(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る樹木粉砕機の送りローラーは、投入口から投入される樹木等の被粉砕物を、粉砕ローターを備えた粉砕室に導入するものであり、樹木粉砕機の本体部に回転自在に軸支される回転軸と、該回転軸の両端部付近に同心状に設けられた2つのフランジと、回転軸から半径方向外側に向けて延出するように、2つのフランジの間に架設された略平板形状の取付板部と、を備える送りローラー本体部と、送りローラー本体部の取付板部に、フランジ外周端部よりも半径方向外側に向けて突出した状態で着脱自在に取り付けられる送り歯と、を有する。
以下、本発明の実施形態に係る樹木粉砕機の送りローラーを図面を参照しながら説明する。
【0010】
<全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る樹木粉砕機100の一例を示す図であり、詳細には、
図1(a)は樹木粉砕機100の上面図、
図1(b)は樹木粉砕機100の側面図である。
図2は樹木粉砕機100の粉砕処理時の動作の一例を示す図である。
図3は樹木粉砕機100の一例を示す図であり、詳細には、上部カバーを開状態とした樹木粉砕機100の側面図である。尚、
図3では安全カバー等を図示していない。
【0011】
本発明の実施形態に係る樹木粉砕機100は、動力源となるエンジンを搭載し、このエンジンの動力を利用して、例えば樹木、詳細には、伐採された樹木や剪定された木の枝などの被粉砕物9を粉砕する粉砕処理、粉砕されたチップの投射、高い位置からチップをチップ収納用袋に詰める処理、自走による移動、などを行う。
この樹木粉砕機100は、例えば、外部装置からの動力入力、集塵装置など別体の補助機器の装着などを原則として必要せずに、上記処理などを行うことができる構成となっている。
【0012】
本発明の実施形態に係る樹木粉砕機100は、動力源110と、操作部120と、走行部130と、作業部140と、などを有する。
【0013】
<動力源110>
動力源110としては内燃機関や電気モータなどを採用することができる。本実施形態では、樹木粉砕機100は、動力源110として、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関であるエンジンを搭載している。
【0014】
<操作部120>
操作部120は、走行時に用いられる走行レバー類、粉砕処理時に用いられる粉砕レバー類、エンジン始動スイッチなどの操作スイッチ類、把持部、などを有する。
【0015】
<走行部130>
走行部130は、樹木粉砕機100の本体部17の下部に設けられ、動力源110としてのエンジンの動力により走行可能に構成されている。つまり、本実施形態では樹木粉砕機100は自走式となっている。走行部130は、詳細には、コンベアや車輪などを有する。走行部130は、操作部120の操作に応じて、動力源としてのエンジンからの動力により変速機(不図示)などを介してコンベアや車輪などを所定方向に回転駆動することで、樹木粉砕機100の本体部17を移動させる。
【0016】
<作業部140>
作業部140は、樹木や木材などの被粉砕物9の粉砕処理や、粉砕されたチップの投射処理、高い位置からチップの袋詰め処理、などを行う。
以下、作業部140の各構成要素について説明する。
【0017】
樹木粉砕機100の本体部17には、エンジンにより駆動されて高速回転するローター軸22に、所要間隔で取り付けられた所要枚数のディスク(粉砕歯)からなる粉砕部としての粉砕ローター1が収容され、その外周には、刃線が回転軸に本質的に平行になる位置関係で固定された所要枚数の回転刃3、または、個別に回転する軸を持ち粉砕材料を叩き砕くハンマー(不図示)が所要個数取り付けられている。
粉砕ローター1が回転すると、回転刃3またはハンマー(不図示)の刃先の回転軌跡は回転軸に対して平行な円筒形状となる。
また、本体部17には、運転中の回転刃3により形成される円筒形状の軌跡に対して適切な位置関係(回転刃3と固定刃12との協働により被粉砕物9が高効率でチップとなる位置関係)となるように固定刃12が取付けられている。
【0018】
本体部17の後部には、伐採した木材や剪定した枝葉などの被粉砕物9を投入する漏斗状の供給口である投入口8aとしてのホッパー、または、供給シュート8が設けてあり、その奥には扇運動するアームとバネで下方向に付勢され、被粉砕物9を所要の力で下方向に押さえ保持しながら粉砕ローター1に押し付ける方向、または、その逆方向に任意に切り替えて回転駆動される送りローラー2が設けられている。
【0019】
供給シュート8の投入口8aから投入された被粉砕物9は、送りローラー2と本体部17に設けられた平面部23とに挟まれて保持され、送りローラー2の回転により所要の速度で粉砕ローター1に押し付けられる。
【0020】
被粉砕物9は、高速回転する粉砕ローター1に取り付けられた回転刃3(粉砕歯)、または、ハンマー(不図示)により所要量ずつ削られ、または、砕かれ、砕片化したチップとなって本体部17の粉砕ローター1を収容する空間である粉砕室(ローター室30と呼ぶ)に入る。
この際、軟質または繊維質の強い被粉砕物等に対しては、回転刃3と固定刃12がハサミのように作用して、効率的に被粉砕物9を切断または細分化する。
【0021】
ローター室30の下前方には、所要の形状・大きさ・個数の穴が設けられた網目状の部品であるスクリーン4が、工具等を必要としない簡便な操作により交換可能な構造で取付けられている。
【0022】
ローター室30に入ったチップのうち、スクリーン4の網目を通り抜けられない大きさのものは、ローター室30のなかで高速回転する回転刃3、または、ハンマーによる再度の細分化、または、平面で構成されたローター室内壁に高速で叩きつけられることで細分化を繰り返し、スクリーン4の網目を通過できる大きさまで揃えられ、本体部17内の前下部へ落下する。
【0023】
所望するチップ粒度が得られる形状・大きさ・個数の穴を設けたスクリーン4に交換することで、チップの利用目的に合せた任意の粒度の粉砕チップが得られる。
【0024】
本体部17前下部へ落下したチップは、連続して設けられたブロアケーシング10内に落下する、または、高速回転するブロア羽5により作られる負圧によってブロアケーシング10内に引きこまれる。
【0025】
ブロアケーシング10に入ったチップは、高速回転するブロア羽に接触し叩かれることで繊維化した部分がほぐされる等して、さらに細分化がなされる。
【0026】
その後、チップは、高速回転するブロア羽5により直接跳ね上げられ、または、ブロア羽5が作り出すエアフローにのって、ブロアケーシング10に連続して上方向に延びる排出筒部6内を上方向に移動する。
【0027】
直上に向いている排出筒部6の先端部は、適切な円弧形状を描いて横方向に屈曲している。
排出筒部6を通過したチップは、高速回転するブロア羽5の作り出したエアフローにのって排出口7から勢いよく排出される。
排出筒部6の屈曲部は、水平方向に360°回転自在に構成されており、任意の方向に回転させたのち、取手付きのネジなどで固定することで排出方向を自由に決めることができる。
排出口7の上部には、上下に扇動し任意の位置で固定できるヒサシ状のガイドカバー11が設けられている。ガイドカバー11を上下に操作することで、チップ排出方向の上下角度を調整しチップを落下させる位置を設定できる。
【0028】
このため、作業者は、被粉砕物9を投入する作業と同時進行で、樹木粉砕機周囲全方位のブロア出力の可能な限りの遠距離や任意の距離に粉砕後のチップを投射集積させる、トラック荷台等へ直接積み込む、などの作業を行うことができる。つまり、作業者は、本体部直前方に堆積した処理後のチップを改めて手作業で移動させる、袋詰め等する、本体部を移動させる、などの労力を必要としない。
【0029】
また、本実施形態に係る樹木粉砕機100は、ガイドカバー11の排出口7に集塵袋を着脱可能に備えてもよい。
詳細には、作業者は、ガイドカバー11の取付けネジ部を利用するなどして、排出口7に集塵袋等を取付け、被粉砕物9を投入する作業のみを行いながら同時に、排出されたチップの袋詰めを行うなど、効率的かつ負担の少ない作業を行うことができる。
【0030】
樹木粉砕機100は、
図3に示したように、ノブ付固定ネジ13を手などでゆるめ、本体部17とヒンジを介して合致し、ローター室30を形成している上部カバー14を上方に開くように構成されている。
この状態で粉砕ローター1およびローター室30内壁が大きく露出するので、作業後の清掃、回転刃3やハンマーの点検、交換作業などを容易に行うことができる。
【0031】
また、送りローラー2付近などに被粉砕物9が詰まるなどして停滞した場合、それらの除去作業を容易に行うことができる。
【0032】
送りローラー2への駆動力は、動力源110としてのエンジンからVベルト(不図示)粉砕ローター1のローター軸22、ローター軸22に設けられたプーリー20、Vベルト、送りローラー2に設けられたプーリーなどを介して伝達される。
【0033】
<送りローラー2>
図4は本実施形態に係る樹木粉砕機100の送りローラー2の一例を示す斜視図である。
図5は
図4に示した樹木粉砕機100の送りローラー2の着脱自在な送り羽としての送り歯211の一例を示す図である。
【0034】
本実施形態に係る樹木粉砕機100は、伐採した樹木や剪定枝、刈り取った草などの被粉砕物9を、被粉砕物9の太さや性質(例えば硬度)等にかかわらず、粉砕部である粉砕ローター1への取り込みや送りこみを良好に行うことができる送りローラー2を有する。
【0035】
送りローラー2は、送りローラー本体部200(ローラ本体部)と、送り羽としての複数の送り歯211と、などを有する。この送りローラー2は、複数の送り歯211が、固定部材としてのボルト213やナット218、ワッシャー217などにより、送りローラー本体部200に着脱自在に取り付けられた構造を有する。
つまり、ボルト213やナット218を取り外すことで、送りローラー本体部200から送り歯211を脱着することができる。
【0036】
送り歯211は、
図4、
図5に示したように、被粉砕物9に接触して作用する長手面の一方がノコギリ状の山谷歯214になっており、その対面側はナイフ状の直線歯である平歯216になっている。
送りローラー2は、送り歯211を山谷歯214と平歯216とが逆となるように反転させて、送りローラー本体部200に取付けることができるように構成されており、山谷歯214と平歯216のどちらでも、送り歯として使用することができる。
尚、本実施形態に係る送りローラー2は、
図4、
図5に示したように、4つの送り歯211が送りローラー本体部200に装着されているが、この形態に限られるものではない。
例えば、送りローラー2は、被粉砕物9の種類や使用者(ユーザ)による作業形態などに応じて、1枚や複数枚などの所要枚数の送り歯211を送りローラー本体部200に装着できるように構成されていてもよい。
【0037】
以下、送りローラー2の各構成要素について詳細に説明する。
送りローラー2は、上述したように、送りローラー本体部200と、送り歯としての複数の送り歯211と、固定部材と、などを有する。
【0038】
<送りローラー本体部200>
送りローラー本体部200は、
図4、
図5に示したように、回転軸201と、フランジ202と、取付板部203と、補強部としてのリブ204と、などを有する。
【0039】
回転軸201は、樹木粉砕機100の本体部17に回転自在に軸支される。回転軸201の一方の端部にはプーリー(不図示)が設けられ、このプーリーと粉砕ローター1に設けられたプーリーとの間にベルトが巻き掛けられる。
【0040】
フランジ202は、本実施形態では、2つのフランジ202a、200bを有する。このフランジ202a、202bは、円板形状に形成されており、それぞれ回転軸201の両端部付近に、所定間隔をあけて、回転軸201と同心状に設けられている。
【0041】
取付板部203は、略平板形状に形成されており、回転軸201から半径方向外側に向けて延出するように、フランジ202aとフランジ202bとの間に架設されている。
また、取付板部203は、回転軸201の外周に対して規定距離の隙間219をあけて、フランジ202aとフランジ202bとの間に架設されている。
このように、送りローラー2は、取付板部203の内周側端部と回転軸201の外周との間に隙間219を備えており、送り歯211により掻き上げられた被粉砕物9の砕片などが隙間219を通って下に落ちるので、被粉砕物9の砕片などが送りローラー2に溜まることを防止することができる。
【0042】
また、取付板部203には、固定部材としてのボルト213が貫通する複数の孔部203aが軸方向に沿って規定間隔に設けられている。
この取付板部203の孔部203aは、送り歯211に形成された取付用孔である孔211aに対応する位置に形成されている。
【0043】
また、本実施形態では、送り歯211が取り付けられる面の反対側の面には、孔部203aに対応する位置にナット218が溶接などにより固定されている。こうすることで、例えば、メンテナンス時に作業現場などでナット218が紛失することを防止することができる。また、ボルト213や送り歯211などを容易に着脱することができる。
【0044】
本実施形態では、フランジ202aとフランジ202bとの間に、4つの矩形平板状の取付板部203が、回転軸201の回転中心から半径方向外側に向けて延出するように設けられている。詳細には、4つの取付板部203が回転軸201を中心として、半径方向に延びる十字状に配置されている。
【0045】
リブ204は、取付板部203を補強して、取付板部203を高い強度にするために設けられている。リブ204は、回転軸201の外周から取付板部203に延びた形状に形成され、取付板部203の一方の側面に溶接などにより接続固定されている。
詳細には、リブ204は、回転軸201の外周から取付板部203の一方の側面の内周側端部から外周側端部まで延びた形状に形成され、取付板部203の一方の側面に溶接などにより接続固定されている。取付板部203の他方の面には、送り歯211が当接した状態で取り付けられる。
【0046】
また、送りローラー2は、複数のリブ204、本実施形態では4つのリブ204を、回転軸201の軸方向に規定の間隔で複数設けた構造を有する。
また、
図4、
図5に示したように、複数の腕部を有するリブ204が、その腕部と腕部の根元部分にて取付板部203を支持しているので、取付板部203への半径方向に沿った力や周方向に沿った力に対しても、取付板部203に高い強度をもたせることができる。
【0047】
<送り羽(送り歯211)>
送り歯211は、
図4、
図5に示したように、被粉砕物9に接触して作用する長手面の一方にノコギリ状の山谷歯214が形成され、その対面側の他方の長手面にはナイフ状の平歯216が形成されている。
本実施形態に係る送り歯211は、反転して取り付け可能に構成されており、山谷歯214と平歯216のどちらでも使用することができる。
送り歯211は、送りローラー本体部200の取付板部203に、フランジ202a、202bの外周端部よりも半径方向外側に向けて突出した状態で着脱自在に取り付けられる。
【0048】
また、山谷歯(のこぎり歯)214は、複数の山部214aと谷部214bを有する。本実施形態では、取付板部203の外側端部の位置に、山谷歯214の谷部214bが位置し、且つ、取付板部203の外側端部よりも径方向外側に所定距離だけ突出するように山谷歯214の山部214aが位置するように構成されている。
【0049】
また、送りローラー2は、山谷歯214または平歯216が外周側となるように、送り歯211を逆にして取付板部203に取り付けた場合であっても、隙間219を覆うことがないように、取付板部203や送り歯211の形状、ボルト213などの固定部材が挿入される各孔211a、203aなどが構成されている。
【0050】
図4に示した例は、送りローラー2の全ての送り歯211の山谷歯214を外周側に配置した状態であり、比較的太い木材等の被粉砕物9が供給された場合であっても、山谷歯214の鋭利な山部214aの先端が被粉砕物9の表面に食い込むことで、被粉砕物9を非常に良好に保持して、送り出すことができる。
【0051】
図6は、本発明の実施形態に係る樹木粉砕機100の送りローラー2の一例を示す斜視図であり、全ての送り歯211の平歯216(直線歯)を外周側に配置した状態の送りローラー2の斜視図である。
ナイフ状にとがった直線歯としての平歯216(平刃)は、例えば山谷歯214の谷部214bに入り込んで保持し難い細い剪定枝などの被粉砕物9を良好に保持して、粉砕部へ送りこみを行うことができる。
また、
図6に示したように、平歯216を外周側となるように配置した場合、草や藁など軟質、繊維質の被粉砕物9が、送りローラー2に絡まることをある程度抑制することができる。
【0052】
図7は、本発明の実施形態に係る樹木粉砕機100の送りローラー2の一例を示す図であり、詳細には、平歯216と山谷歯214とを交互に配置した状態の送りローラー2の斜視図である。具体的には、
図7に示したように、送り歯211の山谷歯214と直線歯である平歯216とが交互に被粉砕物9に接触するように取り付けている。
こうすることで、比較的太い樹木等の被粉砕物9には、山谷歯214が食い込み保持し、細い剪定枝などの被粉砕物9には、直線歯としての平歯216が良好に保持して、粉砕部に送りこみを行うことができる。
この図では送り羽の数は4枚であるが、使用者が粉砕しようとする被粉砕物9の種類や作業形態等に応じて所要枚数の送り歯211を装着できるよう機種により設定するものであり、この限りではない。
【0053】
例えば、送りローラーの外周形状が、製造時点で溶接等により固定された比較例に係る樹木粉砕機では、使用目的に合わせて、別部品の送りローラーを購入して取付けることを要する。この比較例に係る樹木粉砕機では、この送りローラーの長時間の使用で、送りローラーの歯先部分の摩耗により、送りローラーの性能が低下した場合など、送りローラー全体を交換することを要し、コスト面で負担が大きい。
【0054】
本発明に係る樹木粉砕機100の送りローラー2は、使用者が目的に合せて自由に歯先形状を選び、あるいは、組み合わせて使用できる。
また、この樹木粉砕機100の送りローラー2は、長時間の使用で歯先の摩耗により、送りローラー2の性能が低下した場合、送り羽である送り歯211のみを交換可能となっている。このため、作業効率の向上、使用目的の多角化、ランニングコストの低減などに効果がある。
【0055】
また、上述した実施形態では、送り歯211は、円形の孔211aを有し、その孔211aにボルト213などの固定部材を挿入して取り付けた形態であったが、この形態に限られるものではない。
例えば、送り歯211は、取付用の長孔形状の孔211aを有していてもよい。この長孔は、矩形状の送り歯211の長手方向に直交する方向に沿って形成する。こうすることで、送り歯211の刃先の位置を容易に調整することができ、ボルト213などの固定部材により、送り歯211と取付板部203とを容易に強固に固定することができる。
つまり、この送りローラー2は、回転軸201の回転中心から送り歯211の外周側の刃先までの距離を調節自在に構成されている。
【0056】
尚、上記実施形態では、取付板部203毎に1つの送り歯211が取り付けられていたが、この形態に限られるものではない。例えば、取付板部203毎に、上記送り歯211の約半分の長さの送り刃を、二つ並べて取付板部203に取り付けてもよい。
【0057】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る樹木粉砕機100の送りローラーは、投入口から投入される樹木等の被粉砕物9を、粉砕ローター1を備えた粉砕室であるローター室30に導入するものである。この樹木粉砕機100は送りローラー2を有する。
送りローラー2は、送りローラー本体部200と、送り歯211と、を有する。
送りローラー本体部200は、樹木粉砕機100の本体部17に回転自在に軸支される回転軸201と、その回転軸201の両端部付近に同心状に設けられた2つのフランジ202a、202bと、回転軸201から半径方向外側に向けて延出するように、フランジ202a、202bの間に架設された略平板形状の取付板部203と、を有する。送り羽としての送り歯211は、送りローラー本体部200の取付板部203に、フランジ202a、202bの外周端部よりも半径方向外側に向けて突出した状態で着脱自在に取り付けられる。
このため、被粉砕物9の種類や作業内容に応じて、所望の送り羽としての送り歯211を、送りローラー本体部200に取り付けた送りローラー2を用いることで、伐採した樹木や剪定枝、刈り取った草など、被粉砕物9の太さや性質等にかかわらず、粉砕部への取り込みや送りこみを良好に行うことができる樹木粉砕機100の送りローラー2を提供することができる。また、上記送りローラー2を備えた樹木粉砕機100を提供することができる。
【0058】
また、本発明の実施形態に係る樹木粉砕機100の送りローラー2は、
図4、
図5に示したように、送り歯211が、送りローラー本体部200の取付板部203に当接する当接面を備えた平板状の送り歯本体部211bと、送り歯本体部211bの一方の端部に形成された山谷歯214と、他方の端部に形成された平歯216と、を有する。また、この送りローラー2は、この送り歯211の山谷歯214または平歯216を、取付板部203の径方向外側の端部から突出した状態でその取付板部203に着脱自在に固定するボルト213やナット218などの固定部を有する。
すなわち、被粉砕物9の種類や作業内容に応じて、送り歯211の山谷歯214または平歯216を、回転軸201の半径方向外周側となるように、取付板部203にボルト213などの固定部材により固定することで、伐採した樹木や剪定枝、刈り取った草など、被粉砕物9の太さや性質等にかかわらず、粉砕部への取り込みや送りこみを良好に行うことができる樹木粉砕機100の送りローラー2を提供することができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0060】
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
投入口から投入される樹木等の被粉砕物を、粉砕ローターを備えた粉砕室に導入する、樹木粉砕機の送りローラーであって、
樹木粉砕機の本体部に回転自在に軸支される回転軸と、該回転軸の両端部付近に同心状に設けられた2つのフランジと、前記回転軸から半径方向外側に向けて延出するように、前記フランジの間に架設された略平板形状の取付板部と、を備える送りローラー本体部と、
前記送りローラー本体部の前記取付板部に、前記フランジ外周端部よりも半径方向外側に向けて突出した状態で着脱自在に取り付けられる送り歯と、
を有することを特徴とする樹木粉砕機の送りローラー。
(付記2)
前記送り歯は、前記取付板部に当接する当接面を備えた平板状の送り歯本体部と、前記送り歯本体部の一方の端部に形成された山谷歯と、他方の端部に形成された平歯と、を有し、
前記送り歯の前記山谷歯または前記平歯を、前記取付板部の径方向外側の端部から突出した状態で該取付板部に着脱自在に固定する固定部材を有することを特徴とする付記1に記載の樹木粉砕機の送りローラー。
(付記3)
前記送りローラーの本体部の前記取付板部は、前記回転軸の外周に対して規定距離の隙間をあけて前記フランジ間に架設され、
前記回転軸の外周から前記取付板部に延びたリブを、前記回転軸の軸方向に規定の間隔で複数設けた構造を有することを特徴とする付記2または付記3に記載の樹木粉砕機の送りローラー。
(付記4)
前記送り歯は、前記山谷歯または前記平歯が前記取付板部と前記回転軸の外周との間の隙間を覆うことなく、前記取付板部に着脱自在に取り付けられる構造を有することを特徴とする付記3に記載の樹木粉砕機の送りローラー。
(付記5)
前記取付板部と前記送り歯は、それぞれに形成された孔部を有し、
固定部材により、前記被取付部と前記送り歯それぞれに形成された孔部を貫通した状態で固定されていることを特徴とする付記1から付記4のいずれかに記載の樹木粉砕機の送りローラー。