特許第6016595号(P6016595)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016595
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】充電器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20161013BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   H02J7/10 A
   H01M10/44 Q
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-263916(P2012-263916)
(22)【出願日】2012年12月3日
(65)【公開番号】特開2014-110680(P2014-110680A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2015年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】391008537
【氏名又は名称】ASTI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正二
【審査官】 宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−110410(JP,A)
【文献】 特開2012−196076(JP,A)
【文献】 特開2003−288951(JP,A)
【文献】 特開平01−050760(JP,A)
【文献】 特開昭60−204257(JP,A)
【文献】 特開平04−117170(JP,A)
【文献】 特開平03−018272(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0019446(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/141434(WO,A2)
【文献】 特開2012−090515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/42−10/48
H02J7/00−7/12、
7/34−7/36
H02M3/00−3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
力率改善部と直流電圧変換部とからなり多段定電流充電方式によって充電する充電器において、
上記直流電圧変換部は、メインスイッチを備えた一次側回路と、平滑コイルを備えた二次側回路と、これら一次側回路及び二次側回路の間に介挿され一次巻線と二次巻線とからなるトランスと、から構成されていて、
上記トランスの巻数比(n:二次巻線の巻線数/一次巻線の巻線数)は充電電圧規制値(Vreg)を目安に決定され、
上記平滑コイルは、最終段の充電電流(I)より大きな電流で臨界状態となり、最終段の充電電流(I)で最大充電電圧(Vmax)以上の電圧を出力できるように、その仕様が決定されているものであることを特徴とする充電器。
【請求項2】
請求項1記載の充電器において、
上記平滑コイルのインダクタンス(L)が次の式を満足するものであることを特徴とする充電器。
L≦T・Vreg(Vreg−D・Vmax)/2Vmax・I
L>0
reg−D・Vmax>0
但し、
L :平滑コイルのインダクタンス
T :メインスイッチのスイッチング周期
reg :最終段以前の充電電圧規制値
D :メインスイッチのデューティ(メインスイッチのオン時間
/メインスイッチのスイッチング周期)
max :最大充電電圧
:最終段充電電流
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、各種の電気自動車やハイブリッド車等に搭載される蓄電池に充電するための充電器に係り、特に、多段定電流充電方式により充電するものにおいて、小型化と高効率化を図ることができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
多段定電流充電方式の充電電圧及び充電電流は、図5に示すようなものである。図5中上側に示す線図が充電電圧特性を示す線図であり、横軸に時間(t)をとり縦軸に充電電圧をとって、充電電圧の時間変化を示している。又、図5中下側に示す線図が充電電流を示す線図であり、横軸に時間(t)をとり縦軸に充電電流をとって、充電電流の時間変化を示している。
多段定電流充電方式は、蓄電池の寿命を延ばし、充電の時間を短縮し、充電の効率を高めるための充電方式である。上記の目的のため、各段の定電流値(I、Imax)、充電電圧規制値(Vreg)、最大充電電圧(Vmax)が、蓄電池固有の値として予め設定されている。
尚、最大充電電圧(Vmax)は充電電圧規制値(Vreg)よりも大きな値として設定されている。
【0003】
図5に示すように、多段定電流充電方式の充電は、例えば、初段(1段)、中段(2段)、最終段(3段)の3段階で行われ、一例として、初段の充電電流が25A、中段の充電電流が15A、最終段の充電電流が8Aとなっている。又、初段の充電電流25Aが最大充電電流Imaxとなっている。
【0004】
一方、充電電圧であるが、初段、中段ともに充電電圧規制値Vreg(28.8V)を超えることはなく、最終段で充電電圧規制値Vreg(28.8V)を超えて35Vに至っている。これが最大充電電圧Vmaxとなる。
尚、定電流充電においては、この充電電圧規制値Vregを目安に定電流値の切換を行っている。
【0005】
上記したように、最大充電電流Imaxは初段の充電電流であり、最大充電電圧Vmaxは最終段の最大充電電圧である。実際の充電器の直流電圧変換部は最大充電電流Imaxで最大充電電圧Vmaxを出力することはないが、設計としては、最大充電電流Imaxで最大充電電圧Vmaxを出力することが可能な構成となっている。すなわち、トランスの二次巻線の巻数は最大充電電圧Vmaxの出力が可能な巻数となっており、又、線径は最大充電電流Imaxの出力が可能な線径となっている。
【0006】
又、最大充電電圧Vmaxを出力できるトランスの巻数比n(二次巻線の巻線数/一次巻線の巻線数)は次の式(I)により算出される。

=Vmax=n・D・Vin――(I)

但し、
:充電器の出力電圧
max:最大充電電圧
:最大充電電圧Vmaxを出力できるトランスの巻数比(二次巻線の巻線数/一次巻線の巻線数)
D :メインスイッチのデューティ(メインスイッチのオン時間/メインスイッチのスイッチング周期)
in :入力電圧
尚、一次側回路のメインスイッチの各素子の損失や二次側回路のダイオードの損失については無視するものとする。
【0007】
この種の充電器の構成を示すものとして、例えば、特許文献1等があり、又、多段定電流充電方式を記載したものとして、例えば、非特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−288948号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】電力中央研究所報告 電気自動車用シール形鉛電池の多段定電流充電法の開発 研究報告:T97011 平成10年4月 財団法人電力中央研究所発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、従来の充電器は、設計としては、最大充電電流Imaxで最大充電電圧Vmaxを出力することが可能な構成となっている。つまり、トランスの二次巻線の巻数は最大充電電圧Vmaxの出力が可能な巻数となっており、又、線径は最大充電電流Imaxの出力が可能な線径となっている。その為、トランスひいては充電器が大型化してしまいコストも上昇してしまうという問題があった。
又、二次側の整流ダイオードや転流ダイオードの逆印加電圧が高くなってしまい、その為、順方向降下電圧が大きくて逆方向耐圧が高い整流ダイオードや転流ダイオードを使用しなければならず、効率が悪いという問題もあった。
【0011】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、小型化と高効率化を図ることが可能な多段定電流充電方式の充電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による充電器は、力率改善部と直流電圧変換部とからなり多段定電流充電方式によって充電する充電器において、上記直流電圧変換部は、メインスイッチを備えた一次側回路と、平滑コイルを備えた二次側回路と、これら一次側回路及び二次側回路の間に介挿され一次巻線と二次巻線とからなるトランスと、から構成されていて、上記トランスの巻数比(n:二次巻線の巻線数/一次巻線の巻線数)は充電電圧規制値(Vreg)を目安に決定され、上記平滑コイルは、最終段の充電電流(I)より大きな電流で臨界状態となり、最終段の充電電流(I)で最大充電電圧(Vmax)以上の電圧を出力できるように、その仕様が決定されているものであることを特徴とするものである。
又、請求項2による充電器は、請求項1記載の充電器において、上記平滑コイルのインダクタンス(L)が次の式を満足するものであることを特徴とするものである。
L≦T・Vreg(Vreg−D・Vmax)/2Vmax・I
L>0
reg−D・Vmax>0
但し、
L :平滑コイルのインダクタンス
T :メインスイッチのスイッチング周期
reg :充電電圧規制値
D :メインスイッチのデューティ(メインスイッチのオン時間/メイン
スイッチのスイッチング周期)
max :最大充電電圧
:最終段充電電流
【発明の効果】
【0013】
以上述べたように本願発明の請求項1による充電器によると、力率改善部と直流電圧変換部とからなり多段定電流充電方式によって充電する充電器において、上記直流電圧変換部は、メインスイッチを備えた一次側回路と、平滑コイルを備えた二次側回路と、これら一次側回路及び二次側回路の間に介挿され一次巻線と二次巻線とからなるトランスと、から構成されていて、上記トランスの巻数比(n:二次巻線の巻線数/一次巻線の巻線数)は充電電圧規制値(Vreg)を目安に決定され、上記平滑コイルは、最終段の充電電流(I)より大きな電流で臨界状態となり、最終段の充電電流(I)で最大充電電圧(Vmax)以上の電圧を出力できるように、その仕様が決定されているものであるので、充電能力を低下させることなく、トランスの二次巻線の巻線数を減少させることができ、それによって、トランス、直流電圧変換部、ひいては充電器の小型化を図ることができる。又、トランスの二次巻線の巻線数を減少させることができるので、損失を低減させて高効率化を図ることができる。
又、請求項2による充電器は、請求項1記載の充電器において、上記平滑コイルのインダクタンス(L)が次の式を満足するように構成されているので、上記効果を確実なものとすることができる。
L≦T・Vreg(Vreg−D・Vmax)/2Vmax・I
L>0
reg−D・Vmax>0
但し、
L :平滑コイルのインダクタンス
T :メインスイッチのスイッチング周期
reg :充電電圧規制値
D :メインスイッチのデューティ(メインスイッチのオン時間/メイン
スイッチのスイッチング周期)
max :最大充電電圧
:最終段充電電流
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態を示す図で、交流電源、充電器、蓄電池の関係を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施の形態を示す図で、充電器の直流電圧変換部の構成を示す回路図である。
図3】本発明の一実施の形態を示す図で、充電器の直流電圧変換部の二次側回路の平滑コイルの電流と一次側回路のメインスイッチの「オン/オフ」、「ターンオン」のタイミングを示す図である。
図4】本発明の一実施の形態を示す図で、充電器の出力電流と出力電圧の関係を示す特性図である。
図5】従来例の説明に使用した図で、多段定電流充電方式の充電電圧と充電電流を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1乃至図4を参照して本発明の一実施の形態を説明する。まず、本実施の形態による充電器1を使用した充電システムの概略構成を、図1を参照して説明する。
図1に示すように、充電器1は、交流電源3からの電力を蓄電池5に充電するためのものである。又、上記充電器1は、力率改善部7と直流電圧変換部9とから構成されている。
【0016】
上記力率改善部7は、交流電源3からの入力電流の商用交流電源周波数の高調波成分(基本周波数の整数倍の周波数の成分)を低減して入力の力率を改善するための回路である。
【0017】
上記直流電圧変換部9は、図2に示すように、一次側回路11と、二次側回路13と、これら一次側回路11と二次側回路13との間に介挿されたトランス15とから構成されている。上記一次側回路11は、電源17と、メインスイッチ19とから構成されている。
尚、図中電源17による入力電圧を符号Vinで示す。
【0018】
上記二次側回路13は、整流ダイオード21と、転流ダイオード23と、平滑コイル25と、コンデンサ27と、抵抗29とから構成されている。又、上記トランス15は、一次巻線31と二次巻線33とから構成されている。
【0019】
上記トランス15の巻数比nは、充電電圧規制値Vregを目安に設計されており、次の式(II)によって算出される。

=Vreg=n・D・Vin――(II)

但し、
:充電器1の出力電圧
reg:充電電圧規制値
:充電電圧規制値Vregを出力できるトランス15の巻数比(二次巻線
33の巻線数/一次巻線31の巻線数)
D :メインスイッチ19のデューティ(メインスイッチ19のオン時間
/メインスイッチ19のスイッチング周期)
in :電源17による入力電圧
【0020】
又、電源17による入力電圧Vin、トランス15の巻数比n、メインスイッチ19のデューティDが一定でも、出力電流を、ある電流Icrit より小さくして負荷抵抗を大きくすると、出力電圧は次の式(III)によって算出される充電電圧規制値Vregより高くなる。

crit=Vreg(n・Vin−Vreg)・T/n・Vin・2L
―――(III)
但し、
crit:出力電圧がVreg以上になる出力電流の臨界値
reg :充電電圧規制値
:充電電圧規制値Vregを出力できるトランス15の巻数比(二次巻線33の巻線数/一次巻線31の巻線数)
in :電源17による入力電圧
L :平滑コイル25のインダクタンス
T :メインスイッチ19のスイッチング周期
【0021】
出力電流Iが出力電流の臨界値Icritに等しい臨界状態では、メインスイッチ19が「オン」のときに平滑コイル25にエネルギが蓄積され、その蓄積された全てのエネルギはメインスイッチ19が「オフ」の時に負荷に放出される。そして、メインスイッチ19のターンオンの時点で、平滑コイル25を流れる電流は「0」Aとなる。その様子を図3に示す。図3は横軸に時間(t)をとり、縦軸に平滑コイル25の電流をとりその時間変化を示した図である。
尚、臨界状態とは、図3に示すように、メインスイッチ19のターンオンの時点で、平滑コイル25を流れる電流が「0」Aとなる状態を意味している。
【0022】
出力電流Iを出力電流の臨界値Icritより小さくしようとしても、メインスイッチ19のデューティDが一定であるので、メインスイッチ19が「オン」のときに、平滑コイル25に蓄積されたエネルギは減少しない。この蓄積したエネルギをメインスイッチ19が「オフ」の間に全て負荷に放出するので、出力電圧が式(II)の充電電圧規制値Vregよりも高くなる。本実施の形態の場合にはこの動作を多段定電流充電の最終段に適用するものである。
【0023】
出力電流Iが出力電流の臨界値Icrit以下のときの出力電圧は次の式(IV)により算出される。

=Vdcm=Vreg/(D・Vreg+2LIo/T)
―――(IV)
但し、
:充電器1の出力電圧
dcm :デューティが一定で、出力電流Iが出力電流の臨界値Icrit以下
のときの出力電圧
reg :充電電圧規制値
D :メインスイッチ19のデューティ(メインスイッチ19のオン時間
/メインスイッチ19のスイッチング周期)
L :平滑コイル25のインダクタンス
o :直流電圧変換部9の出力電流
T :メインスイッチ19のスイッチング周期

したがって、多段定電流充電の最終段に求められる定電流値をI、最大充電電圧をVmaxとしたとき、充電器の出力電流がIのときの出力電圧Vが最大充電電圧Vmax以上であればよく、つまり、次の式(V)が成立すればよい。

max reg/(D・Vreg+2LI/T)
―――(V)
但し、
max :最大充電電圧
reg :充電電圧規制値
D :メインスイッチ19のデューティ(メインスイッチ19のオン時間
/メインスイッチ19のスイッチング周期)
L :平滑コイル25のインダクタンス
:最終段充電電流
T :メインスイッチ19のスイッチング周期

例えば、充電電圧規制値Vreg(入力電圧Vin、トランス15の巻数比n、メインスイッチ19のデューティDから決まる。)とメインスイッチ19のスイッチング周期Tが決まれば、次の式(VI)、(VII)、(VIII)によって、平滑コイル25のインダクタンスLが決定される。

L≦T・Vreg(Vreg−D・Vmax)/2Vmax・I
―――(VI)

L>0 ―――(VII)

reg−D・Vmax>0 ―――(VIII)

但し、
L :平滑コイル25のインダクタンス
T :メインスイッチ19のスイッチング周期
reg :充電電圧規制値
D :メインスイッチ19のデューティ(メインスイッチ19のオン時間
/メインスイッチ19のスイッチング周期)
max :最大充電電圧
:最終段充電電流
【0024】
各数値の一例を具体例として挙げる。


:154μS(f=65Hz)
D :0.41
:0.18
in :390V
reg :28.8V
max :35V
:8A
reg−D・Vmax:144V>0

よって、
L< :14.4μH
となる。
【0025】
そして、L=10μHとしたとき、充電器1の出力電流Iに対する出力電圧Vの特性は、図4に示すようなものとなる。図4は、横軸に出力電流Iをとり縦軸に出力電圧Vをとって、両者の変化を示す図である。この図4に示すように、多段定電流最終段の出力電流Iで最大充電電圧Vmax以上の電圧を出力することができる。具体的には、多段定電流最終段の出力電流I(8A)で最大充電電圧Vmax(35V)以上の電圧を出力することができる。
尚、図4に示す場合には、出力電流が13Aのときにのみ臨界状態となる。つまり、Icrit=13Aとなり、出力電流Iをそれより小さな8Aとすることによって、最大充電電圧Vmax(35V)以上の電圧を出力することが可能になったものである。
【0026】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、充電能力を低下させることなく、直流電圧変換部9ひいては充電器1の小型化と高効率化を図ることができる。すなわち、本実施の形態によるトランス15の巻数比nは、最大充電電圧Vmaxではなく、充電電圧規制値Vregを目安に決定されているので、従来の場合の巻数比nに比べて小さくなり、その結果、トランス15の二次巻線33の巻線数が減少することになる。
又、最大充電電流Imaxは変わらないので二次巻線33の線径は従来と同じである。よって、巻線数が減少した分だけトランス15の小型化、低コスト化を図ることができる。
具体例でみると、一例として、トランス15の二次巻線33の巻線数を19%だけ減少させることができる。
又、その際、平滑コイル25のインダクタンスLを所定の値に設定しているので、多段定電流最終段の出力電流I(8A)で最大充電電圧Vmax(35V)以上の電圧を出力することができる等、充電能力は担保されている。
又、トランス15の二次巻線33の巻線数を減少させたことにより損失を低減させることができる。
又、二次側回路11の整流ダイオード21と転流ダイオード23の逆方向電圧を低くすることができる。
具体例でみると、一例として、整流ダイオード21と転流ダイオード23の逆方向電圧を19%だけ低くすることができる。
又、充電能力についてはこれを何ら低下させることもない。
【0027】
尚、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
例えば、直流電圧変換部9の回路構成としては、フォワード方式のものを例に挙げて説明したが、それに限定されず、ブリッジ方式のものでもよい。
又、前記一実施の形態の場合には、多段定電流充電方式の一例として、初段、中段、最終段の3段階の場合を例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、2段、4段以上の場合も想定される。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は充電器に係り、特に、多段定電流充電方式により充電するものにおいて、小型化と高効率化を図ることができるように工夫したものに関し、例えば、例えば、各種の電気自動車やハイブリッド車等に搭載される蓄電池に充電するための充電器に好適である。
【符号の説明】
【0029】
1 充電器
3 交流電源
5 蓄電池
7 力率改善部
9 直流電圧変換部
11 一次側回路
13 二次側回路
19 メインスイッチ
25 平滑コイル
図1
図2
図3
図4
図5