(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
リボン(128)が折られた状態(152)にある時に、第1端部(138)が第1の所望の輪郭を有するように構成され、第2端部(140)が第2の所望の輪郭を有するように構成される、請求項1又は2に記載のハニカム構造(110)。
第1の所望の輪郭を有する第1端部(138)によりハニカム構造(110)の第1表面(116)の少なくとも一部が形成され、第2の所望の輪郭を有する第2端部(140)によりハニカム構造(110)の第2表面(118)の少なくとも一部が形成されている、請求項3に記載のハニカム構造(110)。
少なくとも1つのリボン(128)のノード区分を少なくとも1つの他のリボンの他のノード区分と結合させて、複数のセル(112)を少なくとも部分的に形成するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0053】
下記の開示内容では、所望の形状を有する少なくとも部分的に湾曲したハニカム・コアを製造するために好ましいリボンの幾何学的形状を決定する方法を含む、最小限の成形ステップ及びストレスを伴う、複数のリボンから所望の幾何学的形状寸法を有する湾曲したハニカム・コアを製造する改良型の方法及び材料を説明する。当業者には当然のことであるが、本明細書に開示された方法及び材料の原理を適用して、多様な幾何学的形状のリボン及び、したがって多様な幾何学的形状寸法を有するハニカム・コア構造を形成することができる。
【0054】
本明細書で使用する「幾何学的形状」または「複数の幾何学的形状」または「幾何学的」という用語は、リボンを指す時にはリボンの形状及び寸法、リボンの折り目の配置、及びリボン端部の構造(例:直線端部または曲線端部)を意味し、ハニカム・コアを指す時には、コアの形状及び寸法、コア内部のセルの形状及び寸法、及びコアの(例:湾曲した及び/又は平面の)内表面及び外表面の形状及び寸法、及びコアの軸の方向を意味する。
【0055】
たとえば、非限定的に、本明細書に開示した原理を適用して、例えば任意の曲率を有する円筒の任意の動径部分(半円断面を有する「半円筒」管等)または全体を含む湾曲した幾何学的形状寸法を有するハニカム・コアを形成することができる。一般的に、円筒形状には中央軸、外表面及び内表面があり、これらを総じて厚さが確定する。円筒上の厚さ及び軸はいずれも部位ごとに変化しうる。つまり、円筒形状の軸の曲率はその長さに沿って変化し、円筒形状の厚さも変化しうる。
【0056】
円筒の軸に対して平行な平面で切り取った円筒の断面形状も軸の長さに沿って変化してよく、偏心度、半径及びその他のパラメータも変化しうる。したがって、本明細書で使用する「円筒」または「円筒形状の」という用語は、直線軸及び一定の円形断面を有する標準の円筒に限定するものではなく、例えば曲線レードーム、円錐形、またはその他の円筒形状を含む直線軸または曲線軸を囲む可変の断面を有する多様な任意の管状幾何学的形状を指す場合がある。「円筒」または「円筒形状の」及び「管」または「管状の」という用語は本明細書全体で交互に用いる場合がある。当然ながら、上記ハニカム・コアの幾何学的形状、組成、及び構成の変更は、本開示内容の教示に従い用途によって適合させることができる。
【0057】
ここで図面、特に
図1を参照すると、本発明の態様に従って製造環境がブロック図の形式で示されている。
図1に示す製造環境100は、サンドウィッチ型構造102を製造できる一環境の例であってよい。
【0058】
図示したように、サンドウィッチ型構造102は、第1外板104、第2外板106、及びコア108を含むことができる。コア108は第1外板104と第2外板106の間に位置していてよい。具体的には、サンドウィッチ型構造102は、第1外板104と第2外板106の間にコア108を挟むように第1外板104と第2外板106をコア108に取り付けることによって製造することができる。ある実施例では、サンドウィッチ型構造102はサンドウィッチ型複合構造105の形態であってよい。
【0059】
これらの例示的な実施例では、コア108はハニカム構造110を使用して実装しうる。本明細書で使用するハニカム構造110は、薄い垂直壁を有する空洞セルのアレイを含む。ある実施例では、これらの垂直壁は第1外板104と第2外板106に対して実質的に垂直である。
【0060】
例えば、ハニカム構造110は複数のセル112を含むことができる。ある場合には、セル112は複数のセル列113に組織化することができる。各セル112は円柱状であってよく、例えば非限定的に、六角形、長方形、正方形、八角形、五角形、三角形、円形、楕円形、またはその他何らかのタイプの形状のうちの一つから選択される形状を有することができる。ある場合には、各セル112は上述した形状のうちの一つの形状に類似の形状を有することができる。
【0061】
セル列113は、隣接した列が互いに実質的に平行に並ぶように配置することができる。
実装形態によっては、セル列113はハニカム構造110全体の形状に対して、いかなる方向に配置してもよい。例えば、セル列113は、ハニカム構造110の垂直軸に対し平行に、垂直にまたはある角度をなして方向付けすることができる。
【0062】
これらの実施例では、ハニカム構造110は、ハニカム構造110が所望の三次元(3D)形状114を有するように形成される。ある実施例では、所望の三次元形状114は例えば非限定的に、データベース117に記憶された一組の形状115から選択することができる。本明細書で使用している「一組の」のアイテムは、一又は複数のアイテムを意味する。このことから、一組の形状は一又は複数の形状であってよい。
【0063】
データベース117から選択された形状は、第1表面形状120と第2表面形状122によって形成された三次元形状であってよい。第1表面形状120は例えば外側表面形状であってよく、第2表面形状122は例えば内側表面形状であってよい。これらの実施例では、第1表面形状120の少なくとも一部は、第2表面形状122の少なくとも一部に対して平行ではない。例えば非限定的に、所望の三次元形状114は円筒状管の形状、レードーム状、半球状、プリズム状、U字状、ドーナッツ状、曲線形、円錐形、またはその他何らかの種類の形状であってよい。
【0064】
サンドウィッチ型複合構造105のハニカム構造110は第1面116と第2面118を有する。これら2つの面は不連続面である。つまり、ハニカム構造110を形成しているセル112のどちらの端も空洞であるため、第1面116と第2面118は固体面でなくともよい。ハニカム構造110は所望の三次元形状114を有するように形成され、これにより第1面116は第1面形状120を有し、第2面118は第2面形状122を有する。この結果、ハニカム構造110の第1面116の少なくとも一部は、ハニカム構造110の第2面118の少なくとも一部に対して平行ではない。
【0065】
これらの実施例では、ハニカム構造110は複数のリボン126によって形成される。これらのリボンは一又は複数の異なる種類の結合法を用いて互いに結合される。リボン126を結合するのに使用できる異なる種類の結合法は非限定的に、溶接、ろう付け、接着、硬化、及び/又はその他の種類のプロセスを含むことができる。
【0066】
リボン126は、各リボン126がハニカム構造110の特定位置及び向きを有するように、所定の順番で結合させることができる。これらの実施例では、リボン126が互いに相対的に位置づけされ結合されると、リボン126は所望の三次元形状114を有するハニカム構造110を形成する。具体的には、リボン126を互いに結合してハニカム構造110を形成すると、このハニカム構造110は所望の三次元形状114を得るための追加の成形作業を要することなく、この所望の形状を得ることができる。
【0067】
これらの実施例において、各リボン126は、ハニカム構造110内部のそのリボンの指定位置に基づいた幾何学的形状を有するように製造される。
【0068】
例えば、リボン128はハニカム構造110内部の指定位置129を有するように構成可能である。指定位置129は、ハニカム構造110のその他のリボンに対するリボン128の位置及び/又はリボン128の向きの両方を含むことができる。
【0069】
その他のリボンに対するリボン128の位置は、ハニカム構造110内部のリボン128の両側のリボンの数によって決めることができる。例えば、各リボン126はリボン126に対して整然とした順序の定位を有することができる。リボン128の位置は、この整然とした順序内のリボン128の定位であってよい。
【0070】
リボン128の向きは、所望の三次元形状114に対して確定することができる。例えば限定しないが、所望の三次元形状114が円筒管の形状である場合、リボン128の向きは円筒形状の縦方向の中央軸に対する向きとして説明することができる。これらの実施例では、すべてのリボン126が同じ向きを有する。
【0071】
リボン128はハニカム構造110内においては折られた状態152である。リボン128は、リボン128に沿っておおむね横方向に配置された折り目136に沿って折ることができ、これによりリボン128の折られていない状態150から折られた状態152への変化が容易になる。ある場合には、これらの折り目136は仮想の折り目又は概念上の折り目であってよい。その他の場合には、これらの折り目136は例えばインク、色、ミシン目、及び/又はその他何らかの種類のマーキングを使用して、リボン128に印づけすることができる。
【0072】
折られていない状態150では、リボン128は平面である。すなわち、リボン128は折られていない状態150で平らに置かれている。リボン128は、ハニカム構造110内のリボン128の指定位置129と、リボン128が折られる方法に基づき、予め選択された幾何学的形状で折られていない状態150で製造される。
【0073】
図示したように、リボン128は第1端部138と第2端部140を有する。リボン128の第1端部138と第2端部140は、リボン128が折られていない状態150にある時に、第1端部138の少なくとも一部が第2端部140の少なくとも一部に対して平行にならないように加工される。具体的には、リボンが折られた状態152にある時に、第1端部138は第1の所望の輪郭を有することができ、第2端部140は第2の所望の輪郭を有することができる。第1の所望の輪郭と第2の所望の輪郭の少なくとも一つは対応する端部全体に沿って直線でなくてもよい。
【0074】
これらの実施例では、リボン128は複数の区分130を含む。これらの区分130は、リボン128に沿っておおむね横方向に配置された折り目136によっておおむね画定する又は分離することができる。
【0075】
リボン128の区分130には、第1区分端部131と第2区分端部133がある。第1区分端部131と第2区分端部133は、リボン128が折られていない状態150にある時に、特定の幾何学的形状を有するように加工される。例えば、区分130のうちの少なくとも一つの区分の第1区分端部は、リボン128が折られていない状態148にある時は、区分130のうちのその他の区分の少なくとも一つの第2区分端部に対して平行ではない。
【0076】
ある実施例では、区分135は第1区分端部137と第2区分端部139を有する。第1区分端部137の少なくとも一部は、第2区分端部139の少なくとも一部に対して平行でなくてよい。ある場合には、第1区分端部137の少なくとも一部及び/又は第2区分端部139の少なくとも一部は、別のリボンの区分の別の第2区分端部の少なくとも一部及び/又は別の第1区分端部の少なくとも一部それぞれに対して平行でなくてよい。
【0077】
加えて、リボン128の区分130の少なくとも一区分は、第1曲率半径を有する第1区分端部と、第2曲率半径を有する第2区分端部を有していてよく、第1曲率半径と第2曲率半径は同じである、又は異なる。ある実施例において、リボン128の区分130の少なくとも一区分は、区分端部の長さに沿って曲率半径が変化する少なくとも一つの区分端部を有していてよい。
【0078】
ある実施例では、リボン128の区分130は複数のノード区分132と複数の非ノード区分134を含む。これらの実施例では、ノード区分132と非ノード区分134は、リボン128において同じ種類の区分が2つ相互に隣接しないように交互に並んでいてよい。
【0079】
例えばノード区分132の一つ等の、本明細書で使用するリボンの「ノード区分」とは、別のリボンの対応するノード区分と結合するリボンの区分である。すなわち、リボンのノード区分は、別のリボンがノード区分の側面と接触し、このノード区分の側面でリボンに結合することができるように構成されている。
【0080】
本明細書で使用する、例えば非ノード区分134の一つ等のリボンの「非ノード区分」とは、別のリボンのいかなる区分とも接触しないリボンの区分であってよい。すなわち、リボンの非ノード区分は、別のリボンがこのリボンと結合した時に非ノード区分の両側が露出したままであるように構成される。
【0081】
ある実施例では、ノード区分132のうちのあるノード区分の第1区分端部と第2区分端部は、リボン128が折られていない状態150にある時に少なくとも部分的に直線であってよい。さらに、非ノード区分134のある非ノード区分の第1区分端部と第2区分端部は、リボン128が折られていない状態150にある時に、少なくとも部分的に湾曲しており、互いに対して平行ではない。
【0082】
例えば、ノード区分132のあるノード区分の第1区分端部と第2区分端部は、リボン128が折られていない状態150にある時は直線で平行であってよい。さらに、非ノード区分134のうちの一つの非ノード区分の第1区分端部及び第2区分端部は、リボン128が折られていない状態150にある時は湾曲しており、平行でなくてよい。
【0083】
この実施例では、ノード区分は長方形であってよく、非ノード区分は台形の形状であってよい。具体的には、非ノード区分は湾曲した台形の形状であってよい。
【0084】
この実施例においてリボン128が折られた状態152に折られた時に、ノード区分132の第1区分端部の少なくとも一部は互いに実質的に平行であってよく、非ノード区分134の第1区分端部の少なくとも一部はノード区分132の第1区分端部に対して角度をなしている及び/又は湾曲していてよい。
【0085】
さらに、リボン128が折られた状態152にある時に、リボン128の第1端部138と第2端部140は、ハニカム構造110内のリボン128の指定位置129に対応する第1表面形状120と第2表面形状122の一部にそれぞれ実質的に一致しうる。
具体的には、第1端部138は第1面形状120に沿った曲線又は別の幾何学的特徴に実質的に一致していてよく、第2端部140は第2表面形状122に沿った曲線又は別の幾何学的特徴に実質的に一致していてよい。
【0086】
第1表面形状120に沿った曲線は、曲線の長さに沿って一以上の異なる曲率半径を有していて良い。同様に、第2表面形状122に沿った曲線は、曲線の長さに沿って一以上の異なる曲率半径を有していて良い。つまり、リボン128の第1端部138及び/又は第2端部140は、これらの端部の長さに沿って一以上の異なる曲率半径を有していて良い。異なる曲率半径は、ゼロを上回る値から無限大の値までのレンジを有していてよい。第1端部138と第2端部140のうちの一つの一部の曲率半径が無限大である時は、この一部分はまっすぐ又は直線であってよい。
【0087】
このように、ハニカム構造110を作製するのに使用するリボン126は、多様な異なるやり方で実装することができる。ある実施例では、各リボン126は、全てのリボン126が折られていない状態150で同じ幾何学的形状を有するように、上述したリボン128と同様のやり方で実装することができる。各リボン126が同じ幾何学的形状を有することにより、リボン126が異なる幾何学的形状を有する時と比較してさらに迅速にさらに容易にリボン126を製造することが可能になる。さらに、全てのリボン126が同じ幾何学的形状を有する時、さらに迅速にそして容易にリボン126をアセンブルしてハニカム構造110を形成することができる。
【0088】
しかしながら、ある実施例では、リボン126の一部は上述したリボン128と同じ幾何学的形状を有していてよく、リボン126の別の部分は異なる幾何学的形状を有していてよい。その他の実施例では、異なる幾何学的形状を有する各リボン126を製造することができる。
【0089】
上述したリボン128は折られた状態152にある時に、対応する折られた状態にある少なくとも一つの別のリボンと結合して、ハニカム構造110を構成するセル112の少なくとも一部を形成することができる。例えば、リボン128が折られた状態152にある時に、リボン128の片側を、対応する折られた状態のリボン126の別のリボンと結合してセル列113の一つを形成することができる。これらのリボンの非ノード区分によりセル列のセル壁が形成されうる。
【0090】
これらの実施例では、セル112は、セル112の少なくとも一つのセルの少なくとも2つの閉平行断面が異なるものとなるように構成することができる。本明細書で使用するセルの「閉断面」とは、セルの壁でできた閉境界線を有するセルの断面である。ある実施例では、セルの閉平行断面は、セルの中央軸に対して垂直の断面であってよい。これらの閉平行断面は、異なる寸法、異なる形状、及び/又はその他の種類の違いを有することによって互いに異なっていてよい。
【0091】
例えば、ある場合には、セルの少なくとも2つの閉平行断面が異なる周囲長を有していてよい。本明細書で使用する断面の「周囲長」とは、その断面の境界線の長さである。さらに、その他の場合では、セルの少なくとも2つの閉平行断面の面積は異なっていてよい。本明細書で使用する断面の「面積」とは、断面の境界線内の面積である。ある実施例では、セルの中央軸に対して垂直のセルの少なくとも2つの平行断面の形状は異なっていてよい。
【0092】
言うまでもなく、その他の実施例では、上述したリボン128はハニカム構造110を形成するのに使用する唯一のリボンであってよい。例えば、リボン128が折られた状態152にある時に、リボン128によりハニカム構造110全体を形成することができる。リボン128は何度も一方向に沿って折り、巻きつけ、そしてまた反対方向に沿って折りハニカム構造110を形成することができる。リボン128を折り、巻きつけると、リボン128のノード区分132が互いに接合されて、ハニカム構造110のセル112が作製される。
【0093】
ハニカム構造110の形成に必要な幾何学的形状を有する単一のリボンの製造は、カットし互いに接合する必要がある複合リボンの製造よりも消費時間が少なく、及び/又はより簡単であり得る。例えば、複合リボンを使用すると、異なるリボンを折り、結合してハニカム構造110を形成する間、特に異なる幾何学的形状を有するリボンではリボンを把握するのにさらなる労力と時間が必要とされうる。
【0094】
これらの実施例では、ハニカム構造110を形成するのに使用する異なるリボン126は、任意の数の異なる材料からなるものであってよい。ある場合には、リボン126はすべて同じ種類の材料、又は材料の組み合わせからなるものであってよい。その他の場合では、異なるリボンは異なる種類の材料及び/又は材料の組み合わせからなるものであってよい。リボン126は例えば非限定的に、金属、金属合金、セラミック材料、プラスチック材料、複合材料、炭素繊維強化プラスチック材料、非金属繊維強化プラスチック材料、アルミニウム、チタン、及び/又はその他の種類の材料からなるものであってよい。ある場合には、一以上のリボン126は同じ及び/又は異なる材料の層からなるものであってよい。
【0095】
図1の製造環境100の図は、物理的または技術的な限定を表すことを意味するものではなく、例示的な実施形態が実行可能である。図示したコンポーネントに加えて又は代えて、他のコンポーネントを使用することができる。幾つかのコンポーネントは不必要になることもある。また、ブロックは、幾つかの機能的なコンポーネントを示すために提示されている。例示的な実施形態で実装される場合、一又は複数のこれらのブロックは結合されること、分割されること、又は異なるブロックに結合及び分割されることがありうる。
【0096】
ここで
図1のハニカム構造110を実装できるある方法を示す
図2〜10を参照する。
図2〜10においては、六角形のセルでできたハニカム構造の実施例を説明する。
【0097】
ここで、本発明の態様によるコアを示す
図2に注目する。
図2において、コア200は
図1のコア108の一実装形態の一例であってよい。コア200はこれらの実施例ではハニカム・コアであってよい。つまり、コア200は、
図1のハニカム構造110等のハニカム構造を使用して実装可能である。
【0098】
説明をわかりやすくするために、まっすぐな軸204と厚さ212を有する標準の円筒形状のコア200を示す。コア200は、隣り合わせに結合した一連の折られたリボン205を含む。リボン205は、折られて互いに結合した時にコアの外表面からコアの内表面まで延び、厚さ212を有する一連の当接した六角形に加工されたセル202を含む所望の湾曲したハニカムの幾何学的形状を形成するように正確に加工されている。十分な数のリボン205をこの手法で結合することによって、所望の曲率を有する円筒状の幾何学的形状の全ての部分を形成することができる。
【0099】
当接セル202は各々ノード壁及び非ノード壁を含む複数の壁と、それぞれコア200の外表面及び内表面に対応する上下の六角形の面を含む。ノード壁214とは、
図10に示すように2つの隣接したリボン205が互いに結合する面となる壁である。非ノード壁216はセル202を含むその他全ての壁である。後に説明するように、ノード壁214は上面から下面へ内向きに先細になっているため、上面の面積は下面の面積よりも大きく、各セル202は先細のくさび形状を有する。平坦なハニカム・コアにより強い力を加えることが要求されうる、平坦なハニカム・コアから湾曲したハニカム・コアを作製する方法とは異なり、本明細書で提供されている方法及び材料により、強い力を印加することなく、最小限の成形で所望の曲率を有するハニカム・コアの製造が可能になる。
【0100】
図1に示す標準の円筒ハニカム・コアを形成するのに使用できるリボンの幾何学的形状の特例の拡大図を
図9に示す。リボン900は折られていない、または平坦な状態にある。円筒が標準型であるため、リボン900の幾何学的形状も標準である − リボン900は連続する一連の長方形区分804からなり、この後に台形区分802が続く。しかし当然ながら、非標準コアの幾何学的形状に対し、リボンの幾何学的形状は必ずしも標準ではない。したがって、非標準的に加工されたハニカム・コアに対しては、リボンは相互に異なる形状を有する一連の区分を含むことができる。本明細書で使用する「区分」という用語は、リボンからなる例えば長方形804及び台形802等の個別の形状を指すものである。長方形区分804において、上下の端部はまっすぐであり、区分の側面端部を形成する折り目に対して垂直である。台形区分802において、上下の端部は湾曲して完成したハニカム・コアの内表面及び外表面の曲率に整合するまたは一致する。
【0101】
上述したように、これらの区分形状は、ハニカム・コアの所望の幾何学的形状によって変化しうる。言うまでもないが、リボンの幾何学的形状はこれらの区分の形状によって確定する。例えば、
図9のリボン900の幾何学的形状は、確定した形状を有する長方形区分が確定した形状を有する台形区分に結合する、及びその他の事実によって確定する。この区分形状の特定の組み合わせの結果、リボンが平坦な又は折られていない状態にある時にリボンの端部が全体的にリボンの長さに沿って「湾曲している」。しかしながら、この湾曲が必ずしも本発明の原理に従って使用できるすべてのリボンの幾何学的形状に含まれるわけではない。折られた場合はしかしながら、折られたリボンの端部はまっすぐである。
【0102】
リボン900の幾何学的形状は、ハニカム・コア200の幾何学的形状によって確定されるのに加えて、セル202の形状によっても確定される。
図2において、これらのセルは細長い先細の六角形のセルである。これらのセルの形状が決定した後で、セルの形状に基づいてリボンの幾何学的形状を決定することが好ましい。これを下記の
図4及び5、及び
図6〜9に関してさらに詳しく説明する。
図9は、リボンの幾何学的形状を決定する一つの好ましい方法を開示するものである。
【0103】
本発明の原理にしたがって形成された異なる幾何学的形状を有するリボンに共通の特徴は、リボンの各区分の端部が、リボンによって形成されるハニカム・コアの一部の形状とぴったり一致する、またはほぼ等しく一致するように構成されているということである。
図9に示す例示的なリボン900の端部818は湾曲している。標準の円筒内に組み込まれた折られたリボンの一部の拡大図を示す
図8に示すように、このリボン900を折った時に、端部818はリボンによって形成されるハニカム・コアの外表面の一部の曲率と一致する。この曲率は楕円824によって表される。図示したように、端部818は、端部818の方向において円筒状の面の曲率を示すこの楕円824の曲率と一致する。また図示したように、湾曲せずまっすぐである端部816は、端部816によって形成されるハニカム・コアの外表面の一部の形状と一致する。端部816は円筒軸に対して平行であるため、また円筒面がその方向に単純に直線であるために、この直線と「一致する」端部816は湾曲していない。リボン、端部及び区分の幾何学的形状を決定する方法の詳細説明を下記に開示する。
【0104】
本明細書で説明する様々な物体の形状は、幾何学的原理を使用して決定することができる。幾何学的な決定のいくつかは、数学の基本原理を使用して行うことができる。しかしながら、複雑な形状においては数学の基本原理を使用可能であるが、数値法を使用して上記物体の形状を決定する方がより実際的と考えられる。複雑な幾何学的形状寸法を決定する数値法を使用するための最も強力なツールの一つは3D CADソフトであり、本明細書で提供されるいくつかの開示内容においては上記ソフトウェア上で行われる操作を参照する。本明細書で開示される幾何学的形状の決定を行うタスクには、上記操作またはその同等の操作を行うことができる実質的にすべての3D CADソフトウェアのパッケージが好適であるはずである。そのソフトウェア・パッケージの一つが、フランス、ヴェリジー=ヴィラクブレーのダッソーシステムズ社のCATIAである。
【0105】
ここで、実施形態に従って所望の湾曲した幾何学的形状を有するハニカム・コアを製造する手順を示す
図3〜10を参照する。
図3〜10に記載するプロセスは、
図2のハニカム・コア200等のコアを所望の湾曲した幾何学的形状に形成することができる一実施例であってよい。
【0106】
ここで、本発明の態様に従ってハニカム・コアを形成する一般的なプロセスをフロー図の形態で示す
図3に注目する。このプロセスは、数学的に、またはコンピュータモデルを使って表すことができる様々な幾何学的形状寸法を参照する。
【0107】
ステップ300において、構成するハニカム・コアの外表面及び内表面の形状が選択される。これらの面は、本発明の方法を使用して製造される完成品の外壁及び内壁を表すものである。所望の管形状はしたがって、所望の管形状の内表面及び外表面について数学的なパラメータ化、または3D CADコンピュータモデルの形態で提供される。当然ながら、この管形状は湾曲した多様な円筒形の幾何学的形状のうちのいかなる形状であってもよい。
【0108】
また当然ながら、これらの内表面及び外表面にはいくつかの考え方がある。具体的には、内表面及び外表面はハニカム・コアの実際の幾何学的形状の近似値を表すことができる。さらに、内表面及び外表面はハニカム・コアの「目的とする」全体形状を表すことができる。しかしながら、これらの面は必ずしも実際に完成したハニカム・コア製品の幾何学的形状を表すものでなくてよい。
【0109】
例えば、
図7は円筒形である内表面705及び外表面703を示している。しかしながら、例えば
図2に示すように、ハニカム・コアの実際の形状は、全体で円筒形を形成する複数の六角形のセルからなる複合構造である。内表面及び外表面はしたがって、所望の全体形状を有するハニカム・コアを構成するのに使用する単純な解析ツールである。
【0110】
ステップ302において、リボンの向きが選択される。これは、リボンが位置するハニカム・コアに沿った方向である。リボンの向きは、ハニカム・コアのセルの形状だけでなく、リボン自体の幾何学的形状に関連する。リボンの向きは、最少数の異なるリボンの幾何学的形状を使用してハニカム・コアを形成することができるように選択することが好ましい。できる限り少ない数のリボンの幾何学的形状を使用して、コストと製造時間の効率性を図ることが望ましい。これは、円筒が対称となる方向を決定し、リボンがこの対称に合わせて位置調整されるようにリボンの向きを選択することによって、実現可能である。これが最も有利に行われると、同一の幾何学的形状のリボンを使用して、円筒形のコア全体を形成することができる。これを後に
図4〜9に関してさらに詳しく説明する。
【0111】
ステップ304において、ハニカム・コアを形成するセルのパターンの形状、寸法及び位置が決定される。各セルは、それぞれ円筒形のコアの内表面及び外表面上に位置する内表面及び外表面を有する。セルの形状は予め周知のもの、又は予め定められたものであってよい。あるいはセルの形状は、下記の
図4及び5を参照して開示する手順を使用して決定することができる。リボンの幾何学的形状は、決定したセルの形状に基づいて決定される。
【0112】
一般にセル202は、
図2の実施例に示すように、一連の互い違いの格子状セル202を形成するように加工し位置づけすると有利である。これは通常、六角形の形のセルを選択することによって達成されるが、多様な格子状セルの種類が周知であり、本発明の教示にしたがって用いることができる。曲線端部を有する形状を含む、任意の多角形の形状を用いることができる。隣接するリボン間の接続が容易になるように、ノード壁がおおむねリボンの向きに対して平行となるようにセルを加工することが好ましい。非六角形の形状の一例を、米国ペンシルバニア州のウェーレンデールのSAEインターナショナル社の製品コード番号AMS4177の規格文書に見ることができる。その文書に記載されるセルの形状は規格外の形状であり、広い曲線の鉢状の下部と細い三角形の上部を有する「ソンブレロ」として表すことができる。これらの形状によりセルの格子パターンが形成され、このパターンにおいて隣接するセルの2つの鉢状部分の間の空間は、互い違いの位置にある別のセルの細い三角形の上部の形状と同一であり、これと同様に、隣接するセルの2つの細い三角形の上部の間の空間は、互い違いの位置にある別のセルの鉢状の下部の形状と同一である。
【0113】
ステップ306において、円筒形のハニカム・コアを含むリボンの幾何学的形状は、ステップ304において決定されたセルのパターンに基づいて決定される。これらのリボンの幾何学的形状を決定する方法を、下記に
図6〜9を参照しながらさらに詳しく説明する。
【0114】
物理的オブジェクトの幾何学的形状寸法が決定されるステップ304及び306はいずれも、数学的原理、コンピュータ手法、又は両方のある組み合わせを使用して実施することができる。
【0115】
ステップ308では、平坦なリボンを所望の材料からステップ306で規定される幾何学的形状に裁断する。
【0116】
ステップ310において、カットしたリボンを隣り合わせに並べて、隣接したリボンをノード壁において互いに結合させる。リボンは互いに結合させる前に予め折っておくことができる。あるいは、折り目に沿ってリボンに予め応力をかけておいて、折る前の平坦な状態で互いに結合させて、それから所望の形状に拡張することができる。本明細書で使用する「予め応力をかける」とは、適切な力を加えるとリボンが折り目で曲がるようにリボンに折り目をつけておく、又は予め曲げておくことを意味する。リボンの幾何学的形状により、所望の幾何学的形状のコアが形成される。あるいは、リボンに予め応力をかける必要がない。代わりに、2つのリボンを互いに結合させると、リボンの互いに結合した部分(すなわち、ノード壁)は、リボンのその他の部分よりも強度及び/又は剛性が高い。結合された大量のリボンが拡張されると、非結合部分は曲がるが、結合部分は実質的に硬いままである。したがって、拡張されたリボンの積み重ねにより、所望の形状のセルが形成される。リボンを並べて結合させるプロセスを、
図10に関して後にさらに詳しく説明する。
【0117】
ここで、ハニカム・コアを含むセルのパターン形状を決定する実例となる方法が開示されている
図4及び5を参照する。言うまでもないが、これらの方法においては、数学的パラメータ化、又は3D CADモデルとして表すことができる幾何学的形状を参照し、本明細書で開示する形状の決定は、数学の基本原理又は数値法、又はCADソフトを使用して行うことができる。
【0118】
図4は、セル形状を決定するステップの図であり、
図5はこれらのステップを行う一例を示す例示的な円筒形コアの幾何学的形状を示すものである。所望の円筒形コアの幾何学的形状500はこの実施例では、内表面502と外表面504を有し、
図2に示す六角形のセルがない空洞の円筒として示されている。このコアの幾何学的形状は、全てのリボンが製造され互いに接続された時に、ハニカム・コアが最終的に到達する所望の全体的な幾何学的形状を表すものである。
【0119】
ステップ400では、製造されるハニカム構造の所望の幾何学的形状が、所望の形状の外表面及び内表面の形態で選択され提供される。この幾何学的形状は、幾何学的形状のCADモデル又は数学的表現で表すことができる。
図5に示す空洞の円筒形の幾何学的形状500は、ある特定の所望の形状の一例である。所望の幾何学的形状は、上述した曲率、厚さ、又は断面の変化を有する多様な空洞の管形状のうちの任意のものを含むことができる。
【0120】
図5に示すコアの幾何学的形状500は、内表面502と外表面504を有する。内表面502と外表面504はいずれも円筒形であるが、半径が異なっている。内表面502は外表面504内に組み込まれて、2つの半径の差によって確定した厚さを有する空洞の円筒管を形成する。この形状を製造するのに使用するリボン(図示せず)の高さはこの厚さとほぼ等しいものとなる。この例示的な形状は、真っ直ぐな軸と一定の断面を有する単純な空洞の標準円筒である。
【0121】
各セルの形状は、所望の二次元断面(例:六角形)の形態のセルの「形状」を選択し、選択された二次元断面を円筒の内表面と外表面に投影することによって決定される。上述したように、セルは通常六角形の形に形成されるが、その他多数の形状も選択可能である。
【0122】
ステップ402において、所望の断面と、円筒の断面から軸までの距離が選択される。この所望の二次元断面は、断面の中央において円筒の半径に対して垂直となるように配向している。
【0123】
円筒500の軸510が湾曲していない場合、所望の二次元断面の少なくとも2つの端部が互いにほぼ平行であると、隣接するリボンの表面が互いに接着されるため、有利である。これら2つの端部はセルのノード壁に対応する。同様に、円筒500の軸510が湾曲している場合、所望の二次元断面の2つの端部が軸の曲率半径に対して平行であれば、円筒の軸の曲率半径に対して平行に方向づけされた隣接するリボン間を接続しやすくなるため有利である。この場合もやはり、これら2つの端部はセルのノード壁に対応する。これら2つの端部の向きは「リボンの向き」に対応し、「リボンの向き」とは、リボンが位置するコアの表面に沿った方向である。隣接するリボンのこれら2つの端部が互いに対して平行になるように、これらの端部をリボンの向きに沿っておおまかに位置調整する必要がある。
【0124】
図5に示す実施例では、所望の二次元断面506として標準の六角形506が選択され、標準の六角形506の中央508は、円筒500の軸510からの所望の距離Xである。
【0125】
ステップ404において、二次元断面が円筒の外表面及び内表面に投影されてセルの外表面及び内表面がそれぞれ形成される。この投影は、断面の頂点から円筒の軸までラインを引くことによって実施可能である。ラインは軸上の2つの点まで引くことが好ましい。これを行うために、断面の頂点を軸510に対して垂直であり断面506の中央508を通過するラインによって分けられる2つのグループに分割する。これら2つのグループは断面の中央508の反対側にある。同じグループの各頂点からのラインを、
図5に示すように軸上の同じ点まで引く。これらのラインの一つは軸に対して垂直であることが好ましいが、もう一つのラインは必ずしも垂直でなくてもよい。垂直のラインはリボンの向きに対して平行である平面上に位置し断面を二等分している頂点から引かれている。
【0126】
図5において、ライン514は断面の頂点516から円筒500の軸510まで引かれている。この結果、断面506から円筒500の軸510まで延びるウェッジができ、内表面502と外表面504それぞれに内側投影面522と外側投影面520が作製される。
【0127】
ステップ406では、外表面及び内表面の頂点が端部によって接続されてセルが形成される。この結果、セル壁の高さによって確定した厚さを有するハニカム構造の一つのセルのセル形状及びセル位置が得られる。
図5に、セル512を示す。
【0128】
ステップ408では、要望通りの円筒形のハニカム構造全体の十分な数のセルについて、セル形状及びセル位置が決定される。円筒の形状が十分に標準規定を満たす場合(例:一定の断面、一定の軸曲率又はゼロの軸曲率を有する)、円筒全体又は円筒の一部で決定したセル形状の繰り返しが可能である。この状況では、セル形状は1回、又は限られた回数決定するだけでよい。円筒が十分に標準規定を満たさない場合、必要に応じて円筒上の各点のセル形状を決定することができる。
【0129】
例えば、真っ直ぐな軸と一定の円形断面を有する標準の円筒においては、円筒の幾何学的形状が完全に均一であるため、円筒のいかなる点においてもセルの形状は同じである。
【0130】
一方、先細の円筒(つまり、円錐台又は円錐状の円筒)においては、先細の円筒の一端から他端までセル形状が変化しうる。しかしながら、先細の円筒が放射対称である(例えば、円筒の一端から他端まで半径が縮小する円形断面を有する)場合、セルのパターンは対称軸周囲で繰り返す(つまり、先細の円筒の長さ方向に位置するセルのパターンに対して同一のセルパターンが存在する)ものであってよい。この種の対称はすべて、円筒全体のどの程度までが同一の幾何学的形状のリボンでできているかを決定するのに有用である(したがって、所望のリボンの向きを選択するのにも有用である)。互いに同一であるセル形状のシーケンスにより、(各シーケンス内のすべてのセルが同じ形状を有しない場合があるが)、同一のセル形状のシーケンスに対応するように加工された全く同じに加工されたリボンの作製が可能になる。リボンの向きは、リボンが同一のセル形状のシーケンスと同じ方向になるように選択されるのが好ましい。
【0131】
円筒軸が曲線である場合、セルの形状は円筒軸周囲を移動する方向に変化する。円筒軸が一定の曲率を有する場合、(曲率軸周囲を回転する)対称の形が存在し、その対称方向のセルの同一パターンが存在する(例えば、トーラス、またはトーラスの一部については、セルの同一パターンは円筒断面に対して平行の方向に存在する)。上記の追加的な対称を決定することができ、後にさらに詳しく説明するように、適切なリボンの幾何学的形状を決定するのに必要である。
【0132】
図6〜9に、ハニカム・コアを含むリボンの幾何学的形状を決定する方法を示す。この方法は、ステップ600において、確定パターンのセル形状を有するハニカム・コア円筒を数学用語またはコンピュータモデルの形態で表示することによって開始する。この表示は前もって定めるか、または上述した開示内容を使用して決定するかのいずれかであってよい。ハニカム・コアの全体的な幾何学的形状、及びセルの幾何学的形状を解析して、ハニカム・コアを形成するリボンの幾何学的形状を決定する。例示的な幾何学的形状を図面に示す。4B〜4Dは、おおまかに等しい六角形のセルを有する標準の円筒(まっすぐな軸、一定の円形断面)であるが、本明細書に開示する原理を多様な円筒の幾何学的形状に適用可能である。
【0133】
円筒のセルのコンピュータモデル表示または数学的表示を解析し「分割」して、半セルの少なくとも1つの線形シーケンスを形成する。「分割」という用語は、確定した幾何学的形状を例えば平面のような表面で「カット」して、確定したその幾何学的形状の一部の形を決定する数学的手法またはコンピュータ処理を指すものである。分割方向はリボンの向きの方向にほぼ沿った方向である。さらに具体的には、円筒のセルの表示は、リボンの向きの方向に、隣接セルのノード壁に隣接して広がる表面によって分割される。この表面は、リボンの向きに沿って広がり、セルのノード壁と隣接するように加工される。さらに、各表面は交互に半分に分割されて、ハニカム・コアのセルに隣接して広がる。半セルの線形シーケンスを得るために、ステップ602において、少なくとも2つの上記表面が提供され、これら2つの表面は互い違いの向きを持つ半セルのシーケンスを「囲む」。これら分割している表面は本明細書において「隔壁」とも呼ばれる。
【0134】
図7において、2つの上記隔壁701、702を示す。明確化のために、
図7には円筒700のセルのごく一部のみを示す。これらの壁は円筒700の軸710に対して平行の方向に円筒に沿って広がり、円筒700の半径708に対して平行の高さ706を有する。この実施例において、表面701、702がその方向に広がっているのは、リボンの向きが円筒の軸710に対して平行方向にあるためであることを覚えたい。
【0135】
ステップ604において、半セルの線形シーケンスが決定される。このシーケンスは、隣接した2つの隔表面でコアのモデルに(例えばCADソフト等で)スライシング処理を行って得られた結果である。
【0136】
図7の隣接した2つの隔壁701及び702の間に、半セル720の線形シーケンスを示す。この半セルの線形シーケンス720は、互い違いの向きの一連の半セルを含む。各半セルはセル壁を有する。
【0137】
ステップ606において、半セルの線形シーケンスの各壁の形が決定される。
図7では、半セルの線形シーケンス720は、非ノード壁712の後にノード壁714が続く交互のシーケンスできた壁を有する。半セルの線形シーケンス内のすべてのセル壁の形を決める必要がある。半セルの線形シーケンスの形は、隣接した2つの隔壁701及び702の間の空間に対応するリボンの位置に位置し、折られて半セルの線形シーケンスを形成するリボンの形と等しい。このリボンの形の決定は、CADソフトを使用して、または単純な幾何学的形状に対しては数学的原理を適用することによって行うことができる。
【0138】
リボンの幾何学的形状が十分に標準型である場合(すなわち、リボンが同一の半セルを含む場合)、リボン全体の幾何学的形状のごく一部のみを計算する必要があり、この一部をリボンの全長に対して繰り返すことができる。ステップ608では、平坦なリボンの幾何学的形状は、ステップ606の壁の形に基づいて決定される。これを
図9を参照してさらに詳しく説明する。
【0139】
ステップ610では、所望の円筒の幾何学的形状を形成するのに必要な各種のリボンに対し、必要に応じてステップ602〜608を繰り返し行う。標準の円筒を示す
図7では、リボンの幾何学的形状は一種類のみしかない。したがって、すでに決定したリボンの幾何学的形状を円筒全体に使用することができ、ステップ602〜606は繰り返す必要がない。
【0140】
図8に、標準の円筒の幾何学的形状(一定の円形断面、湾曲していない軸)を有するハニカム構造の、一つの完全な半セル720の表示の一部(図面の右側)と、別の半セルの一部(図面の左側)の拡大図を示す。この図に示す各半セル720には、2つの非ノード壁802と1つのノード壁804がある。各壁802、804の頂点806、807、808、809、及び端部816、817、818、819を示す。
【0141】
ノード壁804は上端部816、下端部817、及び2つの側端部820を有する。非ノード壁802は、2つの側端部820、上端部818、及び下端部819を有する。ノード壁804の上端部816と下端部817の長さは2つの側端部820の長さと同じである。ノード壁804と非ノード壁802の側端部820の長さも同じであり、互いに対して角度αをなしている。角度αは、第1ラインを軸(図示せず)に対して垂直な頂点809から軸上の一点まで延ばし、頂点813から軸上の同じ点まで第2ラインを延ばすことによって決定することができる。これら2つのラインの間の角度は、角度αと等しい。
【0142】
非ノード壁802の上端部818と下端部819の曲率は、コアの円筒700の幾何学的形状と一致する。上端部818が円筒の外表面703をトレースし、下端部819が円筒の内表面705をトレースしているため、また外表面703の半径が内表面705の半径よりも大きいため、上端部818は下端部819よりも長い。
【0143】
上端部818は、円筒700の外表面703で平面を交差することによって形成される楕円の円弧区分のように加工される。この平面は、円筒半径に対して平行であり、上端部818の2つの頂点807及び806を含む。同様に、下端部819は円筒の内表面で平面を交差することによって形成される楕円の円弧区分として加工される。この平面は円筒半径に対して平行であり、下端部819の2つの頂点809及び808を含む。セルがほぼ標準の六角形に加工された場合、これらの平面は半径に対して平行な平面として近似し、軸に対して約120度で回転することができる。
図8において、これらの平面を直接示さず、円筒の内表面705と外表面703がそれぞれ交差した平面のみを示す。これらの交差は、いずれも円筒700の表面に沿った内側の楕円弧822と外側の楕円弧824である。
【0144】
端部818、819の形を決定する計算は、端部818と819を曲線端部818及び819が位置する円筒表面の半径と等しい半径を有する円弧として近似することによって簡略化することができる。さらに、曲線の上端部または下端部の弧の長さをΘ・Rとして近似することができ、ここでΘは曲線端部818、819が横切る角度と等しい。これらの近似は、セルの寸法が円筒半径よりも大幅に小さい場合にかなり適切であるが、セルの寸法が円筒の寸法に近づくにつれて精度が下がる。
【0145】
上記においてリボンは円筒コアの幾何学的形状全体のすべての位置に対して同一であると説明及び図示されているが、異なる幾何学的形状のコアには異なる幾何学的形状のリボンが必要であり得る。製造するには、リボンの幾何学的形状の数が最少であることが有利である。
【0146】
特定の円筒形に関しては、作製する必要があるリボンの幾何学的形状は一種類のみである。その他に関して、作製する必要があるリボンの幾何学的形状の数は少ない。最も複雑な円筒の幾何学的形状に関しては、各リボンはその位置においてカスタマイズされる。
【0147】
円筒の幾何学的形状が放射対称であることにより、その対称形に対して平行方向に広がる同一リボンの使用が可能になる。例えば、標準円筒はその軸周囲に放射対称を有し、これはリボンが円筒軸に対して垂直方向に広がる場合に同一のリボンを使用することができることを意味する。先細の円筒、または真中が膨らんでいる円筒は同様に、その軸周囲に放射対称を有するため、先細円筒の表面と、円筒の縦軸を含む平面との間の交差ラインによって確立される方向にリボンが広がる場合に、同一のリボンを使用することができる。さらに、一定の曲率を有する主軸のまわりに巻きつけられた「管」であるトーラスでは、リボンがトーラスの主軸に対して平行である、すなわち、トーラスの主軸に対して平行な方向に「管」のまわりに巻きつけられている場合に、同一のリボンを使用することができる。つまり、トーラスの大半径に対して平行方向に、トーラスの「管」の周囲に巻きつけられたセルのパターンには同一のセルパターンが存在するということである。これは、トーラスが主軸周囲に放射対称を有する構造であるためであり、この主軸とはトーラスの「管」が周囲に巻きつけられた軸である。
【0148】
いくつかの円筒の幾何学的形状には、円筒の全長に沿ってこれらの特徴がすべてあるわけではないが、それにも関わらず、いくつかの円筒の幾何学的形状を複数の区分に分解することができ、各区分はこれらの特徴を有する(例えば、一端で装着され、互いに相対的に回転するトーラスの複合区分、または先細のまっすぐな円筒区分が後に続くトーラス区分)。上記円筒に対し、各区分は同一のリボンでできていてよい。
【0149】
さらに、上述した特徴(例:対称等)を有する「理想的な」形の一つにぴったり一致しないが、上記理想の形にほぼ一致する全ての所望の幾何学的形状に対しては、上述した方法を使用して理想的な形を製造し、それから所望の非理想的な形に成形することができる(例えば、円筒の形は力を加えることによって変えることができる)。この状況ではある程度の成形が必要となるが、平坦なコア材料から形を成形するのに比べて成形が最小限に抑えられる。
【0150】
図9に示すように、すべての端部の形、したがって半セルの壁の形が決定したら、平坦な折られていないリボン900の形を決定することができる。
図7に示すリボンの幾何学的形状は、一定の円形断面とまっすぐな軸を有する標準の円筒を形成するのに適切である。折られていないリボン900の形は平坦な形であり、この形は折り目で分割された連続した区分を含み、各区分は半セル720の線形シーケンスの各半セルの壁と等しい形を有する。
【0151】
区分は線形シーケンス720の壁と同じ順序及び形を有する。区分端部の形は、壁の対応する端部の形とも同じである。したがって、第1区分804はノード壁804と同じ形を有し、第2区分802は非ノード壁802と同じ形を有する等といえる。さらに、平坦なリボン900の区分の順序は、
図7及び8に示すセル壁の順序と同じである。
【0152】
図9に示す平坦なリボン900は長さに沿って湾曲している。この曲線は必ずしも滑らかなものではなく、長方形の区分802と台形区分804との互い違いの直線−曲線−直線の端部で形成されており、これはまた台形区分804の短端部がすべて同じ方向に向いているためでもある。
図9に示す特定の幾何学的形状のリボンに加えて、その他の円筒の幾何学的形状を形成するようにカットされた幾何学的形状のリボンには、平坦なリボンの長さに沿った曲線も見られる。上記すべての円筒の幾何学的形状に対し、円筒を形成する湾曲した平坦なリボンの曲率は、非長方形区分の形と曲線区分端部の組み合わせによって決まる。
【0153】
図9に示すリボン900が折られると、リボンの端部は
図10に示すリボンの長さに沿ってまっすぐになる。いくつかの湾曲は、形成中の円筒の湾曲に対応する方向にある。その他の円筒の幾何学的形状を形成するのに使用するリボンについては、折られたときにリボンの長さに沿ってまっすぐにならない場合がある。例えば、曲線軸(及びしたがって軸方向に対して平行な方向に湾曲した外表面)を有する円筒を形成するのに使用するリボンについては、円筒の湾曲した表面と一致するように対応する折られたリボンがその長さに沿って湾曲していてよい。
【0154】
リボンの平坦な形900が決定したら、例えばスタンプ・プレス装置等の従来の方法で例えば金属または紙等の基材から物理的なリボンを裁断することができる。この物理的なリボンを次に折って、円筒コアのセルの形と一致させる。
【0155】
リボンの区分を分割する端部820は、折るまたは曲げるラインを表し、本明細書では「折り目」と呼ばれる。平坦なリボンを折って、半セルの線形シーケンスに対応する山と谷を有する輪郭成形されたリボンを形成する。リボンがセルを形成するような角度にリボンを折る必要がある。
【0156】
図4Cに示すセル形状に対しては、折る方向は壁の種類、ノード804または非ノード802、周囲の折り目820によって決まる。2つの折り目820がノード壁804を囲む場合、これら両方の折り目では互いに同じ方向に折るべきである。2つの折り目が非ノード壁802を囲む場合、これら両方の折り目では互いに反対方向に折るべきである。このように、一方向に2つの折り目を折り、その次に反対方向に2つの折り目を折る繰り返しのパターンができ、一連の半六角形の半セルが形成される。折る角度は半セルの形で決まる。標準の六角形では、約120度の角度で折る。
【0157】
図10に示すように、カットされ折られたリボン900を互いに結合させて、円筒コアを含む一連の線形六角形セルを形成する。リボンはノード壁804において互いに結合される必要がある。このようなやり方で所望のコアの幾何学的形状に必要な数のリボンが互いに結合されるまでリボンを追加する。
【0158】
リボンが予め折られている場合、円筒コアが完成する。あるいは、リボンが単に予め応力が加えられていた場合、完全な構造をアセンブルすることが所望される時に、リボンを引き離して構造を拡張させリボンを最終的な所望の構造に形成することができる。リボンの拡張したアセンブリを硬化させる、又はそうでなければ固化して適切な幾何学的形状にすることができる。本発明の教示内容を使用して、最小限の成形を必要としながら多様な幾何学的形状の曲線ハニカム・コアを作製することができる。
【0159】
ここで、本発明の態様による航空機を示す
図11を参照する。この実施例において、航空機1100は機体1106に装着された翼1102及び別の翼1104を有する。航空機1100は、翼1102に装着されたエンジン1108と、別の翼1104に装着された別のエンジン1110を含むことができる。
【0160】
機体1106は尾部1112を有することができる。水平スタビライザー1114、別の水平スタビライザー1116、及び垂直スタビライザー1118を機体1106の尾部1112に装着することができる。機体1106は、機体1106の円筒形1119を形成する円筒形を有する複合構造からなるものであってよい。機体1106の露出部分1120には、この複合構造が取り除かれた外板(図示せず)が見られる。ハニカム構造1122はこの露出部分1120の中に見られる。ハニカム構造1122とは、機体1106を形成している複合構造のコアである。
【0161】
加えて、機体1106に装着されたフェアリング1130の露出部分1124には、この複合構造が取り除かれた外板(図示せず)が見られる。この露出部分1124の中にハニカム構造1126が見られる。ハニカム構造1126とは、フェアリング1130を形成し、円錐形1128を有する複合構造のコアである。
【0162】
機体1106の機首部分1138の露出部分1132には、この複合構造が取り除かれた外板(図示せず)が見られる。この露出部分1132の中にハニカム構造1134が見られる。ハニカム構造1134とは、機首部分1138を形成し、円錐形1136を有する複合構造のコアである。
【0163】
さらに、翼1104の露出部分1140には、この複合構造が取り除かれた外板(図示せず)が見られる。この露出部分1140の中にハニカム構造1142が見られる。ハニカム構造1142とは、翼1104を形成し、曲線形1144を有する複合構造のコアである。
【0164】
さらに、機体1106の翼1102の露出部分1146には、この複合構造が取り除かれた外板(図示せず)が見られる。この露出部分1146の中にハニカム構造1148が見られる。ハニカム構造1148とは、翼1102を形成し、曲線形1150を有する複合構造のコアである。
【0165】
またさらに、機体1106の尾部1112の露出部分1152には、この複合構造が取り除かれた外板(図示せず)が見られる。この露出部分1152の中にハニカム構造1154が見られる。ハニカム構造1154とは、尾部1112を形成し、円錐形1156を有する複合構造のコアである。
【0166】
機体1106の垂直スタビライザー1118の露出部分1158には、この複合構造が取り除かれた外板(図示せず)が見られる。この露出部分1158の中にハニカム構造1160が見られる。ハニカム構造1160とは、垂直スタビライザー1118を形成し、曲線形1162を有する複合構造のコアである。
【0167】
加えて、エンジン1110のナセル1166の露出部分1164には、この複合構造が取り除かれた外板(図示せず)が見られる。この露出部分1164の中にハニカム構造1168が見られる。ハニカム構造1168とは、ナセル1166を形成し、曲線形1170を有する複合構造のコアである。
【0168】
この実施例において、ハニカム構造1122、1126、1134、1142、1154、及び1160は、
図1に示すハニカム構造110の実行形態の一例であり得る。図示したように、ハニカム構造を様々な異なる方法で使用して、異なる種類の曲線形を有する様々な異なる構造を形成することができる。
【0169】
ここで、本発明の態様による
図11のハニカム構造1122の上面図である
図12を参照する。図示したように、ハニカム構造1122はセル列1202に組織化されたセル1200からなるものである。
【0170】
セル1200を含むセル列1202は、
図1のセル112を含むセル列113のある実行形態の一例であってよい。図示したように、セル列1202は軸1204に対して平行に位置調整される。この実施例では、ハニカム構造1122は曲線形1206を有する。曲線形1206は、軸1204周囲で湾曲しうる。
【0171】
ここで、本発明の態様による
図12のセル列1202のうちの一セル列の一部の上面図である
図13に注目する。この実施例において、セル列1300の一部を示す。セル列1300は、
図12のセル列1202のうちの一つであってよい。
【0172】
この実施例では、セル列1300は互いに結合された第1リボン1302と第2リボン1304によって形成される。第1リボン1302と第2リボン1304はそれぞれ、折られた状態1306及び対応する折られた状態1308にあってよい。第1リボン1302と第2リボン1304を互いに結合させて、セル列1300のセル1303及び1305を形成することができる。
【0173】
図示したように、第1リボン1302はノード区分1310、1312、1314、1316、及び1318と、非ノード区分1320、1322、1324、及び1326を含む。第2リボン1304はノード区分1328、1330、1332、1334、及び1336と、非ノード区分1338、1340、1342、及び1344を含むことができる。第1リボン1302のノード区分1310、1314、及び1318と、第2リボン1304のノード区分1328、1332、及び1336は、例えば非限定的に、溶接、ろう接、半田付け、同時硬化、同時結合、接着結合、及び/又はその他何らかの種類の接合技術を使用して互いに結合させ、
図13に示すセル列1300の一部を形成することができる。
【0174】
この実施例では、セル1303及び1305は六角形の形をしている。しかしながら、その他の実施例では、ハニカム構造のセルはその他の種類の形であってよい。六角形以外の形のセルを有するセル列の図を下記の
図14〜16に示す。
【0175】
ここで、本発明の態様によるセル列の一部の上面図である
図14に注目する。セル列1400の一部を
図14に示す。セル列1400はセル1403及び1405を含むことができる。セル1403及び1405はこの実施例において砂時計タイプの形であってよい。
【0176】
図示したように、セル列1400は第1リボン1402及び第2リボン1404で形成することができる。第1リボン1402はノード区分1406及び非ノード区分1408を含むことができる。ノード区分1406及び非ノード区分1408は第1リボン1402に沿って交互に並んでいてよい。第2リボン1404はノード区分1410及び非ノード区分1412を含むことができる。ノード区分1410と非ノード区分1412は第2リボン1404に沿って交互に並んでいてよい。
【0177】
ここで、本発明の態様によるセル列の一部の上面図である
図15に注目する。セル列1500の一部を
図15に示す。セル列1500はセル1503及び1505を含むことができる。これらのセル1503及び1505はこの実施例において長方形であってよい。
【0178】
図示したように、セル列1500は第1リボン1502及び第2リボン1504で形成することができる。第1リボン1502はノード区分1506と非ノード区分1508を含むことができる。ノード区分1506と非ノード区分1508は第1リボン1502に沿って交互に並んでいてよい。第2リボン1504はノード区分1510及び非ノード区分1512を含むことができる。ノード区分1510及び非ノード区分1512は第2リボン1504に沿って交互に並んでいてよい。
【0179】
ここで、本発明の態様によるセル列の一部の上面図である
図16に注目する。セル列1600の一部を
図16に示す。セル列1600はセル1603及び1605を含むことができる。これらのセル1603及び1605はこの実施例においてクルミタイプの形であってよい。
【0180】
図示したように、セル列1600は第1リボン1602及び第2リボン1604で形成することができる。第1リボン1602はノード区分1606と非ノード区分1608を含むことができる。ノード区分1606及び非ノード区分1608は第1リボン1602に沿って交互に並んでいてよい。第2リボン1604はノード区分1610及び非ノード区分1612を含むことができる。ノード区分1610及び非ノード区分1612は第2リボン1604に沿って交互に並んでいてよい。
【0181】
図2〜16に示す図は物理的又はアーキテクチャ的な限定であることを暗示するものではなく、図示した実施形態が実行可能である。図示されたコンポーネントに加えて又は代えて、他のコンポーネントを使用することができる。幾つかのコンポーネントは不必要になることもある。
【0182】
図2〜16に示す異なるコンポーネントは、
図1のブロック図の形態で示すコンポーネントを物理的な構造として実装できるかを示す実施例であってよい。さらに、
図2〜16に示すコンポーネントのいくつかを、
図1に示すコンポーネントと組み合わせる、または
図1に示すコンポーネントとともに使用する、あるいはこの両方が可能である。
【0183】
ここで、本発明の態様に従って、個別の複合リボンでできた例示的なハニカム構造の概略図である
図17を参照する。
図17に、ハニカム構造1700の概略図を示すが、ハニカム構造1700の厚さは明確化のために省略する。具体的には、ハニカム構造1700の外表面の形1701を
図17に示す。
【0184】
ハニカム構造1700は概略的な表現形式で示す個別のリボン1702で形成されている。リボン1702は互いに対して平行になるように位置調整されている。リボン1702はノード区分において互いに結合されていてよいが、
図17にはリボン1702の個別の性質をさらに明確に示すための詳細は示していない。
【0185】
ここで、例示的な実施形態による単一の連続リボンでできたハニカム構造の概略図である
図18に注目する。この実施例において、ハニカム構造1800の概略図を示すが、ハニカム構造1800の厚さは明確化のために省略する。具体的には、
図18にハニカム構造1800の外表面の形1801を示す。
【0186】
ハニカム構造1800は、概略的な表現形式で示す単一の連続リボン1802で形成されている。このリボン1802は、リボン1802の異なる部分が互いに対して平行になるよう位置調整されるように、何度も巻きつける(すなわち方向を変えるまたはジグザグにする)ことができる。
【0187】
これらリボン1802の異なる部分は、リボン1802のノード区分において互いに結合されていてよいが、
図18にはリボン1802の連続的な性質をさらに明確に示すための詳細は示していない。当業者は、個別/連続リボンのアーキテクチャの混合物を用いることができ、各々が方向の変化またはジグザグのうちの少なくとも1つを有する複数の連続リボンを使用して例示的なハニカム構造を形成することができることを理解するだろう。
【0188】
ここで、本発明の態様によるハニカム構造の可能な形状の表を示す
図19に注目する。
図19では、一組の形状1902を図示する表1900を示す。この一組の形状1902の各形状は三次元形状である。このように、この一組の形状1902の任意の形状を使用して、
図1に示す所望の三次元形状114を実行することができる。
【0189】
この一組の形状1902は、第1形状1904、第2形状1906、第3形状1908、第4形状1910、第5形状1912、第6形状1914、第7形状1916、第8形状1918、第9形状1920、第10形状1922、第11形状1923、第12形状1925、第13形状1927、第14形状1929、第15形状1931、及び第16形状1933を含む。これらの各形状は2つの表面形状でできていてよい。
【0190】
図示したように、第1形状1904は第1表面形状1924と第2表面形状1926でできた円筒管の形状である。第2形状1906は、第1表面形状1928と第2表面形状1930でできた円筒管の形状である。第3形状1908は、第1表面形状1932と第2表面形状1934でできた円筒管の形状である。
【0191】
第4形状1910は、第1表面形状1936と第2表面形状1938でできたボトルタイプの形状である。第5形状1912は、第1表面形状1940と第2表面形状1942でできた上面がドーム状の形状である。
【0192】
第6形状1914は、第1表面形状1944と第2表面形状1946でできた規格外の円筒管の形状である。第7形状1916は、第1表面形状1948と第2表面形状1950でできた八角形のプリズムタイプの形状である。第8形状1918は、第1表面形状1952と第2表面形状1954でできた規格外の円筒管の形状である。第9形状1920は、第1表面形状1956と第2表面形状1958でできた別の規格外の円筒管の形状である。第10形状1922は、第1表面形状1960と第2表面形状1962でできた変形円筒管の形状である。
【0193】
第11形状1923は、第1表面形状1964と第2表面形状1966でできた曲線形状である。第12形状1925は、第1表面形状1968と第2表面形状1970でできた曲線形状である。第13形状1927は、第1表面形状1972と第2表面形状1974でできた別の曲線形状である。第14形状1929は、第1表面形状1976と第2表面形状1978でできた規格外の曲線からなる形状である。
【0194】
第15形状1931は、第1表面形状1980と第2表面形状1982でできた曲線部分及び平坦部分からなる形状である。第16形状1933は、第1表面形状1984と第2表面形状1986でできた曲線部分及び平坦部分からなる形状である。
【0195】
上述した各第1表面形状及び各第2表面形状は、
図1に示す第1表面形状120と第2表面形状122それぞれの実行形態の例であってよい。このように、
図1のハニカム構造110は複数の異なる方法で形成することができる。当業者は、上述した形状が単なる例であり、ハニカム構造の形状が本明細書で具体的に記載していない任意のその他の形状及び/又は上記の形状との組み合わせであってもよいことを理解するだろう。
【0196】
図1に示す各リボン126は、リボンが折られた状態にある時に、リボンの第1端部と第2端部が一組の形状1902から選択された所望の三次元形状のそれぞれ第1表面形状及び第2表面形状と実質的に一致するように形成可能である。所望の三次元形状によって、各リボン126は折られた時に、その他のリボンと比較して同じまたは異なる形状を有することができる。
【0197】
ここで、本発明の態様によるハニカム構造を形成するプロセスをフロー図の形態で示す
図20に注目する。
図20に示すプロセスを、例えば非限定的に、
図1のハニカム構造110を形成するために実行することができる。
【0198】
このプロセスは、一組の形状からハニカム構造の所望の三次元形状を選択することによって開始することができる(作業2000)。所望の三次元形状は第1表面形状及び第2表面形状を含むことができる。
【0199】
このプロセスは次に、所望の三次元形状に基づいてハニカム構造を作製するのに使用する複数のリボンを形成する(作業2002)。その後、各リボンを各リボン上の事前設定された折り目に沿って折り、各リボンの折られていない状態を折られた状態に変化させる(作業2004)。
【0200】
次に、リボンを折られた状態の各リボンとともに結合させて所望の三次元形状を有するハニカム構造を形成し(作業2006)、その後プロセスは終了する。具体的には、ハニカム構造の第1表面の少なくとも1つの部分は、ハニカム構造の第2表面の少なくとも1つの部分に対して平行でなくてよい。
【0201】
ここで、本発明の態様によるハニカム構造を作製するのに使用するリボンを形成するプロセスをフロー図の形態で示す
図21に注目する。
図21に示すプロセスは、
図20の作業2002を実行するのに使用可能である。
【0202】
このプロセスは、加工するリボンを選択することによって開始する(作業2100)。選択されたリボンの第1端部及び第2端部を次に、第1端部の少なくとも一部が第2端部の少なくとも一部に対して平行にならないように加工する(作業2102)。その後、プロセスではさらに追加のリボンを加工する必要があるか否かを判定する(作業2104)。一以上の追加のリボンをさらに加工する必要がある場合、このプロセスは上述の作業2100に戻る。そうでない場合、プロセスは終了する。
【0203】
図示した異なる実施形態でのフロー図及びブロック図は、実例となる実施形態で実装可能な装置及び方法の構造、機能、及び作業を示している。その際、フロー図又はブロック図の各ブロックは、作業又はステップのモジュール、セグメント、機能及び/又は部分を表わすことができる。
【0204】
いくつかの実例となる実施形態の代替的な実装では、ブロックに記載された機能又は機能群は、図の中に記載の順序を逸脱して現れることがある。例えば、場合によっては、連続して示されている二つのブロックがほぼ同時に実行されること、又は時には含まれる機能によってはブロックが逆順に実施されることもありうる。また、フローチャート又はブロック図に描かれているブロックに加えて他のブロックが追加されることもありうる。
【0205】
したがって、実例となる異なる実施形態は、第1表面の少なくとも一部が第2表面の少なくとも一部に対して平行ではない第1表面及び第2表面を有するハニカム構造を形成する方法及び装置を提供する。ある実例となる実施形態では、ハニカム構造は第1表面、第2表面、少なくとも1つのリボン、及び複数のセルを含む。少なくとも1つのリボンは第1端部及び第2端部を含む。少なくとも1つのリボンが折られた状態にある時、第1端部は第1表面の少なくとも一部を形成する。少なくとも1つのリボンが折られた状態にある時、第2端部は第2表面の少なくとも一部を形成する。少なくとも1つのリボンが折られていない状態にある時、第1端部の少なくとも一部は第2端部の少なくとも一部に対して平行ではない。複数のセルは少なくとも1つのリボンで少なくとも部分的に形成される。
【0206】
本発明を様々な実施形態を参照しながら説明してきたが、当然ながら当業者には本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を加えることが可能であり、またその要素を同等物に置換することが可能であることが理解されるであろう。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、本発明の教示に多数の修正を加えて特定の状況を適用することが可能である。したがって本発明は、本発明の方法を実施するために考えられる本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、添付の請求項の範囲内に収まるすべての実施形態を含むものである。