ、L0はCO2含有排ガス11Aのガス導入ライン、L11はリッチ溶液供給ライン、L12はリーン溶液供給ラインを各々図示する。
【0020】
前記吸収塔13では、CO2含有排ガス11Aは、吸収塔13の下部側に設けられたCO2吸収部13Aにおいて、例えばアルカノールアミンをベースとするアミン系のCO2吸収液12と対向流接触し、CO2含有排ガス11A中のCO2は、化学反応(R−NH2+H2O+CO2→R−NH3HCO3)によりCO2吸収液12に吸収される。
この結果、CO2吸収部13Aを通過して、吸収塔13の内部を上昇する脱炭酸排ガス11Bには、CO2が殆ど残存しないものとなる。
【0021】
その後、脱炭酸排ガス11Bは、チムニートレイ16を介して水洗部21側へ上昇し、水洗部21の頂部側から供給される洗浄水20と気液接触して、脱炭酸排ガス11Bに同伴するCO2吸収液12を循環洗浄により回収する。
【0022】
水洗部21では、チムニートレイ16の液貯留部24で貯留した洗浄水20を循環洗浄水ラインL1で循環させて、循環洗浄するようにしている。
なお、循環洗浄水ラインL1には冷却部26を設け、所定の温度(例えば40℃以下)まで冷却している。
【0023】
吸収塔13でCO2を吸収したリッチ溶液12Aは、その塔底部13bから抜き出され、リッチ溶液供給ラインL11に介装されたリッチ溶液ポンプ51により昇圧され、再生塔14の頂部側に供給される。
【0024】
本実施例では、吸収塔13の塔底部13bから抜き出されたCO2を吸収したリッチ溶液12Aを、再生塔14側に送液するリッチ溶液供給ラインL11に、脱気槽80が介装されている。
【0025】
図2は、本実施例に係る脱気槽の斜視図である。
図2に示すように、脱気槽80は、リッチ溶液12A中の酸素を除去する滞留部82を有するものであり、滞留部82で所定時間滞留させることで、リッチ溶液12A中の酸素を確実に脱気している。
【0026】
また、脱気槽80では、仕切壁81を少なくとも1枚設け、脱気槽80内と滞留部82と貯留部83とを備えるようにしている。
そして、所定時間滞留させて、酸素を浮上分離させた後のリッチ溶液を仕切壁81を越え、該仕切壁81の壁面に沿って、自然落下84させるようにしている。
【0027】
この自然落下84はゆっくり壁に伝わって行うようにしており、この自然落下の際においても、リッチ溶液12A中の酸素が分離される。
そして、貯留部83で貯留された際、酸素が脱気されたリッチ溶液12Aは、リッチ溶液ポンプ51により昇圧され、再生塔14の頂部側に供給される。
【0028】
この結果、リッチ溶液12Aを、再生塔14側に送液するリッチ溶液供給ラインL11に、滞留部82を有する脱気層80を設けているので、リッチ溶液12A中に巻き込まれた気泡をCO2吸収塔13から再生塔14に送給する際に確実に除去することができるため、前記再生塔14から回収されたCO2ガス中の酸素濃度を低減することができる。
【0029】
すなわち、従来技術のような旋回形式のサイクロン等での脱気の場合には、旋回流の発生により、脱気した後に再度気泡を巻き込むので、完全な脱気をすることができなかったが、本実施例では、滞留部82で所定時間かけて浮上分離させることで、脱気が確実になされる。
【0030】
さらに、内部を酸素を含まないガス85でパージするので、たとえ落下の際に、気泡が発生しても酸素が含まないガスの巻き込みであるので、酸素濃度の再巻き込みが発生することが防止される。
【0031】
本実施例では、仕切壁81を一枚設け、滞留槽82を一つとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、仕切壁81を二枚以上設け、滞留槽82を二つ以上として、滞留時間を稼ぐようにし、リッチ溶液12Aからの気泡の浮上分離効率を向上させるようにしてもよい。
【0032】
ここで、滞留槽82でのリッチ溶液12Aの滞留時間としては、例えば30分から2時間程度とし、リッチ溶液12A中の残存している気泡を浮上分離させるようにしている。
【0033】
また、脱気槽80内には図示しないパージガス導入手段から酸素を含まないガス85を内部に導入し、脱気槽80内を略無酸素状態としている。
酸素を含まないガスとしては、例えば酸素濃度1%未満のガスや窒素ガスや、回収されたCO2ガスを用いるようにしている。
酸素を含まないガスは、リッチ溶液12Aと向流接触するように、貯留部83側から導入し、滞留部82の上方から排気ガス86として外部に排出するようにしている。
【0034】
なお、前記再生塔14の頂部側から塔内部に放出されたリッチ溶液12Aは、その塔底部からの水蒸気による加熱により、大部分のCO2を放出する。再生塔14内で一部または大部分のCO2を放出したCO2吸収液12は「セミリーン溶液」と呼称される。この図示しないセミリーン溶液は、再生塔14底部に流下する頃には、ほぼ全てのCO2が除去されたリーン溶液12Bとなる。このリーン溶液12Bは循環ラインL20に介装された再生加熱器61で飽和水蒸気62により、加熱されて得られる。加熱後の飽和水蒸気62は水蒸気凝縮水63となる。水蒸気凝縮水63は排出ラインL23から外部へ排出される。
【0035】
一方、再生塔14の塔頂部14aからは塔内においてリッチ溶液12A及び図示しないセミリーン溶液から逸散された水蒸気を伴ったCO2ガス41が放出される。
そして、水蒸気を伴ったCO2ガス41がガス排出ラインL21により導出され、ガス排出ラインL21に介装された冷却部42により水蒸気が凝縮され、分離ドラム43にて凝縮水44が分離される。その後、CO2ガス45が分離ドラム43から系外に放出されて、別途圧縮回収等の後処理がなされる。
分離ドラム43にて分離された凝縮水44は凝縮水ラインL22に介装された凝縮水循環ポンプ46にて吸収液再生塔14の上部に供給される。
なお、図示していないが、一部の凝縮水44は循環洗浄水ラインL1に供給され、出口ガス11Cに同伴するCO2吸収液12の洗浄水20として用いるようにしてもよい。
【0036】
再生されたCO2吸収液(リーン溶液12B)はリーン溶液供給ラインL12を介してリーン溶液ポンプ54により吸収塔13側に送られ、CO2吸収液12として循環利用される。この際、リーン溶液12Bは、冷却部55により所定の温度まで冷却して、CO2吸収部13A内にノズル56を介して、供給されている。
【0037】
よって、CO2吸収液12は、吸収塔13と再生塔14とを循環する閉鎖経路を形成し、吸収塔13のCO2吸収部13Aで再利用される。なお、必要に応じて図示しない補給ラインによりCO2吸収液12は供給され、また必要に応じて図示しないリクレーマによりCO2吸収液12を再生するようにしている。
【0038】
なお、CO2吸収塔13に供給されるCO2含有排ガス11Aは、その前段側に設けられた冷却塔70において、冷却水71により冷却され、その後吸収塔13内に導入される。なお、冷却水71の一部も吸収塔13の洗浄水20として水洗部21の頂部に供給され、脱炭酸ガス11Bに同伴するCO2吸収液12の洗浄に用いる場合もある。なお、符号72は循環ポンプ、73は冷却器、L30は循環ラインを図示する。
【0039】
本実施例では、滞留部82を有する脱気槽80を設けているので、吸収塔13内部で巻き込まれた酸素を含む気泡を、自然浮上分離により、確実に除去することができる。この結果、前記再生塔14から回収されたCO2ガス中の酸素濃度を低減することができる。
【実施例2】
【0040】
本発明による実施例に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。図3は、実施例2に係るCO2回収装置の概略図である。
図3に示すように、本実施例に係るCO2回収装置10Bは、図1に示す実施例1のCO2回収装置10Aにおいて、さらに脱気槽80の後流側に、脱気塔87を設けている。
【0041】
この脱気塔87は、排気ラインL13に減圧ポンプ88を有しており、脱気塔87内を負圧状態として、リッチ溶液12A中に残存する酸素をさらに脱気させるようにしている。
この脱気塔87で、酸素がさらに脱気されたリッチ溶液12Aは、リッチ溶液ポンプ51により昇圧され、再生塔14の頂部側に供給される。
【0042】
本実施例では、減圧手段により内部を減圧状態とすることができる脱気塔87を、脱気槽80の後流側に設けているので、脱気槽80で脱気されずに残留する気泡を確実に除去することができるため、実施例1に較べて、前記再生塔14から回収されたCO2ガス中の酸素濃度をさらに低減することができる。
例えば、脱気槽80の設置により、リッチ溶液12A中の酸素濃度が10ppm程度の場合、脱気塔87を設置することにより、例えば0.1ppm以下にまで酸素濃度を低減することが可能となる。
【実施例3】
【0043】
本発明による実施例に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。図4は、実施例3に係るCO2回収装置の概略図である。
図4に示すように、本実施例に係るCO2回収装置10Cは、図3に示す実施例2のCO2回収装置10Bにおいて、吸収塔13と脱気槽80と間に、塔底部13bから抜出したリッチ溶液12Aを加温する熱交換部91を設けている。
この熱交換部91において、抜出されたリッチ溶液12Aを所定温度に加温することで、リッチ溶液12Aの粘度を低減させるようにしている。この結果、粘度が低下したリッチ溶液からの気泡の浮上分離効率が向上する。
【0044】
ここで、CO2回収装置の運転条件や吸収液の種類により、塔底部13bから抜出されるリッチ溶液12Aの温度は異なるが、熱交換部91により、加温されたリッチ溶液の温度が例えば50〜60℃の間となるように加温するようにするのが好ましい。
【0045】
これは、50℃以下では、白濁状態となり、気泡の浮上分離が好ましくなく、一方60℃を超える場合には、リッチ溶液12AからCO2の放出が生じるので好ましくないからである。
熱交換部91を設けて、リッチ溶液12Aを所定温度に加温することで、液の粘度が上昇する。この結果、脱気槽80の滞留部82内で所定時間滞留する際において、内部に残存する気泡の移動速度が速くなり、脱気効率がさらに向上する。
【0046】
なお、本実施例では、脱気塔87を設置しているが、脱気塔87を設置しないようにしてもよい。
【0047】
熱交換部91での第1〜第5の熱交換媒体A1-5は、CO2回収装置内で発生する熱を用いることができる。
本実施例では、5箇所から抜出した熱を用いて、熱交換するようにしている。
熱交換部91に供給する第1の熱交換媒体A1としては、リーン溶液供給ラインL12のリーン溶液ポンプ54の後流側から抜出し、熱交換後の熱交換媒体B1は、リーン溶液供給ラインL12の抜き出した側より後流側に戻すようにしている。
【0048】
熱交換部91に供給する第2の熱交換媒体A2としては、循環水洗浄ラインL1の循環ポンプ25の後流側から抜出し、熱交換後の熱交換媒体B2は、循環水洗浄ラインL1の抜き出した側より後流側に戻すようにしている。
【0049】
熱交換部91に供給する第3の熱交換媒体A3としては、ガス排出ラインL21の冷却部42の前流側から抜出し、熱交換後の熱交換媒体B3は、ガス排出ラインL21の抜き出した側より後流側に戻すようにしている。
【0050】
熱交換部91に供給する第4の熱交換媒体A4としては、水蒸気凝縮水63の排出ラインL23から抜出し、熱交換後の熱交換媒体B4は、水蒸気凝縮水63の排出ラインL23の抜き出した側より後流側に戻すようにしている。
【0051】
熱交換部91に供給する第5の熱交換媒体A5としては、CO2含有排ガス11Aを導入するガス導入ラインL0から抜出し、熱交換後の熱交換媒体B5は、ガス導入ラインL0の抜き出した側より後流側に戻すようにしている。
【符号の説明】
【0052】
10A〜10C CO2回収装置
11A CO2含有排ガス
11B 脱炭酸排ガス
12 CO2吸収液
12A リッチ溶液
12B リーン溶液
13 CO2吸収塔
13A CO吸収部
20 洗浄水
21 水洗部
80 脱気槽
87 脱気塔
91 熱交換部
図1
図2
図3
図4