(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態の説明を以下に開示する。これらの実施形態の1つまたは複数では、以下の1つまたは複数の要素について次の通り説明する。たとえば、飛行経路記憶メモリは、揮発性(たとえば、RAM)または不揮発性(たとえば、ハードディスク)の両方を含む任意の形態のメモリとすることができる。さらに、飛行経路記憶メモリは、所定の飛行経路全体、または飛行経路の1つもしくは複数の部分を記憶することができる。様々な実施形態では、飛行経路記憶メモリ内に記憶するために、飛行経路データをリアルタイムに航空機へ伝送することができ、その場合、飛行経路記憶メモリは簡単なバッファとすることができる。
【0013】
飛行経路記憶データは、飛行経路に沿った位置に対応する予定対地速度を含むことができる。別法として、予定対地速度は、飛行経路に沿った予定時間および位置に関する飛行経路データから導出することができる。たとえば、予定時間によって要求される位置の変化率は、予定対地速度として計算および使用することができる。
【0014】
位置決定ユニットは、航空機に搭載し、または地上に設置することができる。後者の場合、現在位置は、適当なデータ通信手段を使用して航空機へ伝送されるはずである。
【0015】
位置決定手段は、航空機上に位置するとき、GPS受信機または何らかの他の無線位置決めデバイスを備えることができる。必要な場合、そのようなGPS受信機、またはより好ましくは気圧高度計などの構成要素を使用して、航空機の高度を決定することができる。位置決定手段が地上に位置する実施形態では、位置決定手段はレーダシステムを備えることができる。タイマユニットは、クロック、またはたとえばGPS受信機からの時間信号の受信機とすることができる。処理装置は、汎用コンピュータの構成要素、または専用の表示デバイスの埋込み式構成要素とすることができる。
【0016】
本発明の第1の実施形態では、
図1に示すように、航空機は、ディスプレイ100と、処理装置200と、飛行経路記憶メモリ210と、位置決定ユニット220と、タイマユニット230とを備える。
図2に示すように、ディスプレイ100は、時間偏差110を示すように構成される。ディスプレイ100は、従来は航空機のコックピット内に表示される絶対対気速度などの他のデータをさらに示すこともできる。
【0017】
飛行経路記憶メモリ210は、航空機が進むべき所定の飛行経路に関する飛行経路データを記憶する。そのようなデータは、航空機の飛行管理システムによって生成することができ、または航空機が進んでいる空域を担当する航空交通管制機関によって提供することができる。飛行経路データは、航空機が各位置を通過する予定時間を示す時間予定とともに、航空機が進むべき位置を要求する所定の経路に沿った個別の点を表す。飛行経路データは、対応する緯度値、経度値、高度値、および時間値のリストの形態であることが好ましい。しかし、飛行経路データは、すべての位置に対する予定時間値を指定する必要はなく、したがって任意選択で、時間値のリストはまばらに埋まっていることがある。必要に応じて、処理装置200は、データ点間を補間して中間値を推定し、それによって連続データとしての効果をもたらすことができる。別法として、または追加として、処理装置200は、より精巧なモデルの航空機の挙動を使用して、中間点を予測することができる。
【0018】
位置決定ユニット220は、航空機の位置を3次元で、好ましくは緯度値、経度値、高度値の形態で表す位置データを提供するように構成される。航空機の位置を3次元で決定するのに適した装置は、当技術分野ではよく知られており、慣性航法システム、GPS、レーダ、気圧高度計など、またはこれらの組合せを含む。
【0019】
処理装置200は、位置決定ユニット220から位置データを受け取り、飛行経路記憶メモリ210から飛行経路データを受け取るように構成される。それによって処理装置200は、航空機が所与の時間に所定の飛行経路に沿ってどこに位置するかを決定する(以下に論じる方法では、航空機の位置が所定の飛行経路からそれる場合、経路上の最も近い位置を使用することができる)。
【0020】
タイマユニット230は、現在時間を表す現在時間データを提供するように構成される。タイマユニット230は、クロックを備えることができ、または別法として、外部クロック、たとえばGPS時間と通信することによって時間を決定することができる。
【0021】
処理装置200は、タイマユニット230から現在時間データを受け取るようにさらに構成される。処理装置200は、現在時間データと飛行経路データの予定時間成分とを比較し、それによって時間偏差110を決定する。したがって時間偏差110は、現在時間と、所定の飛行経路に沿った航空機の現在位置に対応する飛行経路データ内に記憶された予定時間との差を表す。
【0022】
ディスプレイ100は、処理装置200によって決定される時間偏差110を表示する。ディスプレイ100は、値を数字として表示すること、および/またはグラフを表示することによって、時間偏差110を表示することができる。グラフとして表示されるとき、時間偏差110は、線形スケール上に、または
図1に示すように、非線形スケール上に表すことができる。非線形スケールは、時間偏差110の大きい値より時間偏差110の小さい値をより正確に表示できることが有利である。
【0023】
飛行中、航空機乗組員は、時間偏差110を監視して、現在位置に対して予定より早いか、それとも予定より遅れているかを確立することができる。したがって航空機乗組員は、時間偏差110を低減させるように航空機の速度に必要な調整を加えることができ、それによって所定の飛行経路をより厳密にたどることができる。理解されるように、このとき航空機乗組員はそれに応じて対気速度に影響を与え、開示のディスプレイを使用して、その結果生じる対地速度の変化を監視することができる。対気速度は、航空機のエンジンによって提供される推力を制御することによって、または航空機の操縦翼面および飛行形態を調整することによって修正することができる。
【0024】
本発明の第2の実施形態では、
図3に示すように、第1の実施形態の構成要素に加えて、航空機は、対地速度決定ユニット240を備える。第1の実施形態のディスプレイにより、航空機乗組員は、時間偏差110を最小にするように航空機の速度を増大または低減させることができ、所定の4次元飛行経路が速度の変動を組み込むとき(たとえば、飛行機が離陸または着陸するとき)、時間偏差110はそれに応じて増大または低減する。航空機乗組員が所定の飛行経路に沿って進行をより厳密に追跡できるように、第2の実施形態のディスプレイはまた、航空機の対地速度と予定対地速度との偏差を表示する。
【0025】
図4に示すように、ディスプレイ300は対地速度偏差320を示し、また任意選択で、時間偏差310、最大許容対地速度偏差322、および最小許容対地速度偏差324の1つまたは複数を示すことができる(対地速度偏差は負の値となる可能性があり、したがって最小対地速度偏差は負の方向に最も大きい許容偏差の大きさに相当することを理解されたい)。さらに表示する任意選択の数量は、現在の対地速度、最大許容対地速度、および最小許容対地速度である。
【0026】
これらの数量のいずれも、線形スケールまたは非線形スケールを使用して表示することができる。実際、
図4に示すように、時間偏差310は非線形スケール上に表示され、対地速度偏差320は線形スケール上に表示される。
【0027】
第1の実施形態で上述した構成要素に加えて、第2の実施形態の飛行経路データは、航空機が所定の飛行経路に沿った各位置を通過する予定対地速度を示す対地速度値を含むことができる。別法として、予定対地速度は、飛行経路データから、たとえば微分によって決定することができる。第2の実施形態の飛行経路データは、対応する緯度値、経度値、高度値、時間値、および対地速度値のリストの形態である。この場合も、飛行経路データは、すべての位置に対して予定対地速度値を指定する必要はなく、したがって対地速度値のリストはまばらに埋まっていることがある。
【0028】
対地速度決定ユニット240は、航空機の対地速度を表す対地速度データを提供するように構成される。別法として、航空機の対地速度は、位置決定ユニット220によって決定される位置およびタイマ230からの時間に基づいて対地位置の変化率を計算することによって、処理装置200によって決定することができる。
【0029】
処理装置200は、対地速度決定ユニット240から対地速度データを受け取り、飛行経路記憶メモリ210から飛行経路データを受け取るように構成される。処理装置200は、対地速度データと飛行経路データの予定対地速度成分(または飛行経路データから決定される予定対地速度)とを比較し、それによって対地速度偏差320を決定する。したがって対地速度偏差320は、現在の対地速度と、処理装置200によって決定される所定の飛行経路に沿った航空機の現在位置に対応する飛行経路データ内に記憶された予定対地速度との差を表す。
【0030】
ディスプレイ100は、処理装置200によって決定される時間偏差110を表示する。ディスプレイ100は、値を数字として表示すること、および/またはグラフを表示することによって、対地速度偏差320を表示することができる。ディスプレイ300は、航空機の現在の対地速度、最大許容対地速度、および最小許容対地速度を示すことが好ましい。
【0031】
飛行中、航空機乗組員は、対地速度偏差320を監視して、正しい4次元位置を維持するには進行が速すぎるか、それとも遅すぎるかを確立することができる。航空機が予定より遅れていることを示す時間偏差310をディスプレイ300が示す場合、航空機乗組員は、航空機が予定速度より速く動いていることを対地速度偏差320が示すように、航空機の推力を増大させることができる。こうして、対地速度偏差320が正になるように推力を増大させることによって、時間偏差310は低減し始める。逆に、対地速度偏差320が負になるように推力を低減させることによって、時間偏差310は増大し始める。言い換えれば、時間偏差110と対地速度偏差320の両方を監視することによって、航空機乗組員は、所定の4次元飛行経路をより厳密にたどるように、航空機の推力、操縦翼面、または飛行形態に必要な調整を加えることができる。
【0032】
上記で説明したように、ディスプレイ300は、最大許容対地速度および最小許容対地速度をさらに表示することができる。そのような一実施形態では、航空機は、対気速度および機首方位を測定する航空機センサ250を備える。対気速度を測定する航空機センサは、ピトー管であることが好ましい。知られている方法を使用して空気密度の変動を補償できるように、温度センサも設けられることが好ましい。したがって本明細書では、測定された対気速度への言及は「真対気速度」を意味することができる。機首方位を測定する航空機センサは、電子コンパス、ジャイロコンパス、またはより複雑な慣性航法システムとすることができる。
【0033】
航空機は、たとえばフラップまたはスラットの動きによって、飛行形態を変動させることができる。各飛行形態に対して、航空機は、航空機が通過している気団に対して航空機が安全に進むことができる最も速い速度を規定する関連最大対気速度を有し、たとえば、速度がこれより速くなると、構造上の損傷を引き起こし、かつ/もしくはバフェティングなどの航空力学上の悪影響を招き、または航空機を効率よく操縦できなくなる可能性がある。本明細書では以下、航空機に対する最大対気速度という語句は、該当する時間において航空機の飛行形態に対応する最大対気速度を意味する。この数量は、風速および風向に応じて、対地速度に対して変動する。安全上の理由のため、適切な安全率だけ最大真対気速度より小さくなるように、最大許容対気速度を規定することが好ましいことが多い。最大許容対地速度322は、航空機の最大許容対気速度を規定するベクトルと風速を規定するベクトルとの和の大きさとして決定することができる。風速および風向は、測定対気速度および機首方位(航空機本体の向き)と測定対地速度および航跡(航空機が動いている方向)とを比較することによって、従来の方法で計算することができる。航跡は、位置決定ユニット220からの位置データを使用して決定することができる。
【0034】
当業者には容易に明らかになるように、風速および風向の決定は、最大許容対地速度の計算において不可欠の中間ステップであるというわけではなく、最大許容対地速度は、対気速度および機首方位、対地速度および航跡、ならびに最大許容対気速度から直接決定することができる。実際、最大許容対地速度は、航空機の最大許容対気速度を規定するベクトルと対地速度を規定するベクトルとの和から対気速度を規定するベクトルを引いた値の大きさとして計算することができる。本発明の好ましい実施形態では、最大許容対地速度がディスプレイ300上に示される。
【0035】
各飛行形態に対して、航空機はまた、航空機が通過している気団に対して航空機を失速させないで安全に操縦できる最も遅い速度を規定する関連最小操縦対気速度を有する。本明細書では以下、航空機に対する最小操縦対気速度という語句は、該当する時間において航空機の飛行形態に対応する最小操縦対気速度を意味する。各飛行形態に対する最小操縦対気速度に関連する対地速度は、風速および風向に応じて変動する。安全上の理由のため、適切な安全率だけ最小操縦真対気速度より高くなるように、最小許容対気速度を規定することが好ましいことが多い。最小許容対地速度は、航空機の最小許容操縦対気速度を規定するベクトルと風速を規定するベクトルとの和の大きさとして決定することができる。
【0036】
上述したように、風速および風向の決定は、最小許容対地速度の計算において不可欠の中間ステップであるというわけではなく、最小許容対地速度は、対気速度および機首方位、対地速度および航跡、ならびに最小許容対気速度から直接決定することができる。たとえば、最小許容対地速度は、航空機の最小許容対気速度を規定するベクトルと対地速度を規定するベクトルとの和から対気速度を規定するベクトルを引いた値の大きさとして計算することができる。本発明の好ましい実施形態では、航空機の現在の飛行形態に対する最小許容対地速度がディスプレイ300上に示される。
【0037】
さらに好ましい実施形態では、最大許容対地速度偏差322および最小許容対地速度偏差324を表示することができる。すなわち、最大許容対地速度および最小許容対地速度の数量を、現在の対地速度に対して相対的な値として表示することができる。それによって対地速度偏差320に対する上限および下限を示すことができる。飛行中、それによって航空機乗組員は、対地速度偏差320と最大許容対地速度偏差322および最小許容対地速度偏差324とを比較して、航空機を安全な限界範囲内で確実に航行させることができる。
【0038】
上記で論じたように、予定対地速度からの偏差を表示することができる。一部の飛行管理システム(または航空交通管制)は、航空機が予定より早い、または予定より遅れているとき、航跡に沿った特定の所望の位置を「捕獲」するために、命令を生成することができる。これらの命令は、所望の対地速度の形態とすることができる。好ましい実施形態では、命令は、航空機が航跡に沿った所望の位置にその位置に対して予定される時間に到達できるようにする所望の対地速度とすることができる。このようにして、飛行管理システム(または航空交通管制)は、所望の期間内に、または航空機が所望の位置に到達する時間までに、予定の航跡に「追い付く」ように、航空機に指示することができる。システムは、現在の対地速度と命令対地速度との偏差を決定して、命令対地速度偏差を計算することができる。好ましい実施形態では、命令対地速度偏差は、現在の対地速度と予定対地速度とを比較することによって計算される対地速度偏差320の代わりに、またはそれに加えて表示することができる。
【0039】
図5は、航空機乗組員に飛行情報を提示する配置を示す。
図5に見られるように、ディスプレイは、
図2および4に示す直線の形状ではなく、円の扇形501として構成される軸上に提示される。扇形501の下には、連続する軸に沿って個別の時間偏差値を図示する区分が設けられる。扇形501の上には、連続する軸に沿って個別の対地速度偏差値を図示する区分が設けられる。
【0040】
時間偏差510および/または対地速度偏差520は、線形スケール上または非線形スケール上に表すことができる。非線形スケールは、時間偏差510および/または対地速度偏差520の大きい値より小さい値をより正確に表示できることが有利である。
図5の好ましい実施形態では、時間偏差510は非線形スケール上に表示され、対地速度偏差520は線形スケール上に表示される。
【0041】
図5に示すように、対地速度偏差520(ならびに任意選択で最大許容対地速度偏差522および最小許容対地速度偏差524)は、表示される時間偏差510の値とともに動くスケール上に示される。言い換えれば、対地速度偏差軸の原点は、時間偏差510を示す矢印に対応する。このようにして、ディスプレイは、対地速度偏差が時間偏差の評価に与える影響を容易に理解できるように、対地速度偏差を表すことができ、左へ延びた場合、時間偏差矢印が左へ動くことを示し、右へ延びた場合、時間偏差矢印が右へ動くことを示す。そのような可動原点表示はまた、
図2および4に示す線形の配置とともに使用することもできる。
【0042】
したがって、飛行情報を提示する配置の好ましい実施形態は、
原点、ならびに原点の両側に延びて時間偏差の正の値および負の値を表す部分を有する時間偏差スケールと、
時間偏差スケールに沿った点を示し、それによって時間偏差値を示す時間偏差インジケータと、
原点、ならびに原点の両側に延びて対地速度偏差の正の値および負の値を表す部分を有する対地速度偏差スケールと、
対地速度偏差スケールに沿った点を示し、それによって対地速度偏差値を示す対地速度偏差インジケータとを備え、
対地速度偏差スケールの原点は、示される時間偏差値とともに変動する。
【0043】
任意選択で、この配置はまた、対地速度偏差スケールに沿った点を示し、それによって対地速度偏差の最大許容値を示す最大許容対地速度偏差インジケータを備えることができる。
【0044】
任意選択で、この配置はまた、対地速度偏差スケールに沿った点を示し、それによって対地速度偏差の最小許容値を示す最小許容対地速度偏差インジケータを備えることができる。
【0045】
さらに好ましい実施形態は、現在の対地速度を示す対地速度インジケータを含むことができる。そのようなインジケータは、別個の対地速度スケールを装備することができ、または、対地速度偏差スケールに沿った位置を示すことができる。これは、適当な単位を表し、したがって対地速度スケールと見なすこともできるためである。
【0046】
任意選択で、この配置はまた、対地速度スケールに沿った点を示し、それによって対地速度の最大許容値を示す最大許容対地速度インジケータを備えることができる。
【0047】
任意選択で、この配置はまた、対地速度スケールに沿った点を示し、それによって対地速度の最小許容値を示す最小許容対地速度インジケータを備えることができる。
【0048】
図および本文では、所定の飛行経路に関して、位置および位置に対応する予定時間を指定する飛行情報を表示する方法が開示され、この方法は、所定の飛行経路に沿った航空機の現在位置を監視するステップと、航空機の現在位置における現在時間を決定するステップと、航空機が現在位置にあるべき予定時間を提供するステップと、現在時間と予定時間との時間偏差110、310を計算するステップと、時間偏差110、310を表示するステップとを含む。一変形形態では、この方法は、現在位置における航空機に対する所望の対地速度を提供するステップを含む。別の変形形態では、この方法は、所望の対地速度が予定対地速度であることを含む。さらに別の変形形態では、この方法は、航空機の現在の対地速度を監視するステップと、現在の対地速度と所望の対地速度との対地速度偏差320を計算するステップと、対地速度偏差320を表示するステップとを含む。さらに別の変形形態では、この方法は、所望の対地速度を表示するステップをさらに含む。
【0049】
一代替形態では、この方法は、航空機の現在の対地速度、現在の対気速度、現在の機首方位、および現在の航跡を監視するステップと、航空機に対する最大航行対気速度を規定するステップと、規定された最大航行速度、現在の対気速度、現在の対地速度、現在の機首方位、および現在の航跡に基づいて最大許容対地速度偏差322を計算するステップと、最大許容対地速度偏差322を表示するステップとをさらに含む。さらに別の代替形態では、この方法は、航空機に対する最小航行対気速度を規定するステップと、規定された最小操縦対気速度、現在の対気速度、現在の対地速度、現在の機首方位、および現在の航跡に基づいて最小許容対地速度偏差324を計算するステップと、最小許容対地速度偏差324を表示するステップとをさらに含む。
【0050】
一態様では、飛行情報を表示するシステムが開示され、このシステムは、所定の飛行経路に関して、飛行経路に沿った位置およびその位置に対応する予定時間を指定するデータを記憶するように構成された飛行経路記憶メモリ210と、所定の飛行経路に沿った航空機の現在位置を規定する位置データを出力するように構成された位置決定ユニット220と、航空機の現在位置における現在時間を規定する時間データを出力するように構成されたタイマユニット230と、位置データおよび時間データを受け取り、飛行経路メモリ内に記憶された予定時間から現在位置に対応する予定時間を決定し、現在時間と予定時間との時間偏差110、310を計算するように構成された処理装置200と、時間偏差110、310を表示するように構成されたディスプレイ100とを含む。
【0051】
一変形形態では、開示のシステムは、所望の対地速度を提供するように構成される。さらに別の変形形態では、システムは、飛行経路記憶メモリ210が、飛行経路に沿って指定された位置に対応する予定対地速度を記憶するように構成されることと、所望の対地速度が現在位置に対応する予定対地速度であることとを含む。さらに別の変形形態では、処理装置200は、飛行経路に沿って指定された位置およびその位置に対応する予定時間に基づいて飛行経路に沿って指定された位置に対応する予定対地速度を計算するようにさらに構成され、所望の対地速度は、現在位置に対応する予定対地速度である。
【0052】
一代替形態では、航空機の測定された現在の対地速度を規定する対地速度データを出力するように構成された対地速度決定ユニット240をさらに含むシステムが開示され、処理装置200は、対地速度データを受け取り、測定された現在の対地速度と現在位置に対応する所望の対地速度との対地速度偏差320を計算するようにさらに構成され、ディスプレイ100は、対地速度偏差を表示するようにさらに構成される。一変形形態では、ディスプレイ(100)が予定対地速度を表示するようにさらに構成されるシステムが開示される。さらに別の変形形態では、航空機の測定された現在の対地速度を規定する対地速度データ、および航空機の測定された航跡を規定する航跡データを出力するように構成された対地速度決定ユニット240と、航空機の測定された現在の対気速度を規定する対気速度データ、および航空機の測定された現在の対気速度を規定する機首方位データを出力するように構成された航空機センサ250とを含むシステムが開示され、航空機は、規定された最大航行対気速度を有し、処理装置200は、対気速度センサから対気速度データを受け取り、対地速度決定ユニット240から対地速度データおよび航跡データを受け取り、機首方位センサから機首方位データを受け取るようにさらに構成され、処理装置200は、規定された最大航行対気速度、対気速度データ、対地速度データ、機首方位データ、および航跡データに基づいて最大許容対地速度偏差324を計算するようにさらに構成され、ディスプレイ100は、最大許容対地速度偏差324を表示するようにさらに構成される。
【0053】
一変形形態では、システムが開示され、航空機は、規定された最小操縦対気速度を有し、処理装置200は、規定された最小操縦対気速度、対気速度データ、対地速度データ、機首方位データ、および航跡データに基づいて最小許容対地速度偏差320を計算するようにさらに構成され、ディスプレイ100は、最小許容対地速度偏差320を表示するようにさらに構成される。
【0054】
別の態様では、ディスプレイ上に飛行情報を提示する配置が開示され、原点、ならびに原点の両側に延びて時間偏差510の正の値および負の値を表す部分を有する時間偏差スケールと、時間偏差スケールに沿った点を示し、それによって時間偏差510の値を示す時間偏差インジケータと、原点、ならびに原点の両側に延びて対地速度偏差520の正の値および負の値を表す部分を有する対地速度偏差スケールと、対地速度偏差スケールに沿った点を示し、それによって対地速度偏差520の値を示す対地速度偏差インジケータとを含む。
【0055】
一変形形態では、この配置は、対地速度偏差スケールの原点が、示される時間偏差510の値とともに変動することを含む。
【0056】
別の変形形態では、この配置は、対地速度偏差スケールに沿った点を示し、それによって対地速度偏差524の最小許容値を示す最小許容対地速度偏差インジケータを含む。さらに別の変形形態では、現在の対地速度を示す対地速度インジケータが開示され、このインジケータは、別個の対地速度スケールを提供し、または対地速度偏差スケールに沿った位置を示す。
【0057】
一変更形態では、この配置は、対地速度スケールに沿った点を示し、それによって対地速度522の最大許容値を示す最大許容対地速度インジケータを含む。さらに別の変形形態では、この配置は、対地速度スケールに沿った点を示し、それによって対地速度の最小許容値を示す最小許容対地速度インジケータを含む。